JPH11255553A - 生分解性ロックウールシート及びその製造方法 - Google Patents

生分解性ロックウールシート及びその製造方法

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JPH11255553A
JPH11255553A JP5861098A JP5861098A JPH11255553A JP H11255553 A JPH11255553 A JP H11255553A JP 5861098 A JP5861098 A JP 5861098A JP 5861098 A JP5861098 A JP 5861098A JP H11255553 A JPH11255553 A JP H11255553A
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rock wool
heat
biodegradable
fibers
sheet
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JP5861098A
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Toru Oishi
大石  徹
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Original Assignee
SHINNIKKA ROCK WOOL KK
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    • F16L59/00Thermal insulation in general
    • F16L59/04Arrangements using dry fillers, e.g. using slag wool which is added to the object to be insulated by pouring, spreading, spraying or the like
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性を有し、しかも柔軟性があって加工
が容易であり、強度も改善されたロックウールシート、
及びその有利な製造方法を提供する。 【解決手段】 ロックウール100重量部に対し生分解
性を有する熱融着性有機繊維5〜20重量部を含有し、
これらの繊維が混合状態でニードリング及び熱融着され
てなる生分解性ロックウールシート。また、ロックウー
ル粒状綿100重量部に対し生分解性を有する熱融着性
有機繊維2〜18重量部を混合し、この混合物を開繊
し、開繊された繊維混合物をマット状に集積し、このマ
ットをニードリングし、さらに熱融着する生分解性ロッ
クウールシートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性ロックウ
ールシート及びその製造方法に関し、さらに詳しくは植
物用マルチ材、屋上緑化用シート、水耕栽培用シート、
底面灌水用シート等の各種植物育成資材・農業資材や、
土壌浸食防止材、排水用フィルター・ドレン材等の各種
土木建設資材として有用な生分解性ロックウールシート
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ロックウールは、その優れた
断熱性能により住宅用断熱材、エアダクト用断熱材、工
業プラント用保温断熱材など各種断熱材として、またそ
の吸音特性を利用して間仕切壁やプラントの吸音材とし
て、さらにその不燃耐火性により建築物の耐火被覆吹付
材、工業用炉の耐火被覆材として広く用いられている。
また、優れた保水性と植物の根に対する親和性から、水
稲育苗マット、水耕栽培資材、植樹用資材など各種植物
育成資材としても欠かせないものである。
【0003】これらのロックウールには、フェノール樹
脂等の高分子系バインダーで板状に成形したロックウー
ルフェルトや、同様にしてマット状に成形したロックウ
ールマットの表面にプラスチックフィルム、アファルト
含浸紙、寒冷紗等を貼りつけた表面被覆ロックウールマ
ットや、ロックウールマットの両面に金属製ラスを配し
てワイヤーで縫い合わせたラスボードや、ロックウール
マットをワイヤーで縫い合わせただけのワイヤードブラ
ンケットなど各種製品が知られている。
【0004】これらのロックウール製品にはさまざまな
問題がある。バインダーで成形したロックウールフェル
トは、柔軟性に乏しく施工時の曲げ加工が困難であり、
表面被覆ロックウールマットは、当然のことながら表面
材の耐熱温度以下でしか使用できず、ロックウールのも
つ高耐熱性を生かしきれない。ラスボードはバインダー
使用によりやはり柔軟性に乏しく、ルーズなロックウー
ルをそのまま使用しているワイヤードブランケットは、
ロックウール繊維同士の絡みが少なく、加工中や使用中
にロックウール繊維が脱落することがある。また、ワイ
ヤー自体が酸化されたり、雰囲気ガスで腐食されたりす
る。
【0005】このような問題を解決したロックウール製
品として、特開昭62−128959号公報には、ロッ
クウールにつなぎ用の他種繊維を混合してなるマットに
ニードルパンチング加工を施し、繊維を相互に絡み合わ
せたロックウールブランケットが提案されている。他種
繊維として、具体的にはガラス繊維、セラミックファイ
バー、天然及び合成の有機繊維を用いるものである。こ
のロックウールブランケットは、柔軟性があって加工が
容易という利点があるが、引っ張り強度に改善の余地が
ある。
【0006】また、特開平1−298262号公報に
は、不連続繊維で形成され、製品の三次元構造において
任意の方向を指向し、空気流による乾式法で集めたロッ
クウール等の無機繊維を、含有させた結合材により結合
させるか、あるいはニードリングして一体化した不織地
製品が提案されている。この方法によって軽量で強度の
あるロックウールシート等の不織布製品が製造できる
が、特殊な製造設備を必要とし、さらに設備の生産性が
低いという問題がある。
【0007】これらのロックウール製品に用いられるロ
ックウール自体は、石灰、珪酸、アルミナなどを主成分
とするやや塩基性の無機材料であって、土壌試験のク溶
性試験では溶出が認められる分解性材料である。しかし
ながら、従来のロックウール製品には、高分子系バイン
ダーを始めプラスチックフィルムなど生分解性に乏しい
材料が用いられているため、使用済みのロックウール製
品が廃棄されると環境汚染の問題がある。一方、ロック
ウールはその優れた耐熱性が故に焼却処分も難しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、生分解性を有し、しかも柔軟性があって加工が
容易であり、強度も改善されたロックウールシート及び
その有利な製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明で脱シ
ョットされたロックウール100重量部に対し生分解性
を有する熱融着性有機繊維3〜20重量部を含有し、こ
れらの繊維が混合状態でニードリング及び熱融着されて
なる生分解性ロックウールシートである。
【0010】また、本発明は、ロックウール粒状綿10
0重量部に対し生分解性を有する熱融着性有機繊維2〜
18重量部を混合し、この混合物を開繊し、開繊された
繊維混合物をマット状に集積し、このマットをニードリ
ングし、さらに熱融着する生分解性ロックウールシート
の製造方法である。
【0011】本発明の生分解性ロックウールシート(ロ
ックウールシートともいう)は、実質的にショットのな
いロックウールと生分解性を有する熱融着性有機繊維で
構成され、これらの繊維が混合状態でニードリングさ
れ、さらに熱融着されたシート状ロックウール製品であ
り、良好な生分解性を示す。
【0012】本発明の生分解性ロックウールシートの主
原料として用いられるロックウールは、高炉スラグ、電
気炉スラグ等の各種冶金スラグや、玄武岩、輝緑岩等の
天然岩石や、あるいはこれらの混合物を、電気炉やキュ
ポラなどで溶解し、これを遠心力及び/又は加圧気体で
製綿して得られるものである。このロックウールは、C
aO、SiO2 、Al2 3 を主成分とし、他にMg
O、Fe2 3 などを含有する。なお、酸性雨対策用の
ロックウールシートには、塩基性の高いスラグ原料を用
いたスラグ系ロックウールが好ましい。ロックウールの
形状としては、粒状に丸めた粒状綿、マット状の層状綿
などがあるが、ロックウールシート用原料としては、他
種繊維との混合性の観点から粒状綿が好ましい。
【0013】ロックウールは、繊維径4〜5μmのロッ
クウール繊維の他にショットと称される未繊維化の粒状
物を多量に含有する。ロックウールのショットの含有率
は、製法にもよるが、粒状綿で40〜50重量%程度で
ある。このショットは、ロックウールシートの軽量性を
損なうだけでなく、断熱性を低下させ、またザラザラし
た触感を与え、加工時や施工時に粉状物として脱落して
周辺を汚染する。本発明の生分解性ロックウールシート
に含有されるロックウールは、このショットの大半が脱
ショットされたロックウールである。したがって、原料
のロックウールとして予め脱ショットされたロックウー
ルを用いるか、あるいは通常のロックウールを用いてロ
ックウールシートの製造工程で脱ショットする必要があ
るが、好ましくは後者である。脱ショットされたロック
ウールのショット含有率は、20重量%程度以下、好ま
しくは10重量%程度以下、より好ましくは5重量%程
度以下である。
【0014】また、主材のロックウールに混合される、
生分解性を有する熱融着性有機繊維(熱融着性繊維とも
いう)とは、生分解性を有しかつ熱融着性を示す有機繊
維をいう。この熱融着性とは、一定温度(融点又は軟化
点)以上に加熱することによって他の繊維に融着するこ
とをいい、熱可塑性を含む。生分解性のない熱融着性有
機繊維、例えばポリエステル繊維やポリエチレン繊維な
どを用いると、生分解性ロックウールシートが得られな
い。また、生分解性を有しても熱融着性を示さない有機
繊維、例えば木綿、レーヨンのみを用いると、引っ張り
強度の低いロックウールシートしか得られない。しか
し、生分解性を有する熱融着性有機繊維に加えて、生分
解性を有するが熱融着性を示さない有機繊維、例えば木
綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維やレーヨン、スフ等の再
生繊維やこれらの反毛を併用することもできる。
【0015】このような生分解性を有する熱融着性有機
繊維の具体例として、ポリ乳酸繊維が挙げられる。ポリ
乳酸繊維は、H〔CH(CH3)COO−〕n H (n=
1500〜2500)のポリマー組成を有する乳酸重合
物からなる。なお、ポリ乳酸繊維以外の有機繊維でも、
生分解性と熱融着性を併せもつ有機繊維であればなんら
差し支えない。
【0016】ロックウールに混合される熱融着繊維は、
10〜150mm程度、好ましくは20〜100mm程
度の繊維長を有するものがよい。繊維長が10mmより
短いものは、ロックウール繊維同士を接着するバインダ
ー効果が小さく、150mmを超えるものはロックウー
ルとの混合が困難になる。
【0017】本発明の生分解性ロックウールシートにお
ける熱融着繊維の含有割合は、脱ショットされたロック
ウール100重量部に対し3〜20重量部、好ましくは
5〜15重量部である。熱融着繊維が3重量部より少な
いとロックウールシートの作業強度が低下し、ハンドリ
ングや加工が困難になり、また20重量部を超えると耐
熱性が低下するのみならず、コストが増えて経済性が損
なわれる。なお、生分解性を有する熱融着性有機繊維
と、生分解性を有するが熱融着性を示さない有機繊維を
併用すると、高価な熱融着繊維の含有割合を低くしても
強度のあるロックウールシートが得られる。
【0018】本発明のロックウールシートは、前記の繊
維混合物がニードリングされ、さらに熱融着されてなる
ものである。ニードリングは、従来より公知のニードル
パンチングマシンを用いて行うことができ、かぎ針に引
っかけられた繊維で繊維混合物が縫い合わせられてい
る。このニードリングの際、主に熱融着繊維が縫い糸と
なり、つなぎ材の役割を担っている。ニードリングされ
ていない繊維混合物は、フワフワのマット状であり、圧
力をかけるとシート状になるが、圧力を解放すると元の
マットにもどり、シート状を保持できない。このような
マットを熱融着しても、強度と柔軟性のあるシート製品
は得られない。
【0019】ニードリングされたロックウールシート
(ニードリングシートともいう)は、脱ショットされた
ロックウール、熱融着繊維ともに平滑な繊維で滑りやす
く、繊維同士の絡みもニードリング箇所に限られている
ので、長さ方向、幅方向の引っ張り強度が十分ではな
い。また、繊維の配行方向が水平で層状に形成されてい
るので、厚さ方向の引っ張り力には弱く、層間剥離を起
こしやすい傾向がある。
【0020】本発明のロックウールシートは、このニー
ドリングシートをさらに熱融着してなるものである。こ
の熱融着は、ニードリングシートを熱融着繊維の融解温
度(融点又は軟化点)以上の温度に加熱することによっ
て、シート中に分散混合されている熱融着繊維を融解
し、その融着物で層状に集積された繊維同士を接着する
ものである。いったん、融解した熱融着繊維は、冷える
と元の繊維にもどるが他繊維との接着部を強固に固結
し、繊維状バインダーとして機能する。
【0021】このように、熱融着繊維を用い、これを熱
融着した本発明のロックウールシートは、ロックウール
繊維同士の滑り性を維持しつつ、熱融着繊維(バインダ
ー)で構成されたネットワークなどに基づき実用的に十
分な復元力と高い引っ張り強度を有する。本発明のロッ
クウールシートは、繊維同士が効率よく接着されている
ので、優れた長さ方向、幅方向の引っ張り強度を有し、
厚さ方向の引っ張り強度もかなり改善されている。これ
に対し、従来のようにフェノール樹脂等の高分子系バイ
ンダーでロックウール繊維同士を接着剤したものは、見
かけ上の圧縮強度はあるものの、圧縮されるとロックウ
ール繊維が座屈して破断し、復元力に欠ける。
【0022】本発明のロックウールシートの厚さは、そ
の用途により異なるが、通常3〜20mm程度であるこ
とが好ましい。ロックウールシートが薄すぎると強度が
出にくく、厚すぎると加工や施工時に折り曲げなどの加
工がしにくくなり、またコスト高となり経済性が損なわ
れる。また、ロックウールシートの目付量は、0.2〜
3kg/m2 程度であり、用途によって適宜選択するこ
とができる。原料繊維の供給速度を変えたり、開繊され
た繊維の集積速度を変えることにより、所望の厚さと目
付量のロックウールシートを製造することができる。
【0023】次に、本発明のロックウールシートの製造
方法について説明する。本発明のロックウールシート
は、原料調合工程、解繊工程、積層工程、ニードリング
工程及び熱融着工程を加えた5工程で製造することがで
きる。
【0024】まず、原料のロックウールと熱融着繊維を
混合し、目的のロックウールシートを与える配合割合の
原料調合物を得る(原料調合工程)。この原料調合工程
の役割は原料繊維を混合することにあるが、混合の際あ
る程度解繊(予備解繊)してもよい。この工程は、回転
棒又は回転羽根を有する調合機などに原料を同時又は交
互に供給し、軽く攪拌混合することでよい。
【0025】原料ロックウールに含有されるショット
は、かなりの部分が主として解繊工程でロックウール繊
維と分離される。原料調合工程では、脱ショットによる
ロックウールの目減り分を考慮して、繊維の混合割合を
決めることが肝要である。本発明で規定するロックウー
ルシートの繊維含有量、すなわちロックウール100重
量部に対し熱融着繊維3〜20重量部となるようにする
には、原料調合工程において、原料ロックウール(ショ
ット含有)100重量部に対し熱融着繊維が2〜18重
量部程度となるように混合することでよい。この繊維の
混合割合は、解繊工程での脱ショット率によって補正す
ることが好ましい。
【0026】次に、この原料調合物を解繊し、ロックウ
ール中のショットを脱ショットすると共に各繊維ができ
るだけ均一に混合された繊維混合物を得る(解繊工
程)。この解繊工程には、公知の各種解繊機を用いるこ
とできる。特に、カードと称される主解繊機と複数の補
助ロールで構成されるカード式解繊機を用いると、製品
中のショット含有率が低く、解繊効率も高いので好まし
い。
【0027】解繊工程で解繊され、脱ショットされた繊
維混合物を空気輸送し、これをネットコンベアなどの上
に集積してロックウールマットを形成する(積層工
程)。ロックウールマットの厚さと嵩密度は、原料調合
工程への原料供給速度及び/又は積層工程の積層速度
(ネットコンベア等の移動速度)を制御することによ
り、決めることができる。
【0028】積層工程で形成されたロックウールマット
を移動コンベアでニードリング機械に供給し、所定厚さ
に押さえながらニードリング加工する。このニードリン
グ加工は、多数のかぎ針をマット面に対し垂直方向に上
下させ、繊維と繊維を絡ませる加工技術であり、公知の
ニードリングパンチングマシンを用いて行なうことがで
きる。
【0029】次いで、このニードリングシートを加熱
し、熱融着繊維を融着させる(熱融着工程)。熱融着工
程は、公知の加熱ロール、加熱サクションロールやトン
ネル炉などを用い、熱融着繊維の融解温度以上の温度、
例えばポリ乳酸繊維では180〜200℃程度に加熱保
持することでよい。
【0030】熱融着工程を経たロックウールシートは、
カッターで所定形状に裁断し、板状のシート製品とした
り、ロール状に巻き取ってロール製品とすることができ
る。
【0031】本発明の生分解性ロックウールシートは、
自然環境の中で使用されそのまま放置されたり、使用済
み製品が廃棄されたりしても、徐々に生分解され、環境
を汚染することがない。また、柔軟性がある上に優れた
引っ張り強度を有するので、その加工や施工が容易であ
り、強度が要求される用途にも適している。さらに、耐
熱性に優れたロックウールを主体としているので、耐熱
性の要求される用途にも使用可能である。
【0032】特に、本発明の生分解性ロックウールシー
トは、優れた吸水性と保水性を有するのみならず、酸性
物質を中和する能力が極めて高く、植物育成資材・農業
資材として極めて好適な材料である。この理由は、主材
のロックウールがクエン酸等の有機酸で容易に分解され
る塩基性材料であることに加えて、繊維状バインダーで
ある生分解性熱融着性有機繊維が親水性材料であって、
撥発性がないことによるものと考えられる。これに対
し、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂バインダーを用い
たロックウールフェルトなどは、バインダーの撥発性の
ため、ロックウールの有する酸中和力を大幅に減殺して
いる。それゆえ、本発明の生分解性ロックウールシート
は、近年問題になっている酸性雨対策に極めて好適な資
材である。また、これを土壌中に埋設すると酸性土壌の
pH矯正効果が期待できる。
【0033】本発明の生分解性ロックウールシートは、
植物育成資材、農業資材、土木資材のほか建築資材、工
業用資材などとしてさまざまな用途に用いられる。具体
的には、植物育成資材・農業資材としては、酸性雨対策
用マルチシート、水稲育苗用ロングシート、芝草用シー
ト、防草シート、屋上・ベランダ緑化用シート、植樹用
マルチ材、根巻き材料、水耕栽培用シート、底面灌水用
シート、農業用断熱材などが挙げられる。また、土木資
材としては、酸性土壌pH矯正材、土壌浸食防止材、保
雪材、暗渠排水用フィルター、排水用ドレンなどに好適
に使用することができる。さらに、建築資材、工業用資
材としては、建築用断熱材や耐火被覆材、工業装置類の
耐火断熱材など従来の乾式又は湿式のロックウールフェ
ルトが使えるものならいずれも使用できるほか、本発明
のロックウールシートを幅10mm程度に長尺物にカッ
トし、裏面に離型紙を貼ったものをダクト用ガスケット
材に好適に使用できる。従来の吹付ロックウールに代わ
る乾式耐火被覆材にも使用できる。以上の用途のほか、
その吸音特性を利用して、間仕切壁やプラントの吸音材
や、その振動吸収特性を利用して、工業装置の振動抑制
材としても使用できる。
【0034】
【実施例】実施例1 ロックウールとして粒状綿(新日化ロックウール株式会
社製 エスフィバー粒状綿)、生分解性を有する熱融着
性繊維としてポリ乳酸繊維(カネボウ合繊株式会社製
ラクトロン 平均分子量13万〜18万、繊維長5m
m)を用いた。ロックウール粒状綿100重量部とポリ
乳酸繊維15重量部をカード式開繊機に連続的に供給し
て混合開繊すると共にロックウールを脱ショットし、開
繊物をネットコンベアに集積して層状のロックウールマ
ットを形成し、これをニードリングマシンでニードリン
グし、次いでこれを熱ロールで160〜180℃に加熱
し、ロックウールシートを製造した。
【0035】得られたロックウールシートは、脱ショッ
トされたロックウール100重量部に対しポリ乳酸繊維
が約18重量部であり、厚さが3mm、目付量が500
g/m2 、嵩密度が150Kg/m3 、引っ張り強度が
長さ方向で5Kgf/5cm、幅方向で2Kgf/5c
mであった。なお、ロックウールシートの引っ張り強度
はロックウールシートを長さ(ライン)方向と幅方向に
それぞれ5cm幅に裁断して細帯状製品としたものにつ
いてJIS L1085に準拠して測定した。
【0036】また、このロックウールシートについて標
準コンポスト中で分解試験を行なったところ、放置日数
30日間でポリ乳酸繊維の80%が分解され、生分解性
があることを確認できた。さらに、このロックウールシ
ートの酸性雨中和能力を、肥料分析法に準拠した方法に
より、純水、希塩酸及びクエン酸水溶液と反応させ、そ
の時のシートからの溶出成分と反応後のpH値を測定し
た。測定結果を表1に掲げる。
【0037】
【表1】
【0038】実施例2 ロックウール粒状綿に対するポリ乳酸繊維の配合割合を
5重量部とした以外は実施例1と同様にして、ロックウ
ールシートを製造した。得られたロックウールシート
は、脱ショットされたロックウール100重量部に対し
ポリ乳酸繊維が約7重量部であり、厚さが3mm、目付
量が670g/m2 、嵩密度が220Kg/m3 、引っ
張り強度が長さ方向で4Kgf/5cm、幅方向で1.
5Kgf/5cmであり、また分解性試験の結果、実施
例1と同様な生分解性があることが確認できた。
【0039】比較例1 ポリ乳酸繊維の代わりに熱融着性ポリエステル繊維(ユ
ニチカ株式会社製 メルティ4080 4デニール、繊
維長51mm)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、ロックウールシートを製造した。得られたロックウ
ールシートは、厚さが3mm、目付量が500g/
2 、嵩密度が150Kg/m3 、引っ張り強度が長さ
方向で10Kgf/5cm、幅方向で5Kgf/5cm
であったが、同様な分解性試験の結果、1年後もポリエ
ステル繊維の分解は認められず、生分解性がないことが
確認された。
【0040】比較例2 実施例1において、同様にして成形したニードリングマ
ットを、熱融着工程(熱ロールで160〜180℃に加
熱)を行わないでそのままロックウールシートとした。
このロックウールシートは、厚さが3mm、目付量が5
00g/m2 、嵩密度が150Kg/m3 、厚さが3m
m、目付量が500g/m2 、嵩密度が150Kg/m
3 であったが、引っ張り強度が長さ方向で2Kgf/5
cm、幅方向で1Kgf/5cmしかなく、強度が低
く、強度の要求される用途には使用できないものであっ
た。
【0041】
【発明の効果】本発明の生分解性ロックウールシート
は、優れた生分解性を有すると共に優れた中和能力を有
し、また柔軟性があって加工が容易であり、引っ張り強
度が格段に向上し、強度が要求される用途に適してい
る。したがって、本発明の生分解性を有するロックウー
ルシートは、植物育成資材、農業資材、土木資材のほか
建築資材、工業用資材などさまざまな用途に好適であ
り、酸性雨や酸性土壌対策資材としても効果がある。ま
た、その製造方法は簡便であり、特殊な機械装置を必要
とせず、生産性も高く、本発明の生分解性ロックウール
シートを低コストで製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱ショットされたロックウール100重
    量部に対し生分解性を有する熱融着性有機繊維3〜20
    重量部を含有し、これらの繊維が混合状態でニードリン
    グ及び熱融着されてなることを特徴とする生分解性ロッ
    クウールシート。
  2. 【請求項2】 生分解性を有する熱融着性有機繊維が、
    ポリ乳酸繊維である請求項1記載の生分解性ロックウー
    ルシート。
  3. 【請求項3】 ロックウール粒状綿100重量部に対し
    生分解性を有する熱融着性有機繊維2〜18重量部を混
    合し、この混合物を開繊し、開繊された繊維混合物をマ
    ット状に集積し、このマットをニードリングし、さらに
    熱融着することを特徴とする生分解性ロックウールシー
    トの製造方法。
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