JPH11225395A - スピーカ用ダンパーとその製造法およびこれを用いたスピーカ - Google Patents

スピーカ用ダンパーとその製造法およびこれを用いたスピーカ

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JPH11225395A
JPH11225395A JP2573798A JP2573798A JPH11225395A JP H11225395 A JPH11225395 A JP H11225395A JP 2573798 A JP2573798 A JP 2573798A JP 2573798 A JP2573798 A JP 2573798A JP H11225395 A JPH11225395 A JP H11225395A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は各種音響機器に使用されるスピーカ
を構成するスピーカ用ダンパーとその製造法およびこれ
を用いたスピーカに関するものであり、力−変位特性の
直線性を確保し、過大な振幅による異常音の改善やスピ
ーカ用ダンパー自体の破断を防止するものである。 【解決手段】 本発明はスピーカ用ダンパーの内周部の
波型4(4a,4b,・・)の高さを等しく、幅を半径
に略比例して外径に至る程に広くし、環状の凸又は凹の
波型の径方向単位長さ当たりの柔軟度を略等しくすると
ともに、最外周部の波型4nの幅を狭くすることによっ
て、内周部の柔軟度を略均一にして直線性を向上し、最
外周の柔軟度を内周部より小さくして過大な振幅による
異常音の改善やスピーカ用ダンパー自体の破断を防止す
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種音響機器に使用
されるスピーカを構成する支持部材としてのスピーカ用
ダンパーとその製造法およびこれを用いたスピーカに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】最近のスピーカは小型高性能化のトレン
ドのもと、高品質ソースの普及とともに重低音再生が可
能なものが求められている。小口径で重低音再生を可能
にするためには、支持系の柔軟度を大きくしてスピーカ
の振動板を大きく振動させ、体積速度を大きくする必要
があり、微小な入力から大きな入力に至るまでボイスコ
イルボビンに発生する駆動力に対して直線性のよい振幅
を与える振動系支持部品、例えばスピーカ用ダンパーな
どが望まれている。
【0003】まず、従来のスピーカについて説明する
と、図10は従来のスピーカの断面図であり、同図によ
ると、6はセンターポール6aを有するボトムプレート
6bとリング状マグネット6cとこのリング状マグネッ
ト6c上に装着され上記センターポール6aとの間で磁
気ギャップ6dを形成する上プレート6eとで構成され
た磁気回路であり、7はこの磁気回路6に装着されたフ
レームであり、8はこのフレーム7に外周部がエッジ8
aを介して結合され、内周が上記磁気ギャップ6dには
め込まれるボイスコイルボビン9に結合された振動板で
ある。
【0004】10は外周部を上記フレーム7に結合し内
周を上記ボイスコイルボビン9に結合して上記ボイスコ
イルボビン9を支持するスピーカ用ダンパーである。
【0005】ここで、従来の上記スピーカ用ダンパー1
0の詳細について、図7(a),(b)を用いて説明す
る。図7は従来のスピーカ用ダンパーの平面図と半断面
図である。同図によると、1はボイスコイルボビン9が
挿入される透孔であり、2は上記透孔1の周囲にボイス
コイルボビン9を接合するための内周縁部であり、3は
外周縁部であり、スピーカのフレーム7に接合される。
4(4a,4b,4c,・・4n)は上記内周縁部2と
外周縁部3の間で繰り返し形成され、円周方向に一周す
る凸凹の波型で、波型の形状変化で径方向の伸びを補償
するものであり、材質は一般的に比較的通気性が確保さ
れている綿布などに、熱硬化性のフェノール樹脂等を含
浸させたものが主流であり、上記材料を加熱成型して形
成するものである。
【0006】次に上述の従来のスピーカ用ダンパーの変
形メカニズムを図8,図9を用いて説明する。図8は従
来のスピーカ用ダンパーの半断面図であり、静止時の形
状aとボイスコイルボビンが−X変位した時のスピーカ
用ダンパーの形状bを重ねて表わした図であり、図9
(a),(b),(c)はスピーカ用ダンパーを等価な
板バネ構成で表わした図である。
【0007】スピーカ用ダンパー10の波型形状が内周
部から外周部に至るまで同一の場合、円周方向に単位幅
の切片において同一の柔軟度を保持していると考えられ
るが、スピーカ用ダンパー10は内径にボイスコイルボ
ビン9、外径がフレーム7に固着されているドーナツ状
であるため、模式的に表現すれば内周部に比べ外周部は
柔軟度が小さく(例えば2倍の半径の所では約2分の1
以下に)なっていると考えられる。
【0008】即ち、図9(a)は波型部の内径が2b、
外径が2aの従来のスピーカ用ダンパーに数ヵ所のスリ
ット5を追加したスピーカ用ダンパーの平面図を表わ
し、図9(b)は図9(a)のスリット5で4分割され
た1区画を薄い板で表現した図であり、左端がボイスコ
イルボビン9に接合される部分であり、その幅はπb/
2、右端はフレーム7に接着される部分で、πa/2の
幅を有する固定端であり、長さはa−bの台形形状に近
似する。図9(c)は図9(b)の幅πb/2からはみ
出した部分を折返して表現したもので、ある部分から2
枚あるいは3枚に重なった重ね板バネを構成することに
なる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の図9の模式図で
明らかなごとく、この種のスピーカ用ダンパーは外周部
になるほど柔軟度が小さく、すなわち硬くなることにな
り、振動が大きくなった場合に径方向単位長さ当たりの
振動軸方向の変位が径方向の各部位に比例均等に分散さ
れるのではなく、波型部の柔軟度の大小に対応して比較
的柔軟度の大きい内周部は径方向単位長さ当たりの振動
軸方向の変位が大きく、柔軟度の小さい外周部は径方向
単位長さ当たりの振動軸方向の変位があまりとれないも
のとなっている。
【0010】従って、従来のスピーカ用ダンパーは、 (1)ボイスコイルボビンの接合部(内周縁部)が前後
に振動しても、充分な力−変位特性の直線性が確保でき
ないとともに、大きな変位を可能にできない。 (2)大きな振動振幅を得るためにスピーカ用ダンパー
に波型を形成しているが、復元しうる繊維の収縮の範囲
で直線性のよい振幅が得られず、小口径のスピーカで重
低音を出すために過大な入力を加えて振幅値を無理に拡
大したときには、スピーカ用ダンパーの突っ張りにより
異常音が発生したり、内周部のみに振動振幅に耐え難い
変化量が起きて結果的に内周部で破断する(なお、内周
部とは外周を除く内側部分の意味で用いているが、破断
等は内周部の内で内周縁部近傍で発生するのが一般的で
ある。)。という課題を有するものである。
【0011】本発明は上記課題を解決するもので、大き
な変位と充分な力−変位特性の直線性が確保でき、過大
な振幅に対しても振幅限界における力−変位特性をソフ
トにクリップさせることによりスピーカ用ダンパーの突
っ張りによる異常音の改善ができ、かつ内周部で破断し
難いものを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のスピーカ用ダンパーは、環状の凸又は凹の波
型を径方向に繰り返して構成する波型のスピーカ用ダン
パーにおいて、少なくとも波型の幅が半径に略比例して
外径に至る程広くして、環状の凸又は凹の波型の径方向
単位長さ当たりの柔軟度を略等しくするとともに、外周
部近傍の波型のみ内周部に比べて柔軟度を低くしたもの
であり、スピーカ用ダンパーはほぼ全体の柔軟度を均一
にして外周部近傍を除く波型部分で円周が短い内周部か
ら円周が長い外周部までの各々の部位における柔軟度を
略等しく設定して比例均等に振幅値を分散させ、可撓な
部分全体で変形する構成にしたために大きな変位と、充
分な力−変位特性の直線性が確保でき、また、過大な振
幅に対しては外周近傍の波型部分で振幅限界における力
−変位特性をソフトにクリップさせることによりスピー
カ用ダンパーの突っ張りによる異常音の改善ができ、か
つ内周部で破断し難い構成とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、環状の凸又は凹の波型を径方向に繰り返して構成さ
れる波型のスピーカ用ダンパーにおいて、少なくとも波
型の幅を半径に略比例して外径に至る程広くして、環状
の凸又は凹の波型の径方向単位長さ当たりの柔軟度を略
等しくするとともに、外周部近傍の波型のみ内周部に比
べて柔軟度を低くしたものであり、スピーカ用ダンパー
の変位を外周部近傍まで比例均等に変位を分散させ、可
撓な部分全体で変形するようにして大きな変位を可能に
し、過大な振幅に対しては外周部近傍の波型の柔軟度を
低くして力−変位特性をソフトにクリップさせることに
より異常音の発生や破断を防止したスピーカ用ダンパー
を提供できるものである。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のスピーカ用ダンパーの少なくとも外周部近傍の波型の
幅を狭くしたものであり、波型の幅を狭くすることで極
めて容易に内周部側の波型の柔軟度に対して柔軟度を低
く設定でき、力−変位特性をソフトにクリップさせるこ
とにより異常音の発生や破断を防止したスピーカ用ダン
パーを提供できるものである。
【0015】請求項3に記載の発明は、環状の凸又は凹
の波型を径方向に繰り返して構成する波型のスピーカ用
ダンパーにおいて、基材に小さい曲げ強度を与える第1
の熱硬化性の樹脂を含浸し、熱成型して形成された内周
部と、大きい曲げ強度を与える第2の熱硬化性の樹脂を
含浸し、熱成型して形成された外周近傍とで構成したも
のであり、外周近傍の柔軟度を内周部側の波型の柔軟度
に比べて低く設定でき、スピーカ用ダンパーの変位を外
周部近傍まで比例均等に変位を分散させ、可撓な部分全
体で変形するようにして大きな変位を可能にし、過大な
振幅に対しては請求項2と同様に力−変位特性をソフト
にクリップさせることにより異常音の発生や破断を防止
したスピーカ用ダンパーを提供できるものである。
【0016】請求項4に記載の発明は、環状の凸又は凹
の波型を径方向に繰り返して構成する波型のスピーカ用
ダンパーにおいて、基材に比較的低い温度で熱硬化し、
小さい曲げ強度を与える第1の熱硬化性の樹脂と、相対
的に高い温度で熱硬化し、大きい曲げ強度を与える第2
の熱硬化性の樹脂を混合して含浸し、内側の波型を相対
的に低い温度で熱成型し、外周部近傍の波型を高い温度
で熱成型して形成したものであり、外周部近傍の波型の
み高い温度で熱成型することにより、柔軟度を内周部側
の波型に比べて低く設定でき、スピーカ用ダンパーの変
位を外周部近傍まで比例均等に変位を分散させ、可撓な
部分全体で変形するようにして大きな変位を可能にし、
過大な振幅に対しては力−変位特性をソフトにクリップ
させることができるものである。
【0017】請求項5に記載の発明は、環状の凸又は凹
の波型を径方向に繰り返して構成される波型のスピーカ
用ダンパーにおいて、少なくとも基材に曲げ強度の小さ
い第1の熱硬化性の樹脂を含浸・乾燥する工程と、この
基材を略円形に打抜く工程と、この略円形に打抜かれた
基材の外周部に曲げ強度の大きい第1の熱硬化性樹脂よ
り高温で硬化する第2の熱硬化性の樹脂を含浸・乾燥す
る工程と、外周近傍を高温に、内周部は低い温度に加熱
された金型で成型する工程からなるものであり、外周部
の柔軟度を内周部の波型の柔軟度に比べて低くでき、ス
ピーカ用ダンパーの変位を外周部まで比例均等に変位を
分散させ、可撓な部分全体で変形するようにして大きな
変位を可能にし、過大な振幅に対しては力−変位特性を
ソフトにクリップさせることにより異常音の発生や破断
を防止したスピーカ用ダンパーを製造できるものであ
る。
【0018】請求項6に記載の発明は、少なくとも磁気
ギャップを有する磁気回路と、この磁気回路に装着され
たフレームと、外周部が直接または間接的に上記フレー
ムに結合され内周が上記磁気回路の磁気ギャップにはめ
込まれたボイスコイルボビンに結合されたボイスコイル
ボビンと、外周部が上記フレームに結合され内周がボイ
スコイルボビンに結合されて上記ボイスコイルボビンを
支持する請求項1〜4のいずれかに記載のスピーカ用ダ
ンパーとでスピーカを構成するものであり、上記スピー
カ用ダンパーを用いることで小口径で重低音再生なスピ
ーカの提供を可能とするものである。
【0019】以下、本発明のスピーカ用ダンパーの一実
施の形態について図1から図3により説明する。
【0020】(実施の形態1)まず、上記スピーカ用ダ
ンパーの説明に先だってスピーカの構成について図3に
より従来技術と同一部分は同一番号を付して説明を省略
して説明する。同図によると、6は磁気回路、7はフレ
ーム、8は振動板、9はボイスコイルボビン、10aは
外周部を上記フレーム7に結合し内周を上記ボイスコイ
ルボビン9に結合して上記ボイスコイルボビン9を支持
するスピーカ用ダンパーである。このスピーカ用ダンパ
ー10aの詳細を図1および図2(a),(b)より説
明する。
【0021】図1は、本発明の一実施の形態のスピーカ
用ダンパーの断面図であり、図2(a)は同変形図であ
り、図2(b)は同波型の変化量を示す模式図である。
【0022】同図において、1はボイスコイルボビン9
が挿入される透孔であり、2はこの透孔1の周囲にボイ
スコイルボビン9を接合するための内周縁部である。3
は外周縁部であり、スピーカのフレーム7に接合され
る。4は上記内周縁部2と外周縁部3の間で繰り返し形
成され円周方向に一周する凸凹の波型で、最内周部の凸
の波型4a、その外側の凹の波型4b、更にその外側の
凸の波型4c、そして最外周部の幅の狭い凸の波型4n
などで構成され、各々のあるいは凹の波型の幅(Wa,
Wb,Wc,・・)は、最内周の波型の幅Waに対する
最外周部の内側の波型の幅の比は各々の頂部または底部
の位置における略半径比に、中間部の波型の幅(Wb,
Wc,・・)は最内周の波型の幅に対して比例的に決定
している。そして最外周部の波型の幅Wnは内側の幅よ
り狭く設定している。
【0023】更に各々の波型の形状は、基準面Pに対し
略45度傾斜した対称な2つの面α,βと前方または後
方にて上記2つの面と基準面から等距離の高さの面に接
する曲面γ,δで構成されている。この曲面γまたはδ
は内周部においては小さな円弧の曲面であり、外周部に
至る程、面α,βの直線部の長さが短くなり曲面γ,δ
の曲率が大きな円弧の曲面としている。
【0024】次に、図2(a)における変形後の各々の
各部位の符号にはダッシュを付与して表示し、基準面P
と各波型の交点をC1,C2,C3,・・として本実施
の形態のスピーカ用ダンパーの動作を説明する。
【0025】先ず、最外周部の波型を除く内側の波型部
の柔軟度が略等しく設定できることを説明する。ここで
上記交点は変形後も同一半径に位置し、各波型の径方向
の伸びは各波型の形状変形で補償しているとすると、内
周部の波型4aの頂部の曲率半径が大きくなって幅Wa
がWa’に広がり、高さはh0からhaに少し低くなる
が、断面の線分長Laは変化しない。最外周部の内側
(=中間部と称す)までの波型は直線部の長さが徐々に
短くなり、曲率が徐々に大きくなるだけであり、内周部
と同様な形状変化をすると考えられる。この時、頂部T
4aは内径方向にδra=ha×Sinθだけ移行し、
基準面との交点C1,C2は移行しないため、最内周波
型における変化量は図2(b)に示したように、中央部
で変化量がδraと大きく、両サイドで0の分布をして
いる。
【0026】そして各々の波型における総変化量は各々
のδrと波型の線分長(La,Lb,・・)の積に比例
しており、従って径方向の単位長さ当たりの変化量は上
記総変化量を幅で割って得られ、内周部においてはha
×Sinθ×La/Waと表わされ、幅に対する高さが
低く、かつ変形後の高さが低くなる外周部の波型ほど径
方向の単位長さ当たりの変化量は小さくできて半径比の
略逆比に設定できることになる。
【0027】そして一般的に傾斜角度θは内周部より外
周部の方が小さいために頂部の径方向変化量は更に小さ
くなる。また断面の各部位における接線の角度(または
微分値)の変化において、内周部は頂部近傍で大きく変
化するのに対し、外周部に至る程、傾斜角は徐々に変化
するために、径方向変化を容易にしている。従って外周
部においても柔軟度を大きくすることができ、最内周の
波型と最外周部の波型の径方向単位長さ当たりの柔軟度
を各々の静止時の頂部がある半径比の逆比に略等しく設
定できる。
【0028】最外周部の波型は内側の波型に比べて幅を
狭く設定したので、高さの変化量が小さく径方向の移動
量が大きく径方向単位長さ当たりの柔軟度を低く設定で
きる。従って内周部の波型が大振幅振動で限界まで伸び
た段階において最外周部の波型が更に変形して振幅振動
し力−変位特性を徐々に制限することになる。
【0029】以上のことから、ボイスコイルボビン9の
接合部(内周縁部2)が振動軸方向の前後に振動した場
合、最外周部を除く波型部分で円周が短い内周部から円
周が長い外周部までの各々の部位における柔軟度を略等
しく設定することにより、比例均等に振幅値を分散さ
せ、可撓な部分全体で変形し、大きな変位と、充分な力
−変位特性の直線性が確保でき、過大な振幅に対しては
最外周部の波型部分て振幅限界における力−変位特性を
ソフトにクリップさせてスピーカ用ダンパーの突っ張り
による異常音の改善ができ、かつ内周部で破断しないス
ピーカ用ダンパーを提供することができるものである。
【0030】図4はスピーカ用ダンパーの力と変位量の
関係を示す特性図であり、図4(a)は従来のスピーカ
用ダンパーの特性図、図4(b)は上記実施の形態のス
ピーカ用ダンパーの特性図であり、図からも明らかなよ
うに直線的な変位量を示す範囲はl>laと上記実施の
形態のものの方が大きく、且つ本実施の形態の変位量の
限界値である3mm点近傍の特性は本実施の形態のものの
方が立ち上がりが急峻であり、本実施の形態のものの方
が力−変位特性の直線性をより大きく確保できて振幅も
大きくとれ、過大な振幅に対しても振幅限界における力
−変位特性をクリップさせることによりスピーカ用ダン
パーの突っ張りによる異常音の改善ができ、かつ内周部
で破断し難いスピーカ用ダンパーであることが確認され
た。
【0031】(実施の形態2)本発明のスピーカ用ダン
パーの製造法を図5にて説明する。図5(a)は曲げ強
度の小さい第1の熱硬化性の樹脂を含浸し、乾燥する工
程で得られたスピーカ用ダンパーの基材11を示し、図
5(b)は上記スピーカ用ダンパーの基材11を予めス
ピーカ用ダンパーの成型完成品から想定した概略の外径
と内径孔13を円形に打抜く工程で得られたダンパー打
抜き基材12を示し、図6(a)は、上記ダンパー打抜
き基材12の内径孔13にガイド棒14を内挿し多数個
配列して、上記ガイド棒14を回転させてダンパー打抜
き基材12の外周部分のみに容器15に充たされた曲げ
強度の大きい第2の熱硬化性の樹脂16を含浸する工程
を示し、図6(b)は下型18a、上型18bからなる
スピーカ用ダンパーの成型金型17の断面図であり、上
記下型18a、上型18bは外周部分18ao,18b
oと内周部分18ai,18biとベース部分21a,
21bからなり、外周部分18ao,18boと内周部
分18ai,18biは熱伝導しにくいように接触面積
を小さくして構成され、上記下型18a、上型18bの
外周部側面に加熱バンドヒータ19a,19bが装着さ
れ、また金型の内周部分18ai,18biには金型冷
却用水管20a,20bが内挿されている。
【0032】以上のように構成され外周部が高温度(例
えば250℃)、内周部が低温度(例えば200℃)に
制御されたスピーカ用ダンパーの上記成型金型によっ
て、工程(a),(b),(c)を通じて、得られた全
面に第1の熱硬化性の樹脂を含浸し、次に外周部分のみ
にさらに第2の熱硬化性の樹脂を含浸したダンパー打抜
き基材12を加熱成型することにより、内周部側に曲げ
強度の小さい波型成型部分及び、外周部側に曲げ強度の
大きい波型成型部分を形成するものである。
【0033】以上のようにして形成されたスピーカ用ダ
ンパーは、最外周部近傍の波型のみ内周部に比べて上記
柔軟度を低くしたので、可撓な部分全体(内周部)で変
形して大きな変位と、充分な力−変位特性の直線性が確
保でき、過大な振幅に対しては最外周部近傍の波型部分
で振幅限界における力−変位特性をソフトにクリップさ
せることによりスピーカ用ダンパーの突っ張りによる異
常音の改善ができ、かつ内周部で破断しないスピーカ用
ダンパーを提供できるものである。
【0034】なお、上記実施の形態では、低温で熱硬化
し、小さい曲げ強度を与える第1の熱硬化性の樹脂と、
高温で熱硬化し、大きい曲げ強度を与える第2の熱硬化
性の樹脂を含浸工程においてダンパー打抜き基材12の
含浸部位を選択的に設定した成型前のダンパー打抜き基
材12を準備し、温度分布を有する金型で成型してスピ
ーカ用ダンパーを製造したが、比較的低い温度で熱硬化
し、小さい曲げ強度を与える第1の熱硬化性の樹脂と、
相対的に高い温度で熱硬化し、大きい曲げ強度を与える
第2の熱硬化性の樹脂を混合してダンパー打抜き基材1
2に含浸し、内側の波型は相対的に低い温度に、最外周
部の波型のみ高い温度に設定された温度分布を有する金
型で成型しても同様の効果を得ることができるものであ
る。
【0035】また、上記各実施の形態ではスピーカ用ダ
ンパーの最外周部の波型のみ内周側より柔軟度を低くし
たものとして説明したが、上記効果が得られるものであ
れば最外周部の波型のみと限定する必要はなくその近傍
の柔軟度も適宜低く設定しても良いものである。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明のスピーカ用ダン
パーは、最外周部近傍を除く波型部分で円周が短い内周
部から円周が長い外周部までの内周側の各々の部位にお
ける柔軟度を略等しく設定し、最外周部近傍の波型のみ
内周部に比べて柔軟度を低く設定した構成により、ボイ
スコイルボビンの接合部(内周縁部)が振動軸方向の前
後に振動した場合、内周部の波型部分が比例均等に振幅
値を分散させ、可撓な部分全体で変形して大きな変位
と、充分な力−変位特性の直線性が確保でき、過大な振
幅に対しては最外周部の波型部分で振幅限界における力
−変位特性をソフトにクリップさせることによりスピー
カ用ダンパーの突っ張りによる異常音の改善ができ、か
つ内周部で破断しないスピーカ用ダンパーとその製造法
およびこれを用いた優れたスピーカを提供できるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるスピーカ用ダンパ
ーの断面図
【図2】(a)同変形断面図 (b)同波型の変化量を示す模式図
【図3】同スピーカ用ダンパーを用いたスピーカの断面
【図4】(a)同スピーカ用ダンパーの力−変位量図
(従来) (b)実施の形態の力−変位量図
【図5】(a)他の実施の形態の第1の熱硬化性の樹脂
を含浸し、乾燥したスピーカ用ダンパーの基材の斜視図 (b)同円形に打抜かれたダンパー打抜き基材の斜視図
【図6】(a)同第2の熱硬化性の樹脂を含浸する工程
を説明する説明図 (b)同スピーカ用ダンパーの成型金型の断面図
【図7】(a)従来のスピーカ用ダンパーの平面図 (b)同半断面図
【図8】従来のスピーカ用ダンパーの変形図
【図9】(a)同説明のためにスピーカ用ダンパーに数
ヵ所にスリットを追加した平面図 (b)同スリットで分割された1区画を薄い板で表現し
た模式図 (c)同重ね板バネ構成で説明するための説明図
【図10】同従来のスピーカの断面図
【符号の説明】
1 透孔 2 内周縁部 3 外周縁部 4 波型 5 スリット 11 スピーカ用ダンパーの基材 12 ダンパー打抜き基材 13 内径孔 14 ガイド棒 16 第2の熱硬化性の樹脂 17 スピーカ用ダンパーの成型金型 18a 下型 18b 上型

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状の凸又は凹の波型を径方向に繰り返
    して構成する波型のスピーカ用ダンパーにおいて、少な
    くとも波型の幅が半径に略比例して外径に至る程広くし
    て、環状の凸又は凹の波型の径方向単位長さ当たりの柔
    軟度を略等しくするとともに、外周部近傍の波型を内周
    部に比べて柔軟度を低くしたスピーカ用ダンパー。
  2. 【請求項2】 少なくとも外周部近傍の波型の幅を狭く
    した請求項1に記載のスピーカ用ダンパー。
  3. 【請求項3】 環状の凸又は凹の波型を径方向に繰り返
    して構成する波型のスピーカ用ダンパーにおいて、基材
    に小さい曲げ強度を与える第1の熱硬化性の樹脂を含浸
    し熱成型して形成された内周部と、大きい曲げ強度を与
    える第2の熱硬化性の樹脂を含浸し熱成型して形成され
    た外周部とで構成されたスピーカ用ダンパー。
  4. 【請求項4】 環状の凸又は凹の波型を径方向に繰り返
    して構成する波型のスピーカ用ダンパーにおいて、基材
    に比較的低い温度で熱硬化し小さい曲げ強度を与える第
    1の熱硬化性の樹脂と、相対的に高い温度で熱硬化し大
    きい曲げ強度を与える第2の熱硬化性の樹脂を混合して
    含浸し、内周部の波型を相対的に低い温度で熱成型し、
    外周部近傍の波型を高い温度で熱成型して形成されたス
    ピーカ用ダンパー。
  5. 【請求項5】 環状の凸又は凹の波型を径方向に繰り返
    して構成する波型のスピーカ用ダンパーにおいて、少な
    くとも基材に曲げ強度の小さい第1の熱硬化性の樹脂を
    含浸・乾燥する工程と、この基材を略円形に打抜く工程
    と、この略円形に打抜かれた基材の外周部近傍に曲げ強
    度の大きい第1の熱硬化性樹脂より高温で硬化する第2
    の熱硬化性の樹脂を含浸・乾燥する工程と、外周部近傍
    を高温に、内周部は低い温度に加熱された金型で成型す
    る工程とからなるスピーカ用ダンパーの製造法。
  6. 【請求項6】 少なくとも磁気ギャップを有する磁気回
    路と、この磁気回路に装着されたフレームと、外周部が
    直接または間接的に上記フレームに結合され内周が上記
    磁気回路の磁気ギャップにはめ込まれたボイスコイルボ
    ビンに結合された振動板と、外周部が上記フレームに結
    合され内周が上記ボイスコイルボビンに結合されて上記
    ボイスコイルボビンを支持する請求項1〜4のいずれか
    1つに記載のスピーカ用ダンパーとで構成されるスピー
    カ。
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