JPH1127015A - 超電導素子 - Google Patents

超電導素子

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JPH1127015A
JPH1127015A JP9174554A JP17455497A JPH1127015A JP H1127015 A JPH1127015 A JP H1127015A JP 9174554 A JP9174554 A JP 9174554A JP 17455497 A JP17455497 A JP 17455497A JP H1127015 A JPH1127015 A JP H1127015A
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JP
Japan
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film
strip conductor
electrode
substrate
comb
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JP9174554A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Fukuya
浩之 福家
Mutsuki Yamazaki
六月 山崎
Yoshiaki Terajima
喜昭 寺島
Yuki Kudo
由紀 工藤
Hisashi Yoshino
久士 芳野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】Q値が高く、共振周波数が可変な共振器を提供
すること。 【解決手段】LaAlO3 単結晶基板11上にYBCO
超電導膜からなるストリップ導体12aを設けるととも
に、LaAlO3 単結晶基板11の下にYBCO超電導
膜からなるグランドプレーン12bを設けてなる超電導
共振素子と、この超電導共振素子に設けられ、印加電圧
に従って誘電率が変化するSrTiO3 膜13と、Sr
TiO3 膜13に電圧を印加するための櫛状電極14a
〜14dとを有する共振器において、ストリップ導体1
2aと櫛状電極14a〜14dとをこれらが重ならない
ように配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導素子に係わ
り、特に超電導共振素子で構成された共振器、フィルタ
などの超電導素子に関する。
【0002】
【従来の技術】無線、有線にかかわらず、情報通信を行
なう通信機器において、所望の周波数帯のみを取り出す
フィルタは重要な構成要素の一つである。周波数の有効
利用および省エネルギーのためには、この種のフィルタ
ーには、減衰特性に優れ、挿入損失が小さいことが要求
される。このようなフィルターを構成するためには、Q
値の高い共振器が必要となる。
【0003】Q値の高い共振器を実現する一つの方法と
して、共振器を構成する金属導体に超電導体を用い、誘
電体基板にサファイアやMgOなどの非常に低損失な材
料を用いる方法がある。この方法の場合に得られるQ値
は、10000以上となり、共振特性は非常に鋭くな
る。特に超電導体として、冷却コストの安い酸化物超電
導体を用いた共振器の開発が行なわれている。
【0004】また、この種のQ値の高い共振器を利用
し、GHz帯の高周波信号を直接フィルタリングし、周
波数変換器を無くすことにより、フィルタの低コスト化
を図ることが可能である。さらに、共振器の共振周波数
を積極的に変化させ、任意の周波数を選択的に取り出す
ようにすれば、さらになる低コスト化を図ることができ
る。
【0005】このように共振周波数の可変機能を有する
共振器(フィルタ)としては、以下のようなものが知ら
れている。
【0006】例えば、特開平1−190001号公報に
は、共振器が2つの異なる臨界磁場の値を持つ超電導体
で構成され、これらの超電導体に印加する磁界の強さを
調整することで超電導特性を崩し、これにより共振周波
数を可変させる方法が開示されている。
【0007】しかし、この方法では、超電導特性を変え
るために、強磁界を発生する磁界発生装置が必要とな
り、装置が大がかりなものとなり、小型化が困難である
という問題があった。
【0008】また、Applied Physics
Letters第63巻(1993年)第6号第830
頁には、超電導体で構成される共振器の近傍に発熱体を
設け、熱によって超電導特性を崩す方法が開示されてい
る。この方法によれば、先の方法よりも、装置構成を簡
略化できる。
【0009】しかし、発熱体に電流を流して発熱を生じ
させる必要があるために、動作速度が遅くなるという問
題があった。ここで、動作速度を上げるためには、共振
器の環境温度を超電導体の臨界温度付近に維持すれば良
いが、このような環境温度の維持は非常に困難である。
【0010】また、上記二つの方法に共通の問題として
は、超電導体の利点である低損失性が犠牲になることが
あげられる。その理由は、共振周波数を可変にするため
に、超電導体の超電導特性を崩しているからである。
【0011】また、IEEE MTT−S Diges
t(1993年)第1421頁には、伝送線路の中央に
ギャップを設け、このギャップ部分に印加電圧によって
誘電率が変化する誘電体部材を取り付け、伝送線路に電
圧を印加することで共振周波数を変化させる方法が開示
されている。
【0012】しかし、この方法では、共振素子となる伝
送線路の中央の電流最大点にギャップを設けなければな
らないため、Q値が1000以下となり、鋭い共振器を
得ることができなくなる問題があった。
【0013】また、共振器の近傍に、印加電圧によって
誘電率が変化する誘電体部材を取り付け、この誘電体部
材の上下に電磁波の侵入深さより薄い金属薄膜を設けた
り、あるいは誘電体部材上に電磁波の侵入深さより薄い
互いに噛み合う櫛状電極を設け、金属薄膜あるいは櫛状
電極に電圧を印加することで共振周波数を変化させる方
法も提案されている。
【0014】しかし、たとえ金属薄膜、櫛状電極が電磁
波の侵入深さより薄いものであっても、金属薄膜、線状
電極が共振器のストリップ導体と交わるように配設さ
れ、その交わる部分の長さが共振周波数に相当する波長
の長さの1/2を超えると、共振が見られなくなった
り、Q値が小さくなるという問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来よ
り、超電導体を用いた共振周波数が可変な種々の共振器
が提案されていたが、これらの共振器には、小型化が困
難であったり、動作速度が遅かったり、Q値が低いなど
の問題があった。
【0016】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、小型化が困難になった
り、動作速度が遅くなるという問題がないQ値が高い共
振周波数が可変な超電導体共振素子からなる超電導素子
を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る超電導素子(請求項1)は、基板上に
超電導体からなるストリップ導体が設けられ、前記基板
の上または下にグランドを設けられてなる超電導共振素
子と、この超電導共振素子に設けられ、印加電圧に従っ
て誘電率が変化する誘電体部材と、この誘電体部材に電
圧を印加するための電極とを備え、素子の上から見た場
合における、前記ストリップ導体と前記電極とが重なる
領域の面積が、前記ストリップ導体の面積の20%以下
であることを特徴とする。
【0018】このような構成であれば、後述詳細に説明
するように、超電導体共振素子のQ値を十分に高くでき
る。また、共振周波数の可変は電圧によって行なうの
で、磁界発生手段、発熱体は不要である。したがって、
小型化が困難になったり、動作速度が遅くなるという問
題もない。
【0019】また、本発明に係る他の超電導素子(請求
項2)は、上記超電導素子(請求項1)において、前記
電極のうち、前記ストリップ導体の長手方向に対して垂
直で、かつ前記超電導共振素子の共振周波数に相当する
波長の長さ(以下L0 という)の1/2を越えるものに
ついては、その幅がそれぞれL0 /2の10%以下、か
つ素子の上から見た場合における、前記ストリップ導体
上に存在するものの面積の合計と、前記ストリップ導体
からその長手方向に対して垂直方向にL0 /4まで離れ
た領域内に存在するものの面積の合計との和が、(L0
/2)2 の20%以下であることを特徴とする。
【0020】このような構成でも、後述詳細に説明する
ように、上記超電導素子(請求項1)と同様に、超電導
体共振素子のQ値を十分に高くできる。同様に、小型化
が困難になったり、動作速度が遅くなるという問題もな
い。
【0021】また、本発明に係る他の超電導素子(請求
項3)は、上記超電導素子(請求項1,2)において、
前記電極が、前記ストリップ導体とその長手方向に対し
て垂直方向に交わる複数の線状電極から構成されている
ことを特徴とする。
【0022】従来は、ストリップ導体と交わるように電
極を配置すると、Q値が低下し、必要な共振特性が得ら
れないと考えられていたが、本発明(請求項1,2)の
条件を満たしていれば、ストリップ導体と交わるように
電極が配置されていても、必要な共振特性を得ることが
できる(請求項3)。
【0023】また、本発明に係る他の超電導素子(請求
項4)は、上記超電導素子(請求項1,2)において、
前記電極が、互いに噛み合うように配置された1対の櫛
状電極を2組有し、この櫛状電極の歯部を構成する線状
電極が、前記ストリップ導体の長手方向に対して平行で
あり、かつ前記ストリップ導体の両側の各々に該ストリ
ップ導体に接しないように前記1対の櫛状電極が1組ず
つ配置されていることを特徴とする。
【0024】また、本発明に係る他の超電導素子(請求
項4)は、第1の基板と、この第1の基板上に設けられ
グランドと、グランド上に第2の基板を介して設けられ
た超電導体からなるストリップ導体とからなる超電導共
振素子と、前記第2の基板および前記ストリップに接し
ないように前記超電導共振素子に設けられ、かつ印加電
圧に従って誘電率が変化する誘電体部材と、この誘電体
部材に電圧を印加するためのものであって、前記第2の
基板および前記ストリップに接しない電極とを備えてい
ることを特徴とする。
【0025】このような構成であれば、前記ストリップ
導体と前記電極とが重なる領域の面積がゼロなので、上
記超伝導素子(請求項1)と同様な作用効果を奏するこ
とになる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態(以下、実施形態という)を説明する。
【0027】先ず、本発明の基礎となった実験結果など
について説明する。図1は、マイクロストリップ型共振
器の構造を示す断面斜視図である。高周波信号は、基板
1(εr >ε0 )の表面に設けられたストリップ導体2
(幅W、厚さt)と基板1の裏面のグランドプレーン3
との間に、図2に示すような電場を作りながら伝播す
る。
【0028】このとき、ストリップ導体2の近傍、特に
ストリップ導体2の上部に導電性物質が存在すると、た
とえ電磁波がそれを透過したとしても、電磁界に乱れが
生じ共振特性、特にQ値が劣化する。
【0029】図3は、マイクロストリップ型共振器の直
上に1μmの距離をおいて厚さ50nmの導電膜4を配
置した場合における、導電膜4がストリップ導体2を覆
う面積比率(S/S0 )とQ値との関係を示す図であ
る。ここで、Sは共振器の上から見た導電膜4の面積、
0 は共振器の上から見たストリップ導体2の面積であ
る。
【0030】図から、面積比率(S/S0 )が小さいほ
ど、つまりストリップ導体2上に配置される導電膜4
(導電性物質)が少ないほどQ値は大きくなり、より良
い共振特性を示すことが分かる。
【0031】また、図から、導電膜4がストリップ導体
2を覆う面積比率は20%以下、好ましくは10%以
下、さらに好ましくは1%以下が望まれることが分か
る。このような値に設定することで1×103 より大き
な値のQ値を実現できる。
【0032】図4は、ストリップ導体の近傍に、図5お
よび図6に示すように、幅がW1、長さがLの導電性物
質からなる線状電極5を、W2の間隔ですだれ状にスト
リップ導体2の長手方向に対して垂直方向に配置したと
きの、長さLとQ値との関係を示したものである。図5
では、線状電極5はストリップ導体2と交差し、図6で
は、線状電極5はストリップ導体2と交差しない。共振
周波数を変える場合には、隣り合う線状電極5間で逆極
性になるように電圧を印加する。
【0033】図4から、線状電極5がストリップ導体2
と交差していない場合(図5)、線状電極5の長さL
が、共振器の共振周波数に相当する波長の長さL0 の1
/2以下では、1×105 という高いQ値が得られこと
が分かる。
【0034】また、図4から、長さLがL0 の1/2を
超えると、Q値が急激に低下することが分かる。その変
化は、線状電極5の本数つまり線状電極の合計面積が大
きくなるほど顕著である。
【0035】すなわち、ストリップ導体2上に存在する
線状電極5の面積の合計と、ストリップ導体2からその
長手方向に対して垂直方向にL0 /4まで離れた領域R
(図7参照)内に存在する線状電極5の面積の合計との
和(総合面積)が、(L0 /2)の20%を超えるとQ
値は10000程度に、30%を超えると1000程度
に、そして50%を超えると100程度まで低下するこ
とが分かる。
【0036】一方、線状電極5がストリップ導体2と交
差している場合(図6)、面積比率(S/S0 )によっ
てはもともとQ値が低下しているが、長さLがL0 の1
/2を超えるとさらに急激にQ値が低下することが分か
る。
【0037】これらの現象は、線状電極5のストリップ
導体2の長手方向に対して垂直方向の長さがL0 の1/
2を超えると、電磁波がストリップ導体2と直交する線
状電極5に漏れていくためであると考えられている。
【0038】したがって、Q値を大きくするためには、
基本的には、線状電極5として、ストリップ導体2の長
手方向に対して垂直方向の長さが、L0 の1/2以下の
ものを使用すれば良いことが分かる。
【0039】しかし、ストリップ導体2の長手方向に対
して垂直方向の長さがL0 の1/2を超えるように、線
状電極5を配置する場合には、単にL0 /2以下するだ
けでは十分なQ値は得られず、Q値の低下を抑制するた
めには、各線状電極5の幅W1がそれぞれ(L0 /2)
の10%、好ましくは1%以下になるようにし、かつ線
状電極5の総合面積が(L0 /2)2 の20%以下、好
ましくは1%以下になるようにすれば良い。
【0040】また、図8に示すように、線状電極5によ
り櫛状電極6a〜6dを構成し、線状電極5がストリッ
プ導体2の長手方向に対して平行になるように配置して
も良い。
【0041】この場合、1本の線状電極5の幅W1は1
μm以上1mm以下、線状電極間の間隔W2は1μm以
上1mm以下が望ましい。さらに、櫛状電極6b,6d
の最もストリップ導体2に近い線状電極5とストリップ
導体2との間隔を間隔W2以下、好ましくは間隔W2の
1/2にすることが望ましい。
【0042】このような共振器では、ストリップ導体2
を挟んだ両サイドの線状電極6a,6d間に電圧を印加
しても、この近傍の誘電体膜中に形成される電場は線状
電極6a,6d間の距離ではなく、それからストリップ
導体2の幅を差し引いた距離によって決定されるので、
強い電場を作ることができる。
【0043】しかも、特に、上述したようにストリップ
導体2とそれに最も近い両サイドの線状電極5との間の
間隔をそれぞれ間隔W2の1/2にした場合、その電場
の大きさは他の線状電極5間の電場と同一となり、電場
の不均一が発生せず誘電率の制御が容易になる。
【0044】さらに、ストリップ導体2の両サイドの近
傍は伝播電磁界が密になるところであり、この部分の誘
電体膜に効果的に電界を印加でき、共振周波数の変化を
より効果的に行なうことができる。
【0045】なお、誘電率を変化させる領域は、伝播電
磁界が分布する範囲だけでも良く、ストリップ導体2か
ら両側へストリップ導体2の幅の5倍以内の領域であれ
ば良い。
【0046】また、ストリップ導体の上を避けて電極を
配置しても、電極の影響をゼロにすることはできない。
ストリップ導体に近い位置の電極は、誘電率の変化つま
り共振周波数の変化には効果が大きいがQ値が低下を招
きやすい。したがって、用途において要求される共振周
波数の変化量とQ値に応じて電極の配置を考慮するのが
よい。
【0047】以上のように面積比率、総合面積を設定す
ることにより、高いQ値を保ったままで、共振周波数を
可変にすることが可能となる。また、共振周波数の可変
は電圧によって行なうので、磁界発生手段、発熱体は不
要である。したがって、小型化が困難になったり、動作
速度が遅くなるという問題もない。
【0048】(第1の実施形態)図9、図10は、本発
明の第1の実施形態に係る超電導体共振器(以下、単に
共振器という)の製造方法を示す平面図および断面図で
ある。各図の(a)は平面図、各図の(b)は同平面図
のA−A´断面図を示している。
【0049】まず、図9に示すように、直径30mm、
厚さ0.5mmのLaAlO3 単結晶基板11の表面お
よび裏面にそれぞれ厚さ300nmのYBCO超電導膜
12a,12bを形成した後、表面のYBCO超電導膜
12aをストライプ状に加工し、ストリップ導体12a
を形成する。YBCO超電導膜12bはグランドプレー
ンとして用いられる。
【0050】ここで、YBCO超電導膜12a,12b
の成膜方法として、例えば、スパッタリング法、レーザ
ー蒸着法、CVD法などがあげられる。
【0051】次に図10に示すように、LaAlO3
結晶基板11の表面に厚さ1μmのSrTiO3 膜13
を形成する。SrTiO3 膜13の成膜方法は、YBC
O超電導膜12a,12bのそれと同様である。
【0052】次に同図に示すように、SrTiO3 膜1
3上に櫛状電極14a〜14dとなる厚さ50nmの導
電膜を形成した後、この導電膜をリソグラフィおよびエ
ッチングを用いて加工することにより、櫛状電極14a
〜14dを形成する。
【0053】ここで、櫛状電極14a,14bは互いに
噛み合うように配置され、この1対の櫛状電極14a,
14bはストリップ導体12aに接しないようにその横
に配置されている。櫛状電極14a,14bを構成する
線状電極はストリップ導体12aの長手方向に対して平
行に配置されている。櫛状電極14c,14dも同様の
構成になっている。
【0054】また、櫛状電極14a〜14dとなる上記
導電膜の材料としては、例えば、Au、Ag、Pt、C
u、Al、導電性セラミクスなどの電極材料があげられ
る。また、櫛状電極14a〜14dを構成する線状電極
は幅10μm、線状電極間の間隔は10μm、ストリッ
プ導体12aとこれに最も近い線状電極までの距離は5
μmである。
【0055】最後に、同図に示すように、櫛状電極14
a〜14dに接続するパッド電極15a〜15dを形成
して、共振周波数が4.3GHzの共振器が完成する。
【0056】このようにして形成された共振器のQ値を
調べたところ、50000という高い値が得られた。し
たがって、本実施形態の共振器を用いることにより、減
衰特性に優れ、挿入損失が小さいフィルタを実現するこ
とができる。このような高いQ値が得られた理由は、櫛
状電極14a〜14dがストリップ導体12a上を避け
て配置されているからである。また、共振周波数の可変
は電圧によって行なうので、磁界発生手段、発熱体は不
要である。したがって、小型化が困難になったり、動作
速度が遅くなるという問題もない。
【0057】また、ストリップ導体12aの両側に近い
方の櫛状電極14b,14d間に電位差が生じるよう
に、パッド電極15aとパッド電極15dに同電位を印
加し、パッド電極15bにパッド電極15aよりも50
V高い電圧を印加し、パッド電極15cにパッド電極1
5dよりも50V高いの電圧を印加した。このとき、櫛
状電極14b,14d間にも同様の電位差が生じる。
【0058】上記の如き電圧を印加すると、櫛形電極間
に50KV/cmの電界が発生し、SrTiO3 膜13
の誘電率が変化する。その結果、共振周波数が約2.3
%高くなり、4.4GHzで共振する。
【0059】(第2の実施形態)図11、図12は、本
発明の第2の実施形態に係る共振器の製造方法を示す平
面図および断面図である。各図の(a)は平面図、各図
の(b)は同平面図のA−A´断面図を示している。な
お、基本構造は第1の実施形態と同様なので、図9、図
10と同一符号を用いる。
【0060】まず、図11に示すように、直径30m
m、厚さ0.5mmのLaAlO3 単結晶基板11の表
面および裏面にそれぞれ厚さ300nmのYBCO超電
導膜12a,12bを形成した後、表面のYBCO超電
導膜12aをストライプ状に加工し、ストリップ導体1
2aを形成する。YBCO超電導膜12a,12bの成
膜方法は、第1の実施形態と同様である。
【0061】次に図12に示すように、LaAlO3
結晶基板11の表面に厚さ1μmのSrTiO3 膜13
を形成する。SrTiO3 膜13の成膜方法は、YBC
O超電導膜12a,12bのそれと同様である。
【0062】ここまでは第1の実施形態と同じである。
【0063】次に同図に示すように、SrTiO3 膜1
3上に櫛状電極14a〜14dとなる厚さ50nmの導
電膜を形成した後、この導電膜をリソグラフィおよびエ
ッチングを用いて加工することにより、互いに噛み合う
櫛状電極14a,14bおよび櫛状電極14c,14d
を形成する。
【0064】ここで、櫛状電極14a〜14dを構成す
る線状電極および各線状電極の間隔は第1の実施形態と
同じようにそれぞれ10μmとするが、ストリップ導体
12aとこれに最も近い櫛状電極14b,14dの線状
電極までの距離は100μmとし、第1の実施形態より
も20倍長くする。なお、上記導電膜の材料は、第1の
実施形態と同様である。
【0065】最後に、同図に示すように、櫛状電極14
a〜14dに接続するパッド電極15a〜15dを形成
して、共振周波数が4.3GHzの共振器が完成する。
【0066】このようにして形成された共振器のQ値を
調べたところ、60000という高い値が得られた。こ
のような高いQ値が得られた理由は、櫛状電極14a〜
14dがストリップ導体12a上を避けて配置されてい
るからである。
【0067】また、ストリップ導体12aの両側に近い
方の櫛状電極14b,14d間に電位差が生じるよう
に、パッド電極15aとパッド電極15dに同電位を印
加し、パッド電極15bにパッド電極15aよりも50
V高い電圧を印加し、パッド電極15cにパッド電極1
5dよりも50V高いの電圧を印加した。このとき、櫛
状電極14b,14d間にも同様の電位差が生じる。
【0068】上記の如き電圧を印加すると、櫛形電極間
に50KV/cmの電界が発生し、SrTiO3 膜13
の誘電率が変化する。その結果、共振周波数は変化し、
4.38GHzで共振する。
【0069】(第3の実施形態)図13、図14は、本
発明の第3の実施形態に係る共振器の製造方法を示す平
面図および断面図である。各図の(a)は平面図、各図
の(b)は同平面図のA−A´断面図を示している。
【0070】まず、図13に示すように、第1の実施形
態と同様に、直径30mm、厚さ0.5mmのLaAl
3 単結晶基板21の表面および裏面にそれぞれ厚さ3
00nmのYBCO超電導膜22a,22bを形成した
後、表面のYBCO超電導膜12aをストライプ状に加
工し、ストリップ導体22aを形成する。YBCO超電
導膜22bはグランドプレーンとして用いられる。YB
CO超電導膜22の成膜方法は第1の実施形態と同様で
ある。
【0071】次に図14に示すように、LaAlO3
結晶基板21の表面に厚さ1μmのSrTiO3 膜23
を形成する。SrTiO3 膜23の成膜方法は、YBC
O超電導膜22のそれと同様である。
【0072】次に同図に示すように、SrTiO3 膜2
3上にL字状電極24a,24bとなる厚さ50nmの
導電膜を形成した後、この導電膜をリソグラフィおよび
エッチングを用いて加工することにより、L字状電極2
4a,24bを形成する。
【0073】ここで、L字状電極24a,24bとなる
上記導電膜の材料としては、例えば、Au、Ag、P
t、Cu、Al、導電性セラミクスなどの電極材料があ
げられる。
【0074】また、L状電極24a,24bの幅は10
μm、L状電極24a,24bとストリップ導体22a
との間隔はそれぞれ10μmである。
【0075】最後に、L状電極24a,24bにそれぞ
れ接続するパッド電極(不図示)を形成して、共振周波
数が4.3GHzの共振器が完成する。
【0076】このようにして形成された共振器のQ値を
調べたところは、50000という高い値が得られた。
したがって、本実施形態の共振器を用いることにより、
減衰特性に優れ、挿入損失が小さいフィルタを実現する
ことができる。このような高いQ値が得られた理由は、
L状電極24a,24bがストリップ導体22a上を避
けて配置されているからである。
【0077】また、パッド電極を介してL状電極24
a,24b間に100Vの電圧を印加した。
【0078】このとき、L字状電極24の近傍のSrT
iO3 膜23中に形成される電場は、L状電極24a,
24b間の距離ではなく、それよりストリップ導体22
aの幅を差し引いた距離(この場合は20μm)によっ
て決定されるために、強い電場(この場合は50kV/
cm)を作ることができた。その結果、共振周波数は変
化し、共振周波数4.38GHzで共振した。
【0079】(第4の実施形態)図15、図16は、本
発明の第4の実施形態に係る共振器の製造方法を示す平
面図および断面図である。各図の(a)は平面図、各図
の(b)は同平面図のA−A´断面図を示している。
【0080】まず、図15に示すように、第1の実施形
態と同様に、直径30mm、厚さ0.5mmのLaAl
3 単結晶基板31の表面および裏面にそれぞれ厚さ3
00nmのYBCO超電導膜32を形成する。YBCO
超電導膜32の成膜方法は第1の実施形態と同様であ
る。
【0081】次に図16に示すように、表面のYBCO
超電導膜32をストライプ状および櫛状に加工し、櫛状
電極32a〜32d、ストリップ導体32eを形成す
る。裏面のYBCO超電導膜32はグランドプレーンと
して用いられる。
【0082】櫛状電極32a,32bは互いに噛み合う
ように配置され、この1対の櫛状電極32a,32bは
ストリップ導体32eに接しないようにその横に配置さ
れている。櫛状電極32a,32bを構成する線状電極
はストリップ導体32eの長手方向に対して平行に配置
されている。櫛状電極32c,32dも同様の構成にな
っている。
【0083】また、櫛状電極32a〜32dを構成する
線状電極の幅10μm、各線状電極の間隔は10μmで
ある。また、ストリップ導体32eとこれに最も近い線
状電極までの距離は5μmである。
【0084】最後に、櫛状電極32a〜32dにそれぞ
れ接続するパッド電極(不図示)を形成した後、全面に
厚さ1μmのSrTiO3 膜(不図示)を形成し、パッ
ド電極に対するコンタクトホール(不図示)を開口し
て、共振周波数が4.3GHzの共振器が完成する。
【0085】このようにして形成された共振器のQ値を
調べたところ、50000という高い値が得られた。し
たがって、本実施形態の共振器を用いることにより、減
衰特性に優れ、挿入損失が小さいフィルタを実現するこ
とができる。このような高いQ値が得られた理由は、櫛
状電極32a〜32dがストリップ導体32a上を避け
て配置されているからである。
【0086】また、ストリップ導体32eの両側に近い
方の櫛状電極24b,24d間に電位差が生じるよう
に、パッド電極33aとパッド電極33dに同電圧を印
加し、パッド電極33bにパッド電極33aよりも50
V高い電圧を印加し、パッド電極33cにパッド電極3
3dよりも50V高いの電圧を印加した。このとき、櫛
状電極34b,34d間にも同様の電位差が生じる。
【0087】上記の如き電圧を印加すると、櫛形電極間
に50KV/cmの電界が発生し、SrTiO3 膜の誘
電率が変化する。その結果、共振周波数は約2.3%高
くなり、4.4GHzで共振する。
【0088】なお、櫛状電極(YBCO超電導膜)を3
2a〜32dは、薄い方が好ましいため、全面に図示し
ないSrTiO3 膜の成膜前に、ストリップ導体32e
をレジストまたはメタルマスクを用いてマスキングし、
櫛状電極32a〜32dを厚さ50nm以下、好ましく
は厚さ10nm以下になるように、櫛状電極32a〜3
2dをイオンミリング加工またはスパッタエッチングし
ておくとさらに良い。ここで、スパッタエッチングは、
例えば、0.1Torrから1.0Torr程度のAr
雰囲気中において、LaAlO3 単結晶基板31に1
3.56MHzの高周波電力を印加し、Arプラズマを
形成して行なうのが良い。
【0089】これらの方法により薄く削られた櫛状電極
32a〜32dの超電導特性は劣化するが、導電性まで
失われることはない。この状態のほうが電磁界に与える
悪影響が小さく都合が良い。すなわち、YBCO超電導
膜を電極としている場合には、その超電導特性を劣化さ
せて常伝導物質にすることが好ましい。
【0090】また、SrTiO3 膜を形成する下地に、
このような櫛状電極(YBCO超伝導膜)32a〜32
dを用いることには、以下のような利点がある。
【0091】SrTiO3 膜はスパッタリング、CV
D、レーザー蒸着法などの成膜方法により形成すること
ができるが、いずれの成膜方法においても、0.001
Torrから10Torr以下程度の酸素雰囲気中にお
いてLaAlO3 単結晶基板31を300℃から700
℃程度まで加熱する。
【0092】このとき、LaAlO3 単結晶基板31上
に金属膜があるとこれらは一般には酸化されたり、ある
いは薄い金属膜は球状に凝集し、金属が島状に点在する
膜となってしまう。このような金属膜の導電性は低いの
で必要な機能を得ることはできない。
【0093】しかし、YBCO超伝導膜は、イオンミリ
ングなどでダメージを受け、かつ薄くなっても、酸素雰
囲気中にて上記温度まで加熱されても導電性を失うこと
はなく、むしろ高くなるという利点がある。
【0094】(第5の実施形態)図17〜図19は、本
発明の第5の実施形態に係る共振器の製造方法を示す平
面図および断面図である。各図の(a)は平面図、各図
の(b)は同平面図のA−A´断面図を示している。
【0095】まず、図17に示すように、直径30m
m、厚さ0.5mmのLaAlO3 単結晶基板41の表
面および裏面にそれぞれ厚さ300nmのYBCO超電
導膜42a,42bを形成した後、表面のYBCO超電
導膜42aをストライプ状に加工し、ストリップ導体4
2aを形成する。裏面のYBCO超電導膜42bはグラ
ンドプレーンとして用いられる。YBCO超電導膜42
a,42bの成膜方法は、第1の実施形態と同様であ
る。
【0096】次に図18に示すように、LaAlO3
結晶基板41の表面に厚さ2μmのSrTiO3 膜43
を形成した後、SrTiO3 膜43をリソグラフィおよ
びエッチングを用いて加工することにより、基板面に達
し、ピッチ10μm、幅2μmの電極溝を形成する。す
なわち、後工程で形成する櫛状電極44a〜44dと同
じパターンの電極溝を形成する。なお、SrTiO3
43の成膜方法は、YBCO超電導膜42のそれと同様
である。
【0097】次に図19に示すように、全面に櫛状電極
44a〜44dとなる厚さ10nmの導電膜を形成した
後、この導電膜を化学的研磨、機械的研磨、または化学
的機械的研磨により削って、電極溝内に櫛状電極44a
〜44dを埋め込み形成する。
【0098】櫛状電極42a,42bは互いに噛み合う
ように配置され、この1対の櫛状電極42a,42bは
ストリップ導体42aに接しないようにその横に配置さ
れている。櫛状電極42a,42bを構成する線状電極
はストリップ導体42aの長手方向に対して平行に配置
されている。櫛状電極42c,42dも同様の構成にな
っている。
【0099】また、櫛状電極42a〜42dとなる上記
導電膜の材料としては、例えば、Au、Ag、Pt、C
u、Al、導電性セラミクスなどの電極材料があげられ
る。また、研磨の代わりに、エッチングを用いて上記導
電膜を削っても良い。例えば、0.1Torrから1.
0Torr程度のAr雰囲気中において、LaAlO3
単結晶基板41に13.56MHzの高周波電力を印加
し、Arプラズマを形成することで、表面の導電膜を削
ることもできる。
【0100】導電膜が同一平面内にあるとき、この方法
では全部削れてしまうが、本実施形態では、基板表面に
電極溝が形成され、この電極溝の底まではイオンは到達
しないので、導電膜の表面だけが削れ、全部削れてしま
うことはない。
【0101】最後に、第1の実施形態と同様に、パッド
電極(不図示)を形成して共振器が完成する。
【0102】本実施形態では、櫛状電極44a〜44d
がLaAlO3 単結晶基板41の表面に直接形成されて
いることから、以下のような効果が得られる。
【0103】通常、LaAlO3 単結晶基板41等の基
板上に形成したSrTiO3 膜の表面には数十から10
0nm程度の凹凸ができる。このようなSrTiO3
上に櫛状電極44a〜44dとなる導電膜を形成した場
合、導電膜のうち膜厚が薄いところでは、SrTiO3
膜の表面の凹凸により寸断が起こる。
【0104】その結果、櫛状電極44a〜44dの導通
が十分に取れなくなるという問題が起こる。抵抗率を1
×10-1ohm.cm以下にするには、導電膜の膜厚を
50nm程度にする必要がある。
【0105】しかし、本実施形態では、表面の平坦性が
高い(大きくても数nmの凹凸)LaAlO3 単結晶基
板41の表面に櫛状電極44a〜44dとなる導電膜を
直接形成しているので、同じ抵抗率を得るにもより薄い
膜厚で済む。
【0106】YBCO超電導膜42aの近傍にある線状
電極の厚さが薄いほど、Q値は高くなる。本実施形態で
は、導電膜の膜厚は10nmで、これによりさらに高い
Q値(60000)が得られた。したがって、本実施形
態の共振器を用いることにより、さらに、減衰特性に優
れ、挿入損失が小さいフィルタを実現することができ
る。
【0107】また、櫛状電極44a〜44dに電圧を印
加しない場合には、4.3GHzで共振したが、櫛状電
極44a〜44dに100Vの電圧を印加した場合に
は、共振周波数が4.38GHzに変化した。なお、電
圧を印加する際の櫛状電極44a〜44dの大小関係は
第1の実施形態と同じである。
【0108】(第6の実施形態)図20、図21は、本
発明の第6の実施形態に係る共振器の製造方法を示す平
面図および断面図である。各図の(a)は平面図、各図
の(b)は同平面図のA−A´断面図を示している。
【0109】まず、図20に示すように、直径30m
m、厚さ0.5mmのLaAlO3 単結晶基板51の表
面および裏面にそれぞれ厚さ300nmのYBCO超電
導膜52a,52bを形成した後、表面のYBCO超電
導膜52aをストライプ状に加工し、ストリップ導体5
2aを形成する。裏面のYBCO超電導膜52bはグラ
ンドプレーンとして用いられる。YBCO超電導膜52
a,52bの成膜方法は、第1の実施形態と同様であ
る。
【0110】次に図21に示すように、LaAlO3
結晶基板51の表面に厚さ1μmのSrTiO3 膜53
を形成する。SrTiO3 膜53の成膜方法は、YBC
O超電導膜52a,52bのそれと同様である。
【0111】次に同図に示すように、SrTiO3 膜5
3上に櫛状電極54a,54bとなる厚さ50nmの導
電膜を形成した後、この導電膜をリソグラフィおよびエ
ッチングを用いて加工することにより、互いに噛み合う
櫛状電極54a,54bを形成する。
【0112】ここで、櫛状電極54a,54bを構成す
る線状電極は、ストリップ導体52aと直交するように
形成されている。また、線状電極の長さは1μm、幅は
10μm、線状電極間の間隔は90μmである。また、
上記導電膜の材料としては、例えば、Au、Ag、P
t、Cu、Al、導電性セラミクスなどの電極材料があ
げられる。
【0113】最後に、第1の実施形態と同様に、パッド
電極を形成して共振器が完成する。このようにして形成
された共振器のQ値を調べたところは、50000とい
う高い値が得られた。したがって、本実施形態の共振器
を用いることにより、減衰特性に優れ、挿入損失が小さ
いフィルタを実現することができる。
【0114】また、櫛状電極54a,54b間に200
Vの電圧を印加したところ、共振周波数4.35GHz
で共振した。
【0115】本実施形態の共振器を以下の2つの共振器
(比較例1,2)と比較して評価してみた。
【0116】図22に、比較例1の共振器の平面図を示
す。なお、図20、図21の本実施形態の共振器と対応
する部分には、図20、図21と同一符号を付してあ
り、詳細な説明は省略する。
【0117】比較例1の共振器が本実施形態のそれと異
なる点は、櫛状電極54a,54bの寸法であり、比較
例1の共振器では、櫛状電極54a,54bを構成する
線状電極の長さが10μm、幅が10μm、線状電極間
の間隔が40μmとなっている。
【0118】すなわち、櫛状電極54a,54bがスト
リップ導体52aを覆う面積比率は約20%程度である
が、櫛状電極54a,54bのうち、ストリップ導体5
2aの長手方向に対して垂直で、かつその長さがL0
2を越える線状電極については、ストリップ導体52a
上に存在する線状電極の面積の合計と、ストリップ導体
52aからその長手方向に対して垂直方向にL0 /4ま
で離れた領域内に存在する線状電極の面積の合計との和
(総合面積)が、(L0 /2)2 の約20%である(本
実施形態では20%未満)。その結果、Q値は本実形態
に比べて遥かに小さい80程度になった。
【0119】(比較例2)図23に、比較例1の共振器
の平面図を示す。なお、図20、図21の本実施形態の
共振器と対応する部分には、図20、図21と同一符号
を付してあり、詳細な説明は省略する。
【0120】比較例2の共振器が本実施形態のそれと異
なる点は、櫛状電極54a,54bの寸法であり、比較
例2の共振器では、櫛状電極54a,54bを構成する
線状電極の長さが10μm、幅が10μm、線状電極間
の間隔が10μmとなっている。
【0121】すなわち、櫛状電極54a,54bはスト
リップ導体52aと交わられないが、つまり面積比率が
ゼロであるが、櫛状電極54a,54bのうち、ストリ
ップ導体52aの長手方向に対して垂直で、かつその長
さがL0 /2を越える線状電極については、ストリップ
導体52aからその長手方向に対して垂直方向にL0
4まで離れた領域内に存在する線状電極の面積の和が、
(L0 /2)2 の約50%である。その結果、Q値は本
実形態に比べて遥かに小さい50程度になった。
【0122】(第7の実施形態)図24は、本発明の第
7の実施形態に係る共振器を示す平面図および断面図で
ある。同図(a)は平面図、同図(b)はそのA−A´
断面図である。
【0123】これを製造工程に従い説明すると、まず、
直径30mm、厚さ0.1mmの第1のLaAlO3
板61の裏面に厚さ300nmのYBCO超電導体膜6
2をスパッタリング法、レーザー蒸着法またはCVD法
などの成膜法を用いて形成する。YBCO超電導体膜6
2はグランドプレーンとして用いられる。
【0124】次にLaAlO3 基板61の表面に厚さ1
μmのSrTiO3 膜63、厚さ50nmのAu、A
g、Pt、Cu、Alなどの金属あるいは導電性セラミ
クスなどからなる導電膜64を順次形成する。SrTi
3 膜63、導電膜64の成膜法は、YBCO超電導体
膜62のそれと同様である。
【0125】なお、SrTiO3 膜63、導電膜64を
形成した後、YBCO超電導体膜62を形成しても良
い。
【0126】一方、表面に厚さ300nmのYBCO超
電導体膜(ストリップ導体)66が形成された長方体の
第2のLaAlO3 基板65を用意する。この第2のL
aAlO3 基板65の寸法は、幅1mm、長さ30m
m、厚さ0.4mmである。
【0127】次に第1のLaAlO3 基板61上に形成
した導電膜64およびSrTiO3膜63をエッチング
し、導電膜64からなる形状が長方形の電極64を形成
するとともに、第1のLaAlO3 基板61に達する溝
を形成する。
【0128】最後に、この溝内に第2のLaAlO3
板65を埋め込み、第2のLaAlO3 基板65と第1
のLaAlO3 基板61とをエポキシ系の接着剤を用い
て接着して、共振器が完成する。
【0129】このとき、接着面である溝の底部にSrT
iO3 膜63、電極64またはこれらの両方が残存して
いても良いが、共振特性の劣化を防止する観点からは、
リソグラフィを用いて取り除いた方が好ましい。
【0130】このようにして得られた共振器において
は、YBCO超電導膜62と電極64との間に図示の如
く電源を接続して電圧を印加することにより、SrTi
3 膜63の誘電率を可変することができる。この場
合、膜厚方向に電圧が印加されるので、誘電率の変化が
大きく、共振帯域が広くなるという利点がある。
【0131】電極64は、共振周波数を決めるYBCO
超電導膜66の横、つまり第2のLaAlO3 基板65
の横に設けられ、これらの間の距離dが短いと低い電圧
で広い可変域が得られるが、Q値は低下し易い。一方、
距離dが長いとQ値の低下は少ないが、広い可変域を得
るには高い電圧が必要になる。
【0132】また、電極64が設けられている領域の面
積S2 が広いと低い電圧で広い可変域が得られるが、Q
値は低下し易い。一方、面積S2 が狭いとQ値の低下は
少ないが、広い可変域を得るには高い電圧が必要にな
る。
【0133】図25、図26にこれらの関係を示す。図
25は、Q値および可変帯域の距離dの依存性を示す特
性図である。また、図26は、Q値および可変帯域の面
積比(S2 /S1 )の依存性を示す特性図である。ここ
で、S1 はYBCO超電導膜66の面積である。
【0134】図25から、距離dは10μm以上(絶縁
を取るのに必要な最小な距離)、5mm以下、好ましく
は50μm以上1mm以下が望まれること分かる。ま
た、図26から、面積比は0.5倍以上100倍以下、
好ましくは1.0倍以上50倍以下が良いことが分か
る。
【0135】ところで、YBCO超電導膜62と電極6
4との間に印加する電圧を低くし、かつSrTiO3
63中の電場を大きくするには、第1のLaAlO3
板61の厚さをできる限り薄くすることが必要である。
【0136】その場合、機械的強度が弱くなるので全体
を樹脂でモールドするか、どちらかの面あるいは両面に
絶縁性が高く、かつ誘電損失の低い材料、例えば、La
AlO3 、YAlO3 、Al2 3 などの材料からなる
サポートを接着することが望まれる。ただし、このとき
に用いられる上記材料は必ずしも単結晶でなくとも良
い。
【0137】本実施形態の共振器を基本周波数1.5G
Hzの移動通信基地局用フィルターに使用することで、
100MHzの帯域幅において100以上のチャンネル
を設けても、クロストークのない通信を行なえることを
確認した。
【0138】(第8の実施形態)図27は、本発明の第
8の実施形態に係る共振器を示す平面図および断面図で
ある。同図(a)は平面図、同図(b)はそのA−A´
断面図である。なお、図24の共振器と対応する部分に
は図24と同一符号を付してあり、詳細な説明は省略す
る。
【0139】本実施形態が第7の本実施形態と異なる点
は、電極64の形状にある。すなわち第1の実施形態で
は電極64の形状を面状(長方形)としたが、本実施形
態では複数の細線(線状電極64a)から構成された櫛
状にしている。このほうが共振特性の劣化が少ないので
好ましい。
【0140】また、電極64を構成する線状電極64a
の幅は0.5mm、線状電極64a間の距離は1mmで
ある。この場合の面積比(電極64の面積/YBCO超
電導膜66の面積)は約35%である。
【0141】また、表1に、図27の共振器における面
積比(電極64の面積/YBCO超電導膜66の面積)
とQ値との関係を示す。
【0142】 表1 面積比 0.5% 1% 5% 10% 20% 30% 50% Q値 80000 70000 40000 30000 20000 15000 10000 面積比 60% 70% 80% 90% 100% Q値 6000 2000 1000 500 300 表1から、面積比は50%以下、好ましくは10%以下
であることが望まれることが分かる。
【0143】表2に面積比と可変幅との関係を示す。な
お、印加電圧は100Vである。
【0144】 表2 面積比 0.5% 1% 5% 10% 20% 30% 50% 可変幅 1 20 50 60 80 100 150 (MHz) 面積比 60% 70% 80% 90% 100% 可変幅 200 250 300 350 400 (MHz) 表2から、面積比が大きいほど低い電圧でSrTiO3
膜63の誘電率を大きく変化させることができ、共振周
波数の可変幅を広くすることができることが分かる。
【0145】これらの結果より、面積比は1%以上60
%以下、好ましくは5%以上20%以下であることが望
まれる。
【0146】また、本実施形態の共振器を基本周波数
1.5GHzの移動通信基地局用フィルターに使用する
ことで、100MHzの帯域幅において200以上のチ
ャンネルを設けても、クロストークのない通信を行なえ
ることを確認した。
【0147】図28に本実施形態の変形例を示す。これ
は電極64としての導電膜をエッチングし、露出したS
rTiO3 膜63の表面に第2のLaAlO3 基板65
を接着したものである。
【0148】この場合、以下のような効果が得られる。
【0149】YBCO超電導膜62と導電膜64との間
に電圧を印加した時に、第2のLaAlO3 基板65の
下のSrTiO3 膜63にも電圧が印加され、誘電率が
変化する。この領域の誘電率の変化は、共振周波数を変
化させるのに大きく影響するので、可変幅を広くするの
に適する。
【0150】なお、このような変形は第7の実施形態に
適用でき、同様な効果が得られる。また、本実施形態も
第7の実施形態と同様に種々変形が可能である。
【0151】(第9の実施形態)図29は、本発明の第
9の実施形態に係る共振器を示す平面図および断面図で
ある。同図(a)は平面図、同図(b)はそのA−A´
断面図である。
【0152】これを製造工程に従い説明すると、まず、
直径30mm、厚さ0.5mmの第1のLaAlO3
板71の表面に、厚さ300nmのYBCO超電導体膜
72、厚さ1μmのSrTiO3 膜73、厚さ50nm
のAu、Ag、Pt、Cu、Alなどの金属あるいは導
電性セラミクスなどからなる導電膜74を順次形成す
る。YBCO超電導体膜72はグランドプレーンとして
用いられる。
【0153】一方、表面に厚さ300nmのYBCO超
電導体膜76が形成された長方体の第2のLaAlO3
基板75を用意する。この第2のLaAlO3 基板75
の寸法は、幅1mm、長さ30mm、厚さ0.4mmで
ある。
【0154】次に第1のLaAlO3 基板71上に形成
した導電膜74およびSrTiO3膜73をエッチング
し、導電膜74からなる形状が長方形の電極を形成する
とともに、YBCO超電導体膜72に達する溝を形成す
る。
【0155】最後に、この溝内に第2のLaAlO3
板75を埋め込み、YBCO超電導体膜72と第1のL
aAlO3 基板71とをエポキシ系の接着剤を用いて接
着して、共振器が完成する。
【0156】このとき、共振特性の劣化を少なくするた
めに、接着面である溝の底部に残存する導電膜74をリ
ソグラフィを用いて取り除く必要がある。
【0157】なお、共振特性の劣化を少なくするために
は、SrTiO3 膜73も溝の底部に残存しないように
することが好ましい。しかし、SrTiO3 膜73は、
YBCO超電導体膜72と第1のLaAlO3 基板71
とを接着する際に、YBCO超電導体膜72に傷が付か
ないように保護する役目もあるので、必ずしも取り除く
必要はない。ただし、電源を接続する領域のSrTiO
3 膜73は除去する必要がある。
【0158】このようにして得られた共振器において
は、YBCO超電導膜72と電極74との間に図示の如
く電源を接続して電圧を印加することにより、SrTi
3 膜73の誘電率を可変することができる。
【0159】この場合も、第7の実施形態と同様に、膜
厚方向に電圧が印加されるので、誘電率の変化が大き
く、共振帯域が広くなるという利点がある。
【0160】また、本実施形態では、YBCO超電導膜
72と電極74との間に、第1のLaAlO3 基板71
が存在しないので、第7の実施形態よりも低い電圧でも
SrTiO3 膜73の電場を大きくすることができる。
これにより、容量の少ない電源で共振周波数を変えるこ
とが可能となる。
【0161】また、本実施形態の共振器を基本周波数
1.5GHzの移動通信基地局用フィルターに使用する
ことで、100MHzの帯域幅において100以上のチ
ャンネルを設けても、クロストークのない通信を行なえ
ることを確認した。
【0162】(第10の実施形態)図30、本発明の第
10の実施形態に係る共振器を示す平面および断面図で
ある。同図(a)は平面図、同図(b)はそのA−A´
断面図である。なお、図29の共振器と対応する部分に
は図29と同一符号を付してあり、詳細な説明は省略す
る。
【0163】本実施形態が第9の本実施形態と異なる点
は、電極74の形状にある。すなわち第8の実施形態で
は電極74の形状を面状(長方形)としたが、本実施形
態では複数の細線(線状電極74a)から構成された櫛
状にしている。
【0164】ここで、電極74を構成する線状電極74
aの幅は0.5mm、線状電極74a間の距離(ピッ
チ)は1mmである。この場合の面積比(電極74の面
積/YBCO超電導膜76の面積)は約35%である。
【0165】本実施形態でも第9の実施形態と同様な効
果が得られるが、本実形態では電極74の形状を櫛状に
していることから、共振特性の劣化がより少なくなり、
その効果はより高いものとなる。
【0166】また、本実施形態の共振器を基本周波数
1.5GHzの移動通信基地局用フィルターに使用する
ことで、100MHzの帯域幅において150以上のチ
ャンネルを設けても、クロストークのない通信を行なえ
ることを確認した。
【0167】図31に本実施形態の変形例を示す。これ
は電極74としての導電膜をエッチングし、露出したS
rTiO3 膜73の表面に第2のLaAlO3 基板55
を接着したものである。
【0168】共振特性の劣化を少なくするためには、S
rTiO3 膜73も溝の底部に残存しないようにするこ
とが好ましい。しかし、SrTiO3 膜73は、第1の
LaAlO3 基板71にYBCO超電導体膜76を設け
る際に、YBCO超電導体膜72に傷が付かないように
保護する役目もあるので、図31に示すように、必ずし
も取り除く必要はない。
【0169】なお、本実施形態も第7の実施形態と同様
に種々変形が可能である。
【0170】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではない。例えば、基板材料はLaAlO3 に限定
されることはなく、他の基板材料としては例えばLaA
lO3 、MgO、サファイアなどの低誘電率の材料があ
げられる。
【0171】また、超電導膜は、YBCO膜に限定され
るものではなく、酸化物超電導体膜であれば良い。
【0172】また、誘電体材料はSrTiO3 に限定さ
れることはなく、電界印加によって誘電率が変化するも
のであれば良く、例えばSrTiO3 、BaTiO3
基とするBaxSr1−xTiO3 (xは0以上1以
下)やPSZTなどをが挙げられる。
【0173】また、共振器子の構造はマイクロストリッ
プライン構造に限定されるものではなく、他の構造とし
ては例えばコプレーナーウエーブガイド構造、ストリッ
プライン構造、サスペンデッド線路構造、スロット線路
構造などが挙げられる。
【0174】図32に、コプレーナーウエーブガイド構
造の共振器の斜視図を示す。これは共振周波数が固定さ
れたものである。図33に本発明を適用したコプレーナ
ーウエーブガイド構造の共振器の斜視図を示す。これは
共振周波数を可変できるものである。図中、81は基
板、82は超電導ストリップ導体、83はグランドプレ
ーン、84は誘電体膜、85は本発明の条件を満たす電
極を示している。
【0175】また、図34、図35に示すように、第2
のLaAlO3 基板75の幅は、その上に形成されたY
BCO超電導体膜76の幅と異なっていても良く、共振
器をなすラインの幅の100倍以下、好ましくは10倍
以下であれば良い。これ以上になると、誘電体の誘電率
を変化させるための電力投入用電源がストリップライン
共振器から離れ、可変幅が狭くなるので好ましくない。
【0176】例えば、0.1mmのラインを1mm幅の
基板に作成した場合には図26に示したデータより帯域
幅は90MHz程度が得られる。また、0.01mm幅
のラインを1mm幅の基板上に作成した場合でも、ほぼ
同様になる。
【0177】しかし、2mm幅以上の基板に作成すると
帯域幅は10MHz以下に低下するので好ましくない。
ただし、図36に示すように、第2のLaAlO3 基板
75の下に導電膜74がある場合には基板の幅は限定さ
れない。ただし、YBCO超電導体膜76の直下および
その近傍の導電膜74は取り除く必要がある。その幅は
共振器をなすラインの幅の5倍以上、好ましくは50倍
以上であることがQ値の劣化が少ないので望ましい。
【0178】その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形して実施できる。
【0179】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、基
板上に超電導体からなるストリップ導体を設けるととも
に、基板の上または下にグランドを設けてなる超電導共
振素子と、この共振素子に設けられ、印加電圧に従って
誘電率が変化する誘電体部材と、この誘電体部材に電圧
を印加するための電極とを備えた超電導素子において、
上記電極と上記ストリップ導体とが所定の関係を満たす
ように設定することにより、超電導共振素子のQ値を高
くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロストリップ型共振器の構造を示す断面
斜視図
【図2】マイクロストリップ型共振器を流れる高周波信
号による電場を示す図
【図3】面積比率(S/S0 )とQ値との関係を示す図
【図4】長さLとQ値との関係を示す図
【図5】線状電極とストリップ導体とが交差する共振器
を示す平面図
【図6】線状電極とストリップ導体とが交差しない共振
器を示す平面図
【図7】ストリップ導体からその長手方向に対して垂直
方向にL0 /4まで離れた領域を示す図
【図8】櫛状電極とストリップ導体とが交差しない共振
器を示す平面図
【図9】本発明の第1の実施形態に係る共振器の製造方
法を示す平面図および断面図
【図10】本発明の第1の実施形態に係る共振器の製造
方法を示す平面図および断面図
【図11】本発明の第2の実施形態に係る共振器の製造
方法を示す平面図および断面図
【図12】本発明の第2の実施形態に係る共振器の製造
方法を示す平面図および断面図
【図13】本発明の第3の実施形態に係る共振器の製造
方法を示す平面図および断面図
【図14】本発明の第3の実施形態に係る共振器の製造
方法を示す平面図および断面図
【図15】本発明の第4の実施形態に係る共振器の製造
方法を示す平面図および断面図
【図16】本発明の第4の実施形態に係る共振器の製造
方法を示す平面図および断面図
【図17】本発明の第5の実施形態に係る共振器の製造
方法を示す平面図および断面図
【図18】本発明の第5の実施形態に係る共振器の製造
方法を示す平面図および断面図
【図19】本発明の第5の実施形態に係る共振器の製造
方法を示す平面図および断面図
【図20】本発明の第6の実施形態に係る共振器の製造
方法を示す平面図および断面図
【図21】本発明の第6の実施形態に係る共振器の製造
方法を示す平面図および断面図
【図22】比較例1の共振器を示す平面図
【図23】比較例1の共振器を示す平面図
【図24】本発明の第7の実施形態に係る共振器を示す
平面図および断面図
【図25】Q値および可変帯域の距離dの依存性を示す
特性図
【図26】値および可変帯域の面積比(S2 /S1 )の
依存性を示す特性図
【図27】本発明の第8の実施形態に係る共振器を示す
平面図および断面図
【図28】第8の実施形態に係る共振器の変形例を示す
平面図および断面図
【図29】本発明の第9の実施形態に係る共振器を示す
平面図および断面図
【図30】本発明の第10の実施形態に係る共振器を示
す平面および断面図
【図31】第10の実施形態に係る共振器の変形例を示
す平面図および断面図
【図32】コプレーナーウエーブガイド構造の共振器
(共振周波数固定)を示す斜視図
【図33】コプレーナーウエーブガイド構造の共振器
(共振周波数可変)を示す斜視図
【図34】本発明の変形例の共振器を示す平面図および
断面図
【図35】本発明の他の変形例の共振器を示す平面図お
よび断面図
【図36】本発明のさらに別の変形例の共振器を示す平
面図および断面図
【符号の説明】
1…基板 2…ストリップ導体 3…グランドプレーン 4…導電膜 5…線状電極 6a〜6d…櫛状電極 11…LaAlO3 単結晶基板 12a…YBCO超電導膜(ストリップ導体) 12b…YBCO超電導膜(グランドプレーン) 13…SrTiO3 膜(誘電体部材) 14a〜14d…櫛状電極 15a〜15d…パッド電極 21…LaAlO3 単結晶基板 22a…YBCO超電導膜(ストリップ導体) 22b…YBCO超電導膜(グランドプレーン) 23…SrTiO3 膜(誘電体部材) 24a,24b…L字状電極 31…LaAlO3 単結晶基板 32…YBCO超電導膜(グランドプレーン) 32a〜32d…YBCO超電導膜(櫛状電極) 32e…YBCO超電導膜(ストリップ導体) 33a〜33d…パッド電極 41…LaAlO3 単結晶基板 42a…YBCO超電導膜(ストリップ導体) 42b…YBCO超電導膜(グランドプレーン) 43…SrTiO3 膜(誘電体部材) 44a〜44d…櫛状電極 51…LaAlO3 単結晶基板 52a…YBCO超電導膜(ストリップ導体) 52b…YBCO超電導膜(グランドプレーン) 53…SrTiO3 膜(誘電体部材) 54a,54b…櫛状電極 61…LaAlO3 基板 62…YBCO超電導膜(グランドプレーン) 63…SrTiO3 膜(誘電体部材) 64…導電膜(電極) 65…LaAlO3 基板 66…YBCO超電導体膜(ストリップ導体) 71…LaAlO3 基板 72…YBCO超電導膜(グランドプレーン) 73…SrTiO3 膜(誘電体部材) 74…導電膜(電極) 75…LaAlO3 基板 76…YBCO超電導体膜(ストリップ導体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 由紀 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 芳野 久士 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に超電導体からなるストリップ導体
    が設けられ、前記基板の上または下にグランドが設けら
    れてなる超電導共振素子と、 この超電導共振素子に設けられ、印加電圧に従って誘電
    率が変化する誘電体部材と、 この誘電体部材に電圧を印加するための電極とを具備し
    てなる超電導素子であって、 素子の上から見た場合における、前記ストリップ導体と
    前記電極とが重なる領域の面積が、前記ストリップ導体
    の面積の20%以下であることを特徴とする超電導素
    子。
  2. 【請求項2】前記電極のうち、前記ストリップ導体の長
    手方向に対して垂直で、かつ前記超電導共振素子の共振
    周波数に相当する波長の長さ(以下L0 という)の1/
    2を越えるものについては、その幅がそれぞれL0 /2
    の10%以下、かつ素子の上から見た場合における、前
    記ストリップ導体上に存在するものの面積の合計と、前
    記ストリップ導体からその長手方向に対して垂直方向に
    0 /4まで離れた領域内に存在するものの面積の合計
    との和が、(L0 /2)2 の20%以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の超電導素子。
  3. 【請求項3】前記電極は、前記ストリップ導体とその長
    手方向に対して垂直方向に交わる複数の線状電極から構
    成されていることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の超電導素子。
  4. 【請求項4】前記電極は、互いに噛み合うように配置さ
    れた1対の櫛状電極を2組有し、この櫛状電極の歯部を
    構成する線状電極は、前記ストリップ導体の長手方向に
    対して平行であり、かつ前記ストリップ導体の両側の各
    々に該ストリップ導体に接しないように前記1対の櫛状
    電極が1組ずつ配置されていることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の超電導素子。
  5. 【請求項5】第1の基板と、この第1の基板上に設けら
    れグランドと、グランド上に第2の基板を介して設けら
    れた超電導体からなるストリップ導体とからなる超電導
    共振素子と、 前記第2の基板および前記ストリップに接しないように
    前記超電導共振素子に設けられ、かつ印加電圧に従って
    誘電率が変化する誘電体部材と、 この誘電体部材に電圧を印加するためのものであって、
    前記第2の基板および前記ストリップに接しない電極と
    を具備してなることを特徴とする超電導素子。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002064312A (ja) * 2000-08-23 2002-02-28 Japan Science & Technology Corp 電磁波素子
US6859029B2 (en) 2002-08-06 2005-02-22 Fujitsu Limited System and method for monitoring high-frequency circuits
WO2007043590A1 (ja) * 2005-10-11 2007-04-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. フェーズドアレイアンテナ
JP2007116573A (ja) * 2005-10-24 2007-05-10 Toyota Central Res & Dev Lab Inc アレーアンテナ
JP2016505146A (ja) * 2013-02-01 2016-02-18 クオンタム ヴァリー インベストメント ファンド リミテッド パートナーシップ 電子スピン共鳴用共鳴装置

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