JPH11270718A - ガス用減圧弁 - Google Patents

ガス用減圧弁

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JPH11270718A
JPH11270718A JP7522498A JP7522498A JPH11270718A JP H11270718 A JPH11270718 A JP H11270718A JP 7522498 A JP7522498 A JP 7522498A JP 7522498 A JP7522498 A JP 7522498A JP H11270718 A JPH11270718 A JP H11270718A
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JP
Japan
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valve
diaphragm
hole
chamber
coil spring
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Application number
JP7522498A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Iwasaki
博行 岩崎
Kazunori Ishikawa
和記 石川
Yoji Nakajima
要治 中島
Yoshio Saito
芳夫 齋藤
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Keihin Corp
Original Assignee
Keihin Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ボディおよびダイヤフラム間に形成される減圧
室に通じる弁孔を中央部に開口させた弁座に着座可能な
弁体がダイヤフラムの中央部に連結され、カバーおよび
ダイヤフラム間に形成されるばね室にコイルばねが収納
され、該コイルばねのばね荷重を調節する調節ねじがカ
バーに進退自在に螺合されるガス用減圧弁において、ダ
イヤフラムの組付時にダイヤフラムに偏荷重が作用する
ことを回避してダイヤフラムがずれて組み込まれないよ
うにし、しかも部品点数の低減を可能とする。 【解決手段】カバー91には、コイルばね117の挿脱
を可能として外端を開口せしめた収納孔118が弁孔1
04の軸線と同軸にして設けられ、収納孔118の外端
開口部に螺合される調節ねじ132に、コイルばね11
7のダイヤフラム93とは反対側の端部が受けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス用減圧弁に関
し、特に、ボディおよびダイヤフラム間に形成される減
圧室に通じる弁孔を中央部に開口させた弁座に着座可能
な弁体がダイヤフラムの中央部に連結され、カバーおよ
びダイヤフラム間に形成されるばね室にコイルばねが収
納され、該コイルばねのばね荷重を調節する調節ねじが
カバーに進退自在に螺合されるガス用減圧弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかるガス用減圧弁は、たとえば
特開平6−249076号公報等により知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ものでは、コイルばねを収納せしめるべくカバーにもう
けられている円筒部の外端が端壁で閉じられており、そ
の端壁に進退自在に螺合された調節ねじの内端が当接す
るリテーナで、コイルばねのダイヤフラムとは反対側の
端部を受けるようにしているので、ダイヤフラムの周縁
部をボディおよびカバー間で挟むべくカバーをボディに
締結する際には、コイルスプリング、リテーナおよび調
節ねじも同時に組み込まねばならず、コイルばねのばね
力に打勝つ力をカバーに作用させながら締結作業を行な
う必要がある。しかもカバーのボディへの締結にあたっ
ては、カバーの周方向複数箇所でボルト締めを行なう必
要があるのであるが、複数のボルトを同時に締付けるこ
とは不可能であるので、締付作業の途中でダイヤフラム
に偏荷重がかかり易く、カバーおよびボディ間にダイヤ
フラムが正しく挟持されずにずれてしまうことがあり、
このダイヤフラムのずれに起因して弁体の弁座への着座
が不完全となり、調圧不良が生じる可能性がある。しか
も調節ねじおよびコイルばね間にリテーナを介在させる
必要があるので部品点数も多くなる。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、ダイヤフラムの組付時にダイヤフラムに偏荷
重が作用することを回避してダイヤフラムがずれて組み
込まれないようにし、しかも部品点数の低減を可能とし
たガス用減圧弁を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、ボディと、該ボディに締結
されるカバーとの間にダイヤフラムの周縁部が挟持さ
れ、該ダイヤフラムおよび前記ボディ間に形成される減
圧室に通じる弁孔を中央部に開口させた弁座に着座可能
な弁体が、前記ダイヤフラムの中央部に連結され、前記
カバーおよびダイヤフラム間に形成されるばね室に、前
記減圧室の容積を縮少する方向にダイヤフラムを付勢す
るコイルばねが収納され、軸方向の進退位置に応じて前
記コイルばねのばね荷重を調節する調節ねじが前記カバ
ーに進退自在に螺合されるガス用減圧弁において、前記
カバーには、前記コイルばねの挿脱を可能として外端を
開口せしめた収納孔が前記弁孔の軸線と同軸にして設け
られ、該収納孔の外端開口部に螺合される調節ねじに、
前記コイルばねのダイヤフラムとは反対側の端部が受け
られる。
【0006】このような構成によれば、コイルばねのダ
イヤフラムとは反対側の端部は、調節ねじに設けられて
いる凹部で直接受けられるので、リテーナを不要として
部品点数を低減することができる。しかも調節ねじは、
コイルばねの収納を可能としてカバーに設けられている
収納孔の外端開口部に螺合されるものであるので、ダイ
ヤフラムの周縁部をボディおよびカバー間に挟み込むと
きには、コイルばねをカバーから取り出しておくことが
でき、ダイヤフラムに偏荷重が作用することを回避して
カバーをボディに締結することができるので、ダイヤフ
ラムにずれが生じることを防止して、弁体の弁座への確
実な着座を可能とし、調圧不良が生じることを防止する
ことができる。
【0007】また請求項2記載の発明は、上記請求項1
記載の発明の構成に加えて、前記調節ねじに、前記コイ
ルばねのダイヤフラムとは反対側の端部を嵌合せしめる
ガイド部が設けられることを特徴とし、かかる構成によ
れば、コイルばねをカバー内に収納して調節ねじで圧縮
するときには、コイルばねのダイヤフラムとは反対側の
端部をガイド部でガイドすることができ、コイルばねの
傾きが生じることも防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0009】図1ないし図15は本発明の一実施例を示
すものであり、図1は車両の燃料供給装置の構成を概略
的に示す図、図2はレギュレータの側面図、図3はレギ
ュレータの平面図、図4は図3の4−4線断面図、図5
は図4の5−5線断面図、図6は電磁遮断弁の拡大縦断
面図、図7は電磁遮断弁における吸引特性を示す図、図
8は一次減圧弁の拡大縦断面図、図9は図8の9−9線
拡大断面図、図10は図8の要部拡大図、図11は一次
減圧弁の環境温度に応じた減圧特性を示す図、図12は
ピストンに装着されるOリングの個数によるヒステリシ
ス特性を示す図、図13は二次減圧弁の拡大縦断面図、
図14は図13の14−14線断面図、図15は図14
の15−15線に沿ってキャップのみを切断した縦断側
面図である。
【0010】先ず図1において、圧縮天然ガス(Compre
ssed Natural Gas;以下、CNGと言う)が、1または
複数のCNGタンク20…にたとえば250〜10kg
/cm2 の高圧で貯溜されており、それらのCNGタン
ク20…がそれぞれ備える容器遮断弁21…が、充填口
22に逆止弁23を介して共通に接続されるとともに、
手動遮断弁24に共通に接続され、各容器遮断弁21…
および手動遮断弁24間の管路25には、圧力センサ2
6および温度センサ27が付設される。
【0011】容器遮断弁21…および手動遮断弁24の
開弁時に前記CNGタンク20…からのCNGは、CN
Gタンク20…へのコンプレッサによるCNGの充填時
に混入する可能性のあるオイルを除去するためのオイル
フィルタ41を備える管路28を介してレギュレータR
に導かれ、該レギュレータRで2〜3kg/cm2 に減
圧されたCNGが、エンジンEのインジェクタ29に管
路30を介して導かれる。而して該管路30には、温度
センサ31および圧力センサ32が付設される。
【0012】図2ないし図5を併せて参照して、レギュ
レータRは、温水通路33を有する共通のボディ34
に、フィルタ35、電磁遮断弁36、一次減圧弁37、
二次減圧弁38、リリーフ弁39およびサーモスタット
40が配設されて成るものである。
【0013】フィルタ35は、手動遮断弁24からの管
路28を介して導かれるCNGに含まれる不純物を除去
するものであり、電磁遮断弁36は、エンジンEの運転
停止に伴ってフィルタ35および一次減圧弁37間を遮
断してCNGの供給を停止する働きをする。
【0014】一次減圧弁37は、CNGタンク20…か
らの250〜10kg/cm2 の高圧のCNGを、たと
えば6〜7kg/cm2 に減圧するように作動し、二次
減圧弁38は、一次減圧弁37からのCNGをたとえば
2〜3kg/cm2 まで減圧するように作動し、二次減
圧弁38からのCNGが管路30を介してインジェクタ
29に導かれる。
【0015】リリーフ弁39は、一次減圧弁37および
二次減圧弁38間に接続されるものであり、一次減圧弁
37で減圧されて二次減圧弁38に導かれるCNGが、
たとえば予め設定された開弁圧たとえば16.5kg/
cm2 を超えて上昇したときに開弁してCNGを大気に
放出する働きをする。
【0016】さらにボディ34の温水通路33には、一
次および二次減圧弁37,38での減圧作用に伴ってボ
ディ34の温度が低下し過ぎないようにするために、エ
ンジンEからエンジン冷却水が導入されるのであるが、
サーモスタット40は、温水通路33からエンジンE側
へのエンジン冷却水の戻り側でボディ34に配設されて
おり、温水通路33を流通するエンジン冷却水がたとえ
ば80度を超えたときに閉弁するようにしてボディ34
の温度が上昇しすぎないようにする働きをする。
【0017】以下、フィルタ35、電磁遮断弁36、一
次減圧弁37、二次減圧弁38、リリーフ弁39および
サーモスタット40の構成および作用について、順次説
明していく。
【0018】〔フィルタ35〕;図5に特に注目して、
ボディ34の上下方向中間部における側部には凹部43
が設けられており、該凹部43の外端開口部に管継手4
4がその内端とボディ34との間に環状のシール部材4
5を挟み込むようにして螺着され、手動遮断弁24から
のCNGを導く管路28が管継手44の外端部に接続さ
れる。前記凹部43には、管継手44の内端との間に間
隔をあけるようにしてフィルタ35が嵌合されており、
該フィルタ35と管継手44との間には、フィルタ35
を凹部43の内端閉塞部に押付ける弾発力を発揮するば
ね46が設けられる。
【0019】凹部43に嵌合されたフィルタ35の外周
とボディ34との間には、管継手44内に通じる環状の
未浄化室47が形成されており、ボディ34には、フィ
ルタ35内の浄化室48に通じる通路49が設けられ
る。而して管路28を介して導かれるCNGに含まれる
不純物が未浄化室47からフィルタ35を透過して浄化
室48に流入し、さらに通路49へと導かれる。
【0020】〔電磁遮断弁〕;図6を併せて参照して、
前記管継手44の螺着位置から周方向に間隔をあけた位
置で前記フィルタ35に対応した上下位置に、ボディ3
4の側部に電磁遮断弁36が取付けられる。
【0021】この電磁遮断弁36は、コイル組立体50
と、一端側がコイル組立体50内に挿入されるとともに
他端側がボディ34に固定される非磁性材料製のガイド
筒51と、該ガイド筒51の一端を塞ぐようにしてガイ
ド筒51に固着される固定コア52と、固定コア52に
対向してガイド筒51内に摺動可能に嵌合されるプラン
ジャ53と、固定コア52およびプランジャ53間に設
けられる戻しばね54と、コイル組立体50を覆うよう
にして固定コア52に締結される磁性金属製のソレノイ
ドハウジング55と、コイル組立体50をソレノイドハ
ウジング55との間に挟むようにしてボディ34に螺合
される磁性支持枠56と、固定コア52とは反対側でプ
ランジャ53に保持される弁部材57とを備える。
【0022】コイル組立体50は、中心孔58を有する
合成樹脂製のボビン59と、該ボビン59に巻装される
コイル60とが合成樹脂から成る被覆部61で被覆され
て成るものであり、被覆部61のボディ34側の部分に
は、前記コイル60に連なる一対の接続端子62…を臨
ませたカプラ部61aが外側方に突出するようにして一
体に設けられており、このカプラ部61aに図示しない
導線が接続される。
【0023】ボディ34には、内端を閉じた小径孔63
と、小径孔63よりも大径にして小径孔63の外端に同
軸に連なる大径孔64とが、外方に臨む環状の段部65
を相互間に形成して設けられる。一端側をボビン59の
中心孔58に挿入せしめるガイド筒51の他端側外面に
は、大径孔64の内面に外周面を近接、対向せしめる鍔
部51aが半径方向外方に張出すようにして一体に設け
られており、この鍔部51aおよび段部65間に環状の
シール部材66を挟むようにしてガイド筒51の他端部
が大径孔64に挿入される。
【0024】磁性支持枠56は、ガイド筒51のコイル
組立体50からボディ34側に突出した部分を囲繞して
コイル組立体50のボディ34側の端面に当接するリン
グ板部56aと、リング板部56aの内周に一体に連設
されてガイド筒51を囲繞する円筒部56bとを備える
ものであり、円筒部56bが大径孔64にねじ込まれる
ことにより、磁性支持枠56がボディ34に組付られ
る。しかも段部65および円筒部56bの先端間にシー
ル部材66および鍔部51aが挟持されることにより、
ガイド筒51もボディ34に固定される。
【0025】固定コア52は磁性金属により横断面円形
の棒状に形成されるものであり、外端をガイド筒51の
一端から突出させるようにして内端部をガイド筒51の
一端部に嵌合した状態で、溶接等によりガイド筒51に
固着される。この際、半径方向外方に張出した鍔部51
aがガイド筒51の他端側に設けられていることから、
磁性支持枠56およびコイル組立体50のガイド筒51
への装着は、該ガイド筒51の一端側すなわち固定コア
52側から行なわざるを得ず、ガイド筒51および固定
コア52の固着部がガイド筒51の外面から突出するこ
とを避けるために、固定コア52のガイド筒51からの
突出部の外径はガイド筒51の外径よりも小さく設定さ
れている。このためコイル組立体50における中心孔5
8の一端側内面と、固定コア52の外周面との間には環
状の間隙67が形成されることになる。また固定コア5
2の外端面は、ガイド筒51の軸線に沿ってコイル組立
体50の一端面と略同一位置に配置される。
【0026】ソレノイドハウジング55は、コイル組立
体50を囲繞する円筒部55aと、該円筒部55aの一
端部に連設される端板部55bとを一体に備えて有底円
筒状に形成されるものであり、端板部55bの中央部が
固定コア52の外端面に当接される。しかも固定コア5
2には、その外端面から外方に突出するねじ軸部52a
が同軸にかつ一体に連設されており、前記端板部55b
の中央には、ねじ軸部52aを挿通せしめる挿通孔68
が設けられる。而してねじ軸部52aの前記端板部55
bからの突出部には、端板部55bの外面との間にワッ
シャ69を介在させて袋ナット70が螺合されており、
該袋ナット70を締付けることにより端板部55bすな
わちソレノイドハウジング55の閉塞端中央部が固定コ
ア52に締結されることになる。
【0027】このソレノイドハウジング55の固定コア
52への締結により、コイル組立体50がソレノイドハ
ウジング55の端板部55bと、磁性支持枠56のリン
グ板部56aとの間に挟持されることになるが、ソレノ
イドハウジング55の締結によりコイル組立体50に過
大な荷重が作用することを避けるために、コイル組立体
50の一端面には、端板部55bの内面に弾発的に接触
する環状の弾性部材71が装着され、コイル組立体50
の他端部内周と、磁性支持枠56との間に環状の弾性部
材72が挟まれる。
【0028】ソレノイドハウジング55における端板部
55bの内面には、磁性金属製の磁路形成部材73が、
スポット溶接等により固着される。この磁路形成部材7
3は、固定コア52を囲繞して端板部55bの内面に当
接するリング板部73aと、該リング板部73aの内周
に一端が同軸にかつ一体に連設される円筒部73bとを
備える。円筒部73bは、固定コア52との磁気的結合
を可能として該固定コア52を囲繞するものであり、該
円筒部73bの他端部はコイル組立体50および固定コ
ア52間に形成されている環状の間隙67に挿入され
る。
【0029】ソレノイドハウジング55における円筒部
55aの他端側には、コイル組立体50の被覆部61に
一体に設けられるカプラ部61aを外部に突出せしめる
ための切欠き74が設けられる。ところで、電磁遮断弁
36よりも上方でボディ34には、二次減圧弁38を取
付けるための円盤状のフランジ部77が外側方に張出す
ようにして一体に設けられており、このフランジ部77
の電磁遮断弁36側の面は、電磁遮断弁36のソレノイ
ドハウジング55における円筒部55aの他端側に対向
する平坦な規制壁76を形成する。一方、前記円筒部5
5aの他端には、規制壁76側に向けて突出する一対の
係合爪75,75が一体に設けられており、それらの係
合爪75,75が規制壁76に係合することにより、固
定コア52が備えるねじ軸部52aの軸線まわりのソレ
ノイドハウジング55の回動が阻止されることになる。
【0030】ところで、ガイド筒51の他端側が大径孔
64への挿入状態でボディ34に固定され、ガイド筒5
1にプランジャ53が摺動自在に嵌合されていることに
より、ボディ34の小径孔63の内端閉塞部と、ガイド
筒51およびプランジャ53の他端との間にはメイン弁
室78が形成される。しかも前記フィルタ35の浄化室
48に通じる通路49が該メイン弁室78に連通されて
おり、フィルタ35で浄化されたCNGがメイン弁室7
8に導入される。
【0031】また小径孔63の内端閉塞部における中央
で開口するようにしてボディ34に通路79が設けられ
ており、この通路79のメイン弁室78への開口端を囲
繞するようにしてメイン弁室78側にわずかに突出する
環状の弁座80がボディ34に設けられる。
【0032】弁部材57は、プランジャ53側に向けて
小径となるテーパ面を一端面に有して円盤状に形成され
る一端側のパイロット弁部57aと、小径孔63の内端
閉塞部に対向して円盤状に形成される他端側のメイン弁
部57bとが、両弁部57a,57bとの間で段差をな
す連結筒部57cを介して一体に連設されて成るもので
あり、パイロット弁部57aの直径はメイン弁部57b
の直径よりも小さく設定される。この弁部材57の中心
部には、通路79に常時連通する第1通路81と、第1
通路81に通じてパイロット弁部57aの一端面中央部
に開口する第2通路82とが同軸に設けられ、第2通路
82は第1通路81よりも小径に形成される。
【0033】プランジャ53においてメイン弁室78に
臨む端部には、パイロット弁部57aを挿入せしめる凹
部83が設けられており、パイロット弁部57aは、プ
ランジャ53の他端に固定されるC字形の止め輪84で
凹部83からの離脱を阻止されるようにして凹部83に
緩く挿入され、パイロット弁部57aおよびプランジャ
53間にはメイン弁室78に通じるパイロット弁室85
が形成される。またパイロット弁部57aの一端面中央
部を着座させたときに前記第2通路82のパイロット弁
室85への開口を塞ぐゴムシール86が前記凹部83の
閉塞端中央部に埋設される。而して前記止め輪84は、
パイロット弁部57aが凹部83の閉塞端およひ止め輪
84間でプランジャ53との間での軸方向相対移動が可
能となる位置でプランジャ53に固定される。
【0034】またメイン弁部57bにおいて小径孔63
の閉塞端に対向する面には、弁座80に着座してメイン
弁室78および通路79間を遮断するための環状のゴム
シール87が埋設される。
【0035】このような電磁遮断弁36では、エンジン
Eの停止時にはコイル60の消磁により、プランジャ5
3が戻しばね54のばね力により固定コア52から離反
する方向に移動し、メイン弁部57bのゴムシール87
が弁座80に着座してメイン弁室78および通路79間
が遮断されるとともに、パイロット弁部57aがゴムシ
ール86に着座してパイロット弁室85および通路79
間も遮断され、高圧のCNGの通路79側への供給が停
止される。
【0036】一方、エンジンEの運転開始時に、コイル
60が励磁されると、先ずプランジャ53がパイロット
弁部57aをゴムシール86から離反させるだけ固定コ
ア52側に移動し、第1通路81を介して通路79に連
通している第2通路82がパイロット弁室85に連通す
ることになる。これにより、メイン弁室78からパイロ
ット弁室85、第2通路82および第1通路81を経て
通路79にCNGが徐々に流れることになり、それによ
りメイン弁部57bにメイン弁室78および通路79側
から作用している圧力の差が小さくなる。而してコイル
60による電磁力がメイン弁部57bに作用している差
圧に打ち勝ったときに、プランジャ53が固定コア52
側にさらに移動して、メイン弁部57bのゴムシール8
7が弁座80から離反し、メイン弁室78から通路79
へとCNGが流れることになる。
【0037】しかも該電磁遮断弁36では、ソレノイド
ハウジング55の端板部55bの中央部が固定コア52
に締結されているのであるが、ソレノイドハウジング5
5における円筒部55aに一体に設けられた係合爪7
5,75がボディ34の規制壁76に係合するので、ソ
レノイドハウジング55がその端板部55bの固定コア
52への締結部を中心にして回動しようとしても、係合
爪75,75の規制壁76への係合により、ソレノイド
ハウジング55の回動が阻止される。したがってソレノ
イドハウジング55の固定コア52への締付強度を増大
することを不要とした簡単な構造でソレノイドハウジン
グ55の回動を阻止することができ、ソレノイドハウジ
ング55の円筒部55aに設けられた切欠き74から外
方に突出したカプラ部61aの周方向位置が正規の位置
からずれてしまうことが防止され、カプラ部61aに接
続されている導線に不所望の外力が作用することもな
い。さらに前記規制壁76は、ボディ34に二次減圧弁
38を取付けるための円盤状のフランジ部77の電磁遮
断弁36側の面であり、特別に規制壁76を形成するこ
とが不要であり、ソレノイドハウジング55をボディ3
4の中心に極力近づけて配置することを可能としてレギ
ュレータRの小型化に寄与することができる。
【0038】また固定コア52の外面と、コイル組立体
50の中心孔58の内面との間に環状の間隙67が形成
されているが、ソレノイドハウジング55の閉塞端すな
わち端板部55bの内面に当接するリング板部73a
と、リング板部73aの内周に一端が同軸にかつ一体に
連設されるとともに磁気的結合を可能として固定コア5
2を囲繞する円筒部73bとを備える磁路形成部材73
が、円筒部73bの他端部を前記間隙67に挿入せしめ
るようにしてソレノイドハウジング55に固着されてい
る。このような磁路形成部材73がソレノイドハウジン
グ55および固定コア52間に配設されることにより、
ソレノイドハウジング55および固定コア52間の磁路
面積は、固定コア52の外端面に対応する面積と、磁路
形成部材73の円筒部73bで囲繞される部分の固定コ
ア52の外周面の面積とを加算した比較的大きな値とな
り、ソレノイドハウジング55および固定コア52間の
磁路面積を充分に大きくすることが可能となる。
【0039】この結果、環状の間隙67をあけたままの
ものが、図7の破線で示す吸引力特性を示すのに対し、
磁路形成部材73を間隙67に挿入せしめたものでは、
図7の実線で示すように、優れた吸引特性を得ることが
できる。
【0040】〔一次減圧弁37〕;図8において、一次
減圧弁37の弁ハウジング90は、ボディ34の下部
と、該ボディ34の下面に複数のボルト92…で締結さ
れるカバー91とで構成されるものであり、ボディ34
の下面と、カバー91との間には、ダイヤフラム93の
周縁部が挟持される。
【0041】ボディ34の下面には、ダイヤフラム93
との間に減圧室94を形成する凹部95が設けられてお
り、この凹部95の閉塞端中央部には、ダイヤフラム9
3側に突出した円形の***部96が設けられる。
【0042】ボディ34には、減圧室94側に下端を開
口せしめるとともに上端を閉じた有底の取付け孔97が
上下に延びるようにして設けられており、この取付け孔
97は、***部96の下端中心部に下端を開口する第1
孔部97aと、第1孔部97aよりも小径にして第1孔
部97aの上端に下端が同軸に連なる第2孔部97b
と、第2孔部97bよりも小径にして第2孔部97bの
上端に下端が同軸に連なる第3孔部97cと、第3孔部
97cよりも小径にして第3孔部97cの上端に下端が
同軸に連なるとともに上端が閉じられる第4孔部97d
とで構成され、電磁遮断弁36からCNGを導く通路7
9が第2孔部97bの内面に開口される。
【0043】取付け孔97における第1孔部97aに
は、円筒状である弁座部材98が、第1および第2孔部
97a,97b間の段部との間に環状のシール部材99
を挟むようにして螺合される。すなわち取付け孔97に
おける第1孔部97aの下部内面には雌ねじ100が刻
設されており、該雌ねじ100に弁座部材98が螺合さ
れる。
【0044】しかも弁座部材98の減圧室94側の端面
には、取付け孔97の軸線に直交する平面内で弁座部材
98の半径方向に延びる複数たとえば4つの溝101…
を相互間に形成する複数たとえば4つの突部102…が
突設されており、それらの溝101…は十字状に配置さ
れる。而して弁座部材98の雌ねじ100への螺合時に
は、十字状に配置された溝101…に図示しない工具を
係合して弁座部材98を回転操作することが可能であ
り、弁座部材98をボディ34に容易に取付けることが
できる。
【0045】前記弁座部材98と取付け孔97の上端閉
塞部との間には前記通路79に通じる弁室103が形成
される。また弁座部材98は、その減圧室94側の端部
で半径方向内方に張出す内向き鍔98aを一体に備える
ものであり、該内向き鍔98aの内周で減圧室94に通
じる弁孔104が形成され、内向き鍔98aの内面に
は、前記弁孔104を中央部に開口させて弁室103に
臨むテーパ状の弁座105が形成される。
【0046】図9を併せて参照して、弁室103内には
前記弁座105に着座可能な合成樹脂製の弁体106が
収納され、該弁体106は、弁孔104と同軸に配置さ
れる弁軸107に固定される。
【0047】弁体106は、テーパ状である弁座105
に着座すべく該弁座105に対向する一端面をテーパ状
にして円筒状に形成されるものであり、弁軸107が弁
体106に弾発的に嵌合されることにより、弁軸107
に固定される。しかも弁軸107の外面の軸方向に間隔
をあけた位置には、弁体106の内面に弾発的に接触す
る一対のOリング108,108が装着されている。
【0048】弁軸107の一端部は、取付け孔97にお
ける第3孔部97cの内面との間に介装せしめた軸受1
09により軸方向の移動を可能としてボディ34に支承
される。また弁体106の外面には、弁座部材98の内
面にその周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば4箇
所で摺接するガイド部110…が設けられ、各ガイド部
110…相互間で弁体106および弁座部材98間には
弁軸107の軸方向に沿って延びる流通路111…が形
成される。
【0049】取付け孔97における第3および第4孔部
97c,97d間の段部との間に前記軸受109を保持
するためのリテーナ112が、第2および第3孔部97
b,97c間の段部に当接されており、このリテーナ1
12と弁体106との間には、ばね113が縮設され
る。
【0050】カバー91およびダイヤフラム93間には
ばね室116が形成され、該ばね室116には、ダイヤ
フラム93を減圧室94側に付勢するコイルばね117
が収納される。
【0051】カバー91には、弁孔104と同軸に延び
る収納孔118が外端を開口するようにして設けられて
おり、該収納孔118は、軸方向外方側のねじ孔部11
8aと、該ねじ孔部118aよりも大径としてねじ孔部
118aに同軸に連なる軸方向内方側の摺動孔部118
bとから成る。しかも収納孔118の内径は、コイルば
ね117の挿脱を可能とする程度に設定されている。
【0052】図10を併せて参照して、ダイヤフラム9
3の中央部の減圧室94側に臨む面には、ダイヤフラム
93の中心部を貫通してばね室116側に突出する円筒
部119aを一体に有する第1ダイヤフラムリテーナ1
19が当接され、ダイヤフラム93の中央部のばね室1
16側に臨む面には、円筒部119aの外面に設けられ
る環状段部121に内周を係合せしめてダイヤフラム9
3の中央部を第1ダイヤフラム119との間に挟み込む
第2ダイヤフラムリテーナ120が当接される。
【0053】一方、収納孔118の摺動孔部118bに
は、円筒状に形成されるピストン123が制限された範
囲での軸方向摺動を可能として嵌合されており、このピ
ストン123のダイヤフラム93側の端部には、前記円
筒部119aの外面に設けられる環状段部122および
第2ダイヤフラムリテーナ120に当接するリング板状
の当接板部123aと、前記円筒部119aを囲繞する
ようにして当接板部123aの内周に連なる円筒部12
3bとが設けられる。しかもピストン123の円筒部1
23bの先端は、第1ダイヤフラムリテーナ119にお
ける円筒部119aの先端よりも外方位置にあるように
設定される。
【0054】第1ダイヤフラムリテーナ119の中央部
には、減圧室94側からダイヤフラムロッド124が挿
入されており、第1ダイヤフラムリテーナ119におけ
る円筒部119aの内面には、減圧室94側に臨む環状
段部125が設けられ、ダイヤフラムロッド124は該
環状段部125に係合される。また円筒部119aから
の突出部分でダイヤフラムロッド124にはねじ軸部1
24aが設けられており、円筒部123bの先端との間
にワッシャ126…を介在させてねじ軸部124aにナ
ット127が螺合され、このナット127を締付けるこ
とにより、ダイヤフラム93の中央部を両ダイヤフラム
リテーナ119,120で挟むとともに、ダイヤフラム
93の中央部にダイヤフラムロッド124が固定され、
さらにピストン123がダイヤフラム93の中央部に連
結されることになる。しかも減圧室94およびばね室1
16間をシールするために、ダイヤフラムロッド124
の外周に装着された環状のシール部材128が円筒部1
19aの内面に弾発的に接触する。
【0055】弁軸107の他端部すなわちダイヤフラム
93側の端部はダイヤフラムロッド124に同軸に締結
されるものであり、ダイヤフラムロッド124には、弁
軸107側の一端を開放した嵌合孔130と、該嵌合孔
130よりも小径にして嵌合孔130の他端に同軸に連
なる有底のねじ孔131とが設けられる。一方、前記弁
軸107には、前記嵌合孔130に嵌合される嵌合軸部
107aと、前記ねじ孔131に螺合することを可能と
して嵌合軸部107aに同軸に連なる雄ねじ部107b
とが設けられており、雄ねじ部107bの軸方向長さL
1 が嵌合孔130の軸方向長さL2 よりも短く(L1
2 )設定される。
【0056】しかも円筒部119aの内面に弾発的に接
触するシール部材128は、嵌合孔130よりも小径で
あるねじ孔131の外方に対応する部分でダイヤフラム
ロッド124の外周に装着されており、これによりダイ
ヤフラムロッド124を極力小径化することができる。
【0057】ところで、ダイヤフラム93は、弁軸10
7の連結部すなわち中央部の肉厚と、ボディ34および
カバー91間に挟持される部分すなわち周縁部の肉厚と
を比較的大にするとともに、前記中央部および周縁部間
を結ぶ部分が比較的薄肉の曲面形状に形成されて成るも
のであり、このようなダイヤフラム93によれば、ダイ
ヤフラム93の耐圧性を向上することが可能であるとと
もに、低温時の応答性も向上することができる。
【0058】第2ダイヤフラムリテーナ120は、ダイ
ヤフラム93のばね室116側への撓みを規制する撓み
規制部120aを外周側に一体に備える。この撓み規制
部120aは、ばね室116側に膨らんだ彎曲形状に形
成されるものであり、該撓み規制部120aの外周縁は
カバー91の内面に近接、対向せしめられる。しかも撓
み規制部120aの外縁およびカバー91の内周面間の
間隙に対応する部分でダイヤフラム93の肉厚が、上記
間隙よりも大に形成されている。
【0059】収納孔118の外端開口部すなわちねじ孔
部118aには、調節ねじ132が進退可能に螺合され
ており、この調節ねじ132と、ダイヤフラム93の中
央部に連結されているピストン123の当接板部123
aとの間にコイルばね117が縮設される。したがって
調節ねじ132の進退位置を調節することにより、コイ
ルばね117のばね荷重を調節することができる。しか
も調節ねじ132の内端には、ダイヤフラム93とは反
対側でコイルばね117の端部全体を受けるガイド部と
しての凹部132aが設けられている。
【0060】また調節ねじ132のカバー91からの突
出部にはロックナット133が螺合されており、調節ね
じ132には、ばね室116を大気に開放するための開
放孔134が設けられる。
【0061】ところでピストン123はダイヤフラム9
3と一体に摺動するのであるが、このピストン123の
外面には、カバー91の内面に弾発的に摺接する複数た
とえば一対のOリング135,135が、ピストン12
3の軸方向に間隔をあけて装着されており、両Oリング
135,135間でピストン123の外面およびカバー
91間にグリス136が充填される。しかもピストン1
23にその軸方向一側から両Oリング135,135を
装着するようにしたときには、両Oリング135,13
5の一方がOリング溝により損傷する可能性があるが、
ピストン123の軸方向両端外面には彎曲した面取り部
123c,123dが設けられており、前記Oリング溝
で損傷することを回避してOリング135,135をピ
ストン123にその軸方向両端側からそれぞれ容易に装
着することができる。またOリング135,135が装
着されたピストン123を収納孔118に挿入する際に
Oリング135,135が損傷することを防止するため
に、収納孔118の内端開口部にはテーパ状の面取り部
118cが設けられている。
【0062】而して前記Oリング135,135によ
り、ばね室116内のピストン123およびダイヤフラ
ム93間が密閉されてしまうことを回避するために、ピ
ストン123の円筒部123bに、その内外面間にわた
る連通孔129が設けられる。
【0063】またボディ34には、減圧室94に通じて
上方に延びる複数たとえば4つの通路137,137…
が、取付け孔97の周囲に間隔をあけて配置されるよう
にして設けられる。さらにボディ34の***部96に
は、ダイヤフラム93の減圧室94側への撓みを規制す
べくダイヤフラム93の中央部の第1ダイヤフラムリテ
ーナ119に接触可能な複数たとえば4つの突部138
…が相互間に溝139…を形成するようにして突設され
ており、第1ダイヤフラムリテーナ119の各突部13
8…への接触時に、弁室103から弁孔104を通過し
たCNGは、弁座部材98の減圧室94側の端部に形成
されている溝101…および前記溝139…を経て減圧
室94側に流入可能である。
【0064】このような一次減圧弁37において、弁室
103に高圧のCNGが流入していない状態では、コイ
ルばね117のばね力によりダイヤフラム93が減圧室
94側に撓んでおり、弁体106は弁座105から離反
して弁孔104を開口せしめている。而して弁室103
に流入した高圧のCNGが弁孔104から減圧室94側
に流入し、減圧室94の圧力が、コイルばね117のば
ね力に抗してダイヤフラム93をばね室116側に撓ま
せる程度に増大すると、弁体106が弁座105に着座
して弁孔104が閉鎖されることになり、そのような弁
孔104の開放・閉鎖が繰り返されることにより、弁室
103にたとえば250〜10kg/cm2 の高圧で流
入したCNGが、たとえば6〜7kg/cm2 に減圧さ
れて減圧室94から各通路137,137…へと流れる
ことになる。
【0065】またボディ34には、弁軸107の軸線と
同軸にして減圧室94側に開口する有底の取付け孔97
が設けられており、弁体106を収納せしめる弁室10
3を取付け孔97の閉塞端との間に形成する円筒状の弁
座部材98が取付け孔97に螺合され、弁室103に臨
む弁座105が弁座部材98の減圧室94側の端部内面
に形成されている。したがって弁体を収納せしめるべく
ボディに設けられた収納孔の内端に弁座が形成されると
ともに該収納孔の外端を密封するための蓋部材がボディ
に取付けられる構成のものと比べると、蓋部材等の部材
が取付けられる必要がなく、部品点数の低減、ならびに
ボディ34への一次減圧弁37の配置上の自由度を増大
することができる。しかも弁座105が弁座部材98の
減圧室94側の端部内面に形成されていることにより、
弁体106を減圧室94側に極力近接させて配置するこ
とができ、ボディ34の小型化にも寄与することができ
る。
【0066】また弁軸107の一端部は、軸受109を
介してボディ34に支承され、弁座部材98の内面にそ
の周方向に間隔をあけた複数箇所で摺接する複数のガイ
ド部110…が弁体106の外面に設けられ、各ガイド
部110…相互間で弁体106および弁座部材98間
に、弁軸107の軸方向に沿って延びる流通路111…
が形成されている。したがって弁軸107の一端部が軸
方向移動可能にボディ34に支承されるとともに、弁体
106が固定される部分で弁軸107が弁体106およ
び弁座部材98を介してボディ34に軸方向移動可能に
支承されることになり、コイルばね117による横荷重
が弁軸107に作用したり、ダイヤフラム93に芯ずれ
が生じていたとしても、弁軸107に倒れが生じること
を防止して弁座105の軸線と弁体106の軸線とを正
確に一致させることができ、弁体106をその全周にわ
たって弁座105に確実に着座させることができる。
【0067】ところで、弁体106が合成樹脂から成る
ものであることにより、環境温度が低下することによっ
て弁体106が硬化してシール能が低下する。したがっ
て弁座105に対する弁体106の傾きに伴なう調圧不
良は環境温度が低下するほど顕著に出現するのである
が、図11の破線で示すように、弁軸107の一端側だ
けがボディ34に支承されているものでは、弁体の傾き
により低温側で調圧不良を生じて減圧度が低下するのに
対し、上述のように弁軸107がその一端部および弁体
106の部分でボディ34および弁座部材98に支承さ
れるものでは、図11の実線で示すように、弁体106
が傾くことなく常に弁座105に適確に着座し得るの
で、調圧不良が生じるのを防止してより高い減圧度を得
ることができる。
【0068】しかも合成樹脂から成る弁体106に設け
られる各ガイド部110…が弁座部材98の内面に摺接
することによる摺動抵抗が、コイルばね117の振動に
対抗して生じることになり、自励振動の発生を極力防止
することができる。
【0069】また弁座部材98は取付け孔97に螺合さ
れるのであるが、弁座部材98の減圧室94側の端面
に、弁軸107の軸線に直交する平面内で弁軸107の
半径方向に延びる複数の溝101…を相互間に形成する
複数の突部102…が突設されているので、各突部10
2…間の溝101…に工具を係合せしめて弁座部材98
を回転操作することが可能であり、弁座部材98のボデ
ィ34への取付けが容易となる。
【0070】弁軸107はダイヤフラム93の中央部に
固定されているダイヤフラムロッド124に締結される
のであるが、ダイヤフラムロッド124には、嵌合孔1
30と、該嵌合孔130に同軸に連なる有底のねじ孔1
31とが設けられており、弁軸107には、嵌合孔13
0に嵌合される嵌合軸部107aと、ねじ孔131に螺
合することを可能として嵌合軸部107aに同軸に連な
る雄ねじ部107bとが設けられ、雄ねじ部107bの
軸方向長さL1 が嵌合孔130の軸方向長さL 2 よりも
短く設定されている。このため、雄ねじ部107bのね
じ孔131へのねじ込み開始時には嵌合軸部107aの
一部が嵌合孔130に既に嵌合された状態となってい
る。したがって雄ねじ部107bのねじ孔131へのね
じ込みによって切粉が発生したとしても、その切粉は弁
軸107およびダイヤフラムロッド124間に封入され
ることになるので、切粉の除去作業が不要となり、組付
作業能率を向上することができる。
【0071】またカバー91には、コイルばね117の
挿脱を可能として外端を開口せしめた収納孔118が弁
孔104の軸線と同軸にして設けられ、収納孔118の
外端開口部に螺合される調節ねじ132に、コイルばね
117のダイヤフラム93とは反対側の端部全体を受け
る凹部132aが設けられているので、ダイヤフラム9
3とは反対側でコイルばね117をリテーナで受けるこ
とを不要とし、部品点数を低減することができる。しか
もダイヤフラム93の周縁部をボディ34およびカバー
91間に挟み込むときには、コイルばね117をカバー
91から取り出しておくことができ、ダイヤフラム93
に偏荷重が作用することを回避してカバー91をボディ
34に締結することができるので、ダイヤフラム93に
ずれが生じることを防止して、弁体106の弁座105
への確実な着座を可能とし、調圧不良が生じることを防
止することができる。またコイルばね117を調節ねじ
132で圧縮するときには、コイルばね117の端部の
ガイド機能を調節ねじ132の凹部132aが果すこと
になり、コイルばね117の傾きが生じることも防止す
ることができる。
【0072】さらにダイヤフラム93の撓みに応じて弁
軸107の軸線方向に往復動するピストン123の外面
に、カバー91の内面に弾発的に摺接する複数たとえば
一対のOリング部材135,135が装着されているの
で、コイルばね117の自励振動に対抗する摺動抵抗を
得ることができる。
【0073】上記摺動抵抗は、単一のOリング135が
ピストン123の外面に装着されることでも得られるの
であるが、単一のOリング135が装着されている場合
には、図12の破線で示すヒステリシスを示すのに対
し、一対のOリング135,135が装着されている場
合には、図12の実線で示すように、より大きなヒステ
リシスを示すものであり、コイルばね117の自励振動
に対抗するより大きな摺動抵抗を一対のOリング13
5,135により得ることができる。
【0074】しかも両Oリング135,135間にはグ
リス136が充填されているので、長期作動によっても
グリス136の流出を極力回避して各Oリング135,
135の摩耗を抑えることができ、またばね室116内
に外部から侵入した空気中に含まれるオイル成分が各O
リング135,135に付着したとしても、初期状態で
前記グリス136を考慮して摺動抵抗が設定されている
から、摺動抵抗の低下を招くことはない。さらに一対の
Oリング135,135により必要な摺動抵抗を得るよ
うにしているので、適切な摺動抵抗を得るべく各Oリン
グ135,135の永久歪みを考慮した圧縮率設定を行
なっても各Oリング135,135の大径化を招くこと
はなく、Oリング135,135の配置上の自由度を増
大することができる。
【0075】またピストン123は、弁軸107の軸線
方向に制限された範囲での移動を可能としてカバー91
に摺動自在に嵌合されてダイヤフラム93の中央部に連
結されるものであるので、ダイヤフラム93の撓み方向
を弁孔104の軸線に一致させるような調芯機能をピス
トン123に持たせることができる。すなわち、ダイヤ
フラム93には、ばね力が比較的大きなコイルばね11
7により減圧室94の容積を縮少する方向のばね力が作
用しているのであるが、コイルばね117に倒れが生じ
ると、ダイヤフラム93の撓み方向すなわち弁軸107
の軸線も倒れてしまい、弁体106の弁座105への着
座が不完全なものとなって調圧不良を生じる可能性があ
る。しかるにピストン123がカバー91に摺動自在に
嵌合されるものであることによって、弁軸107の軸線
の倒れが生じることを防止し、調圧不良が生じることを
防止することができる。
【0076】しかもピストン123には、その内外間を
連通せしめる連通孔129が設けられており、ダイヤフ
ラム93およびピストン123の往復動に応じて、ダイ
ヤフラム93の背面圧力が不所望に増減することが防止
される。
【0077】さらに、ばね室116側でダイヤフラム9
3の中央部に当接、固定される第2ダイヤフラムリテー
ナ120の外周の撓み規制部120aが、カバー91の
内面に外周縁を近接、対向させてばね室116側に膨ら
んだ彎曲形状に形成されている。したがって、減圧室9
4に規定以上の圧力が作用したときでも、図8の鎖線で
示すように第2ダイヤフラムリテーナ120からカバー
91の内面へとダイヤフラム93を滑らかに彎曲させる
ことが可能であり、第2ダイヤフラムリテーナ120の
外縁でダイヤフラム93がばね室116側に屈曲してし
まうことを防止し、その屈曲によるダイヤフラム93の
寿命低下を防止してダイヤフラム93の耐久性を向上す
ることができる。
【0078】〔二次減圧弁38〕;図13を併せて参照
して、二次減圧弁38の弁ハウジング140は、ボディ
34の上部と、該ボディ34が上部に備えるフランジ部
77の上面に複数のボルト142…で締結されるカバー
141とで構成されるものであり、ボディ34の上面
と、カバー141との間には、ダイヤフラム143の周
縁部が挟持される。
【0079】ボディ34の上面には、ダイヤフラム14
3との間に減圧室144を形成する凹部145が設けら
れており、ボディ34には、前記凹部145の閉塞端中
央部で減圧室144側に上端を開口せしめるとともに下
端を閉じた有底の取付け孔147が上下に延びるように
して設けられる。しかも取付け孔147の内端閉塞部に
は、減圧室144側に向けて***した***部146が設
けられている。
【0080】取付け孔147の減圧室144側の端部内
面には雌ねじ150が刻設されており、円筒状である弁
座部材148が該雌ねじ150に螺合され、弁座部材1
48の外面には、前記雌ねじ150よりも内方側で取付
け孔147の内面に弾発的に接触する環状のシール部材
149が装着される。
【0081】しかも弁座部材148の減圧室144側の
端面には、取付け孔147の軸線に直交する平面内で弁
座部材148の半径方向に延びる複数たとえば4つの溝
151…を相互間に形成する複数たとえば4つの突部1
52…が突設されており、それらの溝151…は十字状
に配置される。而して弁座部材148の雌ねじ150へ
の螺合時には、十字状に配置された溝151…に図示し
ない工具を係合して弁座部材148を回転操作すること
が可能であり、弁座部材148をボディ34に容易に取
付けることができる。
【0082】弁座部材148と、取付け孔147の下端
閉塞部との間には弁室153が形成され、該弁室153
には、一次減圧弁37からのCNGを導く複数の通路1
37,137…が連通される。また弁座部材148は、
その減圧室144側の端部で半径方向内方に張出す内向
き鍔148aを一体に備えるものであり、該内向き鍔1
48aの内周で減圧室144に通じる弁孔154が形成
され、内向き鍔148aの内面には、前記弁孔154を
中央部に開口させて弁室153に臨む環状の弁座155
が弁室153側に突出するようにして形成される。
【0083】***部146には、弁孔154側に開放し
た有底の摺動孔157が弁孔154と同軸に設けられて
おり、弁体156が該摺動孔157に摺動自在に嵌合さ
れる。しかも該弁体156には、前記弁座155に着座
可能な環状のゴムシール158が固着される。
【0084】弁体156には、その軸方向両端間にわた
るねじ孔159が同軸に設けられており、弁孔154と
同軸である弁軸160の一端が該ねじ孔159に螺合さ
れる。すなわち弁体156は弁軸160の一端に固定さ
れる。
【0085】弁体156と摺動孔157の閉塞端との間
には背圧室161が形成されており、弁体156の外面
には、摺動孔157の内面に弾発的に摺接する複数たと
えば一対のOリング162,162が、弁体156の軸
方向に間隔をあけて装着されており、両Oリング16
2,162間で弁体156の外面および摺動孔157の
内面間にグリス(図示せず)が充填される。
【0086】カバー141およびダイヤフラム143間
にはばね室166が形成され、該ばね室166には、ダ
イヤフラム143を減圧室144側に付勢するコイルば
ね167が収納される。
【0087】ダイヤフラム143の中央部には、挿通孔
168が設けられるとともに該挿通孔168を囲繞する
環状のシール部143aが設けられており、ダイヤフラ
ム143の減圧室144側に臨む面には、前記シール部
143aを囲むリング板状の第1ダイヤフラムリテーナ
169が当接され、ダイヤフラム143の中央部のばね
室166側に臨む面には、挿通孔171を中心部に有す
る第2ダイヤフラムリテーナ170が第1ダイヤフラム
169との間にダイヤフラム143を挟み込むようにし
て当接される。
【0088】一方、ばね室166内でカバー141に
は、円筒状に形成されるピストン173が制限された範
囲での軸方向摺動を可能として嵌合されており、このピ
ストン173のダイヤフラム143側の端部には、前記
挿通孔171に対応した挿通孔172を中心部に有して
第2ダイヤフラムリテーナ170に当接するリング板状
の当接板部173aが設けられる。
【0089】弁体156が一端に固定された弁軸160
は、弁孔154を同軸に貫通してばね室166側に延び
るものであり、第1ダイヤフラムリテーナ169の内周
縁部に係合する環状段部174ならびにシール部143
aを第2ダイヤフラムリテーナ170との間に挟持する
環状段部175が弁軸160に設けられる。挿通孔16
8,171,172を貫通してばね室166に突出する
弁軸160の他端部にはねじ軸部160aが設けられ、
第2ダイヤフラムリテーナ170との間にワッシャ17
6を介在させて前記ねじ軸部160aにナット177が
螺合される。このナット177を締付けることにより、
ダイヤフラム143の中央部を両ダイヤフラムリテーナ
169,170で挟むとともに、ダイヤフラム143の
中央部に弁軸160が連結されることになる。しかも弁
軸160には、減圧室144を背圧室161に通じさせ
る連通路163が設けられる。
【0090】第2ダイヤフラムリテーナ170は、ダイ
ヤフラム143のばね室166側への撓みを規制する撓
み規制部170aを外周側に一体に備える。この撓み規
制部170aは、ばね室166側に膨らんだ彎曲形状に
形成されるものであり、該撓み規制部170aの外周縁
はカバー141の内面に近接、対向せしめられる。
【0091】ところで、カバー141の外端閉塞部に
は、両端を開口せしめた支持筒部178が一体に設けら
れており、この支持筒部178の内端部内面に雌ねじ1
79が刻設される。而して支持筒部178内には、調節
ねじ180が挿入されるものであり、この調節ねじ18
0が軸方向内端側に備える雄ねじ部180aが前記雌ね
じ179に螺合してばね室166内に突入される。また
調節ねじ180は、その軸方向外方側にも雄ねじ部18
0bを備えるものであり、該雄ねじ部180bはカバー
141の外方に突出される。さらに調節ねじ180の軸
方向中間部外面には環状のシール部材181が装着され
ており、このシール部材181は支持筒部178の内面
に弾発的に接触する。
【0092】ばね室166内において調節ねじ180の
内端にはリテーナ182が当接、支持されており、この
リテーナ182と、ダイヤフラム143の中央部に連結
されているピストン173の当接板部173aとの間に
コイルばね167が縮設される。したがって調節ねじ1
80の進退位置を調節することにより、コイルばね16
7のばね荷重を調節することができる。
【0093】また調節ねじ180のカバー141からの
突出部すなわち雄ねじ部180bには、カバー141と
の間にワッシャ183を介在せしめてナット184が螺
合されており、このナット184を緩めることにより、
調節ねじ180の進退位置を調節することができる。
【0094】図14および図15を併せて参照して、調
節ねじ180の外端部およびナット184は合成樹脂か
ら成るキャップ185で覆われる。しかも前記ナット1
84は、調節ねじ180の軸線に平行にして周方向等間
隔に配置される4つの平坦面184a…と、それらの平
坦面184a…間を結ぶ4つの彎曲面184b…とで構
成される外周面を有するように構成されるものであり、
キャップ185の内面に突設される環状の係合突部18
6を係合させる係合溝187…が各彎曲面184b…に
それぞれ設けられる。
【0095】ところでピストン173は、ダイヤフラム
143と一体に摺動するのであるが、このピストン17
3の外面の外面の軸方向に間隔をあけた複数箇所たとえ
ば2箇所には、カバー141の内面に弾発的に摺接する
Oリング188,188が装着され、両Oリング18
8,188間でピストン173の外面およびカバー14
1の内面間にはグリス(図示せず)が充填される。しか
もピストン173にその軸方向一側から両Oリング18
8,188を装着するようにしたときには、両Oリング
188,188の一方がOリング溝により損傷する可能
性があるが、ピストン173の軸方向両端外面には彎曲
した面取り部173b,173cが設けられており、前
記Oリング溝で損傷することを回避してOリング13
5,135をピストン173にその軸方向両端側からそ
れぞれ容易に装着することができる。またOリング18
8,188が装着されたピストン173をカバー141
内に挿入する際にOリング188,188が損傷するこ
とを防止するために、カバー141においてピストン1
73を嵌合せしめる部分の内端にはテーパ状の面取り部
141aが設けられている。
【0096】而して前記Oリング188,188によ
り、ばね室166内のピストン173およびダイヤフラ
ム143間が密閉されてしまうことを回避するために、
ピストン173に、その内外面間にわたる連通孔129
が設けられる。
【0097】またボディ34には、減圧室144に通じ
る通路189が設けられ、この通路189には、エンジ
ンEのインジェクタ29に連なる管路30が接続され
る。さらにカバー141には接続管190が接続されて
おり、この接続管190ならびに該接続管に接続される
管路(図示せず)を介してばね室166内にはエンジン
Eの吸気負圧が導入される。
【0098】このような二次減圧弁38において、弁室
153にCNGが流入していない状態では、コイルばね
167のばね力によりダイヤフラム143が減圧室14
4側に撓んでおり、弁体156は弁座155から離反し
て弁孔154を開口せしめている。而して弁室153に
流入したCNGが弁孔154から減圧室144側に流入
し、減圧室144およびばね室166間の差圧が、コイ
ルばね167のばね力に抗してダイヤフラム143をば
ね室166側に撓ませる程度に増大すると、弁体156
が弁座155に着座して弁孔154が閉鎖されることに
なり、そのような弁孔154の開放・閉鎖が繰り返され
ることにより、弁室153にたとえば6〜7kg/cm
2 で流入したCNGが、たとえば2〜3kg/cm2
減圧されて減圧室144から通路189および管路30
を介してインジェクタ29に供給されることになる。
【0099】またボディ34には、弁軸160の軸線と
同軸にして減圧室144側に開口する有底の取付け孔1
47が設けられており、弁体156を収納せしめる弁室
153を取付け孔147の閉塞端との間に形成する円筒
状の弁座部材148が取付け孔147に螺合され、弁室
153に臨む弁座155が弁座部材148の減圧室14
4側の端部内面に形成されている。したがって弁体を収
納せしめるべくボディに設けられた収納孔の内端に弁座
が形成されるとともに該収納孔の外端を密封するための
蓋部材がボディに取付けられる構成のものと比べると、
蓋部材等の部材が取付けられる必要がなく、部品点数の
低減、ならびにボディ34への二次減圧弁38の配置上
の自由度を増大することができる。しかも弁座155が
弁座部材148の減圧室144側の端部内面に形成され
ていることにより、弁体156を減圧室144側に極力
近接させて配置することができ、ボディ34の小型化に
も寄与することができる。
【0100】弁座部材148は取付け孔147に螺合さ
れるのであるが、弁座部材148の減圧室144側の端
面に、弁軸160の軸線に直交する平面内で弁軸160
の半径方向に延びる複数の溝151…を相互間に形成す
る複数の突部152…が突設されているので、各突部1
52…間の溝151…に工具を係合せしめて弁座部材1
48を回転操作することが可能であり、弁座部材148
のボディ34への取付けが容易となる。しかもダイヤフ
ラム143の減圧室144側への撓みは各突部152…
に当接することにより規制されるのであるが、ダイヤフ
ラム143が各突部152…に当接している状態でも、
各溝151…を介して弁孔154および減圧室144間
を連通することができる。
【0101】さらにダイヤフラム143の撓みに応じて
弁軸160の軸線方向に往復動する弁体156の外面に
ボディ34に弾発的に摺接する複数たとえば一対のOリ
ング162,162が装着され、ダイヤフラム143の
撓みに応じて弁軸160の軸線方向に往復動するピスト
ン173の外面に、カバー141の内面に弾発的に摺接
する複数たとえば一対のOリング188,188が装着
されているので、コイルばね167の自励振動に対抗す
る高い摺動抵抗を得ることができる。
【0102】しかもOリング162,162間、ならび
にOリング188,188間にはグリスが充填されてい
るので、長期作動によってもグリスの流出を極力回避し
て各Oリング162,162;188,188の摩耗を
抑えることができ、またCNGに含まれるオイル成分が
Oリング162,162に付着したり、ばね室166内
に導入される吸気中に含まれるオイル成分がOリング1
88,188に付着したとしても、初期状態で前記グリ
スを考慮して摺動抵抗が設定されているから、摺動抵抗
の低下を招くことはない。さらに一対のOリング16
2,162;188,188により必要な摺動抵抗を得
るようにしているので、適切な摺動抵抗を得るべく各O
リング162,188の永久歪みを考慮した圧縮率設定
を行なっても各Oリング162,188の大径化を招く
ことはなく、Oリング162,162;188,188
の配置上の自由度を増大することができる。
【0103】またピストン173は、弁軸160の軸線
方向に制限された範囲での移動を可能としてカバー14
1に摺動自在に嵌合されてダイヤフラム143の中央部
に連結されるものであるので、ダイヤフラム143の撓
み方向を弁孔154の軸線に一致させるような調芯機能
をピストン173に持たせることができる。すなわち、
ダイヤフラム143には、ばね力が比較的大きなコイル
ばね167により減圧室144の容積を縮少する方向の
ばね力が作用しているのであるが、コイルばね167に
倒れが生じると、ダイヤフラム143の撓み方向すなわ
ち弁軸160の軸線も倒れてしまい、弁体156の弁座
155への着座が不完全なものとなって調圧不良を生じ
る可能性がある。しかるにピストン173がカバー14
1に摺動自在に嵌合されるものであることによって、弁
軸160の軸線の倒れが生じることを防止し、調圧不良
が生じることを防止することができる。
【0104】しかもピストン173には、その内外間を
連通せしめる連通孔192が設けられており、ダイヤフ
ラム143およびピストン173の往復動に応じて、ダ
イヤフラム143の背面圧力が不所望に増減することが
防止される。
【0105】さらに、ばね室166側でダイヤフラム1
43の中央部に当接、固定される第2ダイヤフラムリテ
ーナ170が外周部に備える撓み規制部170aが、カ
バー141の内面に外周縁を近接、対向させてばね室1
66側に膨らんだ彎曲形状に形成されている。したがっ
て、減圧室144に規定以上の圧力が作用したときで
も、図13の鎖線で示すように第2ダイヤフラムリテー
ナ170からカバー141の内面へとダイヤフラム14
3を滑らかに彎曲させることが可能であり、第2ダイヤ
フラムリテーナ170の外縁でダイヤフラム143がば
ね室166側に屈曲してしまうことを防止し、その屈曲
によるダイヤフラム143の寿命低下を防止してダイヤ
フラム143の耐久性を向上することができる。
【0106】また調節ねじ180の進退位置を固定すべ
く該調節ねじ180の外端部に螺合されるナット184
が、調節ねじ180の軸線に平行にして周方向等間隔に
配置される4つの平坦面184a…と、それらの平坦面
184a…間を結ぶ4つの彎曲面184b…とで構成さ
れる外周面を有するものであり、キャップ185の内面
に突設される環状の係合突部186を係合させる係合溝
187…が各彎曲面184b…にそれぞれ設けられてい
る。すなわちキャップ185がナット184に装着され
るのでキャップ185の小型化が可能であり、しかもナ
ット184が4面取りの外周面を有するものであるので
ナット184の加工工数を低減することができる。しか
も各彎曲面184b…に係合溝187…がそれぞれ設け
られるので各係合溝187…を比較的長く形成してキャ
ップ185の係合突部186の各係合溝187…へのか
かり量を比較的大とし、キャップ185が簡単には外れ
ないようにすることができる。
【0107】〔リリーフ弁39〕;図4に特に注目し
て、リリーフ弁39は、一次減圧弁37および二次減圧
弁38間を結ぶ複数の通路137,137…の1つに接
続されるようにしてボディ34の側部に取付けられるも
のであり、通路137に通じる弁孔195を先端に有し
てボディ34に固着される弁ハウジング196内に、前
記弁孔195を塞ぎ得るゴムシール197を前端に有す
る弁体198と、前記ゴムシール197で弁孔195を
塞ぐ方向に弁体198をばね付勢するばね199とが収
納されており、弁ハウジング196および弁体198
は、弁孔195の開放時には通路137からのCNGを
外部に開放し得るように形成される。
【0108】このリリーフ弁39によれば、ばね199
で定まる開弁圧たとえば16.5kg/cm2 を超えて
通路137の圧力が上昇したときに、開弁してCNGを
大気に放出する。
【0109】〔サーモスタット40〕;図5に特に注目
して、ボディ34には、該ボディ34に配設されるフィ
ルタ35、電磁遮断弁36、一次減圧弁37、二次減圧
弁38およびリリーフ弁39の配置に邪魔にならないよ
うにして温水通路33が設けられており、該温水通路3
3の入口に通じる接続管201がボディ34に取付けら
れ、サーモスタット40は、温水通路33の出口側でボ
ディ34に取付けられる。
【0110】このサーモスタット40は、従来周知の構
成を有するものであり、ボディ34に固着されるハウジ
ング202の外端に設けられる弁孔203を開閉可能な
弁体204を、ワックス205の水温による膨張程度に
応じて作動せしめるように構成される。而して水温が、
たとえば80度を超えたときに、前記ワックス205に
より弁体204が弁孔203を閉じるように閉弁駆動さ
れ、それによりボディ34の温度が80度を超えて上昇
しないように調節される。
【0111】ところで、ボディ34に、フィルタ35、
電磁遮断弁36、一次減圧弁37、二次減圧弁38、リ
リーフ弁39およびサーモスタット40が配設されて成
るレギュレータRにおいて、ボディ34の下部および上
部に一次減圧弁37および二次減圧弁38が、それらの
弁体96,156を同軸上に配置して取付けられ、ボデ
ィ34の側部にフィルタ35、電磁遮断弁36、リリー
フ弁39およびサーモスタット40が配設されているの
で、レギュレータRを極力コンパクトに構成することが
可能である。しかも電磁遮断弁36およびリリーフ弁3
9は、二次減圧弁38のカバー141を締結すべくボデ
ィ34に設けられているフランジ部77の下方に生じる
スペースに配置されており、レギュレータRの小型化に
より一層寄与することができる。
【0112】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0113】たとえばコイルばね117の反対側の端部
をガイドするガイド部として突部が調節ねじ132に設
けられるようにしてもよい。
【0114】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、コイルばねのダイヤフラムとは反対側の端部を調節
ねじに設けられている凹部で直接受けるようにしてリテ
ーナを不要とし、部品点数を低減することができる。し
かもダイヤフラムの周縁部をボディおよびカバー間に挟
み込むときにコイルばねをカバーから取り出しておくこ
とができ、ダイヤフラムに偏荷重が作用することを回避
してカバーをボディに締結することができるので、ダイ
ヤフラムにずれが生じることを防止して、弁体の弁座へ
の確実な着座を可能とし、調圧不良が生じることを防止
することができるまた請求項2記載の発明によれば、コ
イルばねのダイヤフラムとは反対側の端部をガイド部で
ガイドすることになり、コイルばねの傾きが生じること
も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の燃料供給装置の構成を概略的に示す図で
ある。
【図2】レギュレータの側面図である。
【図3】レギュレータの平面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】電磁遮断弁の拡大縦断面図である。
【図7】電磁遮断弁における吸引特性を示す図である。
【図8】一次減圧弁の拡大縦断面図である。
【図9】図8の9−9線拡大断面図である。
【図10】図8の要部拡大図である。
【図11】一次減圧弁の環境温度に応じた減圧特性を示
す図である。
【図12】ピストンに装着されるOリングの個数による
ヒステリシス特性を示す図である。
【図13】二次減圧弁の拡大縦断面図である。
【図14】図13の14−14線断面図である。
【図15】図14の15−15線に沿ってキャップのみ
を切断した縦断側面図である。
【符号の説明】
34・・・ボディ 37・・・減圧弁 91・・・カバー 93・・・ダイヤフラム 94・・・減圧室 104・・・弁孔 105・・・弁座 106・・・弁体 116・・・ばね室 117・・・コイルばね 118・・・収納孔 132・・・調節ねじ 132a・・・ガイド部としての凹部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】図10を併せて参照して、ダイヤフラム9
3の中央部の減圧室94側に臨む面には、ダイヤフラム
93の中心部を貫通してばね室116側に突出する円筒
部119aを一体に有する第1ダイヤフラムリテーナ1
19が当接され、ダイヤフラム93の中央部のばね室1
16側に臨む面には、円筒部119aの外面に設けられ
る環状段部121に内周を係合せしめてダイヤフラム9
3の中央部を第1ダイヤフラムリテーナ119との間に
挟み込む第2ダイヤフラムリテーナ120が当接され
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正内容】
【0072】さらにダイヤフラム93の撓みに応じて弁
軸107の軸線方向に往復動するピストン123の外面
に、カバー91の内面に弾発的に摺接する複数たとえば
一対のOリング135,135が装着されているので、
コイルばね117の自励振動に対抗する摺動抵抗を得る
ことができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正内容】
【0087】ダイヤフラム143の中央部には、挿通孔
168が設けられるとともに該挿通孔168を囲繞する
環状のシール部143aが設けられており、ダイヤフラ
ム143の減圧室144側に臨む面には、前記シール部
143aを囲むリング板状の第1ダイヤフラムリテーナ
169が当接され、ダイヤフラム143の中央部のばね
室166側に臨む面には、挿通孔171を中心部に有す
る第2ダイヤフラムリテーナ170が第1ダイヤフラム
リテーナ169との間にダイヤフラム143を挟み込む
ようにして当接される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正内容】
【0095】ところでピストン173は、ダイヤフラム
143と一体に摺動するのであるが、このピストン17
3の外面の外面の軸方向に間隔をあけた複数箇所たとえ
ば2箇所には、カバー141の内面に弾発的に摺接する
Oリング188,188が装着され、両Oリング18
8,188間でピストン173の外面およびカバー14
1の内面間にはグリス(図示せず)が充填される。しか
もピストン173にその軸方向一側から両Oリング18
8,188を装着するようにしたときには、両Oリング
188,188の一方がOリング溝により損傷する可能
性があるが、ピストン173の軸方向両端外面には彎曲
した面取り部173b,173cが設けられており、前
記Oリング溝で損傷することを回避してOリング1
,188をピストン173にその軸方向両端側からそ
れぞれ容易に装着することができる。またOリング18
8,188が装着されたピストン173をカバー141
内に挿入する際にOリング188,188が損傷するこ
とを防止するために、カバー141においてピストン1
73を嵌合せしめる部分の内端にはテーパ状の面取り部
141aが設けられている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正内容】
【0096】而して前記Oリング188,188によ
り、ばね室166内のピストン173およびダイヤフラ
ム143間が密閉されてしまうことを回避するために、
ピストン173に、その内外面間にわたる連通孔192
が設けられる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボディ(34)と、該ボディ(34)に
    締結されるカバー(91)との間にダイヤフラム(9
    3)の周縁部が挟持され、該ダイヤフラム(93)およ
    び前記ボディ(34)間に形成される減圧室(94)に
    通じる弁孔(104)を中央部に開口させた弁座(10
    5)に着座可能な弁体(106)が、前記ダイヤフラム
    (93)の中央部に連結され、前記カバー(91)およ
    びダイヤフラム(34)間に形成されるばね室(11
    6)に、前記減圧室(94)の容積を縮少する方向にダ
    イヤフラム(93)を付勢するコイルばね(117)が
    収納され、軸方向の進退位置に応じて前記コイルばね
    (117)のばね荷重を調節する調節ねじ(132)が
    前記カバー(91)に進退自在に螺合されるガス用減圧
    弁において、前記カバー(91)には、前記コイルばね
    (117)の挿脱を可能として外端を開口せしめた収納
    孔(118)が前記弁孔(104)の軸線と同軸にして
    設けられ、該収納孔(118)の外端開口部に螺合され
    る調節ねじ(132)に、前記コイルばね(117)の
    ダイヤフラム(93)とは反対側の端部が受けられるこ
    とを特徴とするガス用減圧弁。
  2. 【請求項2】 前記調節ねじ(132)に、前記コイル
    ばね(117)のダイヤフラム(93)とは反対側の端
    部をガイドするガイド部(132a)が設けられること
    を特徴とする請求項1記載のガス用減圧弁。
JP7522498A 1998-03-24 1998-03-24 ガス用減圧弁 Pending JPH11270718A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11270715A (ja) * 1998-03-24 1999-10-05 Keihin Corp ガス用減圧弁

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JPH11270715A (ja) * 1998-03-24 1999-10-05 Keihin Corp ガス用減圧弁

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