JPH11255874A - ブロック共重合体とその製法並びにフィルム及び繊維 - Google Patents
ブロック共重合体とその製法並びにフィルム及び繊維Info
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- JPH11255874A JPH11255874A JP6272998A JP6272998A JPH11255874A JP H11255874 A JPH11255874 A JP H11255874A JP 6272998 A JP6272998 A JP 6272998A JP 6272998 A JP6272998 A JP 6272998A JP H11255874 A JPH11255874 A JP H11255874A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 適度な吸水性と分解性を有し、モノフィラメ
ントでも十分な柔軟性があり、縫合糸として使用でき、
フィルムに成形した場合にも十分な強度を持つ生体適合
性に優れたブロック共重合体とその製法並びに該共重合
体からなるフィルム及び繊維を提供する。 【解決手段】 エチレンオキシドとプロピレンオキシド
とのブロック共重合体と脂肪族ジカルボン酸との重縮合
体からなるポリエーテルエステルブロック20〜95モ
ル%と、グリコリド又はジラクチドの開環重縮合体から
なるポリエステルブロック80〜5モル%とからなるブ
ロック共重合体、並びに該共重合体からなるフィルム及
び繊維、並びに、エチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドとのブロック共重合体と脂肪族ジカルボン酸との重縮
合体であって、重量平均分子量が10000〜3000
0でその分子末端の少なくとも一つに水酸基を有するポ
リエーテルエステルの存在下に、グリコリド又はジラク
チドを開環重縮合する前記ブロック共重合体の製法。
ントでも十分な柔軟性があり、縫合糸として使用でき、
フィルムに成形した場合にも十分な強度を持つ生体適合
性に優れたブロック共重合体とその製法並びに該共重合
体からなるフィルム及び繊維を提供する。 【解決手段】 エチレンオキシドとプロピレンオキシド
とのブロック共重合体と脂肪族ジカルボン酸との重縮合
体からなるポリエーテルエステルブロック20〜95モ
ル%と、グリコリド又はジラクチドの開環重縮合体から
なるポリエステルブロック80〜5モル%とからなるブ
ロック共重合体、並びに該共重合体からなるフィルム及
び繊維、並びに、エチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドとのブロック共重合体と脂肪族ジカルボン酸との重縮
合体であって、重量平均分子量が10000〜3000
0でその分子末端の少なくとも一つに水酸基を有するポ
リエーテルエステルの存在下に、グリコリド又はジラク
チドを開環重縮合する前記ブロック共重合体の製法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規ブロック共重
合体とその製法並びに該共重合体からなるフィルム及び
繊維に関し、更に詳しくは、生体適合性及び生分解性に
優れたブロック共重合体とその製法並びに該共重合体か
らなるフィルム及び繊維(例えば、生分解性フィルム、
生分解性繊維、生分解性成形体、生体吸収性縫合糸、生
体吸収性癒着防止膜、生体細胞培養床等)に関する。
合体とその製法並びに該共重合体からなるフィルム及び
繊維に関し、更に詳しくは、生体適合性及び生分解性に
優れたブロック共重合体とその製法並びに該共重合体か
らなるフィルム及び繊維(例えば、生分解性フィルム、
生分解性繊維、生分解性成形体、生体吸収性縫合糸、生
体吸収性癒着防止膜、生体細胞培養床等)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の生体適合性高分子化合
物が開発され、手術用縫合糸、人工血管、代替骨等の医
療用材料として利用されている。手術用縫合糸の材料と
しては、ポリグリコリド、ポリグラクチン(乳酸−グリ
コール酸共重合体)、ポリグリコネート(グリコリド−
トリメチレンカーボネート共重合体)、ポリジオキサノ
ン、ポリグリカプロン(グリコリド−ε−カプロラクト
ン共重合体)等が用いられている。このうち、ポリグリ
コリドやポリグラクチンの場合、弾性に乏しいために個
々のフィラメントを細くし、複数のフィラメントを編組
して1本の編糸にして用いられているが、編糸では表面
の凹凸が大きく、縫合の際に糸表面の凹凸により生体組
織を損傷する恐れがある。又、ポリグリコネート、ポリ
ジオキサノン、ポリグリカプロンの場合、モノフィラメ
ント型の縫合糸が開発されているが、分解速度がやや遅
く、そのため糸を細くすると強度が低下して、縫合強度
が下がるという欠点がある。
物が開発され、手術用縫合糸、人工血管、代替骨等の医
療用材料として利用されている。手術用縫合糸の材料と
しては、ポリグリコリド、ポリグラクチン(乳酸−グリ
コール酸共重合体)、ポリグリコネート(グリコリド−
トリメチレンカーボネート共重合体)、ポリジオキサノ
ン、ポリグリカプロン(グリコリド−ε−カプロラクト
ン共重合体)等が用いられている。このうち、ポリグリ
コリドやポリグラクチンの場合、弾性に乏しいために個
々のフィラメントを細くし、複数のフィラメントを編組
して1本の編糸にして用いられているが、編糸では表面
の凹凸が大きく、縫合の際に糸表面の凹凸により生体組
織を損傷する恐れがある。又、ポリグリコネート、ポリ
ジオキサノン、ポリグリカプロンの場合、モノフィラメ
ント型の縫合糸が開発されているが、分解速度がやや遅
く、そのため糸を細くすると強度が低下して、縫合強度
が下がるという欠点がある。
【0003】又、ポリ−L−乳酸の利用が検討されてい
るが、ポリ−L−乳酸は、分解吸収速度が遅いため、ポ
リエチレングリコールやポリプロピレングリコールのよ
うなポリエーテルとのブロック共重合体を形成させて、
その物性制御を行うという試みもなされてきた。しかし
ながら、ポリエチレングリコールは親水性が、ポリプロ
ピレングリコールは疎水性が高いため、ポリエチレング
リコールとの共重合体においては含水率が高く繊維強度
を保持しにくいとか、ポリプロピレングリコールとの共
重合体においては吸水性の向上が見られない等により、
生成するブロック共重合体の物性制御が困難であった。
るが、ポリ−L−乳酸は、分解吸収速度が遅いため、ポ
リエチレングリコールやポリプロピレングリコールのよ
うなポリエーテルとのブロック共重合体を形成させて、
その物性制御を行うという試みもなされてきた。しかし
ながら、ポリエチレングリコールは親水性が、ポリプロ
ピレングリコールは疎水性が高いため、ポリエチレング
リコールとの共重合体においては含水率が高く繊維強度
を保持しにくいとか、ポリプロピレングリコールとの共
重合体においては吸水性の向上が見られない等により、
生成するブロック共重合体の物性制御が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたもので、従って、適度な吸水性と分
解性を有し、モノフィラメントでも十分な柔軟性があ
り、縫合糸として使用でき、フィルムに成形した場合に
も十分な強度を持つ生体適合性に優れたブロック共重合
体とその製法並びに該共重合体からなるフィルム及び繊
維を提供することを目的とする。
術に鑑みてなされたもので、従って、適度な吸水性と分
解性を有し、モノフィラメントでも十分な柔軟性があ
り、縫合糸として使用でき、フィルムに成形した場合に
も十分な強度を持つ生体適合性に優れたブロック共重合
体とその製法並びに該共重合体からなるフィルム及び繊
維を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、エチレンオキ
シドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体と脂肪
族ジカルボン酸との重縮合体からなるポリエーテルエス
テルブロック20〜95モル%と、グリコリド又はジラ
クチドの開環重縮合体からなるポリエステルブロック8
0〜5モル%とからなるブロック共重合体、並びに該共
重合体からなるフィルム及び繊維、を要旨とする。更
に、本発明は、エチレンオキシドとプロピレンオキシド
とのブロック共重合体と脂肪族ジカルボン酸との重縮合
体であって、重量平均分子量が10000〜30000
でその分子末端の少なくとも一つに水酸基を有するポリ
エーテルエステルの存在下に、グリコリド又はジラクチ
ドを開環重縮合する前記ブロック共重合体の製法、を要
旨とする。
シドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体と脂肪
族ジカルボン酸との重縮合体からなるポリエーテルエス
テルブロック20〜95モル%と、グリコリド又はジラ
クチドの開環重縮合体からなるポリエステルブロック8
0〜5モル%とからなるブロック共重合体、並びに該共
重合体からなるフィルム及び繊維、を要旨とする。更
に、本発明は、エチレンオキシドとプロピレンオキシド
とのブロック共重合体と脂肪族ジカルボン酸との重縮合
体であって、重量平均分子量が10000〜30000
でその分子末端の少なくとも一つに水酸基を有するポリ
エーテルエステルの存在下に、グリコリド又はジラクチ
ドを開環重縮合する前記ブロック共重合体の製法、を要
旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のブロック共重合体を構成
するポリエーテルエステルブロックにおけるジオール成
分としてのエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの
ブロック共重合体としては、ポリエチレンオキシドとポ
リプロピレンオキシドとのジブロック、又は、ポリエチ
レンオキシドとポリプロピレンオキシドとポリエチレン
オキシドとのトリブロック等のいずれでもよい。
するポリエーテルエステルブロックにおけるジオール成
分としてのエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの
ブロック共重合体としては、ポリエチレンオキシドとポ
リプロピレンオキシドとのジブロック、又は、ポリエチ
レンオキシドとポリプロピレンオキシドとポリエチレン
オキシドとのトリブロック等のいずれでもよい。
【0007】又、本発明のブロック共重合体を構成する
ポリエーテルエステルブロックにおけるジカルボン酸成
分としての脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚
酸、アジピン酸、1,10−デカンジカルボン酸等が挙
げられる。又、本発明のブロック共重合体を構成するポ
リエステルブロックには、グリコリド又はジラクチドが
用いられる。
ポリエーテルエステルブロックにおけるジカルボン酸成
分としての脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚
酸、アジピン酸、1,10−デカンジカルボン酸等が挙
げられる。又、本発明のブロック共重合体を構成するポ
リエステルブロックには、グリコリド又はジラクチドが
用いられる。
【0008】本発明のブロック共重合体は、前記エチレ
ンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体
と前記脂肪族ジカルボン酸との重縮合体からなるポリエ
ーテルエステルブロック20〜95モル%、好ましくは
30〜90モル%と、前記グリコリド又はジラクチドの
開環重縮合体からなるポリエステルブロック80〜5モ
ル%、好ましくは70〜10モル%とからなる。ポリエ
ーテルエステルブロックの割合が前記範囲未満では、ブ
ロック共重合体としての伸びがなくなり、又、前記範囲
超過では、ブロック共重合体としての強度がなくなる。
ンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体
と前記脂肪族ジカルボン酸との重縮合体からなるポリエ
ーテルエステルブロック20〜95モル%、好ましくは
30〜90モル%と、前記グリコリド又はジラクチドの
開環重縮合体からなるポリエステルブロック80〜5モ
ル%、好ましくは70〜10モル%とからなる。ポリエ
ーテルエステルブロックの割合が前記範囲未満では、ブ
ロック共重合体としての伸びがなくなり、又、前記範囲
超過では、ブロック共重合体としての強度がなくなる。
【0009】又、本発明のブロック共重合体は、重量平
均分子量が50000〜1000000であるのが好ま
しく、60000〜800000であるのが更に好まし
い。
均分子量が50000〜1000000であるのが好ま
しく、60000〜800000であるのが更に好まし
い。
【0010】本発明の前記ブロック共重合体は、前記エ
チレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重
合体と前記脂肪族ジカルボン酸との重縮合体であって、
重量平均分子量が10000〜30000でその分子末
端の少なくとも一つに水酸基を有するポリエーテルエス
テルの存在下に、グリコリド又はジラクチドを開環重縮
合することにより製造することができる。
チレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重
合体と前記脂肪族ジカルボン酸との重縮合体であって、
重量平均分子量が10000〜30000でその分子末
端の少なくとも一つに水酸基を有するポリエーテルエス
テルの存在下に、グリコリド又はジラクチドを開環重縮
合することにより製造することができる。
【0011】前段のエチレンオキシドとプロピレンオキ
シドとのブロック共重合体と脂肪族ジカルボン酸との重
縮合は、通常のバルク重合法、又は、例えば、ジフェニ
ルエーテル、アニソール等の溶媒を用いた溶液重合法等
により、酸化錫、オクチル酸錫、テトラフェニル錫、ジ
ブチル錫オキシド等の錫化合物、トリメチルアルミニウ
ム−水、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウ
ム化合物、ジエチル亜鉛−水等の亜鉛化合物、或いはイ
ットリウムアルコキシド等の重縮合触媒を用い、通常1
50〜250℃、好ましくは180〜220℃の温度
で、通常5〜20時間反応させることによりなされる。
シドとのブロック共重合体と脂肪族ジカルボン酸との重
縮合は、通常のバルク重合法、又は、例えば、ジフェニ
ルエーテル、アニソール等の溶媒を用いた溶液重合法等
により、酸化錫、オクチル酸錫、テトラフェニル錫、ジ
ブチル錫オキシド等の錫化合物、トリメチルアルミニウ
ム−水、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウ
ム化合物、ジエチル亜鉛−水等の亜鉛化合物、或いはイ
ットリウムアルコキシド等の重縮合触媒を用い、通常1
50〜250℃、好ましくは180〜220℃の温度
で、通常5〜20時間反応させることによりなされる。
【0012】後段のグリコリド又はジラクチドの開環重
縮合は、通常のバルク重合法、又は、例えば、ジオキサ
ン、ジフェニルエーテル、アニソール等の溶媒を用いた
溶液重合法等、好ましくはバルク重合法により、前記と
同様の重縮合触媒を用い、グリコリドの場合は、通常1
80〜230℃、好ましくは200〜220℃、ジラク
チドの場合は、通常140〜190℃、好ましくは16
0〜170℃の温度で、通常20分〜2時間反応させる
ことによりなされる。
縮合は、通常のバルク重合法、又は、例えば、ジオキサ
ン、ジフェニルエーテル、アニソール等の溶媒を用いた
溶液重合法等、好ましくはバルク重合法により、前記と
同様の重縮合触媒を用い、グリコリドの場合は、通常1
80〜230℃、好ましくは200〜220℃、ジラク
チドの場合は、通常140〜190℃、好ましくは16
0〜170℃の温度で、通常20分〜2時間反応させる
ことによりなされる。
【0013】本発明の前記ブロック共重合体は、通常の
成形方法により、フィルム、繊維、その他成形体等に成
形され、例えば、生分解性フィルム、生分解性繊維、生
分解性成形体、生体吸収性縫合糸、生体吸収性癒着防止
膜、生体細胞培養床等に好適に使用される。
成形方法により、フィルム、繊維、その他成形体等に成
形され、例えば、生分解性フィルム、生分解性繊維、生
分解性成形体、生体吸収性縫合糸、生体吸収性癒着防止
膜、生体細胞培養床等に好適に使用される。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。
【0015】実施例1 攪拌機付きガラス重合管に、エチレンオキシド/プロピ
レンオキシドブロック共重合体(数平均分子量835
0、旭電化社製「プルロニックF68」)90g、1,
10−デカンジカルボン酸2.41g、酸化錫0.9
g、及びジフェニルエーテル90gを仕込み、2時間か
けて減圧し、10mmHg、180℃で20時間重合し
た。得られた重合溶液を、大量のヘキサンに投入して再
沈し、熱風乾燥機で乾燥して白色フレーク状のポリマー
82gを得た。GPCより求めたこのポリマーの重量平
均分子量は23500であった。
レンオキシドブロック共重合体(数平均分子量835
0、旭電化社製「プルロニックF68」)90g、1,
10−デカンジカルボン酸2.41g、酸化錫0.9
g、及びジフェニルエーテル90gを仕込み、2時間か
けて減圧し、10mmHg、180℃で20時間重合し
た。得られた重合溶液を、大量のヘキサンに投入して再
沈し、熱風乾燥機で乾燥して白色フレーク状のポリマー
82gを得た。GPCより求めたこのポリマーの重量平
均分子量は23500であった。
【0016】引き続いて、攪拌機付きガラス重合管に、
得られた前記ポリマー10g、ジラクチド40g、及び
オクチル酸錫0.04gを仕込み、窒素ガス雰囲気下、
160℃で30分間重縮合した。生成ポリマーをクロロ
ホルムに溶解した後、大量のメタノールに投入して再沈
し、熱風乾燥機で乾燥して白色フレーク状のブロック共
重合体38gを得た。得られたブロック共重合体につい
て、図1に示す 1H−NMRスペクトルより求めたポリ
エーテルエステルブロックとポリエステルブロックのモ
ル比は25:75、GPCより求めた重量平均分子量は
122500、図2に示すDSCの吸熱スペクトルより
求めたガラス転移温度は28℃、融点は165℃であっ
た。
得られた前記ポリマー10g、ジラクチド40g、及び
オクチル酸錫0.04gを仕込み、窒素ガス雰囲気下、
160℃で30分間重縮合した。生成ポリマーをクロロ
ホルムに溶解した後、大量のメタノールに投入して再沈
し、熱風乾燥機で乾燥して白色フレーク状のブロック共
重合体38gを得た。得られたブロック共重合体につい
て、図1に示す 1H−NMRスペクトルより求めたポリ
エーテルエステルブロックとポリエステルブロックのモ
ル比は25:75、GPCより求めた重量平均分子量は
122500、図2に示すDSCの吸熱スペクトルより
求めたガラス転移温度は28℃、融点は165℃であっ
た。
【0017】実施例2 後段の重縮合において、ジラクチドに変えてグリコリド
を用い、反応温度を225℃とした外は、実施例1と同
様の手順で重縮合を行いブロック共重合体を得た。得ら
れたブロック共重合体について、 1H−NMRスペクト
ルより求めたポリエーテルエステルブロックとポリエス
テルブロックのモル比は25:75、GPCより求めた
重量平均分子量は115500、DSCの吸熱スペクト
ルより求めたガラス転移温度は14℃、融点は210℃
であった。
を用い、反応温度を225℃とした外は、実施例1と同
様の手順で重縮合を行いブロック共重合体を得た。得ら
れたブロック共重合体について、 1H−NMRスペクト
ルより求めたポリエーテルエステルブロックとポリエス
テルブロックのモル比は25:75、GPCより求めた
重量平均分子量は115500、DSCの吸熱スペクト
ルより求めたガラス転移温度は14℃、融点は210℃
であった。
【0018】実施例3 後段の重縮合において、前段で得られたポリマーを30
gとし、オクチル酸錫を0.1gとし、反応時間を2時
間とした外は、実施例1と同様の手順で後段の重縮合を
行いブロック共重合体57.6gを得た。得られたブロ
ック共重合体について、GPCより求めた重量平均分子
量は134000であった。
gとし、オクチル酸錫を0.1gとし、反応時間を2時
間とした外は、実施例1と同様の手順で後段の重縮合を
行いブロック共重合体57.6gを得た。得られたブロ
ック共重合体について、GPCより求めた重量平均分子
量は134000であった。
【0019】実施例4 後段の重縮合において、前段で得られたポリマーを40
g、ジラクチドを10gとし、オクチル酸錫を0.5g
とし、反応時間を20分間とした外は、実施例1と同様
の手順で後段の重縮合を行いブロック共重合体47.3
gを得た。得られたブロック共重合体について、GPC
より求めた重量平均分子量は123000であった。更
に、得られたブロック共重合体のクロロホルム溶液から
キャストフィルム(厚さ25μm)を作製し、幅4mm
で長さ20mmに打ち抜いたサンプルについて、引張試
験機を用いて引張速度50mm/分で測定した初期弾性
率は25MPa、引張強度は15MPa、伸びは137
0%であった。
g、ジラクチドを10gとし、オクチル酸錫を0.5g
とし、反応時間を20分間とした外は、実施例1と同様
の手順で後段の重縮合を行いブロック共重合体47.3
gを得た。得られたブロック共重合体について、GPC
より求めた重量平均分子量は123000であった。更
に、得られたブロック共重合体のクロロホルム溶液から
キャストフィルム(厚さ25μm)を作製し、幅4mm
で長さ20mmに打ち抜いたサンプルについて、引張試
験機を用いて引張速度50mm/分で測定した初期弾性
率は25MPa、引張強度は15MPa、伸びは137
0%であった。
【0020】実施例5 実施例3で得られたブロック共重合体について、直径
0.5mmの単孔の紡糸口金を備えた押出機を用い、供
給ゾーン温度150℃、溶融ゾーン温度180℃、口金
温度150℃、スクリュー回転数70rpm、押出速度
0.08g/分、引取速度0.72m/分の条件で、直
径0.21mmのモノフィラメントを成形した。得られ
たモノフィラメントを40℃で10倍に延伸して得られ
た延伸モノフィラメントについて、引張試験機を用いて
引張速度50mm/分で測定した初期弾性率は1.8G
Pa、引張強度は340MPa、伸びは120%であっ
た。
0.5mmの単孔の紡糸口金を備えた押出機を用い、供
給ゾーン温度150℃、溶融ゾーン温度180℃、口金
温度150℃、スクリュー回転数70rpm、押出速度
0.08g/分、引取速度0.72m/分の条件で、直
径0.21mmのモノフィラメントを成形した。得られ
たモノフィラメントを40℃で10倍に延伸して得られ
た延伸モノフィラメントについて、引張試験機を用いて
引張速度50mm/分で測定した初期弾性率は1.8G
Pa、引張強度は340MPa、伸びは120%であっ
た。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、適度な吸水性と分解性
を有し、モノフィラメントでも十分な柔軟性があり、縫
合糸として使用でき、フィルムに成形した場合にも十分
な強度を持つ生体適合性に優れたブロック共重合体とそ
の製法並びに該共重合体からなるフィルム及び繊維を提
供することができる。
を有し、モノフィラメントでも十分な柔軟性があり、縫
合糸として使用でき、フィルムに成形した場合にも十分
な強度を持つ生体適合性に優れたブロック共重合体とそ
の製法並びに該共重合体からなるフィルム及び繊維を提
供することができる。
【図1】 実施例1で製造したブロック共重合体の 1H
−NMRスペクトルである。
−NMRスペクトルである。
【図2】 実施例1で製造したブロック共重合体のDS
Cの吸熱スペクトルである。
Cの吸熱スペクトルである。
Claims (5)
- 【請求項1】 エチレンオキシドとプロピレンオキシド
とのブロック共重合体と脂肪族ジカルボン酸との重縮合
体からなるポリエーテルエステルブロック20〜95モ
ル%と、グリコリド又はジラクチドの開環重縮合体から
なるポリエステルブロック80〜5モル%とからなるこ
とを特徴とするブロック共重合体。 - 【請求項2】 重量平均分子量が50000〜1000
000である請求項1に記載のブロック共重合体。 - 【請求項3】 エチレンオキシドとプロピレンオキシド
とのブロック共重合体と脂肪族ジカルボン酸との重縮合
体であって、重量平均分子量が10000〜30000
でその分子末端の少なくとも一つに水酸基を有するポリ
エーテルエステルの存在下に、グリコリド又はジラクチ
ドを開環重縮合することを特徴とする請求項1又は2に
記載のブロック共重合体の製法。 - 【請求項4】 請求項1又は2に記載のブロック共重合
体からなるフィルム。 - 【請求項5】 請求項1又は2に記載のブロック共重合
体からなる繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6272998A JPH11255874A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | ブロック共重合体とその製法並びにフィルム及び繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6272998A JPH11255874A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | ブロック共重合体とその製法並びにフィルム及び繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11255874A true JPH11255874A (ja) | 1999-09-21 |
Family
ID=13208759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6272998A Pending JPH11255874A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | ブロック共重合体とその製法並びにフィルム及び繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11255874A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020008246A (ko) * | 2000-07-20 | 2002-01-30 | 이찬우 | 생분해성 폴리머 조성물 |
WO2012169790A3 (ko) * | 2011-06-07 | 2013-03-07 | 주식회사 엘지화학 | 락타이드 공중합체를 포함하는 포장용 필름 |
-
1998
- 1998-03-13 JP JP6272998A patent/JPH11255874A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020008246A (ko) * | 2000-07-20 | 2002-01-30 | 이찬우 | 생분해성 폴리머 조성물 |
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CN103597007A (zh) * | 2011-06-07 | 2014-02-19 | Lg化学株式会社 | 包含丙交酯共聚物的包装膜 |
US9074042B2 (en) | 2011-06-07 | 2015-07-07 | Lg Chem, Ltd. | Packaging film including a lactide copolymer |
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