JPH11222330A - シート分離装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートが分離される位置での構造の大型化を
防止できるとともに破断などを来すことなく内部に詰ま
っているシートの取り出しが容易に行えるシート分離装
置を提供する。 【解決手段】 シート積載部１から繰り出されるシート
Ｓをはさんで対向する一方側に軸方向に沿って複数のロ
ーラを備えた搬送ローラ３を設け、他方側に上記搬送ロ
ーラ３のローラ間に位置して軸方向に複数配置されたロ
ーラを備えたテンションローラ４を設け、上記搬送ロー
ラ３を上記テンションローラ４と同方向で上記シートＳ
を繰り出せる方向に回転させることにより上記シート積
載部１から繰り出された複数のシートＳのうちで上記搬
送ローラ３に対向当接するシートＳのみを給送するシー
ト分離装置において、上記シート積載部１が上記シート
Ｓの繰り出し方向と直角な引き出し方向に移動するのに
連動して上記搬送ローラ３および上記テンションローラ
４を上記シート積載部１の高さ方向に沿って互いに離間
させて上記シートＳへの加圧を解除する構成５を備えた
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、シート分離装置に
関し、さらに詳しくは、シートをはさんで対向する一対
のローラ同士を対向位置で相反する方向に移動させてシ
ートの多重送りを防止する機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真複写機やファクシミリ装置ある
いはプリンタなどの画像形成装置においては、給紙カセ
ット内に収容されている転写紙などのシートを感光体な
どの像担持体との画像転写位置に向け繰り出すようにな
っている。シートが繰り出される位置には、シートの多
重送りを防止するシート分離装置が設けられている。

【０００３】シート分離装置の構成の一つに、重なり合
っているシート同士の摩擦係数とこのシートに当接する
搬送部材との間の摩擦係数との違いを利用し、重なり合
っているシートのうちで最上位のもののみを繰り出せる
ようにした構成がある（例えば、特開平７−２２８３６
３号公報）。上記公報には、シート集積部に相当する給
紙カセットからピックアップローラ等によって繰り出さ
れたシートをはさんで最上位のシートに対向する側には
シートの繰り出し方向に回転する給紙ローラが配置さ
れ、給紙ローラと対向する側には摩擦パッドを備えた分
離機構が配置された構成を備え、給紙ローラに当接して
いるシートのみを繰り出すようにしたシート分離装置が
示されている。

【０００４】一方、シートの搬送部には、繰り出された
シートが搬送経路途中で詰まってしまう、所謂、ジャム
が発生した場合にそのシートを取り除くための構成が設
けられている。上記公報には、シートを取り除くための
構成として、給紙カセットのシート案内部にカム部を形
成し、そのカム部を分離機構に干渉させることにより分
離機構を給紙ローラから離れる方向に揺動させる構成が
示されている。この構成では、通常給紙ローラに対して
摩擦パッドが当接する方向に付勢されている分離機構に
対し、給紙カセットがシートの繰り出し方向と直角な方
向に移動させられるのに連動してカム部を分離機構に干
渉させることにより分離機構を押し下げ、摩擦パッドを
給紙ローラから引き離して給紙ローラと摩擦パッドとを
用いたシートの挟持作用を解除してシートの取り出しを
可能にしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなシ
ート分離装置においては、装置内部の構造が大型になる
虞れがある。上記シート分離装置では、摩擦パッドを給
紙ローラから引き離す場合、給紙カセットにおけるシー
ト繰り出し方向先端側に位置する端壁を上記分離機構に
向け突出形成してカム部を構成し、そのカム部において
幅広な部分を上記分離機構に干渉させるようになってい
る。このため、シート繰り出し方向先端側空間における
給紙カセットの占有面積が大きく必要となり、装置が大
型化する。

【０００６】また、シート搬送経路においてシートが詰
まってしまった場合には、給紙カセットを引き出すこと
によりシートの挟持を解除することになるが、カム部が
分離機構に干渉する際には分離機構の揺動方向と直角な
方向である揺動支軸の軸方向に衝撃力が作用することに
なる。このため、給紙ローラと摩擦パッドとを引き離す
際の操作が困難であるばかりでなく、引き出す際の操作
力が大きく必要となることからシートが破断されてしま
う虞もある。

【０００７】本発明の目的は上記従来のシート分離装置
における問題に鑑み、シートが分離される位置での構造
の大型化を防止できるとともに破断などを来すことなく
内部に詰まっているシートの取り出しが容易に行えるシ
ート分離装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項１記載の発明は、シート積載部から繰り出さ
れるシートをはさんで対向する一方側に軸方向に沿って
複数のローラを備えた搬送ローラを設け、他方側に上記
搬送ローラのローラ間に位置して軸方向に複数配置され
たローラを備えたテンションローラを設け、上記搬送ロ
ーラを上記テンションローラと同方向で上記シートを繰
り出せる方向に回転させることにより上記シート積載部
から繰り出された複数のシートのうちで上記搬送ローラ
に対向当接するシートのみを給送するシート分離装置に
おいて、上記シート積載部が上記シートの繰り出し方向
と直角な引き出し方向に移動するのに連動して上記搬送
ローラおよび上記テンションローラを上記シート積載部
の高さ方向に沿って互いに離間させて上記シートへの加
圧を解除する構成を備えたことを特徴としている。

【０００９】請求項２記載の発明は、請求項１記載のシ
ート分離装置において、上記加圧を解除する構成は、上
記テンションローラが回転可能に支持されている揺動可
能なローラ支持部と、上記シート積載部に設けられてい
てシート積載部が引き出し方向へ移動するときに上記ロ
ーラ支持部の揺動端に干渉可能な圧解除部とを備え、上
記ローラ支持部には、上記シートを上記搬送ローラと上
記テンションローラとの対向部に向け案内するガイド部
と上記ガイド部における上記引き出し方向端部で上記シ
ート積載部の高さ方向に沿って傾斜するガイド面とが形
成されていることを特徴としている。

【００１０】請求項３記載の発明は、請求項２記載のシ
ート分離装置において、上記シート積載部は、引き出し
方向に移動する過程で上記圧解除部が上記ガイド面に当
接することにより、上記搬送ローラから上記テンション
ローラを引き離す方向に上記ローラ支持部を揺動させる
と共に上記ガイド部に位置するシートを上記圧解除部に
より押し動かして上記挟持位置から引き出すことを特徴
としている。

【００１１】

【実施例】以下、図示実施例により本発明の詳細を説明
する。

【００１２】図１は、本発明実施例によるシート分離装
置の要部構成を説明するための模式図であり、同図にお
いて、符号１は給紙カセットなどのシート積載部、同２
はピックアップローラ、同３は搬送ローラ、同４はテン
ションローラ、同５はローラ支持部をそれぞれ示してい
る。

【００１３】シート積載部１は、図示しないシート載置
板が内部に装填されており、そのシート載置板における
シート繰り出し方向（図中、矢印Ａで示す方向）の先端
が上方に押し上げられるようになっている。シート積載
部１は、シートＳの繰り出し方向と直角な方向（以下、
この方向を引き出し方向という）に引き出すことができ
るように、例えば、電子写真複写機の給紙部に対して摺
動可能に設けられている。

【００１４】ピックアップローラ２は、電子写真複写機
の給紙部に設けられている支持部材６によって回転自在
に支持されており、図示しないモータからの駆動力によ
ってシートＳの先端をシート積載部１から搬送ローラ３
とテンションローラ４とが対向するニップ部に向け繰り
出すことができる量を以て回転するようになっている。

【００１５】搬送ローラ３は、上記給紙部に位置する支
持ブラケット７に設けられている回転軸３Ａによって回
転可能に支持されており、図示しないモータなどの駆動
源によりシートＳの繰り出し方向に所定回転量の回転が
できるようになっている。

【００１６】テンションローラ４は、後述するローラ支
持部５の自由端に設けられている回転軸４Ａにより回転
可能に支持されており、搬送ローラ３と同期をとって搬
送ローラ３と同方向に回転し、搬送ローラ３と対向する
周面がシートＳの繰り出し方向と逆方向に移動するよう
になっている。

【００１７】図１においてローラ支持部５は、支持ブラ
ケット７に対して支軸５Ａを介して揺動自在に支持され
た一対のレバー部材で構成されており、図示しないバネ
などの付勢部材によって通常、テンションローラ４が搬
送ローラ３に当接する向きの揺動付勢が与えられてい
る。ローラ支持部５は、テンションローラ４の支持位
置、つまり回転軸４Ａが設けられている位置からシート
積載部１に向け延長されたガイド片５Ｂが揺動端に備え
られており、その先端は、シート積載部１の端壁１Ａに
平行して折り曲げられてシート受け入れ部５Ｃ（図３参
照）を構成している。

【００１８】上記シート積載部１およびローラ支持部５
には、搬送ローラ３からテンションローラ４を離間させ
る加圧解除機構が設けられている。加圧解除機構は、図
１において、シート積載部１におけるシート繰り出し方
向先端側の端壁１Ａに固定されている加圧解除駆動片８
と上記ローラ支持部５のガイド片５Ｂに設けられている
ガイド面５Ｂ１とで構成されている。

【００１９】図１において加圧解除駆動片８は、基片８
Ａがシート積載部１におけるシート繰り出し方向先端側
の端壁１Ａに固定され、その基片８Ａからローラ支持部
５のガイド片５Ｂに向け張り出した駆動片８Ｂが折り曲
げられて形成されている。駆動片８Ｂは、テンションロ
ーラ４が搬送ローラ３に当接した状態にあるとき、ロー
ラ支持部５のガイド片５Ｂに平行するように折り曲げら
れており、基片８Ａの基部から駆動片８Ｂの折り曲げ部
までの高さ（図１中、符号Ｈで示す高さ）がテンション
ローラ４を搬送ローラ３から引き離すことができるロー
ラ支持部５の揺動量を設定できる高さとされている。ま
た、加圧解除駆動片８は、図２に示すように、シート積
載部１の引き出し方向（矢印Ｂで示す方向）の後方位置
でローラ支持部５の側板に対向させて端壁１Ａに取り付
けられている。

【００２０】ローラ支持部５におけるガイド片５Ｂに設
けられているガイド面５Ｂ１は、図２および図３に示す
ように、シートＳの繰り出し方向（図中、矢印Ａで示す
方向）と直角な方向に相当するシート幅方向において、
シート積載部１が引き出されないで、所謂、給紙部の所
定位置に押し込まれている状態における圧解除駆動片８
に対向する端部に形成された傾斜面で構成されている。
ガイド面５Ｂ１は、図３に示すように、ガイド片５Ｂと
連続する位置よりも外側の面が低くされてシート積載部
１の高さ方向に沿って傾斜させてある。

【００２１】本実施例は以上のような構成であるから、
通常のシート分離時には、図１および図２に示すよう
に、シート積載部１が給紙部の所定位置に押し込まれた
状態とされ、シート積載部１に有する圧解除駆動片８が
ローラ支持部５のガイド片５Ｂに有するガイド面５Ｂ１
に干渉しない状態とされる。このため、ローラ支持部５
は、図示しない付勢手段によりテンションローラ４を搬
送ローラ３に当接させた状態に維持する。ピックアップ
ローラ２によりシート積載部１からシートＳが繰り出さ
れると、搬送ローラ３とテンションローラ４との対向部
でシートＳが挟持される。挟持されたシートＳは、搬送
ローラ３とテンションローラ４とが同方向に回転し、搬
送ローラ３に当接しているシートＳのみが繰り出され、
このシートＳに重なっているシートＳは搬送ローラ３と
対向する周面が搬送ローラ３と逆方向に移動しているテ
ンションローラ４の回転方向に従ってシート積載部１側
に戻される。

【００２２】搬送経路においてシート積載部１から繰り
出されたシートＳが詰まり、所謂、ジャムが発生した場
合には、搬送ローラ３とテンションローラ４とによるシ
ートＳへの加圧挟持が解除されてシートＳを取り出す操
作が行われる。この場合には、シート積載部１が引き出
し方向に移動させられる。

【００２３】シート積載部１が引き出し方向に移動する
と、圧解除駆動片８の駆動片８Ｂがローラ支持部５にお
けるガイド片５Ｂのガイド面５Ｂ１に当接して干渉す
る。ガイド面５Ｂ１に干渉した圧解除駆動片８は、シー
ト積載部１の引き出し方向への移動に伴ってガイド面５
Ｂ１の上面に載り上げる。このため、ローラ支持部５
は、支軸５Ａを支点として、図４において反時計方向に
揺動してローラ支持部５を押し下げ、テンションローラ
４を搬送ローラ３から引き離す。

【００２４】シート積載部１が引き出されると、図５に
示すように圧解除駆動片８は、ガイド面５Ｂ１からガイ
ド片５Ｂの上面に移行し、ガイド面５Ｂ１からガイド片
５Ｂに載り上げてローラ支持部５を押し下げた状態を維
持し、ローラ支持部５のテンションローラ４を搬送ロー
ラ３から引き離した状態に保持する。これにより、シー
ト積載部１が引き出されると、図４に示すように、搬送
ローラ３とテンションローラ４とによるシートＳへの加
圧が解除された状態となるので、搬送ローラ３およびテ
ンションローラ４に挟持されていたシートＳがシート積
載部１の移動と共に挟持位置から外れる方向に持ち来さ
れる。さらに、シート積載部１の引き出し移動に連動す
る圧解除駆動片８の駆動片８Ｂの側端によりガイド片５
Ｂに位置しているシートＳが引き出し方向に押し動かさ
れるので、挟持加圧を解除された状態から容易に引き出
される。

【００２５】以上のような実施例によれば、ローラ支持
部５に有するガイド面５Ｂ１がシート積載部１の高さ方
向に沿って傾斜し、換言すれば、ローラ支持部５の揺動
方向に沿って形成されているので、圧解除駆動片８が干
渉を開始してガイド面５Ｂ１に載り上げ始めた時点から
ローラ支持部５に対して揺動方向の力を作用させること
ができる。これにより、ローラ支持部５が容易に揺動を
開始することによりシート積載部１を引き出す際の操作
力が大きく必要となるのを抑えて円滑な引き出し操作が
行える。

【００２６】

【発明の効果】以上説明した実施例からも明らかなよう
に、請求項１および２記載の発明によれば、シート積載
部が引き出し方向に移動するのに連動して搬送ローラお
よびテンションローラをシート積載部の高さ方向に沿っ
て互いに離間させることができる。特に、請求項２記載
の発明によれば、ローラ支持部の引き出し方向端部にシ
ート積載部の高さ方向に沿って傾斜するガイド面が形成
されているので、シート積載部の圧解除部との干渉に必
要な構成が占有するスペースをシート積載部の高さ内に
含めることができる。これにより、装置内部で占有する
シート積載部の空間スペース、特に水平方向での空間ス
ペースを設ける必要がないので、シート積載部が無為に
大型になるのを防止することができる。

【００２７】請求項３記載の発明では、シート積載部が
引き出されるのに連動して搬送ローラおよびテンション
ローラがシート積載部の高さ方向で互いに離間する際
に、圧解除部からガイド面への衝撃力がローラ支持部の
揺動を促進して上記両ローラを容易に引き離す方向に作
用するので、シート積載部の引き出し力を軽減してシー
トの剪断による破断が起こるのを抑制することができ
る。しかも、シートが圧解除部により引き出し方向に押
し動かされるので、ガイド片に残ることなく円滑に排除
されることが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例によるシート分離装置の要部構成
を説明するための模式図である。

【図２】図１に示したシート分離装置の要部構成の平面
図である。

【図３】図１に示したシート分離装置の圧解除部とロー
ラ支持部のガイド部との関係を説明するための斜視図で
ある。

【図４】図１に示したシート分離装置の一態様を説明す
るための模式図である。

【図５】図４に示した一態様を示す平面図である。

【符号の説明】

１ シート積載部 ３ 搬送ローラ ４ テンションローラ ５ ローラ支持部 ５Ａ 支軸 ５Ｂ ガイド片 ５Ｂ１ ガイド面 ８ 圧解除部に相当する圧解除駆動片 ８Ａ 基片 ８Ｂ 駆動片 Ａ シート繰り出し方向 Ｓ シート

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シート積載部から繰り出されるシートをは
   さんで対向する一方側に軸方向に沿って複数のローラを
   備えた搬送ローラを設け、他方側に上記搬送ローラのロ
   ーラ間に位置して軸方向に複数配置されたローラを備え
   たテンションローラを設け、上記搬送ローラを上記テン
   ションローラと同方向で上記シートを繰り出せる方向に
   回転させることにより上記シート積載部から繰り出され
   た複数のシートのうちで上記搬送ローラに対向当接する
   シートのみを給送するシート分離装置において、 上記シート積載部が上記シートの繰り出し方向と直角な
   引き出し方向に移動するのに連動して上記搬送ローラお
   よび上記テンションローラを上記シート積載部の高さ方
   向に沿って互いに離間させて上記シートへの加圧を解除
   する構成を備えたことを特徴とするシート分離装置。
2. 【請求項２】請求項１記載のシート分離装置において、 上記加圧を解除する構成は、上記テンションローラが回
   転可能に支持されている揺動可能なローラ支持部と、上
   記シート積載部に設けられていてシート積載部が引き出
   し方向へ移動するときに上記ローラ支持部の揺動端に干
   渉可能な圧解除部とを備え、上記ローラ支持部には、上
   記シートを上記搬送ローラと上記テンションローラとの
   対向部に向け案内するガイド部と上記ガイド部における
   上記引き出し方向端部で上記シート積載部の高さ方向に
   沿って傾斜するガイド面とが形成されていることを特徴
   とするシート分離装置。
3. 【請求項３】請求項２記載のシート分離装置において、 上記シート積載部は、引き出し方向に移動する過程で上
   記圧解除部が上記ガイド面に当接することにより、上記
   搬送ローラから上記テンションローラを引き離す方向に
   上記ローラ支持部を揺動させると共に上記ガイド部に位
   置するシートを上記圧解除部により押し動かして上記挟
   持位置から引き出すことを特徴とするシート分離装置。