JPH11266445A - 双方向画像通信対話における情報表示方法 - Google Patents

双方向画像通信対話における情報表示方法

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JPH11266445A
JPH11266445A JP10065604A JP6560498A JPH11266445A JP H11266445 A JPH11266445 A JP H11266445A JP 10065604 A JP10065604 A JP 10065604A JP 6560498 A JP6560498 A JP 6560498A JP H11266445 A JPH11266445 A JP H11266445A
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JP10065604A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Kakii
俊昭 柿井
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)
  • Two-Way Televisions, Distribution Of Moving Picture Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クライアントとのリレーション維持に好適な
双方向画像通信対話における情報表示方法を提供する。 【解決手段】 対話相手の画像データを表示させて双方
向通信を行う画像通信システムを利用した双方向画像通
信対話における情報表示方法において、双方のモニター
画面上に所定の共通する文字図形情報を、互いのモニタ
ー画面に表示されている対話相手の人物画像の少なくと
も一部にカード形式(スーパーインポーズ形式)で重ね
合わせて表示可能であり、これら所定の文字図形表示情
報は、少なくとも一方の対話者が対話中に入力及び変更
可能であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TV会議等を利用
した遠隔地点間のカウンセリングに用いられるカウンセ
リング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】教育、医療、心理学等の分野において行
われているカウンセリングは、一般に対話者同士が直接
対面した状況において、両者間に親密な信頼関係を築き
ながら行われる。しかしながら、遠隔地等の理由からカ
ウンセリングを必要とするクライアントとカウンセリン
グを行う技術を習得しているカウンセラーとが直接対面
することが困難な場合もある。このため、画像通信等を
利用して遠隔地にいるクライアントのカウンセリングを
行うことのできるカウンセリング・システムが登場して
きた。
【0003】一般的なカウンセリング技法として、國分
康孝は「カウンセリングの技法」(誠信書房刊)におい
て「受容」「支持」「明確化」「繰り返し」「質問」の
五つを挙げている。
【0004】カウンセリングにおいては、クライアント
とカウンセラーの間にリレーションと呼ばれる信頼関係
が形成される必要があるが、「受容」「支持」は、この
リレーション形成に役立つ基本的な技法である。「明確
化」とは、クライアントがはっきりと意識していない問
題点をカウンセラーが先取りして明らかにする技法であ
る。また、「繰り返し」は、カウンセラーがクライアン
トの話の中からポイントを捉えてクライアントに投げ返
すことによりクライアントが自分の問題点を客観的に見
つめられるようにする技法である。そして、「質問」
は、カウンセラーがクライアントについての情報を得る
ための手段であるが、質問されることによりクライアン
トとカウンセラーとのリレーションが高められるという
効果もある。
【0005】直接対面式のカウンセリングにおいても、
遠隔式のカウンセリングにおいても従来、これらの技法
は音声および相手の動作をもとにしたコミュニケーショ
ンによって行われていた。日記や手紙などの書誌的事項
を併用する場合もあるが、「質問」技法のための手がか
りとして利用されるのがほとんどであり、コミュニケー
ションの主体は音声等であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】こうした音声主体のカ
ウンセリングにおいては、カウンセリングの内容を記憶
に頼って整理することになるため、話の焦点が曖昧にな
ったり、話の内容を整理するのに時間がとられたり、対
策実施における優先順位づけに手間取ったりするなど不
安定要因が多く、カウンセリングが長時間にわたること
も多い。
【0007】カウンセリング内容を整理するため、メモ
などを使用した場合、記入や参照のためにメモを見るこ
とでカウンセラーの注意がクライアントから逸れるため
にリレーションが弱められたり、クライアントのちょっ
とした動作等のクライアント自身が発する信号を見落と
したりするおそれがある。
【0008】遠隔カウンセリング等にも用いることので
きるコンピューターを用いたTV会議用のシステムとし
ては日本電信電話株式会社製のマルチメディア会議シス
テムPhoenixがある。このシステムでは、パソコ
ンを利用して、対話者の画像表示と同時に、ウィンドウ
表示によりワープロや双方向から情報入力が可能なホワ
イトボード等の入出力画面を同一の画面内に表示するこ
とが可能である。
【0009】しかし、このシステムは、報告書などの資
料作成を遠隔地間で共同で行ったり、会議の打ち合わせ
資料を共有するといったビジネス用途向けのものであ
り、遠隔カウンセリングへの適用は困難である。という
のは、カウンセリングにおける対話は、ビジネスにおけ
るプレゼンテーション等とは本質的に異なり、論理的な
筋道を辿るものではなく、対話の過程で対話者の自己洞
察を経て結論が得られるものだからである。したがっ
て、対話ポイントをリアルタイムで処理し、後の対話に
活用できるよう情報化する必要があり、それらは対話作
業中にクライアントの表情や話から注意を逸らすことな
く処理できなければならない。さらに、コンピューター
に不慣れなカウンセラーやクライアントでも容易に使い
こなせるものでなければならない。対話者の画像表示以
外の部分は既存のソフトウェアの組み合わせであるPh
oenixは、ソフトウェアを組み合わせる自由度が高
い反面、カウンセリングに必要な情報を有機的に結合す
るのには向いていない。また、カウンセラーがパソコン
に不慣れな場合は、パソコン操作に時間がかかり、その
結果、クライアントとのリレーションを弱めるなど逆効
果になりかねない。
【0010】以上の問題点に鑑みて、本発明の遠隔カウ
ンセリング方法は、操作が簡便かつ対話に有効な情報を
有機的に結合して表示する画像を利用した遠隔カウンセ
リング方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の遠隔カウンセリング方法は、対話相手の画
像データをリアルタイムに表示して双方向通信を行う画
像通信システムを利用した遠隔カウンセリング方法にお
いて、第1のモニター画面上に対話相手の画像を表示す
るとともに、この第1のモニターと同一あるいは近接し
ている第2のモニターの画面上の対話相手の画像と同時
に視認し得る位置に所定の各種情報を文字、図形、記号
等の視覚的に認識容易な視覚化言語によりまとめた視覚
情報として整理して表示することを特徴とする。
【0012】視覚化言語とは、上記のように文字、図
形、記号等の広義の意思伝達に作用する視覚表示であ
り、コンピューター画面上のアイコン等を含むものであ
る。視覚化言語自体には文字自体も含まれるが、視覚情
報としては容易に認識可能な状態、つまり単語あるいは
短文のように読むというより見るだけでその意味を瞬時
に理解可能な情報を指す。本発明では、対話相手の画像
と同時に視認し得る位置にこの視覚情報としてまとめた
所定の各種情報が整理して表示される。つまり、使用者
が対話相手の画像と所定の各種情報を表示する画像(文
字等も含む)を同時に視認し、処理する環境を提供す
る。
【0013】この視覚情報と対話相手の画像が第1のモ
ニター上に同時表示される場合は、これらの画像は使用
者からみて30度以内の視角範囲内に配置されることが
好ましい。一方、視覚情報が第2のモニター上に表示さ
れる場合は、第1のモニターと第2のモニターのそれぞ
れの画面の中心が、使用者からみて60度以内の視角範
囲内に配置されていることが好ましい。このようにする
ことで、対話相手の画像と各種の視覚情報とが使用者の
視覚範囲のうち、特に集中度の高くなる視覚範囲内に確
実に配置される。
【0014】視覚情報は、対話相手の画像情報に重ね合
わせて表示してもよいし、重ね合わせ表示と分離表示を
切り換えるようにしてもよい。重ね合わせにより対話相
手の仕草等をより観察しやすくなる。一方、分離表示で
は視覚情報の認識がしやすいという利点がある。
【0015】さらに、対話相手と使用者の視線が一致す
る視差角内の位置にこの対話相手の画像を表示すること
が好ましい。この視線が一致する視差角内は、3度以内
が好ましい。これにより、対話相手と使用者の視線が対
面会話時と同レベルに一致し、カウンセリングでの感情
交流対話を円滑に進めるための重要な構成要素が実現さ
れる。
【0016】この視覚情報および対話相手の画像は、使
用者と対話相手の側で左右が反転した鏡像位置にそれぞ
れ表示されていることが好ましい。これにより、使用者
と対話相手がそれぞれの側の画面に表示された視覚情報
に視線を移動させた場合でも、画面を間にはさんで両者
が対向しているとみなした場合における画面の同じ位置
に両者の視線が向く形になる。
【0017】さらに、この視覚情報は、対話相手の画像
に対して下方に表示されていることが好ましい。このよ
うにすれば、対話者と使用者間での画面配置の左右逆転
が少なくなり、両者の画面配置が同一に近くなり、視線
認知の共有化が実現でき、対話の一体感形成に役立つ。
【0018】本発明によれば、自己対話の進展にあわせ
て対話に必要な各種の情報や対話の結果等が視覚情報と
してまとめてモニター上に整理して表示される。つま
り、対話の方向付けや対話内容の整理等に資する情報を
同時に視認しながら使用者は自己対話を進められる。
【0019】これらの視覚情報には、問題、不満、願
望、対策などの対話のテーマを含み、その視覚情報の新
規作成、表示、除去、修正が可能であることが好まし
い。これにより、現時点での対話のテーマが正確に把握
され、会話の焦点づけもしやすくなる。
【0020】視覚情報には、対話のポイントを含み、そ
の視覚情報の作成、除去、修正および並べかえが可能で
あって、並べかえ時に画面上の各視覚情報表示を自動的
に整列配置することが好ましい。そして、対話のポイン
トを表す視覚情報のそれぞれには参照番号が附されてお
り、並べかえ整列時に配置位置に合わせてこれらの参照
番号を自動的に付加しなおすことがさらに好ましい。さ
らに、対話のポイントを表す視覚情報のそれぞれは、参
照番号がタブ部分に表示されたシートあるいはカード形
式で表示することができ、かつ、関連する情報が記載さ
れた複数のシートあるいはカードは、参照番号の表示部
分が一度に表示されるようタブ部分のみをずらしてシー
トあるいカード部分を互いに重ねあわせて表示すること
ができればさらに好ましい。これらにより、対話のポイ
ントの整理が進み、話の焦点づけが容易となる。
【0021】また、視覚情報には、対話のテーマを含
み、その他の視覚情報をこれらのテーマのそれぞれに関
連づけてグループ化することにより、選択した対話のテ
ーマに合わせてこれらのグループ化された各視覚情報の
グループごとの表示、非表示を切り換えてもよい。これ
により、対話のテーマ、対話のポイントが有機的に結合
される。
【0022】視覚情報中の所望の情報を、所望の形式に
整理して、記録、表示、印刷し得るものでもよい。これ
によれば、対話の記録が視覚情報として残される。
【0023】この視覚情報をカウンセリング後に表示す
る際に、BGMにあわせて表示したり、表示を変化させ
たりすれば、カウンセリング後の確認がやりやすい。ま
た、対話相手が視覚情報を更新、追加できるようにすれ
ば、アフターケアに役立つ。
【0024】視覚情報の任意の情報を構成する視覚化言
語の一部をキーワードとして抽出し、このキーワードに
関連づけた視覚情報のグループを自動作成してもよい。
これにより、対話の話題を事前に定められた範囲に限定
することなく、話題を広げていくことが容易になる。
【0025】視覚情報の処理に応じて所定の音を生成し
て出力してもよい。特に、使用者と対話相手が空間を共
有している感覚を高めるのに役立つ。
【0026】表示中の対話のテーマを表す視覚情報に応
じて、視覚情報を表示する画面の背景画像や画像表示形
式等の画面デザインを自動的に変更してもよい。また
は、視覚情報のうち所定の視覚情報中の特定の視覚化言
語の色、形状、背景色等のデザインが時間的に変化する
ものでもよい。あるいは、視覚情報を表示する画面の背
景画像や画像表示形式等の画面デザインを時間的に変化
させてもよい。これらにより、視覚情報をより容易に視
認できる。
【0027】視覚情報は、予め蓄積された所定のデータ
ベース中から取り出した情報を含むものでもよい。さら
に、データベースから取り出した情報を、情報項目毎に
整理して表示することが好ましい。これにより、対話の
進め方や必要な背景情報等も視覚情報として表示され
る。
【0028】視覚情報に対する各種の処理操作の一部あ
るいは全部の処理を処理工程ごとに蓄積記録してもよ
い。そして、蓄積記録した処理の内容のうち任意の処理
工程の処理内容を読み出し、再現可能としてもよい。ま
た、蓄積記録した処理内容を任意の処理工程まで自動的
に再現することにより、この任意の処理状態からリスタ
ートし得るものでもよい。これにより、対話を途中から
やり直したり、中断した点から再開したり、再現して見
直す等の処理を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の
好適な実施形態における表示画面を示す図である。以
下、同一のモニターの画面内に対話相手の画像と視覚情
報を同時に表示する形態について示す。
【0030】図1に示されるように、本実施形態によれ
ば、同一のモニター10の画面1内に、対話相手の画像
2と対話のテーマを示す視覚情報3(3a、3b、3
c、…)、現在の対話のテーマを表す視覚情報4a、こ
の対話のテーマに関連する対話のポイントを表す視覚情
報5a(51a、52a、53a)が表示されている。
【0031】ここで、対話のテーマを示す視覚情報3の
それぞれは、一目で対話のテーマを認識できるよう、テ
ーマを2〜4文字程度からなる短い単語、あるいは記
号、アイコン等で示すことが望ましい。そして、現在の
対話のテーマを表す視覚情報4aはと、対応する視覚情
報(図1の場合は視覚情報3a)と同一の視覚情報と、
その内容を一目で認識できるくらいの十数文字以内の短
文で示すことが好ましい。対話のポイントを示す視覚情
報51a〜53aのそれぞれは、参照番号が附されてお
り、それぞれに対話のポイントを的確に示す記号、図
形、短文等を示していることが好ましい。
【0032】図2は、本実施形態の方法を実現するシス
テムの全体ブロック図である。このシステムは、図2に
示される各システムが対話相手と使用者のそれぞれの側
に設置され、両者は公衆電話回線や専用回線、無線等の
広義の通信回線によって接続されている。
【0033】図2に示されるように、本システムは、ま
ず、使用者の画像を撮像するCCDカメラ11と、この
カメラの撮像位置を調整する駆動機構12と、主に使用
者の声を収録するマイク13と、マイクによる集音位置
を調整する駆動機構14と、伝送されてきた音声等を再
生するスピーカー15と、対話相手の画像や視覚情報を
表示するモニター10と、視覚情報の入力を行うための
マウス、ペン入力装置、キーボードなどの入力デバイス
16とを備えている。
【0034】これらの装置に接続されている処理システ
ム20は、CCDカメラおよび駆動機構12を制御する
撮像制御部22と、マイク13および駆動機構14を制
御する音声入力制御部23と、スピーカー15を制御す
る音声出力制御部24と、モニター10の表示内容を制
御する表示制御部29と、入力デバイス16からの入力
データを処理する入力制御部28と、入力制御部28お
よび表示制御部29を制御して必要な情報を視覚化言語
により視覚化する情報視覚化処理部30と、各種の情報
を蓄積する蓄積手段25と、データの外部への伝送を制
御する送受信制御部26と、システム全体を制御する主
制御部21とを備えている。
【0035】さらに、送受信制御部26には、伝送手段
19が接続されて、別の同様の通信システムと接続され
て双方向画像通信を行う。一方、主制御部21には、プ
リンタ18を接続して、情報の印刷を行うことができ
る。
【0036】以上のシステムのうち、入力制御部28と
表示制御部29と情報視覚化処理部30が本発明の中核
となる視覚情報処理部27に該当する。
【0037】図3は、この視覚情報処理部27の機能を
示すブロック図である。全体を制御する統合制御機能3
1を中核として、手書き文字の認識や視覚情報の選択入
力を行う入力支援機能32と、画面表示を制御する画面
表示機能33と、視覚情報および他の情報をデータベー
スとして取り扱うデータベース機能34と、カウンセリ
ング自体の進行を支援するカウンセリング支援機能35
と、対話相手との通信およびその他のネットワーク等と
の通信を行う通信機能36と、主に使用者とコンピュー
ター間での対話を行う対話機能37と、各種の情報を視
覚情報に変換する情報視覚化機能38と、既存の外部ソ
フトウェア40等と本システムとを結合する拡張機能3
9とを有している。それぞれの機能は統合制御機能31
を介することにより有機的に結合され、全体が一体とし
て機能する。
【0038】本実施形態の動作を説明する前に、視覚情
報の配置位置について説明する。図4は、モニター10
に表示される視覚情報と対話相手の画像の望ましい位置
関係を示す図である。使用者8は、対話相手の画像2と
視覚情報5aを同時に視認しうることがカウンセリング
においては好ましい。このように配置すれば、視覚情報
5aに注目している場合でも対話相手の画像2から目を
逸らすことがないので、対話相手の表情の変化などに常
に注意を向けることができる。
【0039】人の視角は90度以上あるものの、注視す
る場合には、視角は60度以内である必要がある。さら
にかなり視点位置の情報に集中した場合でも視角30度
以内の情報であれば確実に視認できる。したがって、3
0度以内の視角範囲内に全ての画像情報をおさめること
が最も好ましい。図に示すθaは、この画像情報の注目
点を含む最大角度であり、これを上記の視角内、つまり
30度以内にすることが最も好ましい。
【0040】17インチモニターの場合の縦方向の有効
画面サイズは約22cm程度であり、これを60cm離
れて見た場合の視角は約20度程度となり、好ましいこ
とがわかる。
【0041】また、使用者と対話相手とのリレーション
を高めるためには、両者の視線が一致していることが好
ましい。視線を一致させるためには、図5に示されるよ
うに、モニター10の対話相手の画像2中にCCDカメ
ラ11を落としこみ配置して使用者8を撮像することに
より実現することができる。このCCDカメラ11は、
カメラコントロールユニット12により制御される。こ
のとき、CCDカメラ11の光軸と使用者8の視線とが
なす角度θcを3度以下とすると、CCDカメラ11で
撮像して対話相手に送られた画像、つまり対話相手のモ
ニター上に映し出される使用者の画像、すなわち図5の
対話相手の画像2に相当する画像の使用者の視線と、対
話相手の視線が一致してみえる。対話相手側でも同様の
システムを利用すると、使用者側では対話相手の画像2
中の対話相手の視線と使用者8の視線が一致することと
なる。
【0042】リレーション機能をさらに高めるには、対
話相手の画像と各視覚情報との一関係は、対話相手と使
用者との間で左右が逆に配置された鏡像関係となってい
ることが好ましい。このように配置すれば、互いに対話
相手の画像から所定の視覚情報に視線を移動させた際に
おいても、あたかも画面をはさんで同じ方向に視線を動
かしているような感じを受けることができ、対話者間の
リレーションが弱められることがなく、効果的である。
さらに、図1に示されるように、主要な情報を対話画面
の下部に表示すると、視線の移動方向を同一にしたうえ
で、両者の画面構成を同一に近く保つことができるの
で、より有効である。
【0043】次に、本実施形態の動作を図1〜図3を参
照して説明する。対話相手側で撮像された対話相手の画
像データは、伝送手段19を介して送受信制御部26、
主制御部21、情報視覚化処理部30、表示制御部29
を経て図1に示されるように対話相手の画像2としてモ
ニター10の画面1上にウィンドウ表示される。同時に
対話相手の声は、伝送手段19を介して、送受信制御部
26、主制御部21、音声出力制御部24を介してスピ
ーカー15により再生される。一方、使用者の画像は、
CCDカメラ11により撮像され、撮像制御部22で処
理された後に、マイク13により収録され、音声入力制
御部23で処理された使用者の声のデータとともに主制
御部21、送受信制御部26を経て伝送手段19により
対話相手に伝送される。
【0044】スピーカー15では、対話相手の声だけで
なく、使用者の処理に応じた合成音、例えば、入力に伴
う筆記音や、処理を促す電子音、あるいはBGM等を出
力することが好ましい。これにより、対話相手とあたか
も空間を共有しているような一体感を高めることができ
る。
【0045】対話内容に応じて使用者は入力デバイス1
6を使用して各種の情報を入力することができ、この情
報は入力制御部28でコンピューター等が処理しやすい
データに変換処理された後に、情報視覚化処理部30へ
送られ、視覚情報に変換される。このデータは、表示制
御部29へ送られてモニター10に表示されるととも
に、主制御部21を介して、蓄積手段25に蓄積保存さ
れる。各種の情報は、主制御部21を介してプリンタ1
8で印刷することも可能である。
【0046】CCDカメラ11とマイク13をそれぞれ
の駆動機構12、14で駆動することにより視線一致し
た画像と所望の音声を相手側に送ることが可能となる。
この制御は、情報の受信先である相手側からも制御可能
とすることが好ましい。
【0047】図1に示されるように、対話相手と同時に
対話のテーマ(3a、3b、…および4a)、ポイント
(5a)が表示され、かつ、これらの情報は一目で視認
できるように視覚化言語により視覚情報として示されて
いる。このため、対話相手の表情や仕草に注目しつつ、
対話のポイントを整理しながら効率よくカウンセリング
等を進めていくことができる。この対話のポイントは、
キーボードやペン入力等により文字入力したり、画面中
から所定の視覚情報を選択することにより入力する。手
書き入力を行う場合は、入力した文字を画像としてその
まま表示すれば、認識の正誤に気をとられることがな
く、カウンセリングに集中することができる。対話のテ
ーマにあわせて、対話すべき項目や、テーマに関連する
情報のみを表示することにより話題が不必要に逸れるこ
とがなく、カウンセリングの時間も短縮できる。
【0048】これらの動作を図3の機能図に対応させて
説明する。カウンセリングの基本的プロセスは、(1)
問題提起、(2)状況分析、(3)目標設定、(4)情
報入手、(5)対策立案、(6)実行評価、というステ
ップで行われるため、まず、カウンセリング支援機能3
5が画面表示機能33を制御して画面表示の切り換えや
所定の対話のテーマ等の表示を行う。これに基づいて、
カウンセラーは、入力支援機能31あるいは対話機能3
7を活用して、さらに対話のテーマを絞りこんだり、対
話のポイントの入力や選択を行う。こうして入力された
項目はデータベース機能34により関連づけされるとと
もに、情報視覚化機能38により認識容易な視覚情報と
して表される。そして必要な情報が画面表示機能33に
より画面に表示される。また、対話機能37によりカウ
ンセラーやクライアントに必要な入力を促すこともでき
る。一方、通信機能36や拡張機能39を用いて他のネ
ットワークやソフトウェアとの融合を計ることもでき
る。これらの各機能間の橋渡しは統合制御機能31によ
り行われる。
【0049】次に、視覚情報の具体的処理について図6
〜図12を参照して説明する。これらの図では、説明の
ための図を簡単にするため、対話相手の画像2を省略し
て示している。
【0050】図6では、対話のテーマとして「問題」を
挙げており、このテーマを具体的に表示する視覚情報4
aと、「問題」に関連する対話のポイント51a、52
a、53aが表示されている。これらの対話のポイント
を表す画像のそれぞれは、参照番号が附されたタブを有
するカード形式で表示されている。この参照番号によ
り、対話のポイントの認識がより容易になる。これらの
カードは自由に並べかえができ、例えば、カード51a
を51a’の位置に移動させることができる。
【0051】図7は、移動後の各カード51a〜53a
の並べかえ結果を示している。並べかえを行う際の使用
者の負担を軽減するため、並べかえを行った際には、各
カードを自動的に整列させるとともに、附された参照番
号を自動的に所定の順序で振り直すことが好ましい。ま
た、所定の条件により自動的に並べかえを行ってもよ
い。
【0052】対話のテーマにあわせて画面の背景画像や
画面の表示形式等の画面デザインを切り換えれば、テー
マの情報を確認しなくとも現在のテーマを認識できるの
で、より対話者の画像、つまり対話者の動作等に集中で
きるので、有効である。
【0053】図8は、このカード形式の別の表示例を示
している。ここでは、対話のテーマは「問題」のテーマ
で挙げられた各問題に対する「対策」である。問題、対
策のそれぞれのカード5a、51aは問題と対策のそれ
ぞれでグループ化され、グループ内のカードが重ねられ
て表示されている。この時に、参照番号が表示されたタ
ブ部分は、互いにずらされて、それらの参照番号の全て
が一度に表示されていることが好ましい。これにより、
タブ部分を選択することで簡単に所望の参照番号のカー
ドの内容を表示することができる。
【0054】ここでは、それぞれの問題に対して複数の
対策が表示されている。問題と対策の関連の認識を容易
にするためには、表示されている問題カードに対応する
対策のグループだけを表示することが好ましい。そし
て、問題のカードの切り換えに対応して表示する対策の
グループカードを切り換えることで効率のよいカウンセ
リングが行える。
【0055】表示は、カード形式に限られるものではな
く、図9に示されるようにシート形式で表示してもよ
い。シート形式の表示は、表示項目が少ない場合には、
全体像が把握しやすいという利点がある。表示項目にあ
わせて両方の表示を切り換えられればさらに好ましい。
【0056】対話の進展にあわせて、画面のデザインや
特定の視覚情報のデザインを変化させれば、対話を単調
にすることなく、対話者の気分を変化させることがで
き、好ましい。
【0057】また、対話の内容によっては新たなテーマ
を設けることが好ましい場合や、対話のポイントを特定
のグループにまとめることが好ましい場合がある。これ
には視覚情報中の特定の視覚化言語をキーワードとして
抽出処理できれば便利である。図10はこうした抽出処
理の一例を示したものである。図10(a)は、対話の
ポイントとして「組織にうまくなじめない」という問題
を示すカード52aを示している。この中から「組織」
という言葉をキーワード6として選択して抽出する。抽
出処理を行うと、新たにこのキーワード「組織」をテー
マとして設定し、テーマの表示項目3xと、組織に関連
する対話のポイントを表すグループカード4xが新たに
生成される。このグループには、それまでに入力された
対話のポイントや予め蓄積されたデータベースからここ
で抽出したキーワードである「組織」に関連する情報を
自動的に抽出して表示してもよい。
【0058】図11は、予め蓄積されているデータベー
スを活用する例を示している。「情報」の表示項目3f
を選択することで、キーワードを表す視覚情報群がメニ
ュー3fm形式で表示される。この中から所望のキーワ
ードを選択することにより、この所望のキーワードを含
むデータのグループが視覚情報としてカード形式5fc
あるいはシート形式で表示される。
【0059】こうして入力あるいは選択した視覚情報お
よび処理内容は、図2に示される蓄積手段25に記録さ
れる。蓄積された処理内容を読み出し、処理ステップご
とに再生することで、後刻カウンセラーはカウンセリン
グ内容を再度検討することが可能となる。この際にも対
話のポイントが視覚情報としてまとめられているので、
ビデオテープやカセットテープなどの映像・音声記録あ
るいはメモ等の文書により検討する場合に比べて短時間
でかつ、効率よく検討を行うことができる。また、カウ
ンセリングを中断したり、あるカウンセリング結果を基
にしてさらに詳細なカウンセリングを行う際には、前回
のカウンセリング時の視覚情報を再現できるのでリスタ
ートが容易になり、カウンセリングの連続性を高めるこ
とができる。
【0060】また、蓄積された情報を所定の形式にまと
めて図12に示されるような書類形式で印刷することも
できる。こうして作成した資料は、カウンセリング終了
後の検討にあたって有効な資料となる。
【0061】カウンセリング後に蓄積した視覚情報を再
生する場合は、表示をBGMとリンクさせることで、カ
ウンセリングの復習やセルフカウンセリングが効果的に
行える。また、視覚情報を変化させながら表示したり、
繰り返し表示することで、復習時の確認が容易になる。
【0062】さらに、視覚情報を後から追加、更新でき
るようにすることで、カウンセラーがカウンセリング実
施後にカウンセリング内容をまとめられるほか、対話相
手であるクライアント側からも更新可能とすることによ
り、積極的かつ能動的にカウンセリングに関ることがで
き、効果的である。この場合は、クライアント側からの
更新情報を別に蓄積することで、クライアントの心境の
変化などを追跡することが容易になる。
【0063】以上の説明では、同一モニター上に対話相
手の画像と視覚情報を表示する例を説明したが、視覚情
報と対話相手の画像は必ずしも同一モニターに表示する
必要はない。図13は、2つのモニターを利用する本発
明の別の実施形態を示している。ここでは、モニター1
0aに対話相手の画像2を表示し、モニター10bに視
覚情報3、4a、5aを表示している。もちろん、同一
モニターに表示する場合と同様に対話相手の画像と視覚
情報は使用者が同時に視認し得る状態で表示する必要が
ある。
【0064】図14は、同時に視認し得る条件を示して
いる。2つのモニターを使用する場合でも、視覚情報の
解像度を劣化させないためには、あまり小さいモニター
は使用できない。このため、同一のモニターを使用する
場合に比べてモニター同士の視覚範囲は余裕をとる必要
がある。この視覚範囲θbは60度以内とすることが好
ましい。
【0065】以上の説明では、ウインドウ表示により視
覚情報を表示する実施形態について説明してきたが、図
15に示されるように、対話相手の画像に視覚情報をス
ーパーインポーズ形式で重ね合わせ表示してもよい。特
に、カウンセラーとクライアントの一体感がまだ形成さ
れていないカウンセリングの初期段階や、クライアント
の感情起伏が激しく表れるような離婚、死別等の相談カ
ウンセリングにおいては、対話者との一体感を高め、視
覚情報と対話相手の仕草への注目度を高めることがで
き、好ましい。この時の表示は、対話相手の顔を避けて
表示することが好ましい。
【0066】また、カウンセリングの進行段階によっ
て、表示を切替てもよい。例えば、初期段階では、図1
6(a)に示されるような重ね合わせ表示を用いて、一
体感を高めた受容的カウンセリングを行い、カウンセリ
ングの進展につれて、図16(b)に示す対話者中心の
分離表示や図16(c)に示される視覚情報中心の分離
表示を用いる。視覚情報が主体となるほどより教育的、
開発的、情報提供的なカウンセリングに向いている。ク
ライアントとカウンセラーの間に十分なリレーションが
確保された段階では、対話者の表示をかなり小さくして
もリレーションを損なうことがない。この表示は操作者
の操作により切替てもよい。
【0067】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
対話相手の画像と同時に視認可能な位置に容易に認識可
能な視覚情報として各種の対話に役立つ情報を表示する
ので、対話のテーマやポイント等の対話に有効な情報が
有機的に結合され、これらを容易かつ確実に把握するこ
とができ、カウンセリングを有効に進めることができ
る。
【0068】特に、画像情報を対話者の視線移動が一致
するように配置することで、対話者間のリレーションを
高めることができる。
【0069】また、本発明によれば、モニター画面上に
容易に認識可能な視覚情報として各種の自己対話に役立
つ情報を表示するので、自己対話過程においてもテーマ
やポイントを有効に把握でき、効果的な自己対話を行う
ことができる。
【0070】モニター画面上に表示された項目は、各種
の修正、並べかえ、グループ化が可能であるので、情報
の有機的な結合が可能となる。カード表示を用いること
によりこれらの処理が容易になる。
【0071】さらに入力した視覚情報からキーワードを
抽出、処理することにより、対話内容を縛ることなく、
広げていくことが可能となる。データベース情報を活用
することにより、より広い観点からの対話を実施でき
る。
【0072】また、所定の操作に応じて所定の音を出力
することで、遠隔地間の対話においても一体感を高める
ことができる。
【0073】画面デザインを時間的に変化させたり、テ
ーマ毎に変化させることで、対話者の気分を変えて対話
が単調になるのを避けることができる。
【0074】処理操作の一部、または全部を蓄積し、後
刻再生できるようにすることで、対話の多面的処理や復
習、再カウンセリングが容易になる。また視覚情報の追
加、更新を行うことで、カウンセリングのアフターケア
が容易かつ効果的に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像表示を示
す図である。
【図2】図1の実施形態のシステムを示すブロック図で
ある。
【図3】図1の実施形態の機能を示すブロック図であ
る。
【図4】図1の画像表示の位置関係を説明する図であ
る。
【図5】図1の画像表示における対話相手の画像の表示
位置を説明する図である。
【図6】対話ポイントカードの表示例を示す図である。
【図7】図6の対話ポイントカードの移動結果を示す図
である。
【図8】対話ポイントカードの別の表示例を示す図であ
る。
【図9】対話ポイントのシート形式での表示例を示す図
である。
【図10】キーワード抽出処理を説明する図である。
【図11】データベース検索処理を説明する図である。
【図12】印刷処理を説明する図である。
【図13】本発明の第2の実施形態を説明する図であ
る。
【図14】図13の実施形態のモニターの配置位置を説
明する図である。
【図15】視覚情報の重ね合わせ表示の形式を示す図で
ある。
【図16】視覚情報の表示形式を比較して示す図であ
る。
【符号の説明】
1…モニター画面、2…対話相手の画像、3、4、5、
6…視覚情報、10…モニター、11…CCDカメラ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 双方向画像通信対話における情報表示
方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TV会議等を利用
した遠隔地点間のカウンセリングに用いられる双方向画
像通信対話における情報表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】教育、医療、心理学等の分野において行
われているカウンセリングは、一般に対話者同士が直接
対面した状況において、両者間に親密な信頼関係を築き
ながら行われる。しかしながら、遠隔地等の理由からカ
ウンセリングを必要とするクライアントとカウンセリン
グを行う技術を習得しているカウンセラーとが直接対面
することが困難な場合もある。このため、画像通信等を
利用して遠隔地にいるクライアントのカウンセリングを
行うことのできるカウンセリング・システムが登場して
きた。
【0003】一般的なカウンセリング技法として、國分
康孝は「カウンセリングの技法」(誠信書房刊)におい
て「受容」「支持」「明確化」「繰り返し」「質問」の
五つを挙げている。
【0004】カウンセリングにおいては、クライアント
とカウンセラーの間にリレーションと呼ばれる信頼関係
が形成される必要があるが、「受容」「支持」は、この
リレーション形成に役立つ基本的な技法である。「明確
化」とは、クライアントがはっきりと意識していない問
題点をカウンセラーが先取りして明らかにする技法であ
る。また、「繰り返し」は、カウンセラーがクライアン
トの話の中からポイントを捉えてクライアントに投げ返
すことによりクライアントが自分の問題点を客観的に見
つめられるようにする技法である。そして、「質問」
は、カウンセラーがクライアントについての情報を得る
ための手段であるが、質問されることによりクライアン
トとカウンセラーとのリレーションが高められるという
効果もある。
【0005】直接対面式のカウンセリングにおいても、
遠隔式のカウンセリングにおいても従来、これらの技法
は音声および相手の動作をもとにしたコミュニケーショ
ンによって行われていた。日記や手紙などの書誌的事項
を併用する場合もあるが、「質問」技法のための手がか
りとして利用されるのがほとんどであり、コミュニケー
ションの主体は音声等であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】こうした音声主体のカ
ウンセリングにおいては、カウンセリングの内容を記憶
に頼って整理することになるため、話の焦点が曖昧にな
ったり、話の内容を整理するのに時間がとられたり、対
策実施における優先順位づけに手間取ったりするなど不
安定要因が多く、カウンセリングが長時間にわたること
も多い。
【0007】カウンセリング内容を整理するため、メモ
などを使用した場合、記入や参照のためにメモを見るこ
とでカウンセラーの注意がクライアントから逸れるため
にリレーションが弱められたり、クライアントのちょっ
とした動作等のクライアント自身が発する信号を見落と
したりするおそれがある。
【0008】遠隔カウンセリング等にも用いることので
きるコンピューターを用いたTV会議用のシステムとし
ては、パソコンを利用して、対話者の画像を表示するの
と同時に、ウィンドウ表示によりワープロや双方向から
情報入力が可能なホワイトボード等の入出力画面を同一
の画面内に表示するシステムがある。
【0009】しかし、このシステムは、報告書などの資
料作成を遠隔地間で共同で行ったり、会議の打ち合わせ
資料を共有するといったビジネス用途向けのものであ
り、遠隔カウンセリングへの適用は困難である。という
のは、カウンセリングにおける対話は、ビジネスにおけ
るプレゼンテーション等とは本質的に異なり、論理的な
筋道を辿るものではなく、対話の過程で対話者の自己洞
察を経て結論が得られるものだからである。したがっ
て、対話ポイントをリアルタイムで処理し、後の対話に
活用できるよう情報化する必要があり、それらは対話作
業中にクライアントの表情や話から注意を逸らすことな
く処理できなければならない。さらに、コンピューター
に不慣れなカウンセラーやクライアントでも容易に使い
こなせるものでなければならない。そして、対話者の画
像表示以外の部分は既存のソフトウェアの組み合わせと
なるため、ソフトウェアを組み合わせる自由度が高い反
面、カウンセリングに必要な情報を有機的に結合するの
には向いていない。また、カウンセラーがパソコンに不
慣れな場合は、パソコン操作に時間がかかり、その結
果、クライアントとのリレーションを弱めるなど逆効果
になりかねない。
【0010】以上の問題点に鑑みて、本発明は、クライ
アントとのリレーション維持に好適な双方向画像通信対
話における情報表示方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の双方向画像通信対話における情報表示方法
は、対話相手の画像データを表示させて双方向通信を行
う画像通信システムを利用した双方向画像通信対話にお
ける情報表示方法において、双方のモニター画面上に所
定の共通する文字図形情報を、互いのモニター画面に表
示されている対話相手の人物画像の少なくとも一部にカ
ード形式で重ね合わせて表示可能であり、この所定の文
字図形表示情報は、少なくとも一方の対話者が対話中に
入力、変更及び表示の切り替えが可能であることを特徴
とする。
【0012】このように人物画像の少なくとも一部に重
ね合わせてカード形式で文字図形情報を表示すること
で、文字図形情報を視認する際にも、映し出されている
相手の仕草や表情から目を逸らすことがなく、対話相手
の表情の変化などを的確に把握することができ、リレー
ションを維持することができる。この表示内容の切り替
えは、表示するカードの切り替えにより簡単に行なうこ
とができる。
【0013】この文字図形情報が表示されるカードの下
地色を、透過色を含む複数の色の中から選択した色に変
更可能であることが好ましい。下地色を透過色とすれ
ば、スーパーインポーズ表示となるので、対話相手の画
像のうち、カードによって隠される部分が減り、さら
に、相手の仕草を的確に把握することができる。
【0014】この文字図形情報の表示は、入力者の入力
操作に合わせて対話の相手方に対して、該入力操作の操
作に対応する音を聴かせるともに表示を行うことが好ま
しい。これにより、あたかも入力者と対話者が同一室内
で会話しているかのような臨場感を高めることができて
好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施形態について説明する。実施形態を説明す
る前に、一般的な双方向画像通信システムについて、説
明する。
【0016】図1は、こうした一般的な双方向画像通信
システムの表示画面を示す図である。以下、同一のモニ
ターの画面内に対話相手の画像と視覚情報を同時に表示
する場合について示す。
【0017】図1に示されるように、本システムによれ
ば、同一のモニター10の画面1内に、対話相手の画像
2と対話のテーマを示す視覚情報3(3a、3b、3
c、…)、現在の対話のテーマを表す視覚情報4a、こ
の対話のテーマに関連する対話のポイントを表す視覚情
報5a(51a、52a、53a)が表示されている。
【0018】ここで、対話のテーマを示す視覚情報3の
それぞれは、一目で対話のテーマを認識できるよう、テ
ーマを2〜4文字程度からなる短い単語、あるいは記
号、アイコン等で示すことが望ましい。そして、現在の
対話のテーマを表す視覚情報4aは、対応する視覚情報
(図1の場合は視覚情報3a)とその内容を一目で認識
できるくらいの十数文字以内の短文で示すことが好まし
い。対話のポイントを示す視覚情報51a〜53aのそ
れぞれは、参照番号が附されており、それぞれに対話の
ポイントを的確に示す記号、図形、短文等を示している
ことが好ましい。
【0019】図2は、この方法を実現するシステムの全
体ブロック図である。このシステムは、図2に示される
各システムが対話相手と使用者のそれぞれの側に設置さ
れ、両者は公衆電話回線や専用回線、無線等の広義の通
信回線によって接続されている。
【0020】図2に示されるように、本システムは、ま
ず、使用者の画像を撮像するCCDカメラ11と、この
カメラの撮像位置を調整する駆動機構12と、主に使用
者の声を収録するマイク13と、マイクによる集音位置
を調整する駆動機構14と、伝送されてきた音声等を再
生するスピーカー15と、対話相手の画像や視覚情報を
表示するモニター10と、視覚情報の入力を行うための
マウス、ペン入力装置、キーボードなどの入力デバイス
16とを備えている。
【0021】これらの装置に接続されている処理システ
ム20は、CCDカメラおよび駆動機構12を制御する
撮像制御部22と、マイク13および駆動機構14を制
御する音声入力制御部23と、スピーカー15を制御す
る音声出力制御部24と、モニター10の表示内容を制
御する表示制御部29と、入力デバイス16からの入力
データを処理する入力制御部28と、入力制御部28お
よび表示制御部29を制御して必要な情報を視覚化言語
により視覚化する情報視覚化処理部30と、各種の情報
を蓄積する蓄積手段25と、データの外部への伝送を制
御する送受信制御部26と、システム全体を制御する主
制御部21とを備えている。
【0022】さらに、送受信制御部26には、伝送手段
19が接続されて、別の同様の通信システムと接続され
て双方向画像通信を行う。一方、主制御部21には、プ
リンタ18を接続して、情報の印刷を行うことができ
る。
【0023】以上のシステムのうち、入力制御部28と
表示制御部29と情報視覚化処理部30が本発明の中核
となる視覚情報処理部27に該当する。
【0024】図3は、この視覚情報処理部27の機能を
示すブロック図である。全体を制御する統合制御機能3
1を中核として、手書き文字の認識や視覚情報の選択入
力を行う入力支援機能32と、画面表示を制御する画面
表示機能33と、視覚情報および他の情報をデータベー
スとして取り扱うデータベース機能34と、カウンセリ
ング自体の進行を支援するカウンセリング支援機能35
と、対話相手との通信およびその他のネットワーク等と
の通信を行う通信機能36と、主に使用者とコンピュー
ター間での対話を行う対話機能37と、各種の情報を視
覚情報に変換する情報視覚化機能38と、既存の外部ソ
フトウェア40等と本システムとを結合する拡張機能3
9とを有している。それぞれの機能は統合制御機能31
を介することにより有機的に結合され、全体が一体とし
て機能する。
【0025】このシステムの動作を説明する前に、視覚
情報の配置位置について説明する。図4は、モニター1
0に表示される視覚情報と対話相手の画像の望ましい位
置関係を示す図である。使用者8は、対話相手の画像2
と視覚情報5aを同時に視認しうることがカウンセリン
グにおいては好ましい。このように配置すれば、視覚情
報5aに注目している場合でも対話相手の画像2から目
を逸らすことがないので、対話相手の表情の変化などに
常に注意を向けることができる。
【0026】人の視角は90度以上あるものの、注視す
る場合には、視角は60度以内である必要がある。さら
にかなり視点位置の情報に集中した場合でも視角30度
以内の情報であれば確実に視認できる。したがって、3
0度以内の視角範囲内に全ての画像情報をおさめること
が最も好ましい。図に示すθaは、この画像情報の注目
点を含む最大角度であり、これを上記の視角内、つまり
30度以内にすることが最も好ましい。
【0027】17インチモニターの場合の縦方向の有効
画面サイズは約22cm程度であり、これを60cm離
れて見た場合の視角は約20度程度となり、好ましいこ
とがわかる。
【0028】また、使用者と対話相手とのリレーション
を高めるためには、両者の視線が一致していることが好
ましい。視線を一致させるためには、図5に示されるよ
うに、モニター10の対話相手の画像2中にCCDカメ
ラ11を落としこみ配置して使用者8を撮像することに
より実現することができる。このCCDカメラ11は、
カメラコントロールユニット12により制御される。こ
のとき、CCDカメラ11の光軸と使用者8の視線とが
なす角度θcを3度以下とすると、CCDカメラ11で
撮像して対話相手に送られた画像、つまり対話相手のモ
ニター上に映し出される使用者の画像、すなわち図5の
対話相手の画像2に相当する画像の使用者の視線と、対
話相手の視線が一致してみえる。対話相手側でも同様の
システムを利用すると、使用者側では対話相手の画像2
中の対話相手の視線と使用者8の視線が一致することと
なる。
【0029】リレーション機能をさらに高めるには、対
話相手の画像と各視覚情報との位置関係は、対話相手と
使用者との間で左右が逆に配置された鏡像関係となって
いることが好ましい。このように配置すれば、互いに対
話相手の画像から所定の視覚情報に視線を移動させた際
においても、あたかも画面をはさんで同じ方向に視線を
動かしているような感じを受けることができ、対話者間
のリレーションが弱められることがなく、効果的であ
る。さらに、図1に示されるように、主要な情報を対話
画面の下部に表示すると、視線の移動方向を同一にした
うえで、両者の画面構成を同一に近く保つことができる
ので、より有効である。
【0030】次に、本システムの動作を図1〜図3を参
照して説明する。対話相手側で撮像された対話相手の画
像データは、伝送手段19を介して送受信制御部26、
主制御部21、情報視覚化処理部30、表示制御部29
を経て図1に示されるように対話相手の画像2としてモ
ニター10の画面1上にウィンドウ表示される。同時に
対話相手の声は、伝送手段19を介して、送受信制御部
26、主制御部21、音声出力制御部24を介してスピ
ーカー15により再生される。一方、使用者の画像は、
CCDカメラ11により撮像され、撮像制御部22で処
理された後に、マイク13により収録され、音声入力制
御部23で処理された使用者の声のデータとともに主制
御部21、送受信制御部26を経て伝送手段19により
対話相手に伝送される。
【0031】スピーカー15では、対話相手の声だけで
なく、使用者の処理に応じた合成音、例えば、入力に伴
う筆記音や、処理を促す電子音、あるいはBGM等を出
力することが好ましい。これにより、対話相手とあたか
も空間を共有しているような一体感を高めることができ
る。
【0032】対話内容に応じて使用者は入力デバイス1
6を使用して各種の情報を入力することができ、この情
報は入力制御部28でコンピューター等が処理しやすい
データに変換処理された後に、情報視覚化処理部30へ
送られ、視覚情報に変換される。このデータは、表示制
御部29へ送られてモニター10に表示されるととも
に、主制御部21を介して、蓄積手段25に蓄積保存さ
れる。各種の情報は、主制御部21を介してプリンタ1
8で印刷することも可能である。
【0033】CCDカメラ11とマイク13をそれぞれ
の駆動機構12、14で駆動することにより視線一致し
た画像と所望の音声を相手側に送ることが可能となる。
この制御は、情報の受信先である相手側からも制御可能
とすることが好ましい。
【0034】図1に示されるように、対話相手と同時に
対話のテーマ(3a、3b、…および4a)、ポイント
(5a)が表示され、かつ、これらの情報は一目で視認
できるように視覚化言語により視覚情報として示されて
いる。このため、対話相手の表情や仕草に注目しつつ、
対話のポイントを整理しながら効率よくカウンセリング
等を進めていくことができる。この対話のポイントは、
キーボードやペン入力等により文字入力したり、画面中
から所定の視覚情報を選択することにより入力する。手
書き入力を行う場合は、入力した文字を画像としてその
まま表示すれば、文字認識の正誤に気をとられることが
なく、カウンセリングに集中することができる。対話の
テーマにあわせて、対話すべき項目や、テーマに関連す
る情報のみを表示することにより話題が不必要に逸れる
ことがなく、カウンセリングの時間も短縮できる。
【0035】これらの動作を図3の機能図に対応させて
説明する。カウンセリングの基本的プロセスは、(1)
問題提起、(2)状況分析、(3)目標設定、(4)情
報入手、(5)対策立案、(6)実行評価、というステ
ップで行われるため、まず、カウンセリング支援機能3
5が画面表示機能33を制御して画面表示の切り換えや
所定の対話のテーマ等の表示を行う。これに基づいて、
カウンセラーは、入力支援機能31あるいは対話機能3
7を活用して、さらに対話のテーマを絞りこんだり、対
話のポイントの入力や選択を行う。こうして入力された
項目はデータベース機能34により関連づけされるとと
もに、情報視覚化機能38により認識容易な視覚情報と
して表される。そして必要な情報が画面表示機能33に
より画面に表示される。また、対話機能37によりカウ
ンセラーやクライアントに必要な入力を促すこともでき
る。一方、通信機能36や拡張機能39を用いて他のネ
ットワークやソフトウェアとの融合を計ることもでき
る。これらの各機能間の橋渡しは統合制御機能31によ
り行われる。
【0036】次に、視覚情報の具体的処理について図6
〜図12を参照して説明する。これらの図では、説明の
ための図を簡単にするため、対話相手の画像2を省略し
て示している。
【0037】図6では、対話のテーマとして「問題」を
挙げており、このテーマを具体的に表示する視覚情報4
aと、「問題」に関連する対話のポイント51a、52
a、53aが表示されている。これらの対話のポイント
を表す画像のそれぞれは、参照番号が附されたタブを有
するカード形式で表示されている。この参照番号によ
り、対話のポイントの認識がより容易になる。これらの
カードは自由に並べかえができ、例えば、カード51a
を51a’の位置に移動させることができる。
【0038】図7は、移動後の各カード51a〜53a
の並べかえ結果を示している。並べかえを行う際の使用
者の負担を軽減するため、並べかえを行った際には、各
カードを自動的に整列させるとともに、附された参照番
号を自動的に所定の順序で振り直すことが好ましい。ま
た、所定の条件により自動的に並べかえを行ってもよ
い。
【0039】対話のテーマにあわせて画面の背景画像や
画面の表示形式等の画面デザインを切り換えれば、テー
マの情報を確認しなくとも現在のテーマを認識できるの
で、より対話者の画像、つまり対話者の動作等に集中で
きるので、有効である。
【0040】図8は、このカード形式の別の表示例を示
している。ここでは、対話のテーマは「問題」のテーマ
で挙げられた各問題に対する「対策」である。問題、対
策のそれぞれのカード5a、52dは問題と対策のそれ
ぞれでグループ化され、グループ内のカードが重ねられ
て表示されている。この時に、参照番号が表示されたタ
ブ部分は、互いにずらされて、それらの参照番号の全て
が一度に表示されていることが好ましい。これにより、
タブ部分を選択することで簡単に所望の参照番号のカー
ドの内容を表示することができる。
【0041】ここでは、それぞれの問題に対して複数の
対策が表示されている。問題と対策の関連の認識を容易
にするためには、表示されている問題カードに対応する
対策のグループだけを表示することが好ましい。そし
て、問題のカードの切り換えに対応して表示する対策の
グループカードを切り換えることで効率のよいカウンセ
リングが行える。
【0042】表示は、カード形式に限られるものではな
く、図9に示されるようにシート形式で表示してもよ
い。シート形式の表示は、表示項目が少ない場合には、
全体像が把握しやすいという利点がある。表示項目にあ
わせて両方の表示を切り換えられればさらに好ましい。
【0043】対話の進展にあわせて、画面のデザインや
特定の視覚情報のデザインを変化させれば、対話を単調
にすることなく、対話者の気分を変化させることがで
き、好ましい。
【0044】また、対話の内容によっては新たなテーマ
を設けることが好ましい場合や、対話のポイントを特定
のグループにまとめることが好ましい場合がある。これ
には視覚情報中の特定の視覚化言語をキーワードとして
抽出処理できれば便利である。図10はこうした抽出処
理の一例を示したものである。図10(a)は、対話の
ポイントとして「組織にうまくなじめない」という問題
を示すカード52aを示している。この中から「組織」
という言葉をキーワード6として選択して抽出する。抽
出処理を行うと、新たにこのキーワード「組織」をテー
マとして設定し、テーマの表示項目3xと、組織に関連
する対話のポイントを表すグループカード4xが新たに
生成される。このグループには、それまでに入力された
対話のポイントや予め蓄積されたデータベースからここ
で抽出したキーワードである「組織」に関連する情報を
自動的に抽出して表示してもよい。
【0045】図11は、予め蓄積されているデータベー
スを活用する例を示している。「情報」の表示項目3f
を選択することで、キーワードを表す視覚情報群がメニ
ュー3fm形式で表示される。この中から所望のキーワ
ードを選択することにより、この所望のキーワードを含
むデータのグループが視覚情報としてカード形式5fc
あるいはシート形式で表示される。
【0046】こうして入力あるいは選択した視覚情報お
よび処理内容は、図2に示される蓄積手段25に記録さ
れる。蓄積された処理内容を読み出し、処理ステップご
とに再生することで、後刻カウンセラーはカウンセリン
グ内容を再度検討することが可能となる。この際にも対
話のポイントが視覚情報としてまとめられているので、
ビデオテープやカセットテープなどの映像・音声記録あ
るいはメモ等の文書により検討する場合に比べて短時間
でかつ、効率よく検討を行うことができる。また、カウ
ンセリングを中断したり、あるカウンセリング結果を基
にしてさらに詳細なカウンセリングを行う際には、前回
のカウンセリング時の視覚情報を再現できるのでリスタ
ートが容易になり、カウンセリングの連続性を高めるこ
とができる。
【0047】また、蓄積された情報を所定の形式にまと
めて図12に示されるような書類形式で印刷することも
できる。こうして作成した資料は、カウンセリング終了
後の検討にあたって有効な資料となる。
【0048】カウンセリング後に蓄積した視覚情報を再
生する場合は、表示をBGMとリンクさせることで、カ
ウンセリングの復習やセルフカウンセリングが効果的に
行える。また、視覚情報を変化させながら表示したり、
繰り返し表示することで、復習時の確認が容易になる。
【0049】さらに、視覚情報を後から追加、更新でき
るようにすることで、カウンセラーがカウンセリング実
施後にカウンセリング内容をまとめられるほか、対話相
手であるクライアント側からも更新可能とすることによ
り、積極的かつ能動的にカウンセリングに関ることがで
き、効果的である。この場合は、クライアント側からの
更新情報を別に蓄積することで、クライアントの心境の
変化などを追跡することが容易になる。
【0050】以上の説明では、同一モニター上に対話相
手の画像と視覚情報を表示する例を説明したが、視覚情
報と対話相手の画像は必ずしも同一モニターに表示する
必要はない。図13は、2つのモニターを利用する別の
システムを示している。ここでは、モニター10aに対
話相手の画像2を表示し、モニター10bに視覚情報
3、4a、5aを表示している。もちろん、同一モニタ
ーに表示する場合と同様に対話相手の画像と視覚情報は
使用者が同時に視認し得る状態で表示する必要がある。
【0051】図14は、同時に視認し得る条件を示して
いる。2つのモニターを使用する場合でも、視覚情報の
解像度を劣化させないためには、あまり小さいモニター
は使用できない。このため、同一のモニターを使用する
場合に比べてモニター同士の視覚範囲は余裕をとる必要
がある。この視覚範囲θbは60度以内とすることが好
ましい。
【0052】以上の説明では、ウインドウ表示により視
覚情報を表示するシステムについて説明してきたが、本
発明に係る双方向通信方法においては、図15に示され
るように、対話相手の画像に視覚情報をスーパーインポ
ーズ形式で重ね合わせ表示を行なう。特に、カウンセラ
ーとクライアントの一体感がまだ形成されていないカウ
ンセリングの初期段階や、クライアントの感情起伏が激
しく表れるような離婚、死別等の相談カウンセリングに
おいては、視覚情報が邪魔にならず、対話相手の表情、
仕草を的確に把握できるので、対話者との一体感を高
め、視覚情報と対話相手の仕草への注目度を高めること
ができ、好ましい。この時の表示は、対話相手の顔を避
けて表示することが好ましい。
【0053】また、カウンセリングの進行段階によっ
て、表示を切り替えてもよい。例えば、初期段階では、
図16(a)に示されるような重ね合わせ表示を用い
て、一体感を高めた受容的カウンセリングを行い、カウ
ンセリングの進展につれて、図16(b)に示す対話者
中心の分離表示や図16(c)に示される視覚情報中心
の分離表示を用いる。視覚情報が主体となるほどより教
育的、開発的、情報提供的なカウンセリングに向いてい
る。クライアントとカウンセラーの間に十分なリレーシ
ョンが確保された段階では、対話者の表示をかなり小さ
くしてもリレーションを損なうことがない。この表示は
操作者の操作により切り替えてもよい。
【0054】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
対話相手の画像と同時に視認可能な位置に容易に認識可
能な視覚情報を重ね合わせて表示することで、対話者間
のリレーションを高めることができる。
【0055】また、所定の操作に応じて所定の音を出力
することで、遠隔地間の対話においても一体感を高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な双方向画像通信システムにおける画像
表示を示す図である。
【図2】図1のシステムの構成を示すブロック図であ
る。
【図3】図1のシステムの機能を示すブロック図であ
る。
【図4】図1の画像表示の位置関係を説明する図であ
る。
【図5】図1の画像表示における対話相手の画像の表示
位置を説明する図である。
【図6】対話ポイントカードの表示例を示す図である。
【図7】図6の対話ポイントカードの移動結果を示す図
である。
【図8】対話ポイントカードの別の表示例を示す図であ
る。
【図9】対話ポイントのシート形式での表示例を示す図
である。
【図10】キーワード抽出処理を説明する図である。
【図11】データベース検索処理を説明する図である。
【図12】印刷処理を説明する図である。
【図13】一般的な画像通信システムの別の形態を説明
する図である。
【図14】図13のシステムのモニターの配置位置を説
明する図である。
【図15】本発明に係る双方向画像通信対話における情
報表示方法の第一の実施形態を示す図である。
【図16】本発明に係る情報表示方法の別の実施形態を
示す図である。
【符号の説明】 1…モニター画面、2…対話相手の画像、3、4、5、
6…視覚情報、10…モニター、11…CCDカメラ。

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対話相手の画像データをリアルタイムに
    表示して双方向通信を行う画像通信システムを利用した
    遠隔カウンセリング方法において、 第1のモニター画面上に前記対話相手の画像を表示する
    とともに、前記第1のモニターと同一あるいは近接して
    いる第2のモニターの画面上の前記対話相手の画像と同
    時に視認し得る位置に所定の各種情報を文字、図形、記
    号等の視覚的に認識容易な視覚化言語によりまとめた視
    覚情報として整理して表示することを特徴とする視覚化
    言語を用いた遠隔カウンセリング方法。
  2. 【請求項2】 前記視覚情報と前記対話相手の画像とは
    前記第1のモニター上に同時表示されており、これらの
    画像は使用者からみて30度以内の視角範囲内に配置さ
    れることを特徴とする請求項1記載の視覚化言語を用い
    た遠隔カウンセリング方法。
  3. 【請求項3】 前記視覚情報を、前記対話相手の画像情
    報上に重ね合わせて表示することを特徴とする請求項2
    記載の視覚化言語を用いた遠隔カウンセリング方法。
  4. 【請求項4】 前記視覚情報の表示を前記対話相手の画
    像情報上への重ね合わせ表示と前記対話相手の画像情報
    とは別の分離表示の相互に切替可能であることを特徴と
    する請求項2記載の視覚化言語を用いた遠隔カウンセリ
    ング方法。
  5. 【請求項5】 前記視覚情報は、前記第2のモニター上
    に表示されており、前記第1のモニターと前記第2のモ
    ニターのそれぞれの画面の中心が、使用者からみて60
    度以内の視角範囲内に配置されていることを特徴とする
    請求項1記載の視覚化言語を用いた遠隔カウンセリング
    方法。
  6. 【請求項6】 前記対話相手と使用者の視線が一致する
    視差角内の位置に前記対話相手の画像を表示することを
    特徴とする請求項1記載の視覚化言語を用いた遠隔カウ
    ンセリング方法。
  7. 【請求項7】 前記視線が一致する視差角内は、3度以
    内であることを特徴とする請求項6記載の視覚化言語を
    用いた遠隔カウンセリング方法。
  8. 【請求項8】 前記視覚情報および前記対話相手の画像
    は、使用者と前記対話相手の側で左右が反転した鏡像位
    置にそれぞれ表示されていることを特徴とする請求項1
    記載の視覚化言語を用いた遠隔カウンセリング方法。
  9. 【請求項9】 前記視覚情報は前記対話相手の画像に対
    して下方に表示されていることを特徴とする請求項8記
    載の視覚化言語を用いた遠隔カウンセリング方法。
  10. 【請求項10】 前記視覚情報には、カウンセリングの
    テーマを含み、該視覚情報の新規作成、表示、除去、修
    正が可能であることを特徴とする請求項1記載の視覚化
    言語を用いた遠隔カウンセリング方法。
  11. 【請求項11】 前記視覚情報には、カウンセリング中
    の対話のポイントを含み、該視覚情報の作成、除去、修
    正および並べかえが可能であって、並べかえ時に画面上
    の各視覚情報表示を自動的に整列配置することを特徴と
    する請求項1記載の視覚化言語を用いた遠隔カウンセリ
    ング方法。
  12. 【請求項12】 前記対話のポイントを表す視覚情報の
    それぞれには参照番号が附されており、前記並べかえ整
    列時に配置位置に合わせて前記参照番号を自動的に付加
    しなおすことを特徴とする請求項1記載の視覚化言語を
    用いた遠隔カウンセリング方法。
  13. 【請求項13】 前記対話のポイントを表す視覚情報の
    それぞれは、前記参照番号がタブ部分に表示されたシー
    トあるいはカード形式で表示することができ、かつ、関
    連する情報が記載された複数のシートあるいはカード
    は、前記参照番号の表示部分が一度に表示されるよう前
    記タブ部分のみをずらしてシートあるいカード部分を互
    いに重ねあわせて表示することができることを特徴とす
    る請求項12記載の視覚化言語を用いた遠隔カウンセリ
    ング方法。
  14. 【請求項14】 前記視覚情報には、対話のテーマを含
    み、その他の視覚情報を該テーマのそれぞれに関連づけ
    てグループ化することにより、選択した対話のテーマに
    合わせてこれらのグループ化された各視覚情報のグルー
    プごとの表示、非表示を切り換えられることを特徴とす
    る請求項1記載の視覚化言語を用いた遠隔カウンセリン
    グ方法。
  15. 【請求項15】 前記視覚情報中の所望の情報を、所望
    の形式に整理して、記録、表示、印刷し得ることを特徴
    とする請求項1記載の視覚化言語を用いた遠隔カウンセ
    リング方法。
  16. 【請求項16】 記録済みの前記視覚情報中の所望の情
    報を表示する際に、所定のBGMにあわせて前記視覚情
    報を表示することを特徴とする請求項15記載の視覚化
    言語を用いた遠隔カウンセリング方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の視覚化言語を用いた
    遠隔カウンセリング方法において、前記視覚情報を前記
    BGMにあわせて変化させて表示させるとこを特徴とす
    る視覚化言語を用いた遠隔カウンセリング方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の視覚化言語を用いた
    遠隔カウンセリング方法において、前記視覚情報の表示
    の変化を繰り返すことを特徴とする視覚化言語を用いた
    遠隔カウンセリング方法。
  19. 【請求項19】 カウンセリング後に記録された視覚情
    報の変更や新たな視覚情報の追加が可能であることを特
    徴とする請求項15記載の視覚化言語を用いた遠隔カウ
    ンセリング方法。
  20. 【請求項20】 前記視覚情報の変更、追加は前記対話
    相手側からも可能であることを特徴とする請求項19記
    載の視覚化言語を用いた遠隔カウンセリング方法。
  21. 【請求項21】 前記対話相手が更新、変更した視覚情
    報を記録済みの視覚情報と別に分類して記録することを
    特徴とする請求項20記載の視覚化言語を用いた遠隔カ
    ウンセリング方法。
  22. 【請求項22】 前記視覚情報の任意の情報を構成する
    視覚化言語の一部をキーワードとして抽出し、このキー
    ワードに関連づけた視覚情報のグループを自動作成する
    ことを特徴とする請求項1記載の視覚化言語を用いた遠
    隔カウンセリング方法。
  23. 【請求項23】 前記視覚情報の処理に応じて所定の音
    を生成して出力することを特徴とする請求項1記載の視
    覚化言語を用いた遠隔カウンセリング方法。
  24. 【請求項24】 表示中の前記カウンセリングのテーマ
    を表す前記視覚情報に応じて、前記視覚情報を表示する
    画面の背景画像や画像表示形式等の画面デザインを自動
    的に変更することを特徴とする請求項11記載の視覚化
    言語を用いた遠隔カウンセリング方法。
  25. 【請求項25】 前記視覚情報のうち所定の視覚情報中
    の特定の視覚化言語の色、形状、背景色等のデザインが
    時間的に変化することを特徴とする請求項1記載の視覚
    化言語を用いた遠隔カウンセリング方法。
  26. 【請求項26】 前記視覚情報を表示する画面の背景画
    像や画像表示形式等の画面デザインが時間的に変化する
    ことを特徴とする請求項1記載の視覚化言語を用いた遠
    隔カウンセリング方法。
  27. 【請求項27】 前記視覚情報は、予め蓄積された所定
    のデータベース中から取り出した情報を含むことを特徴
    とする請求項1記載の視覚化言語を用いた遠隔カウンセ
    リング方法。
  28. 【請求項28】 前記データベースから取り出した情報
    を、情報項目毎に整理して表示することを特徴とする請
    求項27記載の視覚化言語を用いた遠隔カウンセリング
    方法。
  29. 【請求項29】 前記視覚情報に対する各種の処理操作
    の一部あるいは全部の処理を処理工程ごとに蓄積記録す
    ることを特徴とする請求項1記載の視覚化言語を用いた
    遠隔カウンセリング方法。
  30. 【請求項30】 前記蓄積記録した処理の内容のうち任
    意の処理工程の処理内容を読み出し、再現可能であるこ
    とを特徴とする請求項29記載の視覚化言語を用いた遠
    隔カウンセリング方法。
  31. 【請求項31】 前記蓄積記録した処理内容を任意の処
    理工程まで自動的に再現することにより、該任意の処理
    状態からリスタートし得ることを特徴とする請求項29
    記載の視覚化言語を用いた遠隔カウンセリング方法。
JP10065604A 1998-03-16 1998-03-16 双方向画像通信対話における情報表示方法 Pending JPH11266445A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011055137A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Nec Corp アイスブレイク話題提供システム、方法及びプログラム

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