JPH11238639A - 平面型積層コイル、並びに、電磁波読み取り可能なicシート - Google Patents

平面型積層コイル、並びに、電磁波読み取り可能なicシート

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JPH11238639A
JPH11238639A JP10057459A JP5745998A JPH11238639A JP H11238639 A JPH11238639 A JP H11238639A JP 10057459 A JP10057459 A JP 10057459A JP 5745998 A JP5745998 A JP 5745998A JP H11238639 A JPH11238639 A JP H11238639A
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JP
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spiral
spiral conductor
conductor pattern
coil
laminated coil
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JP10057459A
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Inventor
Wakahiro Kawai
若浩 川井
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品の搭載に便利なように、一対のコイ
ル端子パッドが、双方ともに、渦巻状導体パターンの内
周側もしくは外周側に配置されており、しかも、低コス
トに製造が可能な平面型積層コイル、並びに、これを採
用した電磁波読み取り可能なICシートを提供する。 【解決手段】 片面もしくは両面に導体層を有する平面
状基材を複数枚積層して構成される積層体であって、前
記導体層のそれぞれには、渦心を互いに整合させて、渦
巻状導体パターンが形成されており、かついずれかの導
体層に形成される渦巻状導体パターンは、互いに同心か
つ平行な複数条の渦巻状導体パターンにより構成されて
おり、さらに、各層の渦巻状導体パターンは適宜な順序
で直列接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁波を用いて
非接触で読み取りが可能な伝票一体型ICラベル等とし
て好適な柔軟性のあるICシート、並びに、そのアンテ
ナコイルなどとして好適な平面型積層コイルに係り、特
に、導体層積層数が奇数の場合にあっても、そのアンテ
ナコイルの両端を渦巻状導体パターンの内周側もしくは
外周側に並置させることを可能として、設計自由度を増
大させた平面型積層コイル、並びに、それを用いた電磁
波読み取り可能なICシートに関する。
【0002】
【従来の技術】物流の自動化を進めるためには、個々の
物品等に貼付される伝票等の内容を機械読み取り可能と
することが重要である。従来、この目的のためには、個
々の伝票にその内容に対応したバーコードラベルを貼付
することが行われている。
【0003】しかしながら、いわゆるバーコードリーダ
を用いてバーコードラベルを読み取るためには、両者間
に一定の距離的並びに方向的な関係をかなり高精度に行
わねばならず、物流の円滑化の障害となっていた。加え
て、バーコードに入力可能な情報量は比較的少ないこと
から、このようなバーコードラベルを用いた物流管理に
あっては、物流の管理範囲が狭い区域に限られるという
問題点もあった。
【0004】そこで、現在、電磁波を用いて非接触で読
み取りが可能な伝票一体型ICラベルの開発が進められ
ている。この伝票一体型ICラベルによれば、読み取り
媒体として電磁界を用いることから、読み取りに際する
距離的並びに方向的な制約をさほど受けることがなく、
具体的には、読み取りの方向性に制約を受けることな
く、1メートルの距離からでもその内容を確実に読み取
らせることができる。
【0005】ところで、このような電磁波を用いて非接
触で読み取りが可能な伝票一体型ICラベルを実現する
ためには、アンテナコイルを含むLC共振回路の尖鋭度
Qを高めるために、かなり巻数の多い平面型コイルが必
要となる。そこで、本出願人は先に、特願平9−312
586号において、柔軟性のある薄いシート内に十分な
巻数のコイルを保持させることを可能とした平面型積層
コイル、並びに、それを使用した電磁波読み取り可能な
ICシートを提案(未公開)している。
【0006】先に提案された電磁波読み取り可能なIC
シートの一例が、図6並びに図7に示されている。尚、
図6並びに図7において、100は樹脂製フィルム、1
00aは積層体、A,B,C,Dは長方形樹脂製フィル
ムの四隅の角部、L1は山折線、L2は谷折線、S1は
第1区分領域、S2は第2区分領域、C11は第1区分
領域表面の渦巻状導体パターン、C12は第1区分領域
裏面の渦巻状導体パターン、C21は第2区分領域表面
の渦巻状導体パターン、C22は第2区分領域裏面の渦
巻状導体パターン、Hは窓穴、PD1,PD2はアンテ
ナコイルの巻き始端並びに巻き終端にそれぞれ通ずる2
つの端子パッド、TH1,TH2は表裏導通部、TPは
コイル端子である。
【0007】この電磁波読み取り可能なICシートの基
本的な構造は、アンテナコイルが保持された柔軟性のあ
るシートに電子部品を実装してなるものである。アンテ
ナコイルが保持された柔軟性のあるシートは、一方向へ
ほぼ等間隔に区分された樹脂製フィルム100を区分S
1,S2単位で折り重ねて積層一体化してなる積層体1
00aである。樹脂製フィルムの各単位区画の少なくと
も片面には、折り重ねた際に互いの渦心が整合するよう
にして、渦巻状導体パターンC11,C12,C21,
C22が形成されている。各単位区画の渦巻状導体パタ
ーンは、折り重ねた際に同一巻方向へ電流が流れるよう
に、所定の接続部を開して互いに直列接続されてアンテ
ナコイルを構成している。アンテナコイルの巻き始端並
びに巻き終端にそれぞれ通ずる2つの端子パッドPD
1,PD2は、双方ともに、積層体の同一面側に露出す
るように配置されている。2つの端子パッドは、単位区
画内における渦巻状導体パターンの渦の外部もしくは内
部に並置されている。2つの端子パッドは、折り重ねた
際に最下層となるフィルム片の上側の面に配置されてお
り、かつそれよりも上層となる各フィルム片には最下層
のフィルム片の上側の面に配置された2つの端子パッド
を積層体の上面側へ露出させるための窓穴Hもしくは切
欠が形成されている。
【0008】かかる構造の伝票一体型ICシートによれ
ば、4層プリントコイル構造の平面型アンテナコイルを
内蔵することとなるため、アンテナコイルのインダクタ
ンス値(L)並びに共振回路の尖鋭度値(Q)の増大を
通じて、読み取り感度の向上が図られる。加えて、アン
テナコイルの巻き始端並びに巻き終端にそれぞれ通ずる
2つの端子パッドPD1,PD2は双方ともに、積層体
100aの同一面側に露出するように配置され、しか
も、それら2つの端子パッドPD1,PD2はいずれも
渦の内周側もしくは外周側に近接して配置されるため、
その上に電子部品を実装するに際しては、スルーホール
加工などの手間が不要であるという利点もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな先の提案に係る伝票一体型ICラベルにあっては、
各区分領域S1,S2の表裏のそれぞれに、C11,C
12,C21,C22のように、1個ずつ渦巻状導体パ
ターンを配置する構成を採用していたため、図6(b)
に示されるように、アンテナコイルの巻き始端並びに巻
き終端にそれぞれ通ずる2つの端子パッドPD1,PD
2を、双方ともに、渦巻状導体パターンの内周側もしく
は外周側に配置しようとすると、渦巻状導体パターンが
偶数個必要であることから、それを含む導体層について
も偶数層(図6並びに図7の場合には4層)必要とな
り、導体層を構成する良導性金属箔の使用量をコストの
面からは削減することが難しいという問題点がある。こ
の種の伝票一体型ICラベルは、膨大な量の使用が予想
されることから、その実用化にあたっては、かなり厳し
いコストダウン要求に応えねばならない。係る観点から
見ると、渦巻状導体パターンを構成する良導性金属箔
(銅箔、アルミ箔など)の使用量を節減することが極め
て重要である。単に電気回路的な観点から見れば、渦巻
状導体パターンの巻数を増大させれば、それにつれて必
要な導体層の積層数も減少する。しかし、コイルの巻き
始端並びに巻き終端に通ずる1対の端子パッドを、双方
ともに、渦巻状導体パターンの内周側もしくは外周側に
配置するという制約のもとでは、上述した電気回路的な
意味とは無関係に、導体層の積層数を偶数(4層,6
層,8層…)にしなければならないのである。
【0010】この発明は、上述した従来の問題点に着目
してなされたものであり、その目的とするところは、電
子部品の搭載に便利なように、一対のコイル端子パッド
が、双方ともに、渦巻状導体パターンの内周側もしくは
外周側に配置されており、しかも、低コストに製造が可
能な平面型積層コイル、並びに、これを採用した電磁波
読み取り可能なICシートを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この出願の請求項1に記
載の発明は、片面もしくは両面に導体層を有する平面状
基材を複数枚積層して構成される積層体であって、前記
導体層のそれぞれには、渦心を互いに整合させて、渦巻
状導体パターンが形成されており、かついずれかの導体
層に形成される渦巻状導体パターンは、互いに同心かつ
平行な複数条の渦巻条導体パターンにより構成されてお
り、更に、各層の渦巻状導体パターンは適宜な順序で直
列接続されている、ことを特徴とする平面型積層コイル
にある。
【0012】又、この出願の請求項2に記載の発明は、
前記導体層の積層数は奇数であり、かつ、前記直列接続
された一連の渦巻状導体パターンの両端部に導通する1
対の端子パッドは、双方ともに、前記渦巻状導体パター
ンの内周側もしくは外周側に配置されていることを特徴
とする請求項1に記載の平面型積層コイルにある。
【0013】又、この出願の請求項3に記載の発明は、
前記積層体は、一方向へほぼ等間隔に区分された導体層
付きの樹脂製フィルムを区分単位で折り重ねて積層一体
化したものであることを特徴とする請求項1に記載の平
面型積層コイルにある。
【0014】更に、この出願の請求項4に記載の発明
は、アンテナコイルが保持された柔軟性のあるシートに
電子部品を実装してなるものであり、前記アンテナコイ
ルは、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の平面型積
層コイルであることを特徴とする電磁波読み取り可能な
ICシートにある。
【0015】そして、本発明によれば、いずれかの導体
層に形成される渦巻状導体パターンは、互いに同心かつ
平行な複数条の渦巻状導体パターンにより構成されてい
るため、それら渦巻状導体パターンを、磁界を打ち消さ
ない方向へ電流が流れるように、順次に接続することに
より、この種の平面型積層コイルにおける導体総数の制
約を解消し、その設計自由度を著しく向上させることが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】先に、説明したように、この発明の平面型
積層コイルは、片面もしくは両面に導体層を有する平面
状基材を複数枚積層して構成される積層体であって、前
記導体層のそれぞれには、渦心を互いに整合させて、渦
巻状導体パターンが形成されており、かついずれかの導
体層に形成される渦巻状導体パターンは、互いに同心か
つ平行な複数条の渦巻状導体パターンにより構成されて
おり、さらに、各層の渦巻状導体パターンは適宜な順序
で直列接続されている、ことを特徴とするものである。
かかる平面型積層コイルは様々な用途に応用できる。こ
の実施形態では、先に説明した、電磁波読み取り可能な
ICシートに応用したものである。この電磁波読み取り
可能なICシートの基本的な構成は、アンテナコイルが
保持された柔軟性のあるシートに電子部品を実装してな
るものである。このアンテナコイルが保持された柔軟性
のあるシートは、一方向へほぼ等間隔に区分された樹脂
製フィルムを区分単位で折り重ねて積層一体化してなる
積層体である。樹脂製フィルムの各単位区画の少なくと
も片面には、折り重ねた際に互いの渦心が整合するよう
にして、渦巻状導体パターンが形成されている。ここ
で、特に重要な点は、いずれかの単位区画の表面もしく
は裏面に形成された渦巻状導体パターンは、互いに同心
かつ平行な複数条の渦巻状導体パターンにより構成され
ている点である。各単位区画の渦巻状導体パターンは、
折り重ねた際に同一巻き方向へ電流が流れるように、所
定の接続部を介して互いに直列接続されてアンテナコイ
ルを構成している。
【0018】かかる電磁波読み取り可能なICシート
は、(1)樹脂製フィルムの区分数、(2)渦巻状導体
パターンの形成面(片面または両面)、(3)アンテナ
コイルに繋がる一対の端子パッドの配置(内周側または
外周側)をどのように決定するかにより、さらに、様々
な実施の形態が考えられる。
【0019】本発明の一実施形態が図1〜図5に示され
ている。この実施の形態は、樹脂製フィルムの区分数を
「2」、渦巻状導体パターンの形成面を第1区分領域に
ついては「片面」、第2区分領域については「両面」、
アンテナコイルに繋がる端子パッドの配置を「外周側」
としたものである。そこで、先ず、図1〜図5を参照し
て、アンテナコイルが保持されたICシートに相当する
積層体の構造を明らかにする。
【0020】2つ折に折り畳む前の樹脂製フィルム1の
表面並びに裏面が図1(a),図1(b)に示されてい
る。同図から明らかなように、この樹脂製フィルム1
(例えば、12μm厚のPETフィルム)は細長い長方
形状に形成されており、その表面並びに裏面は、山折線
L1もしくは谷折線L2を境として、2つの区分領域
(第1区分領域S1,第2区分領域S2)にほぼ2等分
されている。尚、樹脂製フィルム1の四隅に付された符
号A,B,C,Dは、表面と裏面とで対応する角部の関
係を明らかにするものである。
【0021】樹脂製フィルム1の表面における第1並び
に第2区分領域S1,S2には、図1(a)に示される
ように、渦巻状導体パターンC11,C21が例えばフ
ィルム1の表面に被着された30μm厚の銅箔をエッチ
ング処理することにより形成されている。尚、導体パタ
ーンC11,C21の表面にはエッチングマスクとして
機能した絶縁性被膜が残されている。
【0022】これに対して、樹脂製フィルム1の裏面に
おける第1並びに第2区分領域S1,S2の性状は、図
6並びに図7に示された先の提案に係る構成とは顕著に
相違する。即ち、樹脂製フィルム1の裏面における第1
区分領域S1には、図1(b)に示されるように、いか
なる導体パターンも存在しない。つまり、この面には、
その製造にあたって、良導性金属箔(銅箔、アルミ箔な
ど)を貼付する必要がない。これに対して、樹脂製フィ
ルム1の裏面における第2区分領域S2には、互いに同
心かつ平行な2条の渦巻状導体パターンC221,C2
22が形成されている。つまり、図6並びに図7に示さ
れた先の提案とは異なり、同一面に複数の渦巻状導体パ
ターンが形成されているのである。
【0023】そして、山折線L1,谷折線L2に従っ
て、図2(a)に示されるように、樹脂製フィルム1を
2つ折に折り畳むと、第2区分領域S2の表面が導体層
の第1層、第2区分領域S2の裏面が導体層の第2層、
第1区分領域S1の表面が導体層の第3層となる3層構
造の平面型積層コイルが構成される。ここで、渦巻状導
体パターンC11,C21,C221,C222の形状
並びに巻数を適宜設計することにより、図6並びに図7
の構造のものと同一のインダクタンス値(L)を得るこ
とは容易である。
【0024】更に詳細に説明すると、第1区分領域S1
の表面に形成された渦巻状導体パターンC11の外周側
端部には端子パッドPD2が、また内周側端部には表裏
導通部TH41が形成されている。同様にして、第1区
分領域S2の表面に形成された渦巻状導体パターンC2
1の外周側端部には表裏導通部TH21が、また内周側
端部には表裏導通部TH11が形成されている。
【0025】一方、第2区分領域S2の裏面に形成され
た第1の渦巻状導体パターンC221の外周側端部には
端子パッドPD1が、また内周側端部には表裏導通部T
H12が形成されている。同様にして、第2区分領域の
裏面に形成された第2の渦巻状導体パターンC222の
外周側端部には表裏導通部TH22が、また内周側端部
には表裏導通部TH32が形成されている。尚、Hは第
1区分領域S1の縁部に形成された端子パッドPD1を
露出させるための切欠窓である。
【0026】図1(a),(b)に示される樹脂製フィ
ルム1を2つ折に折り重ねた際の、パターン間接続構造
を図3並びに図4を参照して説明する。第2区分領域の
表面に形成された表裏導通部TH11とその裏面に形成
された表裏導通部TH12とは、例えば、本出願人が先
に特願平8−357127号により提案したスポット抵
抗溶接などを適用することにより接続導通される。即
ち、このスポット抵抗溶接にあっては、まず、図3
(a)に示されるように、表裏導通部TH11,TH1
2の該当する箇所を、加熱された圧子2a,2bにより
上下から挟み付け、これによりそれら表裏導通部TH1
1,TH12に挟まれた樹脂製フィルム1を溶融させて
除去する。次いで、同図(b)に示されるように、それ
ら圧子2a,2b間に通電を行うことによって、表裏導
通部TH11と表裏導通部TH12とを瞬時に溶接す
る。同様にして、第2区分領域の表面に形成された表裏
導通部TH21とその裏面に形成された表裏導通部TH
22とも、図3に示される方法により、接続導通され
る。
【0027】一方、第2区分領域S2の裏面に形成され
た表裏導通部TH32と第1区分領域S1の表面に形成
された表裏導通部TH41とは、樹脂製フィルム1を2
つ折に折り重ねられた後、図4に示されるように、同様
なスポット抵抗溶接を適用することにより接続導通され
る。即ち、図4(a)に示されるように、樹脂製フィル
ム1が2つ折された状態において、その上下から加熱さ
れた圧子3a,3bにて積層体を挟み付けると、その間
に存在する第1区分領域S1,第2区分領域S2の樹脂
製フィルム1は、加熱溶融されて、同図(b)の如く除
去される。しかる後、圧子3a,3b間に通電を行え
ば、先の例と同様にして、表裏導通部TH41と表裏導
通部TH32とが瞬時に溶接され、接続導通がなされ
る。尚、図1(b)に示されたPは、樹脂フィルムの溶
融部分を示している。
【0028】このようにして2つ折りされ、かつ接続導
通された積層体1aの正面並びに側断面が、図2(b)
並びに図2(c)に示されている。それらの図から明ら
かなように、平面型積層コイルの巻き始端並びに巻き終
端に相当する一対の端子パッドPD1,PD2は、積層
体1aの同一面に露出しており、かつそれらは双方とも
に、渦巻状導体パターンの外周側に近接して配置されて
いる。従って、図5に示されるように、これらの端子パ
ッドPD1,PD2を利用して、半田や導電性接着剤に
より、電子部品4を簡単に実装することができる。
【0029】尚、端子パッドPD1とPD2との間に
は、以下の順序で、4個の渦巻状パターンが接続され
る。端子パッドPD1→渦巻状導体パターンC221→
表裏導通部TH12→表裏導通部TH11→渦巻状導体
パターンC21→表裏導通部TH21→表裏導通部TH
22→渦巻状導体パターンC222→表裏導通部TH3
2→表裏導通部TH41→渦巻状導体パターンC11→
端子パッドPD2。
【0030】以上述べた実施の形態の効果をまとめると
次のようになる。
【0031】(1)奇数層の多層化が可能となること
で、多層アンテナコイルの設計自由度を向上できる。
【0032】(2)L値,Q値など必要コイル特性と材
料コストとの最適化を図ることができる。
【0033】(3)4層以上の偶数層の場合には、渦巻
状導体パターンの形成面と形成面とが相互に対向するこ
とから、それらの間に接着剤などで絶縁層を形成する必
要があるが、3層など奇数層の場合には、渦巻状導体パ
ターン同士が対向することがないため、付加的な絶縁層
を形成する必要がなくなる。
【0034】(4)第1,第2層を形成する両面コイル
シートと、第3層を形成する片面コイルシートとの位置
合わせが、非常に簡単に、精度良く実現できる。
【0035】尚、以上の実施の形態では、導体層が3層
の場合で説明したが、本発明は、5層,7層,9層など
のようなそれ以上の多層化を行うことができることは勿
論であり、その場合においても、それら多層化のいずれ
かの層において同心かつ平行な2条以上の渦巻状導体パ
ターンを形成することにより、最適設計が可能となるも
のである。
【0036】このように本実施の形態によれば、多層化
される導体層の1つに、2以上の同心状渦巻状パターン
を形成するという極めて簡単な構成により、必要とする
コイル特性に対して、最適な導体層数を適切に選定する
ことができ、この種の平面型積層コイルにおける設計自
由度を著しく向上させることができる。即ち、一対の端
子パッドPD1,PD2を、双方ともに、渦巻状導体パ
ターンの内周側もしくは外周側のいずれに並置する場合
であっても、導体層の積層数を偶数層とする制約から逃
れることができるため、例えば実施の形態に示されるよ
うに、4個の渦巻状導体パターンC11,C21,C2
21,C222を含む平面型積層コイルを、導体層の3
層構造をもって実現することができ、導体層の節減によ
るコストダウンが可能となるのである。
【0037】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明
によれば、電子部品の実装が容易でかつ低コストに製造
が可能な平面型積層コイル、並びに、それを利用した電
磁波読み取り可能なICシートを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電磁波読み取り可能
なICシートの展開状態における表面及び裏面を示す図
である。
【図2】同ICシートの折り重ね方法、折り重ねた状態
の正面、並びに断面を示す図である。
【図3】表裏導通部の接合方法の一例を示す説明図であ
る。
【図4】表裏導通部の接合方法の一例を示す説明図であ
る。
【図5】本発明に係る電磁波読み取り可能なICシート
の完成状態における外観を模式的に示す斜視図である。
【図6】従来の電磁波読み取り可能なICシートの展開
状態における表面及び裏面を示す図である。
【図7】同従来のICシートの折り重ね方法、折り重ね
た状態の正面、並びに、断面を示す図である。
【符号の説明】
1 樹脂製フィルム 1a 積層体 2a,2b,3a,3b 圧子 4 電子部品 A,B,C,D 樹脂製フィルムの四隅の角
部 S1 第1区分領域 S2 第2区分領域 S3 第3区分領域 S4 第4区分領域 C11 第1区分領域表面の渦巻状
導体パターン C21 第2区分領域表面の渦巻状
導体パターン C221 第2区分領域裏面の第1の
渦巻状導体パターン C222 第2区分領域裏面の第2の
渦巻状導体パターン TH11,TH12,TH21,TH22,TH32,
TH41 表裏導通部 PD1,PD2 端子パッド H 切欠窓 P 樹脂溶融部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面もしくは両面に導体層を有する平面
    状基材を複数枚積層して構成される積層体であって、 前記導体層のそれぞれには、渦心を互いに整合させて、
    渦巻状導体パターンが形成されており、かついずれかの
    導体層に形成される渦巻状導体パターンは、互いに同心
    かつ平行な複数条の渦巻状導体パターンにより構成され
    ており、 さらに、各層の渦巻状導体パターンは適宜な順序で直列
    接続されている、 ことを特徴とする平面型積層コイル。
  2. 【請求項2】 前記導体層の積層数は奇数であり、か
    つ、前記直列接続された一連の渦巻状導体パターンの両
    端部に導通する一対の端子パッドは、双方ともに、前記
    渦巻状導体パターンの内周側もしくは外周側に配置され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の平面型積層コ
    イル。
  3. 【請求項3】 前記積層体は、一方向へほぼ等間隔に区
    分された導体層付きの樹脂製フィルムを区分単位で折り
    重ねて積層一体化したものであることを特徴とする請求
    項1に記載の平面型積層コイル。
  4. 【請求項4】 アンテナコイルが保持された柔軟性のあ
    るシートに電子部品を実装してなるものであり、前記ア
    ンテナコイルは、請求項1〜請求項3のいずれかに記載
    の平面型積層コイルであることを特徴とする電磁波読み
    取り可能なICシート。
JP10057459A 1998-02-23 1998-02-23 平面型積層コイル、並びに、電磁波読み取り可能なicシート Pending JPH11238639A (ja)

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