JPH11253809A - 芳香族アルキル化用のGa−βゼオライト触媒 - Google Patents

芳香族アルキル化用のGa−βゼオライト触媒

Info

Publication number
JPH11253809A
JPH11253809A JP10059675A JP5967598A JPH11253809A JP H11253809 A JPH11253809 A JP H11253809A JP 10059675 A JP10059675 A JP 10059675A JP 5967598 A JP5967598 A JP 5967598A JP H11253809 A JPH11253809 A JP H11253809A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zeolite
catalyst
ion
present
alkylation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10059675A
Other languages
English (en)
Inventor
Eizaburo Ueno
英三郎 上野
Hiroshi Ishida
浩 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP10059675A priority Critical patent/JPH11253809A/ja
Publication of JPH11253809A publication Critical patent/JPH11253809A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族炭化水素のアルキル化反応において、
他のゼオライトと比較して、高活性、高選択性である、
βゼオライト本来の特性を損なう事なく、より優れた活
性を発揮するGa−βゼオライト触媒を提供することを
目的とする。 【解決手段】 ゼオライトの結晶格子外にGaを有する
βゼオライト触媒。好ましくは、Gaが、イオンの状態
で存在するものであり、また、Gaが、ゼオライト乾燥
重量当たり0.05mmol以上存在するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種ポリマー原料
として有用なアルキルベンゼンを製造する為、芳香族炭
化水素をアルキル化する反応に利用される触媒に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族炭化水素のアルキル化は、工業的
方法では、塩化アルミニウム、三フッ化硼素などのフリ
ーデルクラフト型触媒を用いていた。しかしながら、こ
れらの物質は、腐食性が高い上に、廃棄に際しても環境
的に問題が存在した。フリーデルクラフト触媒に代わる
非腐食性固体触媒の研究の結果、種々のゼオライト触媒
が提案されてきた。
【0003】米国特許第3,641,177号明細書に
は、ベンゼンとオレフィンのアルキル化反応の触媒とし
て、蒸気により安定化したH−Y又は希土類で一部交換
したH−Yゼオライトが示されている。米国特許第3,
751,504号及び第3,751,506号明細書に
は、気相における、芳香族炭化水素のアルキル化、及び
トランスアルキル化反応の触媒として、ZSM−5ゼオ
ライトが示されている。
【0004】米国特許第5,334,795号明細書に
は、ベンゼンとエチレンによるアルキル化反応によりエ
チルベンゼンを製造するための触媒として、MCM−2
2が記載されている。特開平3−181424号公報に
は、液相における、芳香族炭化水素とオレフィンのアル
キル化反応、及び芳香族炭化水素のトランスアルキル化
反応の触媒として、βゼオライトが示されている。ここ
において、βゼオライトは、他のゼオライト触媒と比較
して、長時間に亘り高収率でモノアルキル化生成物を与
える特徴を有することが記載されている。
【0005】芳香族炭化水素のアルキル化反応の触媒と
して、βゼオライトは、他のゼオライト触媒と比較して
高活性、高選択性であり、耐劣化性を有する触媒であ
る。しかし、高い耐劣化性及び選択性を維持しつつ、好
ましくは更に高い耐劣化性や選択性を発揮し、さらに触
媒の活性を向上させる事が出来れば、プラントで使用す
る触媒量を少なくする事が可能であり、その結果、設備
をよりコンパクトできる等のメリットが存在する。ま
た、触媒の再生又は交換の周期を長くして、生産性を向
上させる事も可能となる。
【0006】欧州特許出願第507,761号明細書に
は、芳香族のアルキル化反応触媒として、Laでイオン
交換したβゼオライトが記載されている。また、特開平
7−53415号公報には、ベンゼンとプロピレンから
クメンを製造する触媒として、アルカリ金属、アルカリ
土類金属又はNiをイオン交換することにより変性した
βゼオライトが記載されている。しかし、これらの触媒
は、選択率の向上を目的に開発されており、特にアルカ
リ金属でイオン交換を行った場合、顕著な活性低下が予
想される。
【0007】特開平3−181424号公報には、液相
でのアルキル化反応及びトランスアルキル化反応の触媒
としてβゼオライトを用いている。ここにおいて、周期
律表第IA族、第IIA族、第IIIA族又は遷移金属
によるイオン交換が示されており、陽イオン点の少なく
ても80%が水素イオン及び/又は希土類金属で占めら
れている事が好ましいとしている。
【0008】また、特開平8−103658号公報に
は、芳香族化合物のアルキル化またはアルキル交換反応
に用いる触媒として、アルカリ金属及び/又はアルカリ
土類金属をイオン交換法で導入することにより改質した
βゼオライトが記載されている。アルカリ金属等でイオ
ン交換した場合、耐劣化性の向上は期待できるが、合わ
せて顕著な活性低下が予想される。
【0009】以上のごとく、従来、βゼオライト触媒に
は、本来βゼオライトが持つ高い耐劣化性、選択性を維
持しつつ、更に高い活性を発揮させる技術は存在しなか
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、芳香族炭化
水素のアルキル化反応において、他のゼオライトと比較
して、高活性、高選択性である、βゼオライト本来の特
性を損なう事なく、より優れた活性を発揮するGa−β
ゼオライト触媒を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本来βゼオラ
イトが持つ高い耐劣化性及び選択性を維持しつつ、高い
活性を発揮する、Gaをゼオライト結晶格子外に持つ、
Ga−βゼオライト触媒を見出し、本発明を完成するに
至った。
【0012】即ち、本発明は下記の通りである。 1)芳香族のアルキル化に用いられる、ゼオライトの結
晶格子外にGaを有するβゼオライト触媒。 2)Gaが、イオンの状態で存在することを特徴とする
上記1に記載のβゼオライト触媒。
【0013】3)Gaが、ゼオライト乾燥重量当たり
0.05mmol以上存在することを特徴とする上記1
または2に記載のβゼオライト触媒。 以下、本発明につき詳述する。本発明で言う活性とは、
同一の条件で芳香族炭化水素のアルキル化反応を行った
時のオレフィンの転化率であり、選択性とは、生成物中
におけるモノアルキル化物の割合である。
【0014】ゼオライトとは、珪酸塩の縮合酸の構造を
とり、Siを中心にしたSiO4四面体と、SiをAl
に置換したAlO4四面体を基本構造に、そのOを2つ
の四面体で共有した結晶構造を形成している。βゼオラ
イトの場合、これらの基本構造が12個連結して形成さ
れる空洞(細孔)を有する格子構造を有している。本発
明で言うゼオライト結晶格子とは、上記の空洞(細孔)
を有する格子構造を指す。また、4価であるSiを3価
であるAlで置換した構造であるため、該結晶構造には
格子内Al量に対応するアニオン部位が存在し、該アニ
オン部位に陽イオンが作用して、ゼオライト全体として
は電気的中性が保たれている。
【0015】本発明において、Gaは、ゼオライト結晶
格子を形成せず、ゼオライト結晶格子の外、即ち、上記
細孔内及び構造体表面に存在している。特に、Gaがイ
オンとして存在している場合、該イオンは、上記ゼオラ
イト結晶格子のアニオン部位と結合して存在している。
本発明において、Gaの存在量は、蛍光X線(2θ=3
8.920、1次フィルター:F−Ni、ターゲット:
Rh、管電圧:50kV、管電流:50mA、分光結
晶:LiF、検出:SC)により求めた含有量を元に計
算される。尚、該値は、ゼオライト乾燥重量当たりの値
であり、TGAで求めた、300℃迄昇温を行った時の
重量減少率を水分率として、その値を元に換算して求め
られる。
【0016】Gaが反応活性因子となった場合、Bro
nsted酸であるプロトンに比較して、酸強度の弱い
Lewis酸として作用することが考えられる。よっ
て、ゼオライト結晶格子外にGaを導入することによ
り、触媒の耐劣化性を損なうことなく、更には、より高
い耐劣化性を付与して、触媒の活性を向上させることが
できると考えられる。
【0017】ゼオライト結晶格子外に存在するGaの量
は、ゼオライトの乾燥重量当たり0.05mmol以上
が好ましく、更に好ましくは0.15mmol以上であ
る。Gaの量がゼオライトの重量当たり0.05mmo
l未満の場合、ゼオライトのSiO2 /Al2 3 によ
っては、十分な触媒活性が得られない場合がある。ま
た、Ga量の上限としては、Gaが全てイオンとして存
在する場合は、ゼオライト結晶格子のアニオン部位の量
と等しくなる。それ以外の場合では、Gaの状態、その
分布の仕方などにより異なるが、導入したGaが、ゼオ
ライトの細孔への物質の出入りや、細孔内での物質の移
動を阻害することにより、触媒の活性を低下させない最
大値である。
【0018】本発明に於いて、Gaの状態は特に限定さ
れるものではなく、例えば、金属、化合物、及びイオン
の形をとり得る。ゼオライトから脱離し難いという観点
では、Gaがイオンの状態で存在する方が好ましい。該
イオンの種類及びその価数は、特に限定されるものでは
ないが、例えば、Ga(OH)2 + 、GaO+ 、G
3+、Ga(OH)2+の様な種々の状態をとり得る。ま
た、ゼオライト細孔内の拡散をより阻害しないという観
点では、半径の小さな状態がより好ましい。
【0019】βゼオライトは、米国特許第3,308,
069号明細書に最初に記載された公知の合成結晶性ア
ルミノ珪酸塩であり、以下の組成を有する。 [(x/n)M(1±0.1−x)TEA]AlO2
ySiO2 ・wH2 O (式中、x<1未満、5<y<100、Mは金属陽イオ
ン、nはMの価数、wは脱水条件及び金属陽イオンの種
類により4までの値、TEAはテトラエチルアンモニウ
ムを表す) 尚、本発明でいうβゼオライトは、上記組成のものの他
に、有機アンモニウム塩をか焼などにより、取り除いた
ものを含む。このゼオライトの製法及び性質について
は、上記米国特許の明細書に記載されている。合成され
たβゼオライトは、米国特許第3,308,069号に
記載されたX線回折のd値により同定される。上記βゼ
オライトにおいて、Mは、Naイオン等の合成からの金
属陽イオンであるが、陽イオン交換を行い、種々の金属
イオンを導入することができる。
【0020】本発明のGa−βゼオライト触媒は、上記
のβゼオライト触媒の結晶格子外にGaを導入する事に
より得られる。その方法は、特に限定されるものではな
いが、その例としては、Ga金属またはGa化合物をゼ
オライトに担持させる方法、Gaイオンでイオン交換す
る方法がある。Ga化合物をゼオライトに担持する方法
は、特に限定されるものでなく、例えば、Ga2 3
ようなGa化合物を分散した液で、βゼオライトを処理
し、濾過、乾燥する方法、Ga化合物を溶解した溶液で
処理し、溶媒を蒸発させた後か焼する方法などがある。
ここにおいて、担持するGa金属及びその化合物は微粒
子であることがより好ましい。
【0021】イオン交換によりゼオライトにGaイオン
を導入する方法は、特に限定されるものではなく、その
例としては、Ga塩の水溶液を用いて、合成、か焼後の
βゼオライトを直接イオン交換する方法がある。ここ
で、Ga塩は特に限定されるものでないが、例えば、G
2 (SO4 3 ・18H2 OやGa(NO3 3 ・n
2 Oが用いられる。また、βゼオライトは、他のゼオ
ライトと比較して、熱力学的に結晶格子内のAlが不安
定であり脱離し易いため、SiO2 /Al2 3によっ
ては、Ga塩によるイオン交換中に格子内のAlが脱離
し、一部がAlにイオン交換される場合もある。
【0022】他の金属を、Gaと合わせてゼオライトに
導入する事もできる。その方法は特に限定されるもので
ないが、Gaと同時に、または別処理で、ゼオライトに
担持、またはイオン交換する方法がある。また、一部プ
ロトンにする事もできる。ここに於いて、Ga以外の金
属及びプロトンの量は特に限定されるものでない。特開
平4−187647号公報には、芳香族転化方法及びそ
の触媒が記載されているが、ここで用いるβゼオライト
のNa量をNa2Oとして0.04重量%より少ないも
のと規定している。本発明では、特にNa量を規定する
ものではないが、Naが存在する場合、反応に影響する
ことは明らかであり、より少ない方が好ましい。
【0023】本発明のGa−βゼオライト触媒を芳香族
のアルキル化反応に用いる場合、純粋なゼオライトを触
媒として用いてもよいが、一般的には、ゼオライト粉末
を、アルミナ、シリカ、クレイなどの無機酸化物を、単
独でまたは混合して結合剤として用いる。触媒には、通
常10〜90重量%、好ましくは60〜80重量%のゼ
オライトを含む。触媒は、打錠成型や押し出し成型など
通常行われる方法により、成型して用いることもでき
る。この時、成型体内の物質移動を円滑にするため、結
果として反応活性を低下させないため、表面積を増大さ
せる特別な形状にする事もできる。
【0024】本発明のGa−βゼオライト触媒を用いて
アルキル化する事が出来る芳香族炭化水素は、例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレンであり、その混合物も含
まれる。最も好ましい芳香族炭化水素は、ベンゼンであ
る。アルキル反応に用いるオレフィンは、炭素数2〜4
のものであり、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブ
テン、及びそれらの混合物、メタン、エタン、水素など
を含有するダイリュートエチレンである。最も好ましい
オレフィンは、エチレン及びダイリュートエチレンであ
る。通常、原料の影響で触媒活性が低下する事を防ぐた
め、これら供給原料中に存在する可能性がある、ジエ
ン、窒素化合物、硫黄化合物、水などを除去して反応に
使用する。アルキル化反応により得られる反応生成物
は、例えば、ベンゼンとエチレンとの反応によるエチル
ベンゼン、ベンゼンとプロピレンによるクメンがある。
【0025】本発明のGa−βゼオライトを触媒として
用いる反応は、気相、液相または気液混合相において行
われる。ここでより好ましいのは、気液混合相及び液相
である。反応を行う方法としては、例えば、バッチで撹
拌器付きオートクレーブを用いる方法、上昇流または下
降流方式で行われる固定床反応器、または流動床反応器
を用いる方法がある。反応条件としては、例えば、温度
が120〜300℃、圧力が10〜50気圧、反応原料
の供給速度が0.1〜200hr-1の範囲から自由に選
択される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明を説
明する。なお、試料の作成、評価法等は次の通りであ
る。 〔βゼオライトの合成〕以下の方法で、2種類のβゼオ
ライト粉末試料を合成した。
【0027】水酸化テトラエチルアンモニウムの20%
水溶液85g、水酸化ナトリウム4.5gと、所定量の
アルミン酸ナトリウムNaAlO2 を、200gのイオ
ン交換水にゆっくりと添加し、80℃に加熱して溶解す
る。このようにして得られた溶液に、所定量の融合シリ
カ、ニップシール(日本シリカ工業製;NV−3)をゆ
っくりと添加し、更に種結晶としてβゼオライト7gを
添加した後、ホモジナイザーを用いて5000回転で3
0分撹拌した。
【0028】次に、この混合物を500ミリリットルの
オートクレーブに入れ、撹拌することなしに152℃で
10日間放置すると、大量の結晶性物質が生成した。こ
の物質を濾過、洗浄し、120℃で一昼夜乾燥させるこ
とにより、結晶性の粉末を得た。次に、この粉末を35
0〜550℃迄徐々に昇温し、最終的には550℃で5
時間か焼した。か焼した後の粉末は、X線回折によりβ
ゼオライトであることが同定された。また同粉末の組成
分析は、蛍光X線を用いて決定した。
【0029】尚、表1に、各々の試料に関して、合成に
使用したアルミン酸ナトリウムと融合シリカの量、及び
蛍光X線により決定されたSiO2 /Al2 3 を示
す。
【0030】
【表1】
【0031】〔アルキル化反応の評価方法〕アルキル化
反応の評価は、以下の条件で行った。試料粉末を錠剤成
型器を用いて圧縮成型し、粉砕し、分級して8〜12m
eshの成型触媒を得た。内径20mm、長さ800m
mで、余熱のため300mmの熱媒ジャケットを設けた
ステンレス製反応管を反応器として用いた。尚、反応部
出口に圧力制御弁を備え、圧力制御弁より先に製品液抜
取りバルブを設けた。
【0032】この反応器に、成型した触媒を30g充填
した。触媒の充填は、ジャケット部と反応部の境より2
00mmの位置から行い、触媒層の上下には、3mmφ
のステンレス製ディクソンパッキングを充填した。反応
器のジャケット部側入り口より、ベンゼンを供給速度1
5.5mol/hrで供給した。反応器出口の圧力制御
弁を調整して、反応器内を14kg/cm2Gとし、系
内を完全に液封状態とした。その後、余熱ジャケットに
130℃の熱媒を循環し、触媒部の温度を125℃とし
た。
【0033】しかる後に、反応器の入り口手前にて、エ
チレンを5.4mol/hrの供給速度でベンゼンに供
給して反応を行った。上記の条件の下、反応器の上下を
入れ替えることにより、上昇流方式及び下降流方式の反
応を行った。回収された製品液の組成は、ガスクロマト
グラフにより分析し、エチルベンゼン選択率とエチレン
転化率をそれぞれ計算した。尚、耐劣化性の指標として
は、エチレン転化率が、触媒層中間部で測定した温度が
最高に達した時点から10%低下するまでの時間で表す
こととする。この時間が長いほど、該触媒の耐劣化性は
高いと判断する。
【0034】
【実施例1】〔Ga−βゼオライトの調製〕表1に示す
試料1を用い、以下の方法でイオン交換を行った。8g
のGa(NO3 3 ・nH2 O(n=7〜9)を200
ミリリットルのイオン交換水に溶解し、その溶液を60
℃に昇温した。その溶液に、βゼオライトの粉末を50
g入れ、撹拌しながら60℃で3時間イオン交換を行っ
た。交換後、濾過を行い、洗液が中性になるまでイオン
交換水で水洗を行った。しかる後に、120℃で一晩燥
を行い、Ga−βゼオライトを得た。
【0035】得られたGa−βゼオライトを、上記に示
す方法で評価した結果、Gaの含有量は0.21mmo
l/gであった。 〔アルキル化反応の評価〕ジャケット部が下になるよう
に反応器を設置し、上昇流方式で反応を行った。反応器
に触媒を充填したところ、触媒層は212mmであっ
た。触媒層における最高到達温度は、その中間部で21
1℃であり、その時点におけるエチレン転化率は、7
9.2%であった。また、耐劣化性指標は、15hrで
あった。
【0036】
【実施例2】〔Ga−βゼオライトの調製〕表1に示す
試料2を用い、以下の方法でイオン交換を行った。18
gのGa(NO3 3 ・nH2 O(n=7〜9)を45
0ミリリットルのイオン交換水に溶解し、その溶液を6
0℃に昇温した。その溶液に、βゼオライトの粉末を5
0g入れ、撹拌しながら60℃で3時間イオン交換を行
った。交換後、濾過を行い、洗液が中性になるまでイオ
ン交換水で水洗を行った。しかる後に、120℃で一晩
燥を行い、Ga−βゼオライトを得た。
【0037】得られたGa−βゼオライトを、上記に示
す方法で評価した結果、Gaの含有量は0.38mmo
l/gであった。 〔アルキル化反応の評価〕ジャケット部が上になるよう
に反応器を設置し、下降流方式で反応を行った。反応器
に触媒を充填したところ、触媒層は211mmであっ
た。触媒層における最高到達温度は、その中間部で21
8℃であり、その時点におけるエチレン転化率は、8
0.9%であった。また、耐劣化性指標は、14hrで
あった。
【0038】
【比較例1】〔βゼオライトのイオン交換〕表1に示す
試料2を用い、以下の方法でイオン交換を行った。12
0gのNH4Clを450ミリリットルのイオン交換水
に溶解し、60℃に昇温した。その溶液に、β−ゼオラ
イトの粉末を50g入れて、撹拌しながら60℃で4時
間イオン交換を行った。交換後、濾過を行い、イオン交
換水で水洗後、120℃で一晩乾燥した。しかる後、5
00℃で3時間か焼した。
【0039】得られたβゼオライトを、上記に示す方法
で評価した結果、Gaは存在しなかった。 〔アルキル化反応の評価〕このゼオライトを用い、実施
例2と同様の方法で反応を評価した。反応器に触媒を充
填したところ、触媒層は212mmであった。触媒層に
おける最高到達温度は、その中間部で196℃であり、
その時点でのエチレン転化率は、58.3%であった。
また、耐劣化性指標は、14.5hrであった。
【0040】本比較例は、現在一般的に行われている、
アンモニウム塩によるイオン交換で調製したβゼオライ
トである。ゼオライトの結晶格子外にはGaは存在しな
い。本発明の触媒と比較して、耐劣化性指標は同程度で
あるものの、エチレン転化率は低くなっている。
【0041】
【発明の効果】本発明のGa−βゼオライトは、芳香族
炭化水素のアルキル化反応において、他のゼオライトと
比較して、高活性、高選択性である、βゼオライト本来
の特性を損なう事なく、より優れた活性を発揮する。よ
って、工業的には、触媒の再生又は交換の周期を長くし
て生産性を向上させる事ができ、また、触媒量を削減し
て設備をよりコンパクトにできる等のメリットが存在す
る、きわめて有用な触媒である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族のアルキル化に用いられる、ゼオ
    ライトの結晶格子外にGaを有するβゼオライト触媒。
  2. 【請求項2】 Gaが、イオンの状態で存在することを
    特徴とする請求項1に記載のβゼオライト触媒。
  3. 【請求項3】 Gaが、ゼオライト乾燥重量当たり0.
    05mmol以上存在することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のβゼオライト触媒。
JP10059675A 1998-03-11 1998-03-11 芳香族アルキル化用のGa−βゼオライト触媒 Pending JPH11253809A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10059675A JPH11253809A (ja) 1998-03-11 1998-03-11 芳香族アルキル化用のGa−βゼオライト触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10059675A JPH11253809A (ja) 1998-03-11 1998-03-11 芳香族アルキル化用のGa−βゼオライト触媒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11253809A true JPH11253809A (ja) 1999-09-21

Family

ID=13120018

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10059675A Pending JPH11253809A (ja) 1998-03-11 1998-03-11 芳香族アルキル化用のGa−βゼオライト触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11253809A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015509082A (ja) * 2011-12-22 2015-03-26 ユーオーピー エルエルシー Uzm−39アルミノシリケートゼオライトを用いた芳香族化合物の転化反応

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015509082A (ja) * 2011-12-22 2015-03-26 ユーオーピー エルエルシー Uzm−39アルミノシリケートゼオライトを用いた芳香族化合物の転化反応

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2656124B2 (ja) βゼオライトを使用した液相アルキル化及びトランスアルキル化法
US6034291A (en) Catalytic composition and process for the alkylation and/or transalkylation of aromatic compounds
US4467129A (en) Conversion of xylenes containing ethylbenzene
EP2931686B1 (en) Aromatic transalkylation using uzm-44 aluminosilicate zeolite
KR101996105B1 (ko) Mse-골격 타입 분자체의 합성
EP2794525B1 (en) Aromatic transformation using uzm-39 aluminosilicate zeolite
RU2141934C1 (ru) Способ получения кумола
MXPA06015014A (es) Catalizador y proceso para la preparacion de hidrocarburos aromaticos alquilados.
KR20110044237A (ko) Izm-2 제올라이트 및 적어도 하나의 금속을 포함하는 촉매 및 탄화수소 전환시의 그 사용
JPH045006B2 (ja)
US8748685B1 (en) Aromatic transformation using UZM-44 aluminosilicate zeolite
US4366135A (en) Method for preparing zeolites
JP4347214B2 (ja) 成形物内法によって製造されるゼオライトベータを使用する芳香族のアルキル化方法
JP3832849B2 (ja) 混合h/nh▲下3▼型触媒を使用したナフタレンのアルキル方法
EP0109962B1 (en) Conversion of xylenes containing ethylbenzene
EP0306181A2 (en) Two stage synthesis of zeolite
US5073655A (en) Method for preparing diarylalkanes
EP1252927A1 (en) Catalyst for alkylating aromatic compounds with olefins, alcohols or polyalkylated aromatic compounds
JPH11253809A (ja) 芳香族アルキル化用のGa−βゼオライト触媒
JPH0346448B2 (ja)
US8889939B2 (en) Dehydrocyclodimerization using UZM-44 aluminosilicate zeolite
JPH04226926A (ja) 脱アルミニウムゼオライトyをベースとする触媒を用いる、アルキルベンゼンの製造方法
JPH11169719A (ja) 芳香族のアルキル化用A1−βゼオライト触媒
JP2003119159A (ja) ジアリールアルカンの製造方法
CA1185267A (en) Conversion of xylenes containing ethylbenzene