JPH11212673A - 冷却装置および冷却装置を有する携帯形情報機器 - Google Patents

冷却装置および冷却装置を有する携帯形情報機器

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JPH11212673A
JPH11212673A JP10015420A JP1542098A JPH11212673A JP H11212673 A JPH11212673 A JP H11212673A JP 10015420 A JP10015420 A JP 10015420A JP 1542098 A JP1542098 A JP 1542098A JP H11212673 A JPH11212673 A JP H11212673A
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JP
Japan
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casing
heat
housing
fan
heating element
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Application number
JP10015420A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nakamura
博 中村
Katsuhiko Yamamoto
勝彦 山本
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Toshiba Corp
Toshiba Home Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Home Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、騒音およびコストを抑えつつ、発熱
源の冷却性能を充分に確保することができる冷却装置を
得ることにある。 【解決手段】冷却装置は、送風通路54を有するケーシン
グ53と;このケーシングの送風通路に配置されたファン
67と;ケーシングに支持され、ファンを回転駆動する電
動モータ64と;を備えている。そして、ケーシングは、
水平面および垂直面に対し夫々所定角度傾斜された姿勢
で配置され、このケーシングに動作中に発熱するMPU
41又はこの発熱体の放熱を促進させるヒートシンク44を
熱的に接続したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置のよう
な発熱体の放熱を促進させる冷却装置、およびこの冷却
装置を搭載した携帯形情報機器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ブック形のポータブルコンピュー
タや移動式通信機器に代表される携帯形情報機器では、
文字、音声および画像のような多用のマルチメディア情
報を処理するため、MPU(microprocessing unit)の
処理速度の高速化や多機能化が進められている。この種
のMPUは、高集積化や高性能化に伴って動作中の発熱
量が一段と増大する傾向にある。このため、発熱量の大
きなMPUをポータブルコンピュータの筐体に収容する
に当っては、この筐体の内部でのMPUの放熱性を高め
る必要があり、それ故、電動ファンやヒートシンクのよ
うなMPU専用の冷却手段が不可欠な存在となりつつあ
る。
【0003】図24は、従来のMPUの冷却方式の一例
を示している。この図24において、符号1で示すプリ
ント配線基板は、ポータブルコンピュータの筐体の内部
に収容されている。プリント配線基板1上には、発熱す
るMPU2が実装されており、このMPU2の上面にヒ
ートシンク3が取り付けられている。ヒートシンク3
は、電動式のファン装置4を内蔵した偏平なケーシング
5を有している。ケーシング5は、ファン装置4の回転
軸線O1 をMPU2と直交させた姿勢でMPU2の上面
に重ね合わされており、このケーシング5にMPU2の
熱が直接伝えられるようになっている。
【0004】そのため、ポータブルコンピュータの使用
中にファン装置4が回転駆動されると、図24に矢印で
示すように、ケーシング5の上端から吸い込まれた空気
がMPU2に向けて流れ、この空気はMPU2の上面に
沿うように流れ方向が変えられた後、ケーシング5の側
方に向けて排出される。この結果、MPU2からケーシ
ング5に伝えられた熱は、上記空気の流れに乗じて外方
に持ち去られることになり、MPU2の放熱性が高めら
れる。
【0005】一方、MPUの他の冷却方式として、例え
ば「特開平8−274480号公報」に記載されている
ように、筐体に電動式のファン装置を設置し、このファ
ン装置を通じて発熱するMPUを強制空冷する方式が知
られている。
【0006】図25は、この他の冷却方式を示してお
り、図中符号10で示すポータブルコンピュータの筐体
は、底壁11、上壁12および後壁13を有する偏平な
箱状をなしている。この筐体10の後壁13には、排気
口14が開口されている。筐体10の内部には、MPU
冷却用のファン装置15が収容されている。ファン装置
15は、送風通路16aを有する矩形状のファンフレー
ム16と、このファンフレーム16に支持された電動モ
ータ17と、この電動モータ17の回転軸17aに固定
され、上記送風通路16aに配置されたファン18とを
備えている。そして、ファン装置15は、回転軸17a
を水平にした縦置きの姿勢で筐体10に支持されてお
り、その送風通路16aの排気側の端部が排気口14と
向かい合っている。
【0007】このため、ファン装置15を介してファン
18が回転駆動されると、筐体10の内部にファン装置
15に向かう空気流が形成され、この空気の流れにより
MPUが強制的に空冷されるとともに、この空気はMP
Uを冷却した後、排気口14から筐体10の外方に排出
されるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記図24
に示す冷却方式において、MPU2の標準的な厚み寸法
を6mm、プリント配線基板1の標準的な厚み寸法を2
mmおよびヒートシンク3の標準的な厚み寸法を7mm
とすると、プリント配線基板1からヒートシンク3まで
の全体の厚み寸法は15mmとなる。この場合、ファン
装置4が筐体内の空気を吸引する際の抵抗や筐体内での
プリント配線基板1の絶縁性のことを考慮すると、この
筐体の内部には最低でも上下方向に30mm程度の空間
が必要となってくる。
【0009】ところが、携帯性が重要視されるポータブ
ルコンピュータは、バッグへの収納性等の問題から筐体
の小型・軽量化が強く求められるために、最近では筐体
の厚さ寸法が30mmを下回るものが多々見受けられ
る。このように薄型化を追求したポータブルコンピュー
タでは、筐体の内部の実装スペースが益々狭くなり、こ
の実装スペースの高さ寸法が20mm以下となる場合も
あり得る。
【0010】このように筐体内部の実装スペースの高さ
寸法が20mmを下回るような場合、MPU2の上面に
ヒートシンク3を重ね合わせる従来の冷却方式では、フ
ァン装置4の上方に充分な吸気スペースを確保すること
ができなくなる。
【0011】そのため、ファン装置4が筐体の内部の空
気を吸引する際の抵抗が増大し、ケーシング5を通過す
る風量が少なくなる。この結果、MPU2の冷却性能を
充分に高めることができなくなり、熱設計上の余裕が少
なくなるといった問題がある。
【0012】また、図25に示す冷却方式によると、フ
ァン装置15は、電動モータ17の回転軸17aを水平
にした縦置きの姿勢で筐体10の内部に収容されるため
に、ケーシング15の高さ寸法Tが制約を受ける。その
ため、送風通路16aの内径も小さくせざるを得ず、そ
の分、ファン18の有効径も小さくなる。したがって、
ファン装置15の駆動に伴う風量が少なくなり、MPU
を効率良く冷却することができなくなる。
【0013】MPUの熱的な問題に対処するには、ファ
ン装置15の風量特性を大幅に高める必要があり、その
解決手段に一つとしてファン装置15の回転数を引き上
げることが考えられる。
【0014】しかしながら、このようにすると、電動モ
ータ17の回転数の上昇を招き、その分、騒音が大きく
なるといった弊害が生じてくる。また、この騒音問題を
クリアしつつ所望の送風量を得るためには、小型のファ
ン装置を複数搭載せざるを得なくなり、コストおよび重
量的な面で新たな問題が生じてくる。
【0015】本発明の第1の目的は、騒音およびコスト
を抑えつつ、発熱源の冷却性能を充分に確保することが
できる冷却装置を得ることにある。
【0016】本発明の第2の目的は、発熱源の冷却性能
を充分に確保しつつ、騒音およびコストを低減すること
ができ、しかも、筐体の薄型化にも無理なく対応できる
携帯形情報機器を得ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、請求項1に記載された冷却装置は、送風通路を
有するケーシングと;このケーシングの送風通路に配置
されたファンと;上記ケーシングに支持され、上記ファ
ンを回転駆動する駆動源と;を備えている。そして、上
記ケーシングは、水平面および垂直面に対し夫々所定角
度傾斜された姿勢で配置され、このケーシングに動作中
に発熱する発熱体又はこの発熱体の放熱を促進させる放
熱機器を熱的に接続したことを特徴としている。
【0018】このような構成において、発熱体が発熱す
ると、この発熱体の熱は、発熱体から直接もしくは放熱
機器を介してケーシングに逃がされる。このケーシング
の送風通路には、駆動源により回転駆動されるファンが
配置されているので、このファンが回転駆動されると、
送風通路に空気流が生じる。この空気流により、ケーシ
ングが強制的に冷却されるとともに、ケーシングに逃が
された発熱体の熱が空気流に乗じて外方に放出され、発
熱体の放熱が促進される。
【0019】ケーシングは、水平面および垂直面に対し
傾斜されているので、ケーシングの上下方向への高さを
低く抑えることができる。そのため、ケーシングを収め
る部分の上下方向のスペースが充分に得られないような
場合でも、従来のようにファンを小さくする必要はな
く、むしろケーシングの高さ寸法を従来と同じとすれ
ば、より大きなファンを採用できる。そのため、ファン
の回転数を増大させることなく所望の風量を確保するこ
とができ、発熱体の冷却効率を良好に維持しつつ、ファ
ンの回転に伴う騒音を抑制できる。また、一つのファン
で所望の風量が得られるので、小型のファン装置を複数
準備する必要はなく、コスト的な問題も同時に解消する
ことができる。
【0020】上記第2の目的を達成するため、請求項9
に記載された携帯形情報機器は、排気口を有する筐体
と;この筐体に収容され、動作中に発熱する発熱体が実
装されたプリント配線基板と;上記筐体の内部において
上記発熱体に熱的に接続され、この発熱体の放熱を促進
させる放熱機器と;上記筐体の内部に収容され、上記排
気口に隣接されたファン装置と;を備えている。上記フ
ァン装置は、熱伝導性材料にて構成され、送風通路を有
するケーシングと、このケーシングの送風通路に配置さ
れたファンと、上記ケーシングに支持され、上記ファン
を回転駆動する駆動源と、を含み、上記ケーシングは、
上記筐体の内部において水平面および垂直面に対し夫々
所定角度傾斜された姿勢で配置され、このケーシングに
上記発熱体又は上記放熱機器が熱的に接続されているこ
とを特徴としている。
【0021】このような構成において、発熱体が発熱す
ると、この発熱体の熱は、発熱体から直接もしくは放熱
機器を介してファン装置のケーシングに逃がされる。ケ
ーシングは熱伝導性を有するので、発熱体からの熱は、
ケーシング全体に広く拡散される。このケーシングの送
風通路には、駆動源により回転駆動されるファンが配置
されているので、このファンが回転駆動されると、筐体
内の空気が送風通路に向けて流れ、この送風通路に空気
流が生じる。この空気流により、ケーシングが強制的に
冷却されるとともに、ケーシングに逃がされた発熱体の
熱が空気流に乗じて持ち去られ、排気口から筐体の外方
に放出される。
【0022】また、筐体内にもファン装置に向かう空気
流が形成されるので、筐体内の通気性が良好となり、そ
の分、発熱体や放熱機器の放熱性が高められる。
【0023】ファン装置のケーシングは、筐体の内部に
おいて水平面および垂直面に対し所定の傾きを持って配
置されているので、ケーシングの上下方向への高さを低
く抑えることができる。このため、筐体の薄型化に伴っ
て筐体内の上下方向の高さ寸法が充分に得られないよう
な場合でも、従来のようにファン装置を小さくする必要
はなく、むしろケーシングの高さ寸法を送風方向が水平
な従来のものと同じとすれば、より大きなファンを有す
るファン装置を積極的に採用することができる。よっ
て、ファン装置の回転数を増大させることなく所望の風
量を得ることができ、発熱体の冷却効率を良好に維持し
つつ、ファンの回転に伴う騒音を抑制できるとともに、
筐体の薄型化にも無理なく対応することができる。
【0024】また、一つのファン装置で所望の風量が得
られるので、筐体の内部に小型のファン装置を複数設置
する必要はなく、この点でも筐体の小型・軽量化に寄与
するとともに、コスト的な問題も同時に解消することが
できる。
【0025】上記目的を達成するため、請求項14に記
載された携帯形情報機器は、排気口を有する筐体と;第
1の面と、この第1の面の反対側に位置された第2の面
と、これら第1および第2の面に開口された通孔とを有
し、上記筐体の内部に実装されたプリント配線基板と;
このプリント配線基板の第1の面に実装され、動作中に
発熱するとともに、上記通孔と向かい合う発熱体と;上
記プリント配線基板の第2の面に実装され、上記発熱体
に熱的に接続されてこの発熱体の放熱を促進させる放熱
機器と;上記筐体の内部に収容され、上記排気口に隣接
されたファン装置と;を備えている。上記ファン装置
は、熱伝導性材料にて構成され、送風通路を有するケー
シングと、このケーシングの送風通路に配置されたファ
ンと、上記ケーシングに支持され、上記ファンを回転駆
動する駆動源と、を含み、上記ケーシングは、上記筐体
の内部において水平面および垂直面に対し夫々所定角度
傾斜された姿勢で配置され、このケーシングに上記放熱
機器が熱的に接続されていることを特徴としている。
【0026】このような構成において、プリント配線基
板上の発熱体が発熱すると、この発熱体の熱は、プリン
ト配線基板の反対側の放熱機器に伝わり、この放熱機器
を介してファン装置のケーシングに逃がされる。ケーシ
ングは熱伝導性を有するので、放熱機器を介して伝えら
れる発熱体の熱は、ケーシング全体に広く拡散される。
このケーシングの送風通路には、駆動源により回転駆動
されるファンが配置されているので、このファンが回転
駆動されると、筐体内の空気が送風通路に向けて流れ、
この送風通路に空気流が生じる。この空気流により、ケ
ーシングが強制的に冷却されるとともに、このケーシン
グに逃がされた発熱体の熱が空気流に乗じて持ち去ら
れ、排気口から筐体の外方に放出される。
【0027】また、筐体内にもファン装置に向かう空気
流が形成されるので、筐体内の通気性が良好となり、そ
の分、発熱体や放熱機器の放熱性が高められる。
【0028】ファン装置のケーシングは、筐体の内部に
おいて水平面および垂直面に対し所定の傾きを持って配
置されているので、ケーシングの上下方向への高さを低
く抑えることができる。このため、筐体の薄型化に伴っ
て筐体内の上下方向の高さ寸法が充分に得られないよう
な場合でも、従来のようにファン装置を小さくする必要
はなく、むしろケーシングの高さ寸法を送風方向が水平
な従来のものと同じとすれば、より大きなファンを有す
るファン装置を積極的に採用することができる。よっ
て、ファン装置の回転数を増大させることなく所望の風
量を得ることができ、発熱体の冷却効率を良好に維持し
つつ、ファンの回転に伴う騒音を抑制できるとともに、
筐体の薄型化にも無理なく対応することができる。
【0029】また、一つのファン装置で所望の風量が得
られるので、筐体の内部に小型の電動ファンを複数設置
する必要はなく、この点でも筐体の小型・軽量化に寄与
するとともに、コスト的な問題も同時に解消することが
できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下本発明の第1の実施の形態
を、図1ないし図5にもとづいて説明する。
【0031】図1は、ブック形のポータブルコンピュー
タ20を示している。このポータブルコンピュータ20
は、コンピュータ本体21と、このコンピュータ本体2
1に支持されたディスプレイユニット22とを備えてい
る。
【0032】コンピュータ本体21は、合成樹脂製の筐
体23を有している。この筐体23は、水平な底壁23
aと、この底壁23aと向かい合う上壁23bと、これ
ら底壁23aと上壁23bとを結ぶ垂直な前壁23c、
左右の側壁23dおよび後壁23eとを備えている。図
1に示すように、筐体23は、幅寸法W、奥行き寸法D
および厚み寸法Hを有し、この厚み寸法Hは、幅寸法W
および奥行き寸法Dよりも遥かに小さく定められてい
る。このため、筐体23は、偏平な箱状をなしている。
【0033】筐体23の上壁23bは、パームレスト2
4とキーボード取り付け部25とを有している。パーム
レスト24は、上壁23bの前半部において筐体23の
幅方向に延びている。キーボード取り付け部25は、パ
ームレスト24の後方に位置されており、このキーボー
ド取り付け部25にキーボード26が設置されている。
【0034】筐体23の上壁23bの後部には、上向き
に突出する突出部27が形成されている。突出部27
は、キーボード26の後方において筐体23の幅方向に
沿って延びている。突出部27は、一対のディスプレイ
支持部28a,28bを有している。ディスプレイ支持
部28a,28bは、上壁23bに連なるような凹所に
て構成され、筐体23の幅方向に互いに離間して配置さ
れている。
【0035】図1および図2に示すように、筐体23の
上壁23bの後端部には、複数の排気口29が開口され
ている。排気口29は、突出部27の後方において、筐
体23の幅方向に一列に並べて配置されており、これら
排気口29により筐体23の内外が連通されている。
【0036】また、筐体23の後壁23eには、コネク
タ30が配置されている。コネクタ30は、プリンタの
ような周辺機器を接続するためのもので、筐体23の後
方に露出されている。
【0037】図1に示すように、上記ディスプレイユニ
ット22は、偏平な箱状のディスプレイハウジング35
と、このディスプレイハウジング35に収容された液晶
表示装置36とを備えている。ディスプレイハウジング
35は、表示用開口部37が形成された前面を有し、こ
の表示用開口部37を介して液晶表示装置36の表示画
面36aがディスプレイハウジング35の外方に露出さ
れている。
【0038】ディスプレイハウジング35は、一対の脚
部38a,38bを有している。脚部38a,38b
は、筐体23のディスプレイ支持部28a,28bに導
かれているとともに、夫々図示しないヒンジ装置を介し
て筐体23に回動可能に連結されている。このため、デ
ィスプレイユニット22は、パームレスト24やキーボ
ード26を覆うように倒される閉じ位置と、パームレス
ト24、キーボード26および表示画面36aを露出さ
せるように起立される開き位置とに亘って選択的に回動
し得るようになっている。
【0039】図2に示すように、筐体23の内部には、
プリント配線基板40が収容されている。プリント配線
基板40は、筐体23の底壁23aに支持されて、この
底壁23aと平行に配置されている。プリント配線基板
40は、第1の面としての上面40aと、第2の面とし
ての下面40bとを有している。プリント配線基板40
の上面40aは、筐体23の上壁23bと向かい合って
いる。プリント配線基板40の下面40bは、筐体23
の底壁23aに隣接されている。
【0040】プリント配線基板40の上面40aの後端
部には、発熱体としてのMPU41(microprocessing
unit)が実装されている。MPU41は、一つのモジュ
ールとしてユニット化されており、図示しない複数のベ
アチップを含んでいる。そして、このMPU41は、高
集積化および高性能化に伴って動作中の発熱量が非常に
大きなものとなっている。
【0041】図2に示すように、筐体23の内部には、
MPU41の放熱を促進させるための冷却装置43が収
容されている。冷却装置43は、放熱機器としてのヒー
トシンク44と、このヒートシンク44に取り付けられ
た電動式のファン装置45とを備えている。
【0042】ヒートシンク44は、例えばアルミニウム
合金、亜鉛、マグネシウムあるいは銅系合金のような熱
伝導性に優れた金属材料にて構成されている。このヒー
トシンク44は、MPU41の上面に重ねられた第1の
受熱部46と、この第1の受熱部46の端部からMPU
41の側面に沿って下向きに延出された第2の受熱部4
7と、この第2の受熱部47の下端から筐体23の後壁
23eに向けて延出されたファン支持部48とを一体に
有している。
【0043】第1の受熱部46は、MPU41の平面形
状に対応した大きさを有する平坦な板状をなしている。
この第1の受熱部46の上面には、上向きに延びる多数
の放熱フィン49が形成されており、これら放熱フィン
49の存在により、第1の受熱部46の放熱面積が充分
に確保されている。第2の受熱部47は、第1の受熱部
46に連続してMPU41の側面に接している。そのた
め、ヒートシンク44の第1および第2の受熱部46,
47は、MPU41に熱的に接続されている。
【0044】ファン支持部48は、筐体23の底壁23
aと平行に配置されている。ファン支持部48の上面
は、水平な支持面48aとなっており、このファン支持
部47の先端部には、貫通孔50が形成されている。
【0045】図3に示すように、上記ファン装置45
は、ケーシング53を有している。このケーシング53
は、例えばアルミニウム合金、亜鉛、マグネシウムある
いは銅系合金のような熱伝導性に優れた金属材料にて構
成されている。ケーシング53は、四つの角部を有する
四角形の枠状をなしている。
【0046】ケーシング53は、正面53aおよびこの
正面53aとは反対側に位置された背面53bを有し、
このケーシング53の中央部には、断面円形の送風通路
54が形成されている。この送風通路54は、ケーシン
グ53の正面53aに開口された排出口55と、ケーシ
ング53の背面53bに開口された吸込口56とを備え
ている。そして、ケーシング53の背面53b側の端部
には、スポーク状のモータ支持部57が形成されてお
り、このモータ支持部57は、吸込口56に位置されて
いる。
【0047】ケーシング53の背面53bに連なる角部
は、平坦に切り欠かれており、この切り欠きにより形成
されたケーシング53の下端面59は、ケーシング53
の正面53aに対して所定の角度α(<90°)で傾斜
されている。そのため、図2に示すように、ケーシング
53の下端面59を筐体23の底壁23aに沿う水平面
上に位置させれば、送風通路54の中心を通るケーシン
グ53の軸線O2 が水平面およびこの水平面と直交する
垂直面に対し夫々傾斜するようになっている。
【0048】なお、ケーシング53の傾斜角度αは、筐
体23の厚み寸法Hに制約を受けることになるが、その
上限値はなるべく90°に近い方が良く、下限値は通風
抵抗のことを考慮すると、5°程度とすることが望まし
い。
【0049】図3および図4に示すように、ケーシング
53の両側部には、一対の取り付け座部60a,60b
が形成されている。取り付け座部60a,60bは、上
記下端面59とは送風通路54の軸線O2 を挟んだ反対
側の端部に位置されている。これら取り付け座部60
a,60bは、その下端に平坦な被取り付け面61を有
している。被取り付け面61は、上記ケーシング53の
下端面59よりも高い位置において水平に配置されてい
る。そして、取り付け座部60a,60bには、鉛直方
向に沿うねじ孔62が形成されており、このねじ孔62
は被取り付け面61に開口されている。
【0050】ケーシング53のモータ支持部57には、
駆動源としての偏平な電動モータ64が支持されてい
る。電動モータ64は、送風通路54の吸込口56側に
位置されている。電動モータ64の回転軸65は、送風
通路54の軸線O2 と同軸状に位置され、ケーシング5
3の正面53aおよび背面53bと直交するような位置
関係となっている。
【0051】回転軸65の先端部には、複数のブレード
66を有する円盤状のファン67が固定されている。こ
のファン67は、送風通路54の排出口55側の端部に
位置されている。そのため、電動モータ64を介してフ
ァン67が回転駆動されると、吸込口56を通じて送風
通路54に空気が吸引され、この空気は図3に矢印Aで
示すように、送風通路54を軸方向に沿って流れた後、
排出口55から排出される。
【0052】このようなファン装置45のケーシング5
3は、上記ヒートシンク44のファン支持部48に固定
されている。この固定構造について具体的に述べると、
ケーシング53は、その取り付け座部60a,60bの
被取り付け面61がファン支持部48の支持面48aに
重ね合わされており、この被取り付け面61に開口され
たねじ孔62がファン支持部48の貫通孔50に連なっ
ている。そして、貫通孔50には、下方からねじ68が
挿通されており、このねじ68がねじ孔62にねじ込ま
れている。このねじ込みにより、ケーシング53の取り
付け座部60a,60bがファン支持部48に固定さ
れ、ケーシング53とヒートシンク44とが熱的に接続
されている。
【0053】なお、ケーシング53をファン支持部48
に固定する手段は、ねじ68に限らず、例えば取り付け
座部60a,60bにスタッドボルトを取り付け、この
スタッドボルトを貫通孔に通してナットで締め付けた
り、あるいはろう付けのような固定手段を採用しても良
い。また、ファン支持部48からケーシング53への熱
伝達性能を高めるために、取り付け座部60a,60b
の被取り付け面61とファン支持部48の支持面48a
との間に熱伝導性グリスを介在させるようにしても良
い。
【0054】図2に示すように、ファン装置45のケー
シング53をファン支持部48に固定した状態では、ケ
ーシング53の下端面59がファン支持部48よりも下
方に張り出し、筐体23の底壁23aに隣接されてい
る。また、取り付け座部60a,60bの被取り付け面
61および下端面59が水平となるために、ケーシング
53の正面53aは、被取り付け面61および下端面5
9を含む水平面に対し角度αの傾きをもって配置されて
おり、かつ、この傾斜角度αは90°よりも小さいため
に、上記正面53aは筐体23の厚み方向に延びる垂直
面に対しても角度βの傾きをもって配置されている。
【0055】したがって、電動モータ64の回転軸65
やケーシング53の軸線O2 は、筐体23の上方に進む
に従い筐体23の後方に倒れ込むように傾斜されてい
る。この傾斜により、送風通路54の吸込口56がMP
U41やヒートシンク44の第1および第2の受熱部4
6,47の方向を向くとともに、送風通路54の排出口
55が丁度筐体23の排気口29と向かい合っている。
【0056】なお、電動モータ64から導出されたリー
ド線69は、上記プリント配線基板40に電気的に接続
されている。
【0057】このような構成のポータブルコンピュータ
20において、MPU41が発熱すると、このMPU4
1の熱は、ヒートシンク44の第1および第2の受熱部
46,47に逃がされ、ここからファン支持部48に伝
えられる。このファン支持部48には、ファン装置45
のケーシング53が固定され、これらファン支持部48
とケーシング53とが熱的に接続されているので、ファ
ン支持部48に伝えられたMPU41の熱は、ケーシン
グ53に拡散される。
【0058】MPU41の温度が予め規定された値を上
回ると、電動モータ64が起動し、この電動モータ64
を介してファン67が回転駆動される。これにより、筐
体23内の空気が吸込口56から送風通路54に吸い込
まれ、この送風通路54を排出口55に向けて流れる。
この空気の流れによりケーシング53が強制的に冷却さ
れるとともに、このケーシング53に伝えられたMPU
41の熱が空気流に乗じて持ち去られることになり、M
PU41の放熱が促進される。そして、送風通路54を
流れる空気は、その排出口55から排気口29を通じて
筐体23の外方に放出される。
【0059】送風通路54に連なる吸込口56は、筐体
23の内部においてMPU41の方向を向いているの
で、ファン67が回転駆動されると、筐体23の内部に
は、図2に矢印Bで示すようにMPU41の周囲をファ
ン装置45の方向に向かう空気流が生じる。そのため、
MPU41を始めとしてヒートシンク44の放熱フィン
49が空気の流れに直接さらされることになり、MPU
41やヒートシンク44の放熱がより促進されることに
なる。
【0060】ところで、図5は、本実施の形態で用いた
ファン装置45の風量特性を示している。図5の(A)
は、ファン装置45の風量と騒音との関係を示す特性図
であり、この図 から風量が増す程に騒音が増大する、
つまり風量と騒音とは互いに比例関係にあることが分か
る。そして、図中実線は、ファン装置45を傾けた場合
の風量と騒音との関係を示しており、図中破線は、図2
5のように電動モータ64の回転軸65が水平となるよ
うにファン装置15を垂直に起立させた場合の風量と騒
音との関係を示している。この際、ファン装置45とし
ては、そのケーシング53の正面53aの方向から水平
に見た場合に垂直方向の高さ寸法が同一のものを選定し
ている。
【0061】この図5の(A)から明らかなように、フ
ァン装置45の運転中の騒音を同一として見れば、夫々
の風量特性は、ファン装置45を傾けた方が大幅に優れ
ていることが分かる。また、図5の(A)に示した例に
限らず、上記のように所定角度α傾けたファン装置45
は、上記図25に示す従来のように起立され、しかも、
そのケーシング16の高さ寸法が上記傾斜されたケーシ
ング53の高さ寸法未満のファン装置15と比べた場合
に、同一騒音発生時での風量はより多くなり、かつま
た、風量を同一として見た時には、騒音はより少なくな
る傾向にある。
【0062】さらに、図5の(B)は、熱源となるMP
U41の熱容量を一定(10W相当)とした時におい
て、そのファン装置45の風量と冷却温度との関係を示
している。この図5の(B)から風量が増す程に冷却温
度が増大する、つまり風量と冷却温度とは互いに比例関
係にあることが分かる。
【0063】このような本発明の第1の実施の形態によ
れば、ファン装置45のケーシング53は、水平面およ
び垂直面に対し夫々所定角度α傾けた姿勢で筐体23の
内部に収容されているので、このケーシング53を正面
53aの方向から水平に見た場合に、ケーシング53の
上下方向の高さ寸法を低く抑えることができる。
【0064】このため、筐体23の厚み寸法Hが小さく
て、この筐体23の内部に上下方向のスペースが充分に
得られなくとも、従来のようにファン装置を小型化する
必要はないとともに、むしろ外径の大きなファン67を
有するファン装置45を積極的に採用することが可能と
なり、電動モータ64の回転数を増大させることなく所
望の風量を得ることができる。
【0065】この結果、MPU41の冷却効率を良好に
維持しつつ、ファン装置45の駆動に伴う騒音を低減で
きるとともに、筐体23の薄型化にも無理なく対応する
ことができる。
【0066】また、一つのファン装置45で所望の風量
が得られるので、筐体23の内部に小型の電動ファンを
複数設置する必要はない。よって、筐体23の小型・軽
量化を図る上で好都合となるとともに、コスト的な面で
問題が生じることもない。
【0067】さらに、上記構成においては、電動モータ
64の回転軸65とケーシング53の送風通路54とを
同軸状に配置し、ファン装置45の送風方向をケーシン
グ53に合わせて傾斜させたので、吸込口56から吸い
込まれた空気が送風通路54に流れ込む際に、その流れ
方向が急激に変化することはない。そのため、筐体23
の内部での空気の流れが滑らかとなり、その分、騒音を
低減できるとともに、より多くの空気をMPU41やヒ
ートシンク44に効率良く導いて、ファン装置45によ
る冷却効果を高めることができる。
【0068】それとともに、MPU41の熱は、ヒート
シンク44やファン装置45のケーシング53に逃がさ
れるので、これらヒートシンク44やケーシング53へ
の拡散による自然空冷によってもMPU41の放熱を促
進させることができる。このため、ファン装置45によ
る強制空冷と合わせて、より効果的にMPU41を冷却
することができる。
【0069】そして、この場合、ヒートシンク44やケ
ーシング53は、熱伝導性に優れた金属材料にて構成さ
れているので、これらヒートシンク44やケーシング5
3の放熱が速やかに行われる。
【0070】加えて、MPU41の熱を受けるヒートシ
ンク44の第1の受熱部46は、MPU41の上面に接
しているので、MPU41の熱を積極的に受けることが
でき、MPU41からヒートシンク44への熱伝達が効
率良く行われる。その上、第1の受熱部46は、MPU
41との接触部とは反対側の上面に多数の放熱フィン4
9を有し、この第1の受熱部46自体の放熱面積が充分
に確保されているので、MPU41から伝わった熱を効
率良く放出することができる。そのため、MPU41の
周囲に熱溜りが生じ難くなり、この点でもMPU41の
冷却性能の向上に寄与することになる。
【0071】さらに、ヒートシンク44のファン支持部
48は、第1の受熱部46よりも筐体23の底壁2a側
にずれているので、MPU41に対するファン装置45
の位置を低く抑えることができる。このため、ファン装
置45がMPU41の上方に大きく張り出すのを防止で
き、筐体23の薄型化を図る上で好都合となる。
【0072】また、図25に示す従来の構成では、筐体
10の後壁13に排気口14が形成されているため、周
辺機器を接続するためのコネクタ類は、排気口14を避
けて配置せざるを得ず、このコネクタ類を配置する上で
制約が生じている。
【0073】しかるに、上記構成によれば、ファン装置
45のケーシング53を傾斜させ、送風通路54の排出
口55を上向きとしたことにより、筐体23の排気口2
9を上壁23bに形成することができ、後壁23eから
排気口29を排除することができる。このため、後壁2
3eにおけるファン装置45と向かい合う部分にコネク
タ30を配置することが可能となり、後壁23eにコネ
クタ30を配置するに当っての位置的な制限が緩和され
ることになる。
【0074】なお、本発明は、上記第1の実施の形態に
特定されるものではなく、図6に本発明の第2の実施の
形態を示す。この第2の実施の形態は、主に筐体23の
形状が上記第1の実施の形態と相違しており、冷却装置
43の基本的な構成は、上記第1の実施の形態と同様で
ある。そのため、第1の実施の形態と同一の構成部分に
は同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0075】図6に示すように、筐体23の底壁23a
の後部には、下向きに張り出す膨出部71が形成されて
いる。膨出部71は、ファン装置45の下方に位置され
ており、この膨出部71の存在により、ファン装置45
の下方に所定の容量を有する空間部72が形成されてい
る。この空間部72は、ケーシング53の背面53bの
吸込口56に連なっている。
【0076】このような構成によると、空間部72の存
在により、ファン装置45の吸い込み側に連なる部分の
筐体23の内容積が拡大され、ファン装置45の吸引抵
抗が軽減される。このため、筐体23の内部において、
ケーシング53の吸込口56に向けて空気が流れ易くな
り、発熱するMPU41やヒートシンク44の付近の通
気性が良好となる。したがって、MPU41およびヒー
トシンク44の放熱性が向上し、これら両者の冷却効果
を高めることができる。
【0077】また、膨出部71は、ファン装置45に対
応する位置に部分的に形成すれば良いので、筐体23の
全体の厚み寸法Hが増大することはなく、この筐体23
の薄型化が妨げられずに済む。
【0078】図7は、本発明の第3の実施の形態を開示
している。
【0079】この第3の実施の形態は、主に冷却装置4
3の構成が上記第1の実施の形態と相違しており、筐体
23側の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0080】図7に示すように、ファン装置45のケー
シング53は、その取り付け座部60a,60bからM
PU41に向けて延びるステー80を一体に備えてい
る。このステー80は、MPU41の熱を受ける第1お
よび第2の受熱部81,82を含んでいる。第1の受熱
部81は、MPU41の平面形状に対応した大きさを有
する平坦な板状をなしており、この第1の受熱部81が
MPU41の上面に重ねられている。第1の受熱部81
の上面には、上向きに延びる多数の放熱フィン83が一
体に形成されており、これら放熱フィン83の存在によ
り、第1の受熱部81の放熱面積が充分に確保されてい
る。第2の受熱部82は、第1の受熱部81の一端から
下向きに延びてMPU41の側面に重ねられている。そ
のため、ケーシング53のステー80は、MPU41に
熱的に接続されている。
【0081】このような構成によると、ファン装置45
のケーシング53とMPU41とが直接熱的に接続され
るので、このMPU41の熱を効率良くケーシング53
に逃がすことができる。したがって、MPU41の放熱
性が良好となり、このMPU41の冷却効果を高めるこ
とができる。
【0082】図8および図9は、本発明の第4の実施の
形態を開始している。
【0083】この第4の実施の形態は、発熱するMPU
41とファン装置45のケーシング53とを、放熱機器
としてのヒートパイプ90を介して熱的に接続したもの
であり、ファン装置45の基本的な構成は、上記第1の
実施の形態と同様である。
【0084】図8に示すように、ヒートパイプ90は、
水やアルコールのような冷媒が封入された折り曲げ可能
なパイプ本体91を有している。パイプ本体91の一端
は、MPU41に熱的に接続されているとともに、パイ
プ本体91の他端は、ケーシング53の背面53b側に
導かれている。そして、この背面53bに連なる取り付
け座部60a,60bは、夫々凹部92を有し、この凹
部92にパイプ本体91の他端が嵌め込まれている。
【0085】そのため、パイプ本体91の他端は、取り
付け座部60a,60bの間に跨るようにしてケーシン
グ53に熱的に接続されており、このパイプ本体91の
他端が吸込口56の直前を横切っている。
【0086】このような構成において、MPU41が発
熱すると、このMPU41の熱がヒートパイプ90の一
端に伝わり、このヒートパイプ90の一端が加熱され
る。この加熱により、冷媒が蒸気となってヒートパイプ
90の他端に流れ、ここでケーシング53への放熱によ
り液化した後、再びヒートパイプ90の一端に戻る。こ
の作用の繰り返しにより、MPU41の熱がケーシング
53に伝えられ、この熱は、上記第1の実施の形態と同
様に、ケーシング53への拡散による自然空冷および送
風通路54を流れる空気に乗じて排気口29から筐体2
3の外方に放出される。
【0087】このような構成によれば、MPU41の熱
をヒートパイプ90を介してファン装置45のケーシン
グ53に伝えるようにしたので、MPU41がファン装
置45から遠ざかっていても、このMPU41の熱を効
率良くケーシング53に伝えることができる。しかも、
ヒートパイプ90は、任意な形状に折り曲げが可能であ
るから、筐体23の内部において、MPU41とファン
装置45との位置関係を自由に設定することができる。
【0088】なお、上記第4の実施の形態においては、
ヒートパイプ90の他端をケーシングの取り付け座部6
0a,60bに熱的に接続したが、本発明はこれに限ら
ず、例えばケーシング53に多数の放熱フィンを一体に
形成し、これら放熱フィンにヒートパイプ90の他端を
熱的に接続しても良い。
【0089】この構成を採用すれば、ヒートパイプ90
とケーシング53との接触面積が増大し、ヒートパイプ
90からケーシング53への熱伝達を効率良く行うこと
ができる。
【0090】また、ケーシング53とヒートパイプ90
のパイプ本体91とを一体化すれば、MPU41の熱を
より効率良くケーシング53に伝えることができる。
【0091】図10は、本発明の第5の実施の形態を開
示している。
【0092】この第5の実施の形態は、上記第1の実施
の形態と第4の実施の形態とを互いに組み合わせたもの
であり、ファン装置45、ヒートシンク44およびヒー
トパイプ90の構成は、上記第1および第4の実施の形
態と同様である。
【0093】すなわち、図10に示すように、MPU4
1とファン装置45とは、ヒートシンク44を介して熱
的に接続されている。また、ヒートパイプ90の一端
は、プリント配線基板40上に実装された発熱する他の
回路部品100に熱的に接続されており、このヒートパ
イプ90の他端は、ケーシング53の取り付け座部60
a,60bに熱的に接続されている。
【0094】このような構成によると、MPU41の熱
は、ヒートシンク44を介してファン装置45のケーシ
ング53に伝えられ、他の回路部品100の熱は、ヒー
トパイプ90を介してケーシング53に伝えられる。そ
して、MPU41や回路部品100の熱は、上記第1の
実施の形態と同様に、ケーシング53への拡散による自
然空冷および送風通路54を流れる空気に乗じて排気口
29から筐体23の外方に放出される。
【0095】したがって、第5の実施の形態によれば、
MPU41および回路部品100の熱を同一のケーシン
グ53に導いて放熱することができ、一つのファン装置
45でMPU41および回路部品100を効率良く冷却
することができる。
【0096】図11は、本発明の第6の実施の形態を開
示している。
【0097】この第6の実施の形態は、上記第5の実施
の形態を発展させたものであり、その主要な構成は、第
5の実施の形態と同様である。図11に示すように、ケ
ーシング53の取り付け座部60a,60bは、被取り
付け面61に連なる端面110を有している。端面11
0は、被取り付け面61と直交するように垂直に起立さ
れ、ヒートシンク44の第2の受熱部47と向かい合っ
ている。
【0098】取り付け座部60a,60bの端面110
には、嵌合凹部111が形成されている。嵌合凹部11
1は、その下端に被取り付け面61に開放された開放部
111aを有し、この開放部111aは、ヒートシンク
44のファン支持部48に連なっている。嵌合凹部11
1には、ヒートパイプ90の他端が導入されている。こ
のヒートパイプ90の他端の外周面の一部は、開放部1
11aに臨んでいる。そのため、ケーシング53の取り
付け座部60a,60bをねじ68を介してファン支持
部48の支持面48aに固定すると、ヒートパイプ90
の他端の外周面の一部が支持面48aに接触する。この
接触により,ヒートパイプ90の他端がファン支持部4
8とケーシング53の嵌合凹部111との間で挟み込ま
れるようになっている。
【0099】このような構成によると、ヒートパイプ9
0の他端は、ケーシング53ばかりでなくヒートシンク
44にも熱的に接続されるので、他の回路部品100の
熱をケーシング53とヒートシンク44との双方に逃が
すことができる。このため、他の回路部品100の熱を
広い範囲に亘って拡散させることができ、回路部品10
0の冷却効果が向上する。
【0100】図12は、本発明の第7の実施の形態を開
示している。
【0101】この第7の実施の形態は、発熱体の種類お
よびこの発熱体からファン装置45に至る放熱経路の構
成が上記第1の実施の形態と相違している。すなわち、
プリント配線基板40の上面40aには、発熱体として
の半導体パッケージ120が実装されている。半導体パ
ッケージ120は、動作中に発熱するICチップ121
を有し、このICチップ121は、複数のリード122
を介してプリント配線基板40の上面40aのパッドに
電気的に接続されている。
【0102】プリント配線基板40は、半導体パッケー
ジ120の実装部分に対応した位置に通孔123を有し
ている。通孔123は、プリント配線基板40を厚み方
向に貫通しており、このプリント配線基板40の上面4
0aおよび下面40bに夫々開口されている。この通孔
123は、ICチップ121の平面形状よりも大きな開
口形状を有している。
【0103】筐体23の底壁23a上には、放熱機器と
してのヒートシンク125が配置されている。ヒートシ
ンク125は、例えばアルミニウム合金、亜鉛、マグネ
シウムあるいは銅系合金のような熱伝導性に優れた金属
材料にて構成されている。ヒートシンク125は、底壁
23aに沿って広がるような平坦な板状をなしており、
この底壁23aの複数箇所には、ヒートシンク125を
受ける複数の座部126が形成されている。これら座部
126は、ねじ孔127を有している。
【0104】ヒートシンク125の上面には、上向きに
延びる複数のボス部128が一体に形成されている。ボ
ス部128は、ねじ挿通孔129を有し、このねじ挿通
孔129は、上記ねじ孔127に連なっている。ボス部
128の上面は、プリント配線基板40の下面40bに
突き合わされている。プリント配線基板40は、ねじ挿
通孔129に連なる複数の貫通孔130を有し、これら
貫通孔130には、上方から固定ねじ131が挿通され
ている。固定ねじ131は、ねじ挿通孔129を貫通し
てねじ孔127にねじ込まれており、このねじ込みによ
り、プリント配線基板40およびヒートシンク125が
筐体23の底壁23aに固定されている。そして、この
ヒートシンク125は、上記半導体パッケージ120の
下方に位置されている。
【0105】図12に示すように、プリント配線基板4
0とヒートシンク125との間には、コールドプレート
133が配置されている。コールドプレート133は、
例えばアルミニウム合金、亜鉛、マグネシウムあるいは
銅系合金のような熱伝導性に優れた金属材料にて構成さ
れている。コールドプレート133は、その中央部に上
向きに突出する凸部134を有している。凸部134
は、プリント配線基板40の通孔123に挿入されてお
り、この凸部134の上面は、平坦な受熱面135とな
っている。受熱面135は、プリント配線基板40の上
面40aと略同一平面上に位置されている。この受熱面
135は、熱伝導性を有する接着剤136を介してIC
チップ121に接着されている。そのため、コールドプ
レート133は、ICチップ121に熱的に接続されて
いる。
【0106】コールドプレート133の上面には、上向
きに突出する複数の座部138が形成されている。座部
138は、凸部134の周囲に配置されており、これら
座部138は、ねじ孔139を有している。座部138
の上面は、プリント配線基板40の下面40bに突き合
わされている。このプリント配線基板40は、ねじ孔1
39に連なる複数の貫通孔140を有している。貫通孔
140には、上方からねじ141が挿通されている。こ
のねじ141は、ねじ孔139にねじ込まれており、こ
のねじ込みにより、コールドプレート133がプリント
配線基板40に固定されている。
【0107】コールドプレート133の下面は、熱伝導
性を有する放熱シート142を介してヒートシンク12
5の上面に間接的に接している。放熱シート142は、
コールドプレート133とヒートシンク125との間で
挟み込まれており、この放熱シート142の存在によ
り、コールドプレート133とヒートシンク125とが
熱的に接続されている。したがって、上記半導体パッケ
ージ120の熱は、コールドプレート133を介してヒ
ートシンク125に伝えられるようになっている。
【0108】ヒートシンク125は、プリント配線基板
40の後方に突出するファン支持部145を有してる。
ファン支持部145は、筐体23の底壁23aと平行に
配置されており、このファン支持部145の上面は、水
平な取り付け面146となっている。そして、ファン支
持部145には、取り付け面146に開口する貫通孔1
47が形成されている。
【0109】取り付け面146上には、上記第1の実施
の形態と同様のファン装置45が水平面に対し所定角度
α傾斜された姿勢で固定されている。ファン装置45
は、その取り付け座部60a,60bの被取り付け面6
1を取り付け面146に重ね合わせるとともに、貫通孔
147に下方からねじ148を挿通し、このねじ148
をねじ孔62にねじ込むことでファン支持部145に固
定されている。
【0110】取り付け座部60a,60bの被取り付け
面61は、熱伝導性を有する放熱シート149を介して
ファン支持部145の取り付け面146に間接的に接し
ている。放熱シート149は、ファン支持部145と取
り付け座部60a,60bとの間で挟み込まれており、
この放熱シート149の存在により、ファン装置45の
ケーシング53とヒートシンク125とが熱的に接続さ
れている。
【0111】このような構成において、半導体パッケー
ジ120のICチップ121が発熱すると、このICチ
ップ121の熱は、凸部134の受熱面135を通じて
コールドプレート133に伝えられ、ここから放熱シー
ト142を介してヒートシンク125に伝えられる。こ
のヒートシンク125に伝えられた熱は、ファン支持部
145から放熱シート149を介してファン装置45の
ケーシング53に逃がされ、上記第1の実施の形態と同
様に、ケーシング53への拡散による自然空冷および送
風通路54を流れる空気に乗じて排気口29から筐体2
3の外方に放出される。
【0112】また、ファン装置45が駆動されると、筐
体23の内部の空気が送風通路54に吸引されるので、
筐体23の内部には、半導体パッケージ120、ヒート
シンク125およびコールドプレート133の周囲を通
ってファン装置45の方向に向かう空気流が形成され
る。そのため、半導体パッケージ120を始めとして、
熱伝導性に優れたヒートシンク125やコールドプレー
ト133が空気の流れに直接さらされることになり、そ
の放熱がより促進される。
【0113】このような第7の実施の形態においても、
ファン装置45は、水平面に対し所定角度α傾けた姿勢
で筐体23の内部に収容されているので、この筐体23
の内部に上下方向のスペースが充分に得られなくとも、
従来のようにファン装置45を小型化する必要はなく、
むしろ外径の大きなファン67を有するファン装置45
を積極的に採用することができる。よって、電動モータ
64の回転数を増大させることなく所望の風量を確保す
ることができ、上記第1の実施の形態と同様の効果が得
られる。
【0114】しかも、上記構成においては、ヒートシン
ク125のファン支持部145とケーシング53の取り
付け座部60a,60bとの間に放熱シート149が介
在されているので、ファン支持部145と取り付け座部
60a,60bとの間に熱の伝達を妨げるような隙間が
生じることはない。このため、ヒートシンク125から
ケーシング53への熱伝達を効率良く行うことができ、
半導体パッケージ120の冷却効果を高めることができ
る。
【0115】また、プリント配線基板40は、ICチッ
プ121に対応する位置に通孔123を有し、この通孔
123にプリント配線基板40の下方からコールドプレ
ート133の凸部134が挿入されているとともに、こ
の凸部134の上端の受熱面135がICチップ121
に接着されているので、プリント配線基板40の上面4
0a側で発生した熱をプリント配線基板40の下面40
bの方向に逃すことができる。そして、コールドプレー
ト133は、プリント配線基板40と筐体23の底壁2
3aとの間に配置されたヒートシンク125に熱的に接
続されているので、このプリント配線基板40と底壁2
3aとの間のデッドスペースを熱の伝達経路として活用
することができる。
【0116】加えて、ヒートシンク125は、底壁23
aの座部126にねじ止めされ、この底壁23aに接し
ているので、ヒートシンク125に伝えられた熱を筐体
23の底壁23aにも逃がすことができる。そのため、
ICチップ121の熱を筐体23に拡散させることがで
き、その分、ICチップ121の冷却効果が向上する。
【0117】さらに、上記構成によると、平坦な板状を
なすヒートシンク125は、プリント配線基板40と平
行に配置されているので、このヒートシンク125がフ
ァン装置45に向かう空気の流れを妨げることはなく、
筐体23の内部の通気性が良好となる。
【0118】その上、ヒートシンク125は、放熱フィ
ン等を具備しない平坦な板状であるから、その形状が簡
単なものとなり、コスト的な面で有利となる。それとと
もに、ヒートシンク125を筐体23の底壁23aに沿
わせて配置することができ、筐体23の薄型化にも無理
なく対応することができる。
【0119】なお、この第7の実施の形態において、ヒ
ートシンク125とファン装置45のケーシング53と
を一体化し、ねじ148や放熱シート149を省略する
ようにしても良い。
【0120】図13および図14は、本発明の第8の実
施の形態を開示している。
【0121】この第8の実施の形態は、主にファン装置
45のケーシング53の構成が上記第1の実施の形態と
相違しており、それ以外の構成は第1の実施の形態と同
様である。そのため、第8の実施の形態において、上記
第1の実施の形態と同一の構成部分には同一の参照符号
を付して、その説明を省略する。
【0122】図13や図14の(B)に示すように、ケ
ーシング53は、上記取り付け座部60a,60bの代
わりに第1ないし第4の取り付け孔150a〜150d
を有している。これら取り付け孔150a〜150d
は、ケーシング53の四つの角部に位置されている。第
1および第2の取り付け孔150a,150bは、ケー
シング53の正面53aおよび下端面59に開口されて
いる。第3および第4の取り付け孔150c,150d
は、ケーシング53の正面53aおよび背面53bに開
口されている。
【0123】図13に示すように、ケーシング53の下
端面59は、筐体23の底壁23aに直接重ね合わされ
ている。この下端面59は、ケーシング53の正面53
aに対し所定の角度α(<90°)で傾斜されているた
め、ケーシング53の下端面59が水平な筐体23の底
壁23a上に重ねられると、送風通路54の中心を通る
ケーシング53の軸線O2 が、上記第1の実施の形態と
同様に水平面およびこの水平面と直交する垂直面に対し
夫々傾斜し、ケーシング53の下端面59とは反対側の
角部が底壁23aの上方に位置するようになっている筐
体23の底壁23aは、上向きに突出するファン取り付
け座151が形成されている。ファン取り付け座151
の先端は、ケーシング53の下端面59とは反対側の角
部に当接し、この角部を支えている。
【0124】筐体23の底壁23aおよびファン取り付
け座151の先端には、夫々一対のねじ孔152が形成
されている。これらねじ孔152は、ケーシング53の
第1ないし第4の取り付け孔150a〜150dに連な
っている。第1ないし第4の取り付け孔150a〜15
0dには、ケーシング53の正面53aの方向からねじ
153が挿通されている。ねじ153は、筐体23側の
ねじ孔152にねじ込まれており、このねじ込みによ
り、ケーシング53が所定の傾きをもって筐体23の底
壁23aに固定されている。
【0125】このような構成においても、ファン装置4
5のケーシング53は、水平面および垂直面に対し傾斜
されているので、このケーシング53を正面53aの方
向から水平に見た場合に、ケーシング53の上下方向の
高さ寸法を低く抑えることができる。したがって、筐体
23の上下方向のスペースが充分に得られなくとも、従
来のようにファン装置45を小型化する必要はないとと
もに、むしろ外径の大きなファン67を有するファン装
置45を積極的に採用することが可能となり、上記第1
の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0126】図15および図16は、本発明の第9の実
施の形態を開示している。
【0127】この第9の実施の形態は、上記第8の実施
の形態を発展させたものであり、その主要な構成は、第
8の実施の形態と同様である。
【0128】図15および図16の(A)に示すよう
に、ケーシング53は、排出口56に連なる導風ダクト
160を有している。導風ダクト160は、ケーシング
53の正面53aの周縁部から上向きに延びるガイド壁
161にて構成され、このケーシング53と一体化され
ている。導風ダクト160の上端は、筐体23の上壁2
3bに隣接されており、この導風ダクト160の上端に
は、上向きに開口された導風口162が形成されてい
る。この導風口162は、筐体23の排気口29と向か
い合っている。
【0129】このような構成によると、ケーシング53
の排出口55から排出される空気は、ガイド壁161に
沿って上向きに導かれ、導風ダクト160の上端の導風
口162から排気口29に向けて流れる。そのため、排
出口55から排出される暖かい空気が筐体23の内部に
拡散されずに済み、筐体23の内部の温度上昇を防止す
ることができる。
【0130】したがって、第9の実施の形態によれば、
上記第1の実施の形態の作用効果に加えて、ファン装置
45から排出される暖かい空気を円滑に筐体23の外方
に導くことができ、MPU41やヒートシンク44の放
熱効果をより高めることができる。
【0131】また、ケーシング53の傾斜に伴って、こ
のケーシング53の上方に生じたデッドスペースに導風
ダクト160を配置することができ、この導風ダクト1
60を収める専用のスペースを筐体23の内部に確保す
る必要はない。このため、筐体23の内部のデッドスペ
ースをMPU41の放熱性能の向上に有効に活用できる
とともに、筐体23の薄型化にも無理なく対応すること
ができる。
【0132】さらに、ファン装置45が導風ダクト16
0を有していれば、筐体23にダクトを配置する場合に
比べてダクトとファン装置45との位置合わせ作業が不
要となり、その分、筐体23の組み立て作業性が良好と
なって製造コストを低減することができる。
【0133】なお、上記第9の実施の形態においては、
導風ダクト160をケーシング53に一体に形成した
が、本発明はこれに制約されるものではなく、導風ダク
ト160をケーシング53とは別部品として、この別の
導風ダクト160をケーシング53に圧入、接着あるい
はねじ止め等の手段により固定したり、あるいは筐体2
3側に取り付けても良い。
【0134】また、上記第9の実施の形態においては、
ケーシング53の排出側に導風ダクト160を形成した
が、ケーシング53の吸い込み側にも導風ダクトを形成
しても良い。
【0135】さらに、上記第1ないし第7の実施の形態
に記載されたファン装置45においても、そのケーシン
グに導風ダクトを形成しても良いことは勿論である。
【0136】図17および図18は、本発明の第10の
実施の形態を開示している。
【0137】この第10の実施の形態は、上記第8の実
施の形態をさらに発展させたものでであり、その主要な
構成は、第8の実施の形態と同様である。
【0138】図17に示すように、ファン装置45のケ
ーシング53は、その排出側の正面53aに複数の第1
の放熱フィン170を有するとともに、吸い込み側の背
面53bに複数の第2の放熱フィン171を有してい
る。これら第1および第2の放熱フィン170,171
は、ケーシング53と一体化され、ファン67の回転に
伴う送風方向に延びている。そして、第1および第2の
放熱フィン170,171は、鉛直方向に沿って縦置き
に配置されているとともに、互いに間隔を存して平行に
配置されている。
【0139】第1の放熱フィン170は、筐体23の上
壁23bと向かい合う上端縁170aと、筐体23の後
壁23eと向かい合う後端縁170bと、とを有してい
る。上端縁170aは、水平方向に沿って延びていると
ともに、後端縁170bは、鉛直方向に沿って延びてい
る。そして、第1の放熱フィン170の上端縁170a
は、筐体23の排気口29に隣接されている。
【0140】第2の放熱フィン171は、筐体23の底
壁23aと向かい合う下端縁171aと、この下端縁1
71aに連なる前端縁171bとを有している。下端縁
aは、ケーシング53の下端面59に連なるように水平
方向に延びているとともに、前端縁171bは、鉛直方
向に延びている。そのため、図17に示すように、第1
の放熱フィン170と第2の放熱フィン171とは、ケ
ーシング53を介して互いに連続されて、その側面形状
が矩形状となっている。
【0141】このような構成において、ファン装置45
が駆動されると、筐体23の内部の空気が第2の放熱フ
ィン171の間を通じて吸込口56に導かれ、ここから
送風通路54に吸い込まれる。この空気は、排出口55
から第1の放熱フィン170の間を通って排気口29に
導かれ、ここから筐体23の外方に放出される。
【0142】したがって、第10の実施の形態によれ
ば、第1および第2の放熱フィン170,171の存在
により、ケーシング53の放熱面積が増大するので、こ
のケーシング53の放熱が速やかに行われる。しかも、
ファン装置45に吸い込まれたり、逆にここから排出さ
れる空気は、ケーシング53の第1および第2の放熱フ
ィン170,171に沿って流れるので、これら第1お
よび第2の放熱フィン170,171が強制的に冷却さ
れる。よって、上記第1の実施の形態の作用効果に加え
て、MPU41やヒートシンク44の放熱効果をより高
めることができるといった利点がある。
【0143】また、ケーシング53の傾斜に伴って、こ
のケーシング53の上方および下方に生じたデッドスペ
ースに第1および第2の放熱フィン170,171を配
置することができ、これら第1および第2の放熱フィン
170,171を収める専用のスペースを筐体23の内
部に確保する必要はない。このため、筐体23の内部の
デッドスペースをMPU41の放熱性能の向上に有効に
活用できるとともに、筐体23の薄型化にも無理なく対
応することができる。
【0144】なお、上記第10の実施の形態において
は、第1および第2の放熱フィン170,171をケー
シング53に一体に形成したが、本発明はこれに制約さ
れるものではなく、例えば第1および第2の放熱フィン
170,171をケーシング53とは別部品として、こ
の別の放熱フィン170,171をケーシング53に圧
入、接着あるいはねじ止め等の手段により固定したり、
あるいは筐体23側に取り付けても良い。そして、この
構成を採用するに当っては、第1および第2の放熱フィ
ン170,171とケーシング53との間に、熱伝導性
を有するグリスを充填し、これら第1および第2の放熱
フィン170,171とケーシング53との間から熱伝
達を妨げるような隙間を排除することが望ましい。
【0145】また、上記第10の実施の形態において
は、第1および第2の放熱フィン170,171を鉛直
方向に沿って縦置きに配置したが、本発明はこれに限ら
ず、第1および第2の放熱フィン170,171を水平
方向に沿って横置きに配置しても良い。
【0146】さらに、上記第10の実施の形態では、ケ
ーシング53の排出側と吸い込み側の双方に放熱フィン
170,171を形成したが、ケーシング53の排出側
又は吸い込み側のいずれか一方のみに放熱フィンを形成
しても良い。
【0147】加えて、上記第1ないし第7の実施の形態
に記載されたファン装置45においても、そのケーシン
グに放熱フィンを形成しても良いことは勿論である。
【0148】図19および図20は、本発明の第11の
実施の形態を開示している。
【0149】この第11の実施の形態は、主にファン装
置45の構成が上記第1の実施の形態と相違しており、
それ以外の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0150】図20に示すように、ファン装置45は、
一対の取り付け脚180a,180bと、これら取り付
け脚180a,180bに回動可能に支持されたケーシ
ング181とを備えている。これら取り付け脚180
a,180bおよびケーシング181は、例えばアルミ
ニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料にて構成
されている。
【0151】図19に示すように、取り付け脚180
a,180bは、筐体23の奥行き方向に延びる角柱状
をなしている。取り付け脚180a,180bの下面
は、水平な被取り付け面182となっており、この被取
り付け面182には、上記ファン支持部48の貫通孔5
0に連なるねじ孔183が開口されている。取り付け脚
180a,180bの被取り付け面182は、ファン支
持部48の支持面48aに重ね合わされている。そし
て、取り付け脚180a,180bは、ファン支持部4
8の貫通孔50に下方からねじ68を挿通し、このねじ
68をねじ孔183にねじ込むことでファン支持部48
に固定されている。
【0152】取り付け脚180a,180bは、筐体2
3の後壁23eと向かい合う後端部を有している。取り
付け脚180a,180bの後端部間には、図20の
(B)に示すような連結軸186が掛け渡されている。
この連結軸186は、筐体23の幅方向に延びるととも
に、水平に配置されている。
【0153】また、取り付け脚180a,180bの後
端部は、連結軸186を中心とする円弧状の曲面184
となっている。この曲面184上には、多数の係合歯1
85が周方向に一定のピッチで形成されており、これら
係合歯185は、連結軸186の軸方向に延びている。
そのため、取り付け脚180a,180bの後端部は、
歯車状をなしている。
【0154】ケーシング181は、正面181aおよび
この正面181aとは反対側に位置された背面181b
を有する矩形の枠状なしており、このケーシング181
の中央部には、断面円形の送風通路187が形成されて
いる。この送風通路187は、ケーシング181の正面
181aに開口された排出口188と、ケーシング18
1の背面181bに開口された吸込口189とを備えて
いる。ケーシング181の背面181b側の端部には、
スポーク状のモータ支持部190が形成されており、こ
のモータ支持部190は、吸込口189に位置されてい
る。
【0155】ケーシング181のモータ支持部190に
は、偏平な電動モータ192が支持されている。電動モ
ータ192の回転軸193は、送風通路187と同軸状
に位置され、ケーシング181の正面181aおよび背
面181bと直交するような位置関係となっている。
【0156】回転軸193の先端部には、複数のブレー
ド194を有する円盤状のファン195が固定されてい
る。このファン195は、送風通路187の排出口18
8側の端部に位置されている。そのため、電動モータ1
92を介してファン195が回転駆動されると、吸込口
189を通じて送風通路187に空気が吸引され、この
空気は送風通路187を軸方向に沿って流れた後、排出
口188から排出される。
【0157】図20の(B)に示すように、ケーシング
181のモータ支持部190は、軸受部197を有して
いる。軸受部197は、電動モータ192とは反対側に
位置されており、この軸受部197を上記連結軸186
が軸回り方向に回動可能に貫通して配置されている。そ
のため、ケーシング181は、連結軸186を支点に上
下方向に回動可能に取り付け脚180a,180bに支
持されている。
【0158】ケーシング181の左右の側面には、夫々
ストッパ198a,198bが配置されている。ストッ
パ198a,198bは、取り付け脚180a,180
bの後端部の係合歯185に取り外し可能に噛み合って
おり、この噛み合いにより、ケーシング181が水平面
に対し所定角度α傾斜された姿勢に保持されるようにな
っている。そして、ストッパ198a,198bと係合
歯185との噛み合い位置を変えることで、ケーシング
181の傾斜角度αを任意の値に段階的に調整し得るよ
うになっている。
【0159】このような構成によれば、ファン装置45
のケーシング181は、筐体23の内部で水平面および
垂直面に対し傾斜されているので、この筐体23の内部
の上下方向のスペースが充分に得られなくとも、従来の
ようにファン装置を小型化する必要はなく、むしろ外径
の大きなファン195を有するファン装置45を積極的
に採用することができる。よって、電動モータ192の
回転数を増大させることなく所望の風量を確保すること
ができ、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られ
る。
【0160】しかも、上記第11の実施の形態では、ケ
ーシング181の傾斜角度αを自由に調整可能であるか
ら、上記筐体23の厚み寸法HやMPU41の発熱量に
合わせてケーシング181の傾斜角度αを最適な値に調
整することができる。すなわち、MPU41の放熱効果
を高めるためには、可能な限りケーシング181の傾斜
角度αを大きく設定すれば良く、筐体23の厚み寸法H
の変化にも無理なく対応することができる。
【0161】また、筐体23の厚み寸法Hが異なる種々
のポータブルコンピュータ1に対して、ファン装置45
を共用することができ、部品の共通化に伴うコストの低
減が可能となる。
【0162】図21は、本発明の第12の実施の形態を
開示している。
【0163】この第12の実施の形態は、上記第11の
実施の形態を発展させたものであり、ファン装置45の
主要な構成は、上記第11の実施の形態と同様である。
【0164】図21に示すように、ケーシング181
は、その背面181bの中央部にケーシング181の外
方に向けて突出する軸受部201を有している。軸受部
201は、取り付け脚180a,180bの間に介在さ
れている。取り付け脚180a,180bには、夫々側
方からねじ202が挿通されている。このねじ202の
先端は、軸受部201にねじ込まれており、このねじ込
みにより、ケーシング181が水平面に対し所定角度α
傾斜された姿勢に保持されるようになっている。そし
て、ねじ202の締め付けを解除すれば、このねじ20
2を支点としてケーシング181を自由に回動させるこ
とができ、このケーシング181の傾斜角度αを任意の
値に無段階的に調整し得るようになっている。
【0165】このような構成によれば、筐体23の厚み
寸法HやMPU41の発熱量に合わせてケーシング18
1の傾斜角度αを最適な値に調整することができ、上記
第11の実施の形態と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0166】また、上記構成によると、ねじ202を緩
めたり締め付けるだけの作業でケーシング181の傾斜
角度αを変化させることができ、作業性に優れるととも
に、ケーシング181の回動部分の構造が簡略化されて
コスト的な面でも好都合となる。
【0167】さらに、ケーシング181の傾斜角度α
は、無段階的に調整が可能であるから、ケーシング18
1の傾斜角度αの微調整が可能となり、このケーシング
181の傾斜角度αをMPU41の放熱効果を高める上
でより最適な値に設定することができる。
【0168】図22は、本発明の第13の実施の形態を
開示している。
【0169】この第13の実施の形態は、ファン装置4
5の構成が上記第1の実施の形態と相違しており、それ
以外の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0170】図22に示すように、ファン装置45は、
円筒状のケーシング210を有している。ケーシング2
10は、送風通路211と、この送風通路211に連な
る吸込口212および排出口213とを有している。こ
れら吸込口212と排出口213とはケーシング210
の軸方向に向かい合っている。そして、このケーシング
210は、吸込口212から排出口213の方向に進む
に従い次第に口径が増大されており、排出口213の口
径は吸込口212の口径よりも大きなものとなってい
る。
【0171】また、ケーシング210の外周面210a
および内周面210bは、上記口径の変化により円錐面
状をなしており、これら外周面210aおよび内周面2
10bは、送風通路211の軸線O2 に対し傾斜されて
いる。
【0172】ケーシング210の吸込口212側の端部
には、スポーク状のモータ支持部215が形成されてい
る。モータ支持部215は、吸込口212の内側に位置
されており、このモータ支持部215には、偏平な電動
モータ216が支持されている。電動モータ216の回
転軸217は、送風通路211と同軸状に位置されてい
る。
【0173】回転軸217の先端部には、複数のブレー
ド218を有する円盤状のファン219が固定されてい
る。ファン219は、送風通路211の排出口213側
の端部に位置され、そのブレード218の外周縁部は、
ケーシング210の内周面210bに沿うように傾斜さ
れている。
【0174】そのため、電動モータ216を介してファ
ン219が回転駆動されると、吸込口212を通じて送
風通路211に空気が吸引され、この空気は送風通路2
11を軸方向に沿って流れた後、排出口213から排出
される。
【0175】図22に示すように、ファン装置45のケ
ーシング210は、その外周面210aを筐体23の水
平な底壁23aに沿わせた姿勢で筐体23の内部に収容
されている。このため、ケーシング210は、その送風
通路211の軸線O2 を水平面に対し所定角度α傾斜さ
せた姿勢で保持されており、このケーシング210の排
出口213が筐体23の排気口29と向かい合ってい
る。
【0176】このような構成によれば、筐体23の内部
でケーシング210を傾斜させたことにより、その排出
口213の口径を大きくできるとともに、ファン219
の口径も大きくすることができる。そのため、電動モー
タ216の回転数を増大させることなく充分な風量を確
保することができ、MPU41の冷却効果を高めること
ができる。
【0177】図23は、本発明の第14の実施の形態を
開示している。
【0178】この第14の実施の形態は、主に筐体23
およびファン装置45の構成が上記第1の実施の形態と
相違しており、それ以外の構成は第1の実施の形態と同
様である。そのため、第14の実施の形態において、第
1の実施の形態と同一の構成部分には同一の参照符号を
付して、その説明を省略する。
【0179】図23に示すように、ファン装置45は、
その送風方向が上記第1の実施の形態と逆向きとなって
いる。すなわち、ファン装置45のケーシング53は、
その正面53aに吸込口56を有するとともに、背面5
3bに排出口55を有している。そして、モータ支持部
57は、ケーシング53の正面53a側の端部に形成さ
れており、このモータ支持部57に電動モータ64が支
持されている。電動モータ64の回転軸65に固定され
たファン67は、送風通路54の排出口55側の端部に
位置されるとともに、電動モータ64の下方に位置され
ている。
【0180】ケーシング53は、支持ステー221を一
体に有している。支持ステー221は、ケーシング53
の外周面から送風通路54の径方向外側に向けて延びて
おり、この支持ステー221は、ケーシング53の径方
向に延びる基準線X1 に対し所定の角度θをもって傾斜
されている。支持ステー221の下面は、平坦な被取り
付け面222となっており、この支持ステー221に
は、被取り付け面222に開口された貫通孔223が形
成されている。
【0181】支持ステー221の被取り付け面222
は、上記ファン支持部48の支持面48aに重ね合わさ
れており、この支持面48aには、貫通孔223に連な
るねじ孔224が形成されている。貫通孔223には、
上方からねじ225が挿通されている。ねじ225は、
ねじ孔224にねじ込まれており、このねじ込みによ
り、ケーシング53の支持ステー221がファン支持部
48に固定されているとともに、ケーシング53とファ
ン支持部48とが熱的に接続されている。
【0182】そして、支持ステー221をファン支持部
48に固定した状態では、支持ステー221の被取り付
け面222が水平となり、ケーシング53が水平面に対
し所定角度αで傾斜するようになっている。この際、ケ
ーシング53は、排出口55が筐体23の底壁23aと
向かい合うとともに、この排出口55が開口された背面
53bが後壁23eに近づくに従い底壁23aから離れ
る方向に傾いている。
【0183】図23に示すように、筐体23の底壁23
aの後部には、上向きに凹む段付き部227が形成され
ている。段付き部227は、筐体23の後壁23eに連
なるとともに、上記ケーシング53の下方に位置されて
いる。この底壁23aの段付き部227には、筐体23
の内部に連なる排気口228が形成されており、この排
気口228はケーシング53の排出口55と向かい合っ
ている。
【0184】また、筐体23の底壁23aと後壁23e
とで規定される角部には、図示しないMPUに接続され
たヒートパイプ229が導かれている。ヒートパイプ2
29は、排気口228に臨むとともに、筐体23の後壁
23eに接している。
【0185】筐体23を机の天板のような載置面230
に載置した状態では、この載置面230と底壁23aの
段付き部227との間に送風用の隙間231が形成され
るようになっている。この隙間231は、筐体23の排
気口228に連なるとともに、筐体23の後方に向けて
開放されている。
【0186】このような構成において、ファン装置45
が駆動されると、図23に矢印で示すように、ケーシン
グ53の吸込口56から吸引された空気が送風通路54
に導かれ、この空気は排出口55から排気口228に導
かれるとともに、この排気口228を通じて隙間231
に排出される。
【0187】排気口228は、隙間231を介して筐体
23が置かれた載置面230と向かい合っているので、
排気口228に導かれた空気は、筐体23の下方に排出
されることになる。そのため、ファン装置45の運転音
や排気音を低減することができ、静粛な運転が可能とな
る。
【0188】また、排気口228が筐体23の底壁23
aに開口されているので、この排気口228から筐体2
3の内部に埃等の異物が侵入し難くなり、筐体23の内
部の汚損を防止することができる。
【0189】さらに、ヒートパイプ229がファン装置
45から放出される空気の流れに直接さらされるので、
ヒートパイプ229を強制的に冷却することができる。
それとともに、ヒートパイプ229の熱は、筐体23の
後壁23eに伝わり、この筐体23に広く拡散されるの
で、ヒートパイプ229の放熱を効率良く行うことがで
き、MPUの冷却効果をより一層高めることができる。
【0190】なお、上記実施の形態においては、ファン
装置のケーシングを金属製としたが、この金属に代えて
熱伝導性を有する合成樹脂製としても良い。
【0191】また、ケーシングの形状も矩形状に限ら
ず、軽量化を目的として円筒状としても良い。
【0192】さらに、本発明に係る携帯形情報機器は、
ポータブルコンピュータに特定されるものではなく、デ
スクトップ形のコンピュータやワードプロセッサあるい
はその他の携帯形情報端末装置にも同様に実施可能であ
る。
【0193】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、ケーシン
グを収める部分の上下方向のスペースが充分に得られな
いような場合でも、ファンの回転数を増大させることな
く所望の風量を確保することができる。よって、発熱体
の冷却効率を良好に維持しつつ、ファンの回転に伴う騒
音を抑制できるとともに、筐体の薄型化にも無理なく対
応することができる。また、一つのファンで所望の風量
が得られるので、小型のファン装置を複数準備する必要
はなく、コスト的な問題も同時に解消できるといった利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るポータブルコ
ンピュータの斜視図。
【図2】筐体の内部にMPUの放熱を促進させる冷却装
置を収容した状態を示す断面図。
【図3】ファン装置の断面図。
【図4】ファン装置の斜視図。
【図5】(A)は、ファン装置の風量と騒音との関係を
示す特性図。(B)は、ファン装置の風量と冷却温度と
の関係を示す特性図。
【図6】本発明の第2の実施の形態において、その筐体
の内部にMPUの放熱を促進させる冷却装置を収容した
状態を示す断面図。
【図7】本発明の第3の実施の形態において、その筐体
の内部にMPUの放熱を促進させる冷却装置を収容した
状態を示す断面図。
【図8】本発明の第4の実施の形態において、その筐体
の内部にMPUの放熱を促進させる冷却装置を収容した
状態を示す断面図。
【図9】ファン装置の斜視図。
【図10】本発明の第5の実施の形態において、その筐
体の内部にMPUの放熱を促進させる冷却装置を収容し
た状態を示す断面図。
【図11】本発明の第6の実施の形態において、その筐
体の内部にMPUの放熱を促進させる冷却装置を収容し
た状態を示す断面図。
【図12】本発明の第7の実施の形態において、その筐
体の内部にMPUの放熱を促進させる冷却装置を収容し
た状態を示す断面図。
【図13】本発明の第8の実施の形態において、その筐
体の内部にMPUの放熱を促進させるファン装置を収容
した状態を示す断面図。
【図14】(A)は、ファン装置の断面図。(B)は、
ファン装置の斜視図。
【図15】本発明の第9の実施の形態において、その筐
体の内部にMPUの放熱を促進させるファン装置を収容
した状態を示す断面図。
【図16】(A)は、ファン装置の断面図。(B)は、
ファン装置の斜視図。
【図17】本発明の第10の実施の形態において、その
筐体の内部にMPUの放熱を促進させるファン装置を収
容した状態を示す断面図。
【図18】(A)は、ファン装置の断面図。(B)は、
ファン装置の斜視図。
【図19】本発明の第11の実施の形態において、その
筐体の内部にMPUの放熱を促進させるファン装置を収
容した状態を示す断面図。
【図20】(A)は、ファン装置を排出口側から見た斜
視図。(B)は、ファン装置を吸込口側から見た斜視
図。
【図21】本発明の第12の実施の形態において、その
筐体の内部にMPUの放熱を促進させるファン装置を収
容した状態を示す断面図。
【図22】本発明の第13の実施の形態において、その
筐体の内部にMPUの放熱を促進させるファン装置を収
容した状態を示す断面図。
【図23】本発明の第14の実施の形態において、その
筐体の内部にMPUの放熱を促進させるファン装置を収
容した状態を示す断面図。
【図24】従来のMPUの冷却装置の側面図。
【図25】(A)は、ファン装置の断面図。(B)は、
ファン装置と筐体との位置関係を示す側面図。(C)
は、ファン装置の正面図。
【符号の説明】
23…筐体 29,228…排気口 40…プリント配線基板 40a…第1の面(上面) 40b…第2の面(下面) 41,120…発熱体(MPU、半導体パッケージ) 44,90,125,229…放熱機器(ヒートシン
ク、ヒートパイプ) 45…ファン装置 53,210…ケーシング 54,187,211…送風通路 64,192,216…駆動源(電動モータ) 67,195,219…ファン

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送風通路を有するケーシングと;このケ
    ーシングの送風通路に配置されたファンと;上記ケーシ
    ングに支持され、上記ファンを回転駆動する駆動源と;
    を備えており、 上記ケーシングは、水平面および垂直面に対し夫々所定
    角度傾斜された姿勢で配置され、このケーシングに動作
    中に発熱する発熱体又はこの発熱体の放熱を促進させる
    放熱機器を熱的に接続したことを特徴とする冷却装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、上記ケーシン
    グは、熱伝導性に優れた材料にて構成され、このケーシ
    ングと上記放熱機器とが一体化されていることを特徴と
    する冷却装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の記載において、上記ケ
    ーシングは、送風通路に連なる吸込口と排出口とを有
    し、このケーシングの吸込口もしくは排出口の少なくと
    もいずれか一方に連なる端部に導風ダクトを形成したこ
    とを特徴とする冷却装置。
  4. 【請求項4】 請求項3の記載において、上記吸込口も
    しくは排出口の少なくともいずれか一方に連なるケーシ
    ングの端部に、送風方向に延びる複数の放熱フィンを形
    成したことを特徴とする冷却装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2の記載において、上記放
    熱機器は、複数の放熱フィンを備えていることを特徴と
    する冷却装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかの記載にお
    いて、上記発熱体は、半導体装置であることを特徴とす
    る冷却装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれかの記載にお
    いて、上記ケーシングは、水平面および垂直面に対する
    傾斜角度が任意の値に調節可能であることを特徴とする
    冷却装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかの記載にお
    いて、上記駆動源は電動モータであり、この電動モータ
    と、水平面に対して送風方向が平行となるように垂直に
    起立して配置されるとともに、その垂直方向の高さが上
    記傾斜されたケーシングの垂直方向の高さ未満の他の電
    動モータとを比較した時、上記電動モータは、同一騒音
    性能時の風量特性が上記他の電動モータよりも高く設定
    されていることを特徴とする冷却装置。
  9. 【請求項9】 排気口を有する筐体と;この筐体に収容
    され、動作中に発熱する発熱体が実装されたプリント配
    線基板と;上記筐体の内部において上記発熱体に熱的に
    接続され、この発熱体の放熱を促進させる放熱機器と;
    上記筐体の内部に収容され、上記排気口に隣接されたフ
    ァン装置と;を備え、 上記ファン装置は、熱伝導性材料にて構成され、送風通
    路を有するケーシングと、このケーシングの送風通路に
    配置されたファンと、上記ケーシングに支持され、上記
    ファンを回転駆動する駆動源と、を含み、 上記ケーシングは、上記筐体の内部において水平面およ
    び垂直面に対し夫々所定角度傾斜された姿勢で配置さ
    れ、このケーシングに上記発熱体又は上記放熱機器が熱
    的に接続されていることを特徴とする携帯形情報機器。
  10. 【請求項10】 請求項9の記載において、上記放熱機
    器は、発熱体の上端に熱的に接続されていることを特徴
    とする携帯形情報機器。
  11. 【請求項11】 請求項9の記載において、上記放熱機
    器は、上記発熱体の熱を受ける受熱面と、この受熱面と
    は反対側に位置された熱伝達面とを有し、この熱伝達面
    に上記ケーシングが熱的に接続されていることを特徴と
    する携帯形情報機器。
  12. 【請求項12】 請求項9の記載において、上記放熱機
    器は、熱伝導性を有する弾性シートを介して上記ケーシ
    ングに間接的に接していることを特徴とする携帯形情報
    機器。
  13. 【請求項13】 請求項11の記載において、上記放熱
    機器は、受熱面の反対側に複数の放熱フィンを有してい
    ることを特徴とする携帯形情報機器。
  14. 【請求項14】 排気口を有する筐体と;第1の面と、
    この第1の面の反対側に位置された第2の面と、これら
    第1および第2の面に開口された通孔とを有し、上記筐
    体の内部に実装されたプリント配線基板と;このプリン
    ト配線基板の第1の面に実装され、動作中に発熱すると
    ともに、上記通孔と向かい合う発熱体と;上記プリント
    配線基板の第2の面に実装され、上記発熱体に熱的に接
    続されてこの発熱体の放熱を促進させる放熱機器と;上
    記筐体の内部に収容され、上記排気口に隣接されたファ
    ン装置と;を備え、 上記ファン装置は、熱伝導性材料にて構成され、送風通
    路を有するケーシングと、このケーシングの送風通路に
    配置されたファンと、上記ケーシングに支持され、上記
    ファンを回転駆動する駆動源と、を含み、 上記ケーシングは、上記筐体の内部において水平面およ
    び垂直面に対し夫々所定角度傾斜された姿勢で配置さ
    れ、このケーシングに上記放熱機器が熱的に接続されて
    いることを特徴とする携帯形情報機器。
  15. 【請求項15】 請求項14の記載において、上記プリ
    ント配線基板の第2の面と上記放熱機器との間に熱伝導
    性を有する伝熱部材が介在され、この伝熱部材は、上記
    通孔に挿入される凸部を含み、この凸部は上記発熱体に
    接する受熱面を有していることを特徴とする携帯形情報
    機器。
  16. 【請求項16】 請求項15の記載において、上記伝熱
    部材は、熱伝導性を有する弾性シートを介して上記放熱
    機器に間接的に接していることを特徴とする携帯形情報
    機器。
  17. 【請求項17】 請求項14ないし16のいずれかの記
    載において、上記発熱体は、発熱するICチップを有す
    る半導体装置であることを特徴とする携帯形情報機器。
  18. 【請求項18】 請求項14ないし16のいずれかの記
    載において、上記筐体は、プリント配線基板と平行をな
    す底壁を有し、また、上記放熱機器は略平坦な板状をな
    すとともに、上記プリント配線基板および底壁と平行に
    配置されていることを特徴とする携帯形情報機器。
  19. 【請求項19】 請求項14の記載において、上記ケー
    シングは、水平面および垂直面に対する傾斜角度が任意
    の値に調節可能であることを特徴とする携帯形情報機
    器。
  20. 【請求項20】 請求項18の記載において、上記放熱
    機器は、上記プリント配線基板と筐体の底壁との間に配
    置されているとともに、上記放熱機器およびプリント配
    線基板は、筐体の底壁にねじを介して固定されているこ
    とを特徴とする携帯形情報機器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004214582A (ja) * 2003-01-09 2004-07-29 Mitsubishi Electric Corp 低温焼成多層セラミック基板の放熱構造
JP2018164343A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 ファナック株式会社 モータ駆動装置
JP2019057657A (ja) * 2017-09-22 2019-04-11 ダイヤモンド電機株式会社 空冷機構付き電子機器
JP2019080015A (ja) * 2017-10-27 2019-05-23 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 電子機器

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