JPH11215036A - 音声送信装置、音声受信装置及び音声通信装置 - Google Patents

音声送信装置、音声受信装置及び音声通信装置

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JPH11215036A
JPH11215036A JP10011522A JP1152298A JPH11215036A JP H11215036 A JPH11215036 A JP H11215036A JP 10011522 A JP10011522 A JP 10011522A JP 1152298 A JP1152298 A JP 1152298A JP H11215036 A JPH11215036 A JP H11215036A
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signal
unit
audio
modulation
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Norimichi Sato
則道 佐藤
Hiroshi Tanzawa
洋 丹沢
Masaru Sato
優 佐藤
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Hitachi Ltd
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 波形等化器を回線特性の変動に追従させるた
めに教師信号を送信するに当り、変調速度、音声圧縮率
等に与える影響を排除し、効率的に教師信号を送信して
良好な通話品質を得る。 【解決手段】 送信局は、送話者の音声が有音時には音
声変調部が生成する音声変調信号1’を出力し、送話者
の音声が無音時には教師信号生成部が生成する受信局の
適応波形等化部の学習に使用する教師信号2を出力す
る。受信局は、音声変調信号1’を受信時、音声復調部
が生成する音声を出力し、適応波形等化部の教師信号2
を受信時、適応波形等化部を学習させるとともに出力音
声を無音とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル変復調
を使用する情報通信技術に属し、特に、無線回線等の回
線特性が変動する回線を使用する音声送信装置、音声受
信装置及び音声通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、波形等化器は、データ通信にお
いて極めて重要な要素として位置付けられている。波形
等化器は、通常、回線の特性が理想的でないために伝送
波形に生じる歪みを補正するために使用されるものであ
り、この意味で重要なものである。
【0003】一般の電話回線を用いてデータ通信を行う
モデムと呼ばれる装置は、回線特性に適応して伝送波形
の歪みを補正する適応波形等化機能が内蔵されている。
モデムにおける適応波形等化機能は、回線の接続経路に
よって回線特性が毎回(通話毎に)異なるので、データ
通信に先立って送信側から送信側、受信側で既知である
教師信号を送信し、受信側が受信した教師信号を使用し
て波形等化器を学習させ、データ通信時に学習後の波形
等化器で受信信号の歪みを補正するものである。通常、
有線回線を使用する場合、接続経路が決まれば、その接
続経路の回線特性はほとんど変動しないと言えるので、
一度波形等化器に学習させてしまえば、以後その通話に
おいて波形等化器の学習の必要はほとんどない。なお、
適応波形等化機能についての詳細については、各種の文
献の記載があるので、ここでは説明しない。
【0004】しかし、回線として無線回線を使用する場
合、回線特性が時間と共に変動するため、波形等化器の
特性を回線特性の変動に追従させる必要がある。このた
め、通信の開始時だけでなく、通信の途中にも教師信号
を挿入して波形等化器に学習させる必要がある。
【0005】図8は通信の途中にも教師信号を挿入して
波形等化器に学習させる従来技術によるデータ伝送方法
を説明する図であり、以下、これについて説明する。図
8において、1は伝送データ変調信号、2は教師信号で
ある。
【0006】無線回線を使用してディジタル無線通信を
行う場合、図8に示すように、一定時間毎に教師信号2
となる信号を伝送データ変調信号1の間に挿入し、定期
的に波形等化器に学習を行わせている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
る方法は、音声通信や動画像通信等に適用すると、教師
信号2を挿入した分だけ、情報源の情報を伝送するため
に本来必要な変調速度(通信速度)以上の変調速度が要
求される。変調速度を上げると占有帯域幅が広くなるの
で、使用回線の許容帯域幅に余裕が無い場合には、伝送
すべき情報を圧縮する必要が生じる。音声通信の場合、
一般的に、音声符号化の圧縮率を上げると再生時の音声
品質が劣化する。このため、前述した従来技術は、音声
通信に適用して通話品質を良くするために教師信号2を
挿入したことが、一方で通話品質を下げる要因を作って
しまうという問題点を有している。
【0008】本発明の目的は、前述した従来技術の問題
点を解決し、無線回線等の回線特性が時間と共に変動す
るような回線を使用する音声通信において、波形等化器
を回線特性の変動に追従させるために教師信号を送信す
るに当り、変調速度、音声圧縮率等に与える影響を排除
し、効率的に教師信号を送信して、良好な通話品質を得
ることを可能とした音声送信装置、音声受信装置及び音
声通信装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、変復調を使用する音声通信装置の音声送信装置にお
いて、送話者の音声が有音か無音かを判定する有音/無
音判定部と、音声を変調する音声変調部と、受信局の適
応波形等化部の学習に使用する教師信号を生成する教師
信号生成部とを備え、送話者の音声が有音時に、前記音
声変調部が生成する音声変調信号を出力し、送話者の音
声が無音時に、前記教師信号生成部が生成する教師信号
を出力することにより達成される。
【0010】また、前記目的は、変復調を使用する音声
通信装置の請求項1記載の音声送信装置に対向する音声
受信装置において、受信信号が音声変調信号か適応波形
等化部に対する教師信号かを判定する変調信号/教師信
号判定部と、音声変調信号を復調して音声を生成する音
声復調部と、教師信号により学習し受信信号を波形等化
する適応波形等化部とを備え、音声変調信号の受信時、
音声復調部が生成する音声を出力し、適応波形等化部に
対する教師信号を受信時、適応波形等化部を学習させる
と共に出力音声を無音とすることにより達成される。
【0011】さらに、本発明によれば、前記音声送信装
置と前記音声受信装置とを一体として音声通信装置とし
て構成することにより達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による音声送信装
置、音声受信装置及び音声通信装置の実施形態を図面に
より詳細に説明する。
【0013】図1は本発明の基本原理を説明する音声信
号と教師信号との伝送の状態を説明する図、図2〜図5
は本発明の第1〜第4の実施形態の概略構成を説明する
ブロック図である。図1〜図5において、1’は音声変
調信号、2は教師信号、3は有音/無音判定部、4は音
声変調部、5は教師信号生成部、6は変調信号/教師信
号判定部、7は適応波形等化部、8は音声復調部、9は
識別情報変調部、10は識別情報復調部、11は遅延
部、12は音声秘話通信装置、13は無線機である。
【0014】本発明の基本原理は、図1に示すように、
音声信号に有音区間と無音区間とがあることに着目し、
音声入力信号の有音区間の信号に対応する音声変調信号
1’を生成し、無音区間を教師信号2を伝送する区間と
して利用するものである。
【0015】図2(a)、図2(b)には、図1に示し
た基本原理を使用した本発明の第1の実施形態による音
声送信装置と音声受信装置との概略構成が示されてい
る。音声送信装置は、送話者の音声が有音か無音かを判
定する有音/無音判定部3と、音声を変調する音声変調
部4と、受信局の適応波形等化部に学習を行わせるため
に使用する教師信号2を生成する教師信号生成部5とに
より構成される。そして、有音/無音判定部3は、送話
者の音声が有音時には前記音声変調部4が生成する音声
変調信号1’を出力し、送話者の音声が無音時には前記
教師信号生成部5が生成する教師信号2を出力するよう
にスイッチSWを切り替え制御している。
【0016】また、音声受信装置は、受信信号が音声変
調信号1’か適応波形等化部7に対する教師信号2かを
判定する変調信号/教師信号判定部6と、音声変調信号
1’を復調して音声を生成する音声復調部8と、教師信
号2により学習を行い受信信号を波形等化する適応波形
等化部7とにより構成される。変調信号/教師信号判定
部6は、音声変調信号1’の受信時、音声復調部8に適
応波形等化部7からの波形等化された音声変調信号を復
調して生成する音声を出力させ、教師信号2の受信時、
無音を出力させるように制御を行う。また、変調信号/
教師信号判定部6は、適応波形等化部7に対する教師信
号2の受信時、適応波形等化部7にこの教師信号2を用
いて学習を行わせるように制御を行う。
【0017】前述した本発明の第1の実施形態によれ
ば、無線回線のように回線特性が時間と共に変動する回
線を使用する音声通信に対し適応波形等化技術を適用す
る場合に、適応等化器用の教師信号を送信するために、
音声の情報を伝送するために本来必要な変調速度以上の
変調速度とする必要がなく、かつ、情報源の情報を必要
以上に圧縮する必要がなく、通信回線の許容帯域幅を有
効に使用することができ、効率的に教師信号を送信して
受信局において適応等化器を回線特性に追従させて良好
な通話品質を得ることができる。
【0018】図3(a)、図3(b)には、図1に示し
た基本原理を使用した本発明の第2の実施形態による音
声送信装置と音声受信装置との概略構成が示されてい
る。音声送信装置は、図3(a)に示すように、図2
(a)に示す構成に、音声変調信号1’を伝送中か適応
波形等化部7に対する教師信号2を伝送中かを識別させ
るための識別情報を音声変調信号1’及び教師信号2と
は別の周波数帯域により変調して送信する識別情報変調
部9を加えて構成されている。そして、受信局側には、
音声変調部4が生成する音声変調信号1’または教師信
号生成部5が生成する教師信号2が出力されると共に、
識別情報変調部9が生成する識別情報変調信号が出力さ
れることになる。
【0019】また、音声受信装置は、図3(b)に示す
ように、図2(b)に示す構成に、音声変調信号1’を
受信中か適応波形等化部7に対する教師信号2を受信中
かを識別する識別情報が変調された識別情報変調信号を
復調する識別情報復調部10を加えて構成されている。
そして、変調信号/教師信号判定部6は、識別情報復調
部10が復調して得られた識別情報に基づして、受信信
号が音声変調信号1’か適応波形等化部7の教師信号2
かを判定し、図2(b)で説明したと同様に、音声復調
部8と適応波形等化部7を制御する。
【0020】前述した本発明の第2の実施形態によれ
ば、安定して良好な通信品質が期待できる極めて低速な
情報通信速度のチャネルの追加によって、第1の実施形
態における変調信号/教師信号判定を容易に行わせるこ
とが可能となり、回路の小型化、装置のコストの削減を
図ることができる。
【0021】図4(a)、図4(b)には、図1に示し
た基本原理を使用した本発明の第3の実施形態による音
声送信装置と音声受信装置との概略構成が示されてい
る。音声送信装置は、図4(a)に示すように、図2
(a)に示す構成と同様に構成される。そして、図4
(a)に示す音声装置装置は、教師信号生成部5が、復
調すると出力が無音となるような教師信号を適応波形等
化部7に対する教師信号2として生成するように構成さ
れる点で図2(a)に示す装置と相違している。
【0022】音声受信装置は、図2(b)に示す構成に
おいて、適応波形等化部7に遅延部11を設け、音声復
調部8に、生成する出力音声が有音であるか無音である
かを判定する機能を持たせたものである。そして、音声
復調部8は、自復調部が生成する出力音声が有音である
か無音であるかを判定して、この判定結果を変調信号/
教師信号判定部6に与える。変調信号/教師信号判定部
6は、与えられた判定結果が無音である場合、受信信号
が適応波形等化部7に対する教師信号2であったと判定
し、適応波形等化部7に、遅延部11の出力を教師信号
2として学習遅を行うように指示する。
【0023】なお、図4(a)、図4(b)により説明
した本発明の第3の実施形態は、図3(a)、図3
(b)により説明した本発明の第2の実施形態に対して
も適用することができる。また、図2〜図4において、
それぞれ、音声送信装置、音声受信装置の構成を説明し
たが、これらの各図における音声送信装置、音声受信装
置を一体に組み合わせることにより、音声通信装置を構
成することができる。
【0024】前述した本発明の第3の実施形態によれ
ば、本発明の第1、第2の実施形態において変調信号/
教師信号判定部が誤判定を犯して教師信号を変調信号で
あると判定した場合にも、再生音を無音とすることがで
きるので、使用者に異音を聞かせるといった悪影響を回
避することができる。また、この第3の実施形態によれ
ば、本発明の第1の実施形態において変調信号波/教師
信号判定に必要な情報伝達を、そのために発生する情報
量を増加させることがないので、回線の増設等を必要と
することがなく、周波数の有効利用を図ることができ
る。
【0025】図5には前述までに説明した音声送信装置
と音声受信装置とを使用する無線通信装置の構成が本発
明の第4の実施形態として示されている。図5に示す例
は、音声秘話通信装置12と無線機13とにより構成さ
れるが、本発明の第4の実施形態では、音声秘話通信装
置12の内部に秘話機能と共に、図2〜図4により説明
した音声送信装置と音声受信装置とを組み込んでいる。
これにより、秘話機能を持った無線音声通信装置を作成
することができる。また、図5に示す構成は、携帯用電
話端末またはその基地局装置に適用することができる。
【0026】前述した本発明の第4の実施形態によれ
ば、良好な通話品質を得ることのできる無線音声秘話通
信を実現することができ、また、良好な通話品質を得る
ことができる携帯電話サービスを提供することができ
る。
【0027】図6は前述までに説明した音声送信装置と
音声受信装置とを使用した本発明の第5の実施形態によ
る秘話機能を持った無線音声通信装置の詳細な構成を示
すブロック図である。図6において、4aは音声符号化
部、4bは暗号化部、4cは振幅位相変調部、4dはパ
イロットトーン生成部、4eは周波数分割多重化部A、
8aは振幅位相復調部、8bは基準振幅生成部、8cは
暗号解読部、8dは無音符号生成部、8e、16は切替
部、8fは音声復号化部、13aは無線送信機、13b
は無線受信機、14はマイク、15は入力アンプ、17
は周波数分割多重化部B、18は送信フィルタ、19は
送信アンプ、20は受信アンプ、21は受信フィルタ、
22はドップラ周波数シフト補正部、23は音声チャネ
ルフィルタ、24は識別チャネルフィルタ、25は出力
アンプ、26はヘッドセットであり、他の符号は、図3
の場合と同一である。
【0028】図6に示す本発明の第5の実施形態は、図
3により説明した音声送信装置と音声受信装置とを図5
により説明した秘話機能を持った無線音声通信装置に適
用したものである。なお、この本発明の第5の実施形態
は、以下に説明する送信系と受信系とを別々の装置とし
て構成することができる。そして、この本発明の第5の
実施形態は、例えば、航空機と地上局との間の秘話通信
に適用して好適なものであり、無線機の送信周波数帯は
HF帯、変調方式はSSB方式、許容帯域幅は音声帯域
とする。
【0029】図6に示す本発明の第5の実施形態におい
て、送信系の装置は、マイク14が接続された入力アン
プ15、音声符号化部4a、暗号化部4b、振幅位相変
調部4c、パイロットトーン生成部4d、周波数分割多
重化部A4e、教師信号生成部5、切替部16、有音/
無音判定部3、BPSK変調部9、周波数分割多重化部
B17、送信フィルタ18、無線送信機13aに接続さ
れる送信アンプ19より構成されている。
【0030】前述において、送話者の音声信号は、マイ
ク14に入力され、入力アンプ15により音声符号化部
4aへの適正な入力レベルに増幅されて、音声符号化部
4a及び有音/無音判定部3に入力される。音声符号化
部4aは、40msを処理単位とする周知のCELP方
式の音声符号化を行うものであり、入力音声信号をA/
D変換し、さらに40ms毎に過去40ms分のA/D
変換後の入力音声信号を情報圧縮して、4800b/s
相当のディジタル符号列に変換して出力するものとす
る。
【0031】暗号化部4bは、音声符号化部4aから出
力されたディジタル符号列を暗号化して出力する。振幅
位相変調部4cは、暗号化部4bから出力されたディジ
タル符号列を変調して変調信号を出力する。ここでの変
調方式は、音声帯域内の16種の周波数の正弦波に対し
て周知の16値QAMと呼ばれる振幅方向及び位相方向
の変調を施す周波数分割多重16値QAM方式とし、振
幅方向の変調は、パイロットトーン生成部4dにより生
成されるパイロットトーンの振幅を基準振幅として行わ
れ、位相方向の変調は、差動位相変調であって直前の位
相を基準位相として行われる。また、変調速度は75ボ
ーとする。これにより前記16種の各変調信号の合計の
情報伝送速度は4800b/sとなり、音声符号化部4
aが生成する情報を伝送することが可能である。
【0032】パイロットトーン生成部4dは、振幅が前
記周波数分割多重16値QAM方式の振幅方向の変調の
基準振幅となる大きさで、かつ、音声帯域内の周波数で
あって前記周波数分割多重16値QAM方式において変
調を受ける16種の正弦波のいずれの周波数とも一致し
ない周波数の正弦波で、かつ、一切の変調を受けていな
い正弦波を、パイロットトーンとして生成し出力する。
このパイロットトーンは、受信局において、ドップラ周
波数シフト量検出部25により受信信号が受けているド
ップラ周波数シフト量を検出するためにも使用される。
振幅位相変調部4cから出力される前記16種の各変調
信号とパイロットトーン生成部4dから出力されるパイ
ロットトーンとは、周波数分割多重化部A4eにより周
波数分割多重化され、音声変調信号として切替部16に
入力される。
【0033】なお、前述において、音声符号化部4a、
暗号化部4b、振幅位相変調部4e、パイロットトーン
生成部4dの組み合わせは、図3における音声変調部4
に該当するものであり、音声符号化の方式や変調の方式
は上記以外の方式に置き換えてもほぼ同様に実施可能で
ある。但し、その場合、情報伝送速度が、音声符号化に
よって生成されるディジタル符号列を伝送可能な伝送速
度以上となり、かつ、占有帯域幅が許容帯域幅以内とな
るように、変調を受ける正弦波の周波数及び変調速度を
決定する必要がある。
【0034】教師信号生成部5は、前記周波数分割多重
16QAM方式の変調に使われる16種の正弦波とパイ
ロットトーンと同一の正弦波の合成波であって、各正弦
波の振幅及び初期位相が送信局及び受信局で共に既知で
ある信号を生成し、この信号を受信局における適応波形
等化部7の学習のための教師信号2として切替部16に
対して出力する。
【0035】なお、教師信号2は、前述の合成波に限ら
ず、送信局及び受信局において既知である許容帯域内の
信号であれば、別の信号でもかまわない。その場合、適
応波形等化部7の学習精度を高めるために、許容帯域内
のなるべく多くの周波数成分を有する信号を教師信号と
することが望ましい。
【0036】周波数分割多重化部A4eから出力される
音声変調信号1’と教師信号生成部5から出力される前
記教師信号2とは、有音/無音判定部3の判定出力に基
づいて、音声符号化部4aへの入力音声信号が有音であ
る場合に音声変調信号1’を出力し、入力音声信号が無
音である場合には教師信号2を出力するよう切り替え制
御される切替部16を介して周波数分割多重化部B17
に入力される。
【0037】有音/無音判定部3は、すでに説明したよ
うに、入力音声信号が有音であるか無音であるかを判定
している。この判定は、音声符号化部4aの処理単位に
同期した同じ40msを処理単位とし、音声符号化部4
aで処理されている過去40msの入力音声信号が有音
であるか無音であるかを判定するものであって、40m
sの処理単位毎に入力音声信号の電力を計算し、計算し
た過去数回の電力値と予め設定された閾値との比較によ
り判定結果を得るものとする。さらに、判定結果の出力
は、音声符号化部4aに処理単位の入力音声信号が入力
されてから振幅位相変調部4cによりそのディジタル符
号列が変調されるまでにかかる時間と、有音/無音判定
部に処理単位の入力音声信号が入力されてから判定結果
が出力されるまでにかかる時間とが等しくなるよう遅延
させて出力される。なお、説明している本発明の第5の
実施形態では、有音/無音判定部3の処理単位を40m
sとしているが、使用する音声符号化部4aの音声符号
化方式の処理単位の整数倍の範囲で設定可能である。
【0038】有音/無音判定部3からの判定出力は、切
替部16に入力されると共にBPSK変調部9にも入力
され、周知の2値差動位相変調方式により変調されて周
波数分割多重化部B17に入力される。前述の2値差動
位相変調に使用される正弦波は、振幅位相変調部4cで
使用される16種の正弦波及びパイロットトーン生成部
4dが生成するパイロットトーンのいずれの周波数とも
一致しない周波数が使用される。なお、この場合の変調
方式についても別の変調方式を使用することができる
が、占有帯域幅ができるだけ狭く、かつ、符号誤り率が
できるだけ小さくなる変調方式が望ましい。
【0039】周波数分割多重化部B17は、切替部16
から出力される音声変調信号1’または教師信号2とB
PSK変調部9から出力される有音/無音判定部3の判
定出力の変調信号とを周波数分割多重化して出力する。
そして、周波数分割多重化部B17の出力は、音声帯域
を通過帯域とする送信フィルタ18に入力されて帯域制
限された後、送信アンプ19により無線送信機13aの
音声入力の適正入力レベルに増幅されて、無線送信機1
3aの音声入力に入力され送信される。なお、本発明の
第5の実施形態の同期方式は、プリアンブルによる初期
同期方式とし、通信開始時にプリアンブル信号を送信
し、受信局において、前記プリアンブル信号を受信して
いる間に同期を確立し、以後、これに追従するものとす
る。但し、他の同期方式を採用しても同様に実施可能で
ある。
【0040】図6に示す本発明の第5の実施形態におい
て、受信系の装置は、無線受信機13bが接続された受
信アンプ20、受信フィルタ21、ドップラ周波数シフ
ト補正部22、音声CHフィルタ23、識別CHフィル
タ24、適応波形等化部7、基準振幅生成部8b、振幅
位相復調部8a、暗号解読部8c、無音符号生成部8
d、BPSK復調部10、変調信号/教師信号判定部
6、切替部8e、音声復号化部8f、ヘッドセット26
が接続された出力アンプ25により構成される。
【0041】前述の構成において、無線受信機13bか
ら出力された受信信号は、受信アンプ20により後段の
処理に対する適正レベルに増幅され、受信フィルタ21
に入力される。受信フィルタ21は、音声帯域を通過域
とするフィルタであり、受信フィルタ21から出力され
る受信信号は、周知のドップラ周波数シフト補正部22
に入力されて周波数シフトされる。この周波数シフト
は、送信局と受信局との間の音声秘話通信装置及び無線
送受信機の発信器の周波数誤差、移動通信にSSB方式
を使用する場合に特有の周波数シフト、及び、HF帯の
電波伝搬に特有の電離層の移動に起因する周波数シフト
を補正するために必要であり、受信局内部で生成したパ
イロットトーン相当の周波数と受信したパイロットトー
ンの周波数との誤差が可能な限り小さくなるように、受
信信号全体が周波数シフトされる。
【0042】ドップラ周波数シフト補正部22により周
波数シフトされた受信信号は、音声変調信号1’及び教
師信号2を通過させるフィルタである音声CHフィルタ
23及び2値差動位相変調された有音/無音判定出力の
変調信号を通過させるフィルタである識別CHフィルタ
24に入力される。識別CHフィルタ24の出力は、B
PSK復調部10により復調される。なお、2値差動位
相変調信号の復調方法は、周知である。また、送信局で
2値差動位相変調以外の変調方式により信号を変調した
場合、復調方式を送信局に合わせる必要がある。
【0043】BPSK復調部10による復調結果は、変
調信号/教師信号判定部6に入力され、音声変調信号
1’を受信中か、適応波形等化部7に対する教師信号2
を受信中かの判定が行われ、その判定出力が適応波形等
化部7及び切替部8eに入力される。また、音声CHフ
ィルタ23の出力は適応波形等化部7に入力される。
【0044】適応波形等化部7は、学習可能なフィルタ
を有して構成されており、入力された信号は、BPSK
復調部10に信号が入力されてから変調信号/教師信号
判定部6が判定出力を出力するまでにかかる時間と同等
の遅延が与えられた後に前記学習可能なフィルタに入力
される。この学習可能なフィルタは、変調信号/教師信
号判定部6の判定出力に基づいて、音声変調信号1’を
受信中の場合、フィルタ係数固定のフィルタとして動作
して受信波の歪みを補正して出力し、教師信号2を受信
中に学習によりフィルタ係数を変更する。なお、適応波
形等化部7における学習の方法については、周知であり
ここでの説明は省略する。
【0045】適応波形等化部7の出力は、振幅位相復調
部8a及び基準振幅生成部8bに入力される。基準振幅
生成部8bは、適応波形等化部7の出力からパイロット
トーンの振幅を検出し、検出したパイロットトーンの振
幅を振幅位相復調部8aに入力する。振幅位相復調部8
aは、適応波形等化部7の出力に含まれる前述の16Q
AM方式により変調された16種の正弦波のそれぞれに
ついて復調し、ディジタル符号列を出力する。振幅位相
復調部8aは、復調の際の基準振幅として、基準振幅生
成部8bから入力されるパイロットトーンの振幅を使用
する。なお、16QAM方式の復調については、周知で
ありここでの説明は省略する。また、送信局において1
6QAM方式以外の変調方式を使用している場合は、復
調方式を送信局に合わせる必要がある。
【0046】暗号解読部8cは、振幅位相復調部8aか
ら出力される復調されたディジタル符号列の暗号を解読
し、暗号解読後のディジタル符号列を切替部8eに入力
する。一方、無音符号生成部8dは、音声復号化部8f
で復号化された場合に、その音声出力が無音となるよう
なディジタル符号列を生成し、このディジタル符号列を
切替部8eに入力さ4する。
【0047】切替部8eは、入力される変調信号/教師
信号判定部6からの判定出力に対して、適応波形等化部
7の学習可能なフィルタに受信信号が入力されてから暗
号解読部8cで暗号が解読され、暗号解読されたディジ
タル符号列が出力されるまでにかかる時間と同等の遅延
を与える。そして、切替部8eは、この遅延が与えられ
た変調信号/教師信号判定部6からの判定出力に基づい
て、音声変調信号1’を受信中の場合、暗号解読部8c
から出力されるディジタル符号列を出力し、適応波形等
化部7に対する教師信号2を受信中の場合、無音符号生
成部8dから出力される無音となるディジタル符号列を
出力する。
【0048】音声復号化部8fは、切替部8eから出力
されるディジタル符号列を復号化して再生音声を生成
し、D/A変換して出力する。復号化の方式は、前述の
CELP方式であるとする。なお、送信局において、C
ELP方式以外の符号化方式方式を使用した符号化が行
われている場合、復号化方式を送信局に合わせる必要が
ある。音声復号化部8fから出力されるD/A変換後の
再生音声は、出力アンプ25によりヘッドセットの適正
入力レベルに増幅されて、ヘッドセットに出力される。
【0049】前述した図6に示す本発明の第5の実施形
態によれば、送信局において、パイロットトーン生成部
4dによりパイロットトーンを生成して受信局に伝送
し、受信局においてこのパイロットトーンの振幅を16
QAM方式における振幅方向の変復調に対する基準振幅
としているので、受信信号レベルが容易に変動する無線
通信において良好な復調精度を得ることができる。
【0050】また、本発明の第5の実施形態によれば、
受信局にの適応波形等化部7の教師信号2として周波数
分割多重16QAM方式に使用する16種の正弦波とパ
イロットトーンと同一の正弦波の合成波を送信局から伝
送しているので、受信局において周波数分割多重16Q
AM方式の復調を良好に実施するために充分な適応波形
等価を行うことができる。
【0051】この理由は、音声変調信号1’の占有帯域
と教師信号2の占有帯域とがほぼ同等であるため、必要
な周波数における回線特性の捕捉にもれがなくなるため
である。例えば、1kHzと2kHzとの変調信号を周
波数分割多重化して音声変調信号1’とし、1kHzの
正弦波のみを教師信号2とすれば、2kHz付近の回線
特性の捕捉が不十分なために2kHzの変調信号の歪み
を補正しきれないが、1kHzと2kHzの正弦波の合
成波を教師信号2とすれば1kHz及び2kHzの変調
信号の歪みを共に良好に補正することができるというこ
とである。
【0052】また、本発明の第5の実施形態によれば、
送信局において有音/無音判定部3の処理時間の単位を
音声符号化部4aの処理単位と同一時間で、かつ、同期
させているので、受信局において音声復号化を行う際に
異音が発生することを容易に防止することができる。す
なわち、音声復号化時には、処理単位分のディジタル符
号列の一部が部分的に入力されても、残るそれ以外のデ
ィジタル符号列も入力されないとその処理単位分の音声
が正しく生成されずに異音を発生する可能性が高い。従
って、音声変調信号1’と教師信号2との切替が音声符
号化方式の処理単位に同期していないと前述したように
異音が発生する。そして、受信局において有音/無音判
定部4aの処理単位を音声符号化方式の処理単位と同一
として同期させれば、前記音声変調信号1’と教師信号
2との切替を容易に音声符号化方式の処理単位に同期さ
せることができる。
【0053】なお、本発明の第5の実施形態において、
前記音声変調信号1’と教師信号2との切替と、音声符
号化方式の処理単位との同期は、有音/無音判定部3の
判定結果の出力を、音声符号化部4aに処理単位の入力
音声信号が入力されてから振幅位相変調部4cにおいて
そのディジタル符号列が変調されるまでにかかる時間
と、有音/無音判定部3に処理単位の入力音声信号が入
力されてから前記判定結果が出力されるまでにかかる時
間とが等しくなるよう遅延させて出力するようにしたこ
とにより実現されている。
【0054】さらに、受信局の切替部8eにおいて、適
応波形等化部7の前記学習可能なフィルタに受信信号が
入力されてから暗号解読部8cにより暗号の解読された
ディジタル符号列が出力されるまでにかかる時間と同等
の遅延を変調信号/教師信号判定部6の判定出力に与え
るようにしているのも同様の目的である。
【0055】また、前述した本発明第5の実施形態は、
適応波形等化部7が、BPSK復調部10に信号が入力
されてから変調信号/教師信号判定部6が判定出力を出
力するまでにかかる時間と同等の遅延を入力された信号
に与えた後に、この信号を学習可能なフィルタに入力す
るようにしているので、学習可能なフィルタへの入力が
音声変調信号1’であるか教師信号2であるかの識別を
正確に行うことができ、学習可能なフィルタの学習の精
度を高めることができる。
【0056】図7は図5までに説明した音声送信装置と
音声受信装置とを使用した本発明の第6の実施形態によ
る秘話機能を持った無線音声通信装置の詳細な構成を示
すブロック図である。図7において、5’は無音符号生
成部、27は周波数分割多重化部、28は振幅位相変調
部、29はパイロットトーン生成部、30は符号蓄積部
であり、他の符号は図6の場合と同一である。
【0057】図7に示す本発明の第6の実施形態は、図
4により説明した音声送信装置と音声受信装置とを図5
により説明した秘話機能を持った無線音声通信装置に適
用したものである。なお、この本発明の第6の実施形態
は、以下に説明する送信系と受信系を別々の装置として
構成することができる。そして、この本発明の第6の実
施形態は、前述した第5の実施形態の場合と同様に、例
えば、航空機と地上局との間の秘話通信に適用して好適
なものであり、無線機の送信周波数帯はHF帯、変調方
式はSSB方式、許容帯域幅は音声帯域とする。
【0058】図7に示す本発明の第6の実施形態におい
て、送信系の装置は、マイク14が接続された入力アン
プ15、音声符号化部4a、無音符号生成部5’、有音
/無音判定部3、切替部16、暗号化部4b、振幅位相
変調部4c、パイロットトーン生成部4d、周波数分割
多重化部A4e、送信フィルタ18、無線送信機13a
が接続された送信アンプ19を備えて構成されている。
【0059】前述のように構成される本発明の第6の実
施形態において、送話者からの音声信号は、マイク14
に入力され、入力アンプ15により音声符号化部4aに
対する適正入力レベルに増幅されて、音声符号化部4a
及び有音/無音判定部3に入力される。音声符号化部4
aは、40msを処理単位とするCELP方式の音声符
号化を行うものであり、4800b/s相当のディジタ
ル符号列を出力するものとする。無音符号生成部8d
は、受信局の音声復号化部8fににより復号化された場
合に出力が無音となるディジタル符号列を生成して出力
する。また、有音/無音判定部3は、入力音声信号が有
音であるか無音であるかを判定する。
【0060】切替部16は、有音/無音判定部3の判定
出力に基づいて、入力音声が有音である場合に音声符号
化部4aから出力されるディジタル符号列を出力し、入
力音声が無音である場合に無音符号生成部5から出力さ
れるディジタル符号列を出力する。暗号化部4bは、切
替部16から出力されたディジタル符号列を暗号化して
振幅位相変調部4cに対して出力する。
【0061】振幅位相変調部4cは、暗号化部4bから
出力されたディジタル符号列を変調して変調信号を出力
する。ここでの変調方式は、音声帯域内の16種の周波
数の正弦波に対して16値QAMと呼ばれる振幅方向及
び位相方向の変調を施す周波数分割多重16値QAM方
式とするが、位相方向の変調を差動位相変調ではなく常
に基準位相搬送波の位相を基準とする位相変調である。
また、変調速度は75ボーとする。これにより、前記1
6種の各変調信号の合計の情報伝送速度は、4800b
/sとなる。
【0062】パイロットトーン生成部4dは、パイロッ
トトーンを生成して出力する。周波数分割多重化部A4
eは、振幅位相変調部4cから出力される前述の16種
の各変調信号とパイロットトーン生成部4dから出力さ
れるパイロットトーンとを周波数分割多重化して送信フ
ィルタ18に入力する。
【0063】なお、この本発明の第6の実施形態2にお
いても、音声符号化の方式や変調の方式は上記以外の方
式に置き換えてもほぼ同様に実施可能である。また、無
音符号生成部5’は、図6における教師信号生成部5に
相当する。音声符号化部4aから出力されるディジタル
符号列を変調したとき、送信信号は音声変調信号1’と
なり、無音符号生成部5から出力されるディジタル符号
列を変調したとき、この送信信号は受信局の適応波形等
化部7に対する教師信号2となる。
【0064】周波数分割多重化部A4eの出力は、音声
帯域を通過帯域とする送信フィルタ18に入力されて帯
域制限された後、送信アンプ19により無線送信機13
aに対する音声入力の適正入力レベルに増幅されて、無
線送信機13aの音声入力に入力されて送信される。
【0065】なお、第6の実施形態における音声秘話通
信装置の同期方式はプリアンブルによる初期同期方式と
し、通信開始時にプリアンブル信号を送信し、受信局に
おいて、前記プリアンブル信号を受信している間に同期
を確立し、以後追従するものとする。但し、他の同期方
式を採用しても同様に実施可能である。
【0066】図7に示す本発明の第6の実施形態におい
て、受信系の装置は、無線受信機13bに接続された受
信アンプ20、受信フィルタ21、ドップラ周波数シフ
ト補正部22、遅延部11を有する適応波形等化部7、
基準振幅生成部8b、振幅位相復調部8a、暗号解読部
8c、音声複合化部8f、変調信号/教師信号判定部
6、符号蓄積部30、振幅位相変調部28、パイロット
トーン生成部29、周波数分割多重化部A27、ヘッド
セット26が接続された出力アンプ25により構成され
ている。
【0067】前述の構成において、無線受信機13bか
ら出力された受信信号は、受信アンプ20により後段の
処理に対する適正レベルに増幅され、受信フィルタ21
に入力される。受信フィルタ21は、音声帯域を通過域
とするフィルタであり、受信フィルタ21から出力され
る受信信号は、周知のドップラ周波数シフト補正部22
に入力されて周波数シフトされる。ドップラ周波数シフ
ト補正部22により周波数シフトされた受信信号は、適
応波形等化部7に入力される。
【0068】適応波形等化部7は、波形等化用フィルタ
及び遅延部11及び学習用フィルタを有する。前述の波
形等化用フィルタは、受信信号の歪みを補正して適応波
形等化部7の出力として出力する。また、前述の学習用
フィルタは、変調信号/教師信号判定部6からの判定出
力に基づいて、教師信号2を受信中の場合に遅延部11
により遅延された信号、すなわち教師信号を使用して学
習を行う。なお、遅延部11の遅延量は、前記波形等化
用フィルタに受信信号が入力されてから変調信号/教師
信号判定部6が判定出力を切り替えるまでにかかる時間
と同等の遅延量に設定されている。また、前述の学習時
には、周波数分割多重化部A27から出力される信号を
教師信号2の原型として学習する。前述した学習の後、
前記波形等化用フィルタのフィルタ係数は、学習によっ
て得られた学習用フィルタのフィルタ係数に変更され
る。
【0069】適応波形等化部7の出力は、振幅位相復調
部8a及び基準振幅生成部8bに入力される。基準振幅
生成部8bは、適応波形等化部7の出力からパイロット
トーンの振幅を検出し、このパイロットトーンの振幅を
振幅位相復調部8aに入力する。振幅位相復調部8a
は、適応波形等化部7の出力に含まれる16QAM方式
により変調された16種の正弦波のそれぞれについて復
調してディジタル符号列を出力する。なお、送信局が1
6QAM方式以外の変調方式により信号の変調を行って
いる場合、復調方式を送信局に合わせる必要がある。
【0070】暗号解読部8cは、振幅位相復調部8aか
ら出力されるディジタル符号列の暗号を解読し、暗号解
読後のディジタル符号列を音声復号化部8fに入力す
る。音声復号化部8fは、暗号解読部8cから出力され
るディジタル符号列を復号化して再生音声を生成してD
/A変換して出力する。この復号化の方式は、すでに説
明したCELP方式とする。なお、送信局が前記CEL
P方式以外の符号化方式方式により符号化を行っている
場合、復号化方式を送信局に合わせる必要がある。さら
に、音声復号化部8fは、入力されたディジタル符号列
が無音符号生成部5により生成されたディジタル符号で
あるか否かを判定する機能を有し、この判定結果を変調
信号/教師信号判定部6に入力する。
【0071】変調信号/教師信号判定部6は、過去数回
分の音声復号化部8fからの判定入力に基づいて、受信
波が音声変調信号1’であったか適応波形等化部7に対
する教師信号2であったかを判定し、判定結果を適応波
形等化部7に対して出力する。また、符号蓄積部30
は、暗号解読部8cにディジタル符号列が入力されてか
ら変調信号/教師信号判定部6が判定出力を切り替える
までの時間と、符号蓄積部30にディジタル符号列が入
力されてから周波数分割多重化部A27から教師信号2
の原型が出力されるまでにかかる時間とが等しくなるよ
うな遅延を入力されたディジタル符号列に与えて振幅位
相変調部28に対して出力する。
【0072】符号蓄積部30から出力されるディジタル
符号列が入力された振幅位相変調部28は、入力信号を
振幅位相変調し、その出力を周波数分割多重化部A27
に与える。周波数分割多重化部27Aは、振幅位相変調
部28及びパイロットトーン生成部29からの出力信号
を多重化し、適応波形等化部7に対する教師信号2の原
型として適応波形等化部7に入力する。音声復号化部8
fから出力されるD/A変換後の再生音声は、出力アン
プ25によりヘッドセット36に対する適正入力レベル
に増幅されてヘッドセット36に出力される。
【0073】なお、前述において、振幅位相変調部2
8、パイロットトーン生成部29及び周波数分割多重化
部A27は、送信局における振幅位相変調部4c、パイ
ロットトーン生成部4d及び周波数分割多重化部4eと
同一の構成を持つ。
【0074】前述した図7に示す本発明の第6の実施形
態によれば、適応波形等化部7内の遅延部11の遅延量
を、波形等化用フィルタに受信信号が入力されてから変
調信号/教師信号判定部6が判定出力を切り替えるまで
にかかる時間と同等の遅延量とし、かつ、符号蓄積部3
0の遅延量を、暗号解読部8cにディジタル符号列が入
力されてから変調信号/教師信号判定部6が判定出力を
切り替えるまでの時間と、符号蓄積部30にディジタル
符号列が入力されてから周波数分割多重化部A27から
教師信号2の原型が出力されるまでにかかる時間とが等
しくなるような遅延量としたことにより、適応波形等化
部7の学習用フィルタの学習に必要な受信した教師信号
2と教師信号2の原型とが、同時刻に前記学習用フィル
タに与えられるため、学習用フィルタの学習精度を高め
ることができる。
【0075】また、本発明の第6の実施形態は、復調し
て得られた符号を送信局と同一の変調方式で変調して教
師信号2の原型として適応波形等化部に入力するように
すれば、教師信号2を伝送することなく常に音声変調信
号1’を伝送するようにしても、受信した音声変調信号
1’を教師信号2として扱えるため、適応波形等化部の
学習が原理的に可能となる。しかし、その場合に、符号
誤りが発生すると生成した教師信号2の原型と教師信号
2として送信された音声変調信号1’とが違う信号にな
ってしまい、適応波形等化部の学習が正しく行われず悪
影響が生じる。
【0076】前述のような悪影響を回避するため、本発
明の第6の実施形態は、適応波形等化部7の学習に使用
する信号を無音時に無音符号生成部5により生成したい
わば特別な符号の変調信号に限定し、さらに、変調信号
/教師信号判定部6により音声復号化部8fの判定出力
を過去数回分使用して判定することにより、前記変調信
号を受信したという判定の確からしさを高めるようにし
ている。
【0077】前述した本発明の第5、第6の実施形態に
よる音声秘話通信装置は、その構成を携帯電話端末及び
その基地局装置に適用することができる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、無
線回線のように回線特性が時間と共に変動する回線を使
用する音声通信に対し適応波形等化技術を適用する場合
に、適応等化器用の教師信号を送信するために、音声の
情報を伝送するために本来必要な変調速度以上の変調速
度とする必要がなく、かつ、情報源の情報を必要以上に
圧縮する必要がなく、通信回線の許容帯域幅を有効に使
用することができ、効率的に教師信号を送信して受信局
において適応等化器を回線特性に追従させて良好な通話
品質を得ることができる。
【0079】また、本発明によれば、安定して良好な通
信品質が期待できる極めて低速な情報通信速度のチャネ
ルの追加によって、変調信号/教師信号判定を容易に実
現することができ、回路の小型化、装置のコストを削減
することができる。
【0080】また、本発明によれば、変調信号/教師信
号判定部が誤判定を犯して教師信号を変調信号であると
判定した場合にも、再生音を無音として使用者に異音を
聞かせるといった悪影響を回避することができる。
【0081】さらに、本発明によれば、変調信号/教師
信号判定に必要な情報伝達を、そのために発生する情報
量を増加させることなく実現することができるため、回
線の増設等を必要とせず周波数の有効利用を図ることが
できる。
【0082】さらに、本発明を利用することにより、良
好な通話品質を得ることができる無線音声秘話通信を実
現することができ、また、良好な通話品質を得られる携
帯電話サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理を説明する音声信号と教師信
号との伝送の状態を説明する図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の概略構成を説明する
ブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の概略構成を説明する
ブロック図である。
【図4】本発明の第3の実施形態の概略構成を説明する
ブロック図である。
【図5】本発明の第4の実施形態の概略構成を説明する
ブロック図である。
【図6】本発明の第5の実施形態による秘話機能を持っ
た無線音声通信装置の詳細な構成を示すブロック図であ
る。
【図7】本発明の第6の実施形態による秘話機能を持っ
た無線音声通信装置の詳細な構成を示すブロック図であ
る。
【図8】通信の途中にも教師信号を挿入して波形等化器
に学習させる従来技術によるデータ伝送方法を説明する
図である。
【符号の説明】
1 伝送データ変調信号 1’ 音声変調信号 2 教師信号 3 有音/無音判定部 4 音声変調部 4a 音声符号化部 4b 暗号化部 4c 振幅位相変調部 4d パイロットトーン生成部 4e 周波数分割多重化部A 5 教師信号生成部 5’ 無音符号生成部 6 変調信号/教師信号判定部 7 適応波形等化部 8 音声復調部 8a 振幅位相復調部 8b 基準振幅生成部 8c 暗号解読部 8d 無音符号生成部 8e、16 切替部 8f 音声復号化部 9 識別情報変調部 10 識別情報復調部 11 遅延部 12 音声秘話通信装置 13 無線機 13a 無線送信機 13b 無線受信機 14 マイク 15 入力アンプ 17 周波数分割多重化部B 18 送信フィルタ 19 送信アンプ 20 受信アンプ 21 受信フィルタ 22 ドップラ周波数シフト補正部 23 音声チャネルフィルタ 24 識別チャネルフィルタ 25 出力アンプ 26 ヘッドセット 27 周波数分割多重化部 28 振幅位相変調部 29 パイロットトーン生成部 30 符号蓄積部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変復調を使用する音声通信装置の音声送
    信装置において、送話者の音声が有音か無音かを判定す
    る有音/無音判定部と、音声を変調する音声変調部と、
    受信局の適応波形等化部の学習に使用する教師信号を生
    成する教師信号生成部とを備え、送話者の音声が有音時
    に、前記音声変調部が生成する音声変調信号を出力し、
    送話者の音声が無音時に、前記教師信号生成部が生成す
    る教師信号を出力することを特徴とする音声送信装置。
  2. 【請求項2】 変復調を使用する音声通信装置の請求項
    1記載の音声送信装置に対向する音声受信装置におい
    て、受信信号が音声変調信号か適応波形等化部に対する
    教師信号かを判定する変調信号/教師信号判定部と、音
    声変調信号を復調して音声を生成する音声復調部と、教
    師信号により学習し受信信号を波形等化する適応波形等
    化部とを備え、音声変調信号の受信時、音声復調部が生
    成する音声を出力し、適応波形等化部に対する教師信号
    を受信時、適応波形等化部を学習させると共に出力音声
    を無音とすることを特徴とする音声受信装置。
  3. 【請求項3】 音声変調信号を伝送中か適応波形等化部
    に対する教師信号を伝送中かの識別情報を音声変調信号
    及び教師信号とは別の周波数帯域により変調する識別情
    報変調部を備え、該識別情報変調部が生成する識別情報
    変調信号を出力することを特徴とする請求項1記載の音
    声送信装置。
  4. 【請求項4】 変復調を使用する音声通信装置の請求項
    3記載の音声送信装置に対向する音声受信装置におい
    て、音声変調信号を伝送中か適応波形等化部の教師信号
    を伝送中かの識別情報が変調された識別情報変調信号を
    復調する識別情報復調部を備え、変調信号/教師信号判
    定部は、識別情報復調部が復調して得られた識別情報に
    基づき、受信信号が音声変調信号か適応波形等化部に対
    する教師信号かを判定することを特徴とする請求項2記
    載の音声受信装置。
  5. 【請求項5】 教師信号生成部は、復調すると出力が無
    音となるような信号を適応波形等化部に対する教師信号
    として生成することを特徴とする請求項1または3記載
    の音声送信装置。
  6. 【請求項6】 変復調を使用する音声通信装置の請求項
    5に記載の音声送信装置に対向する音声受信装置におい
    て、音声復調部は生成する出力音声が有音であるか無音
    であるかを判定する機能を有し、変調信号/教師信号判
    定部は前記出力音声が無音であると判定した場合、受信
    信号が適応波形等化部の教師信号であったと判定し、適
    応波形等化部は遅延部を有し、適応波形等化部は変調信
    号/教師信号判定部が受信信号が適応波形等化部の教師
    信号であったと判定した場合、前記遅延部の出力を教師
    信号として学習することを特徴とする請求項2または4
    記載の音声受信装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の音声送信装置と請求項2
    記載の音声受信装置とを一体に構成したことを特徴とす
    る音声通信装置。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の音声送信装置と請求項4
    記載の音声受信装置とを一体に構成したことを特徴とす
    る音声通信装置。
  9. 【請求項9】 請求項5記載の音声送信装置と請求項6
    記載の音声受信装置とを一体に構成したことを特徴とす
    る音声通信装置。
  10. 【請求項10】 無線機の音声入出力と接続する音声通
    信装置において、請求項7、8または9記載の音声通信
    装置に秘話機能を設けて構成したことを特徴とする音声
    通信装置。
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