JPH11248933A - Crt用フィルター - Google Patents

Crt用フィルター

Info

Publication number
JPH11248933A
JPH11248933A JP10302346A JP30234698A JPH11248933A JP H11248933 A JPH11248933 A JP H11248933A JP 10302346 A JP10302346 A JP 10302346A JP 30234698 A JP30234698 A JP 30234698A JP H11248933 A JPH11248933 A JP H11248933A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
crt
resin layer
polymerizable composition
filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10302346A
Other languages
English (en)
Inventor
Shusuke Takushima
秀典 宅島
Koji Futaki
宏治 二木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP10302346A priority Critical patent/JPH11248933A/ja
Publication of JPH11248933A publication Critical patent/JPH11248933A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光透過率を減ずることなく紫外線を効果
的にカットし、静電気の発生を防止し、容易に着脱が可
能なCRT用フィルターを提供すること。 【解決手段】 基材フィルム1の一方の表面にトリメチ
レングリコールビスアリルカーボネート、ジエチレング
リコールビス(アリルカーボネート)等のポリ炭酸エス
テル、ペンタエリスリトールテトラ(3−メルカプトプ
ロピオネート)、光重合開始剤及び紫外線吸収剤を含有
する重合性組成物の光硬化樹脂層2を形成したことを特
徴とするCRT用フィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン、コ
ンピュータ等のCRTの画面に容易に着脱が可能なCR
T用フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、CRTの表面には、その表面保護
の目的でハードコートフィルムが施されているが、ごみ
やほこり等の付着、蛍光灯や窓の映り込みによる視覚障
害の発生などの問題があった。その対策として、特開平
8−112866号公報には、ハードコートフィルムに
帯電防止層を設けることによってほこり等の付着を防止
するとともに、ハードコートフィルムの表面又は帯電防
止層の表面に凹凸を形成することによって、防眩効果を
得ることが開示されている。しかしながら、その帯電防
止効果は、充分ではなく、ごみやほこりの付着がかなり
短期間に目障りになってしまう。また、従来のハードコ
ートフィルムには、CRT画面から発生する紫外線に対
する対策がなされておらず、目の疲れが起こりやすいと
いう問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、静電気の発
生を防止し、可視光透過率の高い、容易に着脱が可能な
CRT用フィルター、さらに静電気の発生を防止すると
共に、可視光透過率を減ずることなく紫外線を効果的に
カットしうる着脱が容易なCRT用フィルターを提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の組成の
光硬化樹脂からなるフィルムが静電気の発生を防止する
とともに可撓性に優れ、平面に接着剤なしに半永久的に
密着でき、しかも随時、簡単に剥離でき、繰り返して密
着・剥離を行いうることを見出し、この知見に基づいて
完成したものである。
【0005】すなわち、本発明のCRT用フィルター
は、基材フィルムの一方の表面に、(A)一般式(I) R−O−CO−〔−O−R1 −O−CO−〕n −O−R ・・・(I) 〔式中、Rは不飽和基を表し、R1 は2価の脂肪族又は
芳香族基を表し、nは1〜9の数を表す〕で示されるポ
リ炭酸エステル、(B)一般式(II) R2 −(−SH)m ・・・(II) 〔式中、R2 は多価の有機基を表し、mは2以上の整数
を表す〕で示されるポリチオール及び(C)光重合開始
剤を含有する重合性組成物の光硬化樹脂層を有すること
を特徴とする。本発明はさらに、上記CRT用フィルタ
ーの光硬化樹脂層とは反対側の基材フィルム表面に反射
防止層を有するCRT用フィルターを提供するものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のCRT用フィルターは、
上記のように、基材フィルムの一方の表面に特定の光硬
化樹脂層を有するものである。基材フィルムとしては、
透明フィルムであれば特に制限はなく、ポリメチルメタ
クリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ
エチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポ
リエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリ
オレフィンフィルム、ニトロセルロースフィルム、アセ
チルセルロースフィルム、セルロースアセテートプロピ
オネートフィルム、エチルヒドロキシエチルセルロース
フィルム等のセルロースフィルム、ポリ塩化ビニリデン
フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリスチレンフィ
ルムなどが挙げられる。基材フィルムは、通常、10〜
400μm、好ましくは25〜200μmの厚さを有す
るものとする。基材フィルムの厚さが10μm未満であ
ると、機械的強度が低下し、400μmを超えると、製
造時のフィルムの巻き取りができなくなる。
【0007】本発明のフィルターにおいて、上記のよう
な基材フィルターの一方の表面に設けられる光硬化樹脂
層は、前記の(A)成分であるポリ炭酸エステル、
(B)成分であるポリチオール及び(C)成分である光
重合開始剤を含有する重合性組成物から形成される。
【0008】(A)成分として用いるポリ炭酸エステル
は、上記の一般式(I)で示されるポリ炭酸エステルで
あり、一般式(I)中、Rは1価の不飽和基であり、例
えば、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプ
ロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペ
ンチニル基、エチニル基などである。また、R1 は、2
価の脂肪族又は芳香族基を表し、その具体例としては、
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、
ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、デカメチレングリコール、ジエチレングリコール、
p−キシリレングリコール等の脂肪族ジオールを構成す
る2価の脂肪族炭化水素基又はビス(4−オキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,
1−ビス(4−オキシフェニル)イソブタン、1,1−
ビス(4−オキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−
ビス(4−オキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−オキシフェニル)ブタン等の芳香族ジオールを構
成する2価の芳香族炭化水素基が挙げられる。一般式
(I)で示されるポリ炭酸エステルのうち、トリメチレ
ングリコールビスアリルカーボネート及びジエチレング
リコールビス(アリルカーボネート)が好ましい。
【0009】(B)成分としては一般式(II)で示さ
れるポリチオールを用いるが、これらのうち、一般式
(III)
【0010】
【化1】
【0011】〔式中、R3 は2価の有機基を表し、R4
は多価の有機基を表し、mは2以上の整数を表す〕で示
される化合物が、重合物の耐衝撃性、染色性などの点で
好ましい。この化合物は、ポリチオールのエステルであ
り、その具体例としては、エチレングリコールビス(チ
オグリコレート)、エチレングリコールビス(3−メル
カプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリ
ス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリ
ス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリ
トールテトラ(メルカプトアセテート)、ペンタエリス
リトールテトラ(チオグリコレート)、ペンタエリスリ
トールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)などが
挙げられる。
【0012】本発明に用いる重合性組成物においては、
上記のような(A)成分のポリ炭酸エステルと(B)成
分のポリチオールとを、当量比で2:1〜1:3、好ま
しくは1.2:1〜1:1.3の割合で配合する。この
当量比範囲より(A)成分の量が多くなると、重合が完
結せず、また、(B)成分の量が多くなると、重合後、
モノマー臭の強い重合物となる。なお、本発明の用いる
重合性組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で上記
の(A)成分及び(B)成分以外の単量体を含んでいて
もよい。含有しうる単量体としては、アクリル系化合
物、スチレン系化合物、エポキシ化合物などが挙げられ
る。
【0013】本発明に用いる重合性組成物は、さらに
(C)成分として光重合開始剤を含有する。光重合開始
剤は、重合性組成物中に0.005〜10重量%の割合
で含まれるように添加するのが好ましい。光重合開始剤
の量が0.005重量%未満であると、硬化に充分な重
合反応が起こらず、密着性が不充分となり、また、10
重量%を超えると、光重合開始剤を添加した後、急激に
反応が起き、溶液としての安定性が損なわれてしまう。
こうした場合、製造装置の重大なトラブルの原因にもな
る。
【0014】光重合開始剤としては、特に制限はなく、
各種のものを用いることができ、例えば、ベンゾイン、
ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、アセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2
−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキ
シ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチ
オ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホ
リノフェニル)−ブタン−1−オン、ベンゾフェノン、
4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
N,N−ジメチルアミノアセトフェノン、2−メチルア
ントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−クロロ
アントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、
2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4,6−
トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(p−クロロ
フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−
トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリ
クロロメチル)−4’−メトキシフェニル−s−トリア
ジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,
6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−
p−メトキシスチリル−4,6−ビス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、2−(2’,4’−ジメトキシ
スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−
トリアジン、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−
4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾリ
ル、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラ−(p−メトキシフェニル)ビ
スイミダゾリル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジ
フェニルホスフィンオキサイド、ビスアシルホスフィン
オキサイド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホ
スファイト、トリラウリル−トリチオホスファイト、ビ
ス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ト
リメチルペンチルホスフィンオキサイド、(η5 〜2,
4−シクロペンタジエン−1−イル)〔(1,2,3,
4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン〕−
アイアン(1+)−ヘキサフルオロホスフェイト(1
−)などが挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を
組み合わせて用いることができる。これらのうち、殊
に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン及びビスアシルホスフィンオキサイドを組
み合わせて用いるのが好ましい。さらに、このような光
重合開始剤をN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエ
ステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエ
ステル、トリエタノールアミン、2−メルカプトベンゾ
チアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−
メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−5−
メチルチオ−1,3,4−チアゾールなどの公知の光増
感剤の1種又は2種類以上と併用することもできる。
【0015】また、本発明に用いる重合性組成物には、
その光硬化樹脂に紫外線カット効果を付与する目的で、
紫外線吸収剤を配合することができる。紫外線吸収剤
は、重合性組成物中に0.01〜3.0重量%の量で含
まれるように添加するのが好ましい。紫外線吸収剤の添
加量が0.01重量%未満であると充分な紫外線吸収効
果が得られず、3.0重量%を超えると紫外線吸収剤が
飽和して溶解しない。紫外線吸収剤としては、モノマー
の一方又は両方に溶解するものであれば、特に制限はな
く、各種のものを使用することができ、例えば、2−ヒ
ドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン等のベンゾフェノン系、フェニルサリチレート
等のサリチレート系、(2’−ヒドロキシフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス
〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕
等のベンゾトリアゾール系、エチル−2−シアノ−3,
3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系
の紫外線吸収剤が挙げられ、これらを単独で又は2種類
以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】本発明に用いる重合性組成物には、さら
に、必要に応じて、安定剤、硬化促進剤、消泡剤、レベ
リング剤、界面活性剤、顔料などを必要に応じて添加す
ることができる。本発明においては、上記のように各成
分を配合した重合性組成物を基材フィルムの一方の表面
に塗布し、その塗膜に光を照射して重合・硬化反応を行
わせることにより、透明性が高い光硬化樹脂層を形成す
ることができる。このとき、重合性組成物の塗布性を向
上させる目的や、粘度調整、各成分の均一混合の目的
で、溶剤で希釈して用いることができるが、ここで使用
する有機溶剤は、特に限定されるものではない。塗布性
の良好な組成物を得るためには、例えば、3−メチル−
3−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエー
テル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、
エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、メチルカルビト
ール、エチルカルビトール等の有機溶剤が挙げられる。
【0017】他に、n−ヘキサン、n−デカン、シクロ
ヘキサン等の炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ブチルアセテート、
ベンジルアセテート等のエステル系溶剤、ブチルカルビ
トール、メチルセロソルブアセテート、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール等のアルコール系溶剤、メ
チルエチルケトン等のケトン系溶剤及びそれらの誘導体
などが挙げられる。重合性組成物の塗布方式は、公知の
方法を用いることができ、例えば、ロールコート法、ス
プレー法、スロットダイ法、グラビア法、マイクログラ
ビア法、リバース法などの方法で行うことができる。上
記重合性組成物から成る光硬化樹脂層は、通常、0.0
1〜2mmの厚さであるのが取り扱い性や密着性から好
ましく、0.1〜1mmの厚さであるのがより好まし
い。
【0018】さらに、本発明のCRT用フィルターは、
その光硬化樹脂層をCRT表面に接触させることによ
り、接着剤を使用しなくても半永久的に密着することが
でき、また、容易に剥離でき、密着・剥離を何回でも繰
り返すことができ、また、帯電防止剤を使用しないにも
かかわらず、静電気の発生を抑え、ごみやほこりの付着
や静電気による感電を防止することができる。なお、本
発明のCRT用フィルターの光硬化樹脂層上に、保護フ
ィルムを付着させることもできる。使用しうる保護フィ
ルムとしては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムなどが
挙げられる。光硬化樹脂層は、密着性に優れているた
め、接着剤を使用しなくても保護フィルムを密着させる
ことができ、CRT用フィルターの使用時に手で容易に
剥離することができる。
【0019】本発明のCRT用フィルターには、さら
に、光硬化樹脂層とは反対側に反射防止層を設けること
ができる。反射防止層の形成材料としては、高屈折率材
料としてZnO、TiO2 、CeO2 、Sb25 、S
nO2 、ZrO2 、Al23 、低屈折率材料としてM
gF2 、SiOx (xは1.50≦x≦2.00)、L
iF、3NaF・AlF3 、AlF3 、Na3 AlF6
などが挙げられる。反射防止層は、真空蒸着法、スパッ
タリング法、イオンプレーティング法、イオンビームア
シスト法など、任意の方法で形成することができる。こ
のような反射防止層を設けることにより、色ムラを抑え
ることができ、また、優れた防眩効果を得ることができ
る。本発明において、反射防止層は、高屈折率材料を用
いた層をλ/2、低屈折率材料を用いた層をλ/4の厚
さで設計するのが好ましい(ここで、λは550n
m)。
【0020】次に、図面を参照して本発明をさらに具体
的に説明する。図1及び図2は、それぞれ本発明の実施
例を示すCRT用フィルターの断面図である。図1に示
したCRT用フィルターは、基材フィルム1の一方の表
面に光硬化樹脂層2を有するものである。図2に示した
CRT用フィルターは、基材フィルター1の一方の表面
に光硬化樹脂層2を有し、他方の表面に反射防止層3を
有する。図2に示した構成のCRT用フィルターを製造
する場合、基材フィルム1に任意の順序で光硬化樹脂層
2及び反射防止層3を形成することができる。
【0021】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれによって制限されるもので
はない。なお、下記の実施例に使用するジエチレングリ
コールビス(アリルカーボネート)は、一般式(I)に
おいてR=−CH2 −CH=CH2 、R1 =−CH2
CH2 −O−CH2 −CH2 −の化合物であり、ペンタ
エリスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネー
ト)は、一般式(III)においてm=4、R3 =−C
2 −CH2 −、R4
【0022】
【化2】
【0023】の化合物である。 実施例1 厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
の片面に、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネ
ート)105.8重量部、ペンタエリスリトールテトラ
(3−メルカプトプロピオネート)94.2重量部、光
重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ株式会社製、商品名ダロキュア1173)0.
2重量部及び紫外線吸収剤として2,2−メチレンビス
〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕
(共同薬品株式会社製、商品名バイオソーブ583)
0.6重量部を暗所で混合し、得られた重合性組成物を
スロットダイ法で塗布し、直後にメタルハライドランプ
で紫外線を照射し、厚さ200μmの光硬化樹脂層を形
成した。このときの照射ランプの出力は80W、ライン
スピードは5m/分であった。こうして得られたフィル
ムの他方の表面に、第1の透明薄膜としてSiO2 を膜
厚15nmになるように形成し、さらにその上に第2の
透明薄膜としてTiO2を膜厚15nm、次いで第3の
透明薄膜としてSiO2 を膜厚28nm、次いで第4の
透明薄膜としてTiO2 を膜厚107nm、次いで第5
の透明薄膜としてSiO2 を膜厚90nmになるように
順次形成して反射防止層を形成した。このときの第1の
透明薄膜の屈折率をn1、第2の透明薄膜の屈折率をn
2、第3の透明薄膜の屈折率をn3、第4の透明薄膜の
屈折率をn4、第5の透明薄膜の屈折率をn5とする
と、n1=1.45、n2=2.4、n3=1.45、
n4=2.4、n5=1.45となる。
【0024】得られたCRT用フィルターは、高い透明
性を有し、また、光硬化樹脂層側を直接CRT画面に貼
り付ければ半永久的に密着しており、CRT表面の保護
の働きを有する。得られたフィルターの可視光透過率、
紫外線透過率(紫外線カット効果)及び静電気発生の抑
制効果をそれぞれ下記の方法で測定し、結果を表1に示
す。 1)可視光透過率 紫外可視分光光度計で測定された550nmにおけるフ
ィルターの透過率を測定した。 2)紫外線透過率 紫外可視分光光度計で測定された300nmにおけるフ
ィルターの透過率を測定した。 3)静電気発生の抑制効果 JIS K6911の方法により誘電率を測定した。
【0025】実施例2 光硬化樹脂層の光重合開始剤を2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−フェニルプロパン−1−オンとビスアシルホ
スフィンオキサイドとの混合物(チバ・スペシャルティ
・ケミカルズ株式会社製、商品名イルガキュア170
0)0.2重量部に変えた以外は、実施例1と同様に操
作してCRT用フィルターを製造し、その性能試験の結
果を表1に示す。
【0026】実施例3 光硬化樹脂層の成分中、(A)成分のポリ炭酸エステル
としてトリメチレングリコールビスアリルカーボネート
50重量部、(B)成分のポリチオールとしてペンタエ
リスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)
50重量部を用いた以外は、実施例1と同様に操作して
CRT用フィルターを製造し、その性能試験の結果を表
1に示す。
【0027】
【表1】 可視光透過率 紫外線透過率 静電気発生の抑制効果 〔誘電率(1MHz)〕 実施例1 90% 0% 2.2 実施例2 90% 0% 2.2 実施例3 90% 0% 2.3
【0028】
【発明の効果】本発明によるCRT用フィルターは、高
い可視光透過率を示し、高い透明性を有するとともに、
帯電防止剤を用いなくても静電気の発生を防止すること
ができるため、ゴミやほこりの付着を防止し、静電気に
よる感電を防止することができる。しかも、製造が極め
て容易であり、CRTへの取りつけも単に画面部分に直
接(接着剤などを用いずに)貼りつけるだけで半永久的
に密着しており、また、手で簡単に剥離することがで
き、着脱を何回でも繰り返すことができ、その際画面を
汚したり傷つけたりしない。剥離したフィルターは、水
洗いで容易に汚れを落とすことができる。また、紫外線
吸収剤を添加することにより、高い可視光透過率を維持
したまま紫外線を効果的にカットすることができ、目に
有害な紫外線から保護することができ、さらに、反射防
止層を設けたフィルターは、色ムラを抑えることがで
き、また、優れた防眩効果も示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すCRT用フィルターの
断面図である。
【図2】本発明の別の実施例を示すCRT用フィルター
の断面図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム 2 光硬化樹脂層 3 反射防止層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02B 1/10 G09F 9/00 307B 5/20 309Z G09F 9/00 307 314A 309 H01J 29/89 314 H04N 5/72 A H01J 29/89 G02B 1/10 A H04N 5/72 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの一方の表面に、(A)一
    般式(I) R−O−CO−〔−O−R1 −O−CO−〕n −O−R ・・・(I) 〔式中、Rは不飽和基を表し、R1 は2価の脂肪族又は
    芳香族基を表し、nは1〜9の数を表す〕で示されるポ
    リ炭酸エステル、(B)一般式(II) R2 −(−SH)m ・・・(II) 〔式中、R2 は多価の有機基を表し、mは2以上の整数
    を表す〕で示されるポリチオール及び(C)光重合開始
    剤を含有する重合性組成物の光硬化樹脂層を有すること
    を特徴とするCRT用フィルター。
  2. 【請求項2】 重合性組成物が(A)成分と(B)成分
    とを、当量比で2:1〜1:3の割合で含む請求項1記
    載のCRT用フィルター。
  3. 【請求項3】 重合性組成物が(A)成分と(B)成分
    とを、当量比で1.2:1〜1:1.3の割合で含む請
    求項2記載のCRT用フィルター。
  4. 【請求項4】 重合性組成物が(C)成分を0.005
    〜10重量%の割合で含む請求項1記載のCRT用フィ
    ルター。
  5. 【請求項5】 重合性組成物が紫外線吸収剤を0.01
    〜3.0重量%の割合で含む請求項1記載のCRT用フ
    ィルター。
  6. 【請求項6】 (A)成分としてジエチレングリコール
    ビス(アリルカーボネート)、(B)成分としてペンタ
    エリスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネー
    ト)を用いた請求項1記載のCRT用フィルター。
  7. 【請求項7】 (A)成分としてトリメチレングリコー
    ルビスアリルカーボネート、(B)成分としてペンタエ
    リスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)
    を用いた請求項1記載のCRT用フィルター。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のCRT用フィルターの光
    硬化樹脂層とは反対側の基材フィルム表面に反射防止層
    を有することを特徴とするCRT用フィルター。
JP10302346A 1997-12-08 1998-10-23 Crt用フィルター Pending JPH11248933A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10302346A JPH11248933A (ja) 1997-12-08 1998-10-23 Crt用フィルター

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33731497 1997-12-08
JP9-337314 1997-12-08
JP10302346A JPH11248933A (ja) 1997-12-08 1998-10-23 Crt用フィルター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11248933A true JPH11248933A (ja) 1999-09-17

Family

ID=26563073

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10302346A Pending JPH11248933A (ja) 1997-12-08 1998-10-23 Crt用フィルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11248933A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004217727A (ja) * 2003-01-10 2004-08-05 Nippon Technical System Kk 眼精疲労防止用塗料組成物および眼精疲労防止用塗料
JP2007264272A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Dainippon Printing Co Ltd 高屈折率ハードコート層
JP2010039206A (ja) * 2008-08-05 2010-02-18 Hamamatsu Photonics Kk 光学フィルター

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004217727A (ja) * 2003-01-10 2004-08-05 Nippon Technical System Kk 眼精疲労防止用塗料組成物および眼精疲労防止用塗料
JP4671583B2 (ja) * 2003-01-10 2011-04-20 Jts株式会社 眼精疲労防止用塗料組成物
JP2007264272A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Dainippon Printing Co Ltd 高屈折率ハードコート層
JP2010039206A (ja) * 2008-08-05 2010-02-18 Hamamatsu Photonics Kk 光学フィルター

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI301096B (en) Anti glare hard coat film
KR102198981B1 (ko) 하드 코트 필름, 편광판 및 화상 표시 장치
JP4746863B2 (ja) 防眩性ハードコート層形成用材料及び防眩性ハードコートフィルム
JP4958609B2 (ja) 防眩性ハードコートフィルム及びその製造方法
JP4135232B2 (ja) ハードコートフィルムもしくはシート
EP3418782B1 (en) Polarizer protection film, polarizing plate comprising the same, liquid crystal display comprising the polarizing plate, and coating composition for polarizer protecting film
JP5063141B2 (ja) 防眩性ハードコートフィルムの製造方法
KR101271284B1 (ko) 표시 화면용 기능 필름 및 그 제조법
CN109073970B (zh) 转印膜、装饰图案及触摸面板
JP2008122603A (ja) 反射防止フィルム及びディスプレイ用フィルター
JP2015003516A (ja) 保護コート層付フィルム
TWI389798B (zh) 抗反射薄膜
KR20080068550A (ko) 하드코팅필름
US20070020470A1 (en) Optical film and image display apparatus panel using the same
JPH06157788A (ja) 帯電防止能を有するトリアセチルセルロースフィルム、そのフィルムを用いた偏光板及びその製造方法
KR20060051875A (ko) 광학적층체 및 광학소자
JPH1171458A (ja) 接着性を有する透明樹脂及び複合体、被膜形成用紫外線硬化性組成物、飛散防止機能付き反射防止性ガラス、緩衝材、紫外線カットシート、テレビジョン用紫外線カットフィルター、vdt用フィルター、及び高屈折率型プライマー組成物及びこれを用いたプライマー付きレンズの製造方法
JPH11248933A (ja) Crt用フィルター
KR102167662B1 (ko) 디스플레이 패널용 시인성 개선 필름 및 이를 포함하는 디스플레이 장치
JP7315122B1 (ja) ハードコートフィルムおよびその製造方法
JP2007233392A (ja) 光学フィルム及びそれを用いた画像表示装置用パネル
JP2007185824A (ja) 反射防止積層フィルム
KR102200307B1 (ko) 디스플레이 패널용 시인성 개선 필름 및 이를 포함하는 디스플레이 장치
JPH10128899A (ja) 光拡散機能を有するガラス飛散防止フィルム
JP2008216913A (ja) 光学フィルム