JPH11246694A - 位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

位相差フィルムの製造方法

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JPH11246694A
JPH11246694A JP33943698A JP33943698A JPH11246694A JP H11246694 A JPH11246694 A JP H11246694A JP 33943698 A JP33943698 A JP 33943698A JP 33943698 A JP33943698 A JP 33943698A JP H11246694 A JPH11246694 A JP H11246694A
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film
layer
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retardation film
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JP33943698A
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Akiko Shimizu
朗子 清水
Takahiro Hishinuma
高広 菱沼
Koji Azuma
浩二 東
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TN型液晶表示装置の視野角特性の改良に用
いられる位相差フィルムについて、視野角特性の改良性
能および耐久性も含めて市場の要望を満足する位相差フ
ィルムを提供する。 【解決手段】 透明高分子フィルムの少なくとも片面
に、正の屈折率異方性を有しかつ光学主軸がフィルム法
線方向から20度〜70度傾斜している少なくとも1層
のTa2O5を主成分とする無機誘電体からなる斜方蒸
着層を形成してなる位相差フィルムの製造方法であっ
て、蒸着材料としてTa25を50重量%以上含有する
無機誘電体を使用することを特徴とする位相差フィルム
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は位相差フィルムの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置(以下、LCDと表わす)
として現在最もよく用いられているものは、吸収軸が直
交となるように配置された一対の直線偏光フィルムの間
に、透明電極を形成した一対のガラス基板の間にガラス
基板法線方向に螺旋軸を有し、そのネジレ角度が約90
度であるような配向構造を有したネマチック液晶を挟持
した液晶セルを挟んだ、ノーマリホワイト(以下、NW
と表わす)モードのツイステッドネマチック型LCD
(以下、TN−LCDと表わす)である。NWモードの
TN−LCDは、電圧を印加しない状態では入射した直
線偏光が液晶セルの旋光性により90度回転して出射さ
れるため白状態となり、電圧を印加した状態では液晶分
子がガラス基板に対して起き上がり、旋光性が消失し、
入射した直線偏光はその状態を保ったまま出射されるた
め黒状態となる。また、この白状態、黒状態とその中間
状態を利用することで、階調表示を行っている。
【0003】しかし、LCDに用いられるネマティック
液晶は、分子構造が棒状をしており分子軸方向の屈折率
が大きい正の屈折率異方性を示すものであり、LCDを
斜めに通過する光の偏光状態の変化はこの液晶の屈折率
異方性による位相差のためにLCDの法線方向とは異な
ったものとなる。このため、LCD法線方向から外れた
角度から表示を見た場合、コントラストが低下したり、
階調表示が逆転する階調反転などの現象が起こるという
視野角特性を示す。
【0004】この視野角特性は液晶分子の屈折率異方性
が原因であることから、液晶分子の屈折率異方性による
位相差を補償するための液晶とは逆の屈折率異方性を示
す位相差フィルムを用いた改良が検討されている。視野
角特性の改良は黒表示即ち電圧印加状態における視野角
特性を改良することで大きな効果が得られる。電圧印加
状態では液晶分子はガラス基板に垂直に近い状態に配向
していることから、この状態をガラス基板法線方向に光
学軸を有する正の屈折率異方体と見なして、これを補償
する位相差フィルムとしてフィルム法線方向に光学軸を
有しかつ負の屈折率異方性を有する位相差フィルムを用
いる方法が特開平2−015239号公報や特開平3−
103823号公報などに開示されている。
【0005】また、実際のLCDにおいては電圧印加状
態にあってもガラス基板付近の液晶は基板の配向膜の拘
束力のためにガラス基板に近い部分では傾斜状態のまま
であることから、位相差フィルムの光学軸がフィルム法
線方向から傾斜した方向にありかつ負の屈折率異方性を
有する位相差フィルムを用いる方法も特開昭63−23
9421号公報や特開平6−214116号公報などに
記載されている。また別の方法として、液晶と同じ正の
屈折率異方性を持ちながらも、光学軸をフィルム法線方
向から傾斜させた状態とした位相差板を用いても視野角
特性を改良できることが、特開平5−080323号公
報、特開平7−306406号公報やWO96/107
73号公報などに記載されている。
【0006】最近TN−LCDはパーソナルコンピュー
タを初めとする多様な用途に利用されるようになり、大
型化、高精細化、広視野角化、軽量化や低コスト化だけ
でなく耐久性の向上が強く求められている。
【0007】しかしながら、フィルム法線方向に光学軸
を有しかつ負の屈折率異方性を有する位相差フィルムを
用いた場合には、視野角の改良効果が必ずしも十分では
ない。また、光学軸がフィルム法線方向から傾斜した方
向にありかつ負の屈折率異方性を有する位相差フィルム
では、視野角の改良効果は大きいものの、特開昭63−
239421号公報に開示されているような負の屈折率
異方性を示すように配向した高分子ブロックから光学軸
がフィルム法線方向から傾斜した方向となるように切り
だす方法では均一でかつ大面積の位相差フィルムを効率
よく得ることは難しく、特開平6−214116号公報
に開示されているような円盤状の液晶化合物を用いる方
法では液晶化合物の製造や液晶の均一配向が難しくコス
ト的に不利である。
【0008】光学軸がフィルム法線方向から傾斜した方
向にありかつ正の屈折率異方性を有する位相差フィルム
を用いた場合でも、視野角の改良効果は大きいものの、
特開平5−080323号公報に開示されているような
正の屈折率異方性を示すように配向した高分子ブロック
から光学軸がフィルム法線方向から傾斜した方向となる
ように切り出す方法では均一でかつ大面積の位相差フィ
ルムを効率よく得ることは難しく、また、特開平7−3
06406号公報に開示されているApplied O
ptics 28巻(1989年)、2466頁〜24
82頁に記載されているようなガラス基板上への無機誘
電体の斜方蒸着による方法や、WO96/10773号
公報に開示されているようなガラス基板上へのTa25
の斜方蒸着による方法では、光学軸が法線方向から傾斜
した方向にありかつ正の屈折率異方性を有するしている
位相差板を得ることはできるが、これらの方法ではガラ
ス基板を用いるため、重く、柔軟性に欠け、量産性に劣
る位相差板しか得ることはできない。
【0009】このようにTN−LCDの視野角特性の改
良に用いられる位相差フィルムについては、視野角特性
の改良性能および耐久性も含めて市場の要望を満足する
位相差フィルムは見いだされていない状況にあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況に鑑み、本
発明者らは透明高分子フィルムの少なくとも片面に、特
定の無機誘電体からなる少なくとも1層の斜方蒸着層を
設けることにより、光学軸がフィルム法線方向から傾斜
した、大面積で軽量で量産性に優れ、かつ耐久性にも優
れた位相差フィルムを開発することができ、本発明を完
成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、透明
高分子フィルムの少なくとも片面に、正の屈折率異方性
を有しかつ光学主軸がフィルム法線方向から20度〜7
0度傾斜している少なくとも1層の特定の無機誘電体か
らなる斜方蒸着層を形成してなる耐久性に優れた位相差
フィルムの製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いる透明高分子フィル
ムとしては、透明性に優れ、均一なものであれば特に制
限されないが、フィルムの製造のしやすさなどの点で熱
可塑性の高分子からなるものが好ましく用いられる。熱
可塑性高分子としては、セルロース系高分子、ポリカー
ボネート系高分子、ポリアリレート系高分子、ポリエス
テル系高分子、アクリル系高分子、ポリサルフォン、ポ
リエーテルサルフォンなどを例示することができる。中
でもポリサルフォン、ポリエーテルサルフォンなど耐熱
性に優れた高分子が蒸着については有利であるが、コス
ト的に安価で均一なフィルムが入手可能であるセルロー
ス系高分子フィルム、ポリカーボネート系高分子フィル
ムも好ましく用いられる。
【0013】また、下記計算式(1) Rb=(nbx−nby)×db (1) 〔式中、nbxは透明高分子フィルムのフィルム面内の
遅相軸方向の屈折率を、nbyは透明高分子フィルムの
フィルム面内の進相軸方向の屈折率を、dbは透明高分
子フィルムの厚みをそれぞれ示す。〕で示される透明高
分子フィルムのフィルム面内のレターデーション値(R
b)が小さいものが適している用途については、固有複
屈折が小さいセルロース系高分子フィルム、アクリル系
高分子フィルムが特に好ましく用いられ、数十nmのレ
ターデーション値(Rb)が必要な場合には固有複屈折
が大きいポリカーボネート系高分子フィルム、ポリエス
テル系高分子フィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリ
エーテルサルフォンフィルムなどが好ましく用いられ
る。さらに連続フィルム上に無機誘電体を斜方蒸着する
場合には、蒸着時の熱とフィルム搬送のために生じる応
力によるフィルムの変形が少ないトリアセチルセルロー
スフィルムやポリエーテルサルフォンフィルムが好まし
く用いられる。
【0014】透明高分子フィルムの製膜方法としては、
溶剤キャスト法やフィルムの残留応力を小さくできる精
密押出法などを用いることができるが、均一性の点で溶
剤キャスト法が好ましく用いられる。特にRb値が小さ
いフィルムを作製するには溶
【0015】剤キャスト法が好ましい。このようにして
製膜されたフィルム、中でも溶剤キャスト法により製膜
されたフィルムはRb値は小さいが、製膜時の高分子の
面内配向性によりフィルム厚み方向の屈折率(nbt)
がフィルム面内の平均屈折率(nbp)よりも小さいと
いう屈折率構造を持つようになる。このため、この透明
高分子フィルムはフィルム厚み方向の複屈折性により、
下記計算式(2) R’b=(nbp−nbt)×db (2) (式中、nbtは透明高分子フィルムの厚み方向の屈折率
を、nbpはフィルム面内の平均屈折率を、dbは透明
高分子フィルムの厚みをそれぞれ示す。)で示される厚
み方向のレターデーション値(R’b)が0ではない値
を有するようになり、R’bが0ではない値を有する場
合には、この透明高分子フィルムは単なる蒸着のための
基材ではなく、光学軸がフィルム法線方向にある負の屈
折率異方性を有する位相差フィルムとなって、その少な
くとも片面に形成される正の屈折率異方性を有しかつ光
学主軸がフィルム法線方向から傾斜している無機誘電体
からなる斜方蒸着層とは異なる光学特性を有する層を構
成することになる。なお、この透明高分子フィルムの
R’b値は0nm〜250nm程度の範囲で用いられ
る。また、透明高分子フィルムのR’bが所定の値に対
して不足する場合には、透明高分子フィルム上に特開平
5−196819号公報に記載されている無機層状化合
物を含む層を形成してR’の大きさを調整することもで
きる。
【0016】一方、透明高分子フィルムをRb値を有す
る一軸配向性のフィルムとして用いることもでき、この
場合には溶剤キャスト法や精密押出法により製膜したフ
ィルムをロール間延伸法、テンター延伸法などを用いて
延伸することにより得ることができる。一軸配向性のフ
ィルムとした場合のRb値は、通常100nm以下の範
囲に設定されるが、必要に応じて任意に調整することが
できる。また、本発明における一軸配向性とは、完全一
軸配向だけでなく、フィルム面内にR値を有する二軸配
向性も含むものである。
【0017】これらの透明高分子フィルムの厚みは、特
に制限はないが、通常、約50μm〜500μmのもの
が用いられる。
【0018】本発明において、透明高分子フィルムの少
なくとも片面に無機誘電体からなる斜方蒸着層を設ける
際に、無機誘電体からなる斜方蒸着層を位相差フィルム
として用いるための所定のレターデーション値を発現す
るためには、反射防止層などを誘電体の多層蒸着層で形
成する場合の膜厚と比較して蒸着層の厚みがかなり大き
くなるため、密着性を上げて蒸着層の割れを防止する中
間層を設けることが好ましい。
【0019】本発明に用いる中間層としては、アクリル
系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、カルド樹脂
またはポリシラザンからなる高分子膜が例示される。
【0020】これら高分子膜の形成方法としては、高分
子化されたものを溶剤に溶解して透明高分子フィルムに
塗布する方法や、低分子モノマーまたはオリゴマーと重
合開始剤を含む組成物を透明高分子フィルムに塗布した
後に光硬化または熱硬化により高分子化する方法などが
用いられる。透明高分子フィルムへの塗布方法には特に
制限はなく、コンマコート法、ダイコート法、ダイレク
ト・グラビア法、バーコート法などの公知の塗布方法を
用いることができる。
【0021】セルロース系高分子フィルムやポリカーボ
ネート系高分子フィルムやポリエステル系高分子フィル
ムには紫外線硬化型のアクリル系樹脂膜が好ましく用い
られ、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォンなどの
耐熱性が高い高分子フィルムには熱硬化型のポリシラザ
ン膜も用いることができる。
【0022】中間層としての高分子膜の膜厚は密着性改
良が実現される厚みであれば特に制限はなく、約0.2
μm〜10μmの範囲に設定される。約0.2μmより
薄いとコーティングによる均一な膜が得られにくく、ま
た約10μmより厚くなると透明高分子フィルムと中間
層の密着性が低下するようになるため好ましくない。
【0023】本発明に用いる無機誘電体としては、真空
蒸着により薄膜の形成が可能で、斜方蒸着を行った場合
に正の屈折率異方性を発現し、その光学主軸がフィルム
法線方向から20度〜70度傾斜した光学特性を発現す
るものであり、透明性に優れ、かつ膜質が硬い金属酸化
物が好ましい。さらに、生産性の点においては斜方蒸着
した場合に屈折率異方性が発現しやすく、なるべく薄い
膜厚で必要な光学特性が得られるものが好ましい。その
ような特性を有する無機誘電体としてはTa25〔酸化
タンタル(V)〕、TiO2〔酸化チタン(IV)〕ま
たはZrO2〔酸化ジルコニウム(IV)〕を主成分と
する金属酸化物を挙げることができる。
【0024】ここでいうTa25、TiO2またはZr
2を主成分とする金属酸化物とは、Ta25、TiO2
またはZrO2を50重量%以上100重量%以下含む
ものを指す。
【0025】斜方蒸着の角度は、図4および図5に示す
ように蒸着源からのフィルム上の蒸着点を結んだ線とフ
ィルム面の法線がなす角度により定義される。この時、
蒸着源から引いた垂線(22、44)とフィルム面との
交点における、蒸着源減から引いた垂線とフィルム面の
法線がなす角度を蒸着中心角度(48)と定義する。具
体的な蒸着中心角度は、用いる透明高分子フィルムと蒸
着物質との組み合わせや必要とする光学特性により異な
るため適宜設定されるが、無機誘電体からなる斜方蒸着
層の光学主軸とフィルム法線方向がなす角度を約20度
〜70度の所定の角度となるようにするためには、この
蒸着中心角度を約50度〜85度の範囲に設定すること
が好ましい。また、蒸着源から引いた垂線とフィルム面
との交点までの距離を蒸着距離と定義する。具体的な蒸
着距離は、用いる透明高分子フィルムの耐熱性、蒸着装
置の冷却能力、フィルムの搬送速度などにより異なるた
め適宜設定されるが、約400mmを越えると製膜速度
が遅くなったり、耐久性が悪くなることがあるため、通
常400mm以下に設定されることが好ましい。
【0026】斜方蒸着された無機誘電体からなる斜方蒸
着層の厚さは、蒸着物質の成長に異方性を生じて複屈折
性を示す膜厚以上であれば特に制限されないが、下記計
算式(3) Ra=(nax−nay)×da (3) 〔式中、naxは斜方蒸着層のフィルム面内の遅相軸方
向の屈折率を、nayは斜方蒸着層のフィルム面内の進
相軸方向の屈折率を、daは斜方蒸着層の厚みをそれぞ
れ示す。〕で示される無機誘電体からなる斜方蒸着層の
フィルム面内のレターデーション値(Ra)が約10n
m〜200nmの範囲にある所定のレターデーション値
が得られる厚みとする。この厚みは、使用する物質(無
機誘電体)の複屈折率、光学主軸のフィルム法線方向か
らの傾斜角度により異なるが、通常、約0.2μm〜5
μmの範囲であり、好ましくは約0.4μm〜1μmの
範囲で設定される。
【0027】斜方蒸着による誘電体層の形成において
は、通常のフィルム面垂直方向からの蒸着と比較して蒸
着効率が落ちるために長時間の蒸着が必要であるが、こ
の時のフィルム基材の温度上昇を抑えるために同一傾斜
角度で多数回に分けて蒸着層を積層する方法などの採用
が考えられる。バッチ式の蒸着装置を用いる場合には、
蒸着層の傾斜角度が一定に保たれるために、図1に示す
ように実際には多層であっても単一層として斜方蒸着層
を形成することができる。
【0028】連続フィルム上への斜方蒸着には、例えば
図5に示すフィルムに連続して斜方蒸着できる蒸着装置
を用いて、不要な蒸着角度で飛来してくる無機誘電体を
カットして、キャンロール(34)上にあるフィルムに
所定の蒸着角度で飛来してくる無機誘電体のみを選択的
に蒸着させる方法を用いることができる。不要な蒸着角
度で飛来してくる無機誘電体をカットするためには蒸着
源(36)とフィルムの間に防着板(35)やスリット
を設け、蒸着開始角度(41)および蒸着終了角度(4
2)を設定する。蒸着物質の成長に異方性を生じて複屈
折性を効率良く発現させるには蒸着開始角度が85度〜
60度であることが好ましく、蒸着終了角度は60度〜
30度でかつ蒸着開始角度よりも小さい角度であること
が好ましい。この時、無機誘電体が効率良くフィルム上
に蒸着されるように、蒸着源から引いた垂線(44)が
フィルム面との交点でなす蒸着中心角度(43)が蒸着
開始角度と蒸着終了角度の間となるように蒸着源、遮蔽
板およびフィルムを配置する。なお、ここで定義される
各蒸着角度はフィルム面の法線方向となす角度である。
【0029】このような装置で連続して斜方蒸着フィル
ムを作成した場合、蒸着開始角度から蒸着終了角度まで
蒸着角度が変化する。これに従い連続で斜方蒸着を行っ
た場合には、蒸着物質の成長方向も変化し、図2に例示
されるように蒸着物質の成長方向が湾曲したものとな
る。このため、連続蒸着で斜方蒸着層を積層すると、図
3に例示するようにその界面が不連続面となり単一層と
することができない。この界面においては密度差が発生
していると推定され、不要な干渉色が発生したり、耐久
性試験、特に60℃90%RHのような高温高湿の条件
下での耐久性試験において光学特性が大きく低下するこ
とがある。このため、連続フィルム上に連続して斜方蒸
着層を形成する場合には1回の蒸着により単一層として
斜方蒸着層を形成することが好ましい。
【0030】ここでいう光学特性とは、液晶表示装置に
適用される場合には偏光フィルムと積層して用いられる
ことから、本発明による位相差フィルムのフィルム面内
の遅相軸を偏光フィルムの吸収軸に対して45度となる
ように貼合した場合の図6に示される光学系で測定され
るクロスニコル下での分光透過率によりJIS−Z87
22に基づいて算出されるY値を意味する。この光学特
性は、光学主軸がフィルム法線方向から20度〜70度
傾斜していることにより発現する屈折率異方性に起因す
るRa値により決まるものであり、耐久性試験において
はこの値の変化により屈折率異方性の変化を代表させ
る。
【0031】本発明においては、60℃90%RHの高
温高湿下に96時間以上放置した後の光学特性の残存率
が60%以上である位相差フィルムを得ることができる
が、好ましくは残存率70%、より好ましくは残存率8
0%以上である。このように1回の斜方蒸着で必要とす
る光学特性を得るには、フィルムの搬送速度を低速にす
ることが必要となるため、蒸着の際に高分子フィルムの
温度が上昇し、フィルムに変形を誘発するなどの不具合
が発生する危険がある。これを回避するため、余分な輻
射熱が加わらないように輻射熱の遮断板を複数設けるな
どすることが好ましい。
【0032】フィルムの変形が起こることは問題である
が、斜方蒸着時のフィルム温度により形成される誘電体
層の特性が変わるため、蒸着部でのフィルム温度を適宜
制御できるようにキャンロールだけでなく、フィルムの
ガイドロールおよび防着板を温度制御可能なものとする
ことが好ましい。温度の制御範囲は、高分子のガラス転
移温度未満であり、好ましくは熱変形温度未満である
が、室温以下に冷却できることがより好ましい。
【0033】本発明で用いる斜方蒸着の蒸着方法として
は、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、スパ
ッタリング法など、公知の方法を用いることができる。
生産性の点から、電子ビーム蒸着法が好ましく用いられ
る。
【0034】蒸着材料としては、Ta25を主成分とす
る金属酸化物からなる無機誘電体の斜方蒸着層を形成す
る場合には、Ta25を50重量%以上含有する金属酸
化物およびその混合物を用いることができる。特に、蒸
着の容易性、蒸着レート、および60℃90%RHのよ
うな高温高湿の条件下での光学特性の耐久性に優れると
いう点により、副成分としてTa(金属タンタル)、P
611〔11酸化6プラセオジウム〕、TiO2、Zr
2のうち少なくともいずれか1種類を含むものを用い
ることが好ましい。
【0035】同様に、TiO2を主成分とする金属酸化
物からなる無機誘電体の斜方蒸着層を形成する場合には
TiO2を50重量%以上含有する金属酸化物およびそ
の混合物を用いることができる。特に、蒸着の容易性、
蒸着レート、および60℃90%RHのような高温高湿
の条件下での光学特性の耐久性に優れるという点によ
り、副成分としてPr611、ZrO2、Ta25のう
ち少なくともいずれか1種類を含むものを用いることが
好ましい。
【0036】同様に、ZrO2を主成分とする金属酸化
物からなる無機誘電体の斜方蒸着層を形成する場合には
ZrO2を50重量%以上含有する金属酸化物およびそ
の混合物を用いることができる。特に、蒸着の容易性、
蒸着レート、および60℃90%RHのような高温高湿
の条件下での光学特性の耐久性に優れるという点によ
り、副成分としてPr611、TiO2、Ta25のうち
少なくともいずれか1種類を含むものを用いることが好
ましい。
【0037】また、Ta25のように蒸着の際にタンタ
ルと酸素の組成比が崩れて酸素不足となって着色を起こ
すことがある物質を用いる場合には、必要に応じて蒸着
機内に酸素ガスを導入して蒸着層中の酸素の組成比を調
整して透明性を上げる手法を用いてもよい。
【0038】酸素ガスの導入量は、蒸着装置の容積と排
気能力等により異なるため適宜選択される。導入量が少
なすぎると酸素導入の効果が十分でなく、逆に導入量が
多すぎる場合は気圧が上昇して蒸着速度が低下すること
があるため注意が必要である。一般的には、装置内の気
圧が10-3Torrより大きくならないように導入量を
調節する。
【0039】本発明において、透明高分子フィルムの少
なくとも片面に無機誘電体の斜方蒸着層を設ける際、無
機誘電体の斜方蒸着層と基材の透明高分子フィルムある
いは中間層を設けた透明高分子フィルムとの密着性を向
上させるため、透明高分子フィルムおよび中間層の蒸着
する側の表面に何らかの表面処理を施した後に蒸着を行
うことも可能である。表面処理方法については特に限定
されないが、一般的に用いられているものとしては真空
中での加熱処理や、コロナ処理、イオンボンバード処
理、プラズマ処理、紫外線照射、酸・アルカリ処理等を
挙げることができる。表面処理方法や処理の程度は、使
用する透明高分子フィルムや中間層、蒸着材料、および
最終的に得られる位相差フィルムに必要な機械的強度、
耐久性、光学特性により適宜選択される。
【0040】本発明の位相差フィルムは、TN−LCD
の視野角改良用位相差フィルムとして用いるものである
が、同様にスーパーツイステッドネマチック(STN)
型LCDの視野角改良用位相差フィルムとしても用いる
ことができる。この場合、無機誘電体の斜方蒸着層の光
学主軸のフィルム法線に対する傾斜角度やRa値の大き
さ、透明高分子フィルムのRb値などは適宜変更して設
定される。
【0041】
【発明の効果】本発明の位相差フィルムは、TN−LC
Dの視野角特性を改良するのに適した光学主軸がフィル
ム法線方向から傾斜した方向にありかつ正の屈折率異方
性を有する位相差フィルムであって、本発明によって耐
久性に優れた大面積のものを容易に安価に得ることがで
きる。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】なお、実施例におけるRa値及びRb値の
測定は、偏光顕微鏡を用いて波長546nmの単色光で
常法により行った。また、光学主軸のフィルム法線方向
からの傾斜角度はフィルム面内の進相軸を傾斜軸とした
時のレターデーション値(透明高分子フィルムが複屈折
性を有する場合には透明高分子フィルムのレターデーシ
ョン値を差し引いた値)の傾斜角依存性から、屈折率構
造が一軸性であると仮定して常法により求めた。
【0044】耐久性試験には、本発明による位相差フィ
ルムのフィルム面内の遅相軸が偏光フィルム(SQ−1
852AP7、住友化学工業(株)製)の吸収軸に対し
て45度となるように、位相差フィルムの透明高分子フ
ィルム側に偏光フィルムを貼合し、斜方蒸着層側に光学
的に等方なアクリル系粘着剤を介して厚さ1.1mmの
ガラス板を貼合した大きさが30mm×30mmのサン
プルを用いた。
【0045】光学特性を求めるための分光透過率は、分
光器(MCPD−2000、大塚電子(株)製)を用い
て図6に示した光学系にて入射光側の偏光プリズムとサ
ンプルの偏光フィルムの吸収軸を平行として測定し、J
IS−Z8722に基づきY値を算出した。Y値の初期
値に対する、60℃90%RH下に96時間以上放置後
のY値の割合を光学特性の残存率とした。なお、分光透
過率のレファレンスは、偏光プリズムの吸収軸を平行と
して測定し、レファレンス測定後に偏光プリズムの吸収
軸を直交にしてサンプルの測定を実施した。
【0046】実施例1 トリアセチルセルロースフィルム(商品名 フジTAC
SH−80 富士写真フィルム(株)製、Rbは約1
1nm)上にコンマコーターにより紫外線硬化型のアク
リル系樹脂をコート後、紫外線照射により硬化させて、
中間層として厚さ約5μmのアクリル系樹脂膜を形成し
た透明高分子フィルムを得た。この中間層を形成した透
明高分子フィルムを図4に示す真空蒸着機内のホルダー
にセットし、気圧2×10-5Torrまで排気し、電子
ビーム蒸着法により、蒸着中心角度75度、フィルムの
蒸着中心と基板間の距離300mm、電子銃出力1.8
KW、蒸着材料としてTa25を主成分としたTa(金
属)との混合物((株)オプトロン社製、商品名:OA
−100)を用いて、厚さ9750Åの単一層からなる
斜方蒸着層を形成し、位相差フィルムを得た。
【0047】この位相差フィルムの外観を目視により評
価したところ、蒸着時の輻射熱による基材の変形もな
く、またクラック等の蒸着層の剥離も認められなかっ
た。この位相差フィルムはフィルム面内のレターデーシ
ョン値が64nmであり、光学主軸がフィルム法線方向
から約35度傾斜したものであった。この位相差フィル
ムを耐久性試験にかけたところ、120時間経過後の光
学特性の残存率は86%であった。
【0048】実施例2 実施例1と同様にして得た中間層を形成した透明高分子
フィルムを真空蒸着機内のホルダーにセットし、気圧2
×10-5Torrまで排気し、電子ビーム蒸着法によ
り、蒸着中心角度75度、フィルムの蒸着中心と基板間
の距離300mm、電子銃出力1.8KWで、蒸着材料
としてTa25とZrO2の組成比50:50の混合物
を用いて、厚さ13200Åの単一層からなる斜方蒸着
層を形成し、位相差フィルムを得た。
【0049】この位相差フィルムの外観を目視により評
価したところ、蒸着時の輻射熱による基材の変形もな
く、またクラック等の蒸着層の剥離も認められなかっ
た。この位相差フィルムはフィルム面内のレターデーシ
ョン値が96nmであり、光学主軸がフィルム法線方向
から約35度傾斜したものであった。この位相差フィル
ムを耐久性試験にかけたところ、120時間経過後の光
学特性の残存率は75%であった。
【0050】実施例3 実施例1と同様にして得た中間層を形成した透明高分子
フィルムを真空蒸着機内のホルダーにセットし、気圧2
×10-5Torrまで排気し、電子ビーム蒸着法によ
り、蒸着中心角度75度、フィルムの蒸着中心と基板間
の距離300mm、電子銃出力1.8KWで、蒸着材料
としてTa25とTiO2とZrO2の組成比60:2
0:20の混合物を用いて、厚さ5500Åの単一層か
らなる斜方蒸着層を形成し、位相差フィルムを得た。
【0051】この位相差フィルムの外観を目視により評
価したところ、蒸着時の輻射熱による基材の変形もな
く、またクラック等の蒸着層の剥離も認められなかっ
た。また、この位相差フィルムはフィルム面内のレター
デーション値が48nmであり、光学主軸がフィルム法
線方向から約35度傾斜したものであった。この位相差
フィルムを耐久性試験にかけたところ、120時間経過
後の光学特性の残存率は75%であった。
【0052】実施例4 トリアセチルセルロースフィルム(商品名 フジTAC
SH−80 富士写真フィルム(株)製、Rbは約1
1nm)上にコンマコーターにより紫外線硬化型のアク
リル系樹脂をコート後、紫外線照射により硬化させて、
中間層として厚さ約5μmのアクリル系樹脂膜を形成し
た透明高分子フィルムを得た。このフィルムを125m
m幅にスリットした連続フィルムを得た。さらに、この
中間層を形成した透明高分子の連続フィルムの中間層の
表面に、気圧(真空度)0.05Torr以下の雰囲気
において80℃で熱処理しながら電極間1.2KV、搬
送速度0.5m/分でArイオンボンバード処理をおこ
なった。この表面処理を施した透明高分子フィルムを図
5の連続真空蒸着機内にセットし、気圧5×10-5To
rrまで排気し、電子ビーム蒸着法により、蒸着開始角
度80度、蒸着終了角度45度、蒸着中心角度72度、
フィルムの蒸着中心と基板間の距離約300mm、とな
るように遮蔽板を配置し、EBガン出力11KW、搬送
速度0.5m/分、キャンロールの冷却温度0℃、酸素
導入量45sccmで、蒸着材料としてTa25を主成
分としたTaとの混合物(オプトロン社製、商品名:O
A−100)を用いて、厚さ4500Åの単一層からな
る斜方蒸着層を連続的に形成して位相差フィルムを得
た。
【0053】この位相差フィルムの外観を目視により評
価したところ、蒸着時の輻射熱による基材の変形もな
く、またクラック等の蒸着層の剥離も認められなかっ
た。この位相差フィルムはフィルム面内のレターデーシ
ョン値が26nmであり、光学主軸は、連続蒸着時の蒸
着角度の変化に対応してフィルム厚み方向に連続して変
化しているが、変化していないものと仮定して求めた値
はフィルム法線方向から約35度傾斜したものであっ
た。この位相差フィルムを耐久性試験にかけたところ、
96時間経過後の光学特性の残存率は95%であった。
【0054】実施例5 実施例4と同様にして得た中間層を形成し表面処理を透
明高分子フィルムを図5の連続真空蒸着機内にセット
し、気圧5×10-5Torrまで排気し、電子ビーム蒸
着法により、蒸着開始角度80度、蒸着終了角度45
度、蒸着中心角度72度、フィルムの蒸着中心と基板間
の距離約300mm、となるように遮蔽板を配置し、E
Bガン出力9KW、搬送速度0.3m/分、キャンロー
ルの冷却温度0℃で、蒸着材料としてZrO2を主成分
としたTiO2との混合物(オプトロン社製、商品名:
OH−5)を用いて、厚さ6500Åの単一層からなる
斜方蒸着層を連続的に形成して位相差フィルムを得た。
【0055】この位相差フィルムの外観を目視により評
価したところ、蒸着時の輻射熱による基材の変形もな
く、またクラック等の蒸着層の剥離も認められなかっ
た。この位相差フィルムはフィルム面内のレターデーシ
ョン値が28nmであり、光学主軸は、連続蒸着時の蒸
着角度の変化に対応してフィルム厚み方向に連続して変
化しているが、変化していないものと仮定して求めた値
はフィルム法線方向から約35度傾斜したものであっ
た。この位相差フィルムを耐久性試験にかけたところ、
96時間経過後の光学特性の残存率は66%であった。
【0056】比較例1 実施例4と同様にして得た中間層を形成し表面処理を透
明高分子フィルムを図5の連続真空蒸着機内にセット
し、気圧5×10-5Torrまで排気し、電子ビーム蒸
着法により、蒸着開始角度80度、蒸着終了角度45
度、蒸着中心角度72度となるように遮蔽板を配置し、
EBガン出力11KW、搬送速度0.4m/分、キャン
ロールの冷却温度0℃で、蒸着材料としてAl23を主
成分としたPr611との混合物(MERCK社製、商
品名:サブスタンス M1 パチナール)を用いて、厚
さ5100Åの単一層からなる斜方蒸着層を連続的に形
成して位相差フィルムを得た。
【0057】この位相差フィルムの外観を目視により評
価したところ、蒸着時の輻射熱による基材の変形もな
く、またクラック等の蒸着層の剥離も認められなかっ
た。この位相差フィルムはフィルム面内のレターデーシ
ョン値がほとんど発現しなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】バッチ式真空蒸着装置を用いて透明高分子フィ
ルム上に単一層からなる斜方蒸着層が形成された位相差
フィルムの断面の模式図。
【図2】連続真空蒸着装置を用いて連続した透明高分子
フィルム上に単一層からなる斜方蒸着層が形成された位
相差フィルムの断面の模式図。
【図3】連続真空蒸着装置を用いて連続した透明高分子
フィルム上に多層からなる斜方蒸着層が形成された位相
差フィルムの断面の模式図。
【図4】バッチ式真空蒸着装置により斜方蒸着層の形成
を実施するための装置の概略図。
【図5】連続真空蒸着装置により斜方蒸着層の形成を実
施するための装置の概略図。
【図6】光学特性の測定のための光学系の概略図。
【符号の説明】 1 バッチ法による斜方蒸着層 2 連続蒸着法による斜方蒸着層 3 中間層 4 透明高分子フィルム 11 ホルダー 12 透明高分子フィルム 13 防着板 14 蒸着源 21 蒸着中心角度 22 蒸着からの垂線 31 連続フィルム巻き出し部 32 連続フィルム書き取り部 33 ガイドロール 34 キャンロール 35 防着板 36 蒸着源 37 透明高分子連続フィルム 41 蒸着開始角度 42 蒸着終了角度 43 蒸着中心角度 44 蒸着源から引いた垂線 45 連続フィルム進行方向 51 入射光 52 入射光側の偏光プリズム 53 測定用サンプルの偏光フィルム 54 測定用サンプルの位相差フィルム 55 測定用サンプルを貼合したガラス板 56 出射光側の偏光プリズム 57 出射光 61 入射側の偏光プリズムの吸収軸方向 62 測定用サンプルの偏光フィルムの吸収軸方向 63 測定用サンプルの位相差フィルムのフィルム面内
の遅相軸方向 64 測定用サンプルの偏光フィルムの吸収軸方向と位
相差フィルムの遅相軸方向のなす角度(45度) 65 出射光側の偏光プリズムの吸収軸方向

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明高分子フィルムの少なくとも片面に、
    正の屈折率異方性を有しかつ光学主軸がフィルム法線方
    向から20度〜70度傾斜している少なくとも1層のT
    25を主成分とする無機誘電体からなる斜方蒸着層を
    形成してなる位相差フィルムの製造方法であって、蒸着
    材料としてTa25を50重量%以上含有する無機誘電
    体を使用することを特徴とする位相差フィルムの製造方
    法。
  2. 【請求項2】蒸着材料の副成分としてTa、Pr
    611、TiO2、ZrO2のうち少なくともいずれか1
    種類を含むものを用いることを特徴とする請求項1記載
    の位相差フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】透明高分子フィルムの少なくとも片面に、
    正の屈折率異方性を有しかつ光学主軸がフィルム法線方
    向から20度〜70度傾斜している少なくとも1層のT
    iO 2を主成分とする無機誘電体からなる斜方蒸着層を
    形成してなる位相差フィルムの製造方法であって、蒸着
    材料としてTiO2を50重量%以上含有する無機誘電
    体を使用することを特徴とする位相差フィルムの製造方
    法。
  4. 【請求項4】蒸着材料の副成分としてPr611、Zr
    2、Ta25のうち少なくともいずれか1種類を含む
    ものを用いることを特徴とする請求項3記載の位相差フ
    ィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】透明高分子フィルムの少なくとも片面に、
    正の屈折率異方性を有しかつ光学主軸がフィルム法線方
    向から20度〜70度傾斜している少なくとも1層のZ
    rO 2を主成分とする無機誘電体からなる斜方蒸着層を
    形成してなる位相差フィルムの製造方法であって、蒸着
    材料としてZrO2を50重量%以上含有する無機誘電
    体を使用することを特徴とする位相差フィルムの製造方
    法。
  6. 【請求項6】蒸着材料の副成分としてPr611、Ti
    2、Ta25のうち少なくともいずれか1種類を含む
    ものを用いることを特徴とする請求項5記載の位相差フ
    ィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】透明高分子フィルムは、その少なくとも片
    面に、中間層を介して、正の屈折率異方性を有しかつ光
    学主軸がフィルム法線方向から20度〜70度傾斜して
    いる少なくとも1層の無機誘電体からなる斜方蒸着層が
    形成されてなる請求項1または請求項3または請求項5
    記載の位相差フィルムの製造方法。
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