JPH11258790A - 着色感光性樹脂組成物 - Google Patents

着色感光性樹脂組成物

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JPH11258790A
JPH11258790A JP5867598A JP5867598A JPH11258790A JP H11258790 A JPH11258790 A JP H11258790A JP 5867598 A JP5867598 A JP 5867598A JP 5867598 A JP5867598 A JP 5867598A JP H11258790 A JPH11258790 A JP H11258790A
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滋郎 穂積
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宏治 馬場
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気雰囲気下においても酸素による重合阻害
を受けにくく、十分な感度を有しながら、光重合開始剤
に起因する塩化水素ガス等のハロゲン系不純物の発生が
少ない着色感光性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 以下の各成分を含有する着色感光性樹脂
組成物。(A)顔料、(B)カルボキシル基含有共重合
体、(C)脂環式環に直接酸素原子が結合した脂環式エ
ポキシ基を分子内に少なくとも3個有する光カチオン重
合性化合物、(D)光ラジカル重合性モノマー(特に、
重合性炭素−炭素不飽和結合を有する化合物)、(E)
光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始すること
のできる光重合開始剤(特に、s−トリアジン骨格を有
する光重合開始剤)、及び(F)溶剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線硬化型イン
キやフォトレジストなどに広く利用されている感光性樹
脂組成物の改良に関するものであり、特に、カラー液晶
表示装置や撮像素子などに使用される着色画像(画素と
も呼ばれる)を形成するためのレジスト組成物に好適
な、着色感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶表示装置や撮像素子などにお
けるカラーフィルターは通常、ガラスやシリコンウェハ
ーなどの基板上に、赤、緑及び青の三原色画素を形成す
ることにより製造されている。また、これら画素間を遮
光するためにブラックマトリックスを設けるのが普通で
ある。そして、これら各色の画素を形成するには、遮光
層がパターン形成された基板上に、各色に相当する顔料
を含有するレジスト液をスピンコーターにより均一に塗
布した後、加熱乾燥(プリベーク)し、その塗膜を露
光、現像する方法が採用されており、これらの操作をカ
ラーフィルターに必要とされる色毎に繰り返すことによ
り、各色の画像を得ている。このようなレジストとし
て、顔料及びバインダー樹脂とともに、光重合性モノマ
ー及び光重合開始剤を含有する組成物が多く使用されて
いる。また、ブラックマトリックスの形成にも、黒色顔
料を含有するレジストを用いることがある。
【0003】これらのレジストの大半は、光ラジカル重
合性モノマーの硬化反応により、レジスト塗膜の耐現像
液性(現像液に溶けにくくなり、その部分が画像として
残る性質)を付与するシステムとなっている。このよう
な光ラジカル重合を硬化反応に利用したレジスト組成物
は、酸素の存在によって重合反応が阻害されるため、大
気雰囲気下ではパターニングが難しく、たとえパターニ
ングが可能としても、非常に多くの露光量を必要とす
る。そこで、露光前にポリビニルアルコールなどの透明
な酸素遮断膜を塗膜表面に塗布して、重合阻害を回避す
る方法がとられてきた。
【0004】ところが、酸素による重合阻害を回避する
ために露光量を多くしたり、酸素遮断膜を使用したりす
ると、カラーフィルター生産時のタクトタイム(1枚あ
たりの生産時間)が長くなったり、工程が増加したりし
て、生産性を大きく損なうことになる。そこで、生産性
を損なわずに、酸素による重合阻害を回避するため、特
開平 1-152449 号公報等により、感度の高いs−トリア
ジン化合物、特にクロロメチル基を有するs−トリアジ
ン化合物を光重合開始剤とすることが提案された。しか
しながら、このようなs−トリアジン化合物を光重合開
始剤に使用すると、光開裂により発生する塩素ラジカル
に起因して塩化水素ガス等が発生し、フォトマスクの汚
れを引き起こすことが多い。また、塩素イオンが液晶層
に移行して、液晶の誤作動を引き起こす原因になる可能
性も高い。
【0005】このような塩素ラジカル起因の塩素系ガス
等を捕捉するため、レジスト樹脂中にエポキシ化合物を
添加することが、特開平 1-254918 号公報や特開平 8-9
4824号公報で提案されている。しかし、前者の公報で提
案されているエポキシ化合物は、光硬化反応に関与しな
いものであり、レジスト樹脂中のエポキシ化合物の含量
が多くなると、レジストの感度が急激に低下するという
問題があった。一方、後者の公報では、脂環式の2官能
性エポキシ化合物が推奨されているが、そこに具体的に
記載される2官能性のエポキシ化合物では、競争的に起
こるエポキシ基の光硬化反応と塩素系ガス等を捕捉する
反応との両立は難しいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大気
雰囲気下においても酸素による重合阻害を受けにくく、
十分な感度を有しながら、光重合開始剤に起因する塩化
水素ガス等のハロゲン系不純物の発生が少ない着色感光
性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】本発明者らは、上記従来技術の問題点を解
決すべく鋭意研究を行った結果、顔料やバインダー樹
脂、光ラジカル重合性モノマーなどとともに、特定構造
を有する光カチオン重合性化合物と特定の光重合開始剤
を含有する組成物を用いることにより、優れた結果が得
られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、以下
の各成分を含有する着色感光性樹脂組成物を提供するも
のである。
【0009】(A)顔料、(B)カルボキシル基含有共
重合体、(C)脂環式環に直接酸素原子が結合した脂環
式エポキシ基を分子内に少なくとも3個有する光カチオ
ン重合性化合物、(D)光ラジカル重合性モノマー、
(E)光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始す
ることのできる光重合開始剤、及び(F)溶剤。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、主に顔料分散レジス
トとして使用されるもので、溶剤中に顔料(A)が分散
され、さらにバインダー樹脂と呼ばれるカルボキシル基
含有共重合体(B)、光カチオン重合性化合物(C)、
光ラジカル重合性モノマー(D)及び光重合開始剤
(E)、また任意にその他の添加剤が、溶解又は分散さ
れている。
【0011】顔料(A)は、顔料分散レジストに通常用
いられる有機顔料又は無機顔料であることができる。無
機顔料としては、金属酸化物や金属錯塩のような金属化
合物が挙げられ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニ
ウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、ク
ロム、亜鉛、アンチモンなどの金属の酸化物又は複合金
属酸化物が挙げられる。また、有機顔料として具体的に
は、カラーインデックス(Colour Index)(The Societ
y of Dyers and Colourists 出版)で、ピグメント(Pi
gment )に分類されている化合物が挙げられる。これら
の顔料は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて
用いることができる。より具体的には、以下のようなカ
ラーインデックス(C.I.)番号の化合物が挙げられる
が、これらに限定されるわけではない。
【0012】C.I.ピグメントイエロー 20, 24, 31, 5
3, 83, 86, 93, 94, 109, 110,117, 125, 137, 138, 13
9, 147, 148, 153, 154, 166 及び 173;C.I.ピグメ
ントオレンジ 13, 31, 36, 38, 40, 42, 43, 51, 55, 5
9, 61,64, 65 及び 71;C.I.ピグメントレッド 9, 9
7, 105, 122, 123, 144, 149, 166, 168, 176,177, 18
0, 192, 215, 216, 224, 242 及び 254;C.I.ピグメ
ントバイオレット 14, 19, 23, 29, 32, 33, 36, 37 及
び 38;C.I.ピグメントブルー 15(15:3, 15:4, 15:6
など), 21, 22, 28, 60 及び 64;C.I.ピグメント
グリーン 7, 10, 15, 25, 36 及び 47;C.I.ピグメン
トブラウン 28;C.I.ピグメントブラック 1 及び 7
など。
【0013】顔料(A)は、着色感光性樹脂組成物中の
全固形分量を基準に、好ましくは5〜60重量%、より
好ましくは10〜50重量%の範囲で用いられる。
【0014】バインダー樹脂は、未露光塗膜にアルカリ
現像性を付与し、また顔料の分散媒として作用するもの
であり、本発明では、かかるバインダー樹脂として、カ
ルボキシル基含有共重合体(B)が用いられる。カルボ
キシル基含有共重合体は、例えば、カルボキシル基含有
モノマーと、それに共重合が可能な他のモノマーとの共
重合によって得ることができる。
【0015】カルボキシル基含有モノマーは、例えば、
不飽和モノカルボン酸や不飽和ジカルボン酸など、分子
中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カ
ルボン酸であることができ、具体的には、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、
フマル酸などが挙げられる。これらは、それぞれ単独
で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。ま
た、これらカルボキシル基含有モノマーに共重合が可能
なモノマーは、重合性不飽和結合を有する化合物であ
る。 具体的には、スチレンやα−メチルスチレン、ビ
ニルトルエンのような芳香族ビニル化合物、メチル(メ
タ)アクリレートやエチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートのよ
うな不飽和カルボン酸エステル、アミノエチルアクリレ
ートのような不飽和カルボン酸アミノアルキルエステ
ル、グリシジル(メタ)アクリレートのような不飽和カ
ルボン酸グリシジルエステル、酢酸ビニルやプロピオン
酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル、(メタ)
アクリロニトリルやα−クロロアクリロニトリルのよう
なシアン化ビニル化合物などが挙げられる。これらのモ
ノマーも、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて
用いることができる。
【0016】さらに、不飽和カルボン酸と不飽和カルボ
ン酸グリシジルエステルとを共重合させて得られる共重
合体のグリシジル基に不飽和カルボン酸を付加させたも
の、スチレンと無水マレイン酸とを共重合させて得られ
る共重合体の無水マレイン酸由来部分に2−ヒドロキシ
エチルアクリレートを付加させたものなど、ポリマー側
鎖に光重合性の不飽和基を有するものも、カルボキシル
基含有共重合体(B)として使用できる。
【0017】これらのカルボキシル基含有共重合体
(B)において、カルボキシル基含有モノマー単位は、
モノマー全体に対し、好ましくは10〜50重量%、よ
り好ましくは15〜40重量%の範囲で存在する。ここ
でいうカルボキシル基含有モノマー単位の量とは、カル
ボキシル基含有共重合体がカルボキシル基含有モノマー
と他のモノマーとの共重合体である場合は、そのうちの
カルボキシル基含有モノマーの量を意味し、同共重合体
がポリマー側鎖に光重合性の不飽和基を有するものであ
る場合は、最終的にカルボキシル基として残るモノマー
単位を意味する。後者についてさらに具体的に説明する
と、例えば、不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸グリ
シジルエステルとを共重合させて得られる共重合体のグ
リシジル基に不飽和カルボン酸を付加させたものでは、
最後にグリシジル基に反応させる不飽和カルボン酸は、
エステルの形でポリマー主鎖に結合するので、最初に不
飽和カルボン酸グリシジルエステルとを共重合される不
飽和カルボン酸の単位のみが、カルボキシル基含有モノ
マー単位に該当する。また、スチレンと無水マレイン酸
とを共重合させて得られる共重合体の無水マレイン酸由
来部分に2−ヒドロキシエチルアクリレートを付加させ
たものでは、無水マレイン酸由来部分が開環してカルボ
キシル基を生ずるので、この無水マレイン酸由来の単位
が、カルボキシル基含有モノマー単位に該当する。
【0018】カルボキシル基含有共重合体(B)の好ま
しい例としては、ベンジルメタクリレート/メタクリル
酸共重合体、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/
スチレン共重合体、メチルメタクリレート/メタクリル
酸共重合体、メチルメタクリレート/メタクリル酸/ス
チレン共重合体などが挙げられる。これらのカルボキシ
ル基含有共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量
が10,000〜400,000 の範囲にあるのが好ましく、より好
ましくは 20,000〜300,000の範囲の重量平均分子量を有
する。カルボキシル基含有共重合体(B)は、着色感光
性樹脂組成物中の全固形分量を基準に、一般には5〜9
0重量%、好ましくは20〜70重量%の範囲で含有さ
れる。
【0019】光カチオン重合性化合物(C)として、本
発明では、脂環式環に直接酸素原子が結合した脂環式エ
ポキシ基を分子内に少なくとも3個有するものを用い
る。脂環式エポキシ基は、オキソニウム塩を成長活性種
としてカチオン重合することから、この化合物(C)
は、後述する特定の光重合開始剤(E)の存在と相俟っ
て光硬化反応に寄与するとともに、その光重合開始剤
(E)から発生するハロゲン系ガス等の捕捉に寄与す
る。このような、脂環式エポキシ基を分子内に少なくと
も3個有する化合物で市販されているものとしては、3
官能タイプの下式(I)
【0020】
【0021】に相当する“エポリード GT301”〔式
(I)中のa+bが約1のもの、エポキシ当量185〜
205、ダイセル化学社製〕及び“エポリード GT302”
〔式(I)中のa+bが約2のもの、エポキシ当量22
5〜250、ダイセル化学社製〕、4官能タイプの下式
(II)
【0022】
【0023】に相当する“エポリード GT401”〔式(I
I)中のc+d+e+fが約1のもの、エポキシ当量2
10〜225、ダイセル化学社製〕、及び“エポリード
GT403”〔式(II)中のc+d+e+fが約3のもの、
エポキシ当量270〜300、ダイセル化学社製〕など
が挙げられる。光カチオン重合性化合物(C)は、エポ
キシ当量が小さいほど有利であるが、分子内に脂環式エ
ポキシ基を少なくとも3個有し、エポキシ当量が350
以下程度であれば、すべて使用できる。
【0024】光ラジカル重合性モノマー(D)は、光及
び光重合開始剤の作用によってラジカル重合を起こす化
合物であり、一般には、重合性炭素−炭素不飽和結合を
有する化合物がこれに該当する。このモノマー(D)
は、単官能モノマーの他、2官能、その他の多官能モノ
マーであることができる。単官能モノマーの具体例とし
ては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2
−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなど
が挙げられる。また2官能モノマーの具体例としては、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAの
ビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、3−メチル
ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げら
れ、その他の多官能モノマーとしては、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なかで
も、2官能以上の多官能モノマーが好ましく用いられ
る。
【0025】光カチオン重合性化合物(C)及び光ラジ
カル重合性モノマー(D)の量について説明すると、カ
ルボキシル基含有共重合体(B)、光カチオン重合性化
合物(C)及び光ラジカル重合性モノマー(D)の合計
100重量部に対して、光カチオン重合性化合物(C)
は、一般に0.1〜60重量部の範囲で、好ましくは1〜
30重量部の範囲で含有され、また光ラジカル重合性モ
ノマー(D)も、一般に0.1〜60重量部の範囲で、好
ましくは1〜30重量部の範囲で含有される。
【0026】次に、光重合開始剤(E)として本発明で
は、光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始する
ことのできる化合物を用いる。公知の光重合開始剤の多
くは光ラジカル重合のみを開始するが、s−トリアジン
骨格を有する開始剤、特にトリクロロメチル基を有する
s−トリアジン系開始剤は、光の作用で次式のように分
解して塩素ラジカルを発生し、この塩素ラジカルがドナ
ーR-H から水素原子を引き抜いて塩化水素を生成し、
ドナーのラジカルR・ を残すといわれている。
【0027】
【0028】ここでXは、開始剤を光活性にし、吸光波
長を調整するための基であって、アリール基、2−位に
置換されてもよいベンゼン環や置換されてもよいフラン
環のような最低水素化環が結合したビニル基、ピペロニ
ル基などがこれに該当する。また、R-H で表されるド
ナーの役割は、その組成物内に存在し、水素原子を有す
る各種の化合物によって果たされるが、本発明の組成物
でいえば、典型的には光ラジカル重合性モノマー(D)
がこの役割を果たす。
【0029】そして、生成した塩化水素が水素イオンと
塩化物イオンに解離することによりカチオン重合を開始
させ、ドナーのラジカルR・ がラジカル重合を開始させ
ることになる。
【0030】このように、一分子で光ラジカル重合と光
カチオン重合の両方を開始することができる化合物であ
れば、本発明における光重合開始剤(E)として用いる
ことができ、具体的には、光に対して活性であり、他の
成分から水素原子を引き抜いて酸を生成しうるラジカ
ル、例えばハロゲンラジカル、特に塩素ラジカルを光の
作用によって発生する化合物であればよいが、代表的に
は、上記したようなs−トリアジン骨格を有する光重合
開始剤が用いられる。
【0031】このs−トリアジン系の光重合開始剤は、
通常ハロメチル基を有し、例えばクロロメチル基、特に
トリクロロメチル基を有するのが有利である。具体的に
は、次のような化合物を挙げることができる。
【0032】2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−
(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキ
シナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス
(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−
トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−
(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−
メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−ト
リアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−
〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−
トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−
〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エ
テニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(ト
リクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなど。
【0033】本発明においては、光重合開始剤(E)と
して、光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始す
ることのできる化合物を用いることが必須であるが、そ
の他の光重合開始剤を組み合わせて使用することもでき
る。併用される光重合開始剤は、この分野で通常用いら
れているものであることができ、例えば、アセトフェノ
ン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサント
ン系、その他の開始剤が挙げられる。より具体的には、
以下のような化合物を挙げることができ、これらの1種
又は2種以上を、前記の光ラジカル重合と光カチオン重
合の両方を開始することのできる化合物と組み合わせて
用いることができる。
【0034】(a) アセトフェノン系開始剤 ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチ
ルケタール、2−ヒドロキシ−1−〔4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル〕−2−メチルプロパン−1−
オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モ
ルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメ
チルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−
1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−
(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンの
オリゴマーなど。
【0035】(b) ベンゾイン系開始剤 ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベン
ゾインイソブチルエーテルなど。
【0036】(c) ベンゾフェノン系開始剤 ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−
フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチ
ルジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テト
ラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなど。
【0037】(d) チオキサントン系開始剤 2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチ
オキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,
4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポ
キシチオキサントンなど。
【0038】(e) その他の開始剤 2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフ
ィンオキシド、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)
−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビ
イミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、
2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェ
ナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオ
キシル酸メチル、チタノセン化合物など。
【0039】また、光重合開始剤に光開始助剤を組み合
わせて用いることもできる。光開始助剤の具体例として
は、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ
安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、
4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチル
アミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメ
チルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、
4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通
称ミヒラーズケトン)、4,4′−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、9,10−ジメトキシアントラセ
ン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、
9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,
10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。これ
ら光開始助剤は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合
わせて用いることができる。
【0040】光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を
開始することのできる光重合開始剤(E)は、感光性樹
脂組成物中のカルボキシル基含有共重合体(B)、光カ
チオン重合性化合物(C)及び光ラジカル重合性モノマ
ー(D)の合計100重量部に対して、一般には0.1〜
50重量部の範囲で、好ましくは1〜30重量部の範囲
で含有される。また、他の光重合開始剤を組み合わせて
用いる場合、及び任意に光開始助剤を用いる場合は、光
ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始することの
できる光重合開始剤(E)を含めたこれらの合計量とし
て、感光性樹脂組成物中のカルボキシル基含有共重合体
(B)、光カチオン重合性化合物(C)及び光ラジカル
重合性モノマー(D)の合計100重量部に対し、一般
には0.1〜50重量部の範囲で、好ましくは1〜30重
量部の範囲で含有される。
【0041】溶剤(F)は、この分野で用いられる各種
のものであることができる。具体例としては、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエ
ーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルのよう
なエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピル
エーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルのよ
うなジエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチ
ルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート
のようなエチレングリコールアルキルエーテルアセテー
ト類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセ
テートのようなプロピレングリコールアルキルエーテル
アセテート類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような
芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メ
チルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノンのようなケトン類;エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、
エチレングリコール、グリセリンのようなアルコール
類;3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプ
ロピオン酸メチルのようなエステル類;γ−ブチロラク
トンのような環状エステル類などが挙げられる。これら
の溶剤は、それぞれ単独で、又は2種類以上混合して用
いることができる。溶剤の使用量は、それを含む着色感
光性樹脂組成物全体の量を基準に、好ましくは60〜9
0重量%、より好ましくは70〜85重量%である。
【0042】本発明の着色感光性樹脂組成物はまた、必
要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、界面活性剤
(顔料分散剤)、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、凝集防止材などの添加剤を含有することもできる。
充填剤として具体的には、ガラス、シリカ、アルミナな
どが、他の高分子化合物として具体的には、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール
モノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレー
トなどが、界面活性剤(顔料分散剤)としては、ノニオ
ン系、カチオン系、アニオン系などの各種のものが、密
着促進剤として具体的には、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メ
トキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシランなどが、酸化防止剤として具体的
には、2,2′−チオビス(4−メチル−6−tert−ブ
チルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メ
チルフェノールなどが、紫外線吸収剤として具体的に
は、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アル
コキシベンゾフェノンなどが、また凝集防止剤として具
体的には、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられ
る。
【0043】本発明の着色感光性樹脂組成物は、例えば
以下のようにして調製できる。すなわち、顔料(A)を
予め溶剤(F)と混合し、顔料の平均粒子径が0.2μm
以下程度となるまで、ビーズミルなどを用いて分散させ
る。この際、必要に応じて分散剤が使用され、またカル
ボキシル基含有共重合体(B)の一部又は全部が配合さ
れることもある。得られた顔料分散液(ミルベース)
に、カルボキシル基含有共重合体(B)の残り、光カチ
オン重合性化合物(C)、光ラジカル重合性モノマー
(D)及び光重合開始剤(E)、必要に応じて使用され
るその他の成分、さらには必要により追加の溶剤を、所
定の濃度となるように添加し、目的の着色感光性樹脂組
成物を得る。
【0044】こうして調製された感光性樹脂組成物は、
例えば以下のようにして基板上に塗布し、光硬化及び現
像をして着色画像とすることができる。まず、この組成
物を基板(通常はガラス)上にスピンコートし、溶剤を
加温乾燥(プリベーク)することにより平滑な塗膜を得
る。このときの塗膜の膜厚は、およそ1〜2μm 程度で
ある。得られた塗膜に、目的の画像を形成するためのネ
ガマスクを介して紫外線を照射する。この際、露光部全
体に均一に平行光線が照射され、かつマスクと基板の正
確な位置合わせが行われるよう、マスクアライナーなど
の装置を使用するのが好ましい。さらにこの後、硬化の
終了した塗膜を希アルカリ水溶液に接触させて未露光部
を溶解させ、現像することにより、目的とする画像が得
られる。現像後、必要に応じて150〜230℃で10
〜60分程度の後硬化(ポストベーク)を施すこともで
きる。
【0045】パターニング露光後の現像に使用する現像
液は、通常、アルカリ性化合物と界面活性剤を含む水溶
液である。アルカリ性化合物は、無機及び有機のアルカ
リ性化合物のいずれでもよい。無機アルカリ性化合物の
具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
燐酸水素二ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水
素二アンモニウム、燐酸二水素アンモニウム、燐酸二水
素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ア
ンモニアなどが挙げられる。また、有機アルカリ性化合
物の具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム
ヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、
トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプ
ロピルアミン、エタノールアミンなどが挙げられる。こ
れらの無機及び有機アルカリ性化合物は、それぞれ単独
で又は2種以上組み合わせて用いることができる。アル
カリ現像液中のアルカリ性化合物の好ましい濃度は、
0.01〜10重量%の範囲であり、より好ましくは0.0
3〜5重量%である。
【0046】また界面活性剤は、ノニオン系界面活性
剤、カチオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤の
いずれでもよい。ノニオン系界面活性剤の具体例として
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリールエーテル、その他のポリオキシエチレン誘導
体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリ
マー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
トール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
アルキルアミンなどが挙げられる。アニオン系界面活性
剤の具体例としては、ラウリルアルコール硫酸エステル
ナトリウムやオレイルアルコール硫酸エステルナトリウ
ムのような高級アルコール硫酸エステル塩類、ラウリル
硫酸ナトリウムやラウリル硫酸アンモニウムのようなア
ルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムやドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムのような
アルキルアリールスルホン酸塩類などが挙げられる。カ
チオン系界面活性剤の具体例としては、ステアリルアミ
ン塩酸塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド
のようなアミン塩又は第四級アンモニウム塩などが挙げ
られる。これらの界面活性剤は、それぞれ単独で用いる
ことも、また2種以上組み合わせて用いることもでき
る。アルカリ現像液中の界面活性剤の濃度は、通常0.0
1〜10重量%の範囲、好ましくは0.05〜8重量%、
より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0047】以上のような感光性樹脂液の塗布、乾燥、
得られる乾燥塗膜へのパターニング露光、そして現像と
いう各操作を経て、感光性樹脂組成物中の顔料の色に相
当する画素が得られ、さらにこれらの操作を、カラーフ
ィルターに必要とされる色の数だけ繰り返すことによ
り、カラーフィルターが得られる。すなわち、カラーフ
ィルターは通常、赤、緑及び青の各画素を基板上に配置
したものであるが、ある色に相当する顔料を含む本発明
の着色感光性樹脂組成物を用いて上記の操作を行うこと
により、その色の画素を得、他の色についても所望の色
に相当する顔料を含む本発明の着色感光性樹脂組成物を
用いて同様の操作を行い、三色の画素を基板上に配置す
ることができる。もちろん、三色のうちいずれか一色又
は二色にのみ、本発明の着色感光性樹脂組成物を適用す
ることも可能である。また、遮光層であるブラックマト
リックスの形成に、黒色顔料を含む本発明の着色感光性
樹脂組成物を用いることもできる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び
部は、特にことわらないかぎり重量基準である。また、
実施例及び比較例で用いたエポキシ化合物及び光重合開
始剤は、以下に商品名で示す市販のものであり、以下、
それぞれの商品名で表示する。
【0049】(C)エポキシ化合物 エポリード GT401:4官能脂環式エポキシ化合物(ダイ
セル化学工業社製、構造は前記のとおり)、エポキシ当
量219、光カチオン重合性。 デナコール EX-321 :2〜3官能脂肪族エポキシ化合物
(ナガセ化成社製、トリメチロールプロパンのジ−及び
トリ−グリシジルエーテルの混合物)、エポキシ当量1
45、非光重合型。
【0050】(E)光重合開始剤 トリアジン PP :2,4−ビス(トリクロロメチル)−
6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン(日本シーベ
ルヘグナー社製、ラジカル重合とカチオン重合の両方開
始可)。 イルガキュア 907:2−メチル−1−(4−メチルチオ
フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チ
バガイギー社製、ラジカル重合のみ開始可)。
【0051】実施例1及び比較例1〜4 代表例として、青色の感光性樹脂組成物を調製し、評価
した実施例及び比較例を示す。ここで用いた感光性樹脂
組成物の組成は、次のとおりである。
【0052】 顔料:C.I.ピグメントブルー 15:6 3.9部 C.I.ピグメントバイオレット 23 0.1部 カルボキシル基含有共重合体 8.4部 ベンジルメタクリレート/メタクリル酸の重量比80/20の共重合体 (ポリスチレン換算重量平均分子量 35,000 ) エポキシ化合物 表1記載 光ラジカル重合性モノマー 表1記載 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート (日本化薬社製の“カヤラッド DPHA”) 光重合開始剤 表1記載 ノニオン系の顔料分散剤 1.0部 溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.2部
【0053】上記各成分のうち、予め顔料と顔料分散剤
の各全量を、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテートの部分量と混合し、ビーズミルを用いて顔料
を十分に分散させて微細化処理し、これにプロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテートの残量を含む残
りの成分を加えて混合し、各組成の感光性樹脂液を得
た。
【0054】2インチ角の石英製ガラス基板を、中性洗
剤、水及びアルコールで順次洗浄してから、乾燥した。
このガラス基板上に、上で調製したそれぞれの感光性樹
脂液を所定の膜厚となるようにスピンコートし、次にク
リーンオーブン中、100℃で3分間プリベークした。
このレジスト膜の一部に、厚さ1.0mm、幅2.0cmのア
ルミニウム製遮光板をかぶせ、ウシオ電機社製の超高圧
水銀ランプを用いて、大気雰囲気下、塗膜全面に200
mJ/cm2 の露光量で光照射した。その後、非イオン性界
面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含有する
水系現像液に、上記塗膜を室温で2分間浸漬した。水洗
後、遮光した未露光部分が現像液に溶解して消失してい
るかどうかを観察した。引き続き、220℃で30分間
ポストベークを行った後、塗膜の表面状態を「200mJ
/cm2 残膜感度」として観察し、膜減りに起因する塗膜
の表面荒れが認められなかったものを「良好」、その表
面荒れが認められたものを「不良」とした。
【0055】さらに、表面状態が良好であったものにつ
いては、塗膜からの溶出塩素イオン量の測定を行った。
測定用基板は以下のとおりに作成した。すなわち、2イ
ンチ角の石英製ガラス基板上に、上と同様の方法でレジ
スト膜を形成し、その後、遮光板をかぶせることなく、
ウシオ電機社製の超高圧水銀ランプを用いて、大気雰囲
気下、塗膜全面に200mJ/cm2 の露光量で光照射し
た。引き続き、現像液に浸漬することなく、220℃で
30分間ポストベークを行い、得られた塗膜付き基板を
測定用試料とした。
【0056】塗膜からの溶出塩素イオン量の測定は、以
下のとおり行った。塗膜上に2cm×3cmの開口を有する
ガラス枠を置き、その開口内にN−メチル−2−ピロリ
ドン0.5cc を滴下し、開口部の塗膜全面にN−メチル
−2−ピロリドンが接触するよう、塗り広げた。これら
を40℃のホットプレート上に30分間放置した。その
後、さらに2.0cc のN−メチル−2−ピロリドンを加
えて得られた液について、溶出塩素イオン量を測定し
た。溶出塩素イオン量の測定は、横河アナリティカルシ
ステムズ社製の IC-7000型イオンクロマトグラフを用い
て行った。以上の結果を、組成の変量とともに表1にま
とめて示す。
【0057】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例 比較例 比較例 比較例 比較例 1 1 2 3 4 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ エポキシ化合物:エポリード GT401 3.0 部 − − 3.0 部 6.0 部 デナコール EX-321 − − 3.0 部 − − ──────────────────────────────────── 光ラジカル重合性モノマー 3.0 部 6.0 部 3.0 部 3.0 部 − ──────────────────────────────────── 光重合開始剤:トリアジン PP 1.4 部 1.4 部 1.4 部 − 1.4 部 イルガキュア 907 − − − 1.4 部 − ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ プリベーク後塗膜の現像液溶解性 可溶 可溶 可溶 可溶 可溶 200mJ/cm2 残膜感度 良好 良好 不良 不良 不良 ポストベーク後塗膜からの溶出塩素 3 9 − − − イオン量(ng/cm2) ──────────────────────────────────── 総合判定 ○ × × × × ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0058】表1からわかるように、本発明により、3
官能性の脂環式エポキシ化合物である“エポリード GT4
01”及び光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始
する“トリアジン PP ”を配合した実施例1の組成物か
ら得られた塗膜は、大気雰囲気下でも感度が高く、かつ
溶出塩素イオン量も少ない良好な結果を与えた。これに
対し、比較例1〜4の組成物から得られた塗膜は、感度
と溶出塩素イオン量抑制のバランスがとれず、不十分で
あった。
【0059】
【発明の効果】本発明の着色感光性樹脂組成物は、大気
雰囲気下での残膜感度が良好であり、少ない露光量で硬
化膜を形成することができる。したがって、この組成物
を顔料分散レジストとして使用し、カラーフィルターを
作製した場合に、高い生産性を確保できる。また、光ラ
ジカル重合と光カチオン重合の両方を開始することので
きる光重合開始剤として、s−トリアジン骨格を有する
化合物を使用した場合でも、そこから発生する塩化水素
などのハロゲン系不純物の量を抑制することができる。
したがって、この組成物からカラーフィルターを作製
し、液晶表示材料に使用した場合に、これら不純物に起
因する液晶の誤作動を大幅に低減することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C09D 4/06 C09D 4/06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)顔料、(B)カルボキシル基含有共
    重合体、(C)脂環式環に直接酸素原子が結合した脂環
    式エポキシ基を分子内に少なくとも3個有する光カチオ
    ン重合性化合物、(D)光ラジカル重合性モノマー、
    (E)光ラジカル重合と光カチオン重合の両方を開始す
    ることのできる光重合開始剤、及び(F)溶剤を含有す
    ることを特徴とする着色感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】光重合開始剤(E)が、s−トリアジン骨
    格を有する請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】光重合開始剤(E)が、s−トリアジン骨
    格にハロメチル基が結合した化合物である請求項2記載
    の組成物。
  4. 【請求項4】ハロメチル基がトリクロロメチル基である
    請求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】光カチオン重合性化合物(C)が、350
    以下のエポキシ当量を有する請求項1〜4のいずれかに
    記載の組成物。
  6. 【請求項6】カルボキシル基含有共重合体(B)、光カ
    チオン重合性化合物(C)及び光ラジカル重合性モノマ
    ー(D)の合計100重量部に対して、光カチオン重合
    性化合物(C)が0.1〜60重量部の範囲で存在する請
    求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 【請求項7】カルボキシル基含有共重合体(B)、光カ
    チオン重合性化合物(C)及び光ラジカル重合性モノマ
    ー(D)の合計100重量部に対して、光重合開始剤
    (E)が0.1〜50重量部の範囲で存在する請求項1〜
    6のいずれかに記載の組成物。
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