JPH11238624A - インダクタンス素子及び無線端末装置 - Google Patents

インダクタンス素子及び無線端末装置

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JPH11238624A
JPH11238624A JP10036964A JP3696498A JPH11238624A JP H11238624 A JPH11238624 A JP H11238624A JP 10036964 A JP10036964 A JP 10036964A JP 3696498 A JP3696498 A JP 3696498A JP H11238624 A JPH11238624 A JP H11238624A
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邦昭 清末
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広実 崎田
Mitsuo Kamimera
光男 上米良
Kenzo Isozaki
賢蔵 磯崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、小型で、損失(高Q値)が小さな
インダクタンス素子及び無線端末装置を提供することを
目的としている。 【解決手段】 基台11上に形成された導電膜12と、
導電膜12に設けられた溝13とを備えたインダクタン
ス素子であって、端子部15,16の表面と溝13の端
部との距離Pと素子の長さをL1としたときに0≦P÷
L1≦0.1となるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信などの
電子機器に用いられ、特に高周波回路等に好適に用いら
れるインダクタンス素子及び無線端末装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図14は従来のインダクタンス素子を示
す側面図である。図14において、1は四角柱状また
は、円柱状の基台、2は基台1の上に形成された導電
膜、3は導電膜2に設けられた溝、4は導電膜3の上に
積層された保護材である。
【0003】この様な電子部品は、溝3の間隔などを調
整することによって、所定の特性に調整する。
【0004】先行例としては、特開平7−307201
号公報,特開平7−297033号公報,特開平5−1
29133号公報,特開平1−238003号公報,実
開昭57−117636号公報,特開平5−29925
0号公報,特開平7−297033号公報等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上のよ
うな構成では、インダクタンス素子は、ある程度のQ値
を得ることができるものの、近年の様に携帯無線機器等
の電子機器の小型化及び高性能化または、電力の使用量
の削減等が求められてくると、前述のようなインダクタ
ンス素子では、十分な特性を得ることはできなかった。
【0006】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、小型で、損失(高Q値)が小さなインダクタンス素
子及び無線端末装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基台上に設け
られた導電膜と、導電膜に設けられた溝と、基台に設け
られた端子部とを備えたインダクタンス素子であって、
端子部の表面と溝の端部との距離をP,素子の長さをL
1としたときに0≦P÷L1≦0.1の関係を満たす構
成とした。
【0008】
【発明の実施の形態】請求項1に係る発明は、基台と、
前記基台上に設けられた導電膜と、前記導電膜に設けら
れた溝と、前記基台に設けられた端子部とを備えたイン
ダクタンス素子であって、前記端子部の表面と前記溝の
端部との距離をP,素子の長さをL1としたときに0≦
P÷L1≦0.1の関係を満たすことによって、小型で
あっても、Q値を非常に大きくすることができ、損失の
小さなインダクタンス素子を得ることができる。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項2におい
て、0≦P÷L1≦0.05としたことによって、更に
Q値を向上させることができる。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項1,2にお
いて、溝を覆う保護材を設けたことによって、導電膜の
耐候性を向上させることができ、しかも端子部を明確に
決定させることができる。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項3におい
て、基台の両端面にそれぞれ端子部を設けたことによっ
て、回路基板に素子を実装する際に、素子の幅方向に半
田等のの接合材がはみ出ないので、高密度実装を行うこ
とができる。
【0012】請求項5に係る発明は、請求項4におい
て、端子部の表面と保護材の端部間に距離C1を設けた
ことによって、接合材の付着面積を大きくすることがで
き、回路基板との接合強度を向上させることができる。
【0013】請求項6に係る発明は、請求項4におい
て、端子部の表面上まで保護材を延在させたことによっ
て、広い範囲を保護材で保護することによって、耐候性
を向上させることができる。
【0014】請求項7に係る発明は、請求項4におい
て、端子部の表面と保護材の端部表面とが略同一面とし
たことによって、付着面積を小さくせず、しかも保護材
による保護範囲も狭くすることはなく、両方の効果を十
分に満たすことができる。
【0015】請求項8に係る発明は、請求項1〜7にお
いて、基台を角柱状としたことによって、基板上に実装
する際に素子の転げ等が発生せず、実装性を向上させる
ことができ、しかも、基台の形状がシンプルになるの
で、コスト面製造面で非常に有利になる。
【0016】請求項9に係る発明は、請求項1〜8にお
いて、導電膜の表面粗さを1μm以下としたことによっ
て、更にQ値の低下を防止できるので、更に高いQ値を
有する素子を得ることができる。
【0017】請求項10に係る発明は、請求項1〜8に
おいて、基台の表面粗さを0.5μm以下としたことに
よって、更にQ値の低下を防止できるので、更に高いQ
値を有する素子を得ることができる。
【0018】請求項11に係る発明は、請求項1〜8に
おいて、長さL1,幅L2,高さL3としたときに、 L1=0.5〜2.1mm L2=0.2〜1.5mm L3=0.2〜1.5mm のサイズを有することによって、小型で、しかも素子折
れ等が発生に難いので、実装性にも優れ、しかも非常に
小さな回路基板を構成できる。
【0019】請求項12に係る発明は、断面略正方形状
の角柱状体をなす基台と、前記基台上に設けられた導電
膜と、前記導電膜に設けられ、前記基台の側面に設けら
れたスパイラル状の溝と、前記基台の両端面にそれぞれ
設けられた一対の端子部と、前記溝を覆うように前記基
台の側面に設けられた保護材とを備え、前記端子部の表
面と前記溝の端部との距離Pと素子の長さをL1とした
ときに0≦P÷L1≦0.1となるように構成したこと
によって、高いQ値を得ることができしかも実装性,耐
候性が向上し、コスト面及び製造面で非常に有利にな
る。
【0020】請求項13に係る発明は、音声を音声信号
に変換する音声信号変換手段と、電話番号等を入力する
操作手段と、着信表示や電話番号等を表示する表示手段
と、音声信号を復調して送信信号に変換する送信手段
と、受信信号を音声信号に変換する受信手段と、前記送
信信号及び前記受信信号を送受信するアンテナと、各部
を制御する制御手段を備えた無線端末装置であって、発
信回路,フィルタ回路,アンテナ部及び各段とのマッチ
ング回路周辺部等の高いQを必要とする箇所の少なくと
も一つに請求項1〜12いずれか1記載のインダクタン
ス素子を用いたことによって、装置内部の基板等を小型
化でき、しかもQ値が高いので、損失が非常に小さくな
るので、電力の削減を行うことができ、長時間の動作を
行うことができる。
【0021】以下、本発明におけるインダクタンス素子
及び無線端末装置の実施の形態について説明する。
【0022】図1,図2はそれぞれ本発明の一実施の形
態におけるインダクタンス素子を示す斜視図及び側断面
図である。
【0023】図1において、11は絶縁材料などをプレ
ス加工,押し出し法等を施して構成されている基台、1
2は基台11の上に設けられている導電膜で、導電膜1
2は、メッキ法やスパッタリング法等の蒸着法等によっ
て基台11上に形成される。13は基台11及び導電膜
12に設けられた溝で、溝13は、レーザ光線等を導電
膜12に照射することによって形成したり、導電膜12
に砥石等を当てて機械的に形成されたり、レジストなど
を用いた選択的エッチングによって形成されている。1
4は基台11及び導電膜12の溝13を設けた部分に塗
布された保護材、15,16はそれぞれ基台11の端面
上にそれぞれ端子電極が形成された端子部で、端子部1
5と端子部16の間には、溝13及び保護材14が設け
られている。
【0024】また、本実施の形態のインダクタンス素子
は、実用周波数帯域が1〜6GHzと高周波数域に対応
し、しかも非常に高いQ値(35以上)を有しており、
そのインダクタンス素子の長さL1,幅L2,高さL3
は以下の通りとなっていることが好ましい。
【0025】L1=0.5〜2.1mm(好ましくは
0.6〜1.6mm) L2=0.2〜1.5mm(好ましくは0.3〜0.8
mm) L3=0.2〜1.5mm(好ましくは0.3〜0.8
mm) (なお、L1,L2,L3のそれぞれの寸法誤差は0.
02mm以下が好ましい。) L1が0.5mm以下であると、必要とするインダクタ
ンスを得ることができきない。また、L1が2.1mm
を超えてしまうと、素子自体が大きくなってしまい、電
子回路等が形成された基板など(以下回路基板等と略
す)回路基板等の小型化ができず、ひいてはその回路基
板等を搭載した電子機器等の小型化を行うことができな
い。また、L2,L3それぞれが0.2mm以下である
と、素子自体の機械的強度が弱くなりすぎてしまい、実
装装置などで、回路基板等に実装する場合に、素子折れ
等が発生することがある。また、L2,L3が1.5m
m以上となると、素子が大きくなりすぎて、回路基板等
の小型化、ひいては装置の小型化を行うことができな
い。
【0026】以上の様に構成されたインダクタンス素子
について、以下各部の詳細な説明をする。
【0027】まず、基台11の形状について説明する。
基台11は角柱状もしくは円柱状とすることが好まし
く、図1,2に示す様に基台11を角柱状とすることに
よって、実装性を向上させることができ、素子の転がり
等を防止できる等の効果を有する。また、基台11を角
柱状とする中でも特に四角柱状とすることが非常に実装
性や、素子の回路基板上での位置決めを容易にする。な
お、更に好ましくは底面が正方形の直方体とすることが
更に実装性等を向上させることができる。更に、基台1
1を角柱状とすることによって構造が非常に簡単になる
ので、生産性がよく、しかもコスト面が非常に有利にな
る。
【0028】また、基台11の形状を円柱状とすること
によって、後述するように基台11上に導電膜12を形
成し、その導電膜12にレーザ加工等によって溝を形成
する場合、その溝の深さなどを精度よく形成することが
でき、特性のばらつきを抑えることができる。
【0029】また、図2に示す様に基台11の端部の高
さZ1及びZ2は下記の条件を満たすことが好ましい。
【0030】 |Z1−Z2|≦80μm(好ましくは50μm) Z1とZ2の高さの違いが80μm(好ましくは50μ
m以下)を超えると、素子を基板に実装し、半田等で回
路基板等に取り付ける場合、半田等の表面張力によって
素子が一方の端部に引っ張られて、素子が立ってしまう
というマンハッタン現象の発生する確率が非常に高くな
る。このマンハッタン現象を示す側面図を図3に示す。
図3に示すように、基板200の上にインダクタンス素
子を配置し、端子部15,16それぞれと基板200の
間に半田201,202が設けられているが、リフロー
などによって半田201,202を溶かすと、半田20
1,202のそれぞれの塗布量の違いや、材質が異なる
ことによる融点の違いによって、溶融した半田201,
202の表面張力が端子部15と端子部16で異なり、
その結果、図5に示すように一方の端子部(図5の場合
は端子部15)を中心に回転し、インダクタンス素子が
立ち上がってしまう。Z1とZ2の高さの違いが80μ
m(好ましくは50μm以下)を超えると、素子が傾い
た状態で基板200に配置されることとなり、素子立ち
を促進する。また、マンハッタン現象は特に小型軽量の
チップ型の電子部品(チップ型インダクタンス素子を含
む)において顕著に発生し、しかもこのマンハッタン現
象の発生要因の一つとして、端子部15,16の高さの
違いによって素子が傾いて基板200に配置されること
を着目した。この結果、Z1とZ2の高さの差を80μ
m以下(好ましくは50μm以下)となるように、基台
11を成形などで加工することによって、このマンハッ
タン現象の発生を大幅に抑えることができた。Z1とZ
2の高さの差を50μm以下とすることによって、ほ
ぼ、マンハッタン現象の発生を抑えることができる。
【0031】次に基台11の面取りについて図4を用い
て説明する。図4は本発明の一実施の形態におけるイン
ダクタンス素子に用いられる基台11を示す斜視図であ
る。
【0032】基台11の角部11b,11cには面取り
が施されており、その面取りした角部11b,11cの
それぞれの曲率半径R1及び角部11aの曲率半径R2
は以下の通りに形成されることが好ましい。
【0033】0.03<R1<0.15(mm) 0.01<R2(mm) R1が0.03mm以下であると、角部11b,11c
が尖った形状となっているので、ちょっとした衝撃など
によって角部11b,11cに欠けなどが生じることが
あり、その欠けによって、特性の劣化等が発生したりす
る。また、R1が0.15mm以上であると、角部11
b,11cが丸くなりすぎて、前述のマンハッタン現象
を起こしやすくなり、不具合が生じる。更にR2が0.
01mm以下であると、角部11aにバリなどが発生し
やすく、素子の特性を大きく左右する導電膜12の厚み
が角部11fと平坦な部分で大きく異なることがあり、
素子特性のばらつきが大きくなる。
【0034】次に基台11の構成材料について説明す
る。基台11の構成材料として下記の特性を満足してお
くことが好ましい。
【0035】体積固有抵抗:1013Ωm以上(好ましく
は1014Ωm以上) 熱膨張係数:5×10-4/℃以下(好ましくは2×10
-5/℃以下)[20℃〜500℃における熱膨張係数] 比誘電率:1MHzにおいて12以下(好ましくは10
以下) 曲げ強度:1300kg/cm2以上(好ましくは20
00kg/cm2以上) 密度:2〜5g/cm3(好ましくは3〜4g/cm3) 基台11の構成材料が体積固有抵抗が1013Ωm以下で
あると、導電膜12とともに基台11にも所定に電流が
流れ始めるので、並列回路が形成された状態となり、自
己共振周波数f0及びQ値が低くなってしまい、高周波
用の素子としては不向きである。
【0036】また熱膨張係数が5×10-4/℃以上であ
ると、基台11にヒートショック等でクラックなどが入
ることがある。すなわち熱膨張係数が5×10-4/℃以
上であると、上述の様に溝13を形成する際にレーザ光
線や砥石等を用いるので、基台11が局部的に高温にな
り、基台11にクラックなどが生じることがあるが、上
述の様な熱膨張係数を有することによって、大幅にクラ
ック等の発生を抑止できる。
【0037】また、誘電率が1MHzにおいて12以上
であると、自己共振周波数f0及びQ値が低くなってし
まい、高周波用の素子としては不向きである。
【0038】曲げ強度が1300kg/cm2以下であ
ると、実装装置で回路基板等に実装する際に素子折れ等
が発生することがある。
【0039】密度が2g/cm3以下であると、基台1
1の吸水率が高くなり、基台11の特性が著しく劣化
し、素子としての特性が悪くなる。また密度が5g/c
3以上になると、基台の重量が重くなり、実装性など
に問題が発生する。特に密度を上述の範囲内に設定する
と、吸水率も小さく基台11への水の進入もほとんどな
く、しかも重量も軽くなり、チップマウンタなどで基板
に実装する際にも問題は発生しない。
【0040】この様に基台11の体積固有抵抗,熱膨張
係数,誘電率,曲げ強度,密度を規定することによっ
て、自己共振周波数f0やQが低下しないので、高周波
用の素子として用いることができ、ヒートショック等で
基台11にクラック等が発生することを抑制できるの
で、不良率を低減することができ、更には、機械的強度
を向上させることができるので、実装装置などを用いて
回路基板等に実装できるので、生産性が向上する等の優
れた効果を得ることができる。
【0041】上記の諸特性を得る材料としては、アルミ
ナを主成分とするセラミック材料が挙げられる。しかし
ながら、単にアルミナを主成分とするセラミック材料を
用いても上記諸特性を得ることはできない。すなわち、
上記諸特性は、基台11を作製する際のプレス圧力や焼
成温度及び添加物によって異なるので、作製条件などを
適宜調整しなければならない。具体的な作製条件とし
て、基台11の加工時のプレス圧力を2〜5t,焼成温
度を1500〜1600℃,焼成時間1〜3時間等の条
件が挙げられる。また、アルミナ材料の具体的な材料と
しては、Al23が92重量%以上,SiO2が6重量
%以下,MgOが1.5重量%以下,Fe23が0.1
%以下,Na2Oが0.3重量%以下等が挙げられる。
【0042】また、基台11の構成材料として、フェラ
イト等の磁性材料で構成してもよい。基台11をフェラ
イト等の磁性材料で構成すると、高いインダクタンス
(大体18nH〜50nH)を有する素子を形成するこ
とができる。
【0043】次に基台11の表面粗さについて説明す
る。なお、以下の説明で出てくる表面粗さとは、全て中
心線平均粗さを意味するものであり、導電膜12の説明
等に出てくる粗さも中心線平均粗さである。
【0044】基台11の表面粗さは0.15〜0.5μ
m程度、好ましくは0.2〜0.3μm程度がよい。図
5は本発明の一実施の形態におけるインダクタンス素子
に用いられる基台の表面粗さと剥がれ発生率を示したグ
ラフである。図5は下記に示すような実験の結果であ
る。基台11及び導電膜12はそれぞれアルミナ,銅で
構成し、基台11の表面粗さをいろいろ変えたサンプル
を作製し、その各サンプルの上に同じ条件で導電膜12
を形成した。それぞれのサンプルに超音波洗浄を行い、
その後に導電膜12の表面を観察して、導電膜12の剥
がれの有無を測定した。基台11の表面粗さは、表面粗
さ測定器(東京精密サーフコム社製 574A)を用い
て、先端Rが5μmのものを用いた。この結果から判る
ように平均表面粗さが0.15μm以下であると、基台
11の上に形成された導電膜12の剥がれの発生率が5
%程度であり、良好な基台11と導電膜12の接合強度
を得ることができる。更に、表面粗さが0.2μm以上
であれば導電膜12の剥がれがほとんど発生していない
ので、できれば、基台11の表面粗さは0.2μm以上
が好ましい。導電膜12の剥がれは、素子の特性劣化の
大きな要因となるので、歩留まり等の面から発生率は5
%以下が好ましい。
【0045】図6は本発明の一実施の形態におけるイン
ダクタンス素子に用いられる基台の表面粗さに対する周
波数とQ値の関係を示すグラフである。図6は以下のよ
うな実験の結果である。まず、表面粗さが0.1μm以
下の基台11と、表面粗さが0.2〜0.3μmの基台
11と、表面粗さが0.5μm以上の基台11のそれぞ
れのサンプルを作製し、それぞれのサンプルに同じ材料
(銅)で同じ厚さの導電膜を形成した。そして、各サン
プルにおいて、所定の周波数FにおけるQ値を測定し
た。図8から判るように基台11の表面粗さが0.5μ
m以上であると、導電膜12の膜構造が悪くなることが
原因と考えられるQ値の低下が見られる。特に高周波領
域で顕著にQ値の劣化が見られる。また、自己共振周波
数f0(各線の極大値)も基台11の表面粗さが0.5
μmのものは、低周波側にシフトしている。従ってQ値
の面及び自己共振周波数f0の面から見れば基台11の
表面粗さは0.5μm以下とすることが好ましい。
【0046】以上の様に、導電膜12と基台11との密
着強度,導電膜のQ値及び自己共振周波数f0の双方の
結果から判断すると、基台11の表面粗さは、0.15
μm〜0.5μmが好ましく、さらに好ましくは0.2
〜0.3μmが良い。
【0047】また、図4に示す様に、表面粗さは、端面
11d,11eと側面11fでは、平均表面粗さを異な
らせた方が好ましい。すなわち、平均表面粗さ0.15
〜0.5μmの範囲内で端面11d,11eの平均表面
粗さを側面11fの平均表面粗さよりも小さくすること
が好ましい。端面11d,11eは導電膜12を積層す
ることによって上述の様に端子部15,16が構成され
るので、端部11b,11cの表面粗さを側面11fよ
り小さくすることによって、端部11b,11c上に形
成される導電膜12の表面粗さを小さくできるので、回
路基板等の電極との密着性を向上させることができ、確
実な回路基板等とインダクタンス素子の接合をおこなう
ことができる。また、側面11fには導電膜12を積層
し溝13を形成するので、溝13をレーザ等で形成する
際に導電膜12が基台11からはがれ落ちないように導
電膜12と基台11の密着強度を向上させなければなら
ないので、端部11b,11cよりも側面11fの表面
粗さを大きくした方が好ましい。特にレーザで溝13を
形成する場合、レーザが照射された部分は他の部分より
も急激に温度が上昇し、ヒートショック等で導電膜12
が剥がれることがある。従って、レーザで溝13を形成
する場合には導電膜12と基台11の接合密度を他の部
分よりも向上させることが必要である。
【0048】この様に側面11fと端面11d,11e
との表面粗さを異ならせることによって、回路基板等と
の密着性及び溝13の加工の際の導電膜12のはがれを
防止することができる。
【0049】なお、本実施の形態では、導電膜12と基
台11の接合強度を基台11の表面粗さを調整すること
によって、向上させたが、例えば、基台11と導電膜1
2の間にCr単体またはCrと他の金属の合金の少なく
とも一方で構成された中間層を設けることによって、表
面粗さを調整せずとも導電膜12と基台11の密着強度
を向上させることができる。もちろん基台11の表面粗
さを調整し、その上その基台11の上に中間層及び導電
膜12を積層する場合では、より強力な導電膜12と基
台11の密着強度を得ることができる。
【0050】次に導電膜12について説明する。導電膜
12としては、800MHz以上の高周波信号に対して
Q値が35以上であり、しかも自己共振周波数が1〜6
GHz程度のものが好ましい。この様な特性の導電膜1
2を得るためには、材料及び製法等を選択しなければな
らない。
【0051】以下具体的に導電膜12について説明す
る。導電膜12の構成材料としては、銅,銀,金,ニッ
ケルなどの導電材料が挙げられる。この銅,銀,金,ニ
ッケル等の材料には、耐候性等を向上させために所定の
元素を添加してもよい。また、導電材料と非金属材料等
の合金を用いてもよい。構成材料としてコスト面や耐食
性の面及び作り易さの面から銅及びその合金がよく用い
られる。導電膜12の材料として、銅等を用いる場合に
は、まず、基台11上に無電解メッキによって下地膜を
形成し、その下地膜の上に電解メッキにて所定の銅膜を
形成して導電膜12が形成される。更に、合金等で導電
膜12を形成する場合には、スパッタリング法や蒸着法
で構成することが好ましい。
【0052】また、本実施の形態では、導電膜12に
1.2A,1.6A,2.0Aそれぞれの電流を流し
て、自己発熱による上昇温度が20℃以下となるように
形成した。このようになる様に導電膜12を形成した理
由は、上昇温度が20℃を超えると、導電膜12の剥が
れや溶断などが発生し、素子の特性が劣化したり、ま
た、特に長さL1,幅L2,高さL3を、 L1=0.5〜2.1mm(好ましくは0.6〜1.6
mm) L2=0.2〜1.5mm(好ましくは0.3〜0.8
mm) L3=0.2〜1.5mm(好ましくは0.3〜0.8
mm) (なお、L1,L2,L3のそれぞれの寸法誤差は0.
02mm以下が好ましい。)のサイズを有するインダク
タンス素子は、一般に非常に小型の基板(パワーモジュ
ールなど)に搭載され、しかも大電流を流す回路などに
用いられるので、インダクタンス素子の近くに他の電子
部品などが配置される事があり、インダクタンス素子で
発生した熱によって他の電子部品に熱的なダメージを与
え、機器としての特性や劣化する事があることを見出し
たからである。インダクタンス素子の上昇温度とは溝1
3を形成している導電膜12の部分の温度である。この
上昇温度は抵抗法や非接触の赤外線温度測定装置などに
よって行う。
【0053】抵抗法は、例えば、室温(20℃)にイン
ダクタンス素子を放置し、インダクタンス素子に所定の
電流を10分〜15分流す。この時素子温度が下がらな
いように空気流などが素子になるべく当たらないように
配慮することが好ましい。所定時間電流をインダクタン
ス素子に流した後に、インダクタンス素子の抵抗値を測
定する。一般に所定の金属及びその金属の膜厚などを特
定すれば、インダクタンス素子の導電膜12の抵抗値と
導電膜12の温度の関係は所定の関係になっているの
で、導電膜12の抵抗値を測定すれば導電膜の自己発熱
による温度を測定できる。
【0054】赤外線温度測定装置を用いる場合には、上
述と同じように、例えば、室温(20℃)にインダクタ
ンス素子を放置し、インダクタンス素子に所定の電流を
10分〜15分流す。この時素子温度が下がらないよう
に空気流などが素子になるべく当たらないように配慮す
ることが好ましい。所定時間電流をインダクタンス素子
に流した後に、赤外線温度測定装置によって素子表面
(保護材14の表面)から発生する赤外線を感知して、
温度を測定することができる。なお、赤外線温度測定装
置を用いる場合には、保護材14の表面を測定していな
いので、多少の誤差は生じるもののほぼ、導電膜12と
同じ温度であると推測される。
【0055】以上の様に、導電膜12に1.2A,1.
6A,2.0Aそれぞれの電流を流して、自己発熱によ
る上昇温度が20℃以下となるように形成する方法とし
て、例えば、導電膜12として銅及び銅の合金及び銅に
微量の不純物が混じったものを用いた場合、導電膜12
の膜厚を50μm以上とすることが好ましい。なお、こ
の時、導電膜12の成膜条件や構成材料の成分等によっ
て形成される導電膜12の特性が異なることがあるの
で、多少の調整を行うことが好ましい。
【0056】また、他の例として、銅単体及び銅を主成
分とする材料で膜を形成し、その膜に近接して更に電気
抵抗の小さな金等の膜を積層する構成にしてもよい。
【0057】以上の具体例において、導電膜12の直流
抵抗は50mΩ以下となるように構成することによっ
て、確実に自己発熱を抑え、温度上昇を低減させること
ができる。
【0058】更に、本実施の形態の様に、導電膜12を
例えば銅などで構成し、その膜厚を厚くして自己発熱を
抑える場合、導電膜12に形成される溝13の幅K1と
溝13と溝13の間の導電膜12の幅K2は以下の関係
を有する事が好ましい。
【0059】20μm>K1>15μm 200μm>K2>100μm 特に前述の様に長さL1,幅L2,高さL3を、 L1=0.5〜2.1mm(好ましくは0.6〜1.6
mm) L2=0.2〜1.5mm(好ましくは0.3〜0.8
mm) L3=0.2〜1.5mm(好ましくは0.3〜0.8
mm) (なお、L1,L2,L3のそれぞれの寸法誤差は0.
02mm以下が好ましい。)としたインダクタンス素子
とした場合、上述のK1,K2は上述の範囲とすること
によって、電気抵抗を小さくすることができ、しかも導
電膜12に形成される溝13を精度良く形成することが
でき、更に導電膜12の膜厚を厚くした場合に確実に溝
13を形成することができる。
【0060】導電膜12は単層で構成してもよいが、多
層構造としてもよい。すなわち、構成材料の異なる導電
膜を複数積層して構成しても良い。例えば、基台11の
上に先ず銅膜を形成し、その上に耐候性の良い金属膜
(ニッケル等)を積層する事によって、やや耐候性に問
題がある銅の腐食を防止することができる。
【0061】導電膜12の形成方法としては、メッキ法
(電解メッキ法や無電解メッキ法など),スパッタリン
グ法,蒸着法等が挙げられる。この形成方法の中でも、
量産性がよく、しかも膜厚のばらつきが小さなメッキ法
がよく用いられる。
【0062】導電膜12の表面粗さは1μm以下が好ま
しく、更に好ましくは0.2μm以下が好ましい。導電
膜12の表面粗さが1μmを超えると、表皮効果によっ
て高周波でのQ値が低下する。図7は本発明の一実施の
形態におけるインダクタンス素子に用いられる導電膜1
2の周波数とQ値の関係を示すグラフである。図7は下
記の様な実験を通して導き出された。まず、同じ大きさ
同じ材料同じ表面粗さで構成された基台11の上に銅を
構成材料とする導電膜12の表面粗さを変えて形成し、
それぞれのサンプルにて各周波数におけるQ値を測定し
た。図7から判るように、導電膜12の表面粗さが1μ
m以上であれば高周波領域におけるQ値が低くなってい
ることが判る。更に導電膜12の表面粗さが0.2μm
以下であれば特に高周波領域におけるQ値が、非常に高
くなっていることがわかる。
【0063】以上の様に導電膜12の表面粗さは、1.
0μm以下が良く、更に好ましくは、0.2μm以下と
することによって、導電膜12の表皮効果を低減させる
ことができ、特に高周波におけるQ値を向上させる事が
できる。
【0064】更に導電膜12と基台11の密着強度は、
導電膜12を形成した基台11を400℃の温度下に数
秒間放置した後に基台11から導電膜12がはがれない
程度以上であることが好ましい。素子を基板等に実装し
た際に、素子には自己発熱や他の部材からの熱が加わる
ことによって、素子に200℃以上の温度が加わること
がある。従って、400℃で基台11からの導電膜12
のはがれが発生しない程度の密着強度であれば、たとえ
素子に熱が加わっても、素子の特性劣化等は発生しな
い。
【0065】次に保護材14について説明する。保護材
14としては、耐候性に優れた有機材料、例えばエポキ
シ樹脂などの絶縁性を示す材料が用いられる。また、保
護材14としては、溝13の状況等が観測できるような
透明度を有する事が好ましい。更に保護材14には透明
度を有したまま、所定の色を有することが好ましい。保
護材14に赤,青,緑などの、導電膜12や端子部1
5,16等と異なる色を着色する事によって、素子各部
の区別をする事ができ、素子各部の検査などが容易に行
える。また、素子の大きさ、特性、品番等の違いで保護
材14の色を変えることによって、特性や品番等の異な
る素子を誤った部分に取り付けるなどのミスを低減させ
ることができる。
【0066】また、保護材14は、図8に示すように溝
13の角部13aと保護材14の表面までの長さZ1が
5μm以上となるように塗布することが好ましい。Z1
が5μmより小さいと特性劣化や放電などが発生し易く
なり素子の特性が大幅に劣化することが考えられる。ま
た、溝13の角部13aは特に放電などが発生しやすい
部分であり、この角部13a上に厚さ5μm以上の保護
材14が形成されることが非常に好ましい。また、保護
材14を形成した後に再びメッキを施して電極膜等を形
成することがあるが、角部13a上に5μm以上の保護
材14が形成されていないと、電極膜等が付着すると不
具合が生じる保護材14上に電極膜等が形成されること
になり、特性の劣化が生じる。
【0067】また、図2に示す様に端子部15,16の
表面と保護材14の間にC1の隙間が設けられているこ
とがある。この場合少しでも、インダクタンス素子の端
子部15,16における半田等の接合材の付着面積を広
くすることができ、回路基板等との接合強度を向上させ
ることができる。また、素子の腐食等を更に強化する必
要がある場合には、保護材14が端子部15,16の表
面上に迫り出したように(端子部15,16の一部を保
護材14が覆うように)設けることが好ましい。また、
接合材との付着面積広くし、耐候性を向上させるという
2つの効果の双方をほしい場合には、C1=0(保護材
14の端面と端子部15,16の表面が略同一面)とす
ることが好ましい。
【0068】次に端子部15,16について説明する。
端子部15,16は、導電膜12のみでも十分に機能す
るが、様々な環境条件等に順応させるために、多層構造
とすることが好ましい。
【0069】図9は本発明の一実施の形態におけるイン
ダクタンス素子の端子部15の断面図である。図9にお
いて、基台11の端部11dの上に導電膜12が形成さ
れており、しかも導電膜12の上には耐候性を有するニ
ッケル,チタン等の材料で構成される保護層300が形
成されており、更に保護層300の上には半田等で構成
された接合層301が形成されている。保護層300は
接合層と導電膜12の接合強度を向上させるとともに、
導電膜の耐候性を向上させることができる。本実施の形
態では、保護層300の構成材料として、ニッケルかニ
ッケル合金の少なくとも一方とし、接合層301の構成
材料としては半田を用いた。保護層300(ニッケル)
の厚みは2〜7μmが好ましく、2μmを下回ると耐候
性が悪くなり、7μmを上回ると保護層300(ニッケ
ル)自体の電気抵抗が高くなり、素子特性が大きく劣化
する。また、接合層301(半田)の厚みは5μm〜1
0μm程度が好ましく、5μmを下回ると半田食われ現
象が発生して素子と回路基板等との良好な接合が期待で
きず、10μmを上回るとマンハッタン現象が発生し易
くなり、実装性が非常に悪くなる。なお、保護層300
は耐候性を要求しない場合には設けなくても良い。
【0070】次に溝13の端部と端子部15,16間の
関係について説明する。図10は本発明の一実施の形態
におけるインダクタンス素子を示す部分拡大図である。
図10において、端子部15の表面15z(端子電極状
に形成された端子電極の表面と同じ)と溝13の端部1
3z間の距離Pは、前述のインダクタンス素子の長さL
1を用いて下記の範囲であることが好ましい。
【0071】0≦P÷L1≦0.1(好ましくは0≦P
÷L1≦0.05) 以上の様な構成によって、インダクタンス素子のQ値の
劣化を極めて小さくすることができ、インダクタンス素
子のQ値を非常に大きなものにすることができる。具体
的に説明するとP÷L1=0の時は、溝13は端子部1
5の表面まで達しており、P÷L2=0.1の時は、例
えば素子の長さL1が1mmのものの場合、溝13の端
部13zと端子部15の表面15z間の間隔は0.1m
mとなる。
【0072】図11はP÷L1とQ値の関係を示したグ
ラフである。図11において、P÷L1が0.1を超え
ると、Q値がP÷L1が0の時に比較して、Q値の劣化
が10%以上劣化してしまい、高Q値のインダクタンス
素子を得ることはできない。また、P÷L1が0.05
以下であると、ほとんどQ値の劣化を起こしていない
で、非常に高Q値のインダクタンス素子を得ることがで
きる。なお、図11中に示すAはL1=1.6mm,L
2=L3=0.8mmサイズの素子のQ値とP÷L1の
関係を示しており、BはL1=1.0mm,L2=L3
=0.5mmサイズ素子のQ値とP÷L1の関係を示し
ている。
【0073】なお、端子部16側についても端子部16
の表面と端子部16側の溝13の端部との距離は、前述
と同じ様な構成にすることが好ましく、端子部15,1
6と溝13の端部の双方の関係を上述の様な関係にする
ことによって、非常に高Q値のインダクタンスを得るこ
とができる。
【0074】以上の様に構成されたインダクタンス素子
について、以下その製造方法について説明する。
【0075】まず、アルミナ等の絶縁材料をプレス成形
や押し出し法によって、基台11を作製する。次にその
基台11全体にメッキ法やスパッタリング法などによっ
て導電膜12を形成する。次に導電膜12を形成した基
台11にスパイラル状の溝13を形成する。溝13はレ
ーザ加工や切削加工によって作製される。レーザ加工
は、非常に生産性が良いので、以下レーザ加工について
説明する。まず、基台11を回転装置に取り付け、基台
11を回転させ、そして基台11にレーザを照射して導
電膜12及び基台11の双方を取り除き、スパイラル状
の溝を形成する。このときのレーザは、YAGレーザ,
エキシマレーザ,炭酸ガスレーザなどを用いることがで
き、レーザ光をレンズなどで絞り込むことによって、基
台11に照射する。更に、溝13の深さ等は、レーザの
パワーを調整し、溝13の幅等は、レーザ光を絞り込む
際のレンズを交換することによって行える。また、導電
膜12の構成材料等によって、レーザの吸収率が異なる
ので、レーザの種類(レーザの波長)は、導電膜12の
構成材料によって、適宜選択することが好ましい。
【0076】溝13を形成した後に、溝13を形成した
部分に保護材14を塗布し、乾燥させる。
【0077】この時点でも、製品は完成するが、特に端
子部15,16にニッケル層や半田層を積層して、耐候
性や接合性を向上させることもある。ニッケル層や半田
層は、メッキ法等によって保護材14を形成した半完成
品に形成する。
【0078】なお、本実施の形態は、インダクタンス素
子について説明したが、絶縁材料によって構成された基
台の上に導電膜を形成する電子部品でも同様な効果を得
ることができる。
【0079】図12及び図13はそれぞれ本発明の一実
施の形態における無線端末装置を示す斜視図及びブロッ
ク図である。図12及び図13において、29は音声を
音声信号に変換するマイク、30は音声信号を音声に変
換するスピーカー、31はダイヤルボタン等から構成さ
れる操作部、32は着信等を表示する表示部、33はア
ンテナ、34はマイク29からの音声信号を復調して送
信信号に変換する送信部で、送信部34で作製された送
信信号は、アンテナを通して外部に放出される。35は
アンテナで受信した受信信号を音声信号に変換する受信
部で、受信部35で作成された音声信号はスピーカー3
0にて音声に変換される。36は送信部34,受信部3
5,操作部31,表示部32を制御する制御部である。
【0080】以下その動作の一例について説明する。先
ず、着信があった場合には、受信部35から制御部36
に着信信号を送出し、制御部36は、その着信信号に基
づいて、表示部32に所定のキャラクタ等を表示させ、
更に操作部31から着信を受ける旨のボタン等が押され
ると、信号が制御部36に送出されて、制御部36は、
着信モードに各部を設定する。即ちアンテナ33で受信
した信号は、受信部35で音声信号に変換され、音声信
号はスピーカー30から音声として出力されると共に、
マイク29から入力された音声は、音声信号に変換さ
れ、送信部34を介し、アンテナ33を通して外部に送
出される。
【0081】次に、発信する場合について説明する。ま
ず、発信する場合には、操作部31から発信する旨の信
号が、制御部36に入力される。続いて電話番号に相当
する信号が操作部31から制御部36に送られてくる
と、制御部36は送信部34を介して、電話番号に対応
する信号をアンテナ33から送出する。その送出信号に
よって、相手方との通信が確立されたら、その旨の信号
がアンテナ33を介し受信部35を通して制御部36に
送られると、制御部36は発信モードに各部を設定す
る。即ちアンテナ33で受信した信号は、受信部35で
音声信号に変換され、音声信号はスピーカー30から音
声として出力されると共に、マイク29から入力された
音声は、音声信号に変換され、送信部34を介し、アン
テナ33を通して外部に送出される。
【0082】上記で説明したインダクタンス素子(図1
〜図11に示すもの)は、発信回路,フィルタ回路,ア
ンテナ部及び各段とのマッチング回路周辺部等の高いQ
を必要とする箇所の少なくとも一つに用いられ、その数
は、一つの無線端末装置に数個〜40個程度用いられて
いる。上述の様なインダクタンス素子を用いることによ
って、装置内部の基板等を小型化でき、しかもQ値が高
いので、損失が非常に小さくなるので、電力の削減を行
うことができ、長時間の動作を行うことができる。
【0083】
【発明の効果】本発明は、基台上に設けられた導電膜
と、導電膜に設けられた溝と、基台に設けられた端子部
とを備えたインダクタンス素子であって、端子部の表面
と溝の端部との距離をP,素子の長さをL1としたとき
に0≦P÷L1≦0.1の関係を満たす構成としたこと
によって、小型で高いQ値を得ることができる。
【0084】また、無線端末装置において、上記インダ
クタンス素子を搭載したことによって、装置内部の基板
等を小型化でき、しかもQ値が高いので、損失が非常に
小さくなるので、電力の削減を行うことができ、長時間
の動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子を示す側断面図
【図3】マンハッタン現象を示す側面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台の斜視図
【図5】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台の表面粗さと剥がれ発生率を示し
たグラフ
【図6】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台の表面粗さに対する周波数とQ値
の関係を示すグラフ
【図7】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる導電膜の表面粗さに対する周波数とQ
値の関係を示すグラフ
【図8】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子の保護材を設けた部分の側面図
【図9】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子の端子部の断面図
【図10】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子の部分拡大図
【図11】P÷L1とQ値の関係を示したグラフ
【図12】本発明の一実施の形態における無線端末装置
を示す斜視図
【図13】本発明の一実施の形態における無線端末装置
を示すブロック図
【図14】従来のインダクタンス素子を示す側面図
【符号の説明】
11 基台 12 導電膜 13 溝 14 保護材 15,16 端子部 30 スピーカー 31 操作部 32 表示部 33 アンテナ 34 送信部 35 受信部 36 制御部
フロントページの続き (72)発明者 磯崎 賢蔵 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基台と、前記基台上に設けられた導電膜
    と、前記導電膜に設けられた溝と、前記基台に設けられ
    た端子部とを備えたインダクタンス素子であって、前記
    端子部の表面と前記溝の端部との距離をP,素子の長さ
    をL1としたときに0≦P÷L1≦0.1の関係を満た
    すことを特徴とするインダクタンス素子。
  2. 【請求項2】0≦P÷L1≦0.05としたことを特徴
    とする請求項1記載のインダクタンス素子。
  3. 【請求項3】溝を覆う保護材を設けたことを特徴とする
    請求項1,2いずれか1記載のインダクタンス素子。
  4. 【請求項4】基台の両端面にそれぞれ端子部を設けたこ
    とを特徴とする請求項3記載のインダクタンス素子。
  5. 【請求項5】端子部の表面と保護材の端部間に距離C1
    を設けたことを特徴とする請求項4記載のインダクタン
    ス素子。
  6. 【請求項6】端子部の表面上まで保護材を延在させたこ
    とを特徴とする請求項4記載のインダクタンス素子。
  7. 【請求項7】端子部の表面と保護材の端部表面とが略同
    一面となることを特徴とする請求項4記載のインダクタ
    ンス素子。
  8. 【請求項8】基台を角柱状とした事を特徴とする請求項
    1〜7いずれか1記載のインダクタンス素子。
  9. 【請求項9】導電膜の表面粗さを1μm以下としたこと
    を特徴とする請求項1〜8いずれか1記載のインダクタ
    ンス素子。
  10. 【請求項10】基台の表面粗さを0.5μm以下とした
    ことを特徴とする請求項1〜8いずれか1記載のインダ
    クタンス素子。
  11. 【請求項11】長さL1,幅L2,高さL3としたとき
    に、 L1=0.5〜2.1mm L2=0.2〜1.5mm L3=0.2〜1.5mm のサイズを有する事を特徴とする請求項1〜8いずれか
    1記載のインダクタンス素子。
  12. 【請求項12】断面略正方形状の角柱状体をなす基台
    と、前記基台上に設けられた導電膜と、前記導電膜に設
    けられ、前記基台の側面に設けられたスパイラル状の溝
    と、前記基台の両端面にそれぞれ設けられた一対の端子
    部と、前記溝を覆うように前記基台の側面に設けられた
    保護材とを備え、前記端子部の表面と前記溝の端部との
    距離Pと素子の長さをL1としたときに0≦P÷L1≦
    0.1となるように構成したことを特徴とするインダク
    タンス素子。
  13. 【請求項13】音声を音声信号に変換する音声信号変換
    手段と、電話番号等を入力する操作手段と、着信表示や
    電話番号等を表示する表示手段と、音声信号を復調して
    送信信号に変換する送信手段と、受信信号を音声信号に
    変換する受信手段と、前記送信信号及び前記受信信号を
    送受信するアンテナと、各部を制御する制御手段を備え
    た無線端末装置であって、発信回路,フィルタ回路,ア
    ンテナ部及び各段とのマッチング回路周辺部等の高いQ
    を必要とする箇所の少なくとも一つに請求項1〜12い
    ずれか1記載のインダクタンス素子を用いたことを特徴
    とする無線端末装置。
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