JPH11244979A - 金属製品のハンマーリング装置とその方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、従来熟練した職人が人力でし
ていた金属製品の叩き成形を機械化するものである。 【構成】本発明は、基台と、基台へ立設させた支柱と、
支柱へ旋回可能に且つ摺動可能に担持させたハンマーア
ームと、ハンマーアームへ摺動可能に垂設させたハンマ
ー機構と、ハンマー機構に設けたハンマー取付用チャッ
クと、ハンマー取付用チャックへ着脱可能に取着するハ
ンマーと、基台に摺動可能に積装させた摺動台と、摺動
台に回転可能に積装させた回転台と、回転台へ基端を枢
着させた製品形成基台支持杆と、製品形成基台支持杆に
設けた製品成形基台と、製品成形基台へ乗載させる製品
成形台と、ハンマーリングされる製品を押さえる前記摺
動台から立設した製品押さえ機構とを備えたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、古くからの金属加工と
して実施されている金属製品の絞り加工に関するもの
で、詳細には、一枚の金属板を機械化されたハンマーで
叩き成形する絞り加工に関するものである。

【０００２】

【従来技術】従来、この種の叩き成形する絞り加工は金
工師が一枚の金属板を金槌で叩き、なましを繰り返しな
がら成形しており、これらの製品は板厚が一定であり、
無理な塑性変形を加えて無く、表面が硬く仕上げられ丈
夫で長持ちし、更に、美しいことから大事に使用されて
いる。

【０００３】

【解決しようとする課題】然し乍、古くからの従来技術
は一部の職人によって伝統技能の域にあるが、職人、つ
まり、熟練技術者の不足により金属製品の叩き成形品は
高コストに成り、衰退しており、その大半が機械で大量
に廉価でできるプレス加工に取って代わられでいる実情
である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題に
鑑みて、鋭意研鑽の結果、基台と、基台へ立設させた支
柱と、支柱へ旋回可能に且つ摺動可能に担持させたハン
マーアームと、ハンマーアームへ摺動可能に垂設させた
ハンマー機構と、ハンマー機構に設けたハンマー取付用
チャックと、ハンマー取付用チャックへ着脱可能に取着
するハンマーと、基台に摺動可能に積装させた摺動台
と、摺動台に回転可能に積装させた回転台と、回転台へ
基端を枢着させた製品形成基台支持杆と、製品形成基台
支持杆に設けた製品成形基台と、製品成形基台へ乗載さ
せる製品成形台と、ハンマーリングされる製品を押さえ
る前記摺動台から立設した製品押さえ機構とを備えたも
のである。

【０００５】従って、本発明の目的は、従来熟練した職
人が人力でしていた金属製品の叩き成形を機械化するも
のである。

【０００６】

【発明の作用】本発明は、先ず、板状の金属製品に無理
な塑性変形をさせない程度にプレス加工工程を実施して
ある程度のカップ状に形成して、次に、金属のひずみを
取り除くなまし工程を実施して、ハンマーリング工程を
実施するものであり、ハンマーリング工程を実施する金
属製品のハンマーリング装置は、製品成形基台に予め成
形する金属製品と略同形状に形成された製品成形台を被
せ、製品成形台に更に成形を施す金属製品を被せて、ハ
ンマー側と製品成形台側を夫々の摺動手段及び回転手
段、枢動手段を用いて位置合わせを行って、ハンマーリ
ングを実施するものである。

【０００７】

【本発明の実施例】以下、実施例の図面によって、本発
明の金属製品のハンマーリング装置及びその方法を具体
的に説明する。

【０００８】図１は本発明の金属製品のハンマーリング
装置の概要説明図である。

【０００９】本発明は、古くからの金属加工として実施
されている金属製品Ｗの絞り加工に関するもので、詳細
には一枚の金属板を機械化されたハンマーで叩き成形す
る絞り加工に関するものであり、基台１と、該基台１へ
立設させた支柱２と、該支柱２へ水平方向に旋回可能に
且つ摺動可能に基端辺を担持させたハンマーアーム３
と、該ハンマーアーム３の先端辺へ水平方向に摺動可能
に垂設させたハンマー機構４と、該ハンマー機構４の下
方に設けたハンマー取付用チャック５と、該ハンマー取
付用チャック５の下方へ着脱可能に取着するハンマー６
と、該ハンマー６の下方の前記基台の上方に水平方向に
摺動可能に積装させた摺動台７と、該摺動台７の上方に
水平方向に回転可能に積装させた回転台８と、該回転台
８へ基端を枢着させた枢動可能な製品形成基台支持杆９
と、該製品形成基台支持杆９の先端に設けた製品成形基
台１０と、該製品成形基台１０へ乗載させる製品成形台
１１と、該製品成形台１１に被せ前記ハンマー６により
ハンマーリングされる製品を押さえる前記摺動台７から
立設した製品押さえ機構１２とを備えたものであり、更
に、請求項１に記載の金属製品Ｗのハンマーリング装置
を用いて実施するハンマーリング工程の前工程として、
無理な塑性変形をさせない程度にプレス加工工程を実施
し、次に、金属のひずみを取り除くなまし工程を実施す
るものである。

【００１０】先ず、本発明の金属製品Ｗのハンマーリン
グ装置を用いて実施するハンマーリング工程の前工程と
して、板状の金属製品Ｗをプレス加工によってカップ状
に加工するプレス加工工程を実施するものであるが、金
属製品Ｗに無理な塑性変形をさせない程度のプレス加工
工程を実施するものであり、次いで、プレス加工工程で
の金属製品Ｗへのひずみを取り除くために加熱して冷却
させるなまし工程を実施するものである。

【００１１】即ち、本発明の金属製品Ｗのハンマーリン
グ装置の基台１は、後述する各機構を配設する台と成る
ものであり、基台１の一側辺に後述するハンマーアーム
３を担持するための支柱２を立設させているものであ
る。

【００１２】そして、ハンマーアーム３は基端辺を支柱
２へ水平方向に旋回可能に且つ摺動可能に担持されてい
るもので、支柱２を中心として後述するハンマー機構４
が自在に基台１上を旋回できるものであり、旋回手段
（図示しない）はモータにより駆動源を得てギア、ベル
ト等により機械的に接続されベアリング等を介装して旋
回可能としており、又、摺動手段（図示しない）はモー
タにより駆動源を得てギア、ベルト等により機械的に接
続され凹溝と該凹溝を摺動可能なレール等を介装してい
るものである。

【００１３】次いで、ハンマー機構４は後述するハンマ
ー取付用チャック５を上下方向に油圧、エア圧等によっ
て駆動源を得てピストンとシリンダーにより進退可能と
するハンマーリング手段を有すると共に、ハンマーアー
ム３の先端辺と水平方向に摺動可能に垂設させているも
ので、摺動手段（図示しない）はモータにより駆動源を
得てギア、ベルト等により機械的に接続され凹溝と該凹
溝を摺動可能なレール等を介装しているものである。

【００１４】次に、ハンマー取付用チャック５は前記ハ
ンマー機構４から下方に突出しており、ハンマー機構４
によって進退し、下方へ着脱可能にハンマーを取着して
いるものである。

【００１５】つまり、ハンマー６はハンマー取付用チャ
ック５に着脱可能に取り付けられハンマー機構４によっ
て上下動させられ後述する金属製品Ｗの表面をハンマー
リングするもので、ハンマー６は複数本備え形成する金
属製品Ｗのサイズ、成形箇所、金属製品の表面に成形す
る模様等によって取替えるものであり、ハンマー６の叩
き位置はハンマーアーム３の旋回、及び、ハンマー機構
４とハンマーアーム３との摺動によって位置合わせをす
るものである。

【００１６】そして、摺動台７は前記基台１の上方に水
平方向に摺動可能に積装させているものであり、ハンマ
ーリング中に叩き位置を移動させるときに作動させるも
ので、摺動手段（図示しない）は基台１又は摺動台７の
何れかに凹溝を形成すると共に、該凹溝へ沿って摺動す
るレール等で構成され、モータにより駆動源を得てギ
ア、ベルト等により機械的に接続されているものであ
る。

【００１７】更に、回転台８は摺動台７の上方に水平方
向に回転可能に積装させているものであり、回転手段
（図示しない）はモータにより駆動源を得てギア、ベル
ト等により機械的に接続されベアリング等を介装してい
るいるものであり、ハンマーリング中に叩き位置を移動
させるときに作動させるものである。

【００１８】次いで、製品形成基台支持杆９は先端に頂
部に丸みを有した製品成形基台１０を設けると共に、基
端を回転台８に枢着しており、垂直方向に枢動可能とし
ているものであり、枢動手段（図示しない）はモータに
より駆動源を得てギア、ベルト等により機械的に接続さ
れ製品形成基台支持杆９の基端を軸着することにより枢
動可能としており、ハンマーリング中に叩き位置を移動
させるときに作動させるものである。

【００１９】そして、製品成形台１１は予め叩き成形す
る金属製品Ｗより小さく、且つ、類似する形状に形成さ
れており、製品成形基台１０に被せてハンマー６により
ハンマーリングするための金属製品Ｗの内側に当接する
台と成るものであり、製品成形台１０は多数備え成形す
る金属製品Ｗによって使い分けるもので、金属製品Ｗの
形成段階、成形箇所、或いは、サイズ、形状等に合わせ
て取り替えて使用するものである。

【００２０】更に、金属製品Ｗのハンマーリング時に押
さえる製品押さえ機構１２は前記摺動台７から立設させ
ており、先端側に枢動可能な押さえアームを延設してお
り、製品成形基台１０に被せて叩き加工される金属製品
Ｗを押さえるものである。

【００２１】そして、これ等のハンマー６の開始位置、
速度、力、ストローク、及び、製品形成基台支持杆９の
枢動、回転台８の回転、摺動台７の摺動等の駆動は総て
コンピュータに電気的に接続されており、コンピュータ
に記憶された最終工程まで総て制御するものである。

【００２２】

【発明の効果】本発明は前述の構成により、従来職人芸
で成形されていた叩き成形を機械化するものであり、板
厚が一定で、無理な塑性変形を加え無く、表面が硬く仕
上げられ丈夫な金属製品を機械化によって廉価に成形で
きるものであり、極めて有意義な効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の金属製品のハンマーリング装置
の概要説明図である。

【符号の説明】

１ 基台 ２ 支柱 ３ ハンマーアーム ４ ハンマー機構 ５ ハンマー取付用チャック ６ ハンマー ７ 摺動台 ８ 回転台 ９ 製品形成基台支持杆 １０ 製品成形基台 １１ 製品成形台 １２ 製品押さえ機構

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基台と、該基台へ立設させた支柱と、該支
   柱へ水平方向に旋回可能に且つ摺動可能に基端辺を担持
   させたハンマーアームと、該ハンマーアームの先端辺へ
   水平方向に摺動可能に垂設させたハンマー機構と、該ハ
   ンマー機構の下方に設けたハンマー取付用チャックと、
   該ハンマー取付用チャックの下方へ着脱可能に取着する
   ハンマーと、該ハンマーの下方の前記基台の上方に水平
   方向に摺動可能に積装させた摺動台と、該摺動台の上方
   に水平方向に回転可能に積装させた回転台と、該回転台
   へ基端を枢着させた枢動可能な製品形成基台支持杆と、
   該製品形成基台支持杆の先端に設けた製品成形基台と、
   該製品成形基台へ乗載させる製品成形台と、該製品成形
   台に被せ前記ハンマーによりハンマーリングされる製品
   を押さえる前記摺動台から立設した製品押さえ機構とを
   備えたことを特徴とする金属製品のハンマーリング装
   置。
2. 【請求項２】請求項１に記載の金属製品のハンマーリン
   グ装置を用いて実施するハンマーリング工程の前工程と
   して、板状の金属製品へ無理な塑性変形をさせない程度
   にプレス加工工程を実施し、次に、金属のひずみを取り
   除くなまし工程を実施することを特徴とする金属製品の
   ハンマーリング方法。