JPH11253797A - 吸着材、空気浄化フィルタ及び吸着材の製造方法 - Google Patents

吸着材、空気浄化フィルタ及び吸着材の製造方法

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JPH11253797A
JPH11253797A JP10055463A JP5546398A JPH11253797A JP H11253797 A JPH11253797 A JP H11253797A JP 10055463 A JP10055463 A JP 10055463A JP 5546398 A JP5546398 A JP 5546398A JP H11253797 A JPH11253797 A JP H11253797A
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JP
Japan
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activated carbon
adsorbent
anisidine
meq
amine compound
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JP10055463A
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English (en)
Inventor
Seiji Tokuda
省二 徳田
Toshio Tanaka
俊雄 田中
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、気相中に存在する低級アルデヒド
類を高効率で除去し得る吸着材および空気浄化フィルタ
を提供することを目的とする。 【解決手段】 ポリエチレンイミン、m-アニシジンおよ
びp-アニシジンのうち少なくとも一種を担持し、その表
面酸性基量が0.3meq/g以下且つBET法で測定される比
表面積が800m2/g 以上である活性炭を含む吸着材及び、
かかる活性炭を含有するプリーツ状又はハニカム状空気
浄化フィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生活空間あるいは
自動車室内などの気相中に存在する低級アルデヒド類の
吸着材、空気浄化フィルタ及び吸着材の製造方法に関す
るものである。詳しくは、例えば家具、新建材等から発
生するホルムアルデヒド、タバコ煙、自動車排ガスなど
に含まれるアセトアルデヒドなどの気相中に存在する低
級アルデヒド類を高効率で除去し得る吸着材、空気浄化
フィルタ及び吸着材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】生活空間などにおける低級アルデヒド類の
除去には、従来から活性炭などの多孔体に有機アミン化
合物を担持したものが種々報告され、使用されている。
【0003】例えば、特公昭60−54095号公報や
特開平7−80292号公報にはアミン化合物としてア
ニリンおよびトルイジンなどを担持した活性炭が開示さ
れているが、これらアミン化合物は低級アルデヒド類と
の反応活性は大きいが、本来劇物であり、生活空間での
使用には好ましくない。
【0004】特開平2−115020号公報には、アミ
ノ安息香酸、およびアミノ安息香酸ナトリウム塩を担持
した多孔体が開示されており、これらのアミン化合物は
安全上の問題は少ないが、アミノ安息香酸は酸としての
性質も有するため、低級アルデヒド類に対する反応性は
それほど大きくなく、充分な除去性能が得られないとい
う問題や、ナトリウム塩の場合では分子量が大きく、そ
の結果、担持アミン重量あたりのアミノ基のモル量を大
きくできないため除去能の寿命が短いという問題を生じ
ていた。
【0005】特公昭62−51651号公報ではポリエ
チレンイミンを担持した活性炭が、また特開平5−31
7703号公報、特開平7−328103号公報には低
分子量脂肪族アミンを担持した活性炭が開示されている
が、本発明者らの知見によれば、低分子量脂肪族アミン
は活性炭上で熱的および経時的な化学変化による失活が
起こりやすく、長期にわたって満足すべき除去性能を発
現することが困難である。また、上記の特公昭62−5
1651号公報には、細孔径と細孔容積の記載がある
が、担持したアミン化合物が有効に働くような表面構造
の制御はなされていない。
【0006】特開平4−180834号公報では、活性
炭表面を酸化処理して水酸基を形成し、アミノ基を有す
るケイ素化合物を水酸基との化合結合により担持させる
ことが提案されているが、本来このようなアミノ基含有
ケイ素化合物は低級アルデヒド類との反応活性が小さ
く、その除去能は必ずしも満足できるものではなかっ
た。
【0007】さらに、このようなアミン化合物担持活性
炭を含有した空気浄化フィルタは既にいくつか提案され
ているが、例えばこれらを空気清浄器などに利用する場
合には、アルデヒド類のような酸性物質だけでなく塩基
性物質に対する除去能も同時に要求される。これには酸
を担持した多孔質による吸着が有効であることが知られ
ているが、酸性物質用と塩基性物質用の2種のフィルタ
を別々に使用することは圧力損失の増大や設置スペース
の制限の点で困難である。また活性炭含有シートに添着
法でアミン化合物と酸の両方を担持する場合、2種の化
合物を混合して添着したり、同一のシートに2種の添着
液を重ね塗りしたりすると、活性炭の比表面積の減少が
大きかったり、また両者が化学反応することにより性質
が変化してしまい、夫々の臭気ガスに対する本来の活性
が低下するという問題がある。
【0008】上記で説明した通り、従来のアミン化合物
を担持した活性炭においては、担持したアミン化合物が
有効に働くような表面構造の制御がなされておらず、せ
っかく低級アルデヒド類との反応活性の大きなアミン化
合物を担持しても、担持したアミンが有効に働かず、満
足すべき除去性能が得られていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解決することを目的とした発明であり、安全でかつ
本質的に低級アルデヒド類との反応活性が大きなアミン
化合物が担持され、かつその活性が有効に活用されるよ
うに表面構造が制御された活性炭を含む気相中の低級ア
ルデヒド類の吸着材及びその製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0010】また、本発明は、このようにして得られた
アミン化合物担持活性炭を含有し、該活性炭の低級アル
デヒド類に対する優れた除去特性を損なうことなく、塩
基性物質に対する除去能をも兼ね備えたプリーツ状およ
びハニカム状に成型された空気浄化フィルタを提供する
ことを目的とするものである。
【0011】本発明者らは、種々のアミン化合物につい
て、低級アルデヒド類との本質的な反応活性、安全性、
活性炭に担持したときの物理化学的安定性などの観点か
ら詳細に検討した結果、ポリエチレンイミンは、低級ア
ルデヒド類との反応活性に優れ、また担持時の吸着熱に
よっても比較的安定であり、担持活性炭での吸着容量が
大きいこと、及び、芳香族アミンとして、安全上問題の
ないもので最大の吸着容量を発現できるものが、m−ア
ニシジンとp−アニシジンであることを見出した。
【0012】また、本発明者らは、上記アミン化合物の
低級アルデヒド類に対する優れた反応活性を有効に活用
するため、アミン化合物担持活性炭の表面構造の制御、
特に表面酸性基量の制御に着目し検討した結果、その表
面酸性基量を0.3meq/g以下とすることにより、
低級アルデヒド類の吸着容量を高レベルに維持し得るこ
とを見出した。なお、上記の表面酸性基とは、表面に存
在する水酸基−OH、カルボキシル基−COOH、アルデ
ヒド基−CHO、カルボニル基>C=Oなどの総称を意
味する。
【0013】この理由は明らかではないが、アミン化合
物担持後の表面酸性基量は、担体活性炭の表面酸性基量
を反映する場合が多いが、この担体活性炭の表面酸性基
量によってアミン化合物の担持状態が異なり、低級アル
デヒド類と反応できるアミノ基の量が変化するためと推
定される。
【0014】すなわち、担体活性炭の表面酸性基量が小
さい場合、活性炭表面は疎水性であるためアミン化合物
分子の炭化水素部分と相互作用してアミノ基は外向きに
配向し、活性炭細孔内に物理吸着された低級アルデヒド
類と反応しやすくなる。逆に表面酸性基量が大きくなる
と、活性炭表面は親水性が増し、アミン化合物分子の親
水性部分であるアミノ基と相互作用するため、物理吸着
された低級アルデヒド類と反応活性が小さくなると考え
られる。
【0015】また、本発明者らは、上記の表面酸性基量
の制御に加え、BET法で測定される比表面積が800
2 以上であれば、低級アルデヒドの除去性能がさらに
安定することを見出した。
【0016】さらに、本発明者らは、担体活性炭とし
て、表面酸性基量が0.5meq/g以下であり、且
つ、BET法で測定される比表面積が1200m2 g以
上のものを用いることにより、アミン化合物を担持した
後に、表面酸性基量と比表面積を上記の通りに制御され
た活性炭が得られることを見出した。
【0017】本発明は、上記を知見を基に、さらに重ね
て検討した結果、達成できたものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ポリエ
チレンイミン、m−アニシジン、p−アニシジンからな
る群より選ばれた少なくとも1種が担持された活性炭を
含む吸着材であって、該活性炭の表面酸性基量が0.3
meq/g以下である吸着材を提供するものである。
【0019】本発明の吸着材の好ましい実施態様は、前
記活性炭のBET法で測定される比表面積が800m2
/g以上である。
【0020】本発明の吸着材の好ましい実施態様は、低
級アルデヒド類の除去に用いることである。
【0021】また、本発明は、プリーツ状又はハニカム
状に成型されてなるフィルタであって、ポリエチレンイ
ミン、m−アニシジン、p−アニシジンからなる群より
選ばれた少なくとも1種が担持され、且つ、表面酸性基
量が0.3meq/g以下である活性炭を含む空気浄化
フィルタを提供するものである。
【0022】本発明の空気浄化フィルタの好ましい実施
態様は、前記活性炭のBET法で測定される比表面積が
800m2 /g以上である。
【0023】本発明の空気浄化フィルタの好ましい実施
態様は、塩基性ガス吸着性シートを含む。
【0024】さらに、本発明は、表面酸性基量が0.5
meq/g以下であり、且つ、BET法で測定される比
表面積が1200m2 /g以上である活性炭に、ポリエ
チレンイミン、m−アニシジン、p−アニシジンからな
る群より選ばれた少なくとも1種を担持させる吸着材の
製造方法を提供するものである。
【0025】
【発明の実施の態様】本発明の吸着材又は空気浄化フィ
ルタに用いられる活性炭は、ポリエチレンイミン、m−
アニシジン、p−アニシジンからなる群より選ばれた少
なくとも1種が担持された活性炭を含むことが必要であ
る。かかるアミン化合物は、低級アルデヒド類との反応
活性に優れ、担持時の吸着熱に対しても比較的安定であ
る。
【0026】本発明の吸着材又は空気浄化フィルタに用
いられる活性炭に担持するポリエチレンイミン、m−ア
ニシジン、p−アニシジンの量は、活性炭に対して、5
〜20重量%が好ましい。本発明において、アミン化合
物の担持量が大きければ、担持後の表面酸性基が小さく
なるが、同時に比表面積が減少するため、両者をともに
満足する担持量とすることが必要なためでる。
【0027】本発明の吸着材又は空気浄化フィルタに用
いられる活性炭は、アミン化合物担持後の表面酸性基量
が0.3meq/g以下であることが必要である。表面
酸性基量が0.3meq/gよりも大きい場合、担持さ
れたアミン化合物の量が同等であっても、低級アルデヒ
ド類の吸着容量が低減するためである。表面酸性基量が
0.3meq/g以下であれば、吸着容量はそれほど大
きく変化せず高い吸着容量のレベルを維持することがで
きる。
【0028】上記の表面酸性基量は、Boehmらが報告し
た方法(Angew. Chem. Intern. Ed.Engl., 5, p533, 19
66 )により求めることができる。具体的には、乾燥状
態の活性炭試料0.5gを0.02mol/l の水酸化ナトリウム水
溶液60mlに浸漬し、室温で4時間振とうした後、その上
澄み液25mlを分取して0.02mol/l の塩酸水溶液で滴定を
行い、フェノールフタレイン指示薬を用いて求めたアル
カリの消費量から表面酸性基量を算出できる。表面酸性
基量の単位meq/g とは、活性炭試料1gあたりの酸として
のミリ当量(当量の1000分の1)を表わしている。
【0029】上記の表面酸性基とは、活性炭の表面に存
在する水酸基−OH、カルボキシル基−COOH、アルデヒド
基−CHO 、カルボニル基>C =O などの総称を意味す
る。
【0030】本発明の吸着材又は空気浄化フィルタに用
いられる活性炭は、BET法で測定される比表面積がア
ミン化合物担持後において800m2 /g以上であるこ
とが必要である。比表面積が800m2 /g未満の場合
には、低級アルデヒドの物理吸着能が低下し、満足すべ
き除去能が達成できない。
【0031】上記の比表面積は、液体窒素温度での窒素
ガスの吸着等温線を測定してBET法により求められ
る。具体的には、カルロエルバ社製ソープトマティック
SSII−80を用いて吸着等温線の測定を行った後、吸着
平衡圧/飽和蒸気圧が0.05〜0.20の範囲での吸着量デー
タを用いて計算により求めるられる。
【0032】本発明の吸着材の製造方法は、表面酸性基
量が0.5meq/g以下であり、且つ、BET法で測
定される比表面積が1200m2 /g以上である活性炭
に、ポリエチレンイミン、m−アニシジン、p−アニシ
ジンからなる群より選ばれた少なくとも1種を担持させ
ることが必要である。かかる担体活性炭に、アミン化合
物を担持させることにより、上記で説明した優れた低級
アルデヒドの除去性能を有する吸着材が得られるからで
ある。
【0033】上記の表面酸性基量が0.5meq/g以
下の活性炭は、例えば、水蒸気賦活法において、800
〜1000℃で賦活した後、活性炭温度が300℃以下
になるまで窒素等の不活性ガス雰囲気中に保持すること
で得られる。また表面酸性基量が0.5meq/gより
も大きな活性炭から上記の担体活性炭を得るには、60
0〜1200℃で、窒素等の不活性ガス雰囲気中で再加
熱し、活性炭温度が300℃以下になるまでそのままの
雰囲気で保持することにより得られる。
【0034】本発明において、アミン化合物を活性炭に
担持する方法は、特に限定されるものではなく、例え
ば、アミン化合物を水あるいは適当な有機溶媒に溶解さ
せて任意の濃度の溶液とし、これを担体活性炭に浸漬、
塗布した後、所定の温度で乾燥する方法などが用いられ
る。また、本発明の吸着材が、ハニカム状、コルゲート
状、シート状、フェルト状、板状、およびウレタンフォ
ームに粉体を添着したものなどのような成型体である場
合は、活性炭を予め成型体とした後に、アミン化合物を
担持してもよいし、あるいは粉状、粒状、繊維状などの
活性炭にアミン化合物を担持してから所望の形状に成型
してもよい。
【0035】上記の通り、本発明の吸着材は、アミン化
合物を担持した活性炭そのものでもよいし、又は、これ
を成型加工したものでもよい。前者の場合は粉状、粒
状、繊維状などの形状があり、また後者としては活性炭
をハニカム状、コルゲート状、シート状、フェルト状、
板状などに成型したもの、およびウレタンフォームに粉
体を添着したものなどがあるが、本発明の吸着材は、こ
れら全てを包含するものである。
【0036】本発明の空気浄化フィルタは、プリーツ状
又はハニカム状に成型されてなることが必要であり、塩
基性ガス吸着性シートを含むことが好ましい。上記のア
ミン化合物担持活性炭の優れた除去性能を損なうことな
く、塩基性物質に対する除去能をも兼ね備えた空気浄化
フィルタを提供するためである。
【0037】本発明の空気浄化フィルタに用いられる塩
基性ガス吸着性シートは、特に限定されるものではない
が、シート状物に塩基性ガス吸着用薬剤を担持せしめた
ものが好ましい。
【0038】上記の塩基性ガス吸着用薬剤は、特に限定
されるものではないが、例えば、リンゴ酸、クエン酸、
酒石酸等の有機モノカルボン酸、有機ポリカルボン酸等
が好適に用いられる。
【0039】本発明の空気浄化フィルタにおいて、塩基
性ガス吸着性シートは、上記の吸着材(アミン化合物担
持活性炭そのもの、又はその成型体)とは別に作製し、
両者(塩基性ガス吸着性シートと吸着材)を組み合わせ
て(例えば、積層して)プリーツ形状あるいはハニカム
形状に成型したフィルタであることが好ましい。本発明
の吸着材に上述の塩基性ガス吸着用薬剤を重ねて添着し
たり、または担体活性炭に、本発明のアミン化合物と上
記塩基性ガス吸着用薬剤を混合して担持した場合、比表
面積の減少が大きかったり、また両者の化学反応により
性質が変化してしまい、本発明の吸着材が本来有する低
級アルデヒド類に対する優れた除去特性が損なわれるた
めである。
【0040】本発明の空気浄化フィルタの具体例は、ア
ミン化合物を担持した活性炭を含有するシートと塩基性
ガス吸着性シートを積層し、これをプリーツ状に成型し
てなる直行流型の空気浄化フィルタである。
【0041】本発明の空気浄化フィルタの別の具体例
は、フルート部あるいはライナー部が前記のアミン化合
物担持活性炭を含有するシートで構成され、他方が塩基
性ガス吸着性シートで構成されたハニカム状に成形して
なる平行流型の空気浄化フィルタである。
【0042】上記のアミン化合物担持活性炭を含有する
シートは、該活性炭を10〜80重量%、支持繊維を5〜50
重量%、水膨潤性繊維または熱融着性繊維を1〜30重量
%を混抄した混抄紙である。その厚みはプリーツ状空気
浄化フィルタに用いる場合は通気性やひだ折り性を考慮
して 0.5〜1.2mm 程度が好ましく、またハニカム状空気
浄化フィルタに用いる場合は、充分な管状路を確保する
ために0.05〜0.8mm 程度が好ましい。
【0043】上記のアミン化合物担持活性炭を含有する
シートにおける活性炭の形状は、繊維状あるいは粒子状
が好ましい。繊維状活性炭の繊維長は3〜20mmが好まし
い。粒子状活性炭の平均粒径は、プリーツ状空気浄化フ
ィルタに用いる場合はJIS標準ふるい(JIS Z88
01)による値で60〜150 μm が好ましく、ハニカム状空
気浄化フィルタに用いる場合はJIS標準ふるい(JI
S Z8801)による値で5〜50μm が好ましい。
【0044】上記の支持繊維としては、ポリエステル、
ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリオレフィン等
の合成繊維のほか、木綿、麻、木材パルプ、レーヨン、
ガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維等が使用でき
る。これらの繊維は、繊維長が3〜20mmの短繊維である
ことが好ましい。
【0045】上記の水膨潤性繊維または熱融着性繊維は
混抄時の接着成分になるものである。水膨潤性繊維とし
てはポリビニルアルコール繊維、熱融着性繊維としては
ポリエチレン繊維やポリプロピレン−ポリエチレン複合
繊維等が挙げられる。これらの繊維は繊維長が20mm以下
であることが好ましい。
【0046】上記のハニカム形状の成型には通常の段ボ
ール製造機を用いることができる。すなわち波形に賦形
した波形シート(フルート部になる)の片面あるいは両
面に平らなシート(ライナー部)を接合して段ボールを
形成し、さらに得られた段ボールを水平あるいはロール
状に積層することによってハニカム状に形成する。
【0047】上記の波形シートの波ピッチおよび波高さ
によって積層体とした際に形成される管状路の太さが決
まり、空気を流した時の圧力損失やガス成分の移動速度
に影響する。本発明のハニカム状空気浄化フィルタで
は、好ましい波ピッチは30cmあたり30〜150 、好ましい
波高さは 0.6〜3.0mm である。また波高さをシートの厚
みで除した値が3以上であることが好ましい。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。本実施例で得た吸着材および空気浄化フィルタの評
価方法を以下に記す。
【0049】(吸着材のアセトアルデヒド除去性能評
価)吸着材試料40mgを内径8mm φのガラスカラムに充填
し、これにアセトアルデヒド13ppm を含む相対湿度約20
%の空気を2L/minで連続的に流通させた。一定時間毎に
吸着材の上・下流側のガスをサンプリングし、FID 付ガ
スクロマトグラフにてアセトアルデヒド濃度を測定して
その比からアセトアルデヒド除去効率を求めた。この除
去効率の値を、積算流量(流通を開始してからの時間と
2L/minから算出)に対してプロットし、除去効率の減衰
曲線(第1図)を得た。次いで、積算流量100Lまでの減
衰曲線と縦軸および横軸が囲む面積より各吸着材におけ
るアセトアルデヒド積算吸着量を求め、これより吸着材
単位重量あたりのアセトアルデヒド吸着容量(mg/g)を
算出した。この吸着容量が大きいほどアセトアルデヒド
除去性能が優れた吸着材である。
【0050】(空気浄化フィルタの除去性能評価)空気
浄化フィルタ試料をアクリル性1m3 のボックス内の空気
清浄器に装着し、ボックス内に初期濃度がそれぞれアセ
トアルデヒド5ppm、アンモニア30ppm となるように試験
ガス(温度25℃、相対湿度50%)を導入した後、フィル
タ通過流量2.0m3/分で空気清浄器を運転し、30分後の残
存濃度を測定して夫々のガスの除去効率を算出した。ア
セトアルデヒドの濃度はFID 付ガスクロマトグラフで、
またアンモニアの濃度はガス検知管で測定した。両方の
ガスに対する除去効率が大きいほど、除去性能の優れた
空気浄化フィルタである。
【0051】(実施例1)ベース活性炭として通常の吸
着特性を有する市販の石炭系粒状活性炭60〜140メッシ
ュ(比表面積1480m2/g、表面酸性基量0.55meq/g )を、
窒素雰囲気中800℃で3時間保持し、その後その雰囲気
のまま 300℃以下まで冷却して取り出し、比表面積1390
m2/g、表面酸性基量0.27meq/g の担体活性炭を得た。
【0052】この担体活性炭 100重量部を、p-アニシジ
ン15重量部と水 300重量部からなる水溶液に浸漬し、室
温で10分間攪拌した。その後吸引濾過して水切りし、80
℃で24時間乾燥し、表面酸性基量0.22meq/g 、比表面積
1050m2/gの吸着材a を得た。
【0053】また同様の担体活性炭を用いて、p-アニシ
ジンの代わりにm-アニシジン、ポリエチレンイミンを同
様の方法で担持し、それぞれ吸着材b 、吸着材c を得
た。
【0054】(比較例1)実施例1と同様の担体活性炭
を用いて、アミン化合物を変えて実施例1と同様の方法
で担持し、それぞれ吸着材を得た。使用したアミン化合
物はp-アミノ安息香酸(吸着材d )、p-フェニレンジア
ミン(吸着材e )、ベンジルアミン(吸着材f )、エチ
レンジアミン(吸着材g )、n-ヘキシルアミン(吸着材
h )、ポリアリルアミン(吸着材i)である。
【0055】(実施例2)10〜30メッシュの石炭系原料
を 800℃で乾留したあと、燃焼ガス(水蒸気濃度約20
%)を用いて、950 ℃で比表面積が1200m2/gを超えるま
で賦活した。その後窒素ガスで置換した容器内に保持し
たまま 300℃以下まで冷却し、比表面積1210m2/g、表面
酸性基量0.05meq/g の活性炭を得た。これを粉砕、ふる
い分けして60〜140 メッシュの担体活性炭とし、実施例
1と同様の方法でp-アニシジンを担持して吸着材j を得
た。
【0056】(比較例2)実施例1で用いたベース活性
炭を無処理のまま担体とし、実施例1と同様の方法でp-
アニシジンを担持して吸着材kを得た。またp-アニシジ
ンの担持量を増やした吸着材として、同様の無処理の担
体活性炭 100重量部に対して、p-アニシジン30重量部を
用いて担持し、吸着材l を得た。
【0057】上述の吸着材について、先に述べた方法に
よりアセトアルデヒド吸着容量の評価を行った。第1図
には吸着材a および吸着材d の除去効率の減衰曲線を示
す。第1表および第2表に、それぞれの吸着材のアセト
アルデヒド吸着容量を示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】第1表に示すように、表面酸性基量が0.3m
eq/g以下かつ比表面積が800m2/g 以上で、担持アミン化
合物がポリエチレンイミン、m-アニシジンおよびp-アニ
シジンである吸着材では優れたアセトアルデヒド除去性
能を有する(実施例1)が、他のアミン化合物を担持し
た吸着材(実施例2)では除去性能が小さいことがわか
る。
【0061】比較例2に示すようにアセトアルデヒドと
の反応活性の大きなアミン化合物を担持しても、吸着材
の表面酸性基量が0.3meq/gより大きかったり、比表面積
が800m2/g 未満である場合には、本発明の吸着材(実施
例1および実施例2)に比べると、アセトアルデヒド除
去性能が劣ることがわかる。第2図は、吸着材の比表面
積と表面酸性基量の関連を示した図である。図中の色付
き部分が本発明の吸着材の比表面積と表面酸性基量の範
囲である。
【0062】(実施例3)比表面積1390m2/g、表面酸性
基量0.27meq/g の平均粒子径 105μm の活性炭に実施例
1と同様の方法でp-アニシジンを担持したアミン化合物
担持活性炭を得た。円網式抄紙機にて、この活性炭68重
量%、レーヨン19重量%、バインダーとしてポリビニル
アルコール13重量%からなる目付け150g/m2 、厚さ0.8m
m の活性炭含有シートを作製した。これを湿潤状態でポ
リプロピレン19重量部、レーヨン66部、ポリビニルアル
コール繊維15部からなるシート(目付け30g/m2、厚さ1.
0mm)と積層し、その後 120〜130 ℃で乾燥した。次い
でアミン化合物担持活性炭を含まないシート側に塩基性
ガス吸着用薬剤としてリンゴ酸10重量%を含有した添着
液をグラビアダイレクト法にて添着した。リンゴ酸の添
着量はシートに対して17重量%であった。次いでこの積
層シートをギア式ひだ折り装置にて山高さ20mmにひだ折
り加工し、山ピッチ3.8mm で濾材展開面積0.44m2のプリ
ーツ状空気浄化フィルタを得た。
【0063】(実施例4)比表面積1390m2/g、表面酸性
基量0.27meq/g の平均粒子径20μm の活性炭65重量%、
パルプ30重量%、ポリビニルアルコール繊維5重量%を
円網式抄紙機にて抄紙し、厚み0.25mm、嵩密度0.3g/cc
の活性炭ペーパーを得た。次いでこのペーパーにディッ
プコーティング法にてp-アニシジン15重量%を含有する
添着液を添着、乾燥したもの(活性炭に対するp-アニシ
ジン担持量8重量%)をフルート部とし、これとは別に
前記と同様の活性炭ペーパーにリンゴ酸7重量%を含有
した添着液をディップコーティング法にて添着、乾燥し
たもの(活性炭に対するリンゴ酸担持量12重量%)をラ
イナー部として、波ピッチ約3.1mm 、波高さ約2mm の片
段ボールを成型した。この片段ボールを積層して高さ65
mm、層長20mmのハニカム状空気浄化フィルタを作製し
た。
【0064】第3表に実施例3,4の空気浄化フィルタ
のアセトアルデヒドおよびアンモニア除去性能の評価結
果を示した。この結果より、本発明における空気浄化フ
ィルタはアセトアルデヒドおよびアンモニアの両者に対
して優れた除去性能を示すことがわかる。
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】本発明の吸着材および空気浄化フィルタ
は、安全でかつ本質的に低級アルデヒド類との反応活性
が大きなアミン化合物を担持し、かつその活性が有効に
活用されるように表面構造が制御された活性炭を含むた
め、担持されたアミン化合物が活性炭細孔内に吸着され
た低級アルデヒド類と反応しやすくなることにより、極
めて優れた低級アルデヒド類の除去性能を示す。さらに
前記アミン化合物担持活性炭を空気浄化フィルタとして
使用する場合において、該活性炭の優れた除去性能を損
なうことなく、塩基性物質に対する除去能をも兼ね備え
たフィルタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アセトアルデヒド除去効率の減衰曲線の一例
を示す図である。
【図2】 吸着材の比表面積と表面酸性基量の関係を示
す図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンイミン、m−アニシジン、
    p−アニシジンからなる群より選ばれた少なくとも1種
    が担持された活性炭を含む吸着材であって、該活性炭の
    表面酸性基量が0.3meq/g以下であることを特徴
    とする吸着材。
  2. 【請求項2】 前記活性炭のBET法で測定される比表
    面積が800m2 /g以上であることを特徴とする請求
    項1に記載の吸着材。
  3. 【請求項3】 低級アルデヒド類の除去に用いることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の吸着材。
  4. 【請求項4】 プリーツ状又はハニカム状に成型されて
    なるフィルタであって、ポリエチレンイミン、m−アニ
    シジン、p−アニシジンからなる群より選ばれた少なく
    とも1種が担持され、且つ、表面酸性基量が0.3me
    q/g以下である活性炭を含むことを特徴とする空気浄
    化フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記活性炭のBET法で測定される比表
    面積が800m2 /g以上であることを特徴とする請求
    項4に記載の空気浄化フィルタ。
  6. 【請求項6】 塩基性ガス吸着性シートを含むことを特
    徴とする請求項4又は5に記載の空気浄化フィルタ。
  7. 【請求項7】 表面酸性基量が0.5meq/g以下で
    あり、且つ、BET法で測定される比表面積が1200
    2 /g以上である活性炭に、ポリエチレンイミン、m
    −アニシジン、p−アニシジンからなる群より選ばれた
    少なくとも1種を担持させることを特徴とする吸着材の
    製造方法。
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