JPH11262354A - 防風防虫ネット - Google Patents

防風防虫ネット

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JPH11262354A
JPH11262354A JP8500198A JP8500198A JPH11262354A JP H11262354 A JPH11262354 A JP H11262354A JP 8500198 A JP8500198 A JP 8500198A JP 8500198 A JP8500198 A JP 8500198A JP H11262354 A JPH11262354 A JP H11262354A
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JP
Japan
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net
thermoplastic resin
wire
windproof
coating layer
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JP8500198A
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Inventor
Koichi Saito
晃一 斉藤
Takashi Niifuku
隆志 新福
Minoru Toyama
稔 登山
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圃場等で用いられ、取付け作業が大幅に改善
された防風用または防虫用のネットを提供する。 【解決手段】 ガラス繊維等の強化用連続繊維束に熱可
塑性樹脂を含浸させた芯材の表面に熱可塑性樹脂被覆層
を形成してなる単一方向強化熱可塑性樹脂線材2と、目
合い1〜20mmの合成繊維製ネット4とを接合一体化
して防風防虫ネット100を得る。接合は熱融着による
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に農作物を風、
虫、鳥等の害から守る目的で使用される、防風防虫ネッ
トに関する。更に詳述すれば、単一方向強化熱可塑性樹
脂線材と、目合い1〜20mmのネットとが接合一体化
されたネットで、その使用に際し取付け作業が著しく改
善された防風防虫のネットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圃場等の農作物を風害から守るた
め、防風ネットを用いている。この防風ネットは、圃場
等において風を遮りたい場所に数mおきに立てた支柱間
に針金等の線材を張り、更に目合い1〜20mmのネッ
トをこの支柱とワイヤーとに固定したものである。この
従来の防風ネットを設置するに際しては、支柱、及びワ
イヤーとネットとの固定は、何箇所も行う必要があり、
このため取付け作業が非常に煩雑であるという問題があ
る。
【0003】また、農作物を鳥、虫等の害から守ること
を目的の一つとして、トンネル栽培等が行われている
が、この場合トンネルの両端を閉塞するため、防虫ネッ
トを用いている。
【0004】このような目的で使用する防虫ネットの場
合も、目合い1〜20mmのネットをトンネル開口部等
の枠に固定して用いているが、この場合もネットが風で
はずれたりしないように固定を何箇所も行わなければな
らず、取付け作業が煩雑であるという問題がある。ま
た、農作物の手入れ作業等のため、一旦取付けたネット
を取り外して開口部の上部に巻き上げることがあるが、
これを頻繁に行う場合は、特に、ネットの取付け作業の
煩雑さが問題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上記問題
を解決するために鋭意検討した結果、強化用連続繊維束
に熱可塑性樹脂を含浸させ、更にその表面に熱可塑性樹
脂被覆層を設けた単一方向強化熱可塑性樹脂線材と、ネ
ットとを接合一体化したものが、上記問題の解決に対し
極めて有用であることを見出し、本発明を完成させるに
至ったものである。従って、本発明の目的とするところ
は、上記不都合を解消し、取付け作業を大幅に改善した
防風防虫ネットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、〔1〕 熱可塑性樹脂を含浸させた強化用
連続繊維束からなる芯材の表面に熱可塑性樹脂被覆層を
形成してなる単一方向強化熱可塑性樹脂線材と、目合い
1〜20mmの合成繊維製ネットとを接合一体化してな
ることを特徴とする防風防虫ネットを提案するもので、
〔2〕 上記〔1〕の防風防虫ネットは、複数の単一方
向強化熱可塑性樹脂線材を平行に配列してなるものであ
ること、〔3〕 上記〔1〕の防風防虫ネットは、複数
の単一方向強化熱可塑性樹脂線材を格子状に配列してな
るものであることを含む。
【0007】〔4〕 上記〔1〕〜〔3〕の防風防虫ネ
ットは、熱可塑性樹脂被覆層の厚みが0.2〜2mmで
あるものを含む。
【0008】〔5〕 上記〔1〕〜〔3〕の防風防虫ネ
ットは、熱可塑性樹脂被覆層の熱可塑性樹脂と、合成繊
維製ネットの原料ポリマーとが、同一もしくは相溶性の
あるものであって、該単一方向強化熱可塑性樹脂線材の
該被覆層と該ネットとが溶融することで接合一体化され
てなるものを含む。
【0009】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の防風防虫ネット
の一例を示すもので、図1中100は防風防虫ネットで
ある。図1中、2は複数(本図においては5本)の同一
長さの単一方向強化熱可塑性樹脂線材で、所定間隔離れ
て平行に配列してある。前記複数の線材2には、これら
線材2全体を覆って目合い1〜20mmの合成繊維製ネ
ット4を接合して、一体化してある。
【0011】図2は、本発明の防風防虫ネット102の
他の例を示すものである。図2の防風防虫ネット102
は、格子状に配列した複数(本図においては6本)の単
一方向強化熱可塑性樹脂線材2に、これら線材2全体を
覆って目合い1〜20mmの合成繊維製ネット4を接合
して、一体化してある。
【0012】以下、本発明の防風防虫ネットの各構成に
つき、更に詳細に説明する。
【0013】(単一方向強化熱可塑性樹脂線材)本発明
の防風防虫ネットの製造に用いる単一方向強化熱可塑性
樹脂線材2は、図3に示すように、強化用連続繊維12
を多数束ねた強化用連続繊維束に、熱可塑性樹脂14を
含浸させて芯材16を形成し、さらにその芯材の表面1
8に熱可塑性樹脂被覆層20を設けたものである。芯材
16の断面形状は、直径1〜10mmの円形状、厚み1
〜10mm、幅1〜20mmの矩形形状のものなど、種
々のものが選択可能である。
【0014】芯材16中の強化用連続繊維含有量は、2
0〜90wt%、好ましくは40〜80wt%である。
20wt%未満の場合は線材としての補強効果が小さ
く、ネットに剛性ないしは自己形状保持性(いわゆるし
っかり感)が付与できない。逆に90wt%を超える場
合は、熱可塑性樹脂が繊維束に充分行き渡らず、生産時
にいわゆる毛羽トラブルが発生し易くなるばかりか、剛
性が高くなりすぎて、線材自体及びネットの取り扱い性
が悪くなるので、避けることが好ましい。
【0015】単一方向強化熱可塑性樹脂線材は、上記の
ように表面に熱可塑性樹脂被覆層を設けたものである
が、被覆層を設けることにより、機械的磨耗や紫外線な
どの自然環境因子に対して、より高い耐性を付与でき
る。更に、単一方向強化熱可塑性樹脂線材とネットとの
接合方法として、超音波溶着や熱溶着などの方法を採用
でき、この場合は接合をより簡単に行うことができる。
【0016】強化用連続繊維束 本発明に用いられる強化用連続繊維としては、ガラス繊
維、炭素繊維、金属繊維、高分子繊維など、公知のもの
を幅広く例示することができる。これらは、単独、また
は2種以上組合わせて用いることができるが、補強効果
及び入手容易性等の点でガラス繊維が好適である。樹脂
強化用として通常的に製造され、市販されている連続状
ガラス繊維束としては、ガラスロービングが挙げられ
る。
【0017】通常、ガラスロービングの平均繊維径は4
〜30μm、フィラメント集束本数は400〜10,0
00本、及びテックス番手は300〜20,000g/
kmであるが、好ましくは平均繊維径9〜23μm、集
束本数1,000〜6,000本のものである。補強効
果の観点から、繊維表面には、樹脂に対する界面接着性
付与又は向上のために何等かの処理を施してあることが
好ましい。
【0018】含浸用熱可塑性樹脂 繊維束に含浸させる樹脂は、熱可塑性樹脂であればその
何れかを問わない。とはいえ、通常の用途においては結
晶性熱可塑性樹脂、たとえばポリオレフィン系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂を用いることが好
ましい。
【0019】上記の結晶性熱可塑性樹脂の中でも、通常
は、性状および価格等の見地からポリオレフィン系樹脂
が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、エチレ
ン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、
4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンなどの炭
素数が2〜10程度のα-オレフィンの、結晶性単独重
合体、もしくは結晶性共重合体、またはこれらの2種以
上からなる組成物などを包含する。なかでも、実用的に
はポリプロピレン、またはプロピレンを主成分とするプ
ロピレンと他のα-オレフィンとの結晶性共重合体が汎
用性に富んでいるので、好ましいものである。
【0020】また、上記ポリオレフィン系樹脂以外に
も、ポリオレフィン系樹脂に不飽和カルボン酸もしくは
その無水物をグラフト反応させた改質ポリオレフィン樹
脂、あるいはポリオレフィン系樹脂と、この改質ポリオ
レフィン樹脂との混合物等も利用でき、これらは補強効
果を高める観点から好ましいものである。
【0021】熱可塑性樹脂の含浸方法 強化用連続繊維束に熱可塑性樹脂を含浸させるための方
法は、良好な含浸性が得られる方法であれば、公知の方
法がいずれも採用できる。強化用連続繊維束を張力下に
スプレダー表面上を接触通過させることにより、溶融し
た熱可塑性樹脂を含浸させる方法(特公昭63−376
94号)、含浸ダイス中に設けられた開繊ピン対の間を
非接触で強化用連続繊維束を通過させることにより含浸
させる方法(WO97/19805)など、いずれの方
法も採用可能である。高速引取り時の毛羽発生の問題が
少ない点では、WO97/19805に開示してある方
法が好ましい。
【0022】賦形方法 熱可塑性樹脂を強化用連続繊維束に含浸後、芯材を賦形
する方法についても、特に制限がない。通常は、含浸装
置の下流側境壁に設けた出口ノズルで、まず賦形形状が
定まる。従って、ノズルの形状としては、製造しようと
する単一方向強化熱可塑性樹脂線材の断面形状にほぼ合
致する形状を選択する。
【0023】ノズルの断面積は、希望する単一方向強化
樹脂線材の強化用連続繊維含有量と、使用する含浸用熱
可塑性樹脂中のベースポリマーや強化用連続繊維の種類
に依存する。たとえば、ポリプロピレン(比重0.9)
をマトリクスとし、強化用連続繊維の平均径17μm、
集束本数4,000本のガラス繊維ロービング(比重
2.6)を10本使用し、単一方向強化熱可塑性樹脂線
材のガラス繊維含有量を60wt%としたい場合は、ノ
ズル断面積は約31mm2にすればよい。
【0024】また、ノズル通過後にサイジングダイ等を
用いて更に賦形することも好ましいものである。
【0025】被覆樹脂層 芯材表面の被覆樹脂層に用いる樹脂も、繊維束に含浸す
る樹脂と同様、熱可塑性樹脂であればその何れかを問わ
ない。通常の用途においては、結晶性樹脂が好ましい。
具体的には、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂等を例示できる。
【0026】上記の結晶性熱可塑性樹脂の中でも、通常
は、性状および価格等の見地からポリオレフィン系樹脂
を多用する。ポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、プ
ロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-
メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンなどの炭
素数通常2〜10個程度のα-オレフィンの、結晶性単
独重合体、結晶性共重合体、またはこれらの2種以上か
らなる組成物などを包含する概念である。なかでも、実
用的にはポリエチレン、ポリプロピレン、またはプロピ
レンを主成分とする、プロピレンと他のα-オレフィン
との結晶性共重合体が汎用性に富んでいる。本発明の防
風防虫ネットは主に屋外で用いられることから、これら
のポリオレフィン系樹脂には、通常の安定剤のほかに紫
外線吸収剤やラジカル補足剤などの光安定剤を配合する
ことが好ましい。
【0027】単一方向強化熱可塑性樹脂線材とネットと
の接合方法は、後述するように超音波溶着や熱溶着によ
れば、より容易に行うことができる。この場合、ネット
が線材から簡単に剥離することのないように、被覆樹脂
層はネットの原料ポリマーと同一もしくは相溶性のある
ものであることが好ましい。
【0028】また、超音波溶着する場合には、エラスト
マー状の樹脂は、超音波を吸収してしまうので、被覆樹
脂層用の樹脂としてはあまり好ましくない。
【0029】被覆方法 芯材の表面に熱可塑性樹脂を被覆して熱可塑性樹脂被覆
層を形成する方法としては、クロスヘッドダイを用いる
電線被覆方式、入口ノズル、出口ノズルを設けた溶融樹
脂槽を通過させる方法等、各種の方法を例示できる。
【0030】芯材の断面が矩形形状の場合は、予めフィ
ルム状に成形しておいた被覆用樹脂をラミネートして被
覆層を形成する方法も採用し得る。この場合には、一対
の対向面をラミネートするのみで、他の一対(側面)ま
では必ずしも覆わなくても良い。
【0031】被覆層の厚みは、0.2〜2mmの範囲が
好ましい。厚みが0.2mm未満の場合は、保護層とし
ての機能が低下し、また超音波溶着や熱溶着により単一
方向強化熱可塑性樹脂線材とネットとの接合一体化を行
う場合には、両者間の接合力が弱くなる。
【0032】被覆層の厚みが2mmを超える場合は、取
り扱いが不便になる傾向にある。
【0033】(合成繊維製ネット)通常、防風ネット、
防虫ネットとしては、合成繊維製の、平織りネット、ラ
ッセル編ネット、寒冷紗などが用いられているが、本発
明で用いるネットは、これら全てを含むものである。目
合いは、防風効果、防虫効果の点から、1〜20mmが
好ましい。
【0034】(接合一体化方法)単一方向強化熱可塑性
樹脂線材と合成樹脂製ネットとの接合一体化方法には、
特に制限は無い。ネット製造時に、ネットに単一方向強
化熱可塑性樹脂線材を織り込み、または編み込む方法
や、ネット製造後に超音波溶着や熱溶着により接合する
方法等を取り得る。製造の容易さの点からは、超音波溶
着や熱溶着により接合する方法が好ましい。
【0035】単一方向強化熱可塑性樹脂線材を接合する
位置、方向、間隔等については、線材の形状、ネットの
種類、使用条件等により適宜決定する。
【0036】以上のようにして製造した本発明の防風防
虫ネットは、圃場等の農作場、水産関係、建築・土木関
係で種々の用途に利用できるものである。例えば、圃場
においては、圃場の周囲の全部または一部を囲み、風害
から農作物を有効に保護する。また、トンネル栽培用防
虫ネットとして、更にはトンネル栽培のトンネルの出入
口用防虫ネットとしても利用できるものである。
【0037】以下、実施例により本発明を更に具体的に
説明する。
【0038】
【実施例】(実施例1)WO97/19805に記載し
てある方法で、単一方向強化熱可塑性樹脂線材の芯材を
製造した。即ち、ガラス繊維のロービング[平均単繊維
径17μm、テックス番手2,310g/km、集束本
数4,000本]6本を含浸区域の上流側天板の繊維供
給口から供給し、この含浸区域を通過させながら連続的
に下流側から引取る一方で、この区域内へ押出し機から
改質ポリプロピレン[無水マレイン酸改質物、結晶融点
(DSC測定):160℃、MFR(230℃、21.2
N):130g/10min]の溶融物を供給すると共
に、開繊したロービングの間に溶融樹脂を充分に含浸さ
せた。含浸区域内の温度は270℃に調整した。
【0039】出口ノズルとしては、開口部が縦2mm、
横9mmのものを使用した。ノズルから引出した含浸物
を、サイジングダイを通過させ、断面2mm×9mmに
成形した。得られた芯材のガラス含有率は60wt%で
あった。
【0040】さらに芯材を250℃に保った被覆樹脂槽
に導き、ポリプロピレンランダム共重合体[結晶融点
(DSC測定):140℃、MFR(230℃、21.2
N):7g/10min]を芯材の周囲に0.5mmの
厚さで被覆して被覆層を形成した。
【0041】このようにして製造した単一方向強化熱可
塑性樹脂線材を、目合い4mmのポリプロピレン製平織
りネット(チッソ(株)製「ライトロンネット」)に、
60cm間隔で平行に織り込んで、支持体とした。な
お、線材の長さ(=ネットの幅)は5mであった。
【0042】製造した防風防虫ネットを圃場の防風ネッ
トとして用いた。図4にその使用状態を示した。図4
中、104は防風防虫ネットで、単一方向強化熱可塑性
樹脂線材からなる支持体22を圃場の畝24に沿って設
けた二本の支柱26、28に縛り付けて固定することに
より、簡単に防風ネットを設けることができた。なお、
30は合成繊維製ネットである。
【0043】(実施例2)芯材の断面を3mm×6mm
に成形する以外は、実施例1と同様にして芯材を製造し
た。ただし、ガラス繊維のロービングは7本用い、出口
ノズルは開口部が縦3mm、横6mmのものを使用し
た。得られた芯材のガラス含有率は66wt%であっ
た。
【0044】次いで、芯材を250℃に保たれた被覆樹
脂槽に導き、低密度ポリエチレン[MFR(190℃、
21.2N):13g/10min]を、芯材の表面に
0.3mmの厚さで被覆して、被覆層を形成し、これに
より線材を得た。
【0045】上記線材を長さ1.8mに揃え、5mm×
50mmの加熱板を用いて、目合い2mmのポリエチレ
ン製ラッセル編ネット(2.5m×2.5m)に、各5
0cm間隔で熱接合した。
【0046】このネットを図5に示す様に、トンネル栽
培用のトンネル40の長さ方向両端の開口部の閉塞用防
虫ネット42として使用した。開口部は1.5m(横)
×2m(縦)であった。防風防虫ネットの一方の端部の
線材(支持体)44をトンネルの両端の開口部上部の枠
に固定し、更に他方の端部の線材(支持体)46を地面
に固定するだけで、確実に開口部を閉塞することができ
た。上記ネットによる閉塞は、多少の風では隙間が生じ
ることが無く、しかも取付け作業は極めて容易であっ
た。 この防風防虫ネットは、トンネルに出入りする場
合等に線材を用いていない従来のネットと同様に開口部
の上部に巻き上げておくことも可能である。
【0047】(実施例3)芯材の断面寸法を2mm×6
mmに形成する以外は、実施例1と同様にして芯材を製
造した。ただし、ガラス繊維のロービングは5本用い、
出口ノズルとしては開口部寸法が縦2mm、横6mmの
ものを使用した。得られた線材のガラス含有率は61w
t%であった。
【0048】次いで、芯材を250℃に保った被覆樹脂
槽に導き、ポリプロピレンホモ重合体[結晶融点(DS
C測定):160℃、MFR(230℃、21.2
N):20g/10min]を、芯材の表面に1mmの
厚さで被覆し、被覆層を形成したた。
【0049】ミシンタイプの超音波溶着機を用いて、目
合い2mmのポリプロピレン製ラッセル編ネットに、こ
の線材を、図2に示すような格子状に接合した。
【0050】この様にして製造した防風防虫ネットを、
図5に示すトンネル栽培用トンネルの開口部閉塞用の防
虫ネットとして使用した。四隅を開口部の枠に固定する
だけで、ネットを開口部に取り付けることができ、取り
付け作業はきわめて容易であった。また、多少の風でも
隙間を生じることがなかった。
【0051】なお、この防風防虫ネットの寸法は、縦が
2.2m、横が1.6mのものであった。
【0052】
【発明の効果】本発明の防風防虫ネットは、適度の剛性
を有する単一方向強化熱可塑性樹脂線材をネットに接合
一体化してあるので、しっかり感があり、このため支柱
や開口部枠への固定箇所が少なくても確実に固定できて
充分その機能を果たし、しかも固定作業が大幅に軽減さ
れる。更に、ネットに対する線材の接合場所を適宜選択
でき、例えば各線材を平行に接合する場合は、線材を接
合していないネットと同じように巻きあげることがで
き、取り扱い性に優れたものである。また、本発明に用
いられる線材は、引張強度が優れているため、本発明の
ネットは、支柱の間隔を大きくしたり、より大きな開口
部に使用することも可能である。しかも、線材もプラス
チック製なので腐食しないという利点もある。
【0053】さらに、線材を織り込んだり編み込んだり
する方法の他に、超音波溶着や熱溶着等の方法により、
ネットと線材とを容易に一体化することができる。この
ため、防風防虫ネットとしてのコストの低減が可能であ
るばかりか、用途に細かく合せて、線材の方向や間隔等
を種々変更した製品を製造することも容易である。
【0054】以上のように、本発明の防風防虫ネット
は、防風ネットや防虫ネットとして最適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防風防虫ネットの一例を示す平面図で
ある。
【図2】本発明の防風防虫ネットの他の例を示す平面図
である。
【図3】本発明の防風防虫ネットの製造に用いる、単一
方向強化熱可塑性樹脂線材の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の防風防虫ネットを圃場に取り付けた状
態の一例を示す概略斜視図である。
【図5】本発明の防風防虫ネットを、トンネル栽培用ト
ンネルの開口部に取り付けた状態の一例を示す概略斜視
図である。
【符号の説明】
2 単一方向強化熱可塑性樹脂線材 4 合成繊維製ネット 12 強化用連続繊維 14 熱可塑性樹脂 16 芯材 20 熱可塑性樹脂被覆層 100 防風防虫ネット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を含浸させた強化用連続繊
    維束からなる芯材の表面に熱可塑性樹脂被覆層を形成し
    てなる単一方向強化熱可塑性樹脂線材と、目合い1〜2
    0mmの合成繊維製ネットとを接合一体化してなること
    を特徴とする防風防虫ネット。
  2. 【請求項2】 複数の単一方向強化熱可塑性樹脂線材を
    平行に配列してなる請求項1に記載の防風防虫ネット。
  3. 【請求項3】 複数の単一方向強化熱可塑性樹脂線材を
    格子状に配列してなる請求項1に記載の防風防虫ネッ
    ト。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂被覆層の厚みが0.2〜2
    mmである請求項1乃至3のいずれかに記載の防風防虫
    ネット。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂被覆層の熱可塑性樹脂と、
    合成繊維製ネットの原料ポリマーとが、同一もしくは相
    溶性のあるものであって、該単一方向強化熱可塑性樹脂
    線材の該被覆層と該ネットとが溶融することで接合一体
    化されてなる請求項1乃至3のいずれかに記載の防風防
    虫ネット。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101414995B1 (ko) * 2013-03-29 2014-07-04 안동대학교 산학협력단 농업용 멀칭필름
JP2021177717A (ja) * 2020-05-13 2021-11-18 ユニチカ株式会社 防虫ネット

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