JPH112109A - 内燃機関用バルブタイミング調整装置 - Google Patents

内燃機関用バルブタイミング調整装置

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JPH112109A
JPH112109A JP15661097A JP15661097A JPH112109A JP H112109 A JPH112109 A JP H112109A JP 15661097 A JP15661097 A JP 15661097A JP 15661097 A JP15661097 A JP 15661097A JP H112109 A JPH112109 A JP H112109A
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JP
Japan
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vane
pressure
hydraulic
chamber
combustion engine
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JP15661097A
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English (en)
Inventor
Kenji Ueda
賢二 上田
Michio Adachi
美智雄 安達
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハウジング部材とベーン部材との間に相対的
な回転力を生じる前に拘束手段を解除できるバルブタイ
ミング調整装置を提供する。 【解決手段】 弁部材45はシュー11bの軸方向の長
さとほぼ等しい長さを有している。最遅角位置におい
て、弁部材45はばね部材46の付勢力によりベーン1
4cの遅角側側面に当接しているので、進角油圧室66
全体に作動油が供給されない。したがって、三室の進角
油圧室全体の油圧よりも油圧室37の油圧が速く上昇す
る。これにより、ベーンロータ14が最遅角位置から進
角側に回転する前に油圧室37の油圧が上昇しストッパ
ピストン30がテーパ穴から抜け出すので、ストッパピ
ストン30がベーンロータ14とシューハウジング11
との相対回動を阻害することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関(以下、
「内燃機関」をエンジンという)の吸気弁および排気弁
の少なくともいずれか一方の開閉タイミング(以下、
「開閉タイミング」をバルブタイミングという)を運転
条件に応じて変更するためのバルブタイミング調整装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンのクランクシャフトと同
期回転するタイミングプーリやチェーンスプロケットを
介してカムシャフトを駆動し、タイミングプーリやチェ
ーンスプロケットとカムシャフトとの相対回動による位
相差により吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一
方のバルブタイミングを制御するベーン式のバルブタイ
ミング調整装置として、特開平1−92504号公報に
開示されているものが知られている。
【0003】特開平1−92504号公報に開示されて
いるバルブタイミング調整装置では、ベーンとともに回
動するカムシャフト側回転体である内部ロータに穴を設
け、この穴に嵌合可能なノックピンをクランクシャフト
側回転体であるタイミングプーリに設け、タイミングプ
ーリに対してカムシャフトが最遅角位置または最進角位
置にあるときにノックピンが穴に嵌合することにより両
回転体の相対回動を拘束している。これにより、タイミ
ングプーリに対してカムシャフトが最遅角位置または最
進角位置にあるときに吸気弁または排気弁の駆動に伴い
カムシャフトが正負のトルク変動を受けても、タイミン
グプーリとベーンとの打音発生を防止することができ
る。
【0004】ノックピンが穴に嵌合した状態からタイミ
ングプーリに対するカムシャフトの位相を変化させると
きには、油路を切り換えることによりノックピンが穴か
ら抜け出し、タイミングプーリとカムシャフトとの相対
回動が可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
1−92504号公報に開示されているようなベーン式
のバルブタイミング調整装置において、例えばタイミン
グプーリに対して最遅角位置にあるカムシャフトを進角
側に回転させる際に進角側にベーンを駆動する油圧で同
時にノックピンを抜く方式では、ベーンおよびノックピ
ンへの油圧の加わり方によってはノックピンが抜ける前
に内部ロータが回転を開始することもある。この場合、
内部ロータの回転力がノックピンに加わることによりノ
ックピンが抜けにくくなり、内部ロータが進角側に回転
できない恐れがある。
【0006】本発明は、ハウジング部材とベーン部材と
の間に相対的な回転力を生じる前に拘束手段を解除でき
るバルブタイミング調整装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
エンジン用バルブタイミング調整装置によると、ベーン
部材が収容室の一方の周方向端部から他方の周方向端部
側に移動する際、解除圧力室の圧力がベーン圧力室の圧
力よりも速く上昇することにより、ベーン部材が一方の
周方向端部から他方の周方向端部側に移動する前に当接
部と被当接部との拘束状態が解除される。したがって、
当接部と被当接部とが当接したままハウジング部材に対
してベーン部材が相対回動することを防止できる。
【0008】本発明の請求項2記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置によると、複数存在するベーン圧力
室の圧力上昇速度が異なることにより、複数のベーン圧
力室の圧力上昇速度がほぼ等しい場合に比べベーン圧力
室全体からベーン部材が他方の周方向端部側に受ける圧
力の上昇速度を抑えることができる。したがって、ベー
ン部材が一方の周方向端部から他方の周方向端部側に移
動する前に当接部と被当接部との拘束状態が解除され
る。これにより、当接部と被当接部とが当接したままハ
ウジング部材に対してベーン部材が相対回動することを
防止できる。
【0009】本発明の請求項3、4、5または6記載の
エンジン用バルブタイミング調整装置はそれぞれ、以下
の〜の構成を採用している。ベーン圧力室に作動
流体を供給する流路を開閉する弁構造を有する。ベー
ン圧力室に作動流体を供給する流路に流体流量を規制す
る絞り構造を有する。解除圧力室に作動流体を供給す
る流路長はベーン圧力室に作動流体を供給する流路長よ
りも短い。三室以上存在するベーン圧力室の内一つの
ベーン圧力室は一つの流路から作動流体を供給され、他
の少なくとも二つ以上のベーン圧力室は一つの流路から
作動流体を供給されている。
【0010】本発明の請求項7記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置によると、拘束手段の拘束位置にお
いて収容室の他方の周方向端部側に流体圧力を受けるベ
ーン部材の受圧面積は、拘束手段の非拘束位置において
他方の周方向端部側に流体圧力を受けるベーン部材の受
圧面積よりも小さい。したがって、収容室の一方の周方
向端部から他方の周方向端部側にベーン部材を移動させ
るために必要な流体圧力は、拘束位置における受圧面積
が非拘束位置における受圧面積と同程度に大きい場合よ
りも大きくなる。つまり、拘束位置において拘束手段が
拘束状態にあるとき、流体圧力の上昇に伴いベーン部材
が一方の周方向端部から他方の周方向端部側に移動する
前に拘束手段の拘束を解除することができる。これによ
り、当接部と被当接部とが当接したままハウジング部材
に対してベーン部材が相対回動することを防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示す
複数の実施例を図面に基づいて説明する。図1、図3、
図4、図5、図6、図8、図9は同じ切断位置で同一方
向から見た断面図である。 (第1実施例)本発明の第1実施例によるエンジン用バ
ルブタイミング調整装置を図1および図2に示す。第1
実施例のバルブタイミング調整装置1は油圧制御式であ
り、吸気弁のバルブタイミングを制御するものである。
【0012】図2に示すタイミングプーリ10は、図示
しないタイミングベルトにより図示しないエンジンの駆
動軸としてのクランクシャフトと結合して駆動力を伝達
され、クランクシャフトと同期して回転する。リア部材
15はプレート部15aおよび軸受部15bからなり、
ボルト41によりプレート部15aとタイミングプーリ
10と後述するシューハウジング11とが結合されてい
る。従動軸としてのカムシャフト2は、タイミングプー
リ10から駆動力を伝達され、図示しない吸気弁を開閉
駆動する。カムシャフト2はタイミングプーリ10に対
し所定の位相差をおいて相対回動可能である。タイミン
グプーリ10およびカムシャフト2は図2の左方向から
みて時計方向に回転する。以下この回転方向を進角方向
とする。
【0013】シューハウジング11は周壁12とフロン
ト部13とが一体に形成されており、リア部材15とと
もにハウジング部材を構成している。ベーンロータ14
の軸方向両端面はシューハウジング11のフロント部1
3およびリア部材15のプレート部15aにより覆われ
ている。タイミングプーリ10、シューハウジング11
およびリア部材15は駆動側回転体を構成し、互いにボ
ルト41により同軸上に結合されている。
【0014】図1に示すように、シューハウジング11
は周方向にほぼ等間隔に台形状に形成されたシュー11
a、11b、11cを有している。シュー11a、11
b、11cの周方向の三箇所の間隙にはそれぞれベーン
部材としてのベーン14a、14b、14cを収容する
収容室としての扇状空間部60が形成されており、シュ
ー11a、11b、11cの内周面は断面円弧状に形成
されている。
【0015】ベーンロータ14は周方向にほぼ等間隔に
ベーン14a、14b、14cを有し、このベーン14
a、14b、14cがシュー11a、11b、11cの
周方向の間隙に形成されている扇状空間部60に回動可
能に収容されている。図1に示す遅角方向、進角方向を
表す矢印は、シューハウジング11に対するベーンロー
タ14の遅角方向、進角方向を表している。図1におい
て、各ベーンは各扇状空間部60の一方の周方向端部に
位置し、ベーンロータ14はシューハウジング11に対
し最遅角位置にある。最遅角位置は、ベーン14bの遅
角側側面ががシュー11aの進角側側面に係止されるこ
とにより規定されている。図2に示すように、ベーンロ
ータ14およびブッシュ20は、ボルト40によりカム
シャフト2に一体に結合されており、従動側回転体を構
成している。
【0016】カムシャフト2およびブッシュ20はそれ
ぞれリア部材15の軸受部15bおよびフロント部13
の内周壁13aに相対回動可能に嵌合している。したが
って、カムシャフト2およびベーンロータ14はタイミ
ングプーリ10およびシューハウジング11に対して同
軸に相対回動可能である。図1に示すように、シール部
材22はベーンロータ14の外周壁に嵌合している。ベ
ーンロータ14の外周壁とシューハウジング11の内周
壁との間には微小クリアランスが設けられており、この
クリアランスを介して油圧室間に作動油が漏れることを
シール部材22により防止している。シール部材22は
それぞれ板ばねの付勢力により周壁12の内周壁に向け
て押されている。
【0017】図2に示すように、ガイドリング33はベ
ーン14aの内壁に圧入保持され、このガイドリング3
3に当接部としてのストッパピストン30が挿入されて
いる。ストッパピストン30はほぼ同一外径の有底円筒
状に形成されており、カムシャフト2の軸方向に摺動可
能にガイドリング33に収容されている。ストッパピス
トン30は付勢手段としてのスプリング35によりフロ
ント部13側に付勢されている。嵌合リング34はフロ
ント部13に形成した嵌合穴に嵌合しており、嵌合リン
グ34の内周壁に被当接部としてのテーパ穴34aが形
成されている。ストッパピストン30は図1に示す最遅
角位置においてテーパ穴34aに嵌合可能である。スト
ッパピストン30がテーパ穴34aに嵌合し、ストッパ
ピストン30がテーパ穴34aに回転方向で当接した状
態ではシューハウジング11に対するベーンロータ14
の相対回動は拘束される。つまり、ストッパピストン3
0とテーパ穴34aとは最遅角位置において拘束位置に
ある。ストッパピストン30、テーパ穴34aおよびス
プリング35は拘束手段を構成している。
【0018】図2においてストッパピストン30の先端
部30aの左側に形成される解除圧力室としての油圧室
37は、図1に示すように油路67を介し後述する進角
油圧室64と連通している。先端部30aの受圧面が油
圧室37の作動油から受ける力はテーパ穴34aからス
トッパピストン30を抜け出させる方向に働く。進角油
圧室64に所定圧以上の作動油が供給されると、作動油
圧によりスプリング35の付勢力に抗しストッパピスト
ン30はテーパ穴34aから抜け出す。
【0019】ストッパピストン30の位置とテーパ穴3
4aの位置とは、シューハウジング11に対してベーン
ロータ14が最遅角位置にあるとき、つまりクランクシ
ャフトに対してカムシャフト2が最遅角位置にあるとき
にスプリング35の付勢力によりストッパピストン30
がテーパ穴34aに嵌合可能な位置に設定されている。
第1実施例において、最遅角位置とは収容室である扇状
空間部60の一方の周方向端部を表し、最進角位置とは
収容室である扇状空間部60の他方の周方向端部を表し
ている。
【0020】ベーン14aのリア部材15側にストッパ
ピストン30の背圧室38と連通する連通路50が形成
されている。連通路50は最遅角位置において軸受部1
5bに形成した連通路51と連通する。連通路51は図
示しないエンジンの油潤滑空間に大気開放されているの
で、最遅角位置において背圧室38は大気開放されてい
る。したがって、最遅角位置においてストッパピストン
30の移動が妨げられない。ベーンロータ14が最遅角
位置から進角側に回転する、つまりストッパピストン3
0とテーパ穴34aとが嵌合不能な非拘束位置にベーン
ロータ14が回転すると、連通路50と連通路51との
連通は遮断される。
【0021】図1に示すように、円柱状の弁部材45お
よび断面円弧状のばね部材46がシュー11bの進角側
側壁に配置されている。弁部材45およびばね部材46
は弁構造を構成しており、弁部材45はシュー11bの
軸方向の長さとほぼ等しい長さを有する。弁部材45は
ばね部材46の付勢力により、シュー11bの進角側側
面から突出しており、図1に示す最遅角位置と最遅角位
置から僅かにベーンロータ14が進角側に回転した位置
との間で弁部材45はベーン14cの遅角側側面に当接
する。
【0022】図1に示すように、シュー11aとベーン
14aとの間に遅角油圧室61が形成され、シュー11
bとベーン14bとの間に遅角油圧室62が形成され、
シュー11cとベーン14cとの間に遅角油圧室63が
形成されている。また、シュー11cとベーン14aと
の間に進角油圧室64が形成され、シュー11aとベー
ン14bとの間に進角油圧室65が形成され、シュー1
1bとベーン14cとの間に進角油圧室66が形成され
ている。進角油圧室64、65、66はそれぞれベーン
圧力室を構成している。また、進角油圧室64、65、
66をまとめてベーン圧力室と見做してもよい。
【0023】図2に示すようにベーンロータ14のボス
部14dには、カムシャフト2との当接部において油路
53が設けられており、ブッシュ20との当接部におい
て油路56が設けられている。油路53および56はそ
れぞれ円弧状に形成されている。油路53はカムシャフ
ト2に形成された油路52と連通し、油路52は図示し
ない切換弁を介して図示しない油圧ポンプまたはドレイ
ンと連通可能である。また油路53は図示しない油路に
より遅角油圧室61、62、63と連通している。
【0024】油路56は油路55を介してカムシャフト
2に形成された油路54と連通し、油路54は図示しな
い切換弁を介して図示しない油圧ポンプまたはドレイン
と連通可能である。また油路56は図1に示す油路5
7、58、59によりそれぞれ進角油圧室64、65、
66と連通している。次に、バルブタイミング調整装置
1の作動を説明する。
【0025】エンジン始動時、油圧ポンプから作動油が
油圧室37にまだ導入されていないとき、クランクシャ
フトの回転に伴いベーンロータ14はシューハウジング
11に対して図1に示す最遅角位置にある。ストッパピ
ストン30の先端部30aはスプリング35の付勢力に
よりテーパ穴34aに嵌合しており、この嵌合によりベ
ーンロータ14とシューハウジング11とは強固に拘束
されている。したがって、吸気弁を駆動する際にカムシ
ャフト2が正・負のトルク変動を受けても、ベーンロー
タ14はシューハウジング11に対して遅角側および進
角側への動きを規制されることにより相対的な回転振動
を発生することはなく、シューハウジング11とベーン
ロータ14とが衝突して打音を発生することを防止す
る。
【0026】エンジン始動後、まず各遅角油圧室に作動
油が供給される。油圧ポンプから作動油が供給される
と、油路53から図示しない油路を介して遅角油圧室6
1、62、63に作動油が導入される。この状態におい
て、各進角油圧室は大気開放されているので、各遅角油
圧室に供給される作動油の油圧によりベーンロータ14
は遅角側に押されている。さらに、進角油圧室64と連
通している油圧室37は進角油圧室64と同様に大気開
放されているので、ストッパピストン30はスプリング
35の付勢力によりテーパ穴34aに嵌合したままであ
る。したがって、ベーンロータ14とシューハウジング
11とは強固に拘束されているので、吸気弁を駆動する
際にカムシャフト2が正・負のトルク変動を受けてもシ
ューハウジング11とベーンロータ14とが衝突して打
音を発生することを防止する。
【0027】次に、図1に示す最遅角位置から進角側に
ベーンロータ14を回転させるために、切換弁を切換え
て遅角油圧室61、62、63を大気開放し、進角油圧
室64、65、66に作動油を供給する。図1に示す最
遅角位置において、進角油圧室64には全体に作動油が
供給される。しかし、ベーン14bの遅角側側面はシュ
ー11aの進角側側面と当接しているので、シューハウ
ジング11に対してベーンロータ14が進角側に回転し
ないと進角油圧室65全体に作動油は供給されない。さ
らに、弁部材45はばね部材46の付勢力によりベーン
14cの遅角側側面に押し当てられており、弁部材45
はばね部材46の付勢力によりベーン14cの動きに追
随してベーン14cの遅角側側面に当接した状態を保持
するので、ベーンロータ14が所定角度以上進角側に回
転しないと弁部材45はベーン14cの遅角側側面から
離隔しない。したがって、最遅角位置から進角側に向か
う所定角度範囲において、油路59から進角油圧室66
に供給される作動油は弁部材45に遮られるので、進角
油圧室66全体に作動油を供給できない。
【0028】したがって、図1に示す最遅角位置におい
て、ベーン14a、14b、14cがそれぞれ進角油圧
室64、65、66に供給される作動油から進角側に油
圧を受ける受圧面積の合計は、シュー11bに弁部材4
5およびばね部材46を設置しない場合に比べ小さくな
っている。つまり、最遅角位置において進角油圧室全体
の作動油からベーンロータ14が進角側に油圧を受ける
受圧面積は、ベーンロータ14が最遅角位置から所定角
度進角側に移動し弁部材45がベーン14cの遅角側側
面から離隔した時に進角油圧室全体の作動油からベーン
ロータ14が進角側に油圧を受ける受圧面積よりも小さ
い。これにより、最遅角位置において三室を一つのまと
まりと見做した進角油圧室全体からベーンロータ14が
進角側に受ける力も小さくなっている。ベーンロータ1
4が最遅角位置から進角側に回転するために必要な油圧
は、弁部材45を設けない場合に比べて高くなっている
ので、各進角油圧室の油圧が上昇しベーンロータ14が
最遅角位置から進角側に回転する前にストッパピストン
30がテーパ穴34aから抜け出し、シューハウジング
11とベーンロータ14との拘束が解除される。これに
より、シューハウジング11に対してベーンロータ14
が相対回動可能になる。これは、油圧室37の油圧上昇
速度が三室を一つのまとまりと見做した進角油圧室全体
の油圧上昇速度よりも速いからである。
【0029】ストッパピストン30がテーパ穴34aか
ら抜け出してから、進角油圧室64、65、66に供給
される作動油圧がさらに上昇すると、ベーンロータ14
は進角側に回転する。これにより、ベーン14bはシュ
ー11aの進角側側面から離隔し進角油圧室65全体に
作動油が供給される。進角油圧室64に加え進角油圧室
65全体に作動油が供給されるので、ベーンロータ14
は速やかに進角側に回転する。
【0030】ストッパピストン30がテーパ穴34aか
ら抜け出た状態でベーンロータ14が最遅角位置から進
角側に回転しストッパピストン30とテーパ穴34aと
の周方向位置がずれることにより、ストッパピストン3
0はテーパ穴34aに嵌合しなくなる。ベーンロータ1
4が進角側に回転してもばね部材46の付勢力により弁
部材45は依然としてベーン14cの遅角側側面に当接
している。ベーンロータ14が所定角度以上進角側に回
転すると、弁部材45はベーン14cの動きに追随でき
なくなりベーン14cの遅角側側面から離隔するので、
進角油圧室66全体に作動油が供給される。進角油圧室
64、65に加え進角油圧室66全体に作動油が供給さ
れると、ベーンロータ14はさらに速やかに進角側に回
転する。このように、ベーンロータ14が最遅角位置か
ら進角側に回転する際、各進角油圧室の油圧上昇速度は
異なっており、油圧室37と連通する進角油圧室64、
進角油圧室65、進角油圧室66の順番に油圧が上昇し
ていく。
【0031】ベーンロータ14が再び最遅角位置に移動
し、各進角油圧室の油圧が低下すると、油圧室37の油
圧も低下する。油圧室37の油圧が低下すると、ストッ
パピストン30はスプリング35の付勢力によりテーパ
穴34aと嵌合し、シューハウジング11に対するベー
ンロータ14の相対回動は拘束される。本発明の第1実
施例では、最遅角位置においてベーン14bがシュー1
1aの進角側側面に当接しているので、ベーンロータ1
4が進角側に回転するまで進角油圧室65全体に作動油
が供給されない。さらに、ばね部材46の付勢力により
弁部材45がベーン14cの遅角側側面に当接している
間は進角油圧室66全体に作動油が供給されない。した
がって、最遅角位置において三室を一つのまとまりと見
做した進角油圧室全体の作動油から進角側にベーンロー
タ14が油圧を受ける受圧面積は、ベーンロータ14が
最遅角位置から所定角度以上進角側に移動した時に進角
側にベーンロータ14が油圧を受ける受圧面積よりも小
さい。つまり、最遅角位置において三室を一つのまとま
りと見做した進角油圧室全体の作動油から進角側にベー
ンロータ14が受ける力が小さいので、各進角油圧室の
油圧が上昇しベーンロータ14が最遅角位置から進角側
に移動可能になる前に油圧室37の油圧から受ける力に
よりストッパピストン30はテーパ穴34aから抜け出
す。ストッパピストン30がテーパ穴34aから抜け出
す前にベーンロータ14が進角側に回転しないので、ス
トッパピストン30にベーンロータ14の回転力が加わ
ることを防止できる。このため、ストッパピストン30
の円滑な往復移動が可能となる。
【0032】(変形例)図3に第1実施例の変形例を示
す。弁部材45およびばね部材46はストッパピストン
30を収容するベーン14aの遅角側に位置するシュー
11cに収容されている。弁部材45はばね部材46の
付勢力によりベーン14aの遅角側側面に押し当てられ
ており、弁部材45はばね部材46の付勢力によりベー
ン14aの動きに追随してベーン14aの遅角側側面に
当接した状態を保持するので、ベーンロータ14が所定
角度以上進角側に回転しないとベーン14aの遅角側側
面から離隔しない。
【0033】したがって、図3に示す最遅角位置から進
角側にベーンロータ14を回転させるために切換弁を切
換えて遅角油圧室61、62、63を大気開放し、進角
油圧室64、65、66に作動油を供給しても、油路5
7から進角油圧室64に供給される作動油は最遅角位置
から進角側に向かう所定角度範囲において弁部材45に
遮られ進角油圧室64全体に供給されない。したがっ
て、弁部材45がベーン14aに当接している間、ベー
ン14aが作動油から進角側に受ける力は小さい。
【0034】一方、油圧室37と連通する油路67は作
動油供給時の油路57の出口側と連通しているので、弁
部材45がベーン14aに当接していても油路67を介
して油圧室37に作動油を供給可能である。さらに、作
動油が弁部材45に遮られ進角油圧室64全体に供給さ
れないので、シュー11cに弁部材45を設置しない第
1実施例に比べ油路67を通って速やかに作動油が油圧
室37に供給され、油圧室37の油圧が上昇する。した
がって、三室を一つのまとまりと見做した進角油圧室全
体の作動油からベーンロータ14が進角側に力を受け進
角側に回転する前に、ストッパピストン30がテーパ穴
34aから抜け出し、シューハウジング11とベーンロ
ータ14との拘束が解除される。これにより、シューハ
ウジング11に対してベーンロータ14が相対回動可能
になる。
【0035】変形例では、弁部材45およびばね部材4
6をストッパピストン30を収容するベーン14aの遅
角側に位置するシュー11cに配置することにより、第
1実施例よりも油圧室37の油圧上昇速度が速くなる。
したがって、ベーンロータ14がシューハウジング11
に対し最遅角位置から進角側に回転する前に確実にテー
パ穴34aからストッパピストン30が抜け出すので、
ストッパピストン30がベーンロータ14とシューハウ
ジング11との相対回動を阻害することはない。
【0036】第1実施例および変形例では異なるシュー
11b、11cに弁部材45およびばね部材46を一組
設置したが、二つのシュー11b、11cにそれぞれ弁
部材45およびばね部材46を設置してもよい。 (第2実施例)本発明の第2実施例を図4に示す。第1
実施例と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。
【0037】ベーンロータ14のボス部14dの端面に
形成された油路70は、油路57、58、59を介して
進角油圧室64、65、66に作動油を供給するもので
ある。油路55から油路58、59に至る油路70中
に、油路径を絞った絞り構造としての絞り部70aが設
けられている。図3に示す最遅角位置から各進角油圧室
64、65、66に作動油を供給してベーンロータ14
を進角側に回転させる場合、油路70に絞り部70aが
設けられているので、進角油圧室64の油圧上昇速度は
進角油圧室65、66の油圧上昇速度よりも速い。これ
に伴い油圧室37の油圧も進角油圧室65、66に比較
して油圧の上昇速度が早い。したがって、三室を一つの
まとまりと見做した進角油圧室全体の作動油からベーン
ロータ14が進角側に力を受け進角側に回転可能になる
前に、ストッパピストン30がテーパ穴34aから抜け
出し、シューハウジング11とベーンロータ14との拘
束が解除される。これにより、シューハウジング11に
対してベーンロータ14が相対回動可能になる。
【0038】第2実施例では、油圧室37と連通する進
角油圧室64を除く進角油圧室65、66に作動油を供
給する油路70の径を小さくして絞り部70aを設ける
ことにより、部品点数を増加することなくベーンロータ
14が最遅角位置から進角側に回転する前にストッパピ
ストン30がテーパ穴34aから抜け出すことができ
る。したがって、ストッパピストン30がベーンロータ
14とシューハウジング11との相対回動を阻害するこ
とはない。
【0039】(第3実施例)本発明の第3実施例を図5
に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分には同一符
号を付す。油路56から進角油圧室65、66に作動油
を供給する油路71、72の油路径は進角油圧室64に
作動油を供給する油路57の油路径よりも小さい。つま
り、油路71、72は絞り構造を構成しているので、進
角油圧室64の油圧上昇速度は進角油圧室65、66の
油圧上昇速度よりも速い。これに伴い進角油圧室64と
連通している油圧室37の油圧上昇速度は進角油圧室6
5、66の油圧上昇速度よりも速い。したがって、三室
を一つのまとまりと見做した進角油圧室全体の作動油か
らベーンロータ14が進角側に力を受け進角側に回転可
能になる前に、ストッパピストン30がテーパ穴34a
から抜け出し、シューハウジング11とベーンロータ1
4との拘束が解除される。これにより、シューハウジン
グ11に対してベーンロータ14が相対回動可能にな
る。
【0040】第3実施例では、油圧室37と連通する進
角油圧室64を除く進角油圧室65、66に作動油を直
接供給する油路71、72の径を小さくしているので、
部品点数を増加することなくベーンロータ14が最遅角
位置から進角側に回転する前にストッパピストン30が
テーパ穴34aから抜け出すことができる。したがっ
て、ストッパピストン30がベーンロータ14とシュー
ハウジング11との相対回動を阻害することはない。
【0041】(第4実施例)本発明の第4実施例を図6
および図7に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分
には同一符号を付す。油路73はベーンロータ14内に
形成されており、進角油圧室64を経由しないで油路5
5と油圧室37とを直接連通している。したがって、油
路55から油路73を介して油圧室37に至る油路長
は、油路55、56から油路57、58、59を介して
進角油圧室64、65、66に至る油路長よりも短い。
これにより、油圧室37の油圧上昇速度は進角油圧室6
4、65、66の油圧上昇速度よりも速くなる。図6に
示す最遅角位置から各進角油圧室64、65、66に作
動油を供給してベーンロータ14を進角側に回転させる
場合、三室を一つのまとまりと見做した進角油圧室全体
の作動油からベーンロータ14が進角側に力を受け進角
側に回転可能になる前に、ストッパピストン30がテー
パ穴34aから抜け出し、シューハウジング11とベー
ンロータ14との拘束が解除される。これにより、シュ
ーハウジング11に対してベーンロータ14が相対回動
可能になる。
【0042】第4実施例では、進角油圧室64を経由し
ないで油路56と油圧室37とを直接連通する油路73
を設けることにより、部品点数を増加することなくベー
ンロータ14が最遅角位置から進角側に回転する前にス
トッパピストン30がテーパ穴34aから抜け出すこと
ができる。したがって、ストッパピストン30がベーン
ロータ14とシューハウジング11との相対回動を阻害
することはない。
【0043】(第5実施例)本発明の第5実施例を図8
に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分には同一符
号を付す。油路55は進角油圧室64に連通する油路5
7とだけ連通している。ストッパピストン30を拘束解
除方向に押し出す油圧を加える油圧室37は油路67を
介して進角油圧室64に連通している。油路75は油圧
ポンプから油路55までの作動油供給径路から分岐して
形成され、油路55の作動油供給量と油路75の作動油
供給量はほぼ等しい。油路75はベーンロータ14のボ
ス部14dの端面に円弧状に設けられた油路76と連通
しており、油路76は、進角油圧室65、66に連通す
る油路58、59と連通している。
【0044】三室存在する進角油圧室の内一つの進角油
圧室64に一つの油路55が作動油を供給しているのに
対し、油路75は三室の内進角油圧室64を除く二つの
進角油圧室65、66に作動油を供給している。したが
って、進角油圧室64の油圧上昇速度は進角油圧室6
5、66の油圧上昇速度よりも速いので、進角油圧室6
4と連通している油圧室37の油圧上昇速度は進角油圧
室65、66の油圧上昇速度よりも速くなる。
【0045】図8に示す最遅角位置から各進角油圧室6
4、65、66に作動油を供給してベーンロータ14を
進角側に回転させる場合、三室を一つのまとまりと見做
した進角油圧室全体の作動油からベーンロータ14が進
角側に力を受け進角側に回転可能になる前に、ストッパ
ピストン30がテーパ穴34aから抜け出し、シューハ
ウジング11とベーンロータ14との拘束が解除され
る。これにより、シューハウジング11に対してベーン
ロータ14が相対回動可能になる。
【0046】第5実施例では、進角油圧室65、66に
作動油を供給する油路75を新たに形成することによ
り、部品点数を増加することなくベーンロータ14が最
遅角位置から進角側に回転する前にストッパピストン3
0がテーパ穴34aから抜け出すことができる。したが
って、ストッパピストン30がベーンロータ14とシュ
ーハウジング11との相対回動を阻害することはない。
【0047】以上説明した変形例を含む第1実施例〜第
5実施例の吸気弁用のバルブタイミング調整装置におい
て用いた、三室を一つのまとまりと見做した進角油圧室
全体の油圧上昇速度よりも油圧室37の油圧上昇速度を
速くする構成を組み合わせて用いることも可能である。 (第6実施例)本発明の第6実施例を図9に示す。第1
実施例と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。第
6実施例のバルブタイミング調整装置3は油圧制御式で
あり、排気弁のバルブタイミングを制御するものであ
る。
【0048】油路80はベーンロータ14の軸方向に形
成され、ベーンロータ14のボス部14dの端面に形成
された円弧状の油路81と連通している。油路81は、
油路82、83、84によりそれぞれ遅角油圧室61、
62、63と連通している。第6実施例では、遅角油圧
室61、62、63はそれぞれベーン圧力室を構成して
いる。また、遅角油圧室61、62、63をまとめてベ
ーン圧力室と見做してもよい。ストッパピストン30を
拘束解除方向に押し出す油圧を加える油圧室37は、油
路85を介して遅角油圧室61に連通している。弁部材
45およびばね部材46はシュー11aの遅角側側面に
配置されている。
【0049】シューハウジング11に対してベーンロー
タ14が図9に示す最進角位置にあるとき、つまりクラ
ンクシャフトに対してカムシャフト2が最進角位置にあ
るときにストッパピストン30はテーパ穴に嵌合可能で
ある。第6実施例において、最進角位置とは収容室であ
る扇状空間部60の一方の周方向端部を表し、最遅角位
置とは収容室である扇状空間部60の他方の周方向端部
を表している。さらに、最進角位置とはストッパピスト
ン30とテーパ穴との拘束位置を表し、最進角位置から
遅角側にベーンロータ14が回転した位置がストッパピ
ストン30とテーパ穴との非拘束位置を表している。
【0050】エンジン始動後、まず各進角油圧室に作動
油が供給される。この状態において、各遅角油圧室は大
気開放されているので、各進角油圧室に供給される作動
油の油圧によりベーンロータ14は進角側に押されてい
る。油圧室37は遅角油圧室61と同様に大気開放され
ているので、ストッパピストン30はテーパ穴に嵌合し
たままである。したがって、ベーンロータ14とシュー
ハウジング11とは強固に拘束されているので、排気弁
を駆動する際にカムシャフト2が正・負のトルク変動を
受けてもシューハウジング11とベーンロータ14とが
衝突して打音を発生することを防止する。
【0051】弁部材45はばね部材46の付勢力により
ベーン14aの進角側側面に押し当てられており、弁部
材45はばね部材46の付勢力によりベーン14aの動
きに追随してベーン14aの進角側側面に当接した状態
を保持するので、ベーンロータ14が所定角度以上遅角
側に回転しないと弁部材45はベーン14aの進角側側
面から離隔しない。
【0052】図9に示す最進角位置から遅角側にベーン
ロータ14を回転させるために切換弁を切換えて進角油
圧室64、65、66を大気開放し、遅角油圧室61、
62、63に作動油を供給しても、油路82から遅角油
圧室61に供給される作動油は最進角位置から遅角側に
向かう所定角度範囲において弁部材45に遮られ遅角油
圧室61全体に供給されない。図9に示す最進角位置に
おいて、ベーン14a、14b、14cがそれぞれ遅角
油圧室61、62、63に供給される作動油から遅角側
に油圧を受ける受圧面積の合計は、シュー11aに弁部
材45およびばね部材46を設置しない場合に比べ小さ
くなっている。つまり、最進角位置において遅角油圧室
全体の作動油からベーンロータ14が遅角側に油圧を受
ける受圧面積は、ベーンロータ14が最進角位置から所
定角度遅角側に移動し弁部材45がベーン14aの進角
側側面から離隔した時に遅角油圧室全体の作動油からベ
ーンロータ14が遅角側に油圧を受ける受圧面積よりも
小さい。したがって、弁部材45がベーン14aに当接
している間、ベーン14aが作動油から進角側に受ける
力は小さい。
【0053】一方、油圧室37と連通する油路85は作
動油供給時の油路82の出口側と連通しているので、弁
部材45がベーン14aに当接していても油路85を介
して油圧室37に作動油を供給可能である。さらに、作
動油が弁部材45に遮られ遅角油圧室61全体に供給さ
れないので、シュー11aに弁部材45を設置しない場
合に比べ油路85を通って速やかに作動油が油圧室37
に供給され、油圧室37の油圧が上昇する。したがっ
て、三室を一つのまとまりと見做した遅角油圧室全体の
作動油からベーンロータ14が進角側に力を受け進角側
に回転する前に、ストッパピストン30がテーパ穴34
aから抜け出し、シューハウジング11とベーンロータ
14との拘束が解除される。これにより、シューハウジ
ング11に対してベーンロータ14が相対回動可能にな
る。
【0054】変形例を含む第1実施例〜第5実施例の吸
気弁用のバルブタイミング調整装置で用いた三室を一つ
のまとまりと見做した進角油圧室全体の油圧上昇速度よ
りも油圧室37の油圧上昇速度を速くする構成を、三室
を一つのまとまりと見做した遅角油圧室全体の油圧上昇
速度よりも油圧室37の油圧上昇速度を速くする構成に
して第6実施例に示したような排気弁用バルブタイミン
グ調整装置に用いることも可能である。また、変形例を
含む第1実施例〜第5実施例の吸気弁用のバルブタイミ
ング調整装置で用いた三室を一つのまとまりと見做した
進角油圧室全体の油圧上昇速度よりも油圧室37の油圧
上昇速度を速くする構成を組合わせて、排気弁用バルブ
タイミング調整装置に用いることも可能である。
【0055】以上説明した本発明の複数の上記実施例で
は、ストッパピストン30とテーパ穴との拘束位置から
シューハウジング11に対しベーンロータ14が進角側
または遅角側に移動する前にストッパピストン30がテ
ーパ穴から抜け出すので、ストッパピストン30がベー
ンロータ14とシューハウジング11との相対回動を阻
害することはない。
【0056】また上記複数の実施例では、ベーンを三つ
有するベーンロータ14について説明したが、ベーンの
数は構成上可能であれば一つまたはそれ以上のいくつで
も構わない。また上記複数の実施例では、ストッパピス
トン30をほぼ同一外径に形成しているので、ストッパ
ピストン30の加工が容易になり、製造コストを低減で
きる。さらに進角側の油圧を受ける受圧面を大きくでき
るので、エンジン回転数が低下し進角側の油圧が低下し
ても、確実にテーパ穴からストッパピストン30を抜け
出させることができる。
【0057】また上記複数の実施例では、ストッパピス
トン30がベーンロータ14の軸方向に移動してテーパ
穴に嵌合する構成としたが、ストッパピストンがベーン
ロータの径方向に移動してテーパ穴に嵌合する構成とし
てもよい。また、シューハウジングにストッパピストン
を収容することも可能である。また本発明の複数の実施
例では、タイミングプーリによりクランクシャフトの回
転駆動力をカムシャフトに伝達する構成を採用したが、
チェーンスプロケットやタイミングギア等を用いる構成
にすることも可能である。また、駆動軸としてのクラン
クシャフトの駆動力をベーンロータで受け、従動軸とし
てのカムシャフトとシューハウジングとを一体に回転さ
せることも可能である。
【0058】また本発明の複数の実施例では、吸気弁ま
たは排気弁のいずれか一方を駆動するバルブタイミング
調整装置について説明したが、吸気弁および排気弁の両
方を駆動するバルブタイミング調整装置に本発明のバル
ブタイミング調整装置を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるバルブタイミング調
整装置を示す図2のI−I線断面図である。
【図2】第1実施例によるバルブタイミング調整装置を
示す縦断面図である。
【図3】第1実施例の変形例を示す横断面図である。
【図4】本発明の第2実施例によるバルブタイミング調
整装置を示す横断面図である。
【図5】本発明の第3実施例によるバルブタイミング調
整装置を示す横断面図である。
【図6】本発明の第4実施例によるバルブタイミング調
整装置を示す図7のVI−VI線断面図である。
【図7】第4実施例によるバルブタイミング調整装置を
示す縦断面図である。
【図8】本発明の第5実施例によるバルブタイミング調
整装置を示す横断面図である。
【図9】本発明の第6実施例によるバルブタイミング調
整装置を示す横断面図である。
【符号の説明】
1、3 バルブタイミング装置 2 カムシャフト(従動軸) 10 タイミングプーリ 11 シューハウジング(ハウジング部材) 11a、11b、11c シュー 14 ベーンロータ 14a、14b、14c ベーン(ベーン部材) 15 リア部材(ハウジング部材) 30 ストッパピストン(当接部) 34a テーパ穴(被当接部) 60 扇状空間部(収容室)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の駆動軸から内燃機関の吸気弁
    および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉する従動
    軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記駆
    動軸または前記従動軸のいずれか一方とともに回転する
    ハウジング部材と、 前記駆動軸または前記従動軸の他方とともに回転し、前
    記ハウジング部材内に形成された収容室に所定角度範囲
    に限り前記ハウジング部材に対し相対回動可能に収容さ
    れるベーン部材と、 前記ハウジング部材と前記ベーン部材とにそれぞれ設け
    られる当接部および被当接部であって、前記収容室の一
    方の周方向端部に前記ベーン部材が位置するときに互い
    に当接することにより前記ハウジング部材に対する前記
    ベーン部材の相対回動を拘束する当接部および被当接
    部、ならびに前記被当接部との当接方向へ前記当接部を
    付勢する付勢手段を有し、前記付勢手段の付勢力に抗し
    前記当接部を拘束解除方向に変位可能に構成される拘束
    手段とを備え、 前記一方の周方向端部から前記収容室の他方の周方向端
    部側に前記ベーン部材が移動する際、拘束解除方向に前
    記当接部を変位させる流体圧力が加わる解除圧力室の圧
    力は、前記他方の周方向端部側に前記ベーン部材を移動
    させる流体圧力が加わるベーン圧力室の圧力よりも速く
    上昇することを特徴とする内燃機関用バルブタイミング
    調整装置。
  2. 【請求項2】 複数の前記ベーン部材と前記他方の周方
    向端部側に各ベーン部材を移動させる複数の前記ベーン
    圧力室を有し、複数の前記ベーン圧力室の圧力上昇速度
    が異なることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用バ
    ルブタイミング調整装置。
  3. 【請求項3】 前記ベーン圧力室に作動流体を供給する
    流路を開閉する弁構造を有することを特徴とする請求項
    1または2記載の内燃機関用バルブタイミング調整装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ベーン圧力室に作動流体を供給する
    流路に流体流量を規制する絞り構造を設けることを特徴
    とする請求項1または2記載の内燃機関用バルブタイミ
    ング調整装置。
  5. 【請求項5】 前記解除圧力室に作動流体を供給する流
    路長は、前記ベーン圧力室に作動流体を供給する流路長
    よりも短いことを特徴とする請求項1または2記載の内
    燃機関用バルブタイミング調整装置。
  6. 【請求項6】 前記ベーン圧力室は三室以上設けられて
    おり、一つの前記ベーン圧力室は一つの油路から作動流
    体を供給され、前記一つのベーン圧力室を除いた他の少
    なくとも二つ以上の前記ベーン圧力室は前記一つの流路
    とほぼ同一流体流量を有する他の一つの流路から作動流
    体を供給されていることを特徴とする請求項2記載の内
    燃機関用バルブタイミング調整装置。
  7. 【請求項7】 内燃機関の駆動軸から内燃機関の吸気弁
    および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉する従動
    軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記駆
    動軸または前記従動軸のいずれか一方とともに回転する
    ハウジング部材と、 前記駆動軸または前記従動軸の他方とともに回転し、前
    記ハウジング部材内に形成された収容室に所定角度範囲
    に限り前記ハウジング部材に対し相対回動可能に収容さ
    れるベーン部材と、 前記ハウジング部材と前記ベーン部材とにそれぞれ設け
    られる当接部および被当接部であって、前記収容室の一
    方の周方向端部に前記ベーン部材が位置するときに互い
    に当接することにより前記ハウジング部材に対する前記
    ベーン部材の相対回動を拘束する当接部および被当接
    部、ならびに前記被当接部との当接方向へ前記当接部を
    付勢する付勢手段を有し、流体圧力から受ける力により
    前記付勢手段の付勢力に抗し前記当接部を拘束解除方向
    に変位可能に構成される拘束手段とを備え、 前記拘束手段の拘束位置において前記収容室の他方の周
    方向端部側に流体圧力を受ける前記ベーン部材の受圧面
    積は、前記拘束手段の非拘束位置において前記他方の周
    方向端部側に流体圧力を受ける前記ベーン部材の受圧面
    積よりも小さいことを特徴とする内燃機関用バルブタイ
    ミング調整装置。
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