JPH11265526A - 円盤状記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

円盤状記録媒体及びその製造方法

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JPH11265526A
JPH11265526A JP10066731A JP6673198A JPH11265526A JP H11265526 A JPH11265526 A JP H11265526A JP 10066731 A JP10066731 A JP 10066731A JP 6673198 A JP6673198 A JP 6673198A JP H11265526 A JPH11265526 A JP H11265526A
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JP
Japan
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disk
center
center hole
punch
magneto
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JP10066731A
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English (en)
Inventor
Manabu Iwai
学 岩井
Fuji Tanaka
富士 田中
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 センタ穴が少なくとも位置決め手段が相対係
合する部位の範囲で高精度に形成される。 【解決手段】 マグネットチャッキングされるとともに
センタ穴4に相対係合する位置決め手段15により位置
決めされてディスク駆動機構10によって回転駆動され
る。センタ穴4は、ディスク駆動機構10とのチャッキ
ング基準面5bから厚み寸法に対して1/3以上1/2
以下の突出量を以って予めキャビティ25内に突出され
たセンタパンチ28によって打抜き形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク、光磁
気ディスク或いは磁気ディスク等の円盤状記録媒体及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば光ディスクは、予め記録された情
報信号等の再生専用に用いられ、ディスク基板の表面に
情報信号等に対応する凹凸パターンからなるピットが形
成されるとともに光反射層が形成されてなる。また、光
磁気ディスクは、情報信号等の再生とともに記録も可能
とし、ディスク基板の表面に所望の情報信号等が記録さ
れる記録トラックを構成するプリグルーブが形成される
とともに磁性膜層からなる信号記録層と光反射層が形成
されてなる。
【0003】これら光ディスクや光磁気ディスクは、光
透過性を有する合成樹脂材料、例えばポリカーボネート
樹脂を材料として成形金型によってディスク基板が成形
される。成形金型には、キャビティ内に上述したピット
やプリグルーブをディスク基板に転写形成するスタンパ
が組み込まれるとともに、キャビティ内に突出するセン
タパンチによってディスク基板の中心部にセンタ穴を形
成する。
【0004】光ディスクは、再生装置に装填されると、
その中心部がディスク回転駆動機構にチャッキングされ
て回転駆動されるとともに光ピックアップによって記録
された情報信号等が再生される。また、光磁気ディスク
は、記録及び/又は再生(以下、単に記録/再生と称す
る)装置に装填されると、同様にその中心部がディスク
回転駆動機構にチャッキングされて回転駆動されるとと
もに光ピックアップによって記録された情報信号等が再
生され、さらに光ピックアップと磁気ヘッド機構とによ
って情報信号等が記録される。
【0005】例えば光磁気ディスク100は、図10に
示すように中心部にセンタ穴101を有する凹陥部10
2が形成されており、この凹陥部102に金属プレート
等の磁性材からなるクランピングプレート103が取り
付けられてなる。光磁気ディスク100は、記録/再生
装置に装填されると、凹陥部102の底面102aがデ
ィスク回転駆動機構104のディスクテーブル105上
にマグネットクランプされる。ディスクテーブル105
は、スピンドルモータ106の回転軸107に取り付け
られて回転駆動される。
【0006】ディスクテーブル105には、ディスク装
着面105aにマグネット108が取り付けられるとと
もに、図10及び図11に示すように、凸部109に3
個の位置決め用ボール110が組み付けられている。凸
部109は、光磁気ディスク100のセンタ穴101の
内径よりもやや小径とされている。位置決め用ボール1
10は、円周方向に対して等間隔に配置されるととも
に、それぞれがその周面の一部を凸部109の外周部か
ら露呈されてこの凸部109に組み付けられている。ま
た、位置決め用ボール110は、その内の2個が図示し
ないスプリングによってそれぞれ外方へ向かって突出習
性が付与されている。
【0007】光磁気ディスク100は、マグネット10
8によってクランピングプレート103が吸着されて凹
陥部102の底面102aを装着基準面としてディスク
テーブル105上にマグネットクランプされる。光磁気
ディスク100は、この状態でセンタ穴101にディス
クテーブル105の凸部109が進入し、図11に示す
ように各位置決め用ボール110がセンタ穴101の内
周壁に圧接することによって回転中心が位置決めされ
る。
【0008】上述したように光磁気ディスク100は、
ディスク回転駆動機構104のディスクテーブル105
上にマグネットクランプされるが、回転中心の位置決め
がセンタ穴101の内周壁に位置決め用ボール110が
圧接することによって行われる。したがって、光磁気デ
ィスク100においては、センタ穴101の穴精度、す
なわち内周壁の面精度(凹凸の許容度)によって回転中
心の位置決め精度が決定されることになる。光磁気ディ
スク100は、センタ穴101の穴精度が悪く図11に
示すようにその内周壁に生じた大きな凹部101aに位
置決め用ボール110が係合された場合に、ディスク基
板自体の偏芯とによって回転中心が偏芯した状態で回転
駆動される。光磁気ディスク100は、この状態で情報
信号等の記録再生が行われた場合に、これら偏芯成分に
起因してトラッキングエラーが発生する。
【0009】従来の光磁気ディスク100においては、
センタ穴101の内周壁面精度の仕様が70μmppに
設定されていた。したがって、光磁気ディスク100に
おいては、上述したようにセンタ穴101をディスク基
板の成形時に成形金型中でセンタパンチによって打抜き
形成してもこの仕様に充分適合することが可能であっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光磁気ディ
スク100においては、例えばトラックピッチが従来仕
様に対して0.6倍と狭トラック化することによって情
報信号等の高密度記録化が図られている。この高密度記
録化光磁気ディスク100は、回転中心がより高精度に
位置決めされた状態で回転駆動される必要があり、セン
タ穴101の内周壁の面精度仕様も従来仕様(低密度記
録化光磁気ディスク100の仕様)70μmppに対し
て、例えば40μmpp程度と厳しく設定されるように
なる。
【0011】高密度記録化光磁気ディスク100は、高
寸法精度を以って成形されたディスク基板に対して、高
精度のセンタパンチによってセンタ穴を打抜き形成する
とともにこのセンタパンチの磨耗度等も厳しく管理しな
ければならない。高密度記録化光磁気ディスク100
は、スタンパやセンタパンチを含む成形金型を高精度に
成形するとともにセンタパンチの管理、再研磨等の工程
も必要となってコストが増大しかつ生産性が悪いといっ
た問題を生じさせる。
【0012】ところで、光磁気ディスク100において
は、センタ穴101に対してディスクテーブル105の
位置決め用ボール110が軸方向に一定の深さ位置で相
対係合される。すなわち、ディスクテーブル105は、
位置決め用ボール110が光磁気ディスク100のセン
タ穴101に対して装着基準面102aから例えば最大
0.6mm以上の位置に圧接しないように構成されてい
る。したがって、光磁気ディスク100は、センタ穴1
01の内周壁の面精度が、詳細にはディスクテーブル1
05上にマグネットチャックされる際の基準面となる凹
陥部102の底面102aから0.6mmの深さ位置ま
でが上述した仕様に適合されていればよい。
【0013】図12及び図13は、キャビティ内にセン
タパンチがその先端をほぼ0.1mm突出させて組み付
けられ、この状態で材料樹脂を射出してディスク基板を
成形した後に、センタパンチを駆動して打抜き形成した
センタ穴101の内周壁の精度(凹凸の状態)をレーザ
測定機によって測定した結果を示した図である。図12
は、凹陥部102の底面102a側の開口部位における
センタ穴101の内周壁面の凹凸の測定結果である。図
13は、凹陥部102の底面102aから0.6mm位
置におけるセンタ穴101の内周壁の凹凸の測定結果で
ある。
【0014】ディスク基板は、図12から明らかなよう
に、センタパンチの外周部によって直接成形されまた内
部応力も小さくセンタパンチによって鋭利に切断される
ことによりせん断面が生成される打抜き動作の初期部位
である開口部位の近傍については極めて高精度に製作さ
れる。一方、ディスク基板は、センタパンチによる打抜
き動作が進行するにしたがって内部応力も次第に大きく
なって破断面が生成される凹陥部102の底面102a
から0.6mm以上の部位では、センタ穴101の内周
壁の面精度が劣化することになる。したがって、ディス
ク基板は、図13から明らかなように、部位a、部位b
或いは部位cのように40μmpp以上の凹凸が生じ
る。かかるディスク基板は、上述した高密度記録化光磁
気ディスク100の要求仕様とほぼ同等の値となること
から、品質を保持するためには成形されたディスク基板
について全数検査の工程が必要となって生産性を低下さ
せるとともに、成形条件の変化によっては規定寸法外の
ものが成形されて歩留りを悪くするといった問題を生じ
させる虞がある。
【0015】なお、上述した数値は、ある光磁気ディス
クの仕様寸法であり、ディスク基板の外径寸法や厚み寸
法を異にする場合にはそれぞれ適宜の数値に設定される
ことは勿論である。
【0016】したがって、本発明は、センタ穴が少なく
とも回転中心の位置決め手段が相対係合する部位の範囲
で高精度に形成されてなる円盤状記録媒体及びその製造
方法を提供することを目的に提案されたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明にかかる円盤状記録媒体は、合成樹脂を素材として成
形金型によってディスク基板が成形されるとともに、記
録/再生装置に装填されるとマグネットチャッキング手
段によりチャッキングされかつ位置決め手段が係合する
センタ穴で回転中心が位置決めされた状態でディスク駆
動機構によって回転駆動されて情報信号等の記録/再生
が行われる。円盤状記録媒体は、センタ穴が、ディスク
駆動機構との装着基準面から、その形成部位の厚み寸法
に対して1/3以上1/2以下の突出量を以って予めキ
ャビティ内に突出されたセンタパンチによってディスク
基板に打抜き形成されてなる。
【0018】以上のように構成された本発明にかかる円
盤状記録媒体によれば、センタ穴の少なくとも記録及び
/又は再生装置の位置決め手段が係合する部位が、セン
タパンチの外周部によって直接形成されまた応力発生も
小さくセンタパンチにより鋭利に切断される打抜き動作
の初期部位によって形成されるために真円に近似する高
精度に形成される。したがって、円盤状記録媒体は、緩
やかな寸法公差でありかつ厳しい磨耗管理を不要とする
センタパンチを用いることが可能とされるとともにこの
センタパンチによる打抜き工程の条件も緩和されてセン
タ穴の形成が可能となる。また、円盤状記録媒体は、記
録及び/又は再生装置に高精度に位置決めされて装着さ
れることからトラッキング制御条件が緩和され、高密度
仕様或いは厳しい使用条件のもとでも情報信号等の正確
な記録/再生が行われる。
【0019】また、上述した目的を達成する本発明にか
かる円盤状記録媒体の製造方法は、センタパンチがセン
タ穴の形成部位の厚み寸法に対して1/3以上1/2以
下の突出量を以って予めキャビティ内に突出されてお
り、この状態でディスク基板が成形された後にセンタパ
ンチが動作されてディスク基板にセンタ穴が打抜き形成
される。
【0020】上述した本発明にかかる円盤状記録媒体の
製造方法によれば、センタ穴の少なくとも記録/再生装
置の位置決め手段が係合する部位が、センタパンチの外
周部位によって直接形成されまた応力発生も小さくセン
タパンチによって鋭利に切断される打抜き動作の初期部
位によって形成されるために真円に近似する高精度に形
成されるようになる。したがって、本発明にかかる円盤
状記録媒体の製造方法は、緩やかな寸法公差でありかつ
厳しい磨耗管理を不要とするセンタパンチを用いてセン
タ穴を形成することを可能とするとともに、このセンタ
パンチによる打抜き工程の条件を緩和することを可能と
する。また、本発明にかかる円盤状記録媒体の製造方法
は、円盤状記録媒体が記録/再生装置に高精度に位置決
めされて装着されることから、トラッキング制御条件が
緩和され、高密度仕様或いは厳しい使用条件のもとでも
情報信号等の正確な記録/再生が行われるようにする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として図
1及び図2に示した円盤状記録媒体は、高密度に記録さ
れた情報信号等が再生されるとともに情報信号等を高密
度に記録可能とする高密度記録仕様の光磁気ディスク1
である。光磁気ディスク1は、ディスク基板2とクラン
ピングプレート3とから構成され、例えば薄箱状の図示
しないカートリッジ内に回転自在に収納される。ディス
ク基板2は、光透過性を有する合成樹脂材料、例えばポ
リカーボネート樹脂を材料として後述する成形金型20
によって成形される。ディスク基板2は、詳細を省略す
るが所望の情報信号等が記録される記録トラックを構成
するプリグルーブが狭トラックピッチで同心円に形成さ
れるとともに、磁性膜層からなる信号記録層及び光反射
層が形成されてなる。
【0022】ディスク基板2は、例えば厚み寸法が0.
8mmとされ、その中心部にセンタ穴4が形成された凹
陥部5が一方の主面側に膨出されて一体に形成されてい
る。ディスク基板2には、凹陥部5の内部空間5aに金
属プレート等の磁性材からなるクランピングプレート3
が収納される。ディスク基板2は、凹陥部5の底面5b
が、後述するように光磁気ディスク1が記録/再生装置
に装着される際に、装着基準面を構成する。凹陥部5
は、記録トラックが形成されない内周部位に形成されて
いる。
【0023】センタ穴4は、後述するように成形金型2
0によってディスク基板2が成形される際にこの成形金
型20中で同時に形成される。センタ穴4は、その内周
壁が、装着基準面5bから少なくとも深さ寸法が0.6
mmの部位までを凹凸が10μmpp程度、最大でも2
5μmpp以下と高面精度を以って形成されている。
【0024】クランピングプレート3は、その外径が凹
陥部5の内部空間5aの内径よりもやや小径とされ、外
周部にフランジ状脚部3aが周回りに全周に亘って一体
に折曲形成されてなる。ディスク基板2には、内部空間
5aにクランピングプレート3を収納した状態で凹陥部
5の開口縁に超音波を印加するスエージング処理が施さ
れることによって、図1に示すように中心方向に突出す
る複数個のストッパ凸部6が溶融形成される。ディスク
基板2は、これらストッパ凸部6によってフランジ状脚
部3aを係止することにより、クランピングプレート3
を凹陥部5から脱落しないようにして組み合わせて光磁
気ディスク1を構成する。かかる光磁気ディスク1は、
その基本的構成を従来の光磁気ディスク100と同様と
されている。
【0025】光磁気ディスク1は、記録/再生装置に装
填されると、図1に示すようにディスク回転駆動機構の
ディスクテーブル10上にチャッキングされるとともに
センタ穴4を回転中心として回転駆動される。ディスク
テーブル10は、光磁気ディスク1の凹陥部5の外径よ
りもやや大径とされ、詳細を省略するがステッピングモ
ータの回転軸に取り付けられて回転駆動される。ディス
クテーブル10には、その主面10aの中央部に係合凸
部11が突設されるとともにこの係合凸部11を囲んで
環状のマグネット12が設けられている。マグネット1
2は、後述するようにクランピングプレート3を吸着し
て光磁気ディスク1をマグネットチャッキングする。
【0026】係合凸部11は、その外径が光磁気ディス
ク1のセンタ穴4の内径よりもやや小径とされるととも
に、凹陥部5の厚みよりもやや低い高さ寸法とされてい
る。この係合凸部11には、その外周部に、円周方向に
対して等間隔に位置されて略半球状を呈するボール装着
凹部13(13a乃至13c)が形成されている。ま
た、係合凸部11には、第1のボール装着凹部13aと
第2のボール装着凹部13bの底部に開口するスプリン
グ組込み溝14(14a、14b)がそれぞれ連設され
ている。
【0027】係合凸部11には、3個の位置決めボール
15(15a乃至15c)と、2個のコイルスプリング
16(16a、16b)とが組み付けられている。各位
置決めボール15は、各ボール装着凹部13内に、それ
ぞれ周面の一部を外方へと露呈させるとともに抜け止め
された状態で組み付けられている。コイルスプリング1
6は、図2に示すように、スプリング組込み溝14内に
それぞれ圧縮状態で組み付けられている。コイルスプリ
ング16は、第1のボール装着凹部13aと第2のボー
ル装着凹部13bとに組み付けた第1の位置決めボール
15aと第2の位置決めボール15bとを係合凸部11
から突出する方向に付勢する。したがって、各位置決め
ボール15は、第1の位置決めボール15aと第2の位
置決めボール15bとが直径方向に移動自在とされると
ともに、第3の位置決めボール15cが直径方向に対し
て固定された状態で係合凸部11に組み付けられる。
【0028】光磁気ディスク1は、記録/再生装置に装
填されるとクランピングプレート3がマグネット12に
よって吸着されることによりディスクテーブル10の主
面10a上にマグネットクランプされる。光磁気ディス
ク1は、センタ穴4に係合凸部11が相対係合するとと
もに、各位置決めボール15がこのセンタ穴4の内周壁
に圧接することによって回転中心を位置決めされてディ
スクテーブル10上に装着される。光磁気ディスク1
は、この状態でディスク回転駆動機構が駆動されると、
ディスクテーブル10と一体に回転駆動される。
【0029】光磁気ディスク1は、図示しない光ピック
アップによって記録トラックに記録された情報信号等が
再生される。また、光磁気ディスク1は、光ピックアッ
プから出射されたレーザ光が記録トラックを照射した状
態で、磁気ヘッドによって記録すべき情報信号等に応じ
て磁界変調された外部磁界が印加されることにより情報
信号等の記録が行われる。かかる情報信号等の記録/再
生動作は、従来の装置と全く同様である。したがって、
光磁気ディスク1は、記録/再生装置に新規な構成を必
要としない。
【0030】光磁気ディスク1は、上述したようにセン
タ穴4が装着基準面5bから少なくとも0.6mmまで
の部位の内周壁が凹凸を10μmpp程度と高面精度を
以って形成されている。一方、ディスクテーブル10
は、この光磁気ディスク1のセンタ穴4に対して位置決
め用ボール15が軸方向に上限0.6mm以上の位置に
圧接しないように構成されている。したがって、光磁気
ディスク1は、位置決め用ボール15がセンタ穴4の内
周壁面に生じた大きな凹部に係合することによって回転
中心が大きく偏芯することも無く、ディスクテーブル1
0上に正確に位置決めされてマグネットチャックされ
る。
【0031】光磁気ディスク1は、これによりブレの無
い状態でディスクテーブル5を介して回転駆動されるこ
とから、高精度のトラッキング制御を行うことなく狭ト
ラックピッチで形成された記録トラックに記録された情
報信号等の正確な再生或いは情報信号等の記録が行われ
る。また、光磁気ディスク1は、振動等が加えられた場
合にも情報信号等の正確な再生或いは情報信号等の記録
が行われる。
【0032】上述した光磁気ディスク1は、図3及び図
4に示した成形金型20によってディスク基板2が成形
される。成形金型20も、基本的な構成を従来の成形金
型と同様としており、図3に示すように固定金型21
と、この固定金型21に相対向して配置されるとともに
接離動作される可動金型22とから構成されている。成
形金型20は、固定金型21が取付けボルト等を介して
固定金型ブロック23に取り付けられるとともに可動金
型22が取付けボルト等を介して可動金型ブロック24
に取り付けられることによって、射出成形機の金型取付
部に取り付けられる。成形金型20は、固定金型21と
可動金型22との相対する主面にそれぞれキャビティ構
成部が形成されている。成形金型20は、後述するよう
に固定金型21に対して可動金型22が移動動作されて
接合した状態(型締めした状態)においてディスク基板
2の成形空間部であるキャビティ25が構成される。
【0033】固定金型21には、キャビティ25の中心
に位置してスプルブッシュ26が組み付けられている。
スプルブッシュ26には、後述する可動金型22側のセ
ンタパンチ28によって打ち抜き除去されるディスク基
板2のセンタ穴4に対応する部位に開口するノズル27
が設けられている。ノズル27は、射出成形機側から射
出供給される溶融された合成樹脂材料、例えば透明なポ
リカーボネート樹脂をキャビティ25内に射出する。
【0034】可動金型22には、そのキャビティ構成面
に、キャビティ25内に成形されるディスク基板2の主
面に記録トラックを転写形成するスタンパ29が組み付
けられている。可動金型22には、センタパンチ28と
複数個のイジェクトピン30とが設けられている。セン
タパンチ28は、固定金型21側のノズル27に対向し
て位置されるとともに、図3に示すようにその先端部2
8aがキャビティ25内に突出量xを以って突出された
状態で可動金型22に組み合わされている。センタパン
チ28は、ディスク基板2が成形された後、キャビティ
25内に突出動作されてこのディスク基板2にセンタ穴
4を打抜き形成する。
【0035】イジェクトピン30は、ディスク基板2の
凹陥部5に対応位置するセンタパンチ28の外周部に配
置されて可動金型22に組み合わされている。イジェク
トピン30は、ディスク基板2が成形されて固定金型2
1に対して可動金型22が型開き動作した状態におい
て、キャビティ25内に突出動作されてディスク基板2
をイジェクトする。
【0036】図4は、上述した成形金型20によるディ
スク基板2の成形動作を説明する図である。成形金型2
0は、同図(A)に示すように固定金型21に対して可
動金型22が接合された型締め状態において、ノズル2
7からキャビティ25内に溶融状態のポリカーボネート
樹脂が射出される。成形金型20は、射出されたポリカ
ーボネート樹脂がやや硬化する所定の時間まで固定金型
21と可動金型22との型締め状態が所定時間保持され
る。成形金型20は、可動金型22が固定金型21側に
移動して圧縮成形動作が行われて成形されるディスク基
板2に生じた成形歪みを除去するようにする。
【0037】成形金型20は、射出されたポリカーボネ
ート樹脂が完全に硬化する前にセンタパンチ28が動作
され、図4(B)に示すようにキャビティ25内に突出
して成形されたディスク基板2の中心部にセンタ穴4を
打抜き形成する。成形金型20は、ポリカーボネート樹
脂が完全に硬化するまで固定金型21と可動金型22と
の型締め状態が保持される。
【0038】成形金型20は、所定の硬化時間が経過す
ると、図4(C)に示すように固定金型21に対して可
動金型22が離間して型開き動作が行われる。成形金型
20は、可動金型22側にディスク基板2が添着した状
態で型開き動作が行われ、イジェクトピン30の突出動
作によってこのディスク基板2が可動金型22から突き
落とされるイジェクト動作が行われる。また、成形金型
20は、このディスク基板2のイジェクト動作とともに
ノズル27に残ったランナ部8が適宜の構造によってカ
ットされる。以上のようにして成形金型20によって成
形されたディスク基板2は、凹陥部5へのクランピング
プレート3の取付工程等の工程を経て光磁気ディスク1
として製造される。
【0039】ところで、成形金型20においては、上述
したようにセンタパンチ28の先端部28aが予めキャ
ビティ25内に突出されて構成されている。センタパン
チ28は、詳細には図5に示すように装着基準面5bか
らの高さ寸法xが0.3mmとなるように設定されてい
る。したがって、センタ穴4は、その内周壁面が全体の
深さ寸法t=0.8mmに対して、装着基準面5bから
0.3mmまでの部位4a(深さ寸法h=0.3mm)
がセンタパンチ28によって直接成形される。
【0040】センタ穴4は、残りの部位がセンタパンチ
28によって打抜き形成される。この場合、センタ穴4
は、内周壁面が成形面4aと、せん断面4b及び破断面
4cによって構成されることになる。センタ穴4は、鋭
利な切断面として構成されるせん断面4bが、図5に示
したように装着基準面5bから少なくとも0.6mmま
での部位に生成される。
【0041】上述したようにセンタパンチ28を装着基
準面5bから0.3mmに設定して形成したディスク基
板2について、図6に示したように回転中心lを基準と
してセンタ穴4の装着基準面5b側の開口部位の凹凸度
k1と、装着基準面5bから0.6mm位置の凹凸度k
2とをレーザ測定機によってそれぞれ測定した。図7
は、センタ穴4の装着基準面5b側の開口部位の凹凸度
k1の測定結果を示した図である。また、図8は、セン
タ穴4の装着基準面5bから0.6mm位置の凹凸度k
2の測定結果を示した図である。
【0042】センタ穴4は、装着基準面5b側の開口部
位がセンタパンチ28の外周面によって直接成形される
ことから、図7から明らかなように凹凸度k1が極めて
小さな真円に近似した高面精度を以って形成される。一
方、センタ穴4は、装着基準面5bから0.6mm位置
においてはセンタパンチ28によって打抜き形成される
ために、図8から明らかなように開口部位と比較して凹
凸度k2がやや大きな値となっている。しかしながら、
この部位は、上述したようにせん断面4bであることか
ら凹凸度k2が最大値でも10μmpp程度で形成さ
れ、従来の光磁気ディスク100と比較して極めて小さ
な値となっている。
【0043】図9は、キャビティ25内に突出されるセ
ンタパンチ28の設定位置と、打抜き形成されるセンタ
穴4の内周壁面の凹凸度の関係を示した図である。光磁
気ディスク1においては、センタ穴4の内周壁面に生じ
る凹凸の許容度が、マージンを考慮したうえで要求仕様
(40μmpp)に適合するためには25μmpp以下
である必要がある。ディスク基板2は、厚み寸法が0.
8mmであるが、上述したようにセンタ穴4に対してデ
ィスクテーブル10の位置決めボール15が装着基準面
5bから0.6mmの高さ位置を上限として相対係合す
る。
【0044】したがって、センタパンチ28は、装着基
準面5bから0.6mmの高さ位置を上限としてキャビ
ティ25内に突出するようにして設定位置されるが、少
なくとも0.2mm以上であれば光磁気ディスク1の要
求仕様に適合したセンタ穴4を形成することが可能とな
る。実施の形態においては、センタパンチ28は、装着
基準面5bから0.3mmの位置に突出するように設定
されていることから、要求仕様に適合したセンタ穴4を
形成することは明らかである。換言すれば、センタパン
チ28は、0.8mmの厚み寸法を有するディスク基板
2を成形するキャビティ25に対して、マージンを考慮
して厚み寸法の1/3以上1/2以下の突出量を以って
予め突出される。
【0045】成形金型20は、センタパンチ28を上述
した構成によって組み付けることから、このセンタパン
チ28やセンタ穴4の形成部位の寸法精度が大幅に緩和
されるとともに、センタパンチ28によるセンタ穴4の
打抜き形成も比較的緩やかな条件によって行うことを可
能とする。さらに、成形金型20は、センタパンチ28
の磨耗管理も緩和されてディスク基板2の生産性を向上
させるとともに、歩留りの良い高精度のディスク基板2
を成形する。
【0046】なお、上述した実施の形態においては、厚
み寸法が0.8mmであり、ディスクテーブル10上に
マグネットチャッキングされるとともに位置決めボール
15によって回転中心の位置決めが行われる光磁気ディ
スク1を示したが、本発明はかかる光磁気ディスク1に
限定されるものでは無い。本発明は、ディスクテーブル
上にマグネットチャッキングされるとともに位置決めボ
ールによって回転中心の位置決めが行われるその他の円
盤状記録媒体、例えば磁気ディスク等にも適用される。
【0047】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる円盤状記録媒体によれば、位置決め手段が相対係合
することによって回転中心を位置決めするセンタ穴が生
産工程や成形金型の大幅な変更を不要として極めて高精
度に形成されることから、偏芯が抑制された状態で回転
駆動されるようになる。したがって、円盤状記録媒体
は、記録トラックが狭ピッチ化されて情報信号等の高密
度記録化が図られた場合においても、精密なトラッキン
グ制御を不要としかつ振動等が加えられても情報信号等
が正確に記録或いは再生される。
【0048】また、本発明にかかる円盤状記録媒体の製
造方法によれば、位置決め手段が相対係合することによ
って回転中心を位置決めするセンタ穴が高精度に形成さ
れたディスク基板が生産工程や成形金型の大幅な変更を
不要として歩留りがよくかつ効率的に製造される。ま
た、円盤状記録媒体の製造方法は、製造されたディスク
基板の全数検査工程を不要とするとともにセンタ穴を打
抜き形成するセンタパンチの磨耗管理工程或いはその寸
法精度等を緩和することにより、記録トラックが狭ピッ
チ化されて情報信号等の高密度記録化が図られた円盤状
記録媒体を低コストによって製造する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示す光磁気ディスク
をディスクテーブル上にチャッキングした状態を示す要
部縦断面図である。
【図2】同光磁気ディスクのチャッキング状態の詳細を
示す説明図である。
【図3】同光磁気ディスクのディスク基板を成形する成
形金型の要部縦断面図である。
【図4】同ディスク基板の成形工程の説明図である。
【図5】同ディスク基板のセンタ穴の構成を説明する要
部縦断面図である。
【図6】同ディスク基板のセンタ穴精度の測定説明図で
ある。
【図7】同ディスク基板のセンタ穴について、開口部位
の穴精度を測定した結果を示す図である。
【図8】同ディスク基板のセンタ穴について、開口部か
ら0.6mm位置の穴精度を測定した結果を示す図であ
る。
【図9】同ディスク基板を成形する際のセンタパンチの
設定位置とセンタ穴の穴精度との関係図である。
【図10】ディスク駆動装置の概略構成図である。
【図11】従来の光磁気ディスクのチャッキング状態の
詳細を示す説明図である。
【図12】従来のディスク基板のセンタ穴について、開
口部位の穴精度を測定した結果を示す図である。
【図13】従来のディスク基板のセンタ穴について、開
口部から0.6mm位置の穴精度を測定した結果を示す
図である。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク(円盤状記録媒体)、2 ディスク
基板、3 クランピングプレート、4 センタ穴、5
凹陥部、5b 底面(装着基準面)、10 ディスクテ
ーブル、11 係合凸部、12 マグネット、15 位
置決めボール(位置決め手段)、20 ディスク基板成
型用金型、21 固定金型、22 可動金型、25 キ
ャビティ、27 ノズル、28 センタパンチ、29
スタンパ、30 イジェクトピン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂を素材として成形金型によって
    ディスク基板が成形されるとともに、記録及び/又は再
    生装置に装填されるとマグネットチャッキング手段によ
    りチャッキングされかつ位置決め手段が係合するセンタ
    穴で回転中心が位置決めされてディスク駆動機構によっ
    て回転駆動されて情報信号等の記録及び/又は再生が行
    われる円盤状記録媒体において、 上記センタ穴は、上記ディスク駆動機構とのチャッキン
    グ基準面からその形成部位の厚み寸法に対して1/3以
    上1/2以下の突出量を以って予めキャビティ内に突出
    されたセンタパンチによって、上記ディスク基板に打抜
    き形成されてなることを特徴とする円盤状記録媒体。
  2. 【請求項2】 合成樹脂を素材として成形金型によって
    ディスク基板が成形されるとともに、記録及び/又は再
    生装置に装填されるとマグネットチャッキング手段によ
    りチャッキングされかつ位置決め手段が係合するセンタ
    穴で回転中心が位置決めされてディスク駆動機構によっ
    て回転駆動されて情報信号等の記録及び/又は再生が行
    われる円盤状記録媒体の製造方法において、 上記ディスク基板は、センタパンチが、センタ穴形成部
    位の厚み寸法に対して1/3以上1/2以下の突出量を
    以って予めキャビティ内に突出された状態で成形された
    後、 上記センタパンチが動作されて上記センタ穴が打抜き形
    成されることを特徴とする円盤状記録媒体の製造方法。
JP10066731A 1998-03-17 1998-03-17 円盤状記録媒体及びその製造方法 Withdrawn JPH11265526A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005095082A1 (ja) * 2004-03-31 2008-02-21 住友重機械工業株式会社 ディスク成形用金型、鏡面板及び成形品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005095082A1 (ja) * 2004-03-31 2008-02-21 住友重機械工業株式会社 ディスク成形用金型、鏡面板及び成形品
JP4768607B2 (ja) * 2004-03-31 2011-09-07 住友重機械工業株式会社 ディスク成形用金型、鏡面板及び成形品

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