JPH11251918A - 音声信号波形符号化伝送方式 - Google Patents

音声信号波形符号化伝送方式

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JPH11251918A
JPH11251918A JP10092149A JP9214998A JPH11251918A JP H11251918 A JPH11251918 A JP H11251918A JP 10092149 A JP10092149 A JP 10092149A JP 9214998 A JP9214998 A JP 9214998A JP H11251918 A JPH11251918 A JP H11251918A
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sine
waveforms
frequency
amplitude
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JP10092149A
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Takayoshi Hirata
能睦 平田
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】音声信号の低ビット符号化による伝送で、特
に2.4キロビット/秒以下の伝送レートによる実用に
耐える品質をもった符号化を可能とする方式を提供する
ことが目的。 【構 成】非調和正弦波形を含む少数の正弦波形で音声
波形を一定区間ごとに近似すること、正弦波形の合成で
復元音声波形を得る際に区間波形の接続における不連続
を除くこと、補正波形を付加することにより合成波形に
生じる特有な雑音を抑圧すること、を主たる機能として
持つ構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】移動通信、インターネット通信な
どにおける音声通信に関係した分野。
【0002】
【従来の技術】音声符号化技術(音声帯域圧縮技術)と
して、音声信号からピッチ周期や信号のエネルギーの大
きさなどを抽出し符号化するボコーダがよく知られてい
るが、これは音源符号化方式の一つである。一方、波形
符号化方式は音声信号波形を効率的に符号化するもの
で、過去のサンプルによる現時点のサンプル値の予測値
と現実の値との差を、その電力の大きさに応じた量子化
ステップで適応的に変化させて符号化する適応予測符号
化(APC)、FFT(高速フーリエ変換)あるいはD
CT(離散コサイン変換)などの直交変換(調和分析)
を用いて信号を時間領域から周波数領域に変換して、周
波数成分の大きさに応じてビット配分を行なう適応変換
符号化(ATC)、周波数変換に帯域フィルタを用いて
帯域成分ごとに最適なビット配分で符号化を行なうサブ
バンド符号化(SBC)などの方法がある。移動電話の
標準方式となっているのはボコーダ形波形符号化方式の
一つで、駆動音源信号の一覧表の中から入力音声波形に
最も近い信号を合成するものを選び、駆動音源信号の番
号(code)を他の補助的情報と共に伝送する符号駆
動ボコーダ(CELP)方式が用いられている。CEL
Pは現在実用化されている最も低いビットレートの符号
化方式で、日本での移動電話の標準方式となっているハ
ーフレートのものは、音声信号に対して3.45キロビ
ット/秒の低ビット符号化を実現している。
【0003】ボコーダは2.4キロビット/秒の音声符
号化が可能であるが、音質の劣化が大きく自然性に欠け
ている。APC、ATC、SBCなどの波形符号化方式
は最低8キロビット/秒が実用に耐える品質である。C
ELPは3.45キロビット/秒を実現したが、ボコー
ダの2.4キロビット/秒以下を実現することは極めて
難しいものと考えられる。ATCでは、数十msごとに
区切られた波形から周波数成分を求めるときの分析精度
の限界が低ビット符号化における一つの制約となってい
る。FFTあるいはDCTによって求めた正弦波成分の
数を制限して音声波形を再合成すると、調和分析に特有
な不連続による雑音が発生するために、ATCでは低ビ
ット符号化のために正弦波形の数を削減することが難し
くなるという問題がある。上記の不連続の度合いは非調
和分析(分析結果は一般に調和正弦波形と非調和正弦波
形で表わされる)を用いることによって減らすことがで
きるが、少数の正弦波形で音声波形を合成した場合に特
有な雑音が復元音声の中で目立つようになり、その品質
は依然として改善されないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】音声波形を少数の正弦
波形(例えば、30msごとに3〜5本)で近似し、不
連続のないものとすることと、少数の正弦波形で音声波
形を合成した場合に発生する特有な雑音を抑圧すること
によって、ボコーダで実現している2.4キロビット/
秒よりも低いビットレートによる、実用に耐える品質を
もった音声信号波形の符号化伝送を可能にすることが、
本発明の課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、与えられた標本化周波数でデジタル符号
化された音声信号を分割して一定のデータ長の部分波形
を得る手段と、前記部分波形を分析して非調和正弦波形
を含む複数の正弦波形を求める手段と、おのおのの前記
正弦波形の振幅と周波数および位相の値を符号化する手
段を送信部に含み、前記符号化された値を復号化して振
幅と周波数および位相の値を得る手段と、前記振幅と周
波数および位相の値から正弦波形を再生する手段と、こ
れらの正弦波形を合成して外挿された復元部分波形を得
る手段と、前記振幅の関数で与えられる振幅制御係数を
白色雑音波形に掛け合わせて補正波形を求める手段と、
前記補正波形を前記外挿された復元部分波形に加え合わ
せて復元部分信号波形を得る手段と、前記復元部分信号
波形と後続する復元部分信号波形とを、その外挿された
部分を重み付けして、加算接続することにより一連の復
元音声信号波形を得る手段を受信部に含んで、前記送信
部から前記振幅と周波数および位相の値を符号化して伝
送し、前記受信部で前記符号化された前記振幅と周波数
および位相から音声信号を復元するようにした音声信号
波形符号化伝送方式を手段とするものであり、特に前記
振幅と周波数および位相の値から正弦波形を再生する手
段は、前記送信部の前記与えられた標本化周波数よりも
大なる標本化周波数を用いて前記正弦波形を再生するも
のである音声信号波形符号化伝送方式をその手段とする
ものである。
【0006】
【作用】1つの正弦波形の一部分を取り出してFFTで
周波数分析を行なうと、一般に多数のスペクトルが検出
される。FFT、DCTなどの調和分析では分析波形時
間長の逆数で与えられる基本周波数(DCTではその1
/2の周波数)の整数倍の周波数だけで入力波形の分析
を行なうことから、入力した正弦波形の周波数がそれら
周波数のいずれかに一致しなければ、(DCTでは更に
位相も一致しなければ)1つの正弦波形であっても上記
のように多数のスペクトルが検出されることになる。
【0007】そこで第一に、送信部では調和周波数と非
調和周波数を分析周波数に用いて得られる調和正弦波形
と非調和正弦波形で音声波形を近似し、低ビットでそれ
ら周波数を符号化するために、例えば(1)、(2)で
表わされる周波数を分析周波数とする。 (1)調和周波数:nF/M (2)非調和周波数:(n±1/2)F/M、 (n±1/4)F/M ただし、nは正の整数、Fは標本化周波数、Mはデータ
数を表わす。
【0008】上記の周波数を用いた波形分析方法とその
作用を以下説明する。部分波形をW(m)、m=1,
2,…,M、fを任意周波数としてA(f)およびB
(f)を次式で与えられる値とする。
【数1】 W(m)より求まる修正されたフーリエ係数をX(f)
およびY(f)とするとき、fが調和周波数である場合
と非調和周波数でも(n±1/2)F/Mである場合
は、
【数2】 とし、fが(n±1/4)F/Mである場合は
【数3】 で与えるものとする。また、それら周波数の正弦波成分
S(m,f)を
【数4】 で与えるものとする。更にこれらの正弦波成分のパワー
P(f)を
【数5】 で与えるものとする。
【0009】上記の(数1)ないし(数5)を用いて、
与えられた総ての周波数の中でP(f)が最大となるも
のをP(f)としたとき、S(m,f)をW(m)
の近似に最適な正弦波形とする。次にW(m)からS
(m,f)を差し引いて得られる残差波形をR
(m)とし、W(m)からS(m,f)を求めた手
順でR(m)の分析を行ない、R(m)の近似に最
適な正弦波形S(m,f)を求める。以下同様にして
一般に残差波形R(m)の近似に最適な正弦波形S
(m,fj+1)を求め、これらの正弦波形S(m,f
),S(m,f),…,S(m,fj+1)を用い
てW(m)の近似波形Wj(m)を次式で与える。
【数6】
【0010】fが調和周波数の場合は(数1)で与えら
れるフーリエ係数を用いれば、P(f)が最大となる周
波数で残差波形のパワーは最小となり、jが増加すれば
残差波形のパワーは一様に小さくなるが、fが非調和周
波数の場合、これは一般には成り立たない。すなわち、
jの増加でW(m)が発散することもある。非調和周
波数でもP(f)が最大となる周波数で残差波形のパワ
ーが最小となるようにするためには、前述のような修正
されたフーリエ係数を用いることが必要になる。
【0011】(数4)で表わされた正弦波形は、振幅を
V(f)、位相をQ(f)として
【数7】 と表わすことができる。ただし
【数8】 である。送信部からはW(m)の近似波形W(m)を
構成する正弦波形の周波数f,f,…,fj+1
振幅V(f),V(f),…,V(f
j+1)および位相Q(f ),Q(f),…,Q
(fj+1)を符号化して伝送する。
【0012】受信部では、符号化された周波数、振幅、
位相を復号化し、これらの値を用いて正弦波形を再生
し、(数6)で示されるように正弦波形の和でW(m)
の近似波形である復元部分波形を求める。W(m)を分
析して非調和正弦波形を含む複数の正弦波形を求めて、
これらの正弦波形で合成した波形W(m)は、正弦波
形の数が少ない場合、調和正弦波形だけで合成した場合
よりもはるかによい近似波形を与えるが、このようにし
て得られた部分波形を接続すると多少にかかわらず近似
誤差による不連続が生じる。
【0013】そこで第二に、受信部において(数6)で
表わされる各正弦波形を前後方向(m<1およびm>
M)に外挿することによりW(m)を前後方向に外挿
した波形を求め、その両端部分の波形に対して重み付け
を行なう。例えば、外挿した波形の範囲を−M/8<m
<9M/8(元の波形の長さMの1/8を前と後方向に
おいて外挿)として、波形接続で加え合わせる部分を−
M/8<m<M/8および7M/8<m<9M/8とす
るとき、
【数9】 で与えられるような関数G(m)およびG(m)を
それぞれの部分の波形に掛け合わせる。このような重み
付けを外挿した総ての復元部分波形に施して加算接続す
れば、不連続に起因した雑音のない連続波形を得ること
ができる。図1の(1)に復元部分波形の例を示し、
(2)にその外挿した波形、(3)に外挿して重み付け
した波形、(4)に重み付けの関数G(m)およびG
(m)を示す。
【0014】復元部分波形を合成する正弦波形の数が少
ない場合、例えば音声波形30ms当たり正弦波形が2
0以下になると、復元音には特有な雑音(「シュルシュ
ル」、「ピュルピュル」という音)が加わる。2キロビ
ット/秒程度の低ビット符号化を実現するには、30m
s当たりの正弦波形の数は5以下にする必要があるため
に、そのような特有な雑音が音声品質上の問題となる。
そこで第三に、上記の特有な雑音を抑圧するための処理
を受信側で行なう。この処理を施す根拠およびその作用
を以下に記す。音声信号の部分波形W(m)と復元部分
波形W(m)および残差波形R(m)の関係は
【数10】 である。R(m)はW(m)から検出される主要な正
弦波形をパワーの大きなものから数にして(j)除去し
た残差波形であり、R(m)のスペクトルはjが増せ
ば突出したものはなくなり、白色雑音的になる。図2
は、250Hzから3400Hzまでの帯域制限された
男声の部分波形(長さ32ms)約300を本発明で用
いられている周波数分析法で分析し、各部分波形から得
られた主要な正弦波形の振幅を大きなものから6個、縦
軸に振幅、横軸に検出順位をとって重ね画きにして示し
たものである。部分波形が母音の場合は1本目(n=
1)の振幅は大きいが子音の場合は小さい。しかし、 は白色雑音的になることが間接的に示されている。
【0015】従って、復元部分波形は原音声の部分波形
に上記のような白色雑音的な残差波形を位相を反転して
加えたものであり、復元部分波形を接続して得た復元音
声は、原音声に部分波形ごとに振幅の変化する白色雑音
的な音を加えたものとなり、これが特有な雑音(「シュ
ルシュル」、「ピュルピュル」)として聞こえることに
なる。そこで本発明では、この特有な雑音を抑圧するた
めの補正波形を受信側で作り、これを復元部分波形に加
えることが一つの特徴となる。この補正波形は白色雑音
(コンピュータで乱数を発生させて得ることができる)
に振幅制御係数B(V)を掛け合わせて作る。B(V)
は復元部分波形を構成する正弦波形の振幅の関数で与え
られ、最も簡単なものは
【数11】 である。ただし、kは定数、V(f)は復元部分波形
を構成する第n番目の正弦波形の振幅である。
【0016】上記の補正波形は聴感上よりよいものとす
るために、例えば次式で示されるように復元部分波形で
振幅変調した白色雑音波形を用いることもできる。
【数12】 ただし、N(m)は白色雑音波形を表わす。なお、補正
波形は(数9)で示されるような重み付けをする前に外
挿した復元部分波形に加え合わせておくことができる。
また、N(m)は総ての復元部分波形に対して同じもの
を用いてもよい。
【0017】受信側でデジタル信号をアナログ信号に変
換した後、ローパス・フィルタが用いられるが、その遮
断周波数はデジタル信号の標本化周波数により決められ
る。理論上、ローパス・フィルタの遮断周波数の上限は
標本化周波数の1/2である。例えば標本化周波数が8
kHzであれば、ローパス・フィルタの遮断周波数は4
kHz以下となるが、このようなローパス・フィルタの
アナログ信号の音質に及ぼす影響は少なくない。しか
し、本発明では復元音声の音質を更に改善するための付
加的処理を施すことができる。すなわち、送信側での標
本化周波数を8kHzとすると、受信側で伝送されたパ
ラメータ(周波数、振幅、位相)から正弦波形を作ると
きに16kHzの標本化周波数(クロック周波数)を用
いれば、ローパス・フィルタの遮断周波数の上限を8k
Hzにすることができる。
【0018】例えば、(数7)で示される送信側での正
弦波形が標本化周波数8kHz、m=1,2,…,25
6とすれば、部分波形の長さは32msとなる。受信側
では標本化周波数を16kHzとしてm=1,2,…,
512とする(復元部分波形の長さは32ms)。こう
して得られた復元部分波形から、前記の処理を経て求め
たデジタル信号であるところの復元音声信号波形を変換
してアナログの復元音声信号を求め、遮断周波数約8k
Hzのローパス・フィルタを通して最終的な復元波形で
ある音声信号を得る。正弦波形4本で復元した音声信号
の試聴テストでは、上記の例に従った場合(送信側8k
Hz、受信側16kHz)と送信側と受信側共に8kH
zの場合では明らかな差があり、前者は後者に比べて過
渡的な音が明瞭になることが確認された。
【0019】
【実施例】本発明の音声信号波形符号化伝送方式をソフ
トウェアで実現した場合の実施例を以下に示す。図3
は、本方式に基づいたソフトウェアによる音声符号化処
理を示すブロック図であり、送信部の信号処理を表わし
ている。入力部aの信号は、遮断周波数約4kHzのロ
ーパス・フィルタを経て標本化周波数8kHzでデジタ
ル符号化された音声信号である。1は音声信号である時
系列から256ずつデータを取り出して時間長32ms
の部分波形を作る波形データ分割手段を表わし、2は2
56データで成る部分波形を周波数分析して4つの正弦
波形を求め、各正弦波形を特定するパラメータ(周波
数、振幅、位相)を求める周波数分析およびパラメータ
検出手段を表わし、3は前記パラメータを符号化するパ
ラメータ符号化手段を表わす。符号化された周波数と振
幅および位相は出力部bから伝送信号として送り出され
る。
【0020】図3の周波数分析手段は、(数1)ないし
(数8)に示された演算を実行するものであるが、FF
Tを併用することにより高速な演算が可能になる。すな
わち、FFTによる粗い分析を行ない、最大パワーの正
弦波形を求めたら、その近傍の周波数について(数1)
ないし(数5)を用いて細かい周波数ステップで正弦波
形を求め、その中から更に最大パワーのものを検出す
る、という方法を用いることができる。また、FFTの
周波数分析で精度の低い低域周波数帯域だけを細かい周
波数ステップで調べる、という方法を用いることもでき
る。
【0021】低ビットレートの符号化を実現するため
に、約250Hzから4kHzの周波数帯域を128の
周波数で表わし、これを7ビットで符号化する。検出さ
れた4つの正弦波形の振幅は、第1番目のものを10ビ
ットで符号化し、第2番目は第1番目の振幅に対する比
で表わし、この比を4ビットで表わす。第3番目は第2
番目の振幅に対する比で表わし、この比を3ビットで表
わす。第4番目は第3番目の振幅に対する比で表わし、
この比を2ビットで表わす。また、それぞれの正弦波形
の位相は、第1番目を5ビット、第2番目を5ビット、
第3番目を4ビット、第4番目を3ビットで表わす。こ
うして4つの正弦波形全体で周波数に28ビット、振幅
に19ビット、位相に17ビットを割り当てる。従って
部分波形32msは64ビットで表わされ、1秒間では
2キロビットとなり、2キロビット/秒の低ビットレー
ト符号化となる。
【0022】図4は、受信部の信号処理を表わすもので
あり、図3の送信部から伝送された信号が入力信号とな
る。すなわち、入力部cの信号は符号化された周波数と
振幅および位相であり、これらは4のパラメータ復号化
手段で復号化され、第1番目から第4番目の正弦波形の
周波数f,f,f,fと振幅V,V
,Vおよび位相P,P,P,Pを得る。
〜fは送信部の2の周波数分析手段で得られた値
であり、V〜VおよびP〜Pは符号化に依存す
る丸め誤差が含まれたものとなる。5は上記の復号化さ
れたパラメータを用いて正弦波形を再生する正弦波形再
生手段を表わすが、ここから標本化周波数16kHzで
信号処理が行われる。また、外挿した部分波形を得るた
めにこの正弦波形再生手段において両方向に外挿した正
弦波形(m=−63,−62,…,575,576)を
求める。6は4つの外挿した正弦波形を加算して外挿さ
れた復元部分波形を得る復元部分波形合成手段を表わ
し、7は4で得られた振幅と6で得られた復元部分波形
を用いて白色雑音波形の振幅を変調し、(数12)で示
されるような補正波形を作る補正波形合成手段である。
6の出力である外挿した復元部分波形と7の出力である
補正波形は8の加算手段で加え合されて復元部分信号波
形となる。9は8から順次出力される復元部分信号波形
のおのおのを(数9)で示される値で重み付けして波形
振幅の調整をし、それらを加算接続することによって復
元音声信号波形を作る波形接続手段を表わし、dは復元
音声信号波形(デジタル信号)の出力部を表わす。
【0023】復元音声信号波形は標本化周波数(クロッ
ク周波数)16kHzで駆動されるDA変換器でアナロ
グ信号に変換され、更に遮断周波数約8kHzのローパ
ス・フィルタによって不要な高周波成分が除かれて復元
音声信号となる。なお、上記の補正波形は、(数12)
を用いて作る場合、あらかじめ乱数を発生させて規準化
した時系列をN(m)、V(f)=V、V(f
=Vとし、k=0.3とするときに最良な品質の復元
音声が得られる。
【0024】
【発明の効果】波形符号化における基本技術として用い
られる波形分析に非直交関数である非調和正弦波形を含
めることは、直交関数である調和正弦波形だけを用いた
場合よりも少ない数の正弦波形で誤差の少ない波形近似
を可能にし、低ビットレートで波形符号化を行なう上で
効果がある。また、正弦波形で復元部分波形を合成する
際に、波形を外挿してその両端部分に重み付けを施して
振幅を調整することは、復元部分波形をなめらかに接続
する上で効果があり、波形接続の不連続性による雑音発
生を防止することができる。更に、受信部で補正波形を
作り、これを復元部分波形に加えることは、正弦波形の
合成で音声波形を復元する場合に生じ得る特有な雑音を
抑圧する効果があり、低ビットレートの音声波形符号化
における復元音声の品質を実用に耐えるものとすること
ができる。更にまた、復号化での標本化周波数を高める
こと、例えば符号化での標本化周波数の2倍にすること
は、復元音声の過渡的な音を改善して明瞭にする効果が
ある。
【0025】上記の効果があるために、本発明は従来法
に比べてより低いビットレートでの音声符号化が可能と
なり、ソフトウェアによる信号処理によってパーソナル
コンピュータを用いたインターネット通話が実現できる
ことになる。なお、本発明の更に別の効果として、拡声
通話でのハウリングあるいはエコーの抑圧処理が可能に
なるという点を挙げることができる。すなわち、受信し
た符号から周波数を求め、送信する符号の中に同じ周波
数があれば、その周波数成分を除くことにより、拡声ス
ピーカからマイクロホンへ入り込んだ音を除去し、ハウ
リングあるいはエコーの発生を阻止することができる。
このような機能は、本発明をソフトウェアで実行する場
合、簡単なソフトウェアの追加で実現することができ、
インターネットによる拡声通話を可能にするという効果
がある。最後に、本発明で示された符号化および復号化
は音声信号の伝送に限らず記録にも利用可能である。す
なわち低ビットレートの符号化により、限られた容量の
記録媒体を用いてより長時間の音声記録ができることに
なる。更に、本発明で示された符号化および復号化は波
形を扱うものであることから、信号を音声に限定するこ
となく音楽を対象とすることも可能である。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】復元部分波形を外挿して重み付けする波形処理
を説明するための図である。
【図2】男声の周波数分析で得られた第1番目から第6
番目までの正弦波成分の振幅を、約300例について重
ね画きしたグラフである。
【図3】本発明に基づいたソフトウェアによる音声符号
化処理を示すブロック図である。
【図4】本発明に基づいたソフトウェアによる音声復号
化処理を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 波形データ分割手段 2 周波数分析・パラメータ検出手段 3 パラメータ符号化手段 4 パラメータ復号化手段 5 正弦波形再生手段 6 復元部分波形合成手段 7 補正波形合成手段 8 加算手段 9 波形接続手段 a 入力部 b 出力部 c 入力部 d 出力部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】与えられた標本化周波数でデジタル符号化
    された音声信号を分割して一定のデータ長の部分波形を
    得る手段と、前記部分波形を分析して非調和正弦波形を
    含む複数の正弦波形を求める手段と、おのおのの前記正
    弦波形の振幅と周波数および位相の値を符号化する手段
    を送信部に含み、前記符号化された値を復号化して振幅
    と周波数および位相の値を得る手段と、前記振幅と周波
    数および位相の値から正弦波形を再生する手段と、これ
    らの正弦波形を合成して外挿された復元部分波形を得る
    手段と、前記振幅の関数で与えられる振幅制御係数を白
    色雑音波形に掛け合わせて補正波形を求める手段と、前
    記補正波形を前記外挿された復元部分波形に加え合わせ
    て復元部分信号波形を得る手段と、前記復元部分信号波
    形と後続する復元部分信号波形とを、その外挿された部
    分を重み付けして、加算接続することにより一連の復元
    音声信号波形を得る手段を受信部に含んで、前記送信部
    から前記振幅と周波数および位相の値を符号化して伝送
    し、前記受信部で前記符号化された前記振幅と周波数お
    よび位相から音声信号を復元するようにした音声信号波
    形符号化伝送方式。
  2. 【請求項2】前記振幅と周波数および位相の値から正弦
    波形を再生する手段は、前記送信部の前記与えられた標
    本化周波数よりも大なる標本化周波数を用いて前記正弦
    波形を再生するものである特許請求の範囲請求項1記載
    の音声信号波形符号化伝送方式。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009086661A (ja) * 2007-09-12 2009-04-23 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 楽音波形の情報圧縮方法、情報伸長方法、情報圧縮のためのコンピュータプログラム、情報圧縮装置、情報伸長装置及びデータ構造
JP2015508911A (ja) * 2012-02-27 2015-03-23 フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン 知覚的オーディオコーデックにおけるハーモニック信号のための位相コヒーレンス制御

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