JPH11231085A - 酸化性雰囲気下におけるセラミックの熱エッチングプロセス - Google Patents

酸化性雰囲気下におけるセラミックの熱エッチングプロセス

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JPH11231085A
JPH11231085A JP10318390A JP31839098A JPH11231085A JP H11231085 A JPH11231085 A JP H11231085A JP 10318390 A JP10318390 A JP 10318390A JP 31839098 A JP31839098 A JP 31839098A JP H11231085 A JPH11231085 A JP H11231085A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック表面を均一な形態で一様に顕在化
(可視化)し得るようなエッチングプロセスを提供する
こと。 【解決手段】 セラミックの熱エッチングプロセスであ
って、−75kJ/mol〜−125kJ/molの酸
素の化学ポテンシャルを供給する酸化性ガスにより構成
された制御状態の雰囲気下における炉内で熱エッチング
を行うとともに、初期温度から保持温度に向けて、90
0℃/h〜1500℃/hの割合で、炉内において急速
に温度を上昇させ、保持温度を1250℃〜1450℃
とするとともに保持時間を15分間〜30分間とし、温
度を最終温度にまで下げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化性雰囲気下に
おけるセラミックの熱エッチングプロセスに関するもの
であり、結晶粒界の顕在化(または、可視化)および粒
状構造の研究を、特別の目的としている。
【0002】本発明は、工業用および原子力用のセラミ
ックに応用され、特に、UO2 や(U,Pu)O2 混合
体に応用される。
【0003】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】材料
の構造的研究においては、通常、材料の組織の解析のた
めに、その材料を金属組織学的に注意深く準備する。
【0004】構造を研究するには、構造の異なる構成要
素を認識する必要がある。したがって、材料の結晶粒径
の測定を可能とするためには、結晶粒界(結晶粒どうし
の間の境界部分)を正確に明らかとしなければならな
い。多相材料の場合、結晶粒径は、各相に関して個別に
測定されなければならない。
【0005】イメージ解析ソフトウェアを含む、粒径に
関しての測定方法の自動化には、高品質のイメージの獲
得を必要とする。この品質は、結晶粒界の品質に関連し
ており、したがって、使用されているエッチングプロセ
スに関連している。エッチングプロセスの中では、セラ
ミックの場合には、酸による化学的なエッチングプロセ
スを参照することができる。
【0006】化学的エッチングプロセスは、例えば、V.
Tebaldi氏による“Kernforschungund Technologie”, M
etallography and Thermal Analysis of Ceramic Nucle
arFuels - a handbook for laboratory assistants and
test engineers,commission of the European Communi
ty, 1988, EUR 11716 DEという業績の中に記載されてい
る。
【0007】物理化学的な観点からは、UO2 の場合の
ような、単相試料の研磨面の化学的酸エッチングは、2
つの同時発生的な機構の作用に要約される。すなわち、 −結晶配向の関数としての異なる速度での結晶粒表面の
エッチング。このような結晶粒の面形成は、反射率の相
異を誘発し、このことは、光学顕微鏡による観測時にお
ける、結晶粒どうしの区別を可能とする。 −結晶欠陥や不純物の存在に基づく結晶粒界における特
定の局所的エッチング。このエッチングは、結晶粒界の
位置にグルーブを形成し、グルーブ形状は、表面張力お
よび粒間張力に依存する。したがって、グルーブは、2
つの隣接する結晶粒どうしの間の結晶配向の差に直接的
に関連することとなり、そのため、試料の平面内におけ
る不均一性を示すこととなる。
【0008】ウラン燃料とプルトニウム燃料との混合物
のような、多相セラミックの場合には、異なる相どうし
の化学ポテンシャルが、同一ではない。このような化学
ポテンシャルの差は、意味のあるものであって、最終的
には、ある相と他の相とではエッチングの進み具合に差
が出ることとなる。
【0009】したがって、(U,Pu)O2 燃料の微小
構造の顕在化は、この原理に対応する。
【0010】この特異性により、科学者は、2つの特定
の化学的エッチングプロセスを使用して、大きなおよび
小さなプルトニウム含有量の領域の粒状構造を、個別的
に研究することができる。 −限られたPu濃度(マトリクス)を有する領域を顕在
化させるための第1エッチングプロセスは、酸溶液(H
2O、 H22、H2SO4)を使用して、雰囲気温度にお
いて、2時間20分にわたる処理によって行われる。 −その後、試料は、再研磨される。その次に、70℃に
おいて1〜3分間にわたって第2酸エッチング(H
2O、 H2SO4、NH4NF2)が施される。これによ
り、大きなおよび小さなPu含有量の領域を含むすべて
の表面を顕在化させることができる。
【0011】しかしながら、第2のエッチングプロセス
を制御することが特に困難である。というのは、限られ
たプルトニウム含有量しか有していない領域が、過剰の
顕在化すなわち現像を受けやすいからである。
【0012】セラミックの化学的エッチング、特に、核
燃料用セラミックの化学的エッチング、なかでも、
(U,Pu)O2 タイプの化学的エッチングは、次のよ
うないくつかの欠点を有している。 −上記の理由により、セラミック部分の一様な顕在化が
できないこと。 −各ケースについて新しい溶液から開始することのため
に、再現性のある顕在化プロセスを確立することが困難
であること。 −複数の結晶粒の複数の結晶配向によって形成される色
が結晶粒により異なることのために、粒径測定の自動化
ができないこと。 −グローブボックス内において、放射性廃棄物が形成さ
れることと(「原子力用」セラミックの場合)、酸蒸気
の放出によって周辺設備が腐食すること。
【0013】結晶粒界の不完全な顕在化に基づいて、化
学的にエッチングされたセラミックまたは燃料上におい
て得られたイメージが、平凡な品質のものであってイメ
ージの自動処理や自動解析に不向きなものであることの
ために、セラミックの、特に核燃料として作用するセラ
ミック(「原子力用」セラミック)の結晶粒界の顕在化
のための化学的エッチングの使用が不満足なものである
ことが、上記により示されている。
【0014】結晶粒界を顕在化するための他の方法は、
熱エッチングである。この方法は、アルミナ、シリコン
カーバイド、あるいは、酸化セリウム等の工業用セラミ
ックの粒状構造の研究のために、現在、使用されている
ものである。
【0015】熱エッチングは、蒸気または液相の存在下
において多結晶性固体との熱力学的平衡のもとに多結晶
性固体を温度Tにまで加熱したときには、材料の拡散転
移機構(表面拡散、体積拡散、および、凝縮蒸発)の結
果として、結晶粒界の発現ラインにおいてグルーブが発
生することを原理としている。この現象は、図1に示さ
れており、図1においては、熱的に発現されたグルーブ
が示されている。
【0016】セラミックの熱エッチングは、一般に、セ
ラミックの製造時に使用された雰囲気と同じ雰囲気下で
行われる。
【0017】UO2 の熱エッチングは、既に研究されて
いるものの、還元性熱エッチングという特定の条件下で
しか研究されていない。文献に開示された熱エッチング
の実験は、通常、例えば1700℃で2週間といったよ
うに、熱エッチング時間と比較すれば格段に長い時間に
わたる熱処理を受けたUO2 ぺレットに対して行われ
る。この熱処理は、微小構造を安定化させて、グルーブ
の熱エッチングの原因をなす機構以外の機構に由来する
結晶粒の他の成長を抑制するために、不可欠である。化
学量論的な性質を超えたUO2+x に関して行われた研究
は、酸素/ウラン比が実験時に決定され変化しないよう
な酸化ウランに関して行われた。
【0018】よって、大部分の文献は、還元性環境下ま
たは中性環境下における1650〜1700℃近傍の高
温におけるUO2+x 燃料の熱エッチングを記載してい
る。
【0019】よって、G.C.Grappiolo 氏による“Therma
l etching as a mean to evidencegrain boundaries in
high density UO2”と題するenergia nucleare, vol.
11,No. 5, May 1964 における文献には、1650℃に
おける水素雰囲気下における高密度酸化ウランの処理が
記載されている。
【0020】同様に、R.L.Colombo氏およびI.Amato氏に
よる“Thermal etching figures inceramic bodies”と
題するJournal of Nuclear Materials 42, (1972) 345-
347,North Holland Publishing Co., Amsterdam におけ
る文献には、1700℃近傍の温度における還元性水素
雰囲気下における、アルミナやUO2 のようなセラミッ
クの熱エッチングが記載されている。
【0021】我々の知り得る限りにおいては、MOXの
ような酸化プルトニウムと酸化ウランとの混合物の熱エ
ッチングは、文献には、これまで記載されていない。
【0022】発明者らは、還元性雰囲気下において、特
に、1650℃において乾燥H2 雰囲気下で15分とい
う条件で、UO2 試料に対して熱エッチング操作を行う
ことにより、還元性雰囲気下における熱エッチングによ
って得られた結晶粒界の顕在化は、化学的エッチング操
作の後に得られた品質よりも、より良好な品質であるこ
とを示した。しかしながら、いくつかの欠陥および欠点
が残されている。特に、−光学イメージにおいて、結晶
粒界が非一様であること。このため、自動的に二値処理
された結晶粒界ネットワークは、不連続的なものとな
り、イメージ処理ステージにおいて、手動でのかなりの
補正が必要となる。−材料表面上において、スクラッチ
やリッジといった結晶欠陥または転位が顕在化されるこ
と。これは、背景ノイズを形成し、試料が多孔性である
場合には、なおさら有害である。というのは、空隙と背
景ノイズと結晶粒界ネットワークとの間の区別が不明瞭
となるからである。−熱衝撃に対して適用可能な炉技術
が必要であること、および、1700℃までの急速な温
度上昇が必要であること。
【0023】そのような炉技術は、実現が困難であると
ともに非常に面倒なものである。焼結温度を超え得るよ
うなそのような高温で処理することは、粒径測定を誤ら
せ得る結晶成長現象を引き起こしやすい。
【0024】発明者らは、また、(U,Pu)O2 燃料
の還元性条件下における熱エッチング時の同じ現象を明
らかとした。
【0025】かくして、熱エッチング試験が、5%の水
素および2600vpmのH2O を含有したアルゴン雰
囲気下における1600℃近傍の高温での10〜30分
間という条件で行われ、特に結晶粒界の熱エッチングに
おける非一様性に関して、酸化ウランに対して得られた
表面と同じ表面が(U,Pu)O2 燃料において得られ
ることが明らかとされた。
【0026】さらに、特定の(U,Pu)O2 の場合に
は、化学的エッチングの場合とは異なり、還元性熱エッ
チングは、プルトニウムを多く含有する領域を識別可能
に顕在化することができない。
【0027】還元性条件の下での、とりわけ、湿潤され
た水素条件の下での、(U,Pu)O2 燃料の熱エッチ
ングにおいては、結晶粒どうしの間の局在的なプルトニ
ウム含有量の関数としてのエッチングの差が、得られな
い。
【0028】しかしながら、(U,Pu)O2 製核燃料
の徹底的な特徴づけには、プルトニウム含有量の大きな
領域と小さな領域との粒径を区別して測定することが必
要である。それには、領域が、個別的に識別されなけれ
ばならない。この条件が、従来技術による還元性雰囲気
下における熱エッチングにおいては、満足されていな
い。
【0029】本発明の目的は、従来プロセスの欠点、制
限、および、不完全さを排除するとともに従来のエッチ
ングプロセスにおいて発生していた問題点を解決し得
る、セラミックの、特に、UO2 や(U,Pu)O2
ようないわゆる「原子力」用セラミックの、粒状構造を
詳細に解明することを意図したエッチングプロセスを提
供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的および他の目的
は、セラミックの熱エッチングプロセスであって、本発
明に基づき、−75kJ/mol〜−125kJ/mo
lの酸素の化学ポテンシャルを供給する酸化性ガスによ
り構成された制御状態の雰囲気下における炉内で熱エッ
チングを行うとともに、 −初期温度から保持温度に向けて、900℃/h〜15
00℃/hの割合で、前記炉内において急速に温度を上
昇させるステージと、 −前記保持温度を1250℃〜1450℃とするととも
に保持時間を15分間〜30分間とするステージと、 −前記温度を最終温度にまで下げるステージと、を備え
るセラミックの熱エッチングプロセスによって達成され
る。
【0031】セラミックの熱エッチングは、従来技術に
おいて公知である。しかしながら、公知のエッチングプ
ロセスは、還元性雰囲気かつ高温下で行われるものであ
って、酸化性雰囲気かつ低温下で行われるものではな
い。
【0032】請求項1記載の状況下における熱エッチン
グは、工業用セラミックであるか原子力用セラミックで
あるかにかかわらず、すべてのタイプのセラミックに関
して、従来技術においては、開示も示唆もされていな
い。
【0033】1250℃〜1450℃といった比較的低
温で操作される本発明による酸化性熱エッチングプロセ
スは、化学的エッチングプロセスの欠点を、一切有して
いない。
【0034】つまり、酸溶液を一切使用しない。そのた
め、設備の腐食が発生しない。原子力用セラミックの場
合には、放射性廃棄物が一切生成されず、エッチングプ
ロセスの後段側に処理設備を設ける必要がない。
【0035】還元性雰囲気下での熱エッチングプロセス
と比較すると、本発明によるプロセスにおいて使用され
る温度(1250℃〜1450℃)は、かなり低い温度
であり、簡易な技術に基づく炉を使用することができ
る。そのため、面倒さがずっと少ない。よって、モリブ
デン製抵抗器を、ずっと脆性の小さいランタンクロム製
抵抗器に置き換えることができる。
【0036】また、焼成温度以下の比較的低いエッチン
グ温度を使用することによって、エッチング後にセラミ
ックに対してなされる測定に誤差をもたらしてしまうよ
うな、粒状成長現象および他の現象を制限することがで
きる。
【0037】しかしながら、従来の化学プロセスおよび
熱プロセスとは違って、本発明によるプロセスの本質的
な特徴点は、従来では得られなかった品質で、結晶解析
のための顕在化をもたらし得ることである。
【0038】試料の表面全体の結晶粒界に関して、イメ
ージ解析によって自動的に分割可能なまた処理可能な満
足のいく光学イメージが得られる。
【0039】セラミック表面は、均一な形態で一様に顕
在化されるようにしてエッチングされる。言い換えれ
ば、すべての結晶粒界がエッチングされて顕在化され
る。結晶粒界のところに現れたグルーブの形状は、対称
かつ均一かつ規則的である。これに対して、従来技術に
よるプロセスであると、結晶粒界のところの多数のグル
ーブが明らかに非対称となる。
【0040】このような結果は、−75〜−125kJ
/molという、好ましくは、−100kJ/molと
いう、本発明による特定の酸素の化学ポテンシャル範囲
を適用することによって、特に、得られる。
【0041】最後に、本発明による熱エッチングの保持
時間は、15〜30分間であって、かなり短く、時間的
に有利である。
【0042】本発明による熱エッチングが行われる装置
は、炉である。しかしながら、炉という用語は、本発明
によるプロセス条件の下にエッチングを行い得るよう
な、任意の設備、容器、等を包含している。
【0043】炉としては、例えば、全体的に小さな熱慣
性(または、熱容量)を有していて大きな温度上昇率や
温度降下率が可能であるような、任意の適切な熱エッチ
ング炉とすることができる。
【0044】本発明によるプロセスに対して適切なタイ
プの炉としては、例えば、縦型管状炉、または、熱平衡
炉を例示することができる。
【0045】炉は、制御された状態の雰囲気とされる。
このことは、一般に、炉の内部空間内の雰囲気を構成す
る組成が、例えば制限された所定の流速とされた酸化性
ガスでもって炉の内部空間を連続的に排気することによ
り、完全に制御されることを意味している。
【0046】いわゆる「工業用」セラミックであるかあ
るいはいわゆる「原子力用」セラミックであるかにかか
わらず、すべての任意のセラミックを、本発明によるプ
ロセスでもって処理することができる。
【0047】処理されるセラミックは、好ましくは、例
えば、アルミニウム酸化物、セリウム酸化物、 PuO
2 ・UO2 ・ThO2 等のアクチノイド族の金属の酸化
物、および、(U,Pu)O2 のような上記金属酸化物
の混合物の中から選択された1つまたは複数の耐火性金
属酸化物から構成される。
【0048】セラミックは、単相セラミックとすること
ができる。しかしながら、例えば二相セラミックのよう
な多相セラミックとすることもできる。本発明によるプ
ロセスは、多相セラミックに対して特に有効に適用され
る。その場合、多相セラミックの様々な領域を顕在化す
ることができる。このようなことは、従来技術では不可
能であった。
【0049】有利には、本発明においては、セラミック
は、UO2 粉末から調製され好ましくはペレットの形態
とされた核燃料であり、あるいは、MOXタイプの核燃
料である。MOXとは、通常、いわゆるMIMAS(MI
cronizaion of MASterblend、原混合物の粉砕)プロセ
スによる酸化ウラン粉末と酸化プルトニウム粉末との混
合物のペレット化および焼成によって製造された核燃料
(原子力用セラミック)である。
【0050】この製造プロセスであると、親混合領域ま
たは母混合領域(PuO2 を高濃度で含むようなプルト
ニウム含有アイランド)が、焼成後においてもマトリク
ス(PuO2 濃度が小さな領域であって、本質的にはU
2 から構成されている領域)内に残っており、プルト
ニウムの特有の分布、および、ペレット内での粒径の特
有の分布の起源をなすような、MOX核燃料の個別の微
小構造を生成する。
【0051】このような複雑な構造の特徴づけは、従来
は極度に困難なものであったけれども、本発明によるプ
ロセスによって可能とされた。
【0052】MOXに対して適用された本発明によるプ
ロセスは、マトリクスと、プルトニウム含有アイランド
または親混合領域と、を個別に可視化し得るような選択
的エッチングをもたらすという、さらなる効果を有して
いる。本発明によるプロセスを通して驚異的な態様で得
られたこのようなエッチングの差は、還元性条件下での
熱エッチングプロセスでは決して得られなかったもので
あり、−75〜−125kJ/molという好ましくは
−100kJ/molという本発明のプロセスにおいて
使用されている特定の酸素の化学ポテンシャルによるも
のである。
【0053】よって、例えば−150〜−200kJ/
molといったような上記範囲外の酸素の化学ポテンシ
ャルとされた酸化性の低いエッチング条件においては、
マトリクスの他の領域から、高濃度でプルトニウムを含
有したプルトニウム含有アイランドを識別することがで
きない。
【0054】酸化性ガスは、好ましくは、キャリアガス
(または、ベクターガス(vectorgas)) と酸素とから
構成される。
【0055】キャリアガスは、好ましくは、CO2 、ア
ルゴン、窒素等の他の不活性ガス、および、これらの混
合ガスの中から選択される。
【0056】有利には、キャリアガスは、CO2 であ
る。CO2 であると、より良好な品質の結晶構造の可視
化が可能であることがわかった。その理由は、CO2
が、熱処理時の温度でもってインサイチュで(または、
リアルタイムで)分解され、その結果、以下に示す量よ
りも多くの酸素を供給するからである(すなわち、分解
後における酸素濃度は、以下に示すような10〜300
0vpmではなく、100〜3000vpmである)。
【0057】酸化性ガス中における酸素濃度は、好まし
くは10〜3000vpmであり、さらに好ましくは1
00〜1000vpmであり、例えば1000vpmで
ある。
【0058】好ましい酸化性ガスは、(出口において)
CO2 と10vpmの酸素とから構成される。他の酸化
性ガスは、アルゴンと1000vpmの酸素とから構成
される。この場合、酸素のポテンシャルは、本発明によ
る範囲内とされる。
【0059】上記においては、エッチング温度、すなわ
ち、保持温度が、1250〜1450℃、好ましくは1
300〜1400℃であり、1350℃付近の温度が、
得られる顕在化品質およびイメージの観点から優れた妥
協点であると思われることを示した。
【0060】格別に好ましいエッチング条件は、UO2
およびMOXセラミックに対して、例えば、1350
℃、30分間であり、かつ、CO2 +10vpmO2
囲気である。
【0061】温度保持後における炉の温度降下は、通
常、温度上昇時と同じとされる。すなわち、最終温度に
向けて、900〜1500℃/hの割合とされる。
【0062】初期温度および最終温度は、通常、周囲温
度とされる。
【0063】本発明によるプロセスは、通常、大気圧
(1atm)下で行われる。
【0064】通常、実際の熱エッチングの前には、つま
り、セラミックが炉内に導入されるに先立って、セラミ
ックは、例えば15μmというようなより小さな粒径の
例えば研磨紙を使用して研磨処理を受ける。通常、最終
研磨は、例えば1μmの粒径のダイヤモンドペーストで
被覆された例えばフェルトを使用して行われる。
【0065】本発明は、また、セラミックの微小構造の
研究のための方法であって、−前記セラミックの粒状構
造を、上述の本発明による熱エッチングプロセスによっ
て顕在化させ、−そのようにして顕在化された構造に対
して、解析操作、および/または、測定操作、および/
または、観測操作の1つまたは複数を行うような方法に
関するものである。
【0066】好ましくは、前記操作は、当業者に公知の
任意の解析操作および/または測定操作および/または
観測操作とすることができる。しかしながら、好ましく
は、光学的または電子的手段によるセラミック表面の観
測と、結晶のサイズの測定と、を含んでいる。
【0067】有利には、結晶サイズ(または、結晶粒
径)測定は、光学顕微鏡等の光学手段に関連するイメー
ジのための解析ソフトウェアを使用して行われる。
【0068】最後に、本発明は、熱エッチングされた研
磨済セラミックであって、このセラミックの表面が、一
様にエッチングされており、かつ、顕在化された結晶粒
界のグルーブの形状が、対称かつ均一かつ規則的である
セラミックに関するものである。
【0069】本発明の他の特徴点および利点は、添付図
面を参照した例示としての非限定的な以下の説明により
明瞭になるであろう。
【0070】
【発明の実施の形態】図1は、熱的に顕在化された、結
晶粒界におけるグルーブを示す側断面図である。図2
は、化学的に顕在化された、UO2 の第Aバッチの試料
の光学イメージを示す図である。図3は、乾燥H2 雰囲
気下で1650℃において15分間にわたって熱エッチ
ングされた、UO2 の第Aバッチの試料の光学イメージ
を示す図である。図4は、化学的エッチングの後におい
て得られた(一点鎖線)、および、CO2 と10vpm
2 との混合ガス中における1250℃、1350℃、
および、1450℃のそれぞれにおいての熱エッチング
操作の後において得られた(それぞれ、長い破線、実
線、および、短い破線)、UO2 の第Aバッチの粒径密
度曲線を示すグラフであり、縦軸は、単位を%としたと
きの頻度を示しており、横軸は、単位をμmとしたとき
の等価直径を示している。図5は、図4と同じグラフで
あって、化学的エッチングの後において得られた(一点
鎖線)、および、CO2 と10vpmO2 との混合ガス
中における1350℃および1450℃のそれぞれにお
いての熱エッチング操作の後において得られた(それぞ
れ、実線、および、短い破線)、UO2 の第Bバッチの
粒径密度曲線を示している。図6は、図4および図5と
同じグラフであって、化学的エッチングの後において得
られた、および、CO2 と10vpmO2 との混合ガス
中における1450℃の熱エッチング操作の後において
得られた、UO2 の第Cバッチの粒径密度曲線を示して
いる。図7は、CO2 と10vpmO2 との混合ガス中
において1350℃で30分間にわたる熱エッチングの
後において得られた、第MOX 2バッチの試料の光学
イメージ(顕微鏡写真)である。図8は、CO2 と10
vpmO2 との混合ガス中において1350℃で30分
間にわたる熱エッチングの後において得られた、第MO
X 1バッチの試料の光学イメージである。図9は、図
8の光学イメージに対応するX線イメージである。図1
0は、CO2 と10vpmO2 との混合ガス中において
1350℃で30分間にわたる熱エッチングの後におい
て得られた、第MOX 1バッチの試料の光学イメージ
である。図11は、図10の光学イメージに対応するX
線イメージである。図12は、図4〜図6と同じグラフ
であって、化学的エッチングの後において得られた、お
よび、CO2 と10vpmO2 との混合ガス中における
1350℃で30分間にわたる熱エッチング操作の後に
おいて得られた、第MOX 1バッチの試料の粒径密度
曲線を示している。図13は、図12と同じグラフであ
って、試料が第MOX 2バッチである点が相違してい
る。図14は、Arと10vpmO2 との混合ガス中に
おいて1650℃でエッチングされた第Aバッチ(UO
2) の試料の電子イメージ(顕微鏡写真)であって、非
対称な結晶粒界を示している。図15は、図14に示す
顕微鏡写真を拡大したものである。図16は、CO2
10vpmO2 との混合ガス中において1350℃でエ
ッチングされた第Aバッチの試料の電子イメージであっ
て、一様に顕在化されていることが示されている。図1
7は、Arと10vpmO2 との混合ガス中(プロファ
イルa)およびCO2 と10vpmO2 との混合ガス中
(プロファイルb)において熱エッチングされたUO2
に関しての、原子結合力マイクロスコープ(AFM)に
よって測定された結晶粒界のプロファイルを示す説明図
である。
【0071】以下の説明および例示は、UO2 およびM
OX製原子力用セラミック試料の作製、化学的エッチン
グプロセスによる試料の処理、還元性雰囲気下における
熱エッチングプロセスによる試料の処理、および、本発
明による酸化性雰囲気下における熱エッチングプロセス
による試料の処理、さらには、この処理によって得られ
た結果およびエッチング処理によって微小構造が顕在化
された処理済みセラミックの結晶粒径の測定を示してい
る。
【0072】1.試料の作製 1.1.研究用試料の特性(UO2 およびMOX)研究
された酸化ウランぺレットは、製造された3バッチの試
料(A、B、C)から得られた。特に、異なる特性の二
酸化ウラン粉末(乾燥した工程または湿潤した工程、第
1バッチおよび第2バッチ)と、異なる条件下で焼結さ
れた二酸化ウラン粉末と、から得られた。
【0073】MOX燃料ぺレットは、湿潤した工程をな
す第1バッチおよび第2バッチからの2つのタイプのU
2 に関するMIMAS(MIcronizaion of MASterblen
d、原混合物の粉砕)プロセスによる同様の条件下で製
造された2バッチ(MOX1、および、MOX 2)か
ら得られた。
【0074】使用されたUO2 粉末は、La Hague再処理
プラントからのものであり、積層ぺレットまたは積層ウ
ェハをベースとした正方形状のものである。
【0075】MIMASプロセスは、当業者には公知で
あり、ここでは説明しない。
【0076】1.2.試料の結晶観察用準備 試料の作製、研削、および、研磨は、イメージ解析によ
る材料の微小構造研究のためのきわめて重要なステージ
をなしている。特に注意深く行われなければならず、ま
た、研究対象をなす材料にとって適切な方法で行われな
ければならない。
【0077】直径が8mmで高さが12mmの円柱状ぺ
レットとされた試料は、すべてのものが、同様の性質か
らなる比較的高密度とされており、95%付近の密度で
ある。引き続いて、試料の結晶観察用準備が、同じ手順
にしたがって行われる。
【0078】研削、および、アラルダイト(Araldite)
樹脂といった樹脂によるコーティングの後に、粒子サイ
ズがそれぞれ76μm、35μm、22μm、および1
5μmの異なる複数のサンドペーパーによる予備研磨が
行われる。その後、約1μmの結晶を有したダイヤモン
ドペースト付きのフェルトを使用して、最終研磨が行わ
れる。
【0079】表面は、各(予備)研磨ステージのたびご
とに、試料を水性バスに含浸して超音波洗浄を行うこと
により、クリーニングされる。樹脂に対してある程度の
加熱を行い、引っ張ることにより、試料を解放すること
ができる。
【0080】2.実験用熱エッチング設備 熱エッチング炉の格別の特徴点は、主に、熱慣性が小さ
いことである。そのため、かなり大きな温度上昇(およ
び下降)速度を実現することができる。以下の例におい
ては、対象をなす雰囲気および/または対象をなす酸化
物(UO2 または(U、Pu)O2 )に応じて、2つの
タイプの炉が使用されている。
【0081】2.1.縦型管状炉 酸化性雰囲気のもとでUO2 の熱エッチングを行うため
に、すなわち、本発明によるプロセスの範囲内において
熱エッチングを行うために、PYROX VT 30 (登録商標)
縦型管状炉が使用される。この炉は、4つのランタンク
ロム抵抗器によって加熱される。
【0082】4つの抵抗器の中央に配置された作業チュ
ーブは、稠密でしっかりと固定されたAl23から形成
されている。
【0083】チューブには、両端部に、ステンレス鋼製
フランジがしっかりと固定されており、これにより、制
御された雰囲気下で動作することができる。水が循環さ
れることにより、フランジの冷却が確保されている。
【0084】炉のシールと、使用される異なる(混合)
ガス(Ar+10vpmO2 、CO2 +10vpmO
2 )における酸素成分と、の双方をチェックするため
に、酸素ゲージ(ジルコニアプローブ)が、炉の出口に
設けられており、雰囲気中の酸素分圧を測定している。
【0085】最大の温度上昇速度および下降速度は、本
質的にはアルミナチューブの熱衝撃耐性によって制限さ
れるものであって、1200℃/hである。
【0086】炉の等温領域内であることと、測定用熱電
対から1.5cmのところにあることと、の双方を満た
すように正確に試料を配置することにより、試料の温度
精度を±5℃に保証することができる。
【0087】供給速度および圧力という観点から、ガス
供給が制御される(供給速度:10l/h)。炉容器
は、通常の使用条件下においては、大気圧とされる。
【0088】2.2.熱平衡炉 従来技術による還元性雰囲気(H2 雰囲気)または酸化
性雰囲気(CO2 雰囲気)のもとでMOX燃料および酸
化ウランの熱エッチングの研究は、グローブボックス内
に配置された NETZSCH STA 429(登録商標)熱平衡炉内
で行われた。作業チューブは、稠密でしっかりと固定さ
れたAl23である。実験パラメータは、上記設備の場
合と同様である。すなわち、 −温度上昇速度および下降速度は、1200℃/hであ
り、 −温度測定の精度は、±5℃であり、 −ガス(H2 またはCO2 )の供給速度は、10l/h
である。
【0089】炉容器は、大気圧とされる。
【0090】下記実験例1〜5は、UO2 燃料に対して
行われた熱エッチング操作および化学的エッチング操作
を示している。
【0091】実験例1 この実験例においては、化学的エッチングが、UO2
A、B、Cのバッチの試料に対して行われる。化学的エ
ッチングは、酸溶液(H2O、 H22、およびH2
4)を使用して行われた。
【0092】化学的エッチングによって顕在化された微
小構造(第Aバッチの試料の化学的エッチングに対する
結果を示す図2を参照されたい)は、このようなエッチ
ングの欠点を示している。すなわち、特に、結晶粒の各
部分の色が異なっており、結晶粒界の顕在化が不完全で
ある。
【0093】実験例2 この実験例においては、UO2 のA、B、Cのバッチの
試料に対して、乾燥雰囲気(乾燥H2) 下での熱エッチ
ングが、行われる。
【0094】乾燥水素雰囲気下で行われるこのような実
験に対する操作条件は、次の表1にまとめられており、
温度上昇速度および下降速度は、1200℃/hに固定
されている。◎
【表1】
【0095】エッチングされた微小構造の光学的観測
(図3を参照されたい)は、1650℃という温度およ
び15分間という保持時間において、最良の結果が得ら
れることを示している。
【0096】顕在化は、化学的エッチング後において得
られたものよりも良好な品質であるけれども、いくつか
の上記欠点が、未だに残されている。すなわち、得られ
た光学イメージが非一様である(図3を参照された
い)。
【0097】よって、自動的に二値化された結晶粒界ネ
ットワークは、不連続なものとなり、イメージ処理ステ
ージにおいてかなりの手動での補正を必要とする(図3
を参照されたい)。リッジ等の結晶欠陥が、材料の表面
上に現れている。あるいは、転位として現れている。こ
のような欠陥は、背景ノイズを形成し、試料が多孔質で
ある場合には、なおさら厄介なものである。というの
は、そのため、空隙と背景ノイズと結晶粒界ネットワー
クとの区別が困難であるからである。さらに、この場合
には、熱衝撃に対して適切な、また、1700℃付近ま
での急速な温度上昇に対して適切な、炉技術を有してい
ることが必要である。
【0098】実験例3 この実験例においては、本発明に基づいて、UO2 の第
Aバッチの試料に対して、酸化性雰囲気下での熱エッチ
ングが行われる。酸化性雰囲気は、アルゴンと10vp
mのO2 とにより形成される。
【0099】様々な試験における操作条件は、次の表2
にまとめられている。◎
【表2】
【0100】結晶観察において得られた効果は、乾燥H
2 状況下での熱エッチングによって得られた結果と同等
であって、同じ欠点を有している(結晶粒界の顕在化が
不均一であること、結晶欠陥の顕在化、等)。最良の結
果は、1650℃という温度かつ15分間という保持時
間、および、1680℃という温度かつ5分間という保
持時間、というエッチングパラメータにおいて得られ
る。
【0101】混合ガス中における酸素の化学ポテンシャ
ルは、1300〜1700℃においては、−150〜−
200kJ/molにわたって変化する。したがって、
混合ガス中における酸素の化学ポテンシャルは、より低
温で動作するような本発明によるプロセスにおいて定義
された値の範囲外である。
【0102】実験例4 この実験例においては、本発明に基づいて、UO2 の第
A、B、Cバッチの試料に対して、酸化性雰囲気下での
熱エッチングが行われる。酸化性雰囲気は、CO2 と1
0vpmのO2 とにより形成される。様々な試験におけ
る操作条件は、表3にまとめられている。
【0103】唯一の不変パラメータは、熱エッチングの
保持時間であり、30分間に固定されている。◎
【表3】
【0104】CO2 と10vpmのO2 との雰囲気下で
行われた酸化性熱エッチングは、優秀な品質の結晶観察
における顕在化効果を示し、結晶粒界において非常に一
様な熱エッチングを示している。特に、例えばH2 のよ
うな還元性雰囲気下での熱エッチング後において存在す
るエッチング模様(または、エッチング形状)が、存在
しない。
【0105】実験例5 この実験例においては、結晶粒のサイズ(または、結晶
粒径)が測定され、また、CO2 の酸化性雰囲気の下で
の熱エッチングの、UO2 をベースとした核燃料の微小
構造の顕在化に対する有効性が示される。特に、このエ
ッチング手法によって、粒子成長という観点から、一切
の変更がもたらされないことが示される。
【0106】その検証のために、結晶粒の区画に関し
て、等価直径に対しての粒径密度が、上記条件における
化学エッチングと、CO2 +10pvmO2 という酸化
性雰囲気下における本発明による熱エッチングと、の間
において比較された(図4の例を参照されたい)。
【0107】また、範囲に関しての解析によって確立さ
れた平均直径の決定が行われ、また、四分位数が計算さ
れる。これにより、様々なエッチング操作に関しての、
粒径分布の分散を特徴づけることができる。
【0108】測定範囲のうちの分類されたランダムな構
成に基づく最小でも1800個の区画における結晶粒の
解析を含むサンプリングプランが適用される。
【0109】この例においては、第A、B、Cバッチに
おける酸化ウラン試料に関しての、エッチング温度の影
響、特に、1250、1350、1450℃のエッチン
グ温度の影響、について研究する。すべての場合におい
て、エッチング時間は、30分間である。
【0110】得られた結晶粒径密度(または、結晶粒サ
イズ密度)が、第A、B、Cバッチの試料に関して、そ
れぞれ図4,5,6に示されている。また、エッチング
操作後における3つの試料の表面状態も、観測された。
この研究から導かれる結論は、処理バッチの各々に対し
て、以下に示されている。
【0111】第Aバッチ:1350℃までの温度であれ
ば微小構造が一切変化することがなく材料がエッチング
される、ように見受けられる。
【0112】1250℃および1350℃における熱エ
ッチングおよび化学エッチングのそれぞれに対する3つ
の結晶粒径密度曲線が、重ねて表示されていることがわ
かる(図4)。また、平均粒径が、異なるエッチング操
作によって増大することがなく、5μm付近に留まって
いることがわかる。このバッチに関しては、1250℃
という温度が結晶観測における顕在化のためのより低い
温度制限を示しているように見受けられる。しかしなが
ら、それでも、結晶粒界ネットワークを目視確認するこ
とができる。
【0113】1450℃においては、少なくとも表面上
において、ある種の粒子成長がある。そのため、この温
度における顕在化は、わずかに劣るものである。
【0114】この温度においてエッチングされた試料表
面の検査により、結晶粒界におけるグルーブのわずかの
過剰エッチングを観測することができる。そして、結晶
粒界においては、ある種の結晶粒界の発現−消滅現象が
加えられる。
【0115】よって、1350℃が、測定にかかってく
るような微小構造の進化をもたらすことなく、適切なイ
メージ品質を得ることができるつまり自動的に処理また
は取扱い可能なイメージ品質を得ることができる、最良
の妥協温度であるように思われる。
【0116】第Bバッチ:図5の結晶粒径密度曲線にお
いては、CO2 という酸化性雰囲気下における熱エッチ
ングが、結晶粒の分布および平均サイズに変化をもたら
さないことが、非常に明瞭に示されている。1350℃
および1450℃におけるエッチングは、優秀な結果を
示しており、特に、イメージの自動処理を可能としてい
る。
【0117】第Cバッチ:図6は、結晶粒径密度曲線が
大いに重なり合っていることを示している。これによ
り、熱エッチングが第Cバッチの構造を変化させること
がない、と断言することができる。結晶粒界ネットワー
クは、例えば1450℃において、非常に良く顕在化さ
れており、自動イメージ解析を可能としている。
【0118】実験例6 この実験例においては、上記において特性が与えられた
MOX 1,および、MOX 2からなる燃料の試料に
関して、化学的エッチングが行われる。化学的エッチン
グは、2つの酸溶液を使用して行われた。
【0119】まずはじめに、溶液(H2O、 H22、お
よびH2SO4)を使用して、プルトニウム過剰度の小さ
な領域に対しての特定の化学エッチングが行われる。研
磨が行われた後に、すべての微小構造を顕在化すること
ができる第2の化学エッチング(H2O、 H22、およ
びNH4NF2)が行われる。
【0120】各エッチング操作の後に顕在化された微小
構造は、化学的エッチングの欠点、特に、結晶粒の各部
分の様々な色づけが起こること、また、結晶粒界の顕在
化が不完全であること、を明瞭に示している。
【0121】実験例7 この実験例においては、MOX 1、および、MOX
2のバッチの試料に対して、5%の水素と2600vp
mのH2O を含有したアルゴンからなる還元性雰囲気下
において、1600℃近傍の温度および10〜30分間
という保持時間という条件で、熱エッチングを行う。
【0122】試験を行うと、セラミック表面の顕在化に
関して、結果的に非一様な光学イメージとなってしまう
という酸化ウランに関して得られた結果と同じであっ
た。
【0123】実験例8 この実験例においては、本発明に基づいて、MOX
1、および、MOX 2のバッチの試料に対して、酸化
性雰囲気下で熱エッチングが行われる。酸化性雰囲気
は、CO2 と10vpmのO2 とにより形成される。エ
ッチング温度は、1350℃に固定されており、エッチ
ング時間は、30分間に固定されている。
【0124】2つの試料MOX 1およびMOX 2に
関して得られた結晶観察学的な顕在化が、図7および図
8に示されている。これらの図は、1350℃、30分
間という条件でCO2 雰囲気下でエッチングされた2つ
の試料の光学イメージである。これらの図は、全体構造
が完全に明らかとされていることを示している。
【0125】しかしながら、結晶粒界の熱エッチング
は、一様ではない。ある隔離された領域の結晶粒界は、
白色であり、一方、結晶粒界の他の部分は、黒色の線に
より特徴づけられている。このような構成は、通常、二
酸化ウランの結晶粒界の場合に出現する。
【0126】CO2 環境下において熱エッチングされた
MOX 1の結晶観測部分の同じ領域どうしの間の比較
が、光学顕微鏡によって、それが行われる投光マイクロ
プローブ(Castaing microprobe)を使用して、観測さ
れた。
【0127】図8および図10は、熱エッチング後にお
いて得られたMOX 1の光学顕微鏡写真を示してい
る。これらの図は、マイクロプローブを使用して得られ
た同じ領域に関してのプルトニウムのX線イメージを示
している図9および図11と比較される。
【0128】プルトニウム濃度が高くなるにつれて、X
線イメージの特徴領域が、より明瞭にまたはより明るく
なっている。光学イメージとX線イメージとを比較する
と、プルトニウムを含有した結晶粒(高濃度でプルトニ
ウムを含有したアイランドを構成する結晶粒)に対応し
て結晶粒界が白く見えることが、明瞭にわかる。
【0129】よって、選択的エッチングであると、より
低濃度の領域(マトリクス)と比較して、プルトニウム
が高濃度の領域(親混合体(parent mixture))を、よ
り明瞭とすることができる。
【0130】本発明によるCO2 雰囲気下での酸化性熱
エッチング後における、結晶粒中の局所的プルトニウム
含有量に応じたこのエッチングの差は、従来技術による
還元性条件下での、すなわち、湿潤した水素下での熱エ
ッチングにおいては、起こらないことに注意されたい。
【0131】MOXに対して使用されたときに、本発明
による方法の予想外の好結果および驚くべき利点の1つ
をなすこのようなエッチングの差は、エッチング時に使
用されたガス混合体により課せられた、本発明による酸
素の特定の化学ポテンシャルと関連しているものと思わ
れる。
【0132】実験例9 この実験例においては、実験例5と同様に、結晶粒のサ
イズが測定され、また、実験例8の条件下におけるCO
2 の酸化性雰囲気の下での熱エッチングの、MOXの微
小構造の顕在化に対する有効性が示される。そして、化
学エッチングと熱エッチングとに関して、それぞれの後
における結晶粒断面積の個々の解析によって得られた結
晶粒サイズの測定結果が比較される。
【0133】MOX 1およびMOX 2という試料に
対して得られた結晶粒径密度の曲線が、図12および図
13に示されている。これらの図においては、化学エッ
チングと熱エッチング(実験例8の条件)との後におい
て得られた結晶粒径の密度の曲線が、それぞれ、点線お
よび実線の形態で示されている。
【0134】化学エッチングと熱エッチングとの後にお
いて得られた結晶粒の断面の粒径密度の曲線が、比較さ
れる。これにより、CO2 下での酸化性熱エッチング
が、MOX燃料の微小構造を変化させることがなく、結
晶粒界の一様な顕在化を行い得ることが示される。
【0135】実験例10 この実験例においては、走査型顕微鏡(PHILIPS FEG XL
30 電界効果型顕微鏡)を使用して、アルゴン+10v
pmO2 という酸化性雰囲気下において1650℃で3
分間熱エッチングされた、水素という還元性雰囲気下に
おいて1650℃で15分間熱エッチングされた、ま
た、CO2 +10vpmO2 という酸化性雰囲気下にお
いて1350℃で30分間熱エッチングされた、UO2
試料の1つ(第Aバッチ)について、観測がなされる。
【0136】このような観測により、アルゴン雰囲気下
またはH2 雰囲気下においては、結晶粒界のある種のグ
ルーブが、その形状において明確な非対称性を有してい
ることが示された(図14および図15)。しかしなが
ら、使用されている光学系の口径数の結果として、光学
顕微鏡によって観測可能な結晶粒界とは違い、すべての
結晶粒界がエッチングされて顕在化されていることに注
意されたい。CO2 雰囲気下においては、表面が一様に
エッチングされて、グルーブの形状が、対称かつ一様で
あることがわかる(図16)。
【0137】実験例11 この実験例においては、原子間結合力顕微鏡(A.F.M. N
anoscope 2(登録商標)) を使用して、UO2 に対して
なされる酸化性エッチング操作の各々に関して、結晶粒
界のところにおけるグルーブ形状の精密な定量化が行わ
れる。
【0138】図17は、以前の定量的観測を確認するた
めの、アルゴン雰囲気下(プロファイルa)およびCO
2 雰囲気下(プロファイルb)において熱的に顕在化さ
れた結晶粒界の2つの標準的なプロファイルを示してい
る。CO2 雰囲気下においてエッチングされた試料の結
晶粒界は、対称であって、規則的な形状を有している。
これら結晶粒界に関してA.F.M.によって測定され
た両プロファイルは、表4における値によって明瞭とさ
れているように、Ar雰囲気下でエッチングされた試料
に関して測定された数値とは違って、深さ(P)、幅
(L)、および、高さ(H)のそれぞれにおいて大きな
乱れがないことを示している。◎
【表4】
【0139】したがって、試料の粒状構造の光学イメー
ジの品質は、結晶粒界の熱エッチング時に形成されたグ
ルーブの形状により、大いに高められている。
【0140】つまり、Ar+10vpmO2 雰囲気下
(またはH2 雰囲気下)において顕在化された、UO2
燃料の不規則表面は、光学顕微鏡からの直線的な光ビー
ムを、乱反射する。
【0141】グルーブ形状の関数として、微小構造の光
学イメージは、たとえすべての結晶粒界がエッチングさ
れるにしても、非一様となるであろう。
【0142】これに対して、CO2 +10vpmO2
囲気下において熱エッチングされた場合には、すべての
グルーブが形状的に同一であって、微小構造の光学イメ
ージは、一様となる。したがって、自動化されたイメー
ジ解析アルゴリズムによって処理することが可能とされ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱的に顕在化された、結晶粒界におけるグル
ーブを示す側断面図である。
【図2】 化学的に顕在化された、UO2 の第Aバッチ
の試料の光学イメージを示す図である。
【図3】 乾燥H2 雰囲気下で1650℃において15
分間にわたって熱エッチングされた、UO2 の第Aバッ
チの試料の光学イメージを示す図である。
【図4】 化学的エッチングの後において得られた(一
点鎖線)、および、CO2 と10vpmO2 との混合ガ
ス中における1250℃、1350℃、および、145
0℃のそれぞれにおいての熱エッチング操作の後におい
て得られた(それぞれ、長い破線、実線、および、短い
破線)、UO2 の第Aバッチの粒径密度曲線を示すグラ
フであり、縦軸は、単位を%としたときの頻度を示して
おり、横軸は、単位をμmとしたときの等価直径を示し
ている。
【図5】 図4と同じグラフであって、化学的エッチン
グの後において得られた(一点鎖線)、および、CO2
と10vpmO2 との混合ガス中における1350℃お
よび1450℃のそれぞれにおいての熱エッチング操作
の後において得られた(それぞれ、実線、および、短い
破線)、UO2 の第Bバッチの粒径密度曲線を示してい
る。
【図6】 図4および図5と同じグラフであって、化学
的エッチングの後において得られた、および、CO2
10vpmO2 との混合ガス中における1450℃の熱
エッチング操作の後において得られた、UO2 の第Cバ
ッチの粒径密度曲線を示している。
【図7】 CO2 と10vpmO2 との混合ガス中にお
いて1350℃で30分間にわたる熱エッチングの後に
おいて得られた、第MOX 2バッチの試料の光学イメ
ージ(顕微鏡写真)である。
【図8】 CO2 と10vpmO2 との混合ガス中にお
いて1350℃で30分間にわたる熱エッチングの後に
おいて得られた、第MOX 1バッチの試料の光学イメ
ージである。
【図9】 図8の光学イメージに対応するX線イメージ
である。
【図10】 CO2 と10vpmO2 との混合ガス中に
おいて1350℃で30分間にわたる熱エッチングの後
において得られた、第MOX 1バッチの試料の光学イ
メージである。
【図11】 図10の光学イメージに対応するX線イメ
ージである。
【図12】 図4〜図6と同じグラフであって、化学的
エッチングの後において得られた、および、CO2 と1
0vpmO2 との混合ガス中における1350℃で30
分間にわたる熱エッチング操作の後において得られた、
第MOX 1バッチの試料の粒径密度曲線を示してい
る。
【図13】 図12と同じグラフであって、試料が第M
OX 2バッチである点が相違している。
【図14】 Arと10vpmO2 との混合ガス中にお
いて1650℃でエッチングされた第Aバッチ(U
2) の試料の電子イメージ(顕微鏡写真)であって、
非対称な結晶粒界を示している。
【図15】 図14に示す顕微鏡写真を拡大したもので
ある。
【図16】 CO2 と10vpmO2 との混合ガス中に
おいて1350℃でエッチングされた第Aバッチの試料
の電子イメージであって、一様に顕在化されていること
が示されている。
【図17】 Arと10vpmO2 との混合ガス中(プ
ロファイルa)およびCO2 と10vpmO2 との混合
ガス中(プロファイルb)において熱エッチングされた
UO2 に関しての、原子結合力マイクロスコープ(AF
M)によって測定された結晶粒界のプロファイルを示す
説明図である。
【符号の説明】
H 高さ L 幅 P 深さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランソワ・シャロレ フランス・13650・メイラルグ・ブーケ・ トリヴィエ (72)発明者 ミレーユ・バウアー フランス・04100・マノスク・モンテ・ デ・ヴレ・リッシェ・474 (72)発明者 ミシェル・コステル フランス・14610・ケロン・リュ・ドゥ・ ラ・カシェット・44 (72)発明者 パスカル・ピリュソ フランス・13100・エ・クサン・プロヴァ ンス・ラ・トゥール・ダイゴス・15 (72)発明者 クロード・フォール フランス・84800・ラーニュ・リュ・ド ゥ・カブリエール・クロ・ドゥ・モニク

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックの熱エッチングプロセスであ
    って、−75kJ/mol〜−125kJ/molの酸
    素の化学ポテンシャルを供給する酸化性ガスにより構成
    された制御状態の雰囲気下における炉内で熱エッチング
    を行うとともに、 初期温度から保持温度に向けて、900℃/h〜150
    0℃/hの割合で、前記炉内において急速に温度を上昇
    させ、 前記保持温度を1250℃〜1450℃とするとともに
    保持時間を15分間〜30分間とし、 前記温度を最終温度にまで下げることを特徴とするセラ
    ミックの熱エッチングプロセス。
  2. 【請求項2】 前記セラミックは、酸化アルミニウム、
    酸化セリウム、U・Pu・Th等のアクチノイド族の金
    属の酸化物、および、このような金属酸化物の混合物の
    中から選択された1つまたは複数の耐火性金属酸化物か
    ら構成されていることを特徴とする請求項1記載のプロ
    セス。
  3. 【請求項3】 前記セラミックは、単相セラミックであ
    ることを特徴とする請求項1記載のプロセス。
  4. 【請求項4】 前記セラミックは、多相セラミックであ
    ることを特徴とする請求項2記載のプロセス。
  5. 【請求項5】 前記セラミックは、UO2 粉末から調製
    された核燃料であることを特徴とする請求項3記載のプ
    ロセス。
  6. 【請求項6】 前記セラミックは、(U,Pu)O2
    イプの核燃料であることを特徴とする請求項4記載のプ
    ロセス。
  7. 【請求項7】 前記酸化性ガスは、キャリアガスと酸素
    とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    プロセス。
  8. 【請求項8】 前記キャリアガスは、CO2 、アルゴ
    ン、他の不活性ガス、および、これらの混合ガスの中か
    ら選択されていることを特徴とする請求項7記載のプロ
    セス。
  9. 【請求項9】 前記酸化性ガスは、10〜3000vp
    mの酸素を含有していることを特徴とする請求項7また
    は8記載のプロセス。
  10. 【請求項10】 前記酸化性ガスは、CO2 と10vp
    mの酸素とから構成されていることを特徴とする請求項
    9記載のプロセス。
  11. 【請求項11】 前記酸化性ガスは、アルゴンと100
    0vpmの酸素とから構成されていることを特徴とする
    請求項9記載のプロセス。
  12. 【請求項12】 前記保持温度は、1300〜1400
    ℃とされていることを特徴とする請求項1記載のプロセ
    ス。
  13. 【請求項13】 前記保持温度は、1350℃とされて
    いることを特徴とする請求項12記載のプロセス。
  14. 【請求項14】 前記酸化性ガスによって供給される前
    記酸素のポテンシャルは、約−100kJ/molであ
    ることを特徴とする請求項1記載のプロセス。
  15. 【請求項15】 前記炉の温度降下は、900〜150
    0℃/hの割合とされることを特徴とする請求項1記載
    のプロセス。
  16. 【請求項16】 予め、前記セラミックに対して研磨処
    理を施しておくことを特徴とする請求項1記載のプロセ
    ス。
  17. 【請求項17】 セラミックの微小構造の研究のための
    方法であって、前記セラミックの粒状構造を、請求項1
    〜16のいずれかに記載の熱エッチングプロセスによっ
    て顕在化させ、そのようにして顕在化された構造に対し
    て、解析操作、および/または、測定操作、および/ま
    たは、観測操作の1つまたは複数を行うことを特徴とす
    る方法。
  18. 【請求項18】 前記解析操作および/または測定操作
    および/または観測操作は、光学的または電子的手段に
    よる前記セラミックの表面の観測と、結晶のサイズの測
    定と、を含んでいることを特徴とする請求項17記載の
    方法。
  19. 【請求項19】 前記結晶サイズ測定を、前記光学手段
    に関連して得られたイメージの解析ソフトウェアを使用
    して行うことを特徴とする請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 熱エッチングされた研磨済セラミック
    であって、該セラミックの表面が、一様にエッチングさ
    れており、かつ、顕在化された結晶粒界のグルーブの形
    状が、対称かつ均一かつ規則的であることを特徴とセラ
    ミック。
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