JPH1126055A - 電気接続用コンタクト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一対の電気的接続コンタクトの軸線のずれを
吸収し、接触不良や絶縁不良のない電気接続用コンタク
トを提供する。 【解決手段】 電子機器の容器本体１の内部構成物３
に、円筒形圧縮コイルばねの両端をばね座に溶接しため
すコンタクト７を取り付けるとともに、前記容器本体１
に対応する蓋２にピン４のおすコンタクトを取り付け、
ピン４をめすコンタクトの圧縮コイルばねに直交して挿
入し、そのばねの復元力で電気的接続を行う。これによ
り、ピン４とめすコンタクト７の圧縮コイルばねの軸線
上でのずれや、コイルばねの外径方向へのずれに対して
も広い許容範囲で、安定した電気的接続を行うことがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の内部構
成物を収納する容器内の電気信号を外部に取り出す電気
接続用コンタクトに関する。

【０００２】

【従来の技術】電子機器の電気接続用コンタクトの従来
の構造を図７に示す。図７に示すように電子機器内の容
器本体１の内部構成物３に固着したソケット５に、前記
容器本体１にボルトなどの取り付け金具で取り付けられ
る蓋２に固着したピン４を挿入して電気的接続を行う。
ピン４はおすコンタクトとしてその外面で、ソケット５
はめすコンタクトとして内面で接触して電気的接続を行
う。通常、ソケット５には円筒形ソケットが用いられ、
その内側に設けた板ばね又はソケット自体の弾性によっ
て電気的接続が保持される。この場合、おすコンタクト
であるピン４とめすコンタクトであるソケット５の中心
軸線がずれていると前記ピン４又はソケット５に軸線を
傾ける力が発生し、そのためそれらを変形または損傷さ
せて接触不良発生の原因となる。特にコンタクト挿入時
に、図７のように互いのコンタクト位置が見えなくなる
なるような取り付けが必要な場合に、軸線のずれが生じ
やすい。

【０００３】上記中心軸線のずれによる影響を避けるた
めの電気接続用コンタクトの構造を図８に示す。図８に
おいて、図７のソケット５の代わりに受け皿式接触コン
タクト６がめすコンタクトとして用いられている。この
受け皿式接触コンタクト６は表面を円錐状に凹ませた受
け皿６Ａを圧縮コイルばね６Ｂの座巻部上部に固着した
ものである。この受け皿式接触コンタクト６の軸線上ま
たはその近傍で、おすコンタクトのピン４を受け皿６Ａ
に押しつけてコイルばねを圧縮させた状態で両者関係位
置を固定し、コイルばねの復元力によってピン４と受け
皿式接触コンタクト６間の電気的接続を得ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の電子機器に用い
られる電気接続用コンタクトは以上のように構成されて
いるが、コンタクトの軸線のずれに対しては、図７に示
した方法ではコンタクト自体に損傷を与える。また、図
８の受け皿式接触コンタクト方式を用いても、受け皿６
Ａとピン４の軸線がずれれば、圧縮コイルばねの軸線が
湾曲し、受け皿は軸線に対して斜め方向の力を受け傾く
ことになる。この湾曲が大きくなれば、当初から受け皿
６Ａがピン４から外れることもある。また、わずかな軸
線のずれであっても、振動などの外力が加わると外れた
り、軸線上でばねの復元力による接触圧力を必要とする
構造上、内部構成物を変形させるなどの問題があった。
さらに、いったん受け皿がピン４から外れると圧縮され
ていたコイルばねが伸びて、これが内部構成物や蓋など
と接触し、電気回路の絶縁不良の原因になることもあ
る。

【０００５】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、一対の電気的接続コンタクトの軸線の
ずれを吸収し、経時的に安定した電気接続用コンタクト
を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の電気接続用コンタクトは、電子機器の内
部構成物を収納する容器内の電気信号を、外部に取り出
す電気接続用コンタクトにおいて、圧縮コイルばねをめ
すコンタクトとし、これに直交しておすコンタクトであ
るピンを挿入し、めすコンタクトで挟みつけることによ
って電気的接続を行うことを特徴とする。

【０００７】本発明の電子機器用電気接続用コンタクト
は上記のように構成されており、前記コンタクトの軸線
のずれを吸収し、安定した電気的接続機能を得ることが
できる。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明による電気接続用コンタク
トの一実施例を図１から図６に基づいて説明する。図１
と図２は電子機器内の気密容器に前記コンタクトを適用
した場合を示したものであり、図１は上面図、図２は側
面図である。図１、図２において１は容器本体、２は
蓋、３は内部構成物、４はおすコンタクトで、その先端
が球形をしたピンでその周囲９はハーメチックシールさ
れている。７はめすコンタクトである円筒圧縮コイルば
ねである。めすコンタクト７は、気密容器本体１の内部
構成物３に取り付けられている。おすコンタクト４とめ
すコンタクト７は図２に示したようにＡ−Ａ’およびＢ
−Ｂ’の中心軸線が一致するように取り付けられてい
る。

【０００９】図３、図４は図２に示しためすコンタクト
７の構造図であり、図３は上面図、図４は側面図であ
る。図３において７Ａは断面が円筒形をした圧縮コイル
ばね、８はばね座を示す。図中の点線で示す円の中心Ｘ
が、コイルばねの軸線と、おすコンタクトの軸線が直交
する理想位置を示し、ここがコイルばねの真ん中になる
ような位置に、めすコンタクトが取り付けられる。圧縮
コイルばね７Ａの両端は溶接によってばね座８に固定さ
れており、両端以外の各巻き線部分は軸方向に移動でき
る。

【００１０】次に、ピンが挿入された場合の動作につい
て説明する。図５、図６はコイルばねの巻き線間にピン
が挿入され電気的接続が保持されている状態を示したも
のである。図６において、ピンの軸線が、コイルピッチ
の１／２または３／２だけずれた場合、ピンの先端はコ
イルばねの外径部に当たる。しかしこの場合でも、コイ
ルばねは軸方向に移動しうるので、ピンの軸線の左右い
ずれかの方向にコイル外径部が移動して、線間にピンが
入り押し広がったコイルばねによってピンの両側から挟
みつけられる。また、図５において、ピンの軸線がコイ
ルばねの中心から外径方向にずれても同様にコイルばね
の線間にピンが入り、押し広げられたコイルばねによっ
てピンの両側から挟みつけられる。この方法により、お
す、めすコンタクトの軸線のずれを吸収することができ
る。また、ピンの挿入完了後は、コイルばねの軸方向で
の復元力は受けるがピンの軸方向での力は発生しないの
で内部構成物に変形などの影響を与えない。

【００１１】なお、図５において、コイル横断面を横方
向に長径の楕円形または長方形にすれば、コイル外径方
向へのピンの軸線ずれがさらに大きい場合にも有効であ
る。また、コイルばねの材料の断面形状は必ずしも円形
である必要はなく、たとえば卵形にして、ピンの先端が
より挿入しやすくすることもできる。

【００１２】

【発明の効果】本発明の電気接続用コンタクトは上記の
ように構成されており、圧縮コイルばねによるコンタク
トでおす、めすコンタクトの軸線のずれを吸収すること
ができる。その結果、コンタクト間の外れ、接触不良、
絶縁不良等の故障がなくなり、経時的に安定した電気的
接続が得られる。またコンタクトの軸方向の荷重が加わ
ることが不都合な容器にも使用できる。さらに、容器の
大きさに応じて圧縮コイルばねの大きさを変えること
で、ずれの許容範囲を広げることも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電気接続用コンタクトの一実施例を示
す図である。

【図２】本発明の電気接続用コンタクトの一実施例を示
す図である。

【図３】本発明のコイルばねの形状を示す図である。

【図４】本発明のコイルばねの形状を示す図である。

【図５】本発明のコイルばねとピンとの位置関係を示す
図である。

【図６】本発明のコイルばねとピンとの位置関係を示す
図である。

【図７】従来の電気接続用コンタクトを示す図である。

【図８】従来の他の電気接続用コンタクトを示す図であ
る。

【符号の説明】

１ 容器本体 ２ 蓋 ３ 内部構成物 ４ ピン（おすコンタクト） ５ ソケット（めすコンタクト） ６ 受け皿式接触コンタクト（めすコンタクト） ６Ａ 受け皿 ６Ｂ 圧縮コイルばね ７ 圧縮コイルばねコンタクト（めすコンタクト） ７Ａ 圧縮コイルばね ８ ばね座 ９ ハーメチックシール

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電子機器の内部構成物を収納する容器内の
   電気信号を、外部に取り出す電気接続用コンタクトにお
   いて、圧縮コイルばねをめすコンタクトとするととも
   に、これに直交しておすコンタクトであるピンを挿入
   し、該めすコンタクトで挟みつけることによって電気的
   接続を行うことを特徴とした電気接続用コンタクト。