JPH11217392A - 含ケイ素化合物およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

含ケイ素化合物およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

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JPH11217392A
JPH11217392A JP10027122A JP2712298A JPH11217392A JP H11217392 A JPH11217392 A JP H11217392A JP 10027122 A JP10027122 A JP 10027122A JP 2712298 A JP2712298 A JP 2712298A JP H11217392 A JPH11217392 A JP H11217392A
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将人 上田
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公 矢作
Makoto Kitano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な含ケイ素化合物、と該含ケイ素化合物を
用いて陽極を処理してなる、電極と有機層との機械的、
電気的接触に優れた有機EL素子を提供する。 【解決手段】〔1〕ケイ素原子に少なくとも1個のアル
コキシ基が結合し、かつ芳香族アミン骨格を有する基が
少なくとも1個結合し、標準水素電極を基準とした酸化
電位が0.3V〜1.5Vである含ケイ素化合物。 〔2〕構造式が一般式(1) 【化1】 [式中、R1とAr2はアルキル基など、Ar1はアリー
レン基、sとtは、2≦s+t≦4を満たす1〜3の整
数。]で示される〔1〕記載の含ケイ素化合物。 〔3〕一方が透明または半透明である陽極と陰極からな
る一対の電極の間に、有機層を有する有機EL素子にお
いて、陽極が〔1〕もしくは〔2〕記載の含ケイ素化合
物、または下記一般式(3) 【化2】 〔Aは縮合多環式芳香族基。〕で示され、かつ標準水素
電極を基準とした酸化電位が0.3V〜1.5Vである
含ケイ素化合物で処理されてなる有機EL素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含ケイ素化合物、
該含ケイ素化合物を用いた電極の表面処理方法と該含ケ
イ素化合物を含む電極の表面処理剤および該含ケイ素化
合物を用いて陽極を処理してなる有機エレクトロルミネ
ッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機材料を用いた電子素子または
光電子素子の研究が盛んに行われている。しかしなが
ら、有機材料だけから構成される素子は少なく、有機材
料と無機材料を積層して素子構造を形成するものがほと
んどである。このような電子素子または光電子素子は、
無機材料と有機材料を積層した構造すなわち無機/有機
界面を有していることから、その界面の機械的および電
気的特性を制御することが素子特性を向上させる点で重
要である。
【0003】例えば、有機エレクトロルミネッセンス素
子では、光を透過し、かつ正孔を注入する透明導電性電
極として酸化インジウム・スズ(以下ITOと略するこ
とがある)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(Zn
O)などの無機透明導電性電極がよく用いられる。この
透明導電性電極上に有機正孔輸送性材料などからなる層
を積層させて素子を構成するが、透明導電性電極/有機
正孔輸送性材料界面には、以下のような問題がある。す
なわち、ITO電極、SnO2 電極またはZnO電極
は、溶剤洗浄、プラズマ洗浄などにより表面を洗浄した
後使用されるが、このように表面洗浄されたITO電
極、SnO2 電極またはZnO電極の表面には水酸基
またはアルコキシ基が形成されて親水性になる。この親
水性の透明導電性電極上にさらに親水性の機能性有機分
子を積層する場合には特に問題はないが、一般的には有
機エレクトロルミネッセンス素子のように、透明導電性
電極上に形成される正孔輸送性の膜としては、疎水性の
機能性有機材料が用いられるため、界面での密着性が悪
く膜の剥離が生じたりする。例えば特開平2−2678
88号では、ITO電極上に正孔輸送性のポリシラン薄
膜を積層した有機エレクトロルミネッセンス素子が報告
されているが、これまで報告されているポリシラン化合
物は、側鎖に疎水性基のみを有するため、必ずしも満足
のいく密着性は得られていない。
【0004】シランカップリング剤に代表される表面処
理剤は繊維強化プラスチックに始まり、エラストマー、
塗料、接着剤、シーラント、レジンコンクリートなど、
有機材料と無機材料を組み合わせた複合材料において、
その界面の改質剤として広く用いられている。この表面
処理剤で処理することにより、無機/有機層界面の密着
性を改善することが可能となるが、従来用いられている
ほとんどの表面処理剤は電子輸送性または正孔輸送性が
ないため、電気的には絶縁物としてしか働かず、電子素
子または光電子素子としての特性を著しく低下させる。
【0005】一方、ITO電極、SnO2 電極または
ZnO電極の仕事関数と有機正孔輸送性材料のイオン化
ポテンシャルが一致する場合はほとんどなく、一般に
は、透明導電性電極と有機正孔輸送性材料の間にはエネ
ルギー差が生じる。このエネルギー差は、透明導電性電
極から有機正孔輸送性材料へ正孔を注入するときの、正
孔に対するエネルギー障壁となることがある。このエネ
ルギー障壁によって、透明導電性電極から有機正孔輸送
性材料への正孔の跳び移る確率が小さくなり、正孔の注
入効率を低下させている。これを改善させるため、透明
導電性電極の仕事関数と有機正孔輸送性材料のイオン化
ポテンシャルの間のイオン化ポテンシャルを有した金属
フタロシアニンなどを半透明に真空蒸着するなどの方法
が試みられているが、金属フタロシアニンは可視域に吸
収を持つため、光の透過率が低下するとの指摘もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
な含ケイ素化合物、透明導電性電極等の電極と有機層と
の機械的かつ電気的コンタクトを向上させた、該含ケイ
素化合物を用いる電極の表面処理方法と該含ケイ素化合
物を含む電極の表面処理剤、および該含ケイ素化合物を
用いて陽極を処理してなる、電極と有機層との機械的か
つ電気的コンタクトに優れた有機エレクトロルミネセン
ス素子(以下、有機EL素子と記すことがある)を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の従来の技術の問題
点をみて、本発明者等は、正孔輸送性を持った表面処理
剤について鋭意研究を続けた結果、特定の含ケイ素化合
物で電極を表面処理することにより有機層への正孔の注
入効率や密着性を向上できることを見いだし、本発明を
完成させるに至った。
【0008】本発明は、〔1〕ケイ素原子に少なくとも
1個のアルコキシ基が結合し、かつ芳香族アミン骨格を
有する基が少なくとも1個結合し、標準水素電極を基準
とした酸化電位が0.3V以上1.5V以下である含ケ
イ素化合物に係るものである。
【0009】さらに、本発明は、〔2〕構造式が一般式
(1)
【化4】 [式中、R1は水素原子、置換されていてもよい、1〜
10個の炭素原子を有するアルキル基、10個以下の炭
素原子を有するシクロアルキル基、6〜24個の炭素原
子を有するアリール基または7〜26個の炭素原子を有
するアラルキル基を表し、R2は置換されていてもよい
1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表し、R3
は置換されていてもよい、1〜10個の炭素原子を有す
るアルキル基、10個以下の炭素原子を有するシクロア
ルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基ま
たは7〜26個の炭素原子を有するアラルキル基を表
し、Ar1は置換されていてもよい6〜24個の炭素原
子を有するアリーレン基を表し、 Ar2は置換されて
いてもよい、1〜10個の炭素原子を有するアルキル
基、10個以下の炭素原子を有するシクロアルキル基、
6〜24個の炭素原子を有するアリール基もしくは7〜
26個の炭素原子を有するアラルキル基、または下記一
般式(2)
【0010】
【化5】 (式中、Ar3 は置換されていてもよい、6〜24個
の炭素原子を有するアリーレン基を表し、R4およびR5
はそれぞれ独立に、置換されていてもよい、1〜10
個の炭素原子を有するアルキル基、10個以下の炭素原
子を有するシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を
有するアリール基または7〜26個の炭素原子を有する
アラルキル基を表す。)を表し、sおよびtはそれぞれ
独立に、2≦s+t≦4を満たす1から3までの整数を
表す。R3とAr1の間あるいはR3とAr2の間、Ar1
とAr2の間、または、Ar2が一般式(2)で表される
ときR4とAr3の間、R4とR5の間にそれぞれ独立に環
を形成していてもよい。]で示される〔1〕記載の含ケ
イ素化合物に係るものである。
【0011】また、本発明は、〔3〕電極に接して有機
層を有する素子において、該電極の表面を〔1〕または
〔2〕記載の含ケイ素化合物、または下記一般式(3)
【0012】
【化6】 〔式中、R1、R2、sおよびtは、一般式(1)のそれ
と同じである。Aは置換されていてもよい14〜30の
炭素原子を有する縮合多環式芳香族基を表す。〕で示さ
れ、かつ標準水素電極を基準とした酸化電位が0.3V
以上1.5V以下である含ケイ素化合物により処理する
電極の表面処理方法に係るものである。
【0013】また、本発明は、〔4〕前記〔1〕もしく
は〔2〕記載の含ケイ素化合物または〔3〕記載の一般
式(3)で示される含ケイ素化合物を含有する電極の表
面処理剤に係るものである。
【0014】また、本発明は、〔5〕少なくとも一方が
透明または半透明である陽極および陰極からなる一対の
電極の間に、少なくとも一層の有機層を有する有機エレ
クトロルミネッセンス素子において、陽極が〔1〕もし
くは〔2〕記載の含ケイ素化合物または〔3〕記載の一
般式(3)で示される含ケイ素化合物で処理されてなる
有機エレクトロルミネッセンス素子に係るものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の含ケイ素化合物はケイ素原子に少なくとも1個
のアルコキシ基が結合し、かつ芳香族アミン骨格を有す
る基が少なくとも1個結合し、標準水素電極を基準とし
た酸化電位(以下、Eoxと記すことがある)が0.3
V以上1.5V以下であることを特徴とし、該酸化電位
は好ましくは0.5V以上1.1V以下である。さら
に、本発明の電極の表面処理剤として用いられる含ケイ
素化合物は、側鎖が芳香族アミン骨格を有する基である
前記含ケイ素化合物または一般式(3)で示され、かつ
標準水素電極を基準とした酸化電位が0.3V以上1.
5V以下である含ケイ素化合物であることを特徴とし、
該酸化電位は好ましくは0.5V以上1.1V以下であ
る。さらに、本発明の電極の表面処理剤として用いられ
る含ケイ素化合物としては、側鎖が芳香族アミン骨格を
有する基である前記含ケイ素化合物の方が好ましい。
【0016】本発明において、含ケイ素化合物の酸化電
位がこの範囲にあるとき、電極から有機層に注入される
正孔は、該含ケイ素化合物を介して跳び移り易くなり、
正孔の注入効率が向上するので好ましい。
【0017】該Eoxを求めるには、電気化学的な測
定、例えばサイクリックボルタンメトリーを行ない、ボ
ルタモグラムの第一酸化波の半波電位から求められる。
具体的には、例えば、適度な支持電解質を含む有機溶
媒、例えば0.1規定のテトラブチルアンモニウムテト
ラフルオロボレートのジクロロメタン溶液中に、表面処
理剤を溶解し、一対の白金電極を作用極および対極とし
て、参照電極としては、例えば銀/塩化銀電極、飽和カ
ロメル電極、標準水素電極等を用いて、サイクリックボ
ルタンメトリーを行なう。このときの本発明の含ケイ素
化合物の濃度は、酸化波が容易に検出できるように選べ
ばよい。得られたサイクリックボルタモグラムに対し、
第一酸化波のピークとベースラインの1/2の高さで、
ベースラインに平行に引いた直線と酸化波の交点の電位
のうち小さい方の値をEoxとすればよい。
【0018】構造式が前記一般式(1)で示される本発
明の含ケイ素化合物において、R1の水素原子以外の基
は、置換されていてもよい1〜10個の炭素原子を有す
る直鎖状、分岐状のアルキル基、置換されていてもよい
10個以下の炭素原子を有するシクロアルキル基、置換
されていてもよい6〜24個の炭素原子を有するアリー
ル基、置換されていてもよい7〜26個の炭素原子を有
するアラルキル基である。好ましくは置換されていても
よい1〜10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のア
ルキル基である。
【0019】ここで、置換されていてもよい、アルキル
基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基
の置換基としては、1〜6個の炭素原子を有する直鎖
状、分岐状のアルキル基、6個以下の炭素原子を有する
シクロアルキル基があげられる。具体的には、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等が例示さ
れ、好ましくはメチル基、エチル基である。
【0020】水素原子以外のR1として具体的には、ア
ルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オ
クチル基、ドデシル基等を、シクロアルキル基として
は、シクロヘキシル基等を、アリール基としては、フェ
ニル基、ナフチル基、アンスリル基、ビフェニル基等
を、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル
基、p−メチルベンジル基等が例示でき、好ましくはメ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基である。
【0021】一般式(1)で示される含ケイ素化合物に
おいて、R2は、置換されていてもよい1〜10個の炭
素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基であるが、
好ましくは、置換されていてもよい1〜3個の炭素原子
を有する直鎖状、分岐状のアルキル基である。
【0022】R2として具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等が例示でき、好
ましくはメチル基、エチル基である。
【0023】一般式(1)で示される含ケイ素化合物に
おいて、 R3は、置換されていてもよい1〜10個の
炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基、置換さ
れていてもよい10個以下の炭素原子を有するシクロア
ルキル基、置換されていてもよい6〜24個の炭素原子
を有するアリール基、置換されていてもよい7〜26個
の炭素原子を有するアラルキル基であるが、好ましく
は、置換されていてもよい6〜24個の炭素原子を有す
るアリール基であり、特に好ましくは、置換されていて
もよいフェニル基である。
【0024】R3として具体的には、アルキル基とし
て、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシ
ル基等が例示され、シクロアルキル基としては、シクロ
ヘキシル基等が例示され、アリール基としては、フェニ
ル基、ナフチル基、アンスリル基、ビフェニル基等が例
示され、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチ
ル基、p−メチルベンジル基等が例示される。
【0025】一般式(1)で示される含ケイ素化合物に
おいて、Ar1は、置換されていてもよい6〜24個の
炭素原子を有するアリーレン基である。具体的には、置
換されていてもよいフェニレン基、ナフチレン基、ビフ
ェニレン基等が例示できるが、好ましくは、置換されて
いてもよいフェニレン基である。
【0026】一般式(1)で示される含ケイ素化合物に
おいて、Ar2は、置換されていてもよい1〜10個の
炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基、置換さ
れていてもよい10個以下の炭素原子を有するシクロア
ルキル基、置換されていてもよい6〜24個の炭素原子
を有するアリール基、置換されていてもよい7〜26個
の炭素原子を有するアラルキル基である。好ましくは置
換されていてもよい6〜24個の炭素原子を有するアリ
ール基である。具体的には、アルキル基として、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等を、
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基等を、ア
リール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリ
ル基、ビフェニル基等を、アラルキル基としては、ベン
ジル基、フェネチル基、p−メチルベンジル基等が例示
でき、特に好ましくは、置換されていてもよいフェニル
基である。
【0027】また、一般式(1)で示される含ケイ素化
合物において、 Ar2を一般式(2)で表したとき、
4およびR5はそれぞれ独立に、置換されていてもよ
い1〜10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアル
キル基、置換されていてもよい10個以下の炭素原子を
有するシクロアルキル基、置換されていてもよい6〜2
4個の炭素原子を有するアリール基、置換されていても
よい7〜26個の炭素原子を有するアラルキル基である
が、好ましくは、置換されていてもよい6〜24個の炭
素原子を有するアリール基であり、特に好ましくは、置
換されていてもよいフェニル基である。
【0028】R4およびR5として具体的には、それぞれ
独立にアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、オクチル基、ドデシル基等が例示され、シクロアル
キル基としては、シクロヘキシル基等が例示され、アリ
ール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル
基、ビフェニル基等が例示され、アラルキル基として
は、ベンジル基、フェネチル基、p−メチルベンジル基
等がが例示される。
【0029】一般式(1)で示される含ケイ素化合物に
おいて、 Ar2を一般式(2)で表したとき、置換さ
れていてもよいアリーレン基Ar3は、置換されていて
もよい6〜24個の炭素原子を有するアリーレン基であ
る。具体的には、置換されていてもよいフェニレン基、
ナフチレン基、ビフェニレン基等が例示できるが、さら
に好ましくは、置換されていてもよいフェニレン基、ビ
フェニレン基であり、特に好ましくは、置換されていて
もよいビフェニレン基である。
【0030】ここで、上記のR3、R4、R5、Ar1、A
2およびAr3において、置換されていてもよい、アル
キル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキ
ル基の置換基としては、1〜6個の炭素原子を有する直
鎖状、分岐状のアルキル基またはアルコキシ基、6個以
下の炭素原子を有するシクロアルキル基、アミノ基、ニ
トロ基、シアノ基、エステル基、ハロゲンなどがあげら
れる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポ
キシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、ter
t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、シクロヘキシル基等が例示できる。好ましくはメチ
ル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基である。
【0031】また、構造式が一般式(3)で示される前
記含ケイ素化合物において、Aは3〜8個のベンゼン環
が縮合した芳香族基が好ましく、4〜6個のベンゼン環
が縮合した芳香族基がさらに好ましい。Aとして具体的
には、ピレニル基、トリフェニレニル基、ナフタセニル
基、ペリレニル基等が例示される。ここで置換されてい
てもよい14〜30の炭素原子を有する縮合多環式芳香
族基の置換基としては、1〜6個の炭素原子を有する直
鎖状、分岐状のアルキル基またはアルコキシ基、6個以
下の炭素原子を有するシクロアルキル基、アミノ基、ニ
トロ基、シアノ基、エステル基、ハロゲンなどがあげら
れる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポ
キシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、ter
t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、シクロヘキシル基等が例示でき、好ましくはメチル
基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基である。
【0032】本発明の含ケイ素化合物、および本発明の
電極の表面処理剤として用いられる含ケイ素化合物の具
体例を次に記すが、これらの化合物に限定されるもので
はない。式中、R6、R7は、それぞれ独立にメチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基を表し、R
8 〜 R16 は、それぞれ独立にメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブト
キシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘ
キシルオキシ基、シクロヘキシル基、アミノ基、ニトロ
基、シアノ基、メチルエステル基、フッ素原子等を表わ
す。また、mは0または1、nは0から2までの整数、
oは0から3までの整数、pは0から4までの整数、q
は0から5までの整数を表わす。一つの基の水素原子が
2個以上の置換基で置換される場合、それらの置換基は
同一でも異なっていてもよい。
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】
【化16】
【0043】
【化17】
【0044】
【化18】
【0045】本発明において、一般式(1)および一般
式(3)で示される含ケイ素化合物において、sおよび
tは、それぞれ独立に、2≦s+t≦4を満たす1から
3までの整数である。
【0046】本発明において、一般式(1)および一般
式(3)で示される含ケイ素化合物の具体的な例を以下
に記すが、これらの化合物に限定されるものではない。
N−フェニル−N− (4−トリエトキシシリルフェニ
ル )−アミノベンゼン、N− (4−ジエトキシメチル
シリルフェニル )−N−フェニル−アミノベンゼン、
N− (4−ジメチルエトキシシリルフェニル )−N−
フェニル−アミノベンゼン、N−フェニル−N− (4
−トリメトキシシリルフェニル )−アミノベンゼン、
N− (4−ジメトキシメチルシリルフェニル )−N−
フェニル−アミノベンゼン、N− (4−ジメチルメト
キシシリルフェニル )−N−フェニル−アミノベンゼ
ン、N− (4’−メチルフェニル )−N− (4−ト
リエトキシシリルフェニル )−アミノベンゼン、N−
(4−ジエトキシメチルシリルフェニル )−N−
(4’−メチルフェニル )−アミノベンゼン、N−
(4−ジメチルエトキシシリルフェニル )−N−
(4’−メチルフェニル )−アミノベンゼン、N−
(4’−メチルフェニル )−N− (4−トリメトキシ
シリルフェニル )−アミノベンゼン、N− (4−ジメ
トキシメチルシリルフェニル )−N− (4’−メチル
フェニル )−アミノベンゼン、N− (4−ジメチルメ
トキシシリルフェニル )−N− (4’−メチルフェニ
ル )−アミノベンゼン、N− (4”−メチルフェニル
)−N− (4’−トリエトキシシリルフェニル)−4
−メチルアミノベンゼン、N− (4’−ジエトキシメ
チルシリルフェニル )−N− (4”−メチルフェニル
)−4−メチルアミノベンゼン、N− (4’−ジメチ
ルエトキシシリルフェニル )−N− (4”−メチルフ
ェニル )−4−メチルアミノベンゼン、N− (4”−
メチルフェニル )−N− (4’−トリメトキシシリル
フェニル)−4−メチルアミノベンゼン、N− (4’−
ジメトキシメチルシリルフェニル )−N− (4”−メ
チルフェニル )−4−メチルアミノベンゼン、N−
(4’−ジメチルメトキシシリルフェニル )−N−
(4”−メチルフェニル )−4−メチルアミノベンゼ
ン、N’− (4’−トリエトキシシリルフェニル )−
N, N, N’−トリフェニル−1,4−ベンゼンジ
アミン、N’− (4’−ジエトキシメチルシリルフェ
ニル )−N, N, N’−トリフェニル−1,4−
ベンゼンジアミン、
【0047】N’− (4’−ジメチルエトキシシリル
フェニル )−N, N, N’−トリフェニル−1,
4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−トリメトキシ
シリルフェニル )−N, N, N’−トリフェニル
−1,4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−ジメト
キシメチルシリルフェニル )−N, N, N’−ト
リフェニル−1,4−ベンゼンジアミン、N’−
(4’−ジメチルメトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリフェニル−1,4−ベンゼンジアミ
ン、N’− (4’−トリエトキシシリルフェニル )−
N, N, N’−トリ (4”−メチルフェニル )−
1,4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−ジエトキ
シメチルシリルフェニル )−N, N, N’−トリ
(4”−メチルフェニル )−1,4−ベンゼンジアミ
ン、N’− (4’−ジメチルエトキシシリルフェニル
)−N, N, N’−トリ(4”−メチルフェニル
)−1,4−ベンゼンジアミン、
【0048】N, N, N’−トリ (4”−メチル
フェニル )−N’− (4’−トリメトキシシリルフェ
ニル )−1,4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−
ジメトキシメチルシリルフェニル )−N, N,
N’−トリ(4”−メチルフェニル )−1,4−ベンゼ
ンジアミン、N’− (4’−ジメチルメトキシシリル
フェニル )−N, N, N’−トリ(4”−メチルフ
ェニル )−1,4−ベンゼンジアミン、N, N’−
ジ (4”−メチルフェニル )−N−フェニル−N’−
(4’−トリエトキシシリルフェニル )−1,4−ベ
ンゼンジアミン、N’− (4’−ジエトキシメチルシ
リルフェニル )−N, N’−ジ (4”−メチルフェ
ニル )−N−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン、
N’− (4’−ジメチルエトキシシリルフェニル )−
N, N’−ジ (4”−メチルフェニル )−N−フェ
ニル−1,4−ベンゼンジアミン、N, N’−ジ
(4”−メチルフェニル )−N−フェニル−N’−
(4’−トリメトキシシリルフェニル )−1,4−ベン
ゼンジアミン、N, N’−ジ (4”−メチルフェニ
ル )−N’− (4’−ジメトキシメチルシリルフェニ
ル )−N−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン、
N’− (4’−ジメチルメトキシシリルフェニル )−
N, N’−ジ (4”−メチルフェニル )−N−フェ
ニル−1,4−ベンゼンジアミン、N,N−ジ (4”
−メチルフェニル )−N’−フェニル−N’− (4’
−トリエトキシシリルフェニル )−1,4−ベンゼン
ジアミン、N’− (4’−ジエトキシメチルシリルフ
ェニル )−N,N−ジ (4”−メチルフェニル )−
N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン、N’−
(4’−ジメチルエトキシシリルフェニル )−N,N−
ジ (4”−メチルフェニル )−N’−フェニル−1,
4−ベンゼンジアミン、N,N−ジ (4”−メチルフ
ェニル )−N’−フェニル−N’− (4’−トリメト
キシシリルフェニル )−1,4−ベンゼンジアミン、
N,N−ジ (4”−メチルフェニル )−N’−
(4’−ジメトキシメチルシリルフェニル )−N’−フ
ェニル−1,4−ベンゼンジアミン、
【0049】N’− (4’−ジメチルメトキシシリル
フェニル )−N,N−ジ (4”−メチルフェニル )
−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン、N,N
−ジフェニル−N’− (4”−メチルフェニル )−
N’− (4’−トリエトキシシリルフェニル )−1,
4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−ジエトキシメ
チルシリルフェニル )−N,N−ジフェニル−N’−
(4”−メチルフェニル )−1,4−ベンゼンジアミ
ン、N’− (4’−ジメチルエトキシシリルフェニル
)−N,N−ジフェニル−N’− (4”−メチルフェ
ニル )−1,4−ベンゼンジアミン、N,N−ジフェ
ニル−N’− (4”−メチルフェニル )−N’−
(4’−トリメトキシシリルフェニル )−1,4−ベン
ゼンジアミン、N’− (4’−ジメトキシメチルシリ
ルフェニル )−N,N−ジフェニル−N’− (4”−
メチルフェニル )−1,4−ベンゼンジアミン、N’
− (4’−ジメチルメトキシシリルフェニル )−N,
N−ジフェニル−N’− (4”−メチルフェニル )−
1,4−ベンゼンジアミン、N,N’−ジフェニル−N
− (4”−メチルフェニル )−N’− (4’−トリ
エトキシシリルフェニル )−1,4−ベンゼンジアミ
ン、N’− (4’−ジエトキシメチルシリルフェニル
)−N,N’−ジフェニル−N− (4”−メチルフェ
ニル )−1,4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−
ジメチルエトキシシリルフェニル )−N,N’−ジフ
ェニル−N− (4”−メチルフェニル )−1,4−ベ
ンゼンジアミン、N,N’−ジフェニル−−N−
(4”−メチルフェニル )−N’− (4’−トリメト
キシシリルフェニル )1,4−ベンゼンジアミン、
N’− (4’−ジメトキシメチルシリルフェニル )−
N,N’−ジフェニル−N− (4”−メチルフェニル
)−1,4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−ジメ
チルメトキシシリルフェニル )−N,N’−ジフェニ
ル−N− (4”−メチルフェニル )−1,4−ベンゼ
ンジアミン、N’− (4’−トリエトキシシリルフェ
ニル )−N, N, N’−トリ (2”,4”,6”
−トリメチルフェニル )−1,4−ベンゼンジアミ
ン、
【0050】N’− (4’−ジエトキシメチルシリル
フェニル )−N, N, N’−トリ(2”,4”,
6”−トリメチルフェニル )−1,4−ベンゼンジア
ミン、N’− (4’−ジメチルエトキシシリルフェニ
ル )−N, N, N’−トリ(2”,4”,6”−ト
リメチルフェニル )−1,4−ベンゼンジアミン、
N’− (4’−トリメトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ (2”,4”,6”−トリメチル
フェニル )−1,4−ベンゼンジアミン、N’−
(4’−ジメトキシメチルシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ(2”,4”,6”−トリメチルフェ
ニル )−1,4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−
ジメチルメトキシシリルフェニル )−N, N,
N’−トリ(2”,4”,6”−トリメチルフェニル )
−1,4−ベンゼンジアミン、N, N, N’−トリ
(4”−エチルフェニル )−N’− (4’−トリエ
トキシシリルフェニル )−1,4−ベンゼンジアミ
ン、N’− (4’−ジエトキシメチルシリルフェニル
)−N, N, N’−トリ(4”−エチルフェニル
)−1,4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−ジメ
チルエトキシシリルフェニル )−N, N, N’−
トリ(4”−エチルフェニル )−1,4−ベンゼンジア
ミン、N, N, N’−トリ (4”−エチルフェニ
ル )−N’− (4’−トリメトキシシリルフェニル
)−1,4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−ジメ
トキシメチルシリルフェニル )−N, N, N’−
トリ(4”−エチルフェニル )−1,4−ベンゼンジア
ミン、N’− (4’−ジメチルメトキシシリルフェニ
ル )−N, N, N’−トリ(4”−エチルフェニル
)−1,4−ベンゼンジアミン、N, N, N’−
トリ (3”,5”−ジメチルフェニル )−N’−
(4’−トリエトキシシリルフェニル )−1,4−ベン
ゼンジアミン、N’− (4’−ジエトキシメチルシリ
ルフェニル )−N, N, N’−トリ(3”,5”−
ジメチルフェニル )−1,4−ベンゼンジアミン、
N’− (4’−ジメチルエトキシシリルフェニル )−
N, N, N’−トリ(3”,5”−ジメチルフェニ
ル )−1,4−ベンゼンジアミン、
【0051】N, N, N’−トリ (3”,5”−
ジメチルフェニル )−N’− (4’−トリメトキシシ
リルフェニル )−1,4−ベンゼンジアミン、N’−
(4’−ジメトキシメチルシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ(3”,5”−ジメチルフェニル )−
1,4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−ジメチル
メトキシシリルフェニル )−N, N, N’−トリ
(3”,5”−ジメチルフェニル )−1,4−ベンゼン
ジアミン、N’− (4’−トリエトキシシリルフェニ
ル )−N, N, N’−トリ (3”−メチルフェニ
ル )−1,4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−ジ
エトキシメチルシリルフェニル )−N, N, N’
−トリ(3”−メチルフェニル )−1,4−ベンゼンジ
アミン、N’− (4’−ジメチルエトキシシリルフェ
ニル )−N, N, N’−トリ(3”−メチルフェニ
ル )−1,4−ベンゼンジアミン、N, N, N’
−トリ (3”−メチルフェニル )−N’− (4’−
トリメトキシシリルフェニル )−1,4−ベンゼンジ
アミン、N’− (4’−ジメトキシメチルシリルフェ
ニル )−N, N, N’−トリ(3”−メチルフェニ
ル )−1,4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−ジ
メチルメトキシシリルフェニル )−N, N, N’
−トリ(3”−メチルフェニル )−1,4−ベンゼンジ
アミン、N’− (4’−トリエトキシシリルフェニル
)−N, N, N’−トリ (4”−メトキシフェニ
ル )−1,4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−ジ
エトキシメチルシリルフェニル )−N, N, N’
−トリ(4”−メトキシフェニル )−1,4−ベンゼン
ジアミン、N’− (4’−ジメチルエトキシシリルフ
ェニル )−N, N, N’−トリ(4”−メトキシフ
ェニル )−1,4−ベンゼンジアミン、N, N,
N’−トリ (4”−メトキシフェニル )−N’−
(4’−トリメトキシシリルフェニル )−1,4−ベン
ゼンジアミン、N’− (4’−ジメトキシメチルシリ
ルフェニル )−N, N, N’−トリ(4”−メトキ
シフェニル )−1,4−ベンゼンジアミン、
【0052】N’− (4’−ジメチルメトキシシリル
フェニル )−N, N, N’−トリ(4”−メトキシ
フェニル )−1,4−ベンゼンジアミン、3−メチル
−N’− (4’−トリエトキシシリルフェニル )−
N, N, N’−トリフェニル−1,4−ベンゼンジ
アミン、3−メチル−N’− (4’−ジエトキシメチ
ルシリルフェニル )−N, N,N’−トリフェニル
−1,4−ベンゼンジアミン、3−メチル−N’−
(4’−ジメチルエトキシシリルフェニル )−N,
N,N’−トリフェニル−1,4−ベンゼンジアミン、
3−メチル−N’− (4’−トリメトキシシリルフェ
ニル )−N, N, N’−トリフェニル−1,4−
ベンゼンジアミン、3−メチル−N’− (4’−ジメ
トキシメチルシリルフェニル )−N, N,N’−ト
リフェニル−1,4−ベンゼンジアミン、3−メチル−
N’− (4’−ジメチルメトキシシリルフェニル )−
N, N,N’−トリフェニル−1,4−ベンゼンジア
ミン、3−メチル−N’− (4’−トリエトキシシリ
ルフェニル )−N, N, N’−トリ (4”−メチ
ルフェニル )−1,4−ベンゼンジアミン、3−メチ
ル−N’− (4’−ジエトキシメチルシリルフェニル
)−N, N,N’−トリ (4”−メチルフェニル
)−1,4−ベンゼンジアミン、3−メチル−N’−
(4’−ジメチルエトキシシリルフェニル )−N,
N,N’−トリ (4”−メチルフェニル )−1,4−
ベンゼンジアミン、3−メチル−N, N, N’−ト
リ (4”−メチルフェニル )−N’− (4’−トリ
メトキシシリルフェニル )−1,4−ベンゼンジアミ
ン、3−メチル−N’− (4’−ジメトキシメチルシ
リルフェニル )−N, N,N’−トリ (4”−メチ
ルフェニル )−1,4−ベンゼンジアミン、3−メチ
ル−N’− (4’−ジメチルメトキシシリルフェニル
)−N, N,N’−トリ (4”−メチルフェニル
)−1,4−ベンゼンジアミン、N’− (4’−トリ
エトキシシリルフェニル )−N, N, N’−トリ
フェニル−1,3−ベンゼンジアミン、N’− (4’
−ジエトキシメチルシリルフェニル )−N, N,
N’−トリフェニル−1,3−ベンゼンジアミン、N’
− (4’−ジメチルエトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリフェニル−1,3−ベンゼンジアミ
ン、
【0053】N’− (4’−トリメトキシシリルフェ
ニル )−N, N, N’−トリフェニル−1,3−
ベンゼンジアミン、N’− (4’−ジメトキシメチル
シリルフェニル )−N, N, N’−トリフェニル
−1,3−ベンゼンジアミン、N’− (4’−ジメチ
ルメトキシシリルフェニル )−N, N, N’−ト
リフェニル−1,3−ベンゼンジアミン、N’−
(4’−トリエトキシシリルフェニル )−N, N,
N’−トリ (4”−メチルフェニル )−1,3−ベン
ゼンジアミン、N’− (4’−ジエトキシメチルシリ
ルフェニル )−N, N, N’−トリ(4”−メチル
フェニル )−1,3−ベンゼンジアミン、N’−
(4’−ジメチルエトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ(4”−メチルフェニル )−1,3−
ベンゼンジアミン、N, N, N’−トリ (4”−
メチルフェニル )−N’− (4’−トリメトキシシリ
ルフェニル )−1,3−ベンゼンジアミン、N’−
(4’−ジメトキシメチルシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ(4”−メチルフェニル )−1,3−
ベンゼンジアミン、N’− (4’−ジメチルメトキシ
シリルフェニル )−N, N, N’−トリ(4”−メ
チルフェニル )−1,3−ベンゼンジアミン、N’−
(4”−トリエトキシシリルフェニル )−N, N,
N’−トリフェニル−1,1’−ビフェニル−4,
4’−ジアミン、N’− (4”−ジエトキシメチルシ
リルフェニル )−N, N, N’−トリフェニル−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’−
(4”−ジメチルエトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリフェニル−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミン、N’− (4”−トリメトキシシ
リルフェニル )−N, N, N’−トリフェニル−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’−
(4”−ジメトキシメチルシリルフェニル )−N,
N, N’−トリフェニル−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミン、N’− (4”−ジメチルメトキ
シシリルフェニル )−N, N, N’−トリフェニ
ル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’
− (4”−トリエトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ (4”’−メチルフェニル )−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’−
(4”−ジエトキシメチルシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ(4”’−メチルフェニル )−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
【0054】N’− (4”−ジメチルエトキシシリル
フェニル )−N, N, N’−トリ(4”’−メチル
フェニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジア
ミン、N, N, N’−トリ (4”’−メチルフェ
ニル )−N’− (4”−トリメトキシシリルフェニル
)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
N’− (4”−ジメトキシメチルシリルフェニル )−
N, N, N’−トリ(4”’−メチルフェニル )−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’−
(4”−ジメチルメトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ(4”’−メチルフェニル )−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N, N’−
ジ (4”’−メチルフェニル )−N−フェニル−N’
− (4”−トリエトキシシリルフェニル )−1,1’
−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’− (4”−
ジエトキシメチルシリルフェニル )−N, N’−ジ
(4”’−メチルフェニル )−N−フェニル−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’−
(4”−ジメチルエトキシシリルフェニル )−N,
N’−ジ (4”’−メチルフェニル )−N−フェニル
−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,
N’−ジ (4”’−メチルフェニル )−N−フェニル
−N’− (4”−トリメトキシシリルフェニル )−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,
N’−ジ (4”’−メチルフェニル )−N’−
(4”−ジメトキシメチルシリルフェニル )−N−フェ
ニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
N’− (4”−ジメチルメトキシシリルフェニル )−
N, N’−ジ (4”’−メチルフェニル )−N−フ
ェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
N,N−ジ (4”’−メチルフェニル )−N’−フェ
ニル−N’− (4”−トリエトキシシリルフェニル )
−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’−
(4”−ジエトキシメチルシリルフェニル )−N,N
−ジ (4”’−メチルフェニル )−N’−フェニル−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’−
(4”−ジメチルエトキシシリルフェニル )−N,N−
ジ (4”’−メチルフェニル )−N’−フェニル−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N−
ジ (4”’−メチルフェニル )−N’−フェニル−
N’− (4”−トリメトキシシリルフェニル )−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
【0055】N,N−ジ (4”’−メチルフェニル )
−N’− (4”−ジメトキシメチルシリルフェニル )
−N’−フェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−
ジアミン、N’− (4”−ジメチルメトキシシリルフ
ェニル )−N,N−ジ (4”’−メチルフェニル )
−N’−フェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−
ジアミン、N,N−ジフェニル−N’− (4”’−メ
チルフェニル )−N’− (4”−トリエトキシシリル
フェニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジア
ミン、N’− (4”−ジエトキシメチルシリルフェニ
ル )−N,N−ジフェニル−N’− (4”’−メチル
フェニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジア
ミン、N’− (4”−ジメチルエトキシシリルフェニ
ル )−N,N−ジフェニル−N’− (4”’−メチル
フェニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジア
ミン、N,N−ジフェニル−N’− (4”’−メチル
フェニル )−N’− (4”−トリメトキシシリルフェ
ニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミ
ン、N’− (4”−ジメトキシメチルシリルフェニル
)−N,N−ジフェニル−N’− (4”’−メチルフ
ェニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミ
ン、N’− (4”−ジメチルメトキシシリルフェニル
)−N,N−ジフェニル−N’− (4”’−メチルフ
ェニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミ
ン、N,N’−ジフェニル−N− (4”’−メチルフ
ェニル )−N’− (4”−トリエトキシシリルフェニ
ル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
N’− (4”−ジエトキシメチルシリルフェニル )−
N,N’−ジフェニル−N− (4”’−メチルフェニ
ル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
N’− (4”−ジメチルエトキシシリルフェニル )−
N,N’−ジフェニル−N− (4”’−メチルフェニ
ル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
N,N’−ジフェニル−N− (4”’−メチルフェニ
ル )−N’− (4”−トリメトキシシリルフェニル
)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
N’− (4”−ジメトキシメチルシリルフェニル )−
N,N’−ジフェニル−N− (4”’−メチルフェニ
ル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
N’− (4”−ジメチルメトキシシリルフェニル )−
N,N’−ジフェニル−N− (4”’−メチルフェニ
ル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
【0056】N’− (4”−トリエトキシシリルフェ
ニル )−N, N, N’−トリ (2”’,4”’,
6”’−トリメチルフェニル )−1,1’−ビフェニ
ル−4,4’−ジアミン、N’− (4”−ジエトキシ
メチルシリルフェニル )−N, N, N’−トリ
(2”’,4”’,6”’−トリメチルフェニル )−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’−
(4”−ジメチルエトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ(2”’,4”’,6”’−トリメチ
ルフェニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジ
アミン、N’− (4”−トリメトキシシリルフェニル
)−N, N, N’−トリ (2”’,4”’,
6”’−トリメチルフェニル )−1,1’−ビフェニ
ル−4,4’−ジアミン、N’− (4”−ジメトキシ
メチルシリルフェニル )−N, N, N’−トリ
(2”’,4”’,6”’−トリメチルフェニル )−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’−
(4”−ジメチルメトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ(2”’,4”’,6”’−トリメチ
ルフェニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジ
アミン、N, N, N’−トリ (4”’−エチルフ
ェニル )−N’− (4”−トリエトキシシリルフェニ
ル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
N’− (4”−ジエトキシメチルシリルフェニル )−
N, N, N’−トリ(4”’−エチルフェニル )−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’−
(4”−ジメチルエトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ(4”’−エチルフェニル )−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N, N,
N’−トリ (4”’−エチルフェニル )−N’−
(4”−トリメトキシシリルフェニル )−1,1’−ビ
フェニル−4,4’−ジアミン、N’− (4”−ジメ
トキシメチルシリルフェニル )−N, N, N’−
トリ(4”’−エチルフェニル )−1,1’−ビフェニ
ル−4,4’−ジアミン、N’− (4”−ジメチルメ
トキシシリルフェニル )−N, N, N’−トリ
(4”’−エチルフェニル )−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミン、N, N, N’−トリ
(3”’,5”’−ジメチルフェニル )−N’−
(4”−トリエトキシシリルフェニル )−1,1’−ビ
フェニル−4,4’−ジアミン、N’− (4”−ジエ
トキシメチルシリルフェニル )−N, N, N’−
トリ(3”’,5”’−ジメチルフェニル )−1,1’
−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
【0057】N’− (4”−ジメチルエトキシシリル
フェニル )−N, N, N’−トリ(3”’,5”’
−ジメチルフェニル )−1,1’−ビフェニル−4,
4’−ジアミン、N, N, N’−トリ (3”’,
5”’−ジメチルフェニル )−N’− (4”−トリメ
トキシシリルフェニル )−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミン、N’− (4”−ジメトキシメチ
ルシリルフェニル )−N, N, N’−トリ
(3”’,5”’−ジメチルフェニル )−1,1’−ビ
フェニル−4,4’−ジアミン、N’− (4”−ジメ
チルメトキシシリルフェニル )−N, N, N’−
トリ(3”’,5”’−ジメチルフェニル )−1,1’
−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’− (4”−
トリエトキシシリルフェニル )−N, N, N’−
トリ (3”’−メチルフェニル )−1,1’−ビフェ
ニル−4,4’−ジアミン、N’− (4”−ジエトキ
シメチルシリルフェニル )−N, N, N’−トリ
(3”’−メチルフェニル )−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミン、N’− (4”−ジメチルエトキ
シシリルフェニル )−N, N, N’−トリ(3”’
−メチルフェニル )−1,1’−ビフェニル−4,
4’−ジアミン、N, N, N’−トリ (3”’−
メチルフェニル )−N’− (4”−トリメトキシシリ
ルフェニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジ
アミン、N’− (4”−ジメトキシメチルシリルフェ
ニル )−N, N, N’−トリ(3”’−メチルフェ
ニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミ
ン、N’− (4”−ジメチルメトキシシリルフェニル
)−N, N, N’−トリ(3”’−メチルフェニル
)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
N’− (4”−トリエトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ (4”’−メトキシフェニル )−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’−
(4”−ジエトキシメチルシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ(4”’−メトキシフェニル )−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N’−
(4”−ジメチルエトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ(4”’−メトキシフェニル )−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N, N,
N’−トリ (4”’−メトキシフェニル )−N’−
(4”−トリメトキシシリルフェニル )−1,1’−ビ
フェニル−4,4’−ジアミン、
【0058】N’− (4”−ジメトキシメチルシリル
フェニル )−N, N, N’−トリ(4”’−メトキ
シフェニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジ
アミン、N’− (4”−ジメチルメトキシシリルフェ
ニル )−N, N, N’−トリ(4”’−メトキシフ
ェニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミ
ン、3,3’−ジメチル−N’− (4”−トリエトキ
シシリルフェニル )−N,N, N’−トリフェニル
−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,
3’−ジメチル−N’− (4”−ジエトキシメチルシ
リルフェニル )−N, N, N’−トリフェニル−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,3’
−ジメチル−N’− (4”−ジメチルエトキシシリル
フェニル )−N, N, N’−トリフェニル−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,3’−ジ
メチル−N’− (4”−トリメトキシシリルフェニル
)−N,N, N’−トリフェニル−1,1’−ビフ
ェニル−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−
N’− (4”−ジメトキシメチルシリルフェニル )−
N, N, N’−トリフェニル−1,1’−ビフェニ
ル−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−N’−
(4”−ジメチルメトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリフェニル−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−N’−
(4”−トリエトキシシリルフェニル )−N,N,
N’−トリ (4”’−メチルフェニル )−1,1’−
ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル
−N’− (4”−ジエトキシメチルシリルフェニル )
−N, N, N’−トリ (4”’−メチルフェニル
)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
3,3’−ジメチル−N’− (4”−ジメチルエトキ
シシリルフェニル )−N, N, N’−トリ
(4”’−メチルフェニル )−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−N, N,
N’−トリ (4”’−メチルフェニル )−N’−
(4”−トリメトキシシリルフェニル )−1,1’−ビ
フェニル−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−
N’− (4”−ジメトキシメチルシリルフェニル )−
N, N, N’−トリ (4”’−メチルフェニル )
−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,
3’−ジメチル−N’− (4”−ジメチルメトキシシ
リルフェニル )−N, N, N’−トリ (4”’−
メチルフェニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’
−ジアミン、
【0059】2,2’−ジメチル−N’− (4”−ト
リエトキシシリルフェニル )−N,N, N’−トリ
フェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミ
ン、2,2’−ジメチル−N’− (4”−ジエトキシ
メチルシリルフェニル )−N, N, N’−トリフ
ェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
2,2’−ジメチル−N’− (4”−ジメチルエトキ
シシリルフェニル )−N, N, N’−トリフェニ
ル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、2,
2’−ジメチル−N’− (4”−トリメトキシシリル
フェニル )−N,N, N’−トリフェニル−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ジ
メチル−N’− (4”−ジメトキシメチルシリルフェ
ニル )−N, N, N’−トリフェニル−1,1’
−ビフェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ジメチ
ル−N’− (4”−ジメチルメトキシシリルフェニル
)−N, N, N’−トリフェニル−1,1’−ビ
フェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ジメチル−
N’− (4”−トリエトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ (4”’−メチルフェニル )−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ジ
メチル−N’− (4”−ジエトキシメチルシリルフェ
ニル )−N, N, N’−トリ (4”’−メチルフ
ェニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミ
ン、2,2’−ジメチル−N’− (4”−ジメチルエ
トキシシリルフェニル )−N, N, N’−トリ
(4”’−メチルフェニル )−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミン、2,2’−ジメチル−N, N,
N’−トリ (4”’−メチルフェニル )−N’−
(4”−トリメトキシシリルフェニル )−1,1’−ビ
フェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ジメチル−
N’− (4”−ジメトキシメチルシリルフェニル )−
N, N, N’−トリ (4”’−メチルフェニル )
−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、2,
2’−ジメチル−N’− (4”−ジメチルメトキシシ
リルフェニル )−N, N, N’−トリ (4”’−
メチルフェニル )−1,1’−ビフェニル−4,4’
−ジアミン、N’− (4”−トリエトキシシリルフェ
ニル )−N, N, N’−トリフェニル−1,1’
−ビフェニル−3,3’−ジアミン、N’− (4”−
ジエトキシメチルシリルフェニル )−N, N,
N’−トリフェニル−1,1’−ビフェニル−3,3’
−ジアミン、
【0060】N’− (4”−ジメチルエトキシシリル
フェニル )−N, N, N’−トリフェニル−1,
1’−ビフェニル−3,3’−ジアミン、N’−
(4”−トリメトキシシリルフェニル )−N, N,
N’−トリフェニル−1,1’−ビフェニル−3,3’
−ジアミン、N’− (4”−ジメトキシメチルシリル
フェニル )−N, N, N’−トリフェニル−1,
1’−ビフェニル−3,3’−ジアミン、N’−
(4”−ジメチルメトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリフェニル−1,1’−ビフェニル−
3,3’−ジアミン、N’− (4”−トリエトキシシ
リルフェニル )−N, N, N’−トリ (4”’−
メチルフェニル )−1,1’−ビフェニル−3,3’
−ジアミン、N’− (4”−ジエトキシメチルシリル
フェニル )−N, N, N’−トリ(4”’−メチル
フェニル )−1,1’−ビフェニル−3,3’−ジア
ミン、N’− (4”−ジメチルエトキシシリルフェニ
ル )−N, N, N’−トリ(4”’−メチルフェニ
ル )−1,1’−ビフェニル−3,3’−ジアミン、
N, N, N’−トリ (4”’−メチルフェニル )
−N’− (4”−トリメトキシシリルフェニル )−
1,1’−ビフェニル−3,3’−ジアミン、N’−
(4”−ジメトキシメチルシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ(4”’−メチルフェニル )−1,
1’−ビフェニル−3,3’−ジアミン、N’−
(4”−ジメチルメトキシシリルフェニル )−N,
N, N’−トリ(4”’−メチルフェニル )−1,
1’−ビフェニル−3,3’−ジアミン
【0061】1−(トリエトキシシリル)―ピレン、1
−(ジエトキシメチルシリル)―ピレン、1−(ジメチ
ルエトキシシリル)―ピレン、1−(トリメトキシシリ
ル)―ピレン、1−(ジメトキシメチルシリル)―ピレ
ン、1−(ジメチルメトキシシリル)―ピレン、2−
(トリエトキシシリル)―ピレン、2−(ジエトキシメ
チルシリル)―ピレン、2−(ジメチルエトキシシリ
ル)―ピレン、2−(トリメトキシシリル)―ピレン、
2−(ジメトキシメチルシリル)―ピレン、2−(ジメ
チルメトキシシリル)―ピレン、4−(トリエトキシシ
リル)―ピレン、4−(ジエトキシメチルシリル)―ピ
レン、4−(ジメチルエトキシシリル)―ピレン、4−
(トリメトキシシリル)―ピレン、4−(ジメトキシメ
チルシリル)―ピレン、4−(ジメチルメトキシシリ
ル)―ピレン、1−(トリエトキシシリル)―ナフタセ
ン、1−(ジエトキシメチルシリル)―ナフタセン、1
−(ジメチルエトキシシリル)―ナフタセン、1−(ト
リメトキシシリル)―ナフタセン、1−(ジメトキシメ
チルシリル)―ナフタセン、1−(ジメチルメトキシシ
リル)―ナフタセン、2−(トリエトキシシリル)―ナ
フタセン、2−(ジエトキシメチルシリル)―ナフタセ
ン、2−(ジメチルエトキシシリル)―ナフタセン、2
−(トリメトキシシリル)―ナフタセン、2−(ジメト
キシメチルシリル)―ナフタセン、2−(ジメチルメト
キシシリル)―ナフタセン、5−(トリエトキシシリ
ル)―ナフタセン、5−(ジエトキシメチルシリル)―
ナフタセン、5−(ジメチルエトキシシリル)―ナフタ
セン、5−(トリメトキシシリル)―ナフタセン、5−
(ジメトキシメチルシリル)―ナフタセン、5−(ジメ
チルメトキシシリル)―ナフタセン、1−(トリエトキ
シシリル)―トリフェニレン、1−(ジエトキシメチル
シリル)―トリフェニレン、1−(ジメチルエトキシシ
リル)―トリフェニレン、1−(トリメトキシシリル)
―トリフェニレン、1−(ジメトキシメチルシリル)―
トリフェニレン、1−(ジメチルメトキシシリル)―ト
リフェニレン、2−(トリエトキシシリル)―トリフェ
ニレン、2−(ジエトキシメチルシリル)―トリフェニ
レン、2−(ジメチルエトキシシリル)―トリフェニレ
ン、2−(トリメトキシシリル)―トリフェニレン、2
−(ジメトキシメチルシリル)―トリフェニレン、2−
(ジメチルメトキシシリル)―トリフェニレン、1−
(トリエトキシシリル)―ペリレン、1−(ジエトキシ
メチルシリル)―ペリレン、1−(ジメチルエトキシシ
リル)―ペリレン、1−(トリメトキシシリル)―ペリ
レン、1−(ジメトキシメチルシリル)―ペリレン、1
−(ジメチルメトキシシリル)―ペリレン、2−(トリ
エトキシシリル)―ペリレン、2−(ジエトキシメチル
シリル)―ペリレン、2−(ジメチルエトキシシリル)
―ペリレン、2−(トリメトキシシリル)―ペリレン、
2−(ジメトキシメチルシリル)―ペリレン、2−(ジ
メチルメトキシシリル)―ペリレン、3−(トリエトキ
シシリル)―ペリレン、3−(ジエトキシメチルシリ
ル)―ペリレン、3−(ジメチルエトキシシリル)―ペ
リレン、3−(トリメトキシシリル)―ペリレン、3−
(ジメトキシメチルシリル)―ペリレン、3−(ジメチ
ルメトキシシリル)―ペリレン
【0062】本発明の含ケイ素化合物、および本発明の
電極の表面処理剤として用いられる含ケイ素化合物は、
種々の方法で合成することが可能であり、例えば側鎖に
芳香族アミン骨格を有する基を有する場合、下記反応式
に示す方法により製造することができる。
【0063】
【化19】
【0064】[式中、R1〜R3、Ar1、Ar2、t、s
は前記と同じ意味を表し、R17はアルキル基を、Xはハ
ロゲン原子を、Yはハロゲン原子またはアルコキシ基を
表す。] すなわち、反応式に示すように、公知の方法で製造され
る式〔a〕で表されるアミン化合物をN−ブロモスクシ
ンイミド、臭素、ピリジニウムハイドロブロマイドパー
ブロマイド等の公知のハロゲン化剤により、好ましくは
−20℃から150℃、より好ましくは0℃から100
℃、さらに好ましくは10℃から60℃の温度で、好ま
しくは30分から24時間、より好ましくは2時間から
18時間、さらに好ましくは4時間から10時間反応さ
せて、 Ar1を直接ハロゲン化することにより、式
〔b〕で表されるハロゲン化アミン化合物を得る。ハロ
ゲン原子としては特に限定されず、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれでもよい。ハロゲン
化アミン化合物〔b〕の合成溶媒としては、四塩化炭
素、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸等があげられ
る。
【0065】次いで、ハロゲン化アミン化合物〔b〕と
有機リチウム試薬〔c〕、または金属マグネシウム
〔d〕を反応させることにより、ハロゲン原子のついた
炭素原子をリチオ化、またはグリニャール化し、式
〔e〕で表されるリチウム化合物、または式〔f〕で表
されるグリニャール化合物を得る。その方法としては、
公知の方法が用いられ、例えばリチオ化の場合には、エ
ーテル系溶媒に上記ハロゲン化アミン化合物〔b〕を溶
解し、そこへ等モル量の有機リチウム試薬を滴下する。
滴下温度は、好ましくは−80から0℃、より好ましく
は−80℃から−20℃、さらに好ましくは−80℃か
ら−40℃であり、反応時間は、好ましくは10分から
10時間、より好ましくは30分から6時間、さらに好
ましくは1時間から3時間である。
【0066】用いられるエーテル系溶媒としては、ジエ
チルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、
エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソ
プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル等があげら
れる。
【0067】用いられる有機リチウム試薬としては、例
えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、
tert−ブチルリチウム、メチルリチウム、リチウム
ジイソプロピルアミド等をあげることができ、これら
は、有機溶媒にて希釈して用いられる。
【0068】グリニャール化する場合にも、前記リチオ
化の溶媒と同様の溶媒を用いることができ、まず等モル
量〜2倍モル量の金属マグネシウムを溶媒と共に反応容
器に入れ、そこへ上記ハロゲン化アミン化合物〔b〕を
溶媒で希釈したものを滴下し、好ましくは0℃から15
0℃、より好ましくは25℃から100℃、さらに好ま
しくは50℃から80℃の温度で、好ましくは1時間か
ら24時間、より好ましくは3時間から18時間、さら
に好ましくは5時間から10時間撹拌することにより、
グリニャール化する。
【0069】さらに、公知の方法を用いて、上記リチウ
ム化合物〔e〕、またはグリニャール化合物〔f〕に、
式〔g〕で表されるアルコキシシラン化合物を反応させ
ることにより一般式(1)で表される本発明の化合物が
得られる。反応温度は、好ましくは−80から0℃、よ
り好ましくは−80℃から−20℃、さらに好ましくは
−80℃から−40℃であり、反応時間は、好ましくは
10分から10時間、より好ましくは30分から6時
間、さらに好ましくは1時間から3時間である。また、
本発明の電極の表面処理剤として用いられる、側鎖に縮
合多環式芳香族基を有する含ケイ素化合物の場合も同様
に、下記反応式に示す方法により製造することができ
る。
【化20】 [式中、R1、R2、A、t、sは前記と同じ意味を表
し、R17はアルキル基を、Xはハロゲン原子を、Yはハ
ロゲン原子またはアルコキシ基を表す。] すなわち、反応式に示すように、公知の方法で製造され
る式(a’)で表される縮合多環式芳香族化合物をN−
ブロモスクシンイミド、臭素、ピリジニウムハイドロブ
ロマイドパーブロマイド等の公知のハロゲン化剤によ
り、好ましくは−20℃から150℃、より好ましくは
0℃から100℃、さらに好ましくは10℃から60℃
の温度で、好ましくは30分から24時間、より好まし
くは2時間から18時間、さらに好ましくは4時間から
10時間反応させて、縮合多環式芳香族基Aを直接ハロ
ゲン化することにより、式(b’)で表されるハロゲン
化縮合多環式芳香族化合物を得る。ハロゲン原子として
は特に限定されず、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子のいずれでもよい。ハロゲン化縮合多環式芳
香族化合物(b’)の合成溶媒としては、四塩化炭素、
N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸等があげられる。
【0070】次いで、ハロゲン化縮合多環式芳香族化合
物(b’)と有機リチウム試薬(c’)、または金属マ
グネシウム(d’)を反応させることにより、ハロゲン
原子のついた炭素原子をリチオ化、またはグリニャール
化し、式(e’)で表されるリチウム化合物、または式
(f’)で表されるグリニャール化合物を得る。その方
法としては、公知の方法が用いられ、例えばリチオ化の
場合には、エーテル系溶媒に上記ハロゲン化縮合多環式
芳香族化合物(b’)を溶解し、そこへ等モル量の有機
リチウム試薬を滴下する。滴下温度は、好ましくは−8
0から0℃、より好ましくは−80℃から−20℃、さ
らに好ましくは−80℃から−40℃であり、反応時間
は、好ましくは10分から10時間、より好ましくは3
0分から6時間、さらに好ましくは1時間から3時間で
ある。
【0071】用いられるエーテル系溶媒としては、ジエ
チルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、
エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソ
プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル等があげら
れる。
【0072】用いられる有機リチウム試薬としては、例
えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、
tert−ブチルリチウム、メチルリチウム、リチウム
ジイソプロピルアミド等をあげることができ、これら
は、有機溶媒にて希釈して用いられる。
【0073】グリニャール化する場合にも、前記リチオ
化の溶媒と同様の溶媒を用いることができ、まず等モル
量〜2倍モル量の金属マグネシウムを溶媒と共に反応容
器に入れ、そこへ上記ハロゲン化縮合多環式芳香族化合
物(b’)を溶媒で希釈したものを滴下し、好ましくは
0℃から150℃、より好ましくは25℃から100
℃、さらに好ましくは50℃から80℃の温度で、好ま
しくは1時間から24時間、より好ましくは3時間から
18時間、さらに好ましくは5時間から10時間撹拌す
ることにより、グリニャール化する。
【0074】さらに、公知の方法を用いて、上記リチウ
ム化合物(e’)、またはグリニャール化合物(f’)
に、式(g’)で表されるアルコキシシラン化合物を反
応させることにより一般式(3)で表される本発明の化
合物が得られる。反応温度は、好ましくは−80から0
℃、より好ましくは−80℃から−20℃、さらに好ま
しくは−80℃から−40℃であり、反応時間は、好ま
しくは10分から10時間、より好ましくは30分から
6時間、さらに好ましくは1時間から3時間である。ア
ルコキシシラン化合物の反応に用いられる溶媒は、原料
および反応生成物を溶解することが可能であれば特に限
定されず、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン等の
芳香族炭化水素類、ドデカン、ヘプタン、ヘキサン、シ
クロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジオキサン等のエー
テル系溶媒が使用可能である。
【0075】本発明において、含ケイ素化合物の製造に
用いるアルコキシシラン化合物は、反応に用いる際に水
分を嫌うので、水分が混入しないように、乾燥した窒
素、アルゴン等の水分を含まない不活性雰囲気下で行う
ことが好ましい。さらにまた、上記反応のための溶媒も
水分が除去されていることが好ましい。水分の含有量が
多い場合には、原料および生成物のアルコキシ基が加水
分解を受け、縮合物が生成し目的物の収率が低下する。
上記反応により得られる反応生成物は、再結晶、蒸留、
カラムクロマトグラフィー等の公知の方法で精製して用
いることが好ましい。
【0076】また、本発明において、含ケイ素化合物に
より透明導電性電極等の電極の表面を処理する方法とし
ては、該含ケイ素化合物を適当な溶媒で希釈して処理液
とし、該処理液を電極と接触させることにより行うこと
ができる。ここで希釈する溶媒としては、該含ケイ素化
合物を溶解することが可能であれば特に限定されず、例
えば、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水
素類、ドデカン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン
等の脂肪族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒が使
用可能である。
【0077】本発明において、処理液中の含ケイ素化合
物の濃度は、該含ケイ素化合物が溶解すればよく特に制
限はないないが、好ましくは0.1〜20重量%、さら
に好ましくは0.5〜10重量%である。さらには、こ
の処理液に必要に応じて、触媒を添加することも可能で
ある。触媒としては、アンモニア、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、ピペラジンもしくはピペリジンのN
−アルキル置換体があげられる。触媒の添加量として
は、0.1〜10重量%が好ましい。
【0078】処理液と電極と接触させ処理する方法は特
に制限はないが、乾燥した窒素、アルゴン等の水分を含
まない不活性雰囲気下で、電極を処理液に浸漬させる方
法が好ましい。さらに、処理後の電極は、該含ケイ素化
合物を溶解する溶媒および/または該含ケイ素化合物に
不活性なアセトンなどの溶媒で洗浄し、電極と反応しな
かった化合物を取り除いてから用いることが好ましい。
【0079】本発明において、含ケイ素化合物で処理さ
れる電極としては、導電性を有する種々の材料が使用で
きる。該材料として、金属、金属薄膜が表面に形成
されたガラスやプラスチック、導電性高分子などが挙
げられる。具体的には、該金属としては、アルミニウ
ム、銅、スズ、白金、金、銀、バナジウム、モリブデ
ン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、インジウ
ム、ステンレス鋼、真鍮等が挙げられる。また、ガラス
やプラスチックの表面に形成される金属薄膜としては、
前記の金属の薄膜等が挙げられる。また、該導電性高分
子としては、ポリアニリン、ポリアセチレン等が挙げら
れる。
【0080】また、本発明において、含ケイ素化合物で
処理される電極を透明または半透明な電極とする場合
は、導電性の金属酸化物膜および前記の金属の半透明薄
膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム・スズ
(ITO)、酸化スズ、酸化亜鉛等を用いて作成された
膜;アルミニウム、銅、錫、白金、金、銀、バナジウ
ム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケ
ル、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の半透明薄膜が
用いられる。本発明において、電極の表面に酸化物が形
成されているものが好ましい。具体的には、前記の金属
酸化物を用いて作成された膜や、金属表面に空気中で自
然に酸化膜が形成される金属薄膜が挙げられる。これら
の薄膜の作製方法としては真空蒸着法、スパッタリング
法、メッキ法等が例示される。
【0081】さらに、本発明において、含ケイ素化合物
で処理される電極は、表面処理を行う前に、酸またはア
ルカリ洗浄、洗剤洗浄、溶剤洗浄、プラズマ洗浄、オゾ
ン処理、紫外線照射、オゾン雰囲気下での紫外線照射な
どの処理法を単独または複数組み合わせた方法により表
面クリーニングされるのが好ましい。
【0082】次に、本発明の有機EL素子について説明
する。本発明の有機EL素子の構造については、少なく
とも一方が透明または半透明である陽極および陰極から
なる一対の電極の間に、少なくとも一層の有機層を有す
る有機EL素子において、陽極が本発明の表面処理剤で
処理されていれば、特に制限はなく、その構造は公知の
ものを採用することができ、また本発明の主旨を逸脱し
ない限りにおいて各種の改変を加えることができる。
【0083】具体的には本発明の有機EL素子の構造と
して、発光層の両面に一対の電極を有する素子構造、
正孔輸送層と発光層を積層し、該正孔輸送層の表面に
陽極、該発光層の表面に陰極を有する素子構造、発光
層と電子輸送層を積層し、該発光層の表面に陽極、該電
子輸送層の表面に陰極を有する素子構造、正孔輸送層
と発光層と電子輸送層をこの順に積層し、該正孔輸送層
の表面に陽極、該電子輸送層の表面に陰極を有する素子
構造があげられる。ここで、いずれの素子構造において
も、発光層は、発光材料または発光材料と電荷輸送材料
(正孔輸送性材料および/または電子輸送性材料)を含
み、正孔輸送層は正孔輸送性材料を含み、電子輸送層は
電子輸送性材料を含む。これらの構造からなる本発明の
有機EL素子の形状、大きさ、材質、製造方法等は該有
機EL素子の用途等に応じて適宜選択され、これらにつ
いては特に制限はない。また、発光層や正孔輸送層、電
子輸送層については、一層の場合も複数の層を組み合わ
せる場合も本発明に含まれる。
【0084】本発明の有機EL素子に用いられる正孔輸
送性材料としては、公知のものが使用でき、特に限定さ
れない。該正孔輸送性材料としては、ピラゾリン誘導
体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフ
ェニルジアミン誘導体等の低分子化合物、ポリ(N−ビ
ニルカルバゾール)、ポリシラン化合物等の高分子化合
物が例示される。具体的には、低分子化合物としては、
N,N’−ジ(3”−メチルフェニル)−N,N’−
ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミ
ンが好ましく、高分子化合物としては、ポリ(N−ビニ
ルカルバゾール)、ポリシラン化合物が好ましい。
【0085】正孔輸送性材料と発光材料を混合して使用
する場合、正孔輸送性材料および発光材料の使用量は使
用する化合物の種類等によっても異なるので、十分な成
膜性と発光特性を阻害しない範囲でそれらを考慮して適
宜決めればよい。通常、正孔輸送性材料の量は、発光材
料に対して1〜40重量%であり、より好ましくは2〜
30重量%である。
【0086】本発明の有機EL素子に用いられる正孔輸
送層、あるいは正孔輸送性材料および発光材料を含む層
の正孔輸送性材料として用いることができるポリシラン
化合物としては、下記一般式(4)
【0087】
【化21】
【0088】[式中、R18およびR19は、それぞれ独立
に、置換されていてもよい、1〜10個の炭素原子を有
するアルキル基、10個以下の炭素原子を有するシクロ
アルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基
または7〜26個の炭素原子を有するアラルキル基を示
す。]で示される繰り返し構造単位を一種類以上および
/または下記一般式(5)
【0089】
【化22】
【0090】[式中、R20は、置換されていてもよい、
1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、10個以下
の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜24個の炭
素原子を有するアリール基または7〜26個の炭素原子
を有するアラルキル基を表し、R21は置換されていても
よい、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、1
0個以下の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜2
4個の炭素原子を有するアリール基または7〜26個の
炭素原子を有するアラルキル基を表し、Ar4は置換さ
れていてもよい、6〜24個の炭素原子を有するアリー
レン基を表し、Ar5は置換されていてもよい6〜24
個の炭素原子を有するアリール基を表す。また、Ar4
とAr5の間、 Ar4とR21の間、あるいはR21とAr
5の間に環を形成していてもよい。]で示される繰り返
し構造単位を含んでいればよく、特に制限はない。
【0091】ここで、一般式(4)および(5)で示さ
れる繰り返し構造単位におけるR18、R19、R20または
21は、それぞれ独立に、置換されていてもよい1〜1
0個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基、
置換されていてもよい10個以下の炭素原子を有する環
状のシクロアルキル基、置換されていてもよい6〜24
個の炭素原子を有するアリール基、置換されていてもよ
い7〜26個の炭素原子を有するアラルキル基を示す。
好ましくは、R21は6〜24個の炭素原子を有するアリ
ール基であり、特に好ましくは置換されていてもよいフ
ェニル基である。
【0092】ここで、置換されていてもよい、アルキル
基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基
の置換基としては、1〜6個の炭素原子を有する直鎖
状、分岐状のアルキル基、6個以下の炭素原子を有する
シクロアルキル基があげられる。具体的には、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等が例示さ
れ、好ましくはメチル基、エチル基である。
【0093】R18、R19、R20またはR21の具体例とし
ては、それぞれ独立にアルキル基として、例えば、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等
が、シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシ
ル基等が、アリール基としては、例えば、フェニル基、
ナフチル基、アンスリル基、ビフェニル基等が、アラル
キル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、
p−メチルベンジル基等があげられる。
【0094】一般式(5)で示される繰り返し構造単位
におけるAr4は、好ましくは、置換されていてもよい
6〜24個の炭素原子を有するアリーレン基である。具
体的には、置換されていてもよいフェニレン基、ナフチ
レン基、アンスリレン基、ビフェニレン基等が例示され
るが、特に好ましくは、置換されていてもよいフェニレ
ン基である。
【0095】一般式(5)で示される繰り返し構造単位
におけるAr5は、好ましくは、置換されていてもよい
6〜24個の炭素原子を有するアリール基である。具体
的には、置換されていてもよいフェニル基、ナフチル
基、アンスリル基、ビフェニル基等が例示されるが、特
に好ましくは、置換されていてもよいフェニル基であ
る。
【0096】Ar4の置換されていてもよいアリーレン
基およびAr5の置換されていてもよいアリール基の置
換基としては、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分
岐状のアルキル基、6個以下の炭素原子を有するシクロ
アルキル基があげられる。具体的には、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等が例示され、好ま
しくはメチル基、エチル基である。
【0097】本発明において、含ケイ素化合物のイオン
化ポテンシャルをIp1、表面処理される陽極の仕事関
数をW、また該含ケイ素化合物で処理された陽極上に形
成される有機層のイオン化ポテンシャルをIp2とする
と、Ip1は、下記数式(I)
【数2】W≦Ip1≦Ip2 ・・・・・ (I) を満たすことが好ましい。 Ip1は、下記数式(II)
【数3】 Ip1≒(W+Ip2)/2 ・・・・・ (II) を満たすことがさらに好ましい。
【0098】本発明において、含ケイ素化合物で処理す
ることにより、透明導電性電極等の陽極から陽極に接す
る有機層に注入される正孔は、本発明の含ケイ素化合物
に含まれる正孔輸送性のアリールアミン誘導体構造およ
び/または縮合多環式芳香環に跳び移り、そこからさら
に該有機層に跳び移る二段階の過程を経ることになる。
それぞれの跳び移る過程において正孔は、Ip1−Wお
よびIp2−Ip1のエネルギー障壁を越えなければな
らないが、Ip1が上式を満たしていれば、正孔が跳び
移る過程のそれぞれのエネルギー障壁は、陽極と該有機
層間のエネルギー障壁Ip2−Wより小さくなるため、
正孔が跳び移り易くなり、陽極から該有機層に注入され
る正孔の注入効率が向上する。
【0099】本発明において、含ケイ素化合物のイオン
化ポテンシャルIp1が、W>Ip1またはIp1>I
p2の場合は、正孔が跳び移る過程のいずれかのエネル
ギー障壁が、陽極と該有機層間のエネルギー障壁Ip2
−Wより大きくなり、正孔が跳び移りにくくなるため、
陽極から該有機層に注入される正孔の注入効率が低下す
る場合がある。
【0100】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素
子に正孔輸送性材料として用いられるポリシラン化合物
の製造法としては特に限定されないが、例えば、ジャー
ナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー(Jo
urnal of OrganometallicCh
emistry)第C27巻、198頁(1980
年)、またはジャーナル・オブ・ポリマー・サイエン
ス:ポリマー・ケミストリー・エディション(Jour
nal of Polymer Science:Po
lymer Chemistry Edition)第
22巻、159頁(1984年)等に記載されている方
法と同様な方法を用いることができる。
【0101】すなわち、酸素および水分を除去した高純
度不活性雰囲気下で、下記一般式(6)
【化23】 [式中、R18、R19は前記と同じ意味を表し、Xはハロ
ゲン原子を表す。]で代表されるジハロシランモノマ
ー、または下記一般式(7)
【0102】
【化24】
【0103】[式中、R20、R21、Ar4、Ar5は前記
と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子を表す。]で示さ
れるジハロシランモノマー、または一般式(6)で示さ
れるジハロシランモノマーおよび/または一般式(7)
で示されるジハロシランモノマーで側鎖の異なる2種類
以上のジハロシランモノマーの混合物をアルカリ金属か
らなる縮合触媒に接触させてハロゲン脱離と縮重合を行
ない、主鎖骨格に前記一般式(4)を一種類以上および
/または前記一般式(5)で示される繰り返し構造単位
を含んだポリシラン化合物が製造できる。
【0104】本発明の有機EL素子に用いられる発光
層、あるいは正孔輸送性材料および発光材料を含む層の
発光材料は特に限定されず、種々のものを適用すること
ができる。低分子蛍光体や高分子蛍光体が好ましく、高
分子蛍光体がさらに好ましい。
【0105】例えば、低分子蛍光体としては、特に限定
はないが、ナフタレンおよびその誘導体、アントラセン
およびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、ポリメ
チン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの
色素類、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金
属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジ
エンおよびその誘導体、テトラフェニルブタジエンおよ
びその誘導体等を用いることができる。具体的には、例
えば、特開昭57−51781号公報、特開昭59−1
94393号公報に記載されているもの等、公知のもの
が使用可能である。
【0106】また、発光材料として使用可能な高分子蛍
光体としては、特に限定はないが、ポリフェニレンビニ
レン、ポリアリーレン、ポリアルキルチオフェン、ポリ
アルキルフルオレン等を挙げることができる。特に以下
のポリフェニレンビニレン誘導体が好ましい。
【0107】以下に、本発明の有機EL素子の発光層に
好ましく用いられる高分子蛍光体について説明する。該
高分子蛍光体は、下記一般式(8)
【0108】
【化25】 〔式中、 Ar6は、共役結合に関与する炭素原子数が
4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環
化合物基を表し、 R22、 R23は、それぞれ独立に水
素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基、炭素数4〜20の複素環化合物基およびシア
ノ基からなる群から選ばれる基を表す。〕で示される繰
り返し単位を全繰り返し単位の50モル%以上含む重合
体である。繰り返し単位の構造にもよるが、一般式
(8)で示される繰り返し単位が全繰り返し単位の70
%以上であることがより好ましい。該高分子蛍光体は、
一般式(8)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単
位として、2価の芳香族化合物基またはその誘導体、2
価の複素環化合物基またはその誘導体、およびそれらを
組み合わせて得られる基などを含んでいてもよい。ま
た、一般式(8)で示される繰り返し単位や他の繰り返
し単位が、エーテル基、エステル基、アミド基、イミド
基などを有する非共役の単位で連結されていてもよい
し、繰り返し単位にそれらの非共役部分が含まれていて
もよい。
【0109】本発明の有機EL素子に用いる高分子蛍光
体において一般式(8)のAr6としては、共役結合に
関与する炭素原子数が4個以上20個以下からなるアリ
ーレン基または複素環化合物基であり、下記に示す2価
の芳香族化合物基またはその誘導体基、2価の複素環化
合物基またはその誘導体基、およびそれらを組み合わせ
て得られる基などが例示される。
【0110】
【化26】
【0111】
【化27】
【0112】
【化28】 [R24〜R115は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜
20のアルキル基、アルコキシ基およびアルキルチオ
基;炭素数6〜18のアリール基およびアリールオキシ
基;ならびに炭素数4〜14の複素環化合物基からなる
群から選ばれた基である。]
【0113】これらのなかで、フェニレン基、置換フェ
ニレン基、ビフェニレン基、置換ビフェニレン基、ナフ
タレンジイル基、置換ナフタレンジイル基、アントラセ
ン−9,10−ジイル基、置換アントラセン−9,10
−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、置換ピリジ
ン−2,5−ジイル基、チエニレン基または置換チエニ
レン基が好ましい。さらに好ましくは、フェニレン基、
ビフェニレン基、ナフタレンジイル基、ピリジン−2,
5−ジイル基、チエニレン基である。
【0114】一般式(8)のR22、 R23が水素または
シアノ基以外の置換基である場合について述べると、炭
素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ラウ
リル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。
アリール基としては、フェニル基、4−C1〜C12
ルコキシフェニル基( C1〜C12は、炭素数1〜12
であることを示す。以下の記載もこれに準じる。 )、
4− C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル
基、2−ナフチル基などが例示される。
【0115】溶媒可溶性の観点からは、一般式(8)の
Ar6が、1つ以上の炭素数4〜20のアルキル基、ア
ルコキシ基もしくはアルキルチオ基、炭素数6〜18の
アリール基もしくはアリールオキシ基または炭素数4〜
14の複素環化合物基から選ばれた基を有していること
が好ましい。
【0116】これらの置換基としては以下のものが例示
される。炭素数4〜20のアルキル基としては、n−ブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル
基、ラウリル基などが挙げられ、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。
【0117】また、炭素数4〜20のアルコキシ基とし
ては、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキ
シ基、ラウリルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキ
シ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチル
オキシ基が好ましい。
【0118】アルキルチオ基としては、ブチルチオ基、
ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オ
クチルチオ基、デシルオキシ基、ラウリルチオ基などが
挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチル
チオ基、オクチルチオ基が好ましい。
【0119】アリール基としては、フェニル基、4−
1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は炭素数が
1〜12のいずれかの数であることを示す。)、4−C
1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナ
フチル基などが例示される。アリールオキシ基として
は、フェノキシ基が例示される。複素環化合物基として
は2−チエニル基、2−ピロリル基、2−フリル基、2
−、3−または4−ピリジル基などが例示される。これ
ら置換基の数は、該高分子蛍光体の分子量と繰り返し単
位の構成によっても異なるが、溶解性の高い高分子蛍光
体を得る観点から、これらの置換基が分子量600当た
り1つ以上であることがより好ましい。
【0120】なお、本発明の有機EL素子に用いる高分
子蛍光体は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合
体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高
分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であ
ってもよい。蛍光の量子収率の高い高分子蛍光体を得る
観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性を帯
びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重合
体が好ましい。また、本発明の有機EL素子は、薄膜か
らの発光を利用するので該高分子蛍光体は、固体状態で
蛍光を有するものが用いられる。
【0121】該高分子蛍光体に対する良溶媒としては、
クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラ
ヒドロフラン、トルエン、キシレンなどが例示される。
高分子蛍光体の構造や分子量にもよるが、通常はこれら
の溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
【0122】本発明の有機EL素子に用いる高分子蛍光
体は、分子量がポリスチレン換算で103〜107である
ことが好ましく、それらの重合度は繰り返し構造やその
割合によっても変わる。成膜性の点から一般には繰り返
し構造の合計数で好ましくは4〜10000、さらに好
ましくは5〜3000、特に好ましくは10〜2000
である。
【0123】本発明の有機EL素子において、発光層と
陰極との間、あるいは正孔輸送性材料および発光材料を
含む層と陰極との間にさらに電子輸送性材料を含む層を
設ける場合、あるいは正孔輸送性材料および発光材料と
混合使用する場合の電子輸送性材料は、陰極より注入さ
れた電子を発光材料に伝達する機能を有している。この
ような電子輸送性材料について特に制限はなく、従来公
知の化合物の中から任意のものを選択して用いることが
できる。
【0124】該電子輸送性材料の好ましい例としては、
ニトロ置換フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン
誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシ
ド誘導体、複素環テトラカルボン酸無水物、あるいはカ
ルボジイミド等を挙げることができる。
【0125】さらに、フレオレニリデンメタン誘導体、
アントラキノジメタン誘導体およびアントロン誘導体、
オキサジアゾール誘導体等を挙げることができる。ま
た、発光層を形成する材料として開示されているが、8
−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体等も
電子輸送性材料として用いることができる。
【0126】次に、本発明の一例である積層構造を有す
る有機EL素子の代表的な作製方法について述べる。陽
極および陰極からなる一対の電極で、透明または半透明
な電極としては、例えば、透明ガラス、透明プラスチッ
ク等の透明基板の上に、透明または半透明の電極を形成
したものが用いられる。
【0127】陽極の材料としては、例えば、導電性の金
属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的
には酸化インジウム・スズ(ITO)、酸化スズ、酸化
亜鉛等を用いて作成された膜、Au、Pt、Ag、Cu
等が用いられる。作製方法としては真空蒸着法、スパッ
タリング法、メッキ法等が例示される。これら陽極は、
本発明における前記含ケイ素化合物を用いて、前述の処
理方法により表面処理して用いる。
【0128】本発明において、該含ケイ素化合物で処理
された陽極上に正孔輸送性材料を含む正孔輸送層を形成
する。正孔輸送層を形成する方法としては、真空蒸着法
等により該正孔輸送性材料を層状に蒸着する方法、該正
孔輸送性材料を溶媒に溶解した塗布液、またはバインダ
ー樹脂と該正孔輸送性材料を溶解させた塗布液を用いて
塗布により層状に成膜する方法があげられる。ポリシラ
ン化合物など正孔輸送性材料が高分子化合物の場合は、
塗布により成膜する方法が好ましい。
【0129】正孔輸送層を塗布により成膜するための塗
布液は、正孔輸送性材料と溶媒、あるいは正孔輸送性材
料、バインダー樹脂と溶媒を混合し溶解させることによ
り調整することができる。正孔輸送層は、該塗布液を従
来公知の塗布方法、例えばディッピング法、スプレーコ
ート法、ワイヤーバー法、ドクターブレード法、ロール
コーティング法、スピンコーティング法等により塗布形
成される。また、正孔輸送層形成後に、減圧下あるいは
不活性雰囲気下、好ましくは30〜300℃、さらに好
ましくは60〜200℃の温度で加熱乾燥することが望
ましい。
【0130】正孔輸送性材料を分散させるバインダー樹
脂としては、種々の樹脂が使用でき、例えば、ポリカー
ボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹
脂、スチレン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−
アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
ポリプロピレン樹脂、オレフィン系重合体、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエス
テル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリ
コーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、
ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂や、エポキシアクリ
レート樹脂等の光硬化型樹脂等各種の重合体が例示でき
る。これらのバインダー樹脂は、一種または二種以上混
合して用いることもできる。
【0131】また、正孔輸送層を形成する塗布液を調整
するのに使用する溶剤としては、正孔輸送性材料、バイ
ンダー樹脂を溶解すればよく、種々の有機溶剤が使用で
きる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘキサン、オ
クタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロ
メタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン
等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル
等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド等の溶剤があげられ、これらを一種または二種
以上混合して用いられる。
【0132】正孔輸送層には二種類以上の公知の正孔輸
送性材料を併用してもよい。また、第2の正孔輸送層を
陽極上に形成した正孔輸送層に隣接して形成してもよ
い。
【0133】正孔輸送層の膜厚は、好ましくは1nm〜
1μm、より好ましくは2〜500nmである。電流密
度を上げて発光効率を上げるためには5〜100nmの
範囲がさらに好ましい。
【0134】次いで、発光材料として低分子量の有機色
素、高分子蛍光体等を含む発光層を形成する。発光層の
形成方法としては、これら材料の溶融液、溶液または混
合液を使用してスピンコーティング法、キャスティング
法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法等
により塗布する方法が例示される。溶液または混合液を
スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピン
グ法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法により
成膜するのが好ましい。
【0135】発光層の膜厚は、好ましくは1nm〜1μ
m、より好ましくは2〜500nmである。電流密度を
上げて発光効率を上げるためには5〜100nmの範囲
がさらに好ましい。
【0136】なお、発光層を塗布法により薄膜化した場
合には、溶媒を除去するため、正孔輸送層形成後および
/または発光層形成後に、減圧下あるいは不活性雰囲気
下、好ましくは30〜300℃、さらに好ましくは60
〜200℃の温度で加熱乾燥することが望ましい。
【0137】また、発光層の上にさらに電子輸送層を積
層する場合には、上記の成膜方法で発光層を設けた後に
その上に電子輸送層を形成することが好ましい。
【0138】電子輸送層の成膜方法としては、特に限定
されないが、粉末状態からの真空蒸着法、あるいは溶液
に溶かした後のスピンコーティング法、キャスティング
法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法等
の塗布法、あるいは高分子化合物と電子輸送性材料とを
溶液状態または溶融状態で混合し分散させた後のスピン
コーティング法、キャスティング法、ディッピング法、
バーコート法、ロールコート法等の塗布法等を用いるこ
とができる。
【0139】混合する高分子化合物としては、特に限定
されないが、電子輸送を極度に阻害しないものが好まし
く、また、可視光に対する吸収が強くないものが好まし
く用いられる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)およびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導
体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(p−フェ
ニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チ
エニレンビニレン)およびその誘導体、ポリカーボネー
ト、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリ
メチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリシロキサン等が例示される。成膜が容易に行な
えるという点では、高分子化合物を用いる場合は塗布法
を用いることが好ましい。
【0140】電子輸送層の膜厚は、少なくともピンホー
ルが発生しないような厚みが必要であるが、あまり厚い
と、素子の抵抗が増加し、高い駆動電圧が必要となり好
ましくない。したがって、電荷輸送層の膜厚は、好まし
くは1nm〜1μm、より好ましくは2〜500nm、
さらに好ましくは5〜100nmである。
【0141】次いで、発光層または電子輸送層の上に電
極を設ける。この電極は電子注入陰極となる。その材料
は、特に限定されないが、仕事関数の小さい材料が好ま
しい。例えば、Al、In、Mg、Ca、Li、Mg−
Ag合金、In−Ag合金、Mg−In合金、Mg−A
l合金、Mg−Li合金、Al−Li合金、グラファイ
ト薄膜等が用いられる。陰極の作製方法としては真空蒸
着法、スパッタリング法等が用いられる。
【0142】本発明の有機EL素子で正孔輸送性材料と
発光材料とを含む有機層、あるいは正孔輸送性材料、発
光材料および電子輸送性材料を含む有機層を前記の正孔
輸送層を形成すると同様な方法で一方の電極上に形成し
て、ついで他の電極を形成する方法も例示される。
【0143】本発明の有機EL素子は、塗布法により正
孔輸送層および発光層を形成できるので、低駆動電圧、
高輝度、高発光効率の有機EL素子を、簡単な製造工程
で、容易に作製することができる。
【0144】本発明の含ケイ素化合物は、透明導電性電
極等の電極に接して有機層を有する、光導電素子、有機
エレクトロルミネッセンス素子、空間光変調器素子、有
機光電変換素子等の電極と有機層の機械的かつ電気的コ
ンタクトを向上させる表面処理剤として工業的に非常に
有用である。
【0145】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳しく説明
するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。以下の実施例において、ポリマーの分子量は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフ(Waters社、M
axima−820、カラム Ultrastyrag
el Linear:移動相テトラヒドロフラン)を用
いて、ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均
分子量を測定した。構造解析は、1H、13C−NMR
(Bruker社モデルAC200P)、マススペクト
ル(FD−MS)(日本電子社製質量分析計JMS−S
X102型)、および赤外吸収スペクトル(IR)(日
本バイオラッド社製)を用いて行った。
【0146】イオン化ポテンシャルは測定した酸化電位
(Eox)から下記式より求めた。 Ip(eV)=Eox+Ag/AgCl参照電極電位+
標準水素電極電位=Eox+0.196+4.5 酸化電位は、被測定材料0.1mmolのジクロロメタ
ン溶液(支持電解質:0.1molテトラフルオロほう
酸テトラ−n−ブチルアンモニウム)のサイクリックボ
ルタンメトリー(株式会社東方技研製自動評価システ
ム:POTENTIOSTAT/GALVANOSTA
T 2000、FUNCTUION GENERATO
R FG−02、作用電極、対抗電極:白金、参照電
極:Ag/AgCl電極、掃引速度:50mV/se
c)により、ボルタモグラムの半波電位から求めた。
【0147】参考合成例1 ポリ(メチルフェニルシラン)の合成 200℃乾燥した100ml三つ口フラスコに金属ナト
リウム1.3gをとり乾燥トルエン19mlを加えた。
このフラスコを乾燥アルゴン流通下、100〜105℃
に加熱しながら超音波を照射し、ナトリウムを平均粒径
で50μm以下に分散させた後、62℃に昇温し、メチ
ルフェニルジクロロシラン(信越化学LS−1490)
5.0gを約20分間かけて滴下した。滴下終了ととも
にフラスコを85℃に昇温し、さらに40分反応を行な
った。
【0148】反応終了後、アルゴン流通下で20mlの
トルエンと3mlのイソプロピルアルコールを上記フラ
スコに加え過剰の金属ナトリウムを失活させ、さらに蒸
留水約10mlを加えて紫色の沈殿を溶解した。沈殿物
を遠心分離操作で分離、トルエンで2回洗浄し可溶物を
トルエン溶液として回収した。トルエン溶液を水洗し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去しガラ
ス状の物質を得た。このガラス状物質をテトラヒドロフ
ラン溶液とし、イソプロピルアルコールで再沈、精製を
繰り返して0.8gの白色固体を得た。核磁気共鳴吸収
スペクトル(NMR)の結果から、この白色固体はポリ
(メチルフェニルシラン)であることを確認した。ポリ
スチレン換算の重量平均分子量は2.3×105、数平
均分子量は6.2×103 であった。ポリ(メチルフ
ェニルシラン)の酸化電位をサイクリックボルタモグラ
ムにより測定したところ、0.93V(標準水素電極基
準の酸化電位に換算:1.13V、イオン化ポテンシャ
ルに換算:5.63eV)であった。
【0149】参考合成例2 エチル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)
ジクロロシランの合成 200℃で乾燥し熱いうちに組み上げ、真空下で冷却し
乾燥アルゴンを満たした100ml二つ口フラスコに、
4.7gの4−(N,N−ジフェニルアミノ)ブロモベ
ンゼンを装荷し、真空下で溶融乾燥した。これに直前に
ナトリウム上で蒸留した乾燥テトラヒドロフラン20m
lを加え4−(N,N−ジフェニルアミノ)ブロモベン
ゼンを溶解した後、−78℃でn−ブチルリチウム(A
ldrich社1.6N ヘキサン溶液)9.4mlを
滴下し1時間反応させて4−(N,N−ジフェニルアミ
ノ)フェニルリチウムを生成させた。
【0150】同様に乾燥した100ml二つ口フラスコ
に直前に水素化カルシウム上で蒸留したエチルトリクロ
ロシラン(信越化学製 LS−120)3.4gと乾燥
テトラヒドロフラン15mlを装荷し、−78℃に冷却
した後、前記の4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェ
ニルリチウムを滴下した。滴下後、一晩反応を行なった
後、過剰のエチルトリクロロシランと溶媒を留去し、ガ
ラスチューブオーブン(GTO−350RG型、柴田化
学機器工業株式会社製)を用いて蒸留し2.8gのエチ
ル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)ジク
ロロシランを得た。
【0151】ポリ(エチル(4−(N,N−ジフェニル
アミノ)フェニル)シラン)の合成 200℃で乾燥した50mlの三つ口フラスコにラバー
セプタム、アルゴンシールを装荷し、真空引きと乾燥ア
ルゴン充填を繰り返しながら冷却した。このフラスコに
乾燥窒素雰囲気下で金属ナトリウム0.7gを装荷し、
ナトリウム上で乾燥し直前に蒸留したトルエン16ml
を加えた。このフラスコを乾燥アルゴン流通下、超音波
分散器(Branson社製450型)にセットし、1
00℃〜105℃に加熱しながら超音波を照射してナト
リウム0.7gを平均粒径で50μmに分散させた。
【0152】同様に乾燥した50ml三つ口フラスコに
磁気攪拌子、熱電対、ラバーセプタムを装着し、上記で
合成したエチル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フ
ェニル)ジクロロシラン4.9gと乾燥トルエン4ml
を加え溶液とした。このフラスコを80℃に昇温した
後、前記のナトリウム分散液を用い約10分間かけて滴
下した。滴下によってフラスコ内の温度は一時的に12
0℃まで上昇した。滴下開始後4時間反応を行なった。
【0153】反応終了後、アルゴン流通下で20mlの
トルエンと3mlのイソプロピルアルコールを上記フラ
スコに加え過剰の金属ナトリウムを失活させ、さらに蒸
留水約10mlを加えて紫色の沈殿を溶解した。沈殿物
を遠心分離操作で分離、トルエンで2回洗浄し可溶物を
トルエン溶液として回収した。トルエン溶液を水洗し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去しガラ
ス状の物質を得た。このガラス状物質をテトラヒドロフ
ラン溶液とし、イソプロピルアルコールで再沈、精製を
行い、白色固体0.24gを得た。核磁気共鳴吸収スペ
クトル(NMR)の結果から、この白色固体はポリ(エ
チル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)シ
ラン)であることを確認した。ポリスチレン換算の重量
平均分子量は2.3×105、数平均分子量は6.2×
103であった。ポリ(エチル(4−(N,N−ジフェ
ニルアミノ)フェニル)シラン)の酸化電位をサイクリ
ックボルタモグラムにより測定したところ、0.83V
(標準水素電極基準の酸化電位に換算:1.03V、イ
オン化ポテンシャルに換算:5.53eV)であった。
【0154】参考合成例3 高分子蛍光体の合成 2,5−ジオクチルオキシ−p−キシリレンジブロミド
をN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、トリフェニル
ホスフィンと反応させてホスホニウム塩を合成した。得
られたホスホニウム塩47.75重量部、およびテレフ
タルアルデヒド6.7重量部を、エチルアルコールに溶
解させた。5.8重量部のリチウムエトキシドを含むエ
チルアルコール溶液をホスホニウム塩とジアルデヒドの
エチルアルコール溶液に滴下し、室温で3時間重合させ
た。一夜室温で放置した後、沈殿を濾別し、エタノール
で洗浄後、クロロホルムに溶解、これにエタノールを加
え再沈生成した。これを減圧乾燥して、重合体8.0重
量部を得た。これを高分子蛍光体1という。モノマーの
仕込み比から計算される高分子蛍光体1の繰り返し単位
とそのモル比を下記に示す。
【0155】
【化29】
【0156】二つの繰り返し単位のモル比は、1:1で
あり、二つの繰り返し単位は交互に結合している。該高
分子蛍光体1のポリスチレン換算の数平均分子量は、
1.0×104 であった。該高分子蛍光体1の構造に
ついては赤外吸収スペクトル、NMRで確認した。該高
分子蛍光体1の酸化電位をサイクリックボルタモグラム
により測定したところ、0.99V(標準水素電極基準
の酸化電位に換算:1.19V、イオン化ポテンシャル
に換算:5.69eV)であった。
【0157】実施例1 表面処理剤の合成 300mlの二つ口丸底フラスコ内に、系内をアルゴン
ガスで満たし不活性雰囲気化した。そのフラスコ内に
N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,
4’−ジアミン20g、4−ヨードトルエン50g、銅
粉末15g、水酸化カリウム68gとドデカン100
ml を仕込み、180℃で35時間攪拌を続けた。反
応終了後、反応液を室温に冷却し、水100mlを加
え、生成物をトルエン80mlで抽出した。抽出したト
ルエン溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過した後、
減圧下で溶媒を留去濃縮し、固体を得た。得られた固体
をトルエン/イソプロピルアルコールから再結晶するこ
とにより、N,N’−ジ(4”−メチルフェニル)−
N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,
4’−ジアミン9.7gを淡黄色結晶として得た。
【0158】500mlの二つ口丸底フラスコに、N,
N’−ジ(4”−メチルフェニル)−N,N’−ジフェ
ニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン5
g、ジメチルホルムアミド200mlを仕込み、40℃
に加熱して溶解させた。N−ブロモサクシンイミド0.
86gを溶かしたN,N−ジメチルホルムアミド溶液1
00mlを激しく撹拌しながら室温で滴下ロートでゆっ
くり滴下し、滴下終了後1時間反応を続けた。反応終了
後反応液に水1mlを投入した後、溶媒を減圧化留去
し、水100mlを加えて生成物を析出させた。濾過、
減圧乾燥後、移動相としてトルエン/ヘキサンを用いて
フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、N’−
(4”’−ブロモフェニル)−N,N’−ジ(4”−メ
チルフェニル)−N−フェニル−1,1’−ビフェニル
−4,4’−ジアミン3.3gを得た。
【0159】100mlの二つ口丸底フラスコ内に上記
で合成したN’−(4”’−ブロモフェニル)−N,
N’−ジ(4”−メチルフェニル)−N−フェニル−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン3.3gと
乾燥テトラヒドロフラン30mlを仕込み−78℃に冷
却した。1.6M(モラー) n−ブチルリチウムヘキ
サン溶液1.74mlを滴下し、滴下終了後さらに1時
間反応を続けた。得られた反応溶液を反応溶液Aとい
う。
【0160】別の100mlの二つ口フラスコ内にクロ
ロトリエトキシシラン2.1gと乾燥テトラヒドロフラ
ン10mlを仕込み、−78℃に冷却した。これに先に
調整した反応溶液Aを加えた。−78℃で2時間反応を
続け、室温で一晩さらに反応させた。反応終了後、溶媒
を留去し、ヘキサン40mlを加えて塩を析出させた。
析出した塩を濾過し、濾液を部分的に濃縮した。得られ
たヘキサン溶液を冷却することにより目的物を析出さ
せ、淡黄色の粘稠な液体1.5gを得た。
【0161】核磁気共鳴吸収スペクトル(1H−NM
R)ならびにマススペクトル(FD−MS)の結果か
ら、この液体はN,N’−ジ(4”−メチルフェニル)
−N−フェニル−N’−(4”’−トリエトキシシリル
フェニル)−1,1’−ビフェニル−4、4’−ジアミ
ンであることを確認した。以下、これを表面処理剤1と
いう。得られた表面処理剤1の酸化電位をサイクリック
ボルタモグラムにより測定したところ、0.77V(標
準水素電極基準の酸化電位に換算:0.97V、イオン
化ポテンシャルに換算:5.47eV)であった。
【0162】実施例2 表面処理剤の合成 N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,
4’−ジアミンと4−ヨードトルエンから合成したN,
N’−ジ(4”−メチルフェニル)−N,N’−ジフェ
ニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンの代
わりに、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンを用いて、実施
例1と同様にして、N’−(4”’−トリエトキシシリ
ルフェニル)−N,N,N’−トリフェニル−1,1’
−ビフェニル−4,4’−ジアミンを合成した。以下、
これを表面処理剤2という。得られた表面処理剤2の酸
化電位をサイクリックボルタモグラムにより測定したと
ころ、0.83V(標準水素電極基準の酸化電位に換
算:1.03V、イオン化ポテンシャルに換算:5.5
3eV)であった。
【0163】実施例3 表面処理剤の合成 2000mlの二つ口丸底フラスコに、トリフェニルア
ミン250g、ジメチルホルムアミド1000mlを仕
込み、40℃に加熱して溶解させた。N−ブロモサクシ
ンイミド190gを溶かしたN,N−ジメチルホルムア
ミド溶液450mlを激しく撹拌しながら室温で滴下ロ
ートでゆっくり滴下し、滴下終了後1時間反応を続け
た。反応終了後反応液に水1mlを投入した後、溶媒を
留去し、水500mlを加えて生成物を析出させた。濾
過、減圧乾燥後、減圧蒸留し、N−(4−ブロモフェニ
ル)−N−フェニル−アミノベンゼン100gを得た。
【0164】300mlの二つ口丸底フラスコ内に上記
で合成したN−(4−ブロモフェニル)−N−フェニル
−アミノベンゼン20gと乾燥テトラヒドロフラン10
0mlを仕込み−78℃に冷却した。1.6M n−ブ
チルリチウムヘキサン溶液46.3mlを滴下し、滴下
終了後さらに1時間反応を続けた。得られた反応溶液を
反応溶液Bという。
【0165】別の300mlの二つ口丸底フラスコ内に
クロロトリエトキシシラン18.4gと乾燥テトラヒド
ロフラン10mlを仕込み、−78℃に冷却した。これ
に先に調整した反応溶液Bを加えた。−78℃で2時間
反応を続け、室温で一晩さらに反応させた。反応終了
後、溶媒を留去し、ヘキサン40mlを加えて塩を析出
させた。析出した塩を濾過し、濾液を濃縮し、減圧蒸留
して、淡黄色の粘稠な液体17.4gを得た。
【0166】核磁気共鳴吸収スペクトル(1H−NM
R)ならびにマススペクトル(FD−MS)の結果か
ら、この液体はN−(4−トリエトキシシリルフェニ
ル)−N−フェニル−アミノベンゼンであることを確認
した。以下、これを表面処理剤3という。得られた表面
処理剤3の酸化電位をサイクリックボルタモグラムによ
り測定したところ、1.13V(標準水素電極基準の酸
化電位に換算:1.33V、イオン化ポテンシャルに換
算:5.83eV)であった。
【0167】実施例4 実施例1で合成した表面処理剤1を乾燥窒素雰囲気下で
0.60gシャーレに入れ、これに金属ナトリム上で蒸
留した乾燥トルエン12.1gを加えて溶解した。さら
にトリエチルアミン0.8gを添加して処理液とした。
【0168】スパッタリング法によって、40nmの厚
みでITO膜を付けたガラス基板(仕事関数W=4.9
eV)を、2%に希釈した中性洗剤水溶液中に浸漬し、
超音波洗浄器で30分間洗浄した。洗浄後、超純水の流
水で5分間洗剤を洗い流した。ついで、水洗したガラス
基板をアセトン中に浸漬し、超音波洗浄器で30分間洗
浄した。アセトン超音波洗浄をもう一度繰り返し、窒素
ブローにより乾燥後、プラズマ処理装置(ヤマト科学社
製PC−101A)にセットし真空引きした。30分間
酸素でプラズマで処理した後、大気圧にしてガラス基板
を取り出し、直ちに乾燥窒素で置換したグローブボック
ス内に入れた。
【0169】前記で前処理したITO膜付きガラス基板
を、前処理後すぐに乾燥窒素で置換したグローブボック
ス内で前記で調整した処理液に浸漬した。35時間後
に、ガラス基板を取り出し、トルエン中で超音波洗浄器
で30分間洗浄した。さらにトルエンをアセトンに替え
て、30分間超音波洗浄して、過剰な処理剤を取り除い
た。超音波洗浄後、窒素ブローにより乾燥し、表面処理
したITO膜付きガラス基板を得た。
【0170】表面処理したITO膜付きガラス基板の水
との接触角と表面処理しないITO膜付きガラス基板の
水との接触角を、接触角測定装置(協和界面化学株式会
社モデルCA−A)により測定したところ、それぞれ8
0度と10度となった。したがって、表面処理によりI
TO表面が疎水化されていた。また、X線光電子分光分
析装置(XPS)(サーフェース・サイエンス・インス
ツルメント社製SSX−100)によりITO表面の組
成分析を行った結果を表1に示す。これにより、ITO
に起因するSn、In、Oの組成が減少し、表面処理剤
に起因するN、C、Siの組成が増加しており、ITO
表面が処理されていることが確認できた。
【0171】
【表1】 (単位は原子%である。)
【0172】電圧−電流特性の評価 表面処理をしたITO膜付きガラス基板上に、参考合成
例1で合成したポリ(メチルフェニルシラン)の12重
量%トルエン溶液を使用してスピンコーティング法によ
り600nmの厚みでポリシラン薄膜を成膜した。次
に、この上に陰極としてアルミニウムを100nm蒸着
し電圧−電流特性測定用素子を作製した。この電圧−電
流特性測定用素子に電圧42V(電界0.7MV/c
m)を印加したところ、電流密度2.1×10-5A/c
2 の電流が流れた。また、セロテープを用いたピー
リング試験を行ったが、ポリシラン薄膜はITO膜付き
ガラス基板から剥離しなかった。
【0173】比較例1 実施例4と同様にしてプラズマ処理までの前処理は行っ
たが、表面処理液には浸漬していない表面処理無のIT
O膜付きガラス基板上に、参考合成例1で合成したポリ
(メチルフェニルシラン)を用いて、実施例4と同様に
して、ポリシラン薄膜の厚みが600nmの電流−電圧
測定用素子を作製した。この電圧−電流特性測定用素子
に電圧42V(電界0.7MV/cm)を印加したとこ
ろ、電流密度1.1×10-6A/cm2 の電流が流れ
た。
【0174】実施例5 有機EL素子の作成および評価 実施例1で合成した表面処理剤1を用いて、実施例4と
同様にして表面処理したITO膜付きガラス基板上に、
参考合成例1で合成したポリ(メチルフェニルシラン)
の2重量%トルエン溶液を使用してスピンコーティング
法により80nmの厚みで成膜し、正孔輸送層とした。
次に、これを減圧下120℃で1時間乾燥した後、正孔
輸送層の上に、発光層としてトリス(8−キノリノー
ル)アルミニウム(Alq3)を50nm蒸着した。最
後に、その発光層の上に陰極としてアルニミウム−リチ
ウム合金(Al:Li=99:1重量比)を200nm
蒸着して、2層構造の有機EL素子を作製した。蒸着の
ときの真空度はすべて8×10-6Torr以下であっ
た。
【0175】この有機EL素子に電圧11Vを印加した
ところ、電流密度4.4mA/cm 2 の電流が流れ、
輝度138cd/m2 の黄緑色のEL発光が観察され
た。この時の発光効率は、3.2cd/Aであった。ま
た、ELピーク波長は520nmで、Alq3薄膜の蛍
光ピーク波長とほぼ一致していた。この有機EL素子に
おいて、Ip1(表面処理剤1のイオン化ポテンシャ
ル)、Ip2(ポリ(メチルフェニルシラン)のイオン
化ポテンシャル)およびW(ITOの仕事関数)の間に
は次の関係が成り立つ。 W(=4.9eV)≦ Ip1(=5.47eV)≦
Ip2(=5.63eV)
【0176】比較例2 有機EL素子の作成および評価 実施例4と同様にしてプラズマ処理までの前処理は行っ
たが、表面処理液には浸漬していない表面処理無のIT
O膜付きガラス基板上に、参考合成例1で合成したポリ
(メチルフェニルシラン)を用いて、実施例5と同様に
して、正孔輸送層の厚み80nmの2層構造の有機EL
素子を作製した
【0177】この有機EL素子に電圧11Vを印加した
ところ、電流密度0.12mA/cm2 の電流が流
れ、輝度34cd/ m2 の黄緑色のEL発光が観察
された。この時の発光効率は、2.7cd/Aであっ
た。また、ELピーク波長は520nmで、Alq3
薄膜の蛍光ピーク波長とほぼ一致していた。
【0178】実施例6 有機EL素子の作成および評価 実施例1で合成した表面処理剤1を用いて、実施例4と
同様にして表面処理したITO膜付きガラス基板上に、
参考合成例2で合成したポリ(エチル(4−(N,N−
ジフェニルアミノ)フェニル)シラン)を用いて、実施
例5と同様にして、正孔輸送層の厚み80nmの2層構
造の有機EL素子を作製した。
【0179】この有機EL素子に電圧11Vを印加した
ところ、電流密度29mA/cm2の電流が流れ、輝度
760cd/ m2 の黄緑色のEL発光が観察され
た。この時の発光効率は、2.7cd/Aであった。ま
た、ELピーク波長は520nmで、Alq3薄膜の蛍
光ピーク波長とほぼ一致していた。
【0180】実施例7 有機EL素子の作成および評価 実施例2で合成した表面処理剤2を用いて、実施例4と
同様にして表面処理したITO膜付きガラス基板上に、
参考合成例3で合成した高分子蛍光体1の1重量%トル
エン溶液を使用してスピンコーティング法により40n
mの厚みで成膜し、発光層とした。次に、これを減圧下
120℃で1時間乾燥した後、発光層の上に、電子輸送
層としてトリス(8−キノリノール)アルミニウム(A
lq)を50nm蒸着した。最後に、その電子輸送層
の上に陰極としてアルニミウム−リチウム合金(Al:
Li=99:1重量比)を200nm蒸着して、2層構
造の有機EL素子を作製した。蒸着のときの真空度はす
べて8×10ー6Torr以下であった。
【0181】この有機EL素子に電圧5Vを印加したと
ころ、電流密度56mA/cm2の電流が流れ、輝度2
89cd/m2 の黄緑色のEL発光が観察された。こ
の時の発光効率は、0.52cd/Aであった。ELピ
ーク波長は545nmで、高分子蛍光体1の薄膜の蛍光
ピーク波長とほぼ一致しており、高分子蛍光体1からの
EL発光が確認された。
【0182】実施例8 有機EL素子の作成および評価 実施例3で合成した表面処理剤3を用いて、実施例4と
同様にして表面処理したITO膜付きガラス基板上に、
参考合成例3で合成した高分子蛍光体1を用いて、実施
例7と同様にして、発光層の厚み40nmの2層構造の
有機EL素子を作製した。
【0183】この有機EL素子に電圧5Vを印加したと
ころ、電流密度148mA/cm2の電流が流れ、輝度
141cd/m2 の黄緑色のEL発光が観察された。
この時の発光効率は、0.1cd/Aであった。ELピ
ーク波長は545nmで、高分子蛍光体1の薄膜の蛍光
ピーク波長とほぼ一致しており、高分子蛍光体1からの
EL発光が確認された。
【0184】実施例9 有機EL素子の作成および評価 実施例2で合成した表面処理剤2を用いて、実施例4と
同様にして表面処理したITO膜付きガラス基板上に、
ポリ(N−ビニルカルバゾール)(酸化電位:1.20
V、標準水素電極基準の酸化電位に換算:1.40V、
イオン化ポテンシャルに換算:5.90eV)の塩化メ
チレン溶液を使用してディッピング法により80nmの
厚みで成膜し、正孔輸送層とした。さらにこの上に、参
考合成例3で合成した高分子蛍光体1のトルエン溶液を
使用してスピンコーティング法により40nmの厚みで
成膜し、発光層とした。次に、これを減圧下120℃で
1時間乾燥した後、発光層の上に、電子輸送層としてト
リス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3)を
40nm蒸着した。最後に、その発光層の上に陰極とし
てアルニミウム−リチウム合金(Al:Li=99:1
重量比)を140nm蒸着して、3層構造の有機EL素
子を作製した。蒸着のときの真空度はすべて8×10-6
Torr以下であった。この有機EL素子に電圧7Vを
印加したところ、電流密度22.9mA/cm 2 の電
流が流れ、輝度804cd/m2 の黄緑色のEL発光
が観察された。
【0185】比較例3 実施例4と同様にしてプラズマ処理までの前処理は行っ
たが、表面処理液には浸漬していない表面処理無のIT
O膜付きガラス基板を用いて、実施例9と同様に、ポリ
(N−ビニルカルバゾール)を正孔輸送層および高分子
蛍光体1を発光層、トリス(8−キノリノール)アルミ
ニウム(Alq3)を電子輸送層とした3層構造の有機
EL素子を作製した。この有機EL素子に電圧7Vを印
加したところ、電流密度0.5mA/cm2の電流が流
れ、輝度23cd/m2 の黄緑色のEL発光が観察さ
れた。
【0186】参考合成例4 フラスコ内に1−ブロモピレン(東京化成製)5gと乾
燥テトラヒドロフラン50mlを仕込み−78℃に冷却
した。1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液1
1.7mlを滴下し、滴下終了後さらに1時間反応を続
けた。得られた反応溶液を反応溶液Cという。
【0187】フラスコ内にクロロトリエトキシシラン
7.2gと乾燥テトラヒドロフラン50mlを仕込み、
−78℃に冷却した。これに先に調整した反応溶液Cを
加えた。−78℃で1時間反応を続け、室温で1時間さ
らに反応させた。反応終了後、溶媒を留去した。さら
に、乾燥トルエン加えて溶媒を留去する操作を繰り返
し、過剰のクロロトリエトキシシランを除いた。乾燥ト
ルエンを加えて、塩を析出させた。析出した塩を濾過
し、濾液を濃縮して、粘稠な液体4.97gを得た。
【0188】核磁気共鳴吸収スペクトル(1H−NM
R)ならびにマススペクトル(FD−MS)の結果か
ら、この液体は1−(トリエトキシシリル)−ピレンで
あることを確認した。以下、これを表面処理剤4とい
う。得られた表面処理剤4の酸化電位をサイクリックボ
ルタモグラムにより測定したところ、0.87V(標準
水素電極基準の酸化電位に換算:1.07V、イオン化
ポテンシャルに換算:5.57eV)であった。
【0189】実施例10 参考合成例4で合成した表面処理剤4を用いて、実施例
4と同様にしてITO膜付きガラス基板を表面処理し
た。水との接触角を前記接触角測定装置により測定した
ところ44度となり、表面処理なしのものでは、8度と
なった。したがって、該表面処理によりITO表面が疎
水化されていた。表面処理したITO膜付きガラス基板
上に、参考合成例3で合成した高分子蛍光体1のトルエ
ン溶液を使用してスピンコーティング法により40nm
の厚みで成膜し、発光層とした。次に、これを減圧下1
20℃で1時間乾燥した後、発光層の上に、電子輸送層
としてトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Al
3)を40nm蒸着した。最後に、その発光層の上に
陰極としてアルニミウム−リチウム合金(Al:Li=
99:1重量比)を140nm蒸着して、2層構造の有
機EL素子を作製した。蒸着のときの真空度はすべて8
×10-6Torr以下であった。この素子を25mA/
cm2の定電流密度で連続駆動した。7時間エージング
後の輝度は250cd/m2であった。250時間駆動
後の輝度は118cd/m2であった。また、7時間エ
ージング後の駆動中の電圧の上昇率は0.005V/h
rであった。
【0190】比較例4 実施例4と同様にしてプラズマ処理までの前処理は行っ
たが、表面処理液には浸漬していない表面処理無のIT
O膜付きガラス基板を用いて、実施例10と同様に、高
分子蛍光体1を発光層およびトリス(8−キノリノー
ル)アルミニウム(Alq3)を電子輸送層とした2層
構造の有機EL素子を作製した。この素子を25mA/
cm2の定電流密度で連続駆動した。7時間エージング
後の輝度は194cd/m2であった。250時間駆動
後の輝度は75cd/m2であった。また、7時間エー
ジング後の駆動中の電圧の上昇率は0.006V/hr
であった。
【0191】
【発明の効果】本発明の含ケイ素化合物は、透明導電性
電極等の電極と有機層との機械的かつ電気的コンタクト
および密着性を向上させる効果に優れ、正孔輸送性を持
った表面処理剤として好適に用いられ、それを用いた有
機エレクトロルミネセンス素子は陽極と有機層との機械
的かつ電気的コンタクトおよび密着性が向上するので、
工業的に有用である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケイ素原子に少なくとも1個のアルコキシ
    基が結合し、かつ芳香族アミン骨格を有する基が少なく
    とも1個結合し、標準水素電極を基準とした酸化電位が
    0.3V以上1.5V以下である含ケイ素化合物。
  2. 【請求項2】構造式が一般式(1) 【化1】 [式中、R1は水素原子、置換されていてもよい、1〜
    10個の炭素原子を有するアルキル基、10個以下の炭
    素原子を有するシクロアルキル基、6〜24個の炭素原
    子を有するアリール基または7〜26個の炭素原子を有
    するアラルキル基を表し、R2は置換されていてもよい
    1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表し、R3
    は置換されていてもよい、1〜10個の炭素原子を有す
    るアルキル基、10個以下の炭素原子を有するシクロア
    ルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基ま
    たは7〜26個の炭素原子を有するアラルキル基を表
    し、Ar1は置換されていてもよい6〜24個の炭素原
    子を有するアリーレン基を表し、 Ar2は置換されて
    いてもよい、1〜10個の炭素原子を有するアルキル
    基、10個以下の炭素原子を有するシクロアルキル基、
    6〜24個の炭素原子を有するアリール基もしくは7〜
    26個の炭素原子を有するアラルキル基、または下記一
    般式(2) 【化2】 (式中、Ar3 は置換されていてもよい、6〜24個
    の炭素原子を有するアリーレン基を表し、R4およびR5
    はそれぞれ独立に、置換されていてもよい、1〜10
    個の炭素原子を有するアルキル基、10個以下の炭素原
    子を有するシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を
    有するアリール基または7〜26個の炭素原子を有する
    アラルキル基を表す。)を表し、sおよびtはそれぞれ
    独立に、2≦s+t≦4を満たす1から3までの整数を
    表す。R3とAr1の間あるいはR3とAr2の間、Ar1
    とAr2の間、または、Ar2が一般式(2)で表される
    ときR4とAr3の間、R4とR5の間にそれぞれ独立に環
    を形成していてもよい。]で示される請求項1記載の含
    ケイ素化合物。
  3. 【請求項3】一般式(1)におけるR3が置換されてい
    てもよいフェニル基、 Ar1が置換されていてもよい
    フェニレン基、 Ar2が置換されていてもよいフェニ
    ル基、またはAr2を一般式(2)で表したとき、R4
    よびR5がそれぞれ独立に置換されていてもよいフェニ
    ル基、Ar3が置換されていてもよい、フェニレン基ま
    たはビフェニレン基である請求項2記載の含ケイ素化合
    物。
  4. 【請求項4】電極に接して有機層を有する素子におい
    て、該電極の表面を請求項1〜3のいずれかに記載の含
    ケイ素化合物または、下記一般式(3) 【化3】 〔式中、R1、R2、sおよびtは、一般式(1)のそれ
    と同じである。Aは置換されていてもよい14〜30の
    炭素原子を有する縮合多環式芳香族基を表す。〕で示さ
    れ、かつ標準水素電極を基準とした酸化電位が0.3V
    以上1.5V以下である含ケイ素化合物により処理する
    電極の表面処理方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の含ケイ素
    化合物または請求項4記載の一般式(3)で示される含
    ケイ素化合物を含有する電極の表面処理剤。
  6. 【請求項6】少なくとも一方が透明または半透明である
    陽極および陰極からなる一対の電極の間に、少なくとも
    一層の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素
    子において、陽極が請求項1〜3記載の含ケイ素化合物
    または請求項4記載の一般式(3)で示される含ケイ素
    化合物で処理されてなることを特徴とする有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。
  7. 【請求項7】請求項6記載の有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子において、陽極と発光層との間に、該陽極に隣
    接して正孔輸送性材料を含む層を有し、かつ該正孔輸送
    性材料の少なくとも一つがポリシラン化合物である請求
    項6記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 【請求項8】陽極の仕事関数をW、含ケイ素化合物のイ
    オン化ポテンシャルをIp1、該陽極に接する有機層の
    イオン化ポテンシャルをIp2としたとき 【数1】 W ≦ Ip1 ≦ Ip2 ・・・・・ (I) である請求項6または7記載の有機エレクトロルミネッ
    センス素子。
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