JPH11237247A - 角速度センサ及びその製造方法 - Google Patents

角速度センサ及びその製造方法

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JPH11237247A
JPH11237247A JP10037621A JP3762198A JPH11237247A JP H11237247 A JPH11237247 A JP H11237247A JP 10037621 A JP10037621 A JP 10037621A JP 3762198 A JP3762198 A JP 3762198A JP H11237247 A JPH11237247 A JP H11237247A
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JP
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angular velocity
vibrating body
weight
velocity sensor
electrode
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JP10037621A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Yamashita
光洋 山下
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】小型の振動式角速度センサを提供する。 【解決手段】単結晶シリコン基板の異方性エッチング特
性を利用し、矩形断面を有し各々直交する主面を有する
2種類の検出用梁103、駆動用梁104を形成して、
その複合体で錘102を支持する振動体を構成する。錘
の中央とその端面部分に電極を有するガラス111,1
21で振動体を挟み込み、錘102を変動させる。セン
サが回転したときに生じるコリオリ力による錘102の
変位を、静電容量によって検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両の姿勢
制御、進行方位算出などに用いられる角速度センサ及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、角速度を検出するセンサとして様
々なジャイロスコープ(以下、ジャイロと略称する)が
開発されている。その種類は大まかに機械式のコマジャ
イロ、流体式のガスレートジャイロ、音片・音叉の振動
を用いる振動ジャイロ、光学式の光ファイバジャイロと
リングレーザージャイロに分類される。光学式のジャイ
ロはサニャック効果、それ以外のものは回転体の角運動
量保存則の表れであるコリオリ力を用いて角速度の検出
を行っており、使用用途により精度と価格、寸法等が勘
案され使用センサが選択されている。
【0003】上記振動ジャイロ式の角速度センサとして
は、例えば特開昭61−77712号公報に示されてい
る。図16はこの従来の振動式角速度センサの基本原理
の説明図であり、401,402が検出用素子、40
3,404が励振用素子を示す。各々の素子は例えば圧
電バイモルフにより構成されており、励振用素子と検出
用素子が二組で音叉を形成する。角速度は、音叉の根元
に近い励振用素子403,404に交流電圧を加えて検
出用素子401,402を屈曲振動させ、検出用素子4
01,402の面に垂直に加わるコリオリ力を圧電効果
を用いて検出する方式となっている。
【0004】自動車用途ではシャシー系の制御とかナビ
ゲーションシステムの方位算出等に用いられるが、検出
されるのはヨー,ロール,ピッチと三種類ある車体の回
転運動の中で、特に鉛直線を中心とする大地に水平な面
内での回転(ヨー方向)の角速度、即ちヨーレートであ
ることが多い。検出目的は、例えば四輪操舵(4WS)
の様なシャシー制御の場合にはヨーレートを制御システ
ム側に車両の姿勢情報の一つとしてフィードバックし姿
勢制御性能を向上させることであり、又ナビゲーション
システム用の場合にはヨーレートを時間積分することに
よって車両の旋回角度を算出することにある。尚、通常
車載用として使用される角速度センサは圧電型の振動ジ
ャイロと光ファイバジャイロで、光ジャイロは高精度用
途に、又振動ジャイロは廉価版ジャイロとして既に車載
用として実用化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら車載用途
を始めとする各種機器に適用するには電子部品の小型化
が必須となるが、例えば小型と言われる圧電振動式のジ
ャイロでも他の電子部品と比較すれば十分小さいとは言
えず、センサ精度を保った上でより一層の小型化を図る
という課題を有していた。
【0006】本発明は、上記の様な課題を考慮し、小型
の振動式角速度センサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、面方位(100)のシリコン単結晶基板より形成さ
れた振動体と、前記振動体を上下面より挟み込んで保持
する一対の保持板とを有し、前記振動体は振動部である
錘と前記錘を弾性的に支持する梁を有するものであり、
前記梁は前記錘よりも薄く断面形状が矩形で且つ側面が
(100)面で構成され<100>方向に平行に形成さ
れた領域を有し、結晶異方性エッチングを用いて形成さ
れることを特徴とするものである。
【0008】本願の請求項2の発明は、請求項1記載の
角速度センサの製造方法であって、前記梁は、前記シリ
コン単結晶基板の表面に平行な主面である(100)面
の結晶異方性エッチングによりその上下面を形成し、前
記主面に垂直且つ<100>方向に平行な(100)面
からなる側壁のエッチングにより前記梁の側面を形成す
ることを特徴とするものである。
【0009】本願の請求項3の発明は、面方位(10
0)のシリコン単結晶基板より形成された振動体と、前
記振動体を上下面より挟み込んで保持する一対の保持板
とを有し、前記振動体は振動部である錘と、少なくとも
二本の梁の組み合わせて前記錘を弾性的に支持する梁を
有するものであり、前記二本の梁は各々直交する主面を
有し、結晶異方性エッチングにより形成されることを特
徴とするものである。
【0010】本願の請求項4の発明は、請求項3の角速
度センサにおいて、振動体は、面方位(100)のシリ
コン単結晶基板であって、梁は<100>方向に平行に
形成され且つ主面が直交する(100)面からなること
を特徴とするものである。
【0011】本願の請求項5の発明は、請求項3又は4
の角速度センサにおいて、前記振動体は導電性材料で構
成されたものであり、前記一対の保持板は、前記振動体
の錘の中央部に対向する位置に検出用電極が形成され、
前記錘のエッジ部に駆動用電極及びモニタ電極が夫々形
成され、各電極を前記錘から所定微小間隔隔てて挟み込
んで前記振動体を保持することを特徴とするものであ
る。
【0012】本願の請求項6の発明は、請求項5の角速
度センサにおいて、前記振動体は、第1の単結晶シリコ
ン基板から形成されたものであり、前記一対の保持板
は、第2の真性半導体もしくは不純物濃度の低い半導体
からなる単結晶シリコン基板から構成され、その基板上
に前記検出用電極、駆動用電極及びモニタ用電極が形成
され、各電極は前記振動体の錘に対向するように前記振
動体と一対の保持板とが接合されていることを特徴とす
るものである。
【0013】本願の請求項7の発明は、請求項6の角速
度センサにおいて、前記一対の保持板は、前記振動体と
直接接合されていることを特徴とするものである。
【0014】本願の請求項8の発明は、面方位(10
0)のシリコン単結晶基板より形成された振動体と、前
記振動体を上下面より挟み込んで保持する一対の保持板
とを有し、前記振動体は振動部である錘と前記錘を弾性
的に支持する梁を有するものであり、前記梁は<100
>方向に形成され且つ前記振動体に垂直な面内で屈曲部
を有することを特徴とするものである。
【0015】本願の請求項9の発明は、請求項8の角速
度センサにおいて、前記梁は、主面が前記振動体に平行
な(100)面からなる平板状の第1の部位と、主面が
前記シリコン単結晶基板に垂直な(100)面からなる
平板状の第2の部位と、の組合せで構成されることを特
徴とするものである。
【0016】このように本発明によれば、シリコン基板
に垂直且つ水平で断面形状が矩形の梁を形成できるた
め、角速度センサで重要となるバネ定数等の梁の機械的
特性を正確に制御した上で小型の角速度センサを形成す
ることが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。本発明の第1の実施の
形態の角速度センサの構成を示す主要部の概略図を図1
に示す。この第1の実施の形態はシリコン基板とその上
下のガラス板を接合することにより、小型の振動式角速
度センサを実現したものである。シリコン基板には駆動
用及び検出用の梁によって振動できるように保持した錘
102が設けられる。
【0018】図1において100は面方位(100)の
導電性のある単結晶シリコン基板であり、本例ではn形
不純物の濃度が高く抵抗率が低いn+ 基板とする。角速
度センサの主要部となる振動体は、1個の錘とこれを支
持する一対(二本)の複合梁とで構成されている。ここ
で図1において、単結晶シリコン基板100は上下にフ
レーム101を持ち、中央部にはこれよりやや薄い錘1
02が基板面に平行な(100)面を主面として構成さ
れている。又錘102を支える検出用梁103a,10
3bは主面・側面とも(100)面で主面がシリコン基
板100と平行な面からなる矩形の板バネとなってい
る。この検出用梁103a,103bは、各々2本、合
計四本の駆動用梁104a〜104dで固定端から支持
されている。尚、駆動用梁104も主面・側面とも(1
00)面で構成された矩形の板バネ構造であるが、主面
がシリコン基板100と垂直な面で<100>方向に構
成されている点が検出用梁103と異なる。尚、梁10
4a〜104dの周囲の空白は貫通孔である。
【0019】シリコン基板100の上下面は上部ガラス
111,下部ガラス121と陽極接合されて角速度セン
サを構成する。図2(a)〜(c)はシリコン基板10
0と上下のガラス111,121とを横軸を揃えて示し
たものである。上部ガラス111,下部ガラス121は
シリコンと熱膨張率が非常に近いガラス(例えばコーニ
ング社のホウケイ酸ガラス、商品名パイレックス#77
40)である。112〜114,122〜124は、上
部ガラス111の下面と下部ガラス121の上面に、例
えば真空蒸着法又はスパッタ法等PVD(physical vap
or deposition,物理気相堆積)の手法で形成したチタン
Tiと白金Ptの二層等からなる電極であり、各々シリ
コン振動体の錘102と対をなしコンデンサを形成す
る。本実施の形態による角速度センサでは、図3に断面
図を示すように、検出及び制御用電極113,123が
錘102の中央部を挟み込むように形成され、その左右
に駆動用電極112,122及びモニタ用電極114,
124が形成されている。
【0020】以上のように構成された本実施の形態の角
速度センサの製造プロセスについて説明する。図4,図
5は単結晶シリコン基板100の製造過程において図1
のA−A’線に沿ってながめた断面の形状を示すプロセ
スチャートであり、これに従い以下で詳細に説明する。
【0021】シリコンプロセスでは図4,図5に示す
(a)工程から(k)工程まで逐次処理が進行する。
(a)工程で図示したシリコン基板100は、面方位
(100)、n+ の単結晶基板であり、両面研磨タイプ
で厚さは例えば430μmとする。(b)工程では、シ
リコン基板100を洗浄した後ウェットO2 酸化により
上下面に熱酸化膜301を形成する。次の(c)工程で
はフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングを行
い、緩衝弗酸(BHF,50%HF:40%NH4 F=
9:100)で最終的にギャップを形成する部分のみ酸
化膜(SiO2 )をエッチング除去する。この部分は図
1,図2(b)の上下の帯状のフレームを除くハッチン
グ部分、図4(c)では302である。残されたSiO
2 は、Siをエッチングするためのマスクとなる。尚本
実施の形態では、Siのエッチングにはドライエッチン
グではなくウェットエッチングを採用するものとし、水
酸化カリウム(KOH)、水酸化テトラメチルアンモニ
ウム(TMAH,(CH3 4 NOH)等のエッチング
溶液中で結晶異方性エッチングすることにより形成され
る。又ガラス上の電極とシリコン振動体とのギャップ形
成にはガラス側をエッチングする手法もあるが、本実施
の形態ではシリコン基板100をエッチングする手法を
採用するものとする。エッチング深さは、例えば両面と
も同一とし、例えば5μmとする。
【0022】(c)工程で所定の深さまでエッチングが
終了すれば、(d)工程で一旦酸化膜301を全面除去
する。尚、酸化膜の全面除去には、例えば弗酸溶液(5
0%HF:H2 O=1:1)を用いれば良い。次の
(e)工程では再度熱酸化によって上下の全面に酸化膜
303を形成する。この酸化膜303はシリコン振動体
をウェットエッチングで形成するためのマスクであるた
め、膜厚を厚めに形成する。本実施の形態では、
(f),(g)工程の2回に分けて酸化膜303のエッ
チングを行う。まず(f)工程では、Si基板を薄くし
段差をつけて残す部分(304)のみ酸化膜を一部エッ
チングしている。次の図5に示す(g)工程では、Si
基板上で貫通エッチングを行う部分305の酸化膜を完
全に除去する。(h)工程では、Si貫通部のみ所定の
深さまでエッチングする。本実施の形態では、ここでの
エッチング深さとシリコン基板の厚み、ギャップ間隔、
エッチング総量から検出用梁の厚みが決定される。尚、
(f)工程でエッチングされた部分304の酸化膜の厚
みは、この(h)工程でSiをエッチングするときSi
エッチング溶液によって完全に除去されないだけの十分
な厚みを持っているものとする。(i)工程では、Si
基板を薄くし段差をつけて残す部分304の酸化膜のみ
完全に除去する。これには(f)工程で酸化膜に段差を
つけていることから、304部分の酸化膜が除去される
まで一様に酸化膜をエッチングすればよい。次の(j)
工程では、検出用梁103が所望の厚さになるまでSi
のエッチングを行う。そして最後に、(k)工程で酸化
膜を全面除去する。こうして最終的にフレーム101,
振動体の錘102,錘を支える検出用梁103,振動体
全体を支える駆動用梁104が形成される。尚、本実施
の形態においては、錘の側面、検出用梁の側面、及び駆
動用梁の主面はSi(100)面上の<100>方向に
形成され、且つSiのエッチング溶液としてKOH又は
TMAHが選択されている。そのため、Siのエッチン
グ時にはシリコン基板のエッチング深さと同等量だけ側
面となる(100)面がエッチングされることになる。
よってあらかじめ最終的なシリコンのエッチング量とシ
リコン基板の厚さ、所望の駆動用梁の厚さを勘案して酸
化膜のマスク形状を決定している。
【0023】尚、本形態ではシリコン酸化膜(Si
2 )の段差エッチング技術を用いて振動体を構成した
が、Siエッチング時のマスクとして酸化膜と窒化膜
(Si3 4 )を併用し更に細かな段差をつけた振動体
を形成することも可能である。この場合、窒化膜のエッ
チングにはリン酸(H3 PO4 )を用いれば良い。
【0024】次に、ガラスプロセスを説明する。上部ガ
ラス111,下部ガラス121はシリコンと熱膨張率が
非常に近いガラス(例えばパイレックス#7740)で
あり、少なくともシリコン基板に接する面は鏡面研磨さ
れているものとし、本実施の形態では1mmの厚さとす
る。ガラス基板上の電極としては、例えばPt,Tiの
二層を電子ビーム蒸着しても良いし、ITOの様な透明
電極をスパッタで形成しても良い。又、二種類以上の組
成の金属材料を場所により使い分けても何ら問題ない。
【0025】ガラス基板上には各々三種類の電極を形成
する。本形態では、電極112,122が駆動用、11
3,123が検出及び制御用、114,124がモニタ
用の電極となる。尚、駆動用電極とモニタ電極は、駆動
用梁と平行な錘102の端部上下のガラス面に各々対を
なして形成するが、検出及び制御用電極は錘の主面上に
独立して形成する。
【0026】以上のプロセスにより、図2に示したシリ
コン基板100と上部ガラス111,下部ガラス121
の各部品加工は終了する。次に、組立プロセスに移行す
る。
【0027】まず、初めに上部ガラス111とシリコン
基板100とを陽極接合し、その後上部ガラス111と
接合されたシリコン基板100と下部ガラス121を陽
極接合し、振動体を形成する。陽極接合は、真空中でシ
リコンとガラスとも加熱(例えば300〜400℃)
し、ガラス側にシリコン基板を基準電位として300〜
1,000V程度の負電圧を印加することで行う。最後
に、接地基準となるシリコン基板とガラス電極上の電極
端子と外部信号処理回路を金線等で接続して配線を完了
する。こうして図1〜3に示すように錘102を駆動用
梁104,検出用梁103で保持した角速度センサを構
成する。以上が、組立プロセスである。
【0028】以上のように構成された本実施の形態の角
速度センサについて、以下にその動作原理を簡単に説明
する。尚、説明の都合上、シリコン基板100がxy平
面内にあり、駆動用梁104がy軸方向に平行になるよ
う設置されているものとする。
【0029】まず、各電極112,113,114,1
22,123,124と錘102の両面との間は、二枚
の駆動電極112,122にシリコン基板を接地基準と
して絶対値の等しい電圧を印加する。二枚の電極面積が
等しく且つ図3に示すように錘102と電極112、1
22間ので形成されるコンデンサの電極間隔、即ち距離
o が等しいと仮定すれば、シリコン基板面に垂直なz
軸方向の力は相殺され零になるが、電極面に平行で検出
用梁103の接続された錘102の側面に垂直なx軸方
向の力が発生する。このときシリコン、ガラスと平行な
x軸方向に発生する力をFd、二枚の電極と錘が形成す
るコンデンサのエネルギーをUd、総容量をCd、電極
幅をlw、印加電圧をVdとすれば、Fdは次式
【数1】 と表される。但し、コンデンサの電極間隔d0 がガラス
間隔、すなわち二枚のガラス上に形成された電極相互の
間隔よりも十分小さいという近似を適用している。ここ
で式(1)より二枚の駆動電極で発生できるx軸方向の
静電気力Fdの大きさは、駆動方向に垂直な電極幅lw
に比例し、且つコンデンサの電極間隔doに反比例し、
印加電圧Vdの二乗に比例することがわかる。
【0030】錘の(x軸方向の)駆動には上記のFdを
用いる。静的な錘102の変位量は、駆動用梁104の
x軸方向のバネ定数kdが決まればフックの法則により
Fd/kdで求められる。この値は非常に小さな値とな
るが、駆動方向の振動周波数を振動体の共振周波数に一
致させることで動的にはQファクター倍した変位量を得
ることができる。特に、本実施の形態のように単結晶シ
リコンで振動体を形成した場合には、内部損失が非常に
小さいため例えば10,000を越える様な大きなQフ
ァクターを得ることが可能であり、結果として大きな振
動振幅(例えば10μm程度)を得ることができる。
【0031】次にこの角速度センサを他励発振回路で駆
動した場合の構成例について図6に示すブロック図を参
照しつつ説明する。本図において、モニタ用電極11
4,124と錘102との間の静電容量をC−V変換部
131によって検出し、C−V変換出力を整流回路13
2及び位相比較器133に与える。位相比較器133の
出力はフィルタ134,VCO135を介して位相比較
器133に帰還する。VCO135の出力は増幅器13
6によって増幅され、増幅出力Vacが加算器137に
入力される。加算器137は直流電源138の電圧Vd
cと加算する。そして直流電源を重畳した脈流を駆動用
電極電力112,122の間に印加することによって角
速度センサの錘102を駆動する。検出及び制御用電極
113,123は容量検出部139に接続される。容量
検出部139は後述するように、錘102と電極113
との間及び錘102と電極123との間の静電容量の差
分値に基づいて全体の錘102のZ方向への移動量を算
出するものである。
【0032】VCO135を用いて所望の振動周波数で
駆動するため、例えば駆動用電極112、122に所望
の共振周波数ωの交流電圧Vacと直流電圧Vdcを重
畳して印加することができる。この場合、(数1)より
Fd∝Vd2 の関係が成立するが、
【数2】 となることから、Vdc≫Vacの関係式が成立するよ
うに各値を設定することにより、印加電圧と同じ周波数
の駆動力を得ることができる。以上のように、駆動用電
極112、122に交流電圧Vacと直流電圧Vdcを
重畳して印加することで電極面に平行な方向の振動を励
起することが可能になる。
【0033】このような振動体を角速度センサに用いる
場合には、最終的な角速度検出感度を一定とするため駆
動振幅を一定に保つ必要がある。モニタ用電極114、
124は、その駆動振幅検出用の電極である。駆動用電
極112、122に駆動電圧が印加され錘102がx軸
方向に駆動されれば、駆動用電極112、122と錘1
02の重なり部分の面積(即ちモニタ用コンデンサの面
積)が振動に同期して変動する。この駆動振動に同期し
たコンデンサ容量の変化を検出し、容量変化のAC成分
が一定になるように駆動電圧にフィードバックをかける
ことで、駆動振幅を一定に保つ。
【0034】最終的な角速度の検出は、以下のように行
う。x軸方向に励振された錘102がy軸回りに角速度
Ωで回転すれば、質量mの錘102には以下の式で示さ
れるコリオリ力(ベクトルFc)が作用する。
【数3】 コリオリ力は回転体の角運動量保存則の表れと考えられ
るが、その大きさは式(3)にも示された通り錘の運動
速度ベクトルvと角速度ベクトルΩの外積に比例したも
のとなる。即ち、回転軸がy軸の場合、コリオリ力Fc
はz軸方向に発生する。よって、シリコン振動体の錘1
02と検出及び制御用電極113(又は123)で形成
するコンデンサのコリオリ力による容量変化を容量検出
部139により検出することで、角速度Ωは求められ
る。
【0035】尚、振動体の実効質量mは比較的小さいた
め式(3)で示されるコリオリ力Fcも静的には小さい
値となる。しかし、駆動振動(錘102のx軸方向の屈
曲振動)と検出振動(錘102のz軸方向の屈曲振動)
の共振周波数を十分近づければ、駆動振動における動的
Qファクターに加え検出振動においても動的効果を得ら
れるため十分な感度を保持することが可能になる。尚、
共振周波数を十分近づけるためには、有限要素法を用い
て振動体の共振周波数の計算機シミュレーション(モー
ダル解析)を行い各寸法を調整すれば良い。
【0036】ところで、容量変化はC−V変換器131
で電圧変化(交流電圧)に変換して検出する。C−V変
換器としては、例えば前中他により論文(Silicon rate
sensor using anisotropic etching technology, Tran
sducers'93, p.642 〜p.645)にも示されている様に入
力インピーダンスの高いJ−FETをソースフォロワと
してセルフバイアス方式で用いれば良い。図7はこのC
−V変換器を構成する回路図である。又、電極113が
形成するコンデンサと電極123が形成するコンデンサ
の容量変化は位相が反転している。よって、C−V変換
した後で差動増幅することで全コンデンサの容量変化を
電圧変化として検出することができる。結局これらの手
法を用いることで、振動体に働くコリオリ力により発生
する錘の変位から角速度を検出することが可能になる。
【0037】次にこの実施の形態による角速度センサの
駆動回路の他の例について説明する。図6に示した駆動
回路は他励発振による場合であるが、交流電圧Vacを
印加する代わりに一巡ループを形成し、自励発振を行わ
せることも可能である。一般に、バルクハウゼンの発振
条件(ループ利得が1且つループ一巡の位相変化が36
0゜の整数倍)を満足したとき発振するから、直流電圧
Vdcだけを印加しループの利得と位相変化を調整すれ
ば、それだけで所望の振動モードで共振を励起すること
ができる。この場合も、例えば非線形抵抗としての機能
を乗算器等を用いて実現すれば駆動振幅を一定に保つこ
とができる。
【0038】図8は自励発振回路による構成を示すブロ
ック図であり、前述した他励発振回路と同一部分は同一
符号を付して詳細な説明を省略する。図8においてはモ
ニタ電極114,124によって検出される静電容量は
C−V変換部141により電圧に変換し、増幅器142
で増幅する。そして増幅出力をローパスフィルタ等のフ
ィルタ回路を介して位相器144に与え、位相をシフト
した信号を加算器137に与える。その他の構成は前述
したものと同様である。この場合フィルタ及び位相器の
位相変化量を適宜設定しておくことによって、一定の周
波数で発振させることができ、同様の効果が得られる。
【0039】尚、以上の説明では錘の動的変位量から角
速度を算出したが、サーボ技術を用いることで更に高感
度に角速度を検出することも可能である。サーボを適用
する場合には、錘に働くコリオリ力Fcを打ち消す方向
に一部の検出及び制御電極113,123を用いて力F
sを加えれば良い。制御方式としては、例えばPWM方
式を用いても良いし、又その他の方式を用いてもかまわ
ない。こうしてコリオリカを打ち消すことができる駆動
レベルから、角速度を検出することができる。
【0040】以上のように第1の実施の形態では、面方
位(100)の単結晶シリコン基板を異方性エッチング
することによって、主面が基板面に垂直で断面形状が矩
形の板バネ状の駆動用梁104と、主面が基板面に平行
で断面形状が矩形の板バネ状の検出用梁103を同時に
形成でき、その二種類の梁を組み合わせた複合梁で錘を
支持する。駆動振動と入力回転軸、及び検出振動が全て
直交関係にある振動型角速度センサにおいて、駆動と検
出の両方に断面形状が矩形の板バネを適用できるため、
バネ定数等梁の機械的特性を正確に制御することがで
き、振動体の共振周波数の制御を精密に行うことが可能
になる。更に、結晶方位により正確に規定された面だけ
で構成された梁を用いるため機械的強度にも優れ、元々
内部損失が少ない単結晶材料から振動体が形成されるこ
とから高いQ値(高い感度)をとることが可能である。
このようにアルカリエッチャントによる異方性エッチン
グという簡易な手法で感度の高さと精密な共振周波数の
制御が両立できるだけでなく、結果として小型で高精度
な角速度センサを形成することができる。
【0041】尚、第1の実施の形態では、駆動用梁を
(100)面の<100>方向に形成したが、(10
0)面の<110>方向に形成することも可能である。
図9はこのオーバーエッチングによる梁の過程を示す図
である。この場合SiO2 をマスクとしてシリコン基板
の両面からエッチングを行ったとき、図9(a)〜
(d)に示すようにエッチングが進行するにつれて<1
10>方向に沿って基板面と54.74゜の角度をなし
て2つの(111)面が表れる。そしてエッチングを進
めることにより、その頂点からオーバーエッチングが進
むため、これを利用して梁を形成することができる。
【0042】更に本実施の形態では、シリコンの異方性
エッチング特性を用いて角速度センサの振動体を構成し
たが、これは例えばSF6 ガス中での反応性イオンエッ
チング(RIE)とアルカリエッチャントを用いた異方
性エッチングとを併用して形成してもかまわない。これ
により、異方性エッチング特有の不要面の発生量を抑え
ることができ、より小型のセンサを形成することが可能
になる。
【0043】次に本発明の第2の実施の形態について説
明する。前述した第1の実施の形態では駆動方向に垂直
な錘の端部上下に電極112,122を配置し、その電
極に電圧を印加することで基板面に平行な方向の駆動力
を得た。しかし、(数1)より二枚の平行平板電極でシ
リコン振動体を基板と平行に駆動する場合には、駆動力
は駆動方向に垂直な電極幅に比例し電極面積には相関し
ない。よって、実効的な駆動力を増強するため、図10
に示すように錘102に駆動方向に垂直に複数の凹型の
溝151を形成し、その溝端部を用いて駆動力を得ても
良い。この場合には図11に電極との関係を示すよう
に、駆動用電極は凹形溝151のエッジを夫々の長手方
向の中心線と一致させたくし状の電極112a,122
aとする。又モニタ用電極についても凹形溝151のエ
ッジを夫々の長手方向の中心線と一致させたくし状の電
極114a,124aとする。こうすれば実効的な駆動
力Fdを大きくすることができる。
【0044】次に本発明の第3の実施の形態について説
明する。第2の実施の形態と同じく実効的な駆動力を大
きくするために、図12に示すように錘102に駆動方
向と45°傾いたV字形の溝161を多数形成するよう
にしてもよい。この場合にも図13に電極との関係を示
すように、駆動用電極は夫々の長手方向の中心線をV字
形溝161の端部に一致させるように、多数の枝部を有
するように形成した電極112b,122bとする。又
モニタ用電極についても夫々の長手方向の中心線をV字
形溝161の端部とを一致させた枝部を有する電極11
4b,124bとする。こうすれば実効的な駆動力を増
強することができる。
【0045】次に本発明の第4の実施の形態について説
明する。前述した実施の形態において用いているよう
に、KOH・TMAHをエッチャントとした場合には、
縦方向の(100)面のエッチング量と同量だけ横方向
の(100)面がエッチングされるという(100)面
の異方性エッチング特性がある。この特性を用いること
により、シリコン基板に水平な主面を有する検出用梁
は、シリコン単結晶基板に垂直な面内で屈曲部として形
成することが可能である。図14はこの検出用梁、図1
5はのB−B′線断面図を示すものであり、振動体に平
行な(100)面から成る平板状の第1の部位103
c、振動体に垂直な(100)面から成る平板状の第2
の部位103dによって屈曲部を構成する。この屈曲部
による梁は、シリコン基板に水平な面内での屈曲構造と
は異なり、屈曲部に(111)面等の不要な面を発生し
ないため、シリコン基板の厚み程度の繰り返し周期で純
粋な屈曲構造を形成できる。このため、より柔らかな梁
を形成しやすくなり、同じ共振周波数のセンサを形成す
るにも相対的に厚い梁で形成できることになり、より共
振周波数を正確に制御しながら小型の角速度センサを形
成することが可能になる。
【0046】次に、本発明の第5の実施の形態について
説明する。尚、第5の実施の形態の目的は、歪みの少な
い振動体を形成することにより単結晶が本来有する優れ
た機械的特性を減じることなく小型高精度な振動式角速
度センサを提供することにある。
【0047】センサの基本的構成は、図1に示す第1の
実施の形態とほぼ同じであり、シリコン基板の構成は全
く同一である。しかしガラスを電極形成基板材料として
選択した場合、熱膨張率が近いとはいえ、室温から接合
温度全域にわたって一致しているわけではない。更に、
陽極接合を用いる場合には、接合時に高電圧印加による
振動体への静電気力の影響という問題があり、特に比較
的柔らかいバネ定数の梁で振動体を支えることが多い半
導体式角速度センサでは錘が歪んだ状態で接合が進捗す
る。このため、接合完了後にも歪みの影響が残り、本来
シリコン基板が内包している優れた機械的特性を十分に
は発揮できない場合もあった。本実施の形態では、電極
が形成されシリコン振動体を保持する保持部材として、
シリコンと熱膨張率が非常に近いガラスに代えて不純物
の殆ど含まれない真性半導体又は不純物濃度の低い半導
体を採用する。真性半導体の導電率は非常に低く、絶縁
体と考えても問題はない。又熱膨張率はガラスと比べれ
ば振動体を構成するn+ シリコン基板と格段に近く、殆
ど一致していると考えて問題ない。尚、電極の形成方法
は、第一の実施の形態と同様である。
【0048】組立プロセスでは、第1〜第4の実施の形
態では陽極接合を用いたが、本実施の形態に於いてはシ
リコン基板同士の直接接合で形成する。直接接合とは、
鏡面に研磨したシリコン面を十分に洗浄し、乾燥させた
上で面同士を接着させ、数100から1,000℃中に
放置して接合する技術である。その他の組立プロセス、
動作原理も全て第一の実施の形態と同様である。
【0049】以上のように第5の実施の形態では、電極
形成基板材料に真性半導体を採用し、且つ陽極接合では
なく直接接合を用いて振動体を形成する。保持部材とし
て真性半導体を採用することで、材料の差による微小な
歪みの影響を考える必要性はなくなる。しかし静電気力
の心配のない直接接合を用いることで、接合に起因する
歪みの問題を完全に回避できる。結果として、シリコン
振動体が有する内部損失の少なさを十分に活かすことが
できるため、温度変化特性の良い小型の角速度センサを
形成することができる。
【0050】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、元々内部損失が少ない単結晶材料を用いて振動体を
形成するため、高いQ値を得ることができる。又、駆動
及び検出振動の共振周波数を決定する梁の形状を簡便な
手法で正確に制御することができるため、共振周波数の
制御性が向上する。従って2つの共振周波数を十分近づ
けることにより、動的効果が得易くなる。
【0051】又、請求項7の角速度センサによれば、直
接接合を用いているため、一般的な陽極接合を用いる場
合とは異なり、柔らかな梁で支持されている錘に力を印
加することなく接合できる。更に、熱膨張係数の異なる
シリコン−ガラスではなく同じシリコン−シリコンでセ
ンサ構造を形成するため、微小な歪みなしにセンサを形
成することができ、センサ精度確保に重要な温度変化に
対する特性を向上させた小型の角速度センサを形成する
ことが可能になる。
【0052】又、真性半導体や直接接合を用いることで
歪みの少ない振動体を形成することができ、本来半導体
単結晶が有する高いQ値を損なうことなくセンサを構成
することができ、結果としてセンサの小型化が図れる。
よって、その実用的効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による角速度センサ
のシリコン基板の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による角速度センサ
の概略構成を示す平面図である。
【図3】この実施の形態の角速度センサの主要部の断面
図である。
【図4】この実施の形態による角速度センサのシリコン
加工のプロセスチャート(その1)の一部である。
【図5】この実施の形態による角速度センサのシリコン
加工のプロセスチャート(その2)の一部である。
【図6】この実施の形態による角速度センサを他励発振
回路で駆動した場合のブロック図である。
【図7】C−V変換器の一例を示す回路図である。
【図8】この実施の形態による角速度センサを自励発振
回路で駆動したときのブロック図である。
【図9】駆動用梁をオーバーエッチングにより形成する
場合のシリコン加工のプロセスチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態による角速度セン
サのシリコン基板の平面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態による角速度セン
サの振動体と電極との関係を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態による角速度セン
サのシリコン基板の平面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態による角速度セン
サの振動体と電極との関係を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態による角速度セン
サのシリコン基板の平面図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態による角速度セン
サのシリコン基板の断面図である。
【図16】従来の音叉形振動ジャイロの振動体の概略構
成図である。
【符号の説明】
100 シリコン基板 101 フレーム 102 錘 103a,103b 検出用梁 103c 第1の部位 103d 第2の部位 104a,104b,104c,104d 駆動用梁 111 上部ガラス 121 下部ガラス 112,112a,112b,122,122a,12
2b 駆動電極 113,123 検出及び制御用電極 114,114a,114b,124,124a,12
4b モニタ用電極 151 凹形溝 161 V字形溝 401,402 検出用素子 403,404 励振用素子

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面方位(100)のシリコン単結晶基板
    より形成された振動体と、前記振動体を上下面より挟み
    込んで保持する一対の保持板とを有し、 前記振動体は振動部である錘と前記錘を弾性的に支持す
    る梁を有するものであり、 前記梁は前記錘よりも薄く断面形状が矩形で且つ側面が
    (100)面で構成され<100>方向に平行に形成さ
    れた領域を有し、結晶異方性エッチングを用いて形成さ
    れることを特徴とする角速度センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の角速度センサの製造方法
    であって、 前記梁は、 前記シリコン単結晶基板の表面に平行な主面である(1
    00)面の結晶異方性エッチングによりその上下面を形
    成し、 前記主面に垂直且つ<100>方向に平行な(100)
    面からなる側壁のエッチングにより前記梁の側面を形成
    することを特徴とする角速度センサの製造方法。
  3. 【請求項3】 面方位(100)のシリコン単結晶基板
    より形成された振動体と、前記振動体を上下面より挟み
    込んで保持する一対の保持板とを有し、 前記振動体は振動部である錘と、少なくとも二本の梁の
    組み合わせて前記錘を弾性的に支持する梁を有するもの
    であり、 前記二本の梁は各々直交する主面を有し、結晶異方性エ
    ッチングにより形成されることを特徴とする角速度セン
    サ。
  4. 【請求項4】 振動体は、面方位(100)のシリコン
    単結晶基板であって、梁は<100>方向に平行に形成
    され且つ主面が直交する(100)面からなることを特
    徴とする請求項3記載の角速度センサ。
  5. 【請求項5】 前記振動体は導電性材料で構成されたも
    のであり、 前記一対の保持板は、前記振動体の錘の中央部に対向す
    る位置に検出用電極が形成され、 前記錘のエッジ部に駆動用電極及びモニタ電極が夫々形
    成され、 各電極を前記錘から所定微小間隔隔てて挟み込んで前記
    振動体を保持するものであることを特徴とする請求項3
    又は4記載の角速度センサ。
  6. 【請求項6】 前記振動体は、第1の単結晶シリコン基
    板から形成されたものであり、 前記一対の保持板は、 第2の真性半導体もしくは不純物濃度の低い半導体から
    なる単結晶シリコン基板から構成され、その基板上に前
    記検出用電極、駆動用電極及びモニタ用電極が形成さ
    れ、各電極は前記振動体の錘に対向するように前記振動
    体と一対の保持板とが接合されていることを特徴とする
    請求項5記載の角速度センサ。
  7. 【請求項7】 前記一対の保持板は、前記振動体と直接
    接合されていることを特徴とする請求項6記載の角速度
    センサ。
  8. 【請求項8】 面方位(100)のシリコン単結晶基板
    より形成された振動体と、前記振動体を上下面より挟み
    込んで保持する一対の保持板とを有し、 前記振動体は振動部である錘と前記錘を弾性的に支持す
    る梁を有するものであり、 前記梁は<100>方向に形成され且つ前記振動体に垂
    直な面内で屈曲部を有することを特徴とする角速度セン
    サ。
  9. 【請求項9】 前記梁は、主面が前記振動体に平行な
    (100)面からなる平板状の第1の部位と、 主面が前記シリコン単結晶基板に垂直な(100)面か
    らなる平板状の第2の部位と、の組合せで構成されるこ
    とを特徴とする請求項8記載の角速度センサ。
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