JPH112260A - ドラムブレーキ装置 - Google Patents

ドラムブレーキ装置

Info

Publication number
JPH112260A
JPH112260A JP9158726A JP15872697A JPH112260A JP H112260 A JPH112260 A JP H112260A JP 9158726 A JP9158726 A JP 9158726A JP 15872697 A JP15872697 A JP 15872697A JP H112260 A JPH112260 A JP H112260A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
control
pressure chamber
pressure
piston
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9158726A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshifumi Maehara
利史 前原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Akebono Brake Industry Co Ltd filed Critical Akebono Brake Industry Co Ltd
Priority to JP9158726A priority Critical patent/JPH112260A/ja
Publication of JPH112260A publication Critical patent/JPH112260A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デュオサーボ式のドラムブレーキ装置におい
て、ブレーキの効きの安定性を高めること。 【解決手段】 一対のブレーキシューの一方の対向端間
を拡開するホイールシリンダは、各ブレーキシューの端
部に当接された駆動ピストンを、供給された液圧により
駆動する圧力室と、前記圧力室に連通する流路18が穿
設された制御ピストン22と、アンカー反力が所定の倍
率に達して前記制御ピストン22が制御室16内に押し
戻された時に前記流路18を閉じて前記圧力室を密封状
態とする弁体20と、前記制御ピストン22の周囲の隙
間に装備されて前記圧力室の液圧よりも前記制御室16
の液圧が低くなると前記圧力室の作動液を前記制御室1
6に逃がすシール部材52とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等に搭載され
るドラムブレーキ装置に関し、詳しくは、デュオサーボ
式のドラムブレーキ装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両等に使用されるドラムブレーキ装置
は、一般に、入力部(ホイールシリンダ)と、該入力部
からの力によりドラム内で拡張してブレーキ力を発生す
るブレーキシューと、ブレーキシューを支持するアンカ
ー部とを具備した構成からなる。そして、ドラムの前進
方向に対して入力部が入口側、アンカー部が出口側にあ
るものをリーディング・シュー、アンカー部が入口側、
入力部が出口側にあるものをトレーリング・シューと呼
ぶ。
【0003】従来のドラムブレーキ装置としては、リー
ディングトレーリング式、ツーリーディング式及びデュ
オサーボ式等の種類のものが使用されている。リーディ
ングトレーリング式は、対向する一対のシューの一方の
対向端間にシューを拡開するホイールシリンダを配する
と共に、他方の各シュー端にアンカー部を配し、リーデ
ィング・シューとトレーリング・シューとを組み込んだ
ものである。
【0004】ツーリーディング式は、リーディング・シ
ューを2個組み込んだ構成のものであり、そのうち単動
型(TP1W)のものは、前進時にはゲインが高く、後
進時にはツートレーリング式となって相対的に前進時よ
りゲインが低下する。ツーリーディング式の複動型(T
P2W)のものは、前後進とも同じ効きで高いゲインを
有する。デュオサーボ式は、2個のシューをリンク結合
し、プライマリ・シューに生ずるブレーキ力をセカンダ
リ・シューの入力として働かせるもので、前後進とも同
じ効きを示すゲインの高いブレーキである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ツ
ーリーディング式は、ホイールシリンダが2個必要なた
め高価になり、また、駐車ブレーキの機構が複雑になる
という問題があった。一方、上記デュオサーボ式は、リ
ーディングトレーリング式やツーリーディング式のもの
と比較して、極めて高いブレーキ効力が得られ、小型化
し易く、また、駐車ブレーキの組み込みも容易であると
いう多くの長所を持つが、その反面、例えば、ブレーキ
シューのライニング摩擦係数及び回転ドラムの接触状況
の変化に敏感でブレーキの効きの変動が大きく、安定し
た制動特性が得られないという重大な難点があった。
【0006】これに対し、上記リーディングトレーリン
グ式は、前の2者と比較して、安定性が優れ、また、駐
車ブレーキの組み込みも容易である。そのため、最近で
は、ドラムブレーキ装置の主流になっている。しかし、
リーディングトレーリング式は、ブレーキの効きが低
く、それを補うために、マスタシリンダの倍力装置を大
型化したり、ドラム径を大きくしなければならず、ドラ
ムブレーキ装置の小型化を困難にしていた。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、ブレーキ効力が高く、しかも、ブレーキの効きの
安定性にも優れ、また、駐車ブレーキの組み込みも容易
であるドラムブレーキ装置を提供し、マスタシリンダの
倍力装置等の小型化を実現してブレーキシステムの小型
化やコスト低減を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るドラムブレーキ装置は、円筒形のドラム
内空間に対向配備されるプライマリ・シューとセカンダ
リ・シューとの一対のブレーキシューと、これらの一対
のブレーキシューの一方の対向端間に配設されたホイー
ルシリンダとを有するドラムブレーキ装置であって、前
記ホイールシリンダが、圧力室に供給される液圧によっ
て前記ブレーキシューをドラムに押圧する駆動ピストン
と、軸線をドラム軸方向に向けた円柱状を成すと共に、
駆動ピストンとブレーキシューの端部との間に挟持され
て、前記駆動ピストンとブレーキシューの端部との間で
の押圧力伝達手段として機能するアンカーピンと、前記
圧力室と隔設されてマスタシリンダりに連通する制御室
と、前記駆動ピストンと並列配置になるように基端側を
前記制御室に臨ませて配置されると共に、前記制御室に
臨む基端面には該制御室と前記圧力室とを連通させる流
路が開設された制御ピストンと、一端側に前記駆動ピス
トンの先端側に位置してアンカーピンを介して前記ブレ
ーキシューからのアンカー反力を受ける反力受け部が設
けられると共に他端側には前記制御ピストンの先端部に
当接する反力出力部が設けられて、前記ブレーキシュー
から駆動ピストンに伝達されるアンカー反力を所定の比
率で低減させて前記制御ピストンの先端部に作用させる
てこ部材と、前記制御ピストンが前記てこ部材の押圧力
により制御室内に押し込まれた時に前記制御ピストンの
基端面に開口している流路に圧接されて該流路を塞いで
前記圧力室への作動液の流入を防止するように、前記制
御室内に弾性支持された弁体と、前記制御ピストンと該
制御ピストンを摺動自在に保持するシリンダボディの内
壁との間の隙間を塞ぐように装備されて、一端側に作用
する圧力室側の液圧よりも他端側に作用する制御室内の
液圧が低くなると、圧力室側の作動液を制御室側に逃が
すシール部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】そして、以上の構成によれば、非作動時に
は、制御室内に弾性支持された弁体が制御ピストンに形
成された流路を開いていて、圧力室及び制御室相互が連
通している状態にあり、ブレーキ操作によってマスタシ
リンダから液圧が供給されれば、即座にその液圧が圧力
室に供給される。そして、ブレーキ操作によってマスタ
シリンダからの液圧が制御室及び制御ピストン上の流路
を経由して圧力室に供給されると、駆動ピストンが圧力
室から押し出され、プライマリ・シュー及びセカンダリ
・シューの端部をアンカーピンを介して押圧する。
【0010】そして、駆動ピストンによって端部を押圧
された各ブレーキシューは、拡開してドラムに押し付け
られて、制動力を発生させる。この制動時には、セカン
ダリ・シューから、ブレーキ効力に応じた大きさのアン
カー反力が、アンカーピンを介して、駆動ピストンに伝
えられる。そして、ブレーキ効力が大きくなって、アン
カー反力によってアンカーピンが一定以上押し戻される
と、アンカーピンは駆動ピストンだけでなく、てこ部材
の一端も押圧するようになる。
【0011】そして、てこ部材に伝えられたアンカー反
力は、マスタシリンダの液圧によって進出状態にある制
御ピストンを押し戻す向きの力となって、制御ピストン
に作用する。従って、アンカー反力がマスタシリンダか
らの入力に対して所定の倍率に達すると、てこ部材を介
して制御ピストンに作用するアンカー反力によって制御
ピストンが制御室内に押し戻される。
【0012】アンカー反力によって制御室内に押し戻さ
れた制御ピストンは、その基端部に開口した流路に弁体
が弾性接触することにより圧力室に連通している流路が
閉じられ、圧力室を密閉状態にして、駆動ピストンに作
用している圧力室の液圧を一定に保つ。このように圧力
室が密閉された状態での制動状況下で、ブレーキ効力が
低下すると、てこ部材を介して制御ピストンに作用して
いたアンカー反力が弱まり、マスタシリンダからの液圧
によって制御ピストンが再び進出方向に押し出されるた
め、弁体による流路の閉塞が解除され、制御室から制御
ピストン上の流路を経て圧力室への液圧供給が再開され
る。以上のように、制御ピストンがアンカー反力に応じ
て圧力室への液圧供給を制御するため、ホイールシリン
ダは、マスタシリンダからの入力に対して一定倍率のア
ンカー反力を安定して受けることが可能になる。
【0013】また、制御ピストンの流路が弁体によって
閉塞されて圧力室が密閉された液圧保持状態のときに、
何らかの要因(例えば、ドラムの振れ等)により、圧力
室内の液圧が上昇し、それによって、駆動ピストンによ
るブレーキシューの押圧が強まると、ブレーキの効きが
強まり、いわゆるブレーキの効きの変動という不都合が
起こる。しかし、本発明のホイールシリンダでは、制御
ピストンの流路が弁体によって閉塞されて圧力室が密閉
された液圧保持状態のときに、何らかの要因により圧力
室内の液圧が上昇して、圧力室内の液圧が制御室内の液
圧よりも高くなると、制御ピストンの周囲の隙間に装備
されたシール部材が、圧力室内の作動液を制御室側に逃
がして、圧力室内の液圧上昇を制圧して、ブレーキの効
きの変動を抑える。
【0014】また、制御ピストンの流路が弁体によって
閉塞されて圧力室が密閉された液圧保持状態のときに、
ブレーキ操作が解除されてマスタシリンダから制御室へ
の液圧供給が解除された場合も、相対的に圧力室内の液
圧が制御室内の液圧よりも高くなる状態になるため、制
御ピストンの周囲の隙間に装備されたシール部材が、圧
力室内の作動液を制御室側に逃がして、圧力室内の液圧
を降下させる。即ち、ブレーキ操作の解除により制御室
の圧力が低下すれば、弁体によって制御ピストンの流路
が閉じられている状態にあっても、制御ピストンの周囲
に装備したシール部材により速やかに圧力室内の液圧が
降下して、一対の駆動ピストンの液圧による押し出しを
解除することができる。
【0015】換言すれば、本発明のホイールシリンダ
は、制動動作時における圧力室への作動液の給排機能
を、前記制御ピストンに形成された流路を閉じることに
よって圧力室への作動液の流入を制限してアンカー反力
を一定倍率に保持する弁体と、マスタシリンダ側の動作
圧に応じて圧力室内の液圧を降下させる逆止弁としての
機能を持たせたシール部材とに分担させるようにしたも
のである。
【0016】そして、このように機能分担させること
で、前記弁体を制御ピストンの流路に押し付けるように
付勢するばね材は、流路の開放時の応答性を考慮せず
に、前記流路を閉塞した時のシール性の向上、安定性の
向上を重視して、付勢力を大きく設定することができ、
弁体を付勢するばね材の付勢力をこのように強めに設定
することで、制御ピストンの流路に対する弁体の密着力
が高まり、前記弁体によって流路を閉塞した密閉状態を
より安定して保持することが可能になる。そして、更に
は、前記弁体としては、ばね材の強い付勢力で流路との
密着力が高められるため、密着性を高めるためにゴム材
で弁体を形成する必要がなくなる。従って、弁体を機械
的強度の高い金属材料等で形成して、良好なシール性能
を確保すると同時に、耐久性を向上させ、ホイールシリ
ンダとしての動作信頼性を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るドラムブレー
キ装置の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明
する。図1乃至図5は本発明に係るドラムブレーキ装置
の一実施形態を示したもので、図1はドラムブレーキ装
置の非作動時の状態を示す要部断面図、図2は同ドラム
ブレーキ装置の概略構成を示す斜視図、図3は同ドラム
ブレーキ装置においてアンカー反力が所定の倍率以下の
時の動作を示す要部断面図、図4は図1に示したてこ部
材によるてこ動作の説明図、図5は同ドラムブレーキ装
置においてアンカー反力が所定の倍率を超えたときの動
作を示す要部断面図である。
【0018】このドラムブレーキ装置1は、所謂デュオ
サーボ式と呼ばれるもので、図2にも示すように、円筒
形のドラム内の空間に対向配備されるプライマリ・シュ
ー3とセカンダリ・シュー4との一対のブレーキシュー
3、4と、これらの一対のブレーキシュー3、4の一方
の対向端間に配設されて各ブレーキシュー3、4を拡開
するホイールシリンダ5と、これらの一対のブレーキシ
ュー3、4の他方の対向端間に配設されてプライマリ・
シュー3の出力をセカンダリ・シュー4に入力するアジ
ャスタ(リンク機構)6と、これらの構成部材を支持す
るバッキングプレート7とを備えている。
【0019】一対のブレーキシュー3、4は、図1に示
すように、ドラムの内周面に沿う円弧板状のリム3a、
4aと、これらのリム3a、4aから内径側に張り出し
たウェブ3b、4bと、前記リム3a、4aの外周に貼
着されたライニング3c、4cとからなる。そして、そ
れぞれのブレーキシュー3、4は、ドラムの内周面に向
かって進退可能に、バッキングプレート7に取り付けら
れている。また、バッキングプレート7上の一対のブレ
ーキシュー3、4の互いに対向した各端部同士は、リタ
ーンスプリング8a、8b、9によって、互いに接近す
る方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されて
いる。
【0020】前記バッキングプレート7上には、駐車ブ
レーキを構成するストラットや、パーキングレバーも組
込まれ、前記一対のブレーキシュー3、4は前記パーキ
ングレバーの操作によってもドラムに押圧可能にされて
いる。
【0021】前記アジャスタ6は、各ブレーキシュー
3、4のライニング3c、4cの摩耗の進行に応じて、
これらのブレーキシュー3、4の端部間の間隔を調整す
るものである。アジャスタスプリング11aにより先端
がアジャスタ6上の調整用歯車に当接されたアジャスタ
レバー11bの動作で、ブレーキシュー3、4の端部間
の間隔を自動調整するように構成されている。
【0022】前記ホイールシリンダ5は、ブレーキの効
きの安定性が低いという従来のデュオサーボ式のドラム
ブレーキ装置の難点を解消するべく、工夫を凝らしたも
のである。
【0023】具体的には、前記ホイールシリンダ5は、
圧力室10に臨んで対向配置されて該圧力室10に供給
される液圧によって各ブレーキシュー3、4の端部に向
けて進退駆動される一対の駆動ピストン12、13と、
これらの各駆動ピストン12、13の先端面12a、1
3aに対向するブレーキシュー3、4の端部と前記先端
面12a、13aとに挟持されて前記駆動ピストン1
2、13とブレーキシュー3、4の端部との間での押圧
力伝達手段として機能するアンカーピン15と、前記圧
力室10よりもドラムの中心側に寄った位置に装備され
てブレーキ操作に応じた液圧を発生するマスタシリンダ
(M/C)からの液圧を供給口16aより受ける制御室
16と、該制御室16内に装備されて前記圧力室10及
び制御室16相互を連通する流路18を開閉する弁体2
0と、前記一対の駆動ピストン12、13よりもドラム
の中心側でこれらの駆動ピストン12、13と並列配置
になるように基端側を前記制御室16に臨ませて対向配
置された一対の制御ピストン22、23と、この一対の
制御ピストン22、23や一対の駆動ピストン12、1
3を摺動可能に支持すると共に前述の圧力室10及び制
御室16を提供しているシリンダボディ24と、一端が
前記駆動ピストン12、13の先端部側に位置すると共
に他端が前記制御ピストン22、23の先端側に位置し
てブレーキシューから駆動ピストン12、13に作用す
るアンカー反力を制御ピストン22、23に伝達するて
こ部材25とを備えた構成からなる。
【0024】各駆動ピストン12、13は、その外周の
シール溝に装備された環状のシール部材27により、前
記シリンダボディ24に液密に摺動可能にされている。
また、シリンダボディ24から突出している各駆動ピス
トン12、13の先端面は平坦に仕上げられている。ま
た、各駆動ピストン12、13の先端部がアンカーピン
15を介して各ブレーキシュー3、4に当接した状態が
維持されるように、これらの駆動ピストン12、13の
基端部が対向する圧力室10内には、各駆動ピストン1
2、13相互を互いに離間する方向に付勢するスプリン
グ(圧縮コイルばね)29が装備されている。なお、圧
力室10にはエアー抜き用のブリーダスクリュ30が装
備されている。
【0025】各アンカーピン15は、軸線をドラム軸方
向に向けた円柱状を成していて、外周の一側が駆動ピス
トン12、13の平坦な先端面12a、13aに当接
し、外周の他側が前記先端面12a、13aに対向して
いる各ブレーキシュー3、4の端部に形成された円弧面
3d、4dに嵌合している。即ち、アンカーピン15
は、駆動ピストン12、13の先端面12a、13a
と、各ブレーキシュー3、4の端部の凹円弧面3d、4
dとで挟持されている。
【0026】各制御ピストン22、23は、前記それぞ
れのピストンの外周部のシール溝に装備された環状のシ
ール部材51、52、53により、前記シリンダボディ
24に液密に摺動可能にされている。これらの制御ピス
トン22、23の基端部相互は、前記制御室16内に装
備されたスプリング(圧縮コイルばね)32によって互
いに離間する方向に付勢されており、先端側に形成した
段差22a、23aをシリンダボディ24に連結固定さ
れているアンカープレート34、35に当接すること
で、突出量が規制されている。以上の各制御ピストン2
2、23は、前述のてこ部材25を介して先端側に作用
する押圧力F2 が基端側に作用する液圧よりも大きくな
ると、制御室16側に押し戻されて、前記弁体20によ
り流路18が閉じられた状態になる。
【0027】前記てこ部材25の一端部は、前記駆動ピ
ストン12、13の先端部の両側に延びる二股状になっ
ている。そして、このてこ部材25の二股状の一端部の
一側には、アンカー反力によって駆動ピストン12、1
3側に押圧変位した前記アンカーピン15の外周面が接
触する凹円弧面状(この一実施形態の場合は、ドラムの
軸方向に軸線を持つ円筒面状)の反力受け部36が形成
されている。さらに、このてこ部材25の二股状の一端
部の他側には、前記反力受け部36よりもドラムの径方
向外側となる位置でアンカープレート34、35上の円
筒曲面34a、35aに回転自在に接触して揺動支点と
なる凸曲面部(この一実施形態の場合は、ドラムの軸方
向に軸線を持つ円筒面)37とが装備されている。
【0028】前記アンカープレート34、35は、シリ
ンダボディ24よりも耐摩耗性が高い金属材料で形成し
たもので、凸曲面部37との摩擦抵抗が小さくなるよう
に、表面は滑らかに仕上げられている。このアンカープ
レート34、35は、前記てこ部材25の端部との接触
摩擦で、シリンダボディ24が摩耗することを防止する
ためのものである。
【0029】また、てこ部材25の他端部には、前記制
御ピストン22、23の先端面に当接する凸曲面状(こ
の一実施形態の場合は、ドラムの軸方向に軸線を持つ円
筒面)の反力出力部38が装備されている。以上の構成
により、各てこ部材25は、図1及び図4に示すよう
に、前記凸曲面部37とアンカープレート34、35と
の接点を揺動支点Pとして、アンカーピン15との接点
Cに作用するアンカー反力F1 によって揺動動作する。
該てこ部材25は、接点Cに作用するアンカー反力F1
を所定の比率に減じて、制御ピストン22、23と反力
出力部38との接点Oに出力する。接点Cに作用するア
ンカー反力F1 を減じる比率は、揺動支点Pから、各作
用点C、Oまでの距離L1 、L2 に応じたもので、該て
こ部材25から制御ピストン22、23に作用するアン
カー反力F2 は、(L1 /L2 )F1 となる。
【0030】前記弁体20は、球状をなしている。ま
た、前記制御室16と圧力室10とを連通させる流路
は、一方の制御ピストン22に穿設された流路18と、
該流路18に連なるようにシリンダボディ24に穿設さ
れた連絡流路19とから構成されている。前記制御ピス
トン22に穿設された流路18は、前記制御ピストン2
2の基端面に開口していて、この開口部には、前記弁体
20が着座するすり鉢形の弁座41が形成されている。
【0031】前記弁体20は、略円筒状のホルダ43に
摺動自在に収容保持されている。このホルダ43は、弁
体20が抜けでないように先端側を縮径させており、基
端側には鍔部43aが装備されている。そして、このホ
ルダ43は、一対の制御ピストン22、23を互いに離
間する方向に付勢しているスプリング32によって制御
ピストン23の基端面に当接されているガイド筒45に
よって制御ピストン22側に所定距離だけ進退可能に保
持されている。
【0032】また、ホルダ43内には、前記弁体20を
弾性支持するバルブスプリング42が装備されている。
このバルブスプリング42は、前記ホルダ43内に圧縮
状態で装着されていて、弁体20及びホルダ43が制御
ピストン22側に最大限に突出するように付勢してい
る。アンカー反力が所定以下の場合には、前記弁体20
が弁座41から離間した状態が保持されるように、ホル
ダ43やガイド筒45の各部の寸法が設定されている。
即ち、前記弁体20は、前記制御ピストン22が前記て
こ部材25の押圧力により制御室16内に押し込まれた
時に、前記制御ピストン22の基端面に開口している弁
座41に圧接されて、該流路18を塞いで前記圧力室1
6への作動液の流入を防止するように、前記制御室16
内に弾性支持されている。
【0033】また、前記制御ピストン22の外周には、
該制御ピストン22を摺動可能に支持しているシリンダ
内壁24aと制御ピストン22の外周との間に前記圧力
室10に連通した補助液室47を画成すると共に、該制
御ピストン22が前記制御室16側に変位した時に前記
補助液室47の容積を増大させる段差部49が装備され
ている。
【0034】更に、前記制御ピストン22と該制御ピス
トン22を摺動自在に保持するシリンダ内壁24aとの
間の隙間を塞ぐように装備されたシール部材51、52
の内、前記制御室16と連絡流路19との間に位置する
シール部材52には、図3にも示すように、シリンダ内
壁24aに接触する外周リップ部52aと、該外周リッ
プ部52aに所定の弾性を付与するべく一側に形成され
た窪み52bとを有した構造を成す所謂カップシールが
使用されている。そして、このシール部材52は、前記
窪み52bを制御室16側に向けた姿勢で制御ピストン
22に装着されていて、他端側に作用する圧力室10の
液圧よりも一端側に作用する制御室16内の液圧が低く
なると、圧力室10の作動液を制御室16に逃がす逆止
弁として機能する。
【0035】以上のホイールシリンダ5では、車両の前
進時には、ドラムが図1中の矢印(イ)方向に回転駆動
されるとして、セカンダリ・シューとして機能するブレ
ーキシュー4側のてこ部材25が、アンカー反力を制御
ピストン23に伝達する。後進時には、ブレーキシュー
3がセカンダリ・シューとして機能して、該ブレーキシ
ュー3側のてこ部材25がアンカー反力を制御ピストン
22に伝達することになる。
【0036】そして、非作動時には、図1に示すよう
に、制御室16内に弾性支持された弁体20が制御ピス
トン22に形成された流路18を開いて、圧力室10及
び制御室16相互が連通する状態にあり、ブレーキ操作
によってマスタシリンダから液圧が供給されれば、即座
にその液圧が圧力室10に供給される。そして、ブレー
キ操作によってマスタシリンダからの液圧が制御室16
及び制御ピストン22上の流路18を経由して圧力室1
0に供給されると、一対の駆動ピストン12、13が圧
力室10から押し出され、プライマリ・シュー及びセカ
ンダリ・シューの端部をアンカーピン15を介して押圧
する。
【0037】そして、駆動ピストン12、13によって
端部を押圧された各ブレーキシューは、拡開してドラム
に押し付けられて、制動力を発生させる。この制動時に
は、セカンダリ・シューから、ブレーキ効力に応じた大
きさのアンカー反力が、アンカーピン15を介して、駆
動ピストン12、13に伝えられる。そして、ブレーキ
効力が大きくなって、アンカー反力によってアンカーピ
ン15が一定以上押し戻されると、アンカーピン15は
駆動ピストン12、13だけでなく、てこ部材25の一
端も押圧するようになる。
【0038】そして、てこ部材25に伝えられたアンカ
ー反力F1 は、マスタシリンダの液圧によって進出状態
にある制御ピストン22を押し戻す向きの力となって、
制御ピストン22に作用する。従って、アンカー反力が
マスタシリンダからの入力に対して所定の倍率に達する
と、てこ部材25を介して制御ピストン22に作用する
押圧力F2 によって制御ピストン22が制御室16内に
押し戻される。
【0039】アンカー反力によって制御室16内に押し
戻された制御ピストン22は、その基端部に開口した流
路18に弁体20が弾性接触することにより圧力室10
に連通する流路18が閉じられ、圧力室10を密閉状態
にして、駆動ピストン12、13に作用している圧力室
10の液圧を一定に保つ。このように圧力室10が密閉
された状態での制動状況下で、ブレーキ効力が低下する
と、てこ部材25を介して制御ピストン22に作用して
いたアンカー反力が弱まり、マスタシリンダからの液圧
によって制御ピストン22が再び進出方向に押し出され
るため、弁体20による流路18の閉塞が解除され、制
御室16から制御ピストン22上の流路18を経て圧力
室10への液圧供給が再開される。以上のように、制御
ピストン22がアンカー反力に応じて圧力室10への液
圧供給を制御するため、ホイールシリンダ5は、マスタ
シリンダからの入力に対して一定倍率のアンカー反力を
安定して受けることが可能になる。
【0040】即ち、以上の一実施形態のドラムブレーキ
装置1は、基本的には、デュオサーボ式のドラムブレー
キ装置であることから、デュオサーボ式が特徴であるブ
レーキ効力が高く、駐車ブレーキの組み込みが容易であ
るという長所は、そのまま保有する。
【0041】また、ホイールシリンダ5に工夫が凝らさ
れており、セカンダリ・シュー4のアンカー反力がマス
タシリンダからの入力に対して所定の倍率に達すると、
てこ部材25を介してこのアンカー反力を先端に受けて
いる制御ピストン22が制御室16側に変位して、マス
タシリンダから圧力室10への流路18を開閉する弁体
20を閉じて、プライマリ・シュー3やセカンダリ・シ
ュー4を押圧している一対の駆動ピストン12、13に
作用している液圧を一定に保つ。そのため、入力に対し
て一定倍率のアンカー反力を安定して得られるようにな
り、従来のデュオサーボ式が保有していたブレーキの効
きの安定性が低いという重大な問題を解消することがで
きる。
【0042】また、制御ピストン22によって圧力室1
0が密閉された液圧保持状態のときに、何らかの要因
(例えば、ドラムの振れ等)により、圧力室10内の液
圧が上昇し、それによって、駆動ピストン12、13に
よるブレーキシューの押圧が強まると、ブレーキの効き
が強まり、いわゆるブレーキの効きの変動という不都合
が起こる。しかし、本発明のホイールシリンダ5では、
制御ピストン22の流路18が弁体20によって閉塞さ
れて圧力室10が密閉された液圧保持状態のときに、何
らかの要因により圧力室10内の液圧が上昇して、圧力
室10内の液圧が制御室16内の液圧よりも高くなる
と、制御ピストン22の周囲の隙間に装備されたシール
部材52が、圧力室10内の作動液を制御室16側に逃
がして、圧力室10内の液圧上昇を鎮圧して、ブレーキ
の効きの変動を抑える。
【0043】さらに、万が一、圧力室10が密閉された
液圧保持状態のときに、何らかの要因により圧力室10
内の液圧が上昇して、駆動ピストン12によるブレーキ
シュー3の押圧が強まったとしても、その時には、同時
に、てこ部材25を介して制御ピストン22に作用する
押圧力が増大して、制御ピストン22が更に制御室16
側に押圧駆動されることになり、図5に示すように、こ
の制御ピストン22の挙動によって圧力室10に連通し
た補助液室47の容積が増大する。そして、この補助液
室47の容積増大は、圧力室10の実質的な容積を増大
させて、圧力室10の液圧上昇を抑制して、ブレーキの
効きの変動を抑える。
【0044】従って、液圧保持状態のときには、ドラム
の振れ等によって圧力室10内の液圧が上昇しても、そ
の液圧の上昇分は、シール部材52による減圧動作ある
いは制御ピストン22の応答で速やかに抑制されて、い
わゆるブレーキの効きの変動という不都合が起こらず、
安定したブレーキの効きを維持することができる。従っ
て、ブレーキ効力が高く、しかも、ブレーキの効きの安
定性も高く、また、駐車ブレーキの組み込みも容易であ
り、マスタシリンダの倍力装置の小型化等によりブレー
キシステムの小型化やコスト低減を図ることができる。
【0045】また、制御ピストン22によって圧力室1
0が密閉された液圧保持状態のときに、ブレーキ操作が
解除されてマスタシリンダから制御室16への液圧供給
が解除された場合も、相対的に圧力室10内の液圧が制
御室16内の液圧よりも高くなる状態になるため、制御
ピストン22の周囲の隙間に装備されたシール部材52
が、圧力室10内の作動液を制御室16側に逃がして、
圧力室10内の液圧を降下させる。即ち、ブレーキ操作
の解除により制御室16の圧力が低下すれば、弁体20
によって制御ピストン22の流路18が閉じられている
状態にあっても、制御ピストン22の周囲に装備したシ
ール部材52により速やかに圧力室10内の液圧が降下
して、一対の駆動ピストン12、13の液圧による押し
出しを解除することができる。
【0046】換言すれば、本発明のホイールシリンダ5
は、制動動作時における圧力室10への作動液の給排機
能を、前記制御ピストン22に形成された流路18を閉
じることによって圧力室10への作動液の流入を制限し
てアンカー反力を一定倍率に保持する弁体20と、マス
タシリンダ側の動作圧に応じて圧力室10内の液圧を降
下させる逆止弁としての機能を持たせたシール部材52
とに分担させるようにしたものである。
【0047】そして、このように機能分担させること
で、前記弁体20を制御ピストン22の流路18に押し
付けるように付勢するばね材は、流路18の開放時の応
答性を考慮せずに、前記流路18を閉塞した時のシール
性の向上、安定性の向上を重視して、付勢力を大きく設
定することができ、弁体20を付勢するばね材の付勢力
をこのように強めに設定することで、制御ピストン22
の流路18に対する弁体20の密着力が高まり、前記弁
体20によって流路18を閉塞した密閉状態をより安定
して保持することが可能になる。そして、更には、前記
弁体20としては、ばね材の強い付勢力で流路18との
密着力が高められるため、密着性を高めるためにゴム材
で弁体20を形成する必要がなくなる。従って、弁体2
0を機械的強度の高い金属材料等で形成して、良好なシ
ール性能を確保すると同時に、耐久性を向上させ、ホイ
ールシリンダ5としての動作信頼性を向上させることが
できる。
【0048】なお、前述した構成では、弁体20が作動
するサーボ比は、制御室16に臨む制御ピストン22、
23の受圧面積と、これらの制御ピストン22、23に
アンカー反力を伝えるてこ部材25のてこ比の変更によ
り任意値に設定することができ、車種等に応じた制動特
性の設計変更にも、簡単に対応することができる。
【0049】また、てこ部材25は、ブレーキシューか
ら入力するアンカー反力を大幅に低減させて各制御ピス
トン22、23に入力させることができ、換言すれば、
前記てこ部材25によるてこ比を適宜に設定すること
で、制御室16に臨む制御ピストン22、23の受圧面
積は極めて小さくすることが可能で、該制御ピストン2
2、23のコンパクト化により、ホイールシリンダ5の
小型化やブレーキ装置の小型化をより容易することがで
きる。
【0050】また、アンカーピン15を介してブレーキ
シュー3、4の端部を押圧する駆動ピストン12、13
の端面は平坦面とされていて、アンカーピン15と駆動
ピストン12、13との接触が、円周面と平坦面の組み
合わせとなるため、アンカーピン15と駆動ピストン1
2、13の端面との間にこじり力が発生することがな
く、動作信頼性も向上する。
【0051】
【発明の効果】本発明のドラムブレーキ装置は、基本的
には、デュオサーボ式のドラムブレーキ装置であること
から、デュオサーボ式が特徴であるブレーキ効力が高
く、駐車ブレーキの組み込みが容易であるという長所
は、そのまま保有する。また、制動動作時に一対のブレ
ーキシューの一方の対向端間を拡開するホイールシリン
ダに工夫が凝らされており、セカンダリ・シューのアン
カー反力がマスタシリンダからの入力に対して所定の倍
率に達すると、アンカーピン及びてこ部材を介してこの
アンカー反力を先端に受けている制御ピストンが制御室
側に変位して、マスタシリンダから圧力室への作動液を
供給する流路を弁体により閉じて、プライマリ・シュー
やセカンダリ・シューを押圧している一対の駆動ピスト
ンに作用している液圧を一定に保つ。そのため、入力に
対して一定倍率のアンカー反力を安定して得られるよう
になり、従来のデュオサーボ式が保有していたブレーキ
の効きの安定性が低いという重大な問題を解消すること
ができる。
【0052】また、圧力室への流路が弁体によって閉じ
られて圧力室が密閉された液圧保持状態のときに、何ら
かの要因(例えば、ドラムの振れ等)により、圧力室内
の液圧が上昇し、それによって、駆動ピストンによるブ
レーキシューの押圧が強まると、ブレーキの効きが強ま
り、いわゆるブレーキの効きの変動という不都合が起こ
る。しかし、本発明のホイールシリンダでは、圧力室へ
の流路が弁体によって閉じられて圧力室が密閉された液
圧保持状態のときに、何らかの要因により圧力室内の液
圧が上昇して、圧力室内の液圧が制御室内の液圧よりも
高くなると、制御ピストンの周囲の隙間に装備されたシ
ール部材が、圧力室内の作動液を制御室側に逃がして、
圧力室内の液圧上昇を抑制して、ブレーキの効きの変動
を抑えることができる。
【0053】また、制御ピストンの流路が弁体によって
閉塞されて圧力室が密閉された液圧保持状態のときに、
ブレーキ操作が解除されてマスタシリンダから制御室へ
の液圧供給が解除された場合も、相対的に圧力室内の液
圧が制御室内の液圧よりも高くなる状態になるため、制
御ピストンの周囲の隙間に装備されたシール部材が、圧
力室内の作動液を制御室側に逃がし、弁体によって制御
ピストンの流路が閉じられている状態にあっても、圧力
室内の液圧を速やかに降下させることができる。
【0054】即ち、本発明のホイールシリンダでは、前
記弁体を制御ピストンの流路に押し付けるように付勢す
るばね材は、流路の開放時の応答性を考慮せずに、前記
流路を閉塞した時のシール性の向上、安定性の向上を重
視して、付勢力を大きく設定することができ、弁体を付
勢するばね材の付勢力をこのように強めに設定すること
で、制御ピストンの流路に対する弁体の密着力が高ま
り、前記弁体によって流路を閉塞した密閉状態をより安
定して保持することが可能になる。そして、更には、前
記弁体としては、ばね材の強い付勢力で流路との密着力
が高められるため、密着性を高めるためにゴム材で弁体
を形成する必要がなくなる。従って、弁体を機械的強度
の高い金属材料等で形成して、良好なシール性能を確保
すると同時に、耐久性を向上させ、ホイールシリンダと
しての動作信頼性を向上させることができる。
【0055】さらに、本発明のドラムブレーキ装置で
は、弁体が作動するサーボ比は、制御室に臨む制御ピス
トンの受圧面積と、これらの制御ピストンにアンカー反
力を伝えるてこ部材のてこ比の変更により任意値に設定
することができ、車種等に応じた制動特性の設計変更に
も、簡単に対応することができる。また、てこ部材の使
用により、ブレーキシューから入力するアンカー反力は
大幅に低減させて各制御ピストンに入力させることがで
き、前記てこ部材によるてこ比を適宜に設定すること
で、制御室に臨む制御ピストンの受圧面積は極めて小さ
くすることが可能で、該制御ピストンのコンパクト化に
より、ホイールシリンダの小型化やブレーキ装置の小型
化をより容易することができる。また、アンカーピンを
介してブレーキシューの端部を押圧する駆動ピストンの
端面は平坦面とされていて、アンカーピンと駆動ピスト
ンとの接触が、円周面と平坦面の組み合わせとなるた
め、アンカーピンと駆動ピストンの端面との間にこじり
力が発生することがなく、動作信頼性も向上する。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施形態
の非作動時の状態を示す要部断面図である。
【図2】本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施形態
の概略構成を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施形態
においてアンカー反力が所定の倍率以下の時の動作を示
す要部断面図である。
【図4】本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施形態
に装備したてこ部材によるてこ動作の説明図である。
【図5】本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施形態
においてアンカー反力が所定の倍率を超えたときの動作
を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 ドラムブレーキ装置 3 プライマリ・シュー(ブレーキシュー) 4 セカンダリ・シュー(ブレーキシュー) 5 ホイールシリンダ 7 バッキングプレート 10 圧力室 12、13 駆動ピストン 15 アンカーピン 16 制御室 16a 供給口 18 流路 20 弁体 22、23 制御ピストン 24 シリンダボディ 24a シリンダ内壁 25 てこ部材 29、32、42 スプリング(ばね材) 34、35 アンカープレート 36 反力受け部 37 凸曲面部 38 反力出力部 41 弁座 43 ホルダ 45 ガイド筒 47 補助液室 49 段差部 52 シール部材(カップシール)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形のドラム内空間に対向配備される
    プライマリ・シューとセカンダリ・シューとの一対のブ
    レーキシューと、これらの一対のブレーキシューの一方
    の対向端間に配設されたホイールシリンダとを有するド
    ラムブレーキ装置であって、 前記ホイールシリンダが、 圧力室に供給される液圧によって前記ブレーキシューを
    ドラムに押圧する駆動ピストンと、 軸線をドラム軸方向に向けた円柱状を成すと共に、該駆
    動ピストンとブレーキシューの端部との間に挟持され
    て、前記駆動ピストンとブレーキシューの端部との間で
    の押圧力伝達手段として機能するアンカーピンと、 前記圧力室と隔設されてマスタシリンダに連通する制御
    室と、 前記駆動ピストンと並列配置になるように基端側を前記
    制御室に臨ませて配置されると共に、前記制御室に臨む
    基端面には該制御室と前記圧力室とを連通させる流路が
    開設された制御ピストンと、 一端側に前記駆動ピストンの先端側に位置してアンカー
    ピンを介して前記ブレーキシューからのアンカー反力を
    受ける反力受け部が設けられると共に他端側には前記制
    御ピストンの先端部に当接する反力出力部が設けられ
    て、前記ブレーキシューから駆動ピストンに伝達される
    アンカー反力を所定の比率で低減させて前記制御ピスト
    ンの先端部に作用させるてこ部材と、 前記制御ピストンが前記てこ部材の押圧力により制御室
    内に押し込まれた時に前記制御ピストンの基端面に開口
    している流路に圧接されて該流路を塞いで前記圧力室へ
    の作動液の流入を防止するように、前記制御室内に弾性
    支持された弁体と、 前記制御ピストンと該制御ピストンを摺動自在に保持す
    るシリンダボディの内壁との間の隙間を塞ぐように装備
    されて、一端側に作用する圧力室側の液圧よりも他端側
    に作用する制御室内の液圧が低くなると、圧力室側の作
    動液を制御室側に逃がすシール部材とを備えたことを特
    徴とするドラムブレーキ装置。
JP9158726A 1997-06-16 1997-06-16 ドラムブレーキ装置 Withdrawn JPH112260A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9158726A JPH112260A (ja) 1997-06-16 1997-06-16 ドラムブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9158726A JPH112260A (ja) 1997-06-16 1997-06-16 ドラムブレーキ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH112260A true JPH112260A (ja) 1999-01-06

Family

ID=15678001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9158726A Withdrawn JPH112260A (ja) 1997-06-16 1997-06-16 ドラムブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH112260A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11093502B2 (en) 2008-05-28 2021-08-17 International Business Machines Corporation Table partitioning and storage in a database
CN114838065A (zh) * 2022-07-04 2022-08-02 徐州徐工筑路机械有限公司 一种平地机用无石棉可调间隙制动器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11093502B2 (en) 2008-05-28 2021-08-17 International Business Machines Corporation Table partitioning and storage in a database
CN114838065A (zh) * 2022-07-04 2022-08-02 徐州徐工筑路机械有限公司 一种平地机用无石棉可调间隙制动器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6186294B1 (en) Drum brake
JP5076187B2 (ja) ドラムブレーキ装置
US5964324A (en) Drum brake
JPH0676062B2 (ja) 液圧式ブレーキ作動機
JPH112260A (ja) ドラムブレーキ装置
JPH10246254A (ja) ドラムブレーキ装置
US8235189B2 (en) Drum brake apparatus
JP3739878B2 (ja) ドラムブレーキ装置
JP2000205308A (ja) 開閉弁機構
JP5656729B2 (ja) 車両用キャリパブレーキ装置
JPH1163032A (ja) ドラムブレーキ装置
JP3860884B2 (ja) ドラムブレーキ装置
JP4067647B2 (ja) ドラムブレーキ装置
JPH11303904A (ja) ドラムブレーキ装置のホイールシリンダ
JPH11201197A (ja) ドラムブレーキ装置
US6290036B1 (en) Drum brake device
JP3976103B2 (ja) ドラムブレーキ装置のホイールシリンダ
JP3000835B2 (ja) ディスクブレーキ装置
US4503954A (en) Drum brake with controlled torque and torque control valve for such a brake
KR940008815B1 (ko) 브레이크 배력장치를 위한 반응기구
JPH1047393A (ja) ドラムブレーキ装置
JPH07233823A (ja) 自動車用液圧ブレーキ装置
JPH1122757A (ja) ドラムブレーキ装置
JP2000329176A (ja) ドラムブレーキ装置のホイールシリンダ
JP2002188669A (ja) クリアランスのアジャスタ機構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040415

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060324

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060526