JPH11225035A - Lcフィルタ - Google Patents

Lcフィルタ

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JPH11225035A
JPH11225035A JP2595998A JP2595998A JPH11225035A JP H11225035 A JPH11225035 A JP H11225035A JP 2595998 A JP2595998 A JP 2595998A JP 2595998 A JP2595998 A JP 2595998A JP H11225035 A JPH11225035 A JP H11225035A
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JP
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inductor
filter
array
gnd
capacitor
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JP2595998A
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English (en)
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Kunio Tochi
邦生 土地
Kiyoshi Mizushima
清 水島
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Nikko Co Ltd
Nikko KK
Original Assignee
Nikko Co Ltd
Nikko KK
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Publication date
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  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 小型で、かつ、製造が容易であり、高周
波領域用で良好な特性を示すLCフィルタの提供 【解決手段】 1個以上のインダクタパターンをパター
ニングしてなるインダクタアレイの表面および/または
裏面に、1個以上のチップキャパシタまたはチップキャ
パシタアレイを配置・接着し、これらを電気的に接続し
てなるLCフィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LCフィルタ、特
に高周波領域用LCフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信の普及にはめざましい
ものがあるが、これに伴ない、通信機器あるいはその中
継基地局などに用いられる高周波領域用フィルタの小型
化、特性の改善が重要な課題となっている。また、情報
処理機器などのディジタル機器においてもクロック信号
の高周波化が進んでおり、小型で廉価な高周波領域用フ
ィルタが、情報通信分野の広い部門にわたって求められ
ている。
【0003】高周波領域用フィルタの小型化を図る上で
典型的な方法は、LCフィルタの1チップ化である。例
えば、特開平4-257111号公報にはインダクタとなるフェ
ライト材料とキャパシタとなる誘電体材料とを同時焼成
してなる積層LCフィルタが記載されている。しかし、
フェライト材料と誘電体材料を同時焼成する場合、両材
料の熱膨張(収縮)率の相違から層間に剥離が生じた
り、あるいは材料間に相互拡散が生じて特性が劣化する
などの問題がある。
【0004】BaO−Al23−SiO2、BaO−S
rO−SiO2−ZrO2、CaO−ZrO2−ガラスな
どの低温焼結セラミック材料を用い、図7に示すように
インダクタ層L、キャパシタ層Cをパターニングにより
形成した上、さらにシールド層S、トリミングパターン
Tなどを誘電体εを介して順次積層し、これを焼成して
1チップの積層LCフィルタとすることも行われてい
る。しかし、この場合、パターニングと積層との組み合
わせになるため工程が複雑であり特別な生産設備が必要
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける上記の問題の解決を目的とするものであり、小型
で、かつ、製造が容易であり、高周波領域でも良好な特
性を示すLCフィルタの提供を目的とする。
【0006】
【課題解決の手段】従来のLCフィルタの1チップ化で
は、上記の例に示すように、同時焼成によるインダクタ
層とキャパシタ層の積層化によるアプローチが採られて
いる。その大きな理由としては、より高い周波数領域で
も適用可能なLCフィルタを構成しようとした場合、イ
ンダクタの特性改善よりはキャパシタの大容量化の方が
容易であり、かかる観点から積層化によるアプローチが
有利であると考えられたという点が挙げられる。
【0007】この理由を以下に説明する。インダクタは
自己容量のために共振周波数以上では特性が誘導性から
容量性に変化する。すなわち、共振周波数以上ではキャ
パシタとなりインダクタとしては機能しなくなる。そこ
で、自己容量を抑圧し共振周波数を高くしてインダクタ
の適用可能周波数を高めることが重要な課題となる。こ
れには導体線路に対して垂直で放射状に発生する電磁界
の相互の結合を抑圧することが効果的である。インダク
タを直線状の導体線路とすれば自己容量は小さくなる
が、このような細長いインダクタは実用的でない。一
方、導体線路をコの字のジグザグ状にしたり、螺旋状に
すれば小型化は実現できるが、一般に自己容量が増大す
る。
【0008】GNDを設けて導体線路を分布定数化して
伝送線路とする手法も考えられる。この場合、導体線路
間隔より導体線路とGNDとの間隔が狭いほど電磁界は
GNDに結合する割合が高くなるので、自己容量の抑圧
には効果的である。しかし、導体線路とGNDとの間に
は微小な漏れ電流が流れており、この間隔を狭くすると
漏れ電流は材料Q値が小さいほど大きくなり、インダク
タ素子としてのQ値が小さくなるという問題が生じる。
また、1GHz程度以上では積層LCフィルタに適用さ
れるインダクタはジグザグ状の伝送回路が一般的であ
る。積層用材料のQ値が小さいために線路とGNDとの
間隔は厚くなり線間も広くなる。大きな容量を得るため
にジグザグ状伝送線路の多層化を試みても積層化による
厚みの増加および導体パターンの歪に起因したインダク
タQ値の低下のために多層化ができず、インダクタ容量
はせいぜい数nHである。
【0009】このように、インダクタの特性低下を招く
ことなく、インダクタの小型化、インダクタ容量の増大
を図ることには技術的困難が多い。一方、積層技術にお
いてキャパシタの大容量化は比較的容易である。また、
積層技術によればインダクタとの一体化が可能である。
そこで、小さなインダクタ容量を補うために大容量のキ
ャパシタを用いることにより、積層LCフィルタ小型化
が進められてきた。これに対し、本発明者は、かかる積
層フィルタ技術とは正反対のアプローチ、すなわち、イ
ンダクタの大容量化を試みた。この結果、1個以上のイ
ンダクタで形成したインダクタアレイと1個以上のキャ
パシタまたはキャパシタアレイとを電気的に接続する構
成により、小型で、かつ、高周波領域用で良好な特性を
示すLCフィルタが簡易な方法により得られることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明によれば、以下のLCフ
ィルタが提供される。 [1] 1個以上のインダクタにより形成されるインダ
クタアレイと1個以上のキャパシタまたはキャパシタア
レイとを電気的に接続したことを特徴とするLCフィル
タ。 [2] 1個以上のインダクタパターンをパターニング
してなるインダクタアレイの表面および/または裏面
に、1個以上のチップキャパシタまたはチップキャパシ
タアレイを配置・接着し、これらを電気的に接続してな
る前記1に記載のLCフィルタ。 [3] 1個以上のインダクタパターンをパターニング
してなるインダクタアレイの表面に1個以上のチップキ
ャパシタまたはチップキャパシタアレイを配置・接着
し、これらを電気的に接続し、裏面のほぼ全面に導電層
を設けてなる前記2に記載のLCフィルタ。
【0011】[4] 前記3に記載の2枚のLCフィル
タを導電層を挟んで接合した構造を有する前記1に記載
のLCフィルタ。 [5] 1個以上のインダクタパターンをパターニング
してなるインダクタアレイの裏面のほぼ全面に導電層を
設け該導電層の表面に1個以上のチップキャパシタまた
はチップキャパシタアレイを配置・接着し、これらを電
気的に接続してなる前記1に記載のLCフィルタ。 [6] 前記導電層が金属箔である前記3乃至5のいず
れかに記載のLCフィルタ。 [7] インダクタアレイがコイルアレイである請求項
1乃至6のいずれかに記載のLCフィルタ。
【0012】
【発明の実施の態様】本発明のLCフィルタは、1個以
上のインダクタで形成したインダクタアレイと1個以上
のキャパシタまたはキャパシタアレイとを電気的に接続
したことを特徴とするLCフィルタである。その構造
は、上記の技術思想内において制限されないが、典型的
には、複数のインダクタパターンをパターニングしてな
るインダクタアレイの表面および/または裏面に、1個
以上のチップキャパシタまたはチップキャパシタアレイ
を配置・接着し、これらを電気的に接続してなるもので
ある。
【0013】以下、図面を参照して、その構造について
説明する。図1は、本発明のLCフィルタの一例を示す
斜視図である。図13(a)にその回路図を示す。図1
においてLCフィルタ10は、インダクタアレイ1とチ
ップキャパシタ2aおよび2bおよびこれらの間を電気
的に接続する配線および端子電極(図1には示していな
い。これらのついては図2参照。)からなる。また、特
に高周波領域で用いる目的では、インダクタンスアレイ
の裏面のほぼ全面にわたって導電性物質からなるGND
電極を設けることが好ましい(図1には示していな
い。)。インダクタアレイ1は回路基板材料にインダク
タパターン1a〜1c(図1では斜線を施した領域で表
してある。)を設けて形成される。
【0014】図1のLCフィルタにおいて重要なこと
は、インダクタアレイのインダクタの大容量化が可能な
ことである。例えば、1GHz帯LPFでは、理想的に
は、10〜20nHのインダクタの複数個が必要とな
る。また、このような容量のインダクタを実用的な小型
化を達しつつ得るには螺旋状など、自己容量の増大を招
く形状とする必要がある。このように螺旋状インダクタ
のQ値は小さく、大きな自己容量のために共振周波数も
低いのでマイクロ波帯では適用が難しいとされている。
ところが、螺旋状インダクタでも裏面にGNDを設ける
ことでQ値は数倍以上に、共振周波数も2倍程度に改善
できることが見出された。
【0015】すなわち、インダクタパターン1a〜1c
の形状は特に制限されない。例えば、図3(a)に示す
ような丸形あるいは図3(b)に示すような角型などに
形成できるが、特性に影響を及ぼさない限りにおいて楕
円形でもよいし、その他任意の形状でよい。これらの回
路パターンの形成方法としては慣用のいずれの方法も用
い得る。例えば、導電材料を厚膜印刷もしくは薄膜形成
したり、あるいは、細線をコイル状に載置することによ
り形成することができる。厚膜印刷では通常、60〜3
00μm程度の線幅で直径0.5〜10mm程度のコイル
が形成できる。薄膜形成では通常、1〜100μm程度
の線幅で直径0.1〜2mm程度のコイルが形成できる。
導体材料は慣用のものでよく、例えば、厚膜印刷では厚
膜用導電ペースト、薄膜形成ではCu薄膜のレジスト電
極などが挙げられる。インダクタの容量は、通常は1〜
50nH程度のものが用いられる。もっとも、目的によ
りこれ以外の範囲のものも使用可能である。
【0016】また、低温焼結材料(LTCC(Low Tempe
rature Cofired Ceramic))からなる薄板上に厚膜印刷
もしくは薄膜形成し、焼成収縮を利用してより小さなイ
ンダクタとしてもよい。この場合、インダクタの印刷さ
れたLTCC薄板を焼成後、回路基板に貼付けてもよい
し、そのままでもインダクタアレイとして用いることが
できる。インダクタパターンは表面に露出した状態でも
よいが、その上に絶縁層を設けて被覆してもよい。当該
絶縁層の上にさらに導電層を設け、これをGNDに接続
してシールドしてもよい。図1では図13(a)のLP
F(Low Pass Filter)を構成するために3個のインダク
タ(コイル)パターンの例を挙げているが、コイル数は
所望の回路構成により決定され、その数は任意である。
【0017】なお、フィルタの小型化にともないインダ
クタアレイの複数のインダクタは互いに接近し、インダ
クタ間には静電容量が生じるようになる。例えば、図1
3(a)のLPF回路は、現実には図13(b)に示す
ようにインダクタ間に静電容量Cmを伴なう。周波数が
高くなるとキャパシタCmのインピーダンスは低下する
ので、Cmを流れる電流は増加し帯域外減衰量(LPF
の高周波特性)は劣化する。インダクタが螺旋状であれ
ば静電容量はさらに大きくなる。従って、高周波特性は
劣化し実用を満足するフィルタは得難いと予想される。
【0018】しかし、高周波特性の劣化はインダクタ間
の静電容量のみに起因しているのではなく、GNDイン
ピーダンス(外部回路との接続抵抗も含まれる)を抑圧
することにより、高周波特性の劣化を有効を防止できる
ことが見出された。すなわち、GND層のインピーダン
スが高いと流れ込む電流量(正確には変位電流)は制限
され帯域外減衰量が劣化するが、導電性の高いGND
層、例えば、金属箔、好ましくは銅箔を用いることによ
り、特性劣化が防止できることが確認された。
【0019】チップキャパシタ2aと2bは、慣用のチ
ップキャパシタでよい。図1では図13(a)の回路構
成に従い2個のチップキャパシタを用いているが、必要
に応じて1個あるいは3個以上のチップキャパシタが用
いられるし、チップキャパシタアレイを用いることもで
きる。チップキャパシタは接着剤などを用いてインダク
タンスアレイ上に装着される。チップキャパシタの容量
は通常は0.1〜20pF程度のものが用いられる。もっ
とも、目的によりこれ以外の範囲のものも使用可能であ
る。
【0020】インダクタアレイとキャパシタとの間の配
線方法は、ワイヤボンドによってもよいし、厚膜印刷、
薄膜形成によってもよい。コイルアレイを積層体とし通
常の多層体素子と同様にヴィアホールなどの導電部を介
して配線を行なってもよい。図2(a)〜(b)に、螺
旋状のコイルアレイ(図3の(a1)および(b1)の
タイプ)を用いた例での配線方法を示す。この例では、
インダクタンスアレイのコイル1a〜1cと重ならない
部分に電極ランド3aおよび3bが設けられ、電極ラン
ド3aはインダクタアレイ表面の配線(実線で示す。)
を介してコイル1bの外端に、内部配線(点線で示
す。)によりコイル1aの中心に接続されている。一
方、電極ランド3bは内部配線(点線で示す。)により
コイル1bの中心およびコイル1cの中心に接続されて
いる。チップキャパシタ2aおよび2bはそれぞれハン
ダによって一方の電極がそれぞれ電極ランド3a、3b
に接続され、絶縁性接着剤で接着が補強されている。ハ
ンダおよび絶縁性接着剤による接続および接着にかわり
導電性接着剤も適用できる。また、各キャパシタの他方
の電極をGNDに接続し、また、コイル1aと1cの外
端を表面配線(内部配線でもよい。)により側面電極5
aおよび5bに接続することにより、図13(a)の回
路が構成される。
【0021】回路基板材料はGND構造がないときには
得に制限されないが、GND構造を有するときには高Q
値で低誘電率の材料が適している。例えば、96アルミ
ナ、テフロン等が好適である。高い材料Q値の基板を適
用してインダクタ電極とGNDとの間隔を狭くすること
は特に効果的である。なお、電極構造は特に限定されな
い。図2(a)の側面電極5a、5bに代えて、裏面
(コイルパターンを有する面とは反対側の面。本明細書
の他の部分においても同様。)に入出力用に電極ランド
を設け、BGA(Ball Grid Array)あるいはリードピン
を半田などを用いて取り付けてもよい。インダクタアレ
イとキャパシタアレイの各々が別々に設計できる本発明
のLCフィルタの構造では、キャパシタアレイまたはイ
ンダクタアレイのどちらか一方を適宜小さく設計し、最
適な入出力GND端子を自由に選定し搭載することがで
きるために、マザーボード上に装着した際の安定性が改
善される(例えば、熱による膨脹率の差などがリ−ドピ
ンなどにより吸収される。)。
【0022】このように、GND電極を設けることによ
りインダクタの高Q値化によるLCフィルタ特性の改善
やシールド特性の改善が可能になる。GND層は、厚
膜、薄膜、メッキ膜等のいずれの方法でも形成できる
が、例えば、インダクタアレイの裏面に絶縁性接着剤で
金属箔を張り付ければ簡単に低インピーダンスのGND
層の形成ができる。
【0023】また、本発明のLCフィルタは実装上も有
利である。すなわち、高周波回路ではGNDが様々と設
けられており(例えば、図2の例ではインダクタアレイ
のGND、キャパシタのGND、マザーボードのGND
等々であり、これらの間には静電容量が存在してい
る。)、GND構造に起因する浮遊容量が問題となる。
他方、GNDはインダクタおよびキャパシタが一様に分
布した導体層と考えられるが、キャパシタ容量は小さく
数GHz帯ではインダクタが支配的であろうことは容易
に推察できる。GND間の静電容量とGND層のインダ
クタとは並列共振し、並列共振周波数(6GHz程度と
推察している)に近付くに従いGNDのインピーダンス
は急激に増大する。この結果GNDに流れ込もうとする
電流は制限され帯域内減衰量は劣化する。GND層に分
布するインダクタの抑圧には金属箔に比透磁率が1に近
い材料を選定することが有効である。この点で銅の比透
磁率は1であるので好適である。インダクタアレイのG
NDを直接にマザーボードのGNDに接続すれば、イン
ダクタアレイのGNDとマザーボードのGNDとの間に
発生するGND−GND間浮遊容量は無くなる。この結
果、複数の螺旋状インダクタが近接して適用できるばか
りでなく高特性なLPFとなるのである。
【0024】図1に示す態様は様々に変形や修正が可能
である。例えば、図4のLCフィルタは、図1のLCフ
ィルタを2段に重ねた構造を特長としている。2段構造
の採用により低周波化が実現され700MHz以下での
LCフィルタが実現する。螺旋状インダクタが主にイン
ダクタアレイに適用されGND層13を設けることによ
り螺旋状インダクタの高性能化が可能となるが、低周波
では改善効果は小さくGND層はなくてもよい。
【0025】インダクタアレイに2個以上の螺旋状イン
ダクタが適用されている場合は接続方法でフィルタ特性
に差を生じる。特に、GND層の有無にかかわらず螺旋
状インダクタが表裏に配置されている場合には著しい。
図5にはインダクタアレイの表裏に配置された2素子の
螺旋状インダクタを模式的に示した。aおよびbの接続
方法があるが、bではLCフィルタの高周波特性の10
〜20%程度を改善することができる。
【0026】図6に示すLCフィルタは、図4に関して
最後に述べた態様をさらに変形したものと見ることもで
きる構成であり、インダクタアレイ21の裏面にGND
電極22(インダクタアレイの裏面の一部でも全面でも
よい)を設け、さらにその上にチップキャパシタ(アレ
イ)23aと23bを装着したものである。用いるキャ
パシタ(アレイ)の数は所望の回路により決まるもので
あり2個以外でもよい。なお、図5においてもインダク
タパターンは模式的にLで表わしてある(必ずしもその
位置に1つのインダクタが配置されているという意味で
はない。)。
【0027】LCフィルタ内部で生じるGND−GND
間浮遊容量の抑圧に注目する。図2(b)の例でGND
がインダクタアレイの裏面の全面に設けられていると、
インダクタアレイのGNDとキャパシタアレイのGND
とは平行であるので浮遊容量を生じる。低周波化のため
にキャパシタ容量を増加させると素子寸法も増大するの
で、互いに向き合う平行なGND面積も大きくなり浮遊
容量は増大する。この結果、高周波特性は劣化する。そ
こで、キャパシタをインダクタアレイの裏側に接続する
ことでGND−GND間浮遊容量を抑圧する。図6の構
造ではGNDの2重構造がないのでLCフィルタ内部で
生じるGND−GND間浮遊容量は無くなり高周波特性
が改善できる。
【0028】なお、ここまでに挙げた構成例は本発明の
態様の一部であり、これ以外にも種々の態様が含まれ
る。また、本発明により実現される回路構成は、図13
(a)のLPFに限定されるものではなく、図8
(a)、(b)、(c)に示すLPFその他任意のLC
型LPF、図9(a)に示すBPF(Band Pass Filter)
その他任意のLC型BPF、その他、任意のLC型HP
F(High Pass Filter)およびBEF(Band Elimination
Filter)が含まれる。
【0029】従って、本発明のLCフィルタは、マイク
ロ波通信における端末通信機器やその中継局等での利
用、デジタル回線における高調波信号の処理などの分野
で幅広く利用することができる。本発明のLCフィルタ
は幅広い周波数領域において利用可能であるが、特に3
00MHz〜8GHz程度の領域で有用である。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を具体的に
示す。なお、以下の例において、周波数特性の測定は、
LCフィルタを治具に固定し、治具をヒューレット・パ
ッカード社製ネットワークアナライザHP8722Cと
専用ケーブルにより接続して行なった。測定器は、0.05
〜3.05GHzの周波数範囲でSOLT校正した。なお、
温度による特性の変化を併せて調べるため、測定は恒温
槽内において行なった。実施例1 96アルミナ基板の表面に厚膜用の電極および誘電体ペ
ーストを使用して図10の回路パターンを印刷焼成し
た。裏面の全面にはGNDとして銅箔を絶縁性接着剤で
接着してインダクタアレイ(約5mm角、厚さ0.64m
m)を作製し、電極ランド部にチップキャパシタを接続
することで、図13(a)で表されるLPFを形成し
た。なお、この例ではL=20nH、C=4.65pFとし
た。このLPFの周波数特性を図11に示す。実線は6
0℃、破線は−20℃における測定値である。また、こ
のLPFの室温での特性値を、市販の積層LPF(最新
の製品)の特性値とともに、表1にまとめた。なお、こ
の積層LPFの詳細は不明であるが図7に類した構造で
ある。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2 チップキャパシタの配置を図6に示す構成に変更した他
は実施例1と同様にしてLPFを形成した。このLPF
の周波数特性を図12に示し、特性値を表1にまとめ
た。図11に示されるように、本発明のLPFは温度安
定性が高い(60℃および−20℃では特性差がほとん
ど無い。)更に、表1の対比で明らかなように、従来例
と較べて、帯域幅、3xFoおよび4xFo減衰量、帯
域内VSWRの特性に優れる。特に、従来例よりも数十
倍の帯域幅を有しながら帯域内VSWRは1/8以下で
あることは注目すべきことである。以上の優位性は構造
が簡単であるので、温度安定性に影響を及ぼす因子は
少ないこと、インダクタアレイおよびキャパシタ(ま
たはキャパシタアレイ)が特性に応じて最新かつ最適な
材料が容易に適用できたためである。
【0033】実施例1および2の4xFo特性を比較す
ると実施例2が劣ることは明らかである。実施例1では
GNDの2重構造が無いのに対して、実施例2では測定
治具のGNDおよびフィルタのGNDでGNDの2重構
造が形成されてしまい、この2重構造によるGND−G
ND間浮遊容量が4xFoの高周波特性を劣化させたと
考えられる。繰り返すが、図2(b)および図6のLC
フィルタはどちらも高周波用LCフィルタの構造として
適し優劣は無い。どちらの構造が選ばれるのかは、実用
に際して、マザーボードのGNDとインダクタアレイの
GNDとの間で生じるGND−GND間浮遊容量の抑圧
を選ぶのか、LCフィルタ内部で生じるGND−GND
間浮遊容量の抑圧を選ぶのかにより選択可能である。
【0034】
【発明の効果】従来の積層用材料では低い材料Q値に起
因して大容量インダクタが得難いためにLCフィルタの
高性能化を阻害していたが、本発明によれば、かかる問
題が解消され、96アルミナのような廉価な基板材料を
用い、これに厚膜印刷などの手法によりインダクタアレ
イを印刷し、さらにチップキャパシタ(アレイ)を搭載
するという簡易な方法により、挿入損失が小さく、温度
特性、周波数特性にも優れた小型LCフィルタが得られ
る。本発明の方法では、従来の積層型LCフィルタと比
較して製造コストが大幅に低減できる上、同一の生産設
備を用いて多種多様な回路構成の製品を製造することが
可能であり、実用的な有用性が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のLCフィルタの一態様の構造を模式的
に示す斜視図。
【図2】図1のLCフィルタのより詳細な構造を示す模
式的な斜視図。
【図3】本発明で用い得るコイルパターンの代表的な例
を示す平面図。
【図4】本発明のLCフィルタの別の態様の構造を模式
的に示す断面図。
【図5】両面コイルパターンの接続態様を示す模式図。
【図6】本発明のLCフィルタのさらに別の態様の構造
を模式的に示す断面図。
【図7】従来法の積層LCフィルタの積層構造を表わす
模式図。
【図8】本発明によるLCフィルタの代表的なLPF回
路構成を示す回路図。
【図9】本発明によるLCフィルタの代表的なBPF回
路構成を示す回路図。
【図10】実施例1のインダクタアレイの各層の回路パ
ターンを示す図。
【図11】実施例1のLCフィルタの周波数特性を示す
グラフ。
【図12】実施例2のLCフィルタの周波数特性を示す
グラフ。
【図13】図1のLCフィルタの回路図。
【符号の説明】
1 インダクタアレイ 1a〜1c インダクタパターン 2a〜2b チップキャパシタ(アレイ) 3a〜3b 電極ランド 5a〜5b 側面電極 10 LCフィルタ 11〜12 インダクタアレイ 13 導電層(GND層) 14a,14b,15a,15b チップキャパシタ
(アレイ) 21 インダクタアレイ 22 導電層(GND層) 23a〜23b チップキャパシタ(アレイ)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個以上にインダクタにより形成される
    インダクタアレイと1個以上のキャパシタまたはキャパ
    シタアレイとを電気的に接続したことを特徴とするLC
    フィルタ。
  2. 【請求項2】 1個以上のインダクタパターンをパター
    ニングしてなるインダクタアレイの表面および/または
    裏面に、1個以上のチップキャパシタまたはチップキャ
    パシタアレイを配置・接着し、これらを電気的に接続し
    てなる請求項1に記載のLCフィルタ。
  3. 【請求項3】 1個以上のインダクタパターンをパター
    ニングしてなるインダクタアレイの表面に1個以上のチ
    ップキャパシタまたはチップキャパシタアレイを配置・
    接着し、これらを電気的に接続し、裏面のほぼ全面に導
    電層を設けてなる請求項2に記載のLCフィルタ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の2枚のLCフィルタを
    導電層を挟んで接合した構造を有する請求項1に記載の
    LCフィルタ。
  5. 【請求項5】 1個以上のインダクタパターンをパター
    ニングしてなるインダクタアレイの裏面のほぼ全面に導
    電層を設け該導電層の表面に1個以上のチップキャパシ
    タまたはチップキャパシタアレイを配置・接着し、これ
    らを電気的に接続してなる請求項1に記載のLCフィル
    タ。
  6. 【請求項6】 前記導電層が金属箔である請求項3乃至
    5のいずれかに記載のLCフィルタ。
  7. 【請求項7】 インダクタアレイがコイルアレイである
    請求項1乃至6のいずれかに記載のLCフィルタ。
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