JPH11242098A - 溶解・造塊装置および溶解、造塊法 - Google Patents

溶解・造塊装置および溶解、造塊法

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JPH11242098A
JPH11242098A JP4388898A JP4388898A JPH11242098A JP H11242098 A JPH11242098 A JP H11242098A JP 4388898 A JP4388898 A JP 4388898A JP 4388898 A JP4388898 A JP 4388898A JP H11242098 A JPH11242098 A JP H11242098A
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ingot
crucible
melting
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phase
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JP4388898A
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Tsutomu Tanaka
努 田中
Masaru Yoshida
勝 吉田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に放射能汚染された材料である酸化物を金
属相と酸化物相に分離させて、2次廃棄物の発生量を減
少させる。 【解決手段】 内部雰囲気調整が可能なチャンバーの内
部外周に移動可能な誘導コイルを備えた溶解、造塊坩堝
であって、溶解、造塊坩堝は互いに絶縁された冷却でき
る複数のセグメントから構成され、分離、合体するため
の駆動装置と底板移動装置を備え、溶解、造塊坩堝の下
部近傍には鋳塊の付着物除去装置を有する溶解、造塊装
置および溶解、造塊法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済み核燃料ま
たは放射性廃棄物などの放射能で汚染された材料を溶
解、造塊し、減容して金属の鋳塊と非金属の固化物に固
定する溶解、造塊装置とその溶解、造塊法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者等は先に特開平5−15789
7号公報に記載の「放射性廃棄物の処理方法」および特
開平8−120356号公報に記載の「層分離・相変化
装置」を提案した。
【0003】図5は、特開平5−157897号公報に
記載の放射性廃棄物の連続処理装置の構成を説明する模
式図である。同図に示すように、この装置は冷却坩堝4
0に通電コイル41を巻き冷却坩堝40の下部に底板4
2と上部に坩堝上蓋43で構成されている。溶解は、冷
却坩堝40内に溶解材料を材料供給部44より投入し通
電コイル41に高周波電流を印加後、溶解量に応じて引
抜棒45を下方に連続的に引抜き連続運転後、高周波電
流の通電を停止して凝固した鋳塊を取り出す方法であ
る。
【0004】図6は、特開平8−120356号公報に
記載の層分離・相変化装置の構成を説明する模式図であ
る。同図に示すように、この装置は上部坩堝51と下部
坩堝52より構成されている。溶解は下部坩堝51内に
母材57を挿入するとともに上部坩堝51内に溶解材料
を投入し、上部坩堝誘導コイル53と下部坩堝誘導コイ
ル54に高周波電流を印加する。溶解物は比重に応じて
分離し、上層に非金属相57、下層には金属相56に分
離され上層の非金属相57は分取管55より外部へ流出
させる方法である。
【0005】しかし、上記特開平5−157897号公
報および特開平8−120356号公報により提案した
装置より一層の性能・効率向上を目指して、さらに研究
を重ねた結果、これらの装置には、下記の(1) および
(2) の問題が存在することが新たに判明した。
【0006】(1) 特開平5−157897号公報の連続
処理装置では、高周波電流を通電したままで鋳塊を連続
して下方へ引き抜くため凝固が徐々に進行し、金属はピ
ンチ力(誘導電流によって作られる磁場との相互作用)
により鋳塊の中心部に集まり、酸化物は鋳塊の外周辺部
に集まる。したがって、この鋳塊で金属と酸化物を分離
するために機械的に鋳塊を破砕すると放射能で汚染され
た酸化物が周囲に飛散して危険である。
【0007】(2) 特開平8−120356号公報の連続
処理装置でも、上記(1) と同様な状況で酸化物は鋳塊の
外周辺部に集まるため、上部坩堝の中間に取り付けた分
取管から全ての酸化物を系外に取り出すことはできず、
放射能で汚染された酸化物の一部は鋳塊とともに下方に
引き抜かれ前記(1) 項と同様の問題を生ずる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
放射能で汚染された材料を、溶解、造塊の過程で固定減
容し処理の容易な金属凝固物と処理の難しい酸化物とに
分離を行い系外に取り出すことができる溶解、造塊装置
およびその溶解、造塊法に関する。この目的を満足する
ために装置に求められる課題を以下に記述する。 (1) 金属と酸化物のいずれも溶解、造塊が可能である。 (2) 溶解、造塊炉の寿命が長く二次廃棄物を発生させな
い。 (3) 材料を任意の時間溶解、造塊し、短時間に系外に排
出することが可能である。 (4) 金属相と酸化物相の相分離ができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】金属と酸化物の混合体を
溶解する方法としては、プラズマあるいは電子ビーム等
による方法がある。しかし、プラズマ方式はキャリヤー
ガスを使うため加熱効率が低下するとともに排ガス量が
増加するので排ガスから放射能を除去する装置の負担が
大きくなる。電子ビーム方式は高真空を維持するための
装置が複雑になるとともに、装置の保守点検を遠隔で行
う必要があるため作業性が低下する。
【0010】本発明者等は、種々の実験を行い検討した
結果、下記の知見を得た。 (1) 酸化物と金属の混合体に、還元剤を添加して昇温す
ると、溶融還元で金属が増加する。その結果、金属はピ
ンチ力を受けて溶解、造塊坩堝の中心に集まるととも
に、磁場が完全に遮蔽され、誘導電流によって大きなジ
ュール熱を発生させることができる。このため、金属と
溶解、造塊坩堝壁との間に存在する酸化物は誘導加熱だ
けでなく、金属からの熱伝導および輻射伝熱により、通
常のスカル溶解(冷却壁と接触した溶融体が凝固・固化
してセルフライニングされ、この断熱層を形成した状態
で溶融を行う方法)に比べて高い温度となり、スカル層
が薄くなるとともに溶融プールの形状は溶解、造塊坩堝
の形状に近い形になる。また電磁攪拌により溶融物の流
動速度の対称性も高くなって安定した溶解ができる。
【0011】(2) 溶解、造塊坩堝に耐火物を用いず、水
冷が可能な銅製坩堝を使用し誘導コイルで加熱すれば、
溶解、造塊坩堝の補修はほとんど必要がなくなる。内張
りに耐火物を使用しないので溶解、造塊坩堝の廃棄耐火
物が二次廃棄物にならない。
【0012】(3) 溶解材料の組成が多数の化学元素から
なる場合は、連続処理方式では比重が大きく融点の低い
溶解材料が優先的に溶解されるので、固体の性質が均一
でないという問題が起こる。この問題を解決するには、
排出口を完全に閉塞するとともに、必要なときに短時間
で開口する技術が必要である。そのためには、溶解、造
塊坩堝の下部に移動可能な底板を用い、鋳塊を取り出す
時はこの底板を移動できるようにすることで、この問題
を解決することができる。
【0013】(4) 前記の方法を用いるとともに溶解後高
周波電源を遮断することにより、溶解、造塊坩堝内で比
重分離が起こり金属相と酸化物相が上下に分離した鋳塊
が得られる。
【0014】本発明は、このような知見に基づきなされ
たもので、その要旨は下記の(A) 〜(D) の通りである。 (A) 内部雰囲気調整が可能なチャンバーと、該チャンバ
ー内に収容された溶解、造塊坩堝であって、互いに電気
的に絶縁された冷却可能な複数のセグメントを有し、そ
れらのセグメントが組合わされた状態で坩堝壁の側壁を
形成する複数の坩堝壁ブロックよび冷却底板とからなる
溶解、造塊坩堝と、前記複数の坩堝壁ブロックと冷却底
板とを分離、合体させる駆動装置と、前記の合体された
坩堝の外周に配置され坩堝との上下相対位置を可変とし
た誘導コイルとを有することを特徴とする溶解、造塊装
置。
【0015】(B) 前記チャンバー内の坩堝下部にあっ
て、鋳塊の付着物を除去する表面付着物除去装置をさら
に有することを特徴とする上記(A) 項に記載の溶解、造
塊装置。
【0016】(C) 上記(A) 項または上記(B) 項に記載の
溶解、造塊装置を用いて、溶解材料を誘導加熱溶解し、
上下2相に金属相と酸化物相とに分離させて鋳塊を製造
後、前記坩堝壁ブロックと冷却底板とを分離して鋳塊を
取り出すことを特徴とする溶解、造塊法。
【0017】(D) 上記(b) 項に記載の溶解・造塊装置を
用いて溶解材料を誘導加熱し鋳塊を製造後、前記坩堝壁
ブロックと冷却底板とを分離して鋳塊を取り出して鋳塊
表面に付着している汚染物質を表面付着物除去装置にて
取り除くことを特徴とする溶解、造塊法。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の装置とその溶解、造塊法
について、図面に基づいて以下に説明する。なお、以下
の説明では区分の必要がない限りは、溶解、造塊坩堝を
「坩堝」という。溶解、造塊坩堝の駆動装置を「坩堝駆
動装置」という。
【0019】図1は、本発明の装置の例を示す模式図で
ある。図1に示すように、溶解材料16と接触する部分
である坩堝5はチャンバー10に収容されており汚染物
質が周辺に漏れないようになっている。また、チャンバ
ー10には排気装置20および不活性ガス供給装置21
が設けられており雰囲気調整が可能である。
【0020】坩堝5は複数の坩堝壁ブロック3と坩堝5
の下部開口部2に嵌め合う冷却底板7を有する。上部開
口部1からはシュータ11にて、固体状の溶解材料16
を坩堝5の内に装入し、高周波電源12の通電により溶
解する。溶解した処理中材料17は、通電停止後坩堝5
の下部で金属相と非金属相(酸化物相)とに上下に分離
し、そのまま冷却されて2相分離した鋳塊が得られる。
【0021】坩堝壁ブロック3には縦方向に沿って分か
れたセグメント3aを有しそれぞれのセグメントは冷却
可能な構造をしている。各セグメント間は絶縁機能(絶
縁体はマイカ等)を持つスリット4が所定の区間設けら
れている。坩堝壁ブロック3には坩堝駆動装置9が設け
られそれぞれの坩堝壁ブロック3と冷却底板7を分離合
体することができる。
【0022】坩堝5とは、坩堝壁ブロック3(複数)と
冷却底板7の集合体である。また、坩堝5は冷却底板7
と組合わさっており冷却底板7は底板移動装置15によ
り上下に移動することができる。
【0023】坩堝5の外周には一定の間隙を空けて誘導
コイル6が巻かれており、冷却水供給装置14にて水冷
できる構造となっている。坩堝5の直下には、底板移動
装置15により坩堝5から引き抜かれた鋳塊18の表面
の汚染を除去する表面汚染除去装置13を備えている。
【0024】同図において、鋳塊取り出し装置22は、
マニュプレータ方式で表されており、チャンバー下部の
扉23を開けて鋳塊18を取り出すようになっている。
図2は、坩堝壁ブロック3が分離した状況を示す模式図
である。図2に示すように坩堝5は、図1に示す各ブロ
ックを支持するアームを油圧で駆動する溶解、造塊駆動
装置9によって二つに分離したり一つに結合できるよう
になっている。
【0025】坩堝壁ブロック3を分離するときには誘導
コイル6は誘導コイル駆動装置8(図1参照)により上
方(または下方)に移動待避して坩堝壁ブロック3を分
離できる構造になっている。
【0026】このような装置を用いて溶解材料の減容と
相分離は次のように行われる。図1に示すように、溶
解、造塊駆動装置9によって各坩堝壁ブロックとを合体
させて坩堝の側壁を構成し、次いで誘導コイル駆動装置
8によって誘導コイル6と所定位置に引き下げる。坩堝
5、誘導コイル6および冷却底板7に冷却水供給装置1
4より冷却水を供給し、チャンバー10内を排気装置2
0で減圧したり、または不活性ガス供給装置21を用い
てアルゴンガス等で不活性ガス雰囲気に調整する。
【0027】次に、底板移動装置15にて冷却底板7を
電磁場が作用する誘導コイル6の下端近傍に移動し、溶
解材料供給ホッパー19より溶解材料16をシュータ1
1から坩堝5の内部に投入する。
【0028】この溶解材料は誘導溶解された後に金属と
酸化物、窒化物、フッ化物等の非金属に分離される性質
のものも含まれている場合があるが、本発明では溶解材
料を特定するものではない。坩堝5の内部に投入した溶
解材料16は、臨界磁場強度を超える高周波磁場のもと
で誘導溶解が始まる。
【0029】非金属と金属の混合体が誘導溶解した場合
に、非金属は金属に比べて作用する電磁気力(ラプラス
力)が小さいので坩堝壁ブロック3の近傍に集中し、坩
堝壁ブロック3が冷却されているので溶解が阻害され
る。
【0030】逆に、溶解材料16の金属部分は電磁気力
の作用により溶融して坩堝5の中心に多く集中する。中
心部の溶融金属に接する酸化物は誘導加熱、金属からの
熱伝導および輻射伝熱により溶解する。つまり、坩堝5
の内部では中心に溶融金属、その周囲を溶融非金属が取
り囲み坩堝壁ブロック3の近傍には未溶融の非金属が集
積する。
【0031】溶解材料16の大部分が坩堝5の内部で溶
解した後、高周波電源12の出力を下げる。金属と非金
属は密度が異なるので、比重分離が進行した後、処理中
の材料17が凝固して鋳塊18が得られる。この時、鋳
塊18の下部は金属相、上部は非金属相で鋳塊18の表
面には未処理の非金属が薄く付着した状態になる。
【0032】本発明法は、バッチ処理装置なので鋳塊を
引き抜かない状態で高周波電源を遮断し、凝固するため
溶解、造塊坩堝内で比重分離が起こり鋳塊の下層が金
属、上層が非金属になる。したがって、放射能で汚染さ
れた非金属は系外で容易に回収できる。
【0033】鋳塊18に付着している非金属はもろくて
崩れやすいので、冷却底板7を用いて無理に上方に押し
上げると割れてダストが発生し、非金属物質内部に固定
した汚染物質が拡散し好ましくない。そこで、誘導コイ
ル駆動装置8あるいは坩堝駆動装置9を用いて誘導コイ
ル6と坩堝5を上下方向に待避させる。移動の方向は装
置の形態によって異なるが、上方または下方のいずれで
あっても良い。図2に示した例は誘導コイル6を上方に
待避した例である。
【0034】その後は、坩堝駆動装置9を用いて坩堝壁
ブロック3を水平方向に移動させる。図2に示した例は
坩堝壁ブロック3を右側に水平移動した場合であり、両
側に水平移動しても良い。その結果、冷却底板7の上に
鋳塊18が載った状態が得られる。
【0035】図3は、鋳塊の表面に付着した汚染物質を
除去する装置の例を示す模式図である。前述したように
得られた鋳塊18の表面には、未溶融の非金属が薄く付
着している場合があるので、表面汚染除去装置13を用
いて、未溶融の非金属を除去する。
【0036】表面汚染除去装置としては機械ブラシ、シ
ョットブラスト、ドライアイス等があるが、ドライアイ
スは昇華して気体になるので取り扱いが容易である。図
4は、それぞれの溶解、造塊装置で得られた鋳塊の縦断
面を示す模式図である。同図(a)は、本発明のバッチ
式装置により得られたものであり、同図(b)は、特開
平5−157897号公報の連続処理装置により得られ
たものであり、同図(c)は、特開平8−120356
号公報の連続処理装置により得られたものである。
【0037】図4(a)に示すように、本発明法は鋳塊
18の下層は金属相24であり上層は非金属相25に分
離するので非金属相を系外にて容易に回収できる。しか
し、図4(b)および(c)に示すように、従来の連続
処理装置では鋳塊の内層は金属相46、または53で外
層は酸化物相47または54であり、系外に出しても酸
化物相の分離は困難である。
【0038】
【実施例】(本発明例1)図1に示す装置を用いて下記
の溶解材料を溶解、造塊した。溶解原料は、FP(再処
理後の使用済み核燃料)およびCP(配管腐食生成物)
の混合物を仮焼(800℃程度に加熱して硝酸塩を酸化
する工程)・気化処理した後、使用済み核燃料の処理を
想定して、模擬使用済み核燃料としてCr,Fe,N
i,Se,Rb,Sr,Y,Zr,Mo,Tc,Ru,
Rh,Pd,Ag,Cd、In,Sn,Sb,Te、C
s,Ba,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd
を含有する酸化物1590gをシュータ11より坩堝5
内に装入した。
【0039】還元剤は、窒化珪素410gを装入した。
なお、TRU(超ウラン元素)の熱力学的挙動はランタ
ニド系元素で代替できると考え放射能を持つ危険なTR
U元素は除いた。
【0040】次に坩堝5、誘導コイル6、冷却底板7、
およびチャンバー10に冷却水をそれぞれ100、4
0、20、20l/min供給するとともにに、チャン
バー10内を1000hPa(万一事故が発生した場合
内部が大気圧の1013hPaより低いと放射性物質が
チャンバーの外に拡散するのを防ぐ)のAr雰囲気にし
た。装置は下記の仕様のものを使用した。
【0041】 (坩堝) (冷却底板) 材 質 :銅 内 径:99mm 内部構造 :水冷 高さ :30mm 高さ :250mm 上部開口部内径 :100mm 下部開口部内径 :100mm (誘導コイルの駆動装置) スリット幅 :0.2mm ストローク:300mm スリット長さ :180mm 移動速度 :100mm/min スリット数 : 20本 移動方向 :上下 (誘導コイル) (坩堝の駆動装置) 材 質:銅 ストローク:300mm 内 径: 15mm 移動速度 :100mm/min 外 径: 17mm 移動方向 :水平 間 隔: 5mm 積層高さ:100mm (溶解材料供給ホッパー) (チャンバー) 搬送方式:振動フィーダ 材 質:ステンレス鋼 送り速度:1kg/min 内容積:0.2m3 (表面汚染除去装置) (冷却水供給装置) 汚染除去方法:固体二酸化炭素噴射 供給量:最大500l/min 噴射量 :1kg/min (底板移動装置) 移動速度:50mm/min。
【0042】次に、坩堝5の下部開口部2に底板移動装
置15により冷却底板7を誘導コイル6の下端に設置
し、溶解材料供給ホッパー19より溶解材料16を坩堝
5内に投入した。誘導コイル6には出力100KW、周
波数400KHZ、1000Aの高周波電流を供給し
た。
【0043】しかし、溶解材料16には何も変化が起こ
らなかったので、溶解材料供給ホッパー19より坩堝5
内にステンレス鋼を300kg投入した。すると、ステ
ンレス鋼が誘導加熱され溶解が始まり、その伝導熱と輻
射熱の影響で周囲の溶解材料19が昇温して還元反応が
進行し、坩堝5の内部から盛んに窒素ガスが放出すると
ともに、坩堝5の内部では坩堝壁ブロック3の壁近傍を
除いて投入した溶解材料16の大部分が溶解し、最高温
度は2000℃になった。
【0044】この状態を20分維持した後、高周波電源
12を遮断すると溶解した材料は、坩堝壁3等からの抜
熱の影響を受けて温度が下がり鋳塊18ができた。その
後、誘導コイル駆動装置8を用いて誘導コイル6を上方
に移動し、さらに坩堝駆動装置9により坩堝5の半分を
水平方向に離反させ冷却底板7の上に鋳塊18が載った
状態が得られた。
【0045】鋳塊18の表面には未溶解の材料が付着し
ていたので底板移動装置15を下方に移動して、表面汚
染除去装置13の前方に鋳塊18を置き、鋳塊18の表
面に固体の二酸化炭素(ドライアイス)を噴射し、付着
物を取り除いた。
【0046】鋳塊18から成分の分析用サンプルを採取
して調査したところ、鋳塊18の下層は窒化珪素により
還元されたCr、Fe、Ni、Se、Mo、Ru、R
h、Pb、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Teの各元
素とステンレス鋼の元素から成る合金であった。上層
は、下層に含有したいた以外の元素Rb、Sr、Y、Z
r、Tc、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、S
m、Eu、Gdがシリコン酸化物中に固定されていた。
【0047】このようにして、溶解、造塊することで酸
化物状態の溶解材料を金属相と酸化物相に相分離して体
積を減少することができるとともに汚染物質を想定した
ランタニド元素を固定することができた。
【0048】(本発明例2)上記本発明例1に対して、
坩堝5の形状を角形(汚染物質を保管する際充填率が良
い)にしたことに伴う坩堝5と冷却底板7の形状を下記
のように変えた以外は同じ装置の仕様と溶解、造塊条件
で実施した。
【0049】(坩堝) 上部開口部内径:100mm×100mm 下部開口部内径:100mm×100mm (冷却底板) 内径:99mm×99mm 本発明例1と同様の溶解、造塊を行ったが、本発明例1
とまつたく同じ結果が得られた。
【0050】(比較例1)図5に示す従来の装置(特開
平5 −157897号公報記載の装置)を用いて溶解、
造塊を実施した。装置は下記の仕様のものを使用した。
【0051】 (坩堝) (誘導コイル) 材 質 :銅 材 質 :銅 内部構造 :水冷 上部内径 :100mm 高 さ :250mm 下部内径 :100mm 上部開口部内径:100mm 間 隔 : 5mm 下部開口部内径:100mm 積層高さ :200mm スリット幅 :0.2mm スリット長さ :180mm (チャンバー) スリット数 : 20本 材 質 :ステンレス鋼 内 容 積:0.2m3 (溶解材料供給部) 搬送方式:振動フィーダ (冷却水供給装置) 送り速度:1Kg/min 供給量:最大500l/min その結果、インゴットの中心部は金属、周辺部は酸化物
であり、金属と酸化物を分離することができなかった。
【0052】(比較例2)図6に示す従来の装置(特開
平8−120356号公報記載の装置)を用いて溶解、
造塊を実施した。装置は下記の仕様のものを使用した。
【0053】 (上部坩堝) (下部坩堝) 材 質 :銅 材 質 :銅 内部構造 :水冷 内部構造 :水冷 高 さ :150mm 高 さ :200mm 内 径 : 80mm 内 径 : 80mm スリット幅 :0.2mm スリット幅 :0.2mm スリット長さ:130mm スリット長さ:180mm スリット数 :12本 スリット数 :12本 分取管内径 :30mm (上部坩堝誘導コイル) (下部坩堝誘導コイル) 材 質:銅 材 質:銅 内 径:15mm 内 径:15mm 外 径:17mm 外 径:17mm 間 隔: 5mm 間 隔: 5mm 巻き回数 :10 巻き回数 : 7 (振動フィーダー) (冷却水) 送り速度 :1Kg/min 供 給 量 :最大500l/min (チャンバー) 材 質:ステンレス鋼 内 容 積 :0.2m3
【0054】上部坩堝誘導コイルに出力100kW、周
波数500kHz、下部坩堝誘導コイルに出力100k
W、周波数20kHzにて溶解、造塊した。その結果、
分取管から全ての酸化物を系外に取り出すことができ
ず、汚染された酸化物の一部は金属とともに下方に出
た。
【0055】本発明例1および本発明例2の装置と、比
較例1および比較例2の装置とを比較した結果を表1に
示す。なを、表1における評価項目は、溶解材料の処理
量分率(溶解後の材料の質量溶解前の材料の質量)、坩
堝外取り出し分率(溶解材料の坩堝内投入重量/坩堝外
取り出し鋳塊重量)の2種類である。
【0056】
【表1】
【0057】表1から、溶解材料の処理量分率は本発明
例も比較例も同等であった。
【0058】坩堝外取り出し分率は、本発明例1および
本発明例2は1.0に対し比較例1は0で、比較例2は
0.7であった。
【0059】このように、本発明例1および本発明例2
によれば汚染された廃棄物を対象として、体積の減容お
よび酸化物を金属相と酸化物相に分離できるとともに比
較例1および比較例2に比し、二次廃棄物の発生量を低
減することができた。
【0060】
【発明の効果】本発明により、使用済み核燃料、放射性
物質などの放射能で汚染された物質の体積を減容させる
こと、および金属相と酸化物相に分離できるとともに二
次廃棄物の発生量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置例の概要を示す模式図である。
【図2】溶解、造塊坩堝が分離した状況を示す模式図で
ある
【図3】鋳塊の表面に付着した汚染物質を除去する装置
の例を示す模式図である。
【図4】それぞれの溶解、造塊装置で得られた鋳塊の縦
断面を示す模式図である。同図(a)は、本発明のバッ
チ式装置により得られたものであり、同図(b)は、特
開平5−157897号公報の連続処理装置により得ら
れたものであり、同図(c)は、特開平8−12035
6号公報の連続処理装置により得られたものである。
【図5】特開平5−157897号公報に記載の放射性
廃棄物の連続処理装置の構成を説明する模式図である。
【図6】特開平8−120356号公報に記載の層分離
・相変化装置の構成を説明する模式図である。
【符号の説明】
1:上部開口部、 2:下部開口部、
3:坩堝壁ブロック、 3a:セグメント、
4:スリット、 5:溶解、造塊坩
堝、6:誘導コイル、 7:冷却底
板、8:誘導コイル駆動装置、 9:溶解、造
塊坩堝駆動装置、10:チャンバー、
11:シュータ、12:高周波電源、
13:表面付着物除去装置、14:冷却水供給装置、
15:冷却底板移動装置、16:溶解材料、
17:処理中材料、18:鋳塊、
19:溶解材料供給ホッパー、2
0:排気装置、 21:不活性ガス供
給装置、22:鋳塊取り出し装置、 23:
扉、24:金属相、 25:非金属
相(酸化物相)、40:冷却坩堝、
41:通電コイル、42:底板、
43:坩堝上蓋、44:材料供給部、
45:引抜棒、46:金属相、 4
7:非金属相(酸化物相)、50:上部坩堝、
51:誘導コイル、52:分取管、
53:金属相、54:非金属相(酸化物
相)、

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部雰囲気調整が可能なチャンバーと、
    該チャンバー内に収容された溶解、造塊坩堝であって、
    互いに電気的に絶縁された冷却可能な複数のセグメント
    を有しそれらのセグメントが組合わされた状態で坩堝壁
    の側壁を形成する複数の坩堝壁ブロックおよび冷却底板
    とからなる溶解、造塊坩堝と、前記複数の坩堝壁ブロッ
    クと冷却底板とを分離、合体させる駆動装置と、前記の
    合体された坩堝の外周に配置され坩堝との上下相対位置
    を可変とした誘導コイルとを有することを特徴とする溶
    解・造塊装置。
  2. 【請求項2】 前記チャンバー内の坩堝下部にあって、
    鋳塊の付着物を除去する表面付着物除去装置をさらに有
    することを特徴とする請求項1に記載の溶解、造塊装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の溶解、
    造塊装置を用いて、溶解材料を誘導加熱溶解し、上下2
    相に金属相と酸化物相とに分離させた鋳塊を製造後、溶
    解・造塊坩堝を分離して鋳塊を取り出すことを特徴とす
    る溶解、造塊法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の溶解、造塊装置を用い
    て溶解材料を誘導加熱し鋳塊を製造後、前記坩堝壁ブロ
    ックと冷却底板とを分離して鋳塊を取り出し鋳塊表面に
    付着している汚染物質を表面付着物除去装置にて取り除
    くことを特徴とする溶解、造塊法。
JP4388898A 1998-02-25 1998-02-25 溶解・造塊装置および溶解、造塊法 Pending JPH11242098A (ja)

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