JPH11209693A - 塗膜の形成方法及びその塗装物 - Google Patents

塗膜の形成方法及びその塗装物

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JPH11209693A
JPH11209693A JP1126298A JP1126298A JPH11209693A JP H11209693 A JPH11209693 A JP H11209693A JP 1126298 A JP1126298 A JP 1126298A JP 1126298 A JP1126298 A JP 1126298A JP H11209693 A JPH11209693 A JP H11209693A
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伸一 工藤
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宏司 木下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光沢保持性、耐曝露汚染性、耐酸
性ならびに耐アルカリ性などの、いわゆる総合的な耐久
性に優れると共に、極めて高い鮮映性を有する硬化塗膜
を与える塗膜の形成方法及び塗装物を目的とする。 【解決手段】 基材に、あるいは、予め、皮膜が形成さ
れた基材に、ポリシロキサンと該ポリシロキサン以外の
重合体とからなる複合樹脂を水性媒体中に分散もしくは
溶解せしめて得られる水性樹脂(A)を必須成分として含
有する、硬化性クリヤー塗料(I)を塗装せしめ、次い
で、硬化せしめることを特徴とする塗膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る塗膜の形成方法ならび当該塗膜の形成方法により塗装
された塗装物に関する。さらに詳細には、本発明は、ポ
リシロキサンと該ポリシロキサン以外の重合体とからな
る複合樹脂を水性媒体中に分散もしくは溶解せしめて得
られる水性樹脂(A)を、必須成分として含有する、ある
いは、該水性樹脂(A)に加えて、該水性樹脂に含まれる
官能基と反応する官能基を有する化合物をも、必須成分
として含有する、硬化性クリヤー塗料を、上塗り塗料と
して使用することからなる、とりわけ、光沢保持性、耐
曝露汚染性ならびに耐酸性雨性などのような、いわゆる
耐久性などに優れる塗膜を形成することのできる、斬新
にして実用性の高い、塗膜の形成方法に関するものであ
るし、さらに、かかる塗膜の形成方法により塗装された
塗装物に関するものである。
【0002】そして、本発明のこうした塗膜の形成方法
は、特に、自動車のトップ・コートとして、あるいは自
動車補修塗装用として、さらには、建築物の外壁塗装用
あるいは建材の塗装等の各種の塗装用途に利用されるも
のであり、したがって、塗装物としては、自動車、建材
あるいは建築物の外壁等各種の基材類に塗装されたもの
が対象となる。
【0003】
【従来の技術】近年、地球規模の環境保護や作業環境の
改善などの要求に基づいて、従来型の有機溶剤を含有す
る塗料から、大気中への有機溶剤の揮散量の少ない、水
性硬化性樹脂組成物をベースとした水性塗料への置換が
必要となってきている。
【0004】これまでにも、水性硬化性樹脂組成物をベ
ースとした水性塗料としては、塩基性基ないしは酸基
と、炭素原子に結合した水酸基のような、いわゆる官能
基とを併有するビニル系重合体を、酸性化合物あるいは
塩基性化合物で以て中和せしめたのち、水に分散ないし
は溶解せしめて得られる水性樹脂と、エポキシ樹脂、イ
ソシアネート樹脂またはアミノ樹脂のような、種々の硬
化剤とから成る水性硬化性樹脂(特開平4−35907
5号公報、特開平6−1948号公報、特表平8−51
000号公報、欧州特許EP−661320−A1号公
報)をベースとした水性塗料が、幅広く、使用されてい
る。
【0005】しかしながら、こうした、これまでに使用
されて来たような水性硬化性樹脂組成物をベースとした
水性塗料を、上塗り塗料として使用するという塗膜の形
成方法においては、得られる硬化塗膜は、曝露時の光沢
保持性、耐曝露汚染性ならびに耐酸性雨性などの、いわ
ゆる耐久性などに劣っており、高度の耐久性が必要とさ
れるような用途には、適用できないというような問題が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本発明者ら
は、上述したような従来型技術における種々の問題点
を、悉く解決するべく、鋭意、研究を開始した。
【0007】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、とりわけ、光沢保持性、耐曝露汚染性ならびに耐
酸性雨性などの耐久性に優れる、硬化塗膜を形成するこ
とのできる、極めて実用性の高い、塗膜の形成方法を提
供することにあるし、さらに、かかる塗装の形成方法に
より塗装された塗装物をも提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述したような発明が解決しようとする課題に照準を合
わせて、鋭意研究を重ねた結果、ポリシロキサンと該ポ
リシロキサン以外の重合体とからなる複合樹脂を水性媒
体中に分散もしくは溶解せしめて得られる水性樹脂(A)
を、必須成分として含有する、あるいは、該水樹脂(A)
に加えて、該水性樹脂(A)に含まれる官能基と反応する
官能基を有する化合物をも、必須成分として含有する、
硬化性クリヤー塗料が、
【0009】これを上塗り塗料として使用すると、光沢
保持性、耐酸性雨性ならびに耐曝露汚染性などの耐久性
に優れるとともに、極めて高い鮮映性を有する硬塗膜を
与えることを見いだし、さらには、かかる塗膜の形成方
法により塗装された塗装物が極めて耐久性等の諸性能に
優れるものであることを見いだし、ひいては、上述した
ような発明が解決しようとする課題を、見事に、解決す
ることが出来るということを確信するに及んで、ここ
に、本発明を完成させるに到った。
【0010】すなわち、本発明は、基本的には、基材
に、あるいは、予め、皮膜が形成された基材に、ポリシ
ロキサンと該ポリシロキサン以外の重合体とからなる複
合樹脂を水性媒体中に分散もしくは溶解せしめて得られ
る水性樹脂(A)を、必須成分として含有する、硬化性ク
リヤー塗料(I)、
【0011】あるいは、ポリシロキサンと該ポリシロキ
サン以外の重合体とからなる複合樹脂を水性媒体中に分
散もしくは溶解せしめて得られる水性樹脂(A)と、該水
性樹脂(A)に含まれる官能基と反応する官能基を有する
化合物とを必須成分として含有する、硬化性クリヤー塗
料(I)を塗装せしめ、次いで、硬化せしめるか、ある
いは、基材に、あるいは、予め、皮膜が形成された基材
上に、顔料を含むベース・コート用塗料(II)と、上
記した硬化性クリヤー塗料(I)を、順次、塗装せしめ
たのち、これらの両塗料から形成される塗膜2層を、同
時に、乾燥もしくは硬化せしめるという、とりわけ、耐
久性などに優れた硬化塗膜を与えることのできる、極め
て実用性の高い、塗膜の形成方法を提供しようとするも
のである。
【0012】さらにまた、上述した如き、それぞれの塗
装方法により、基材、あるいは、予め被膜が形成された
基材を塗装せしめて得られる塗装物をも提供しようとす
るものである。
【0013】ここにおいて、まず、本発明の塗膜形成方
法を実施するにあたって用いられる、前記した硬化性ク
リヤー塗料(I)としては、ポリシロキサンとポリシロ
キサン以外の重合体とで構成される複合樹脂を水性媒体
中に分散ないしは溶解せしめて得られる水性樹脂(A)
を、必須成分として含有するものがあるし、
【0014】さらに、当該水性樹脂(A)と、水性樹脂(A)
に含まれる官能基と反応する官能基を有する化合物をも
必須成分として含有するものもある。
【0015】こうした硬化性クリヤー塗料(I)の必須
成分である、水性樹脂(A)の、より具体的なものとして
は、珪素原子に結合した加水分解性基および/または珪
素原子に結合した水酸基を有するポリシロキサンセグメ
ント(A−1)と、水性化のためのアニオン性基、カチ
オン性基およびノニオン性基よりなる群れから選ばれ
る、少なくとも1種の親水性基を有する重合体セグメン
ト(B−1)から構成される複合樹脂(C−1)を、水
性媒体中に分散もしくは溶解せしめて得られる水性樹脂
(W−1)、
【0016】または、前記したポリシロキサンセグメン
ト(A−1)と、水性化のためのアニオン性基、カチオ
ン性基およびノニオン性基よりなる群れから選ばれる、
少なくとも1種の親水性基に加え、該親水性基と、珪素
原子に結合した加水分解性基と、珪素原子に結合した水
酸基との、都合、3種類の基以外の官能基をも併有する
重合体セグメント(B−2)から構成される複合樹脂
(C−2)を、水性媒体中に分散もしくは溶解せしめて
得られる水性樹脂(W−2)、
【0017】加えて、アリール基もしくはシクロアルキ
ル基と加水分解性基が共に結合した珪素原子および/ま
たはアリール基もしくはシクロアルキル基と水酸基が共
に結合した珪素原子を有するポリシロキサンセグメント
(A−2)と、前記した重合体セグメント(B−1)よ
り構成される複合樹脂(C−3)と、常温硬化性を付与
するための珪素原子に結合した加水分解性基および/ま
たは珪素原子に結合した水酸基を有するポリシロキサン
(p)を、混合せしめ、さらに必要に応じて、縮合せし
めたのち、水に分散もしくは溶解せしめて得られる水性
樹脂(W−3)、
【0018】さらには、前記したポリシロキサンセグメ
ント(A−2)と、前記した重合体セグメント(B−
2)より構成される複合樹脂(C−4)と、前記したポ
リシロキサン(p)を、混合せしめ、さらに必要に応じ
て、縮合せしめたのち、水に分散もしくは溶解せしめて
得られる水性樹脂(W−4)などが挙げられる。
【0019】かかる水性樹脂(W−1)、(W−2)、
(W−3)あるいは(W−4)の前駆体である、それぞ
れ、複合樹脂(C−1)、(C−2)、(C−3)ある
いは(C−4)において、それぞれ、ポリシロキサンセ
グメント(A−1)と重合体セグメント(B−1)との
結合様式、ポリシロキサンセグメント(A−1)と重合
体セグメント(B−2)との結合様式、ポリシロキサン
セグメント(A−2)と重合体セグメント(B−1)と
の結合様式、あるいは、ポリシロキサンセグメント(A
−2)と重合体セグメント(B−2)の結合様式として
は、下記の構造式(S−I)とか、下記の構造式(S−
IV)とかの様式を採用できるが、優れた耐久性を有す
る硬化塗膜の形成方法を提供するという観点からは、特
に、構造式(S−I)の結合様式を採用するのが好まし
い。
【0020】
【化8】 (ただし、式中、炭素原子は、重合体セグメント(B−
1)または(B−2)の一部分を構成し、酸素原子のみ
に結合した珪素原子は、ポリシロキサンセグメント(A
−1)または(A−2)の一部分を構成するものとす
る。)
【0021】
【化9】 (ただし、式中、炭素原子は、重合体セグメント(B−
1)または(B−2)の一部分を構成し、他方、珪素原
子は、ポリシロキサンセグメント(A−1)または(A
−2)の一部分を構成するものとする。)
【0022】そして、かかる水性樹脂(W−1)または
(W−2)の前駆体である、複合樹脂(C−1)または
(C−2)を構成する、ポリシロキサンセグメント(A
−1)、あるいは、水性樹脂(W−3)または(W−
4)を調製する際に使用される、ポリシロキサン(p)
としては、下記の構造式(S−II)
【0023】
【化10】 1(ただし、式中のR1は、置換基を有していてもいい
なくてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基およびアルケニル基よりなる群から
選ばれる、少なくとも1種の1価の有機基を表すものと
する。)で示される構造を必須の単位構造として有す
る、即ち、分岐した構造を有するものであることが、優
れた耐久性を有する硬化塗膜の形成方法を提供するとい
う点から、特に好適である。
【0024】また、ポリシロキサンセグメント(A−
1)としては、該ポリシロキサンセグメントを構成する
全珪素原子のうち10モル%以上、好ましくは、20モ
ル%以上、さらに好ましくは、40モル%以上の珪素原
子に、アリール基および/またはシクロアルキル基が結
合したものであることが、得られる水性樹脂の安定性の
点から適切である。
【0025】そして、水性樹脂(W−3)または(W−
4)の前駆体である、複合樹脂(C−3)または(C−
4)を構成する、ポリシロキサンセグメント(A−2)
は、アリール基もしくはシクロアルキル基と加水分解性
基が共に結合した珪素原子および/またはアリール基も
しくはシクロアルキル基と水酸基が共に結合した珪素原
子を有するものであり、線状、分岐状あるいは環状の何
れの構造を有するものであってもよい。
【0026】上述したポリシロキサンセグメント(A−
1)または(A−2)に含有される珪素原子に結合した
アリール基とは、フェニル基、p−トリル基もしくはナ
フチル基等の芳香族残基を指称するが、これらのうち、
実用性の点から、特にフェニル基であることが好まし
い。
【0027】複合樹脂(C−1)、(C−2)、(C−
3)あるいは(C−4)のもう一方の構成成分である、
重合体セグメント(B−1)または(B−2)として
は、アクリル系重合体、フルオロオレフィン系重合体、
ビニルエステル系重合体、芳香族ビニル系重合体または
ポリオレフィン系重合体の如き、各種のビニル系重合体
に由来するものがあるし、さらには、ポリエステル系重
合体、アルキド系重合体またはポリウレタン系重合体な
どのビニル系重合体以外の重合体に由来するものがあ
る。
【0028】これらのうちでも特に好ましいものとして
は、ビニル系重合体セグメントまたはポリウレタン系重
合体セグメントが挙げられ、さらに、ビニル重合体セグ
メントのうちで特に望ましいものとしては、アクリル系
重合体セグメントおよびフルオロオレフィン系重合体セ
グメントが挙げられる。
【0029】そして、水性樹脂(W−1)または(W−
2)における、ポリシロキサンセグメント(A−1)
と、重合体セグメント(B−1)または(B−2)との
比率は、(A−1):(B−1)または(B−2)なる
重量割合として、5:95〜95:5程度になるよう
に、好ましくは、10:90〜90:10になるよう
に、さらに好ましくは、10:90〜80:20になる
ように設定するのがよい。
【0030】水性樹脂(W−3)または(W−4)を調
製する際に、それらの前駆体である複合樹脂(C−3)
または(C−4)を構成する、ポリシロキサンセグメン
ト(A−2)と、重合体セグメント(B−1)または
(B−2)との比率は、(A−2):(B−1)または
(B−2)との重量割合として、1:99〜95:5程
度となるように、好ましくは、5:95〜90:10に
なるように、さらに好ましくは、10:90〜80:2
0になるように設定すればよい。
【0031】また、水性樹脂(W−3)または(W−
4)において、ポリシロキサン(p)に由来するポリシ
ロキサンとポリシロキサンセグメント(A−2)との合
計量と、重合体セグメント(B−1)または(B−2)
との比率は、[(A−2)+(p)に由来するポリシロ
キサン]:(B−1)または(B−2)なる重量割合と
して、5:95〜95:5程度になるように、好ましく
は、10:90〜90:10になるように、さらに好ま
しくは、10:90〜80:20になるように設定する
のがよい。
【0032】重合体セグメント(B−1)または(B−
2)の重量割合が約5%未満になるように設定すると、
どうしても、ポリシロキサン成分が多すぎるために、本
発明の方法により形成される硬化塗膜の耐アルカリ性が
低くなったり、クラックが発生しやすくなったりする
し、一方、重合体セグメント(B−1)または(B−
2)の重量割合が約95%を超えて余りにも多くなるよ
うな場合には、どうしても、ポリシロキサン成分が少な
すぎるために、本発明の方法により形成される硬化塗膜
の耐曝露汚染性や光沢保持性等の耐久性が低くなったり
するので、いずれの場合も好ましくない。
【0033】そして更に、水性樹脂(W−3)または
(W−4)において、ポリシロキサン(p)に由来する
ポリシロキサンとポリシロキサンセグメント(A−2)
とからなる全ポリシロキサン成分のうち、ポリシロキサ
ンセグメント(A−2)が占める割合を、該全ポリシロ
キサンを構成する珪素原子のモル%として、5〜90モ
ル%に、好ましくは、10〜80モル%に、さらに好ま
しくは15〜75モル%に設定するのが、水性樹脂(W
−3)または(W−4)の安定性および硬化性バランス
の点から好適である。
【0034】また、ポリシロキサンセグメント(A−
1)もしくは(A−2)に、または、ポリシロキサン
(p)に、さらには後掲するポリシロキサン(a−1)
もしくは(a−2)に、さらに亦、後掲の重合体(b−
1)、(b−2)、(b−3)あるいは(b−4)に、
含有される珪素原子に結合した加水分解性基とは、容易
に加水分解を受けて脱離して珪素原子に結合した水酸
基、即ち、シラノール基、を生じさせる基を指称し、そ
の代表的なものとしては、アルコキシ基、置換アルコキ
シ基、アシロキシ基、ハロゲン原子、アルケニルオキシ
基、フェノキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド
基、アミノオキシ基、イミノオキシ基もしくは水素原子
等がある。
【0035】そして、これらの加水分解性基のうちで、
特に好ましいものの一つとして、アルコキシ基が挙げら
れる。
【0036】重合体セグメント(B−1)または(B−
2)中に含まれる、アニオン性基しては公知慣用の各種
のものが導入されるが、特に、好ましいものとしては、
塩基性化合物で以て中和された各種の酸基が挙げられ
る。
【0037】そして、かかる酸基の代表的なものとして
は、カボキシル基、燐酸基、酸性燐酸エステル基、亜燐
酸基、スルホン酸基もしくはスルフィン酸基などが挙げ
られる。
【0038】そして、上述した如き酸基を中和してアニ
オン性基に変換する際に使用される塩基性化合物の代表
的なものとしては、メチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、2−アミノエタノールもしくは2−ジメ
チルアミノエタノールなどの各種の有機アミン類;アン
モニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムもしくは水
酸化カリウムなどの各種の無機塩基性物質;
【0039】テトラメチルアンモニウムハイドロオキサ
イド、テトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロオキサ
イドもしくはトリメチルベンジルアンモニウムハイドロ
オキサイドの如き、各種の第四級アンモニウムハイドロ
オキサイドなどが挙げられる。
【0040】また、重合体(B−1)または(B−2)
中に含まれる、カチオン性基としては公知慣用の各種の
ものが導入されるが、特に好ましいものとしては、酸性
化合物で以て中和された塩基性基が挙げられる。
【0041】そして、かかる塩基性基の代表的なものと
しては、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基お
よび4級アンモニウムヒドロオキシド基などが挙げられ
る。
【0042】そして、かかる塩基性基を中和する際に使
用される酸性化合物の代表的なものとしては、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸または乳酸などの各種のカルボン酸
類;燐酸モノメチルエステルまたは燐酸ジメチルエステ
ルなどの燐酸の各種のモノ−ないしはジエステル類;
【0043】メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸も
しくはドデシルベンゼンスルホン酸の如き、各種の有機
スルホン酸類;さらには、塩酸、硫酸、硝酸もしくは燐
酸の如き種々の無機酸などが挙げられる。
【0044】さらに亦、重合体セグメント(B−1)ま
たは(B−2)に含有される、ノニオン性基としての、
ポリエーテル鎖としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリ
オキシプロピレン鎖またはポリオキシブチレン鎖の如き
各種のポリオキシアルキレン鎖があるし、さらには、ポ
リ(オキシエチレン−オキシプロピレン)鎖の如き、前
記したオキシアルキレン部分がランダムに共重合された
形のもの、あるいは、ポリオキシエチレン−ポリオキシ
プロピレン鎖の如き、相異なるポリオキシアルキレン鎖
がブロック状に結合した形のもの、等各種のものが挙げ
られる。
【0045】そして、重合体セグメント(B−1)また
は(B−2)に含有される親水性基としては、前記した
アニオン性基、カチオン性基またはノニオン性基を単独
で使用しても良いし、アニオン性基またはカチオン性基
と、ノニオン性基とを併用して使用することも可能であ
る。
【0046】重合体セグメント(B−1)または(B−
2)に、かかるアニオン性基またはカチオン性基を親水
性基として導入する場合、その導入量としては、当該重
合体セグメントの1,000グラム当たりのアニオン性
基またはカチオン性基のモル数として、約0.1モル〜
約10モルなる範囲内が適切であるし、好ましくは、
0.2〜5モルなる範囲内が適切であるし、最も好まし
くは、0.3〜3モルなる範囲内が適切である。
【0047】また、重合体セグメント(B−1)または
(B−2)に、かかるノニオン性基としてのポリエーテ
ル鎖のみを親水性基として導入する場合、その導入量と
しては、当該重合体セグメントの1,000グラム当た
りのポリエーテル鎖のグラム数として、約10〜約99
0グラムなる範囲内が適切であるし、好ましくは、20
〜900グラムなる範囲内が適切であるし、最も好まし
くは、40〜800グラムなる範囲内が適切である。
【0048】さらに、重合体セグメント(B−1)また
は(B−2)に、かかるアニオン性基またはカチオン性
基とノニオン性基としてのポリエーテル鎖との両者を親
水性基として導入する場合、それぞれを単独で導入する
場合の導入量として上述した如き範囲内で、それぞれを
導入することが好ましい。
【0049】上記した重合体セグメント(B−2)に導
入される、親水性基と珪素原子に結合した加水分解性基
と珪素原子に結合した水酸基なる、都合、3種類の基以
外の官能基[以下、官能基(Fu)とも云う。]として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、炭素原
子に結合した水酸基、炭素原子に結合し、且つ、ブロッ
クされた水酸基(以下、ブロック水酸基とも云う)、カ
ルボキシル基、ブロックされたカルボキシル基(以下、
ブロックカルボキシル基とも云う)、カルボン酸無水
基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、シク
ロカーボネート基、エポキシ基、オキサゾリン基、1級
アミド基、2級アミド基、カーバメート基および、下記
の構造式(S−III)
【0050】
【化11】
【0051】で示される官能基などである。
【0052】そして、上記した2級アミド基は、N−ヒ
ドロキシメチルアミド基、炭素原子が1〜8なるアルコ
キシ基を有するN−アルコキシメチルアミド基または次
のような構造式(S−V)
【0053】
【化12】 −C(O)−NH−CH(OR2)−COOR3 (S−V)
【0054】(ただし、式中のR2 は水素原子、炭素数
が1〜8なるアルキル基またはアリール基を表わし、ま
た、R3 は炭素数が1〜8なるアルキル基またはアリー
ル基を表わすものとする。)
【0055】で示される官能基をも包含するというもの
である。
【0056】しかしながら、重合体セグメント(B−
2)が親水性基としてカチオン性基を有する場合には、
かかる官能基のうち1級アミノ基、2級アミノ基もしく
は3級アミノ基の如きアミノ基は、官能基(Fu)とし
て、当該重合体セグメント(B−2)に、ことさらに導
入されることはない。
【0057】また、重合体セグメント(B−2)が親水
性基としてアニオン性基を有する場合には、かかる官能
基のうちカルボキシル基、ブロックカルボキシル基、も
しくはカルボン酸無水基の如きカルボキシル基あるいは
カルボキシル基より誘導される官能基は、官能基(F
u)として、当該重合体セグメント(B−2)に、こと
さらに導入されることはない。
【0058】また、これらの官能基は、重合体セグメン
ト(B−2)中に、1種のみを含有させてもよいし、2
種以上を含有させることもできる。
【0059】上述した、官能基(Fu)のうちでも特に
望ましいものとしては、炭素原子に結合した水酸基、ブ
ロック水酸基、3級アミノ基、カルボキシル基、ブロッ
クカルボキシル基、カルボン酸無水基、シクロカーボネ
ート基、エポキシ基、1級アミド基、2級アミド基、カ
ーバメート基または前掲した構造式(S−III)で示
されるような官能基などである。
【0060】かかる官能基(Fu)の重合体セグメント
(B−2)中への導入量としては、当該重合体の固形分
1,000グラムあたり、約0.1〜約5モルなる範囲
が適切であり、好ましくは、0.2〜3モルなる範囲が
適切であり、さらに一層好ましくは、0.3〜2モルな
る範囲が適切である。
【0061】次に、前記した水性樹脂(W−1)または
(W−2)の調製方法について述べることにする。
【0062】まず、水性樹脂(W−1)または(W−
2)のうち、それらの前駆体である複合樹脂(C−1)
または(C−2)として、上述した如く特に好ましいも
のである、ポリシロキサンセグメント(A−1)と重合
体セグメント(B−1)または(B−2)とが前記した
構造式(S−I)で示される結合を介して複合化してい
るものを使用する場合の調製方法について述べる。
【0063】かかる複合樹脂(C−1)または(C−
2)を調製する方法としては、例えば、(イ)遊離の酸
基、遊離の塩基性基およびノニオン性基から成る群より
選ばれる少なくとも一種の極性基と、珪素原子に結合し
た加水分解性基および/または珪素原子に結合した水酸
基とを併有する重合体、または当該極性基と珪素原子に
結合した加水分解性基および/または珪素原子に結合し
た水酸基に加え、上述した官能基(Fu)のうち酸基
(ブロック酸基、酸無水物を含む)または塩基性基以外
の官能基をも含有する重合体と、珪素原子に結合した加
水分解性基および/または珪素原子に結合した水酸基を
有するポリシロキサン(a−1)とを反応せしめて、ポ
リシロキサン(a−1)および前記した各重合体に含有
される珪素原子に結合した加水分解性基および/または
珪素原子に結合した水酸基どうしの反応により構造式
(S−I)で示される結合を介して複合化させた後、含
有される遊離の酸基あるいは遊離の塩基性基を塩基性化
合物または酸性化合物で中和する方法、
【0064】(ロ)中和された酸基、中和された塩基性
基およびノニオン性基から成る群より選ばれる少なくと
も一種の親水性基と、珪素原子に結合した加水分解性基
および/または珪素原子に結合した水酸基とを併有する
重合体、または当該親水性基と珪素原子に結合した加水
分解性基および/または珪素原子に結合した水酸基に加
え、上述した官能基(Fu)をも含有する重合体と、前
記したポリシロキサン(a−1)とを反応せしめて、ポ
リシロキサン(a−1)および前記した各重合体に含有
される珪素原子に結合した加水分解性基および/または
珪素原子に結合した水酸基どうしの反応により構造式
(S−I)で示される結合を介して複合化させる方法、
【0065】(ハ)ラジカル重合性二重結合を有し、且
つ、当該二重結合とポリシロキサンとが、下記構造式
(S−VI)で示される結合様式で結合しているもの
を、共重合成分の一つとして使用して、これと、遊離の
酸基を含有するビニル系単量体、遊離の塩基性基を有す
るビニル系単量体およびノニオン性基を含有するビニル
系単量体から成る群より選ばれる少なくとも一種の極性
基を含有するビニル系単量体を必須成分として含有する
ビニル系単量体類とを共重合せしめることにより、もし
くは、前記二重結合を含有するポリシロキサンと極性基
を有するビニル系単量体に加えて、上述した官能基(F
u)のうち酸基(ブロック酸基、酸無水物を含む)また
は塩基性基以外の官能基を含有する単量体を必須成分と
して含有するビニル系単量体類とを共重合させることに
より、複合化せしめた後、含有される遊離の酸基あるい
は遊離の塩基性基を塩基性化合物または酸性化合物で中
和する方法、
【0066】
【化13】 (ただし、式中、炭素原子は二重結合を構成する一方の
炭素原子であるか、もしくは二重結合に結合した置換基
を構成する炭素原子であるものとし、酸素原子のみに結
合した珪素原子は、ポリシロキサンの一部分を構成する
ものとする)
【0067】(ニ)上記した如き二重結合を含有するポ
リシロキサンと、中和された酸基を含有するビニル系単
量体、中和された塩基性基を有するビニル系単量体およ
びノニオン性基を含有するビニル系単量体から成る群よ
り選ばれる少なくとも一種の親水性を含有するビニル系
単量体を必須成分として含有するビニル系単量体類とを
共重合せしめることにより、もしくは、前記二重結合を
含有するポリシロキサンと、前記した親水性基を有する
ビニル系単量体に加えて、上述した官能基(Fu)を含
有する単量体をも必須成分として含有するビニル系単量
体類とを共重合させることにより、複合化せしめる方
法、等がある。
【0068】上述した(イ)および(ロ)なる方法にお
いて、ポリシロキサン以外の重合体に珪素原子に結合し
た加水分解性基および/または珪素原子に結合した水酸
基が複合化のための官能基として導入されるが、これら
の官能基のうち、珪素原子に結合した加水分解性基を導
入することが特に簡便である。
【0069】そして、珪素原子に結合した加水分解性基
としては、下記の一般式(S−VII)
【0070】
【化14】
【0071】(ただし、式中のR4 はアルキル基、アリ
ール基またはアラルキル基の如き1価の有機基を、R5
は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、置換アルコ
キシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、アリールオキシ
基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ
基、イミノオキシ基またはアルケニルオキシ基の如き加
水分解性基を表わすものとし、また、aは0あるいは1
または2なる整数であるものとする。)
【0072】で示されるような、加水分解シリル基の形
で導入するのが特に簡便である。
【0073】かかる加水分解性シリル基は、該加水分解
性シリル基それ自体が、直接に、炭素原子と共有結合す
ることにより、あるいはシロキサン結合を介して、炭素
原子と共有結合することにより、当該重合体に結合して
いるものであるとする。
【0074】水性樹脂(W−1)または(W−2)のう
ち、アニオン性基のみを親水性基として有するタイプ
を、(イ)の方法で調製した複合樹脂を前駆体として使
用して調製する場合のいっそう具体的な方法の代表的な
ものとしては、(1)加水分解性シリル基と酸基なる両
基を併有する重合体(b−1)または加水分解性シリル
基と酸基と上述した官能基(Fu)のうちの酸基以外の
官能基を含有する重合体(b−2)と、珪素原子に結合
した加水分解性基および/または珪素原子に結合した水
酸基を有するポリシロキサン(a−1)とを縮合反応せ
しめて得られる複合樹脂(c−1)または(c−2)
を、塩基性化合物で以て部分中和ないしは完全中和した
のち、水性媒体中に分散ないしは溶解せしめる方法、
【0075】(2)前記した重合体(b−1)または
(b−2)の存在下、前記したポリシロキサン(a−
1)を調製する過程で、重合体(b−1)または(b−
2)とポリシロキサン(a−1)を複合化せしめて得ら
れる複合樹脂(c−3)または(c−4)を、塩基性化
合物で以て部分中和ないしは完全中和せしめたのち、水
性媒体中に分散ないしは溶解せしめる方法、
【0076】(3)前記したポリシロキサン(a−1)
の存在下に、前記した重合体(b−1)または重合体
(b−2)を調製する反応を行なう過程で、ポリシロキ
サン(a−1)と重合体(b−1)または(b−2)を
複合化せしめて得られる複合樹脂(c−5)または(c
−6)を、塩基性化合物で以て部分中和ないしは完全中
和せしめたのち、水性媒体中に分散ないしは溶解せしめ
る方法、
【0077】(4)前記した重合体(b−1)または
(b−2)を調製する反応と、前記したポリシロキサン
(a−1)を調製する反応を並行した行う過程で、重合
体(b−1)または(b−2)とポリシロキサン(a−
1)を複合化せしめて得られる複合樹脂(c−7)また
は(c−8)を、塩基性化合物で以て部分中和ないしは
完全中和せしめたのち、水性媒体中に分散ないしは溶解
せしめる方法、等の各種の方法が挙げられる。
【0078】また、上述した(1)〜(4)なる各種の
方法では、塩基性化合物を使用して酸基を中和すること
により、中和された酸のを導入を行うものであるが、酸
基を含有する原料類もしくは酸基を含有する重合体なら
びに塩基性化合物の使用に替えて、中和された酸基を有
する原料類もしくは中和された酸基を有する重合体を使
用することによっても、アニオン性基を含有する水性樹
脂(W−1)または(W−2)を調製することが出来
る。
【0079】上記の重合体(b−1)あるいは(b−
2)に導入される酸基の具体的なものとしては、前掲し
た各種の遊離の酸基類に加えて、
【0080】カルボン酸無水基、燐酸無水基、スルホン
酸無水基またはカルボン酸−スルホン酸混合酸無水基な
どで代表されるような酸無水基、さらには、たとえば、
シリルエステル基、tert−ブチルエステル基または
1−アルコキシエチルエステル基などのように、容易
に、遊離の酸基に変換されるエステル基の形として、い
わゆるブロックされた、それぞれ、カルボキシル基、リ
ン酸基、酸性燐酸エステル基、亜リン酸基またはスルホ
ン酸基などで代表されるようなブロックされた酸基など
が挙げられる。
【0081】前掲したような各種の酸基のうちでも特に
望ましいもののみを例示するにとどめれば、カルボキシ
ル基、ブロックカルボキシル基またはカルボン酸無水基
などである。
【0082】上記した重合体(b−2)に導入される、
官能基(Fu)のうちの酸基以外の官能基としては、重
合体セグメント(B−2)に導入することが出来るもの
として例示した各種のものが挙げられる。
【0083】また、これらの官能基は、重合体(b−
2)中に、1種のみを含有させてもよいし、2種以上を
含有させることもできる。
【0084】前掲したような各種の官能基のうちでも特
に望ましいものは、炭素原子に結合した水酸基、ブロッ
ク水酸基、3級アミノ基、シクロカーボネート基、エポ
キシ基、1級アミド基、2級アミド基、カーバメート基
または前掲した構造式(S−III)で示されるような
官能基などである。
【0085】また、上述したようなポリシロキサン(a
−1)と重合体(b−1)あるいは(b−2)との複合
化工程は、アルコール性水酸基を有する有機溶剤を必須
成分として含有する媒体中で行うことが好適である。
【0086】こうした、(b−1)あるいは(b−2)
と(a−1)との複合化工程を、アルコール性水酸基含
有有機溶剤を含有しない媒体中において行なう場合に
は、どうしても、得られる複合樹脂溶液が著しく増粘
し、引き続き行なわれる塩基性化合物による中和工程で
のゲル化などが生じ易くなり、充分に注意する必要があ
る。
【0087】特に、アルコール性水酸基含有有機溶剤を
含有しない媒体中での斯かる複合化の際に、重合体(b
−1)あるいは(b−2)に対して、加水分解性シリル
基を、重合体の1,000グラム当たりのモル数で以
て、0.05モル以上、導入しようとすると、斯かる複
合化過程で以て、ゲル化が起こる場合がある。
【0088】これに対して、アルコール性水酸基含有有
機溶剤を必須成分として含有する媒体中で、(b−1)
あるいは(b−2)と(a−1)との複合化工程を行な
う場合においては、斯かる複合化過程や、塩基性化合物
による中和過程などでのゲル化などが起こらずに、目的
とする水性樹脂を、安全に、しかも、容易に調製せしめ
ることができる。
【0089】斯かるアルコール性水酸基含有有機溶剤と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メ
タノール、エタノール、ノルマル(n−)プロパノール
またはイソ(i−)プロパノールの如き、各種の水溶性
のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリ
コール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−
n−プロピルエーテルの如き、各種の水溶性のグリコー
ル類あるいはグリコールエーテル類などである。
【0090】次に、上記した各種の複合樹脂(c−1)
〜(c−8)の調製方法について、詳しく述べることに
する。
【0091】まず、複合樹脂(c−1)〜(c−8)を
調製する際に、前述した如き重合体(b−1)または
(b−2)が、調製されるが、かかる各種の重合体の代
表的なものとしては、重合体セグメント(B−1)また
は(B−2)について上述したものと同様に各種のもの
が挙げられるが、それらのうちでも特に好ましいものと
しては、ビニル系重合体またはポリウレタン系重合体が
挙げられ、さらに、ビニル重合体のうちで特に望ましい
ものとしては、アクリル系重合体およびフルオロオレフ
ィン系重合体が挙げられる。
【0092】まず、かかる重合体(b−1)または(b
−2)のうちの、ビニル系重合体の調製方法について、
述べることとする。
【0093】かかる各種のビニル系重合体のうちの、
(c−1)、(c−3)、(c−5)または(c−7)
の前駆体である、重合体(b−1)を調製するには、た
とえば、(i) 加水分解性シリル基を有するビニル系
単量体(m−1)と、親水性を付与するための酸基を有
するビニル系単量体(m−2)と、を共重合せしめた
り、前記した両タイプ(二タイプ)の単量体と、これら
の単量体と共重合可能なる其の他の単量体類(m−3)
と、を共重合せしめる方法であるとか、
【0094】(ii) 加水分解性シリル基を有する連
鎖移動剤および/または加水分解性シリル基を有するラ
ジカル重合開始剤の存在下に、ビニル系単量体(m−
2)を重合せしめたり、または、該単量体(m−2)
と、共重合可能なる其の他の単量体(m−3)と、を共
重合せしめる方法であるとか、
【0095】(iii) 加水分解性シリル基を有する
連鎖移動剤および/または加水分解性シリル基を有する
ラジカル重合開始剤の存在下に、ビニル系単量体(m−
1)と(m−2)とを共重合せしめたり、加水分解性シ
リル基を有する連鎖移動剤および/または加水分解性シ
リル基を有するラジカル重合開始剤の存在下に、(m−
1)と(m−2)と、これらの単量体と共重合可能なる
其の他の単量体(m−3)と、を共重合せしめる方法で
あるとか、
【0096】(iv) 予め調製しておいた、酸基と炭
素原子に結合した水酸基とを併有するビニル系重合体
に、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランの
ような、各種のイソシアナート基含有シラン化合物を反
応せしめる方法、などの、公知慣用の種々の方法を適用
することが出来るが、簡便さの点から、これらのうち、
特に、(i)〜(iii)なる各方法が好ましい。
【0097】次に、かかる各種のビニル系重合体のうち
の、(c−2)、(c−4)、(c−6)または(c−
8)の前駆体である、(b−2)を調製するには、たと
えば、(v) 上記した、官能基(Fu)のうちの酸基
以外の官能基を有するビニル系単量体(m−4)と、加
水分解性シリル基を有するビニル系単量体(m−1)
と、酸基を有するビニル系単量体(m−2)と、を共重
せしめたり、(m−1)と(m−2)と(m−4)と、
これらの単量体と共重合可能なる其の他の単量体(m−
3)と、を共重合せしめる方法であるとか、
【0098】(vi) 加水分解性シリル基を有する連
鎖移動剤および/または加水分解性シリル基を有するラ
ジカル重合開始剤の存在下に、ビニル系単量体(m−
2)と(m−4)を共重合せしめたり、または、該両単
量体と共重合可能なる其の他の単量体(m−3)と、を
共重合せしめる方法であるとか、
【0099】(vii) 加水分解性シリル基を有する
連鎖移動剤および/または加水分解性シリル基を有する
ラジカル重合開始剤の存在下に、ビニル系単量体(m−
1)と(m−2)と(m−4)と、を共重合せしめた
り、加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤および/ま
たは加水分解性シリル基を有するラジカル重合開始剤の
存在下に、(m−1)と(m−2)と(m−4)と、こ
れらの単量体と共重合可能なる其の他の単量体(m−
3)と、を共重合せしめる方法であるとか、
【0100】(viii) 予め調製しておいた、酸基
と、官能基(Fu)のうちの酸基以外の官能基と、炭素
原子に結合した水酸基なる3種類の官能基を有するビニ
ル系重合体に、3−イソシアナートプロピルトリエトキ
シシランのような、各種のイソシアナート基含有シラン
化合物を反応せしめる方法、などの、公知慣用の種々の
方法を適用することが出来るが、簡便さの点から、これ
らのうち、特に、(v)〜(vii)なる各方法が好ま
しい。
【0101】前記した各重合体(b−1)または(b−
2)を調製する際に使用される、加水分解性シリル基含
有ビニル系単量体(m−1)とは、前掲したような構造
式(S−VII)で示される加水分解性シリル基を有す
る単量体を指称するものであって、斯かる単量体として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシ
シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、アリルトリメトキシシラン、2−トリメトキシシリ
ルエチルビニルエーテル、2−トリエトキシシリルエチ
ルビニルエーテル、2−(メチルジメトキシシリル)エ
チルビニルエーテル、3−トリメトキシシリルプロピル
ビニルエーテルもしくは3−トリエトキシシリルプロピ
ルビニルエーテル、
【0102】または3−(メチルジメトキシシリル)プ
ロピルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランも
しくは3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチル
ジクロロシランなどである。
【0103】また、当該重合体(b−1)または(b−
2)を調製する反応において使用される、加水分解性シ
リル基を有する連鎖移動剤とは、上述したような加水分
解性シリル基と、メルカプト基、塩素原子、臭素原子ま
たはヨウ素原子のような、いわゆる遊離ラジカルにより
活性化される基ないしは原子とを併有する化合物を指称
するものである。
【0104】かかる連鎖移動剤として特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、3−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエト
キシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−メルカプトプロピルメチルジクロロシラ
ン、3−メルカプトプロピルジメチルクロロシラン、3
−ブロモプロピルトリメトキシシランまたは3−ブロモ
プロピルトリエトキシシランなどである。
【0105】さらにまた、前記(b−1)または(b−
2)を調製する際に使用される、前記したような加水分
解性シリル基を有するラジカル重合開始剤とは、分子中
に、上述したような加水分解性シリル基を有する化合物
を指称するものであり、これらのうちでも特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、
【0106】2,2’−アゾビス−(2−メチル−4−
トリメトキシシリルブチロニトリル)、2,2’−アゾ
ビス−(2−メチル−4−トリエトキシシリルブチロニ
トリル)、2,2’−アゾビス−(2−メチル−4−ジ
メトキシメチルシリルブチロニトリル)もしくは2,
2’−アゾビス−(2−メチル−4−ジエトキシメチル
シリルブチロニトリル)の如き各種のものに加えて、
2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピ
オニトリル]または4,4’−アゾビス(4−シアノバ
レリックアシッド)の如き、活性水素含有基を有する各
種のアゾ系開始剤と、たとえば、3−イソシアナートプ
ロピルトリエトキシシランまたは3−イソシアナートプ
ロピルメチルジメトキシシシランの如き、イソシアナー
トシランとを反応せしめて得られるような形の、アミド
結合あるいはウレタン結合を介して、加水分解性シリル
基が結合した形のアゾ系化合物などのような、各種のア
ゾ系化合物;
【0107】あるいはtert−ブチルパーオキシ−
2,2−ジメチル−3−トリメトキシシリルプロパノエ
ート、tert−ブチルパーオキシ−2,2−ジメチル
−3−トリエトキシシリルプロパノエート、tert−
ブチルパーオキシ−2,2−ジメチル−3−ジメトキシ
メチルシリルプロパノエート、tert−ブチルパーオ
キシ−2,2−ジメチル−3−ジエトキシメチルシリル
プロパノエート、tert−ブチルパーオキシ−3−メ
チル−5−トリメトキシシリルヘキサノエートまたはt
ert−ブチルパーオキシ−4−エチル−5−トリメト
キシシリルヘキサノエートの如き、各種の過酸化物など
である。
【0108】重合体(b−1)あるいは(b−2)を調
製する際に使用される、酸基含ビニル系単量体(m−
1)のうち、遊離のカルボキシル基を含有するビニル系
単量体として特に代表的なもののみを例示するにとどめ
れば、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メ
タ)アクリレート、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸またはフマル酸の如き、各種の不飽和カルボン酸類;
【0109】イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノ−
n−ブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノ−
n−ブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノ−n−
ブチルの如き、飽和ジカルボン酸類と、飽和1価アルコ
ール類との各種のモノエステル類(ハーフエステル
類);アジピン酸モノビニルまたはコハク酸モノビニル
の如き、各種の飽和ジカルボン酸のモノビニルエステル
類;
【0110】無水コハク酸、無水グルタル酸、無水フタ
ル酸または無水トリメリット酸の如き、各種の飽和ポリ
カルボン酸の無水物類と、後掲するような各種の炭素原
子に結合した水酸基を含有するビニル系単量体類との付
加反応生成物などであるし、さらには、前掲したような
各種のカルボキシル基含有単量体類と、ラクトン類とを
付加反応せしめて得られるような各種の単量体類などで
ある。
【0111】重合体(b−1)あるいは(b−2)を調
製する際に使用される、酸基含ビニル系単量体(m−
1)のうち、ブロックカルボキシル基を有する単量体と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ト
リメチルシリル(メタ)アクリレート、ジメチル−te
rt−ブチルシリル(メタ)アクリレートもしくはトリ
メチルシリルクロトネートの如き、特開昭62−254
876号公報に開示されているような、各種のシリルエ
ステル基含有ビニル系単量体類;
【0112】1−エトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、1−n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2
−メトキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシプロパン
もしくは2−(メタ)アクリロイルオキシテトラヒドロ
フランの如き、特開平5−222134号公報に開示さ
れているような、各種の、ヘミアセタールエステル基な
いしはヘミケタールエステル基含有単量体類;またはt
ert−ブチル(メタ)アクリレートもしくはtert
−ブチルクロトネートの如き、各種のtert−ブチル
エステル基含有単量体類などである。
【0113】重合体(b−1)あるいは(b−2)を調
製する際に使用される、酸基含ビニル系単量体(m−
1)のうち、カルボン酸無水基含有単量体として特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、無水マレイン
酸、無水シトラコン酸もしくは無水イタコン酸の如き、
各種の不飽和ポリカルボン酸の無水物類;無水アクリル
酸もしくは無水メタクリル酸の如き、各種の不飽和モノ
カルボン酸の無水物類;またはアクリル酸もしくはメタ
クリル酸の如き、各種の不飽和カルボン酸と、酢酸、プ
ロピオン酸もしくは安息香酸などのような、種々の飽和
カルボン酸との混合酸無水物などである。
【0114】また、ビニル系重合体(b−2)には、上
述の如く、官能基(Fu)のうちの酸基以外の官能基と
して、炭素原子に結合した水酸基、ブロック水酸基、3
級アミノ基、シクロカーボネート基、エポキシ基、1級
アミド基、2級アミド、カーバメート基、および、構造
式(S−III)で示される官能基等の各種の官能基が
導入される。
【0115】前記した(v)〜(vii)なる各方法に
よりかかる官能基(Fu)のうちの酸基以外の官能基を
導入する際に、かかる官能基を含有する各種のビニル系
単量体(m−4)が使用されるが、それらのうち、炭素
原子に結合した水酸基含有ビニル系単量体として特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、
【0116】2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートもし
くは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの如
き、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;2−
ヒドロキシエチルビニルエーテルもしくは4−ヒドロキ
シブチルビニルエーテルの如き、各種の炭素原子に結合
した水酸基含有ビニルエーテル類;
【0117】2−ヒドロキシエチルアリルエーテルの如
き、各種の炭素原子に結合した水酸基含有アリルエーテ
ル類;前掲したような各種の炭素原子に結合した水酸基
含有単量体類と、ε−カプロラクトンなどで以て代表さ
れるような、種々のラクトン類との付加物;またはグリ
シジル(メタ)アクリレートなどで以て代表されるよう
な、種々のエポキシ基含有不飽和単量体と、酢酸などで
以て代表されるような、種々の酸類との付加物などであ
るし、
【0118】さらには、(メタ)アクリル酸などで以て
代表されるような、種々の不飽和カルボン酸類と、「カ
ーデュラ E」(オランダ国シェル社製の商品名)など
で以て代表されるような、α−オレフィンのエポキサイ
ド系化合物以外の、種々のモノエポキシ化合物との付加
物などのような炭素原子に結合した水酸基含有単量体類
などである。
【0119】ビニル系単量体(m−4)のうち、ブロッ
ク水酸基を有するビニル系単量体として特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、2−トリメチルシロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−トリメチルシロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、4−トリメチルシロ
キシブチル(メタ)アクリレート、2−トリメチルシロ
キシエチルビニルエーテルもしくは4−トリメチルシロ
キシブチルビニルエーテルの如き、特開昭62−283
163号公報に開示されているような、各種のシリルエ
ーテル基含有ビニル系単量体類;
【0120】2−(1−エトキシ)エトキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−(1−n−ブトキシ)エトキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−〔2−(メタ)アク
リロイルオキシ〕エトキシテトラヒドロフランもしくは
2,2−ジメチル−4−(メタ)アクリロイルオキシメ
チルジオキソランの如き、特開平4−41515号公報
に開示されているような、各種のアセタール基ないしは
ケタール基含有含有ビニル系単量体類;
【0121】または3−〔2−(メタ)アクリロイルオ
キシ〕エチルオキサゾリジン、2,2−ジメチル−3−
〔2−(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルオキサゾリ
ジンもしくは2−イソブチル−2−メチル−3−〔2−
(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルオキサゾリジンの
如き、各種のオキサゾリジン基含有ビニル系単量体類な
どである。
【0122】ビニル系単量体(m−4)のうち、シクロ
カーボネート基含有ビニル系単量体として特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、
【0123】2,3−カーボネートプロピル(メタ)ア
クリレート、2−メチル−2,3−カーボネートプロピ
ル(メタ)アクリレート、3,4−カーボネートブチル
(メタ)アクリレート、3−メチル−3,4−カーボネ
ートブチル(メタ)アクリレート、4−メチル−3,4
−カーボネートブチル(メタ)アクリレート、4,5−
カーボネートペンチル(メタ)アクリレート、6,7−
カーボネートヘキシル(メタ)アクリレート、5−エチ
ル−5,6−カーボネートヘキシル(メタ)アクリレー
トもしくは7,8−カーボネートオクチル(メタ)アク
リレート、2,3−カーボネートプロピルビニルエーテ
ル、ジ(2,3−カーボネートプロピル)マレートまた
はジ(2,3−カーボネートプロピル)イタコネートの
如き、5員環のシクロカーボネート基含有ビニル系単量
体類などをはじめ、
【0124】さらには、〔5−N−(メタ)アクリロイ
ルカルバモイルオキシ〕メチル−5−エチル−1,3−
ジオキサン−2−オン、5−〔N−{2−(メタ)アク
リロイルオキシ}エチルカルバモイルオキシ〕メチル−
5−エチル−1,3−ジオキサン−2−オン、5−エチ
ル−5−(メタ)アクリロイルオキシメチル−1,3−
ジオキサン−2−オンまたは4−(5−エチル−2−オ
キソ−1,3−ジオキサン−5−イル)メトキシメチル
スチレンの如き、6員環のシクロカーボネート基含有ビ
ニル系単量体類である。
【0125】ビニル系単量体(m−4)のうち、エポキ
シ基含有ビニル系単量体として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−
エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、
ビニルシクロヘキセンオキシド、グリシジルビニルエー
テル、メチルグリシジルビニルエーテルまたはアリルグ
リシジルエーテルの如き、種々の化合物などである。
【0126】ビニル系単量体(m−4)のうち、1級ア
ミド基ないしは2級アミド基含有ビニル系単量体として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド 、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−
ビニルフォルムアミド、メチル(メタ)アクリルアミド
グリコレート、メチル(メタ)アクリルアミドグリコレ
ートメチルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレートと
アセチルアセトンまたはアセト酢酸エステル類との付加
反応物の如き、種々の化合物などである。
【0127】ビニル系単量体(m−4)のうち、カーバ
メート基含有ビニル系単量体として特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、
【0128】N−(メタ)アクリロイルカルバミン酸メ
チル、N−(メタ)アクリロイルカルバミン酸エチル、
N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルカルバ
ミン酸エチル、2−カルバモイルオキシエチル(メタ)
アクリレート、2−(N−メチルカルバモイルオキシ)
エチル(メタ)アクリレート、2−(N−エチルカルバ
モイルオキシ)エチル(メタ)アクリレートもしくは3
−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシア
ネートと、2−ヒドロキシプロピルカーバメートとの付
加反応物;2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレ
ートと、フェノールとの付加反応物;2−イソシアナー
トエチル(メタ)アクリレートと、エタノールとの付加
反応物;または2−イソシアナートエチル(メタ)アク
リレートと、メチルエチルケトオキシムとの付加反応物
のような種々の化合物などである。
【0129】ビニル系単量体(m−4)のうち、前掲し
た構造式(S−III)で示される官能基を有するビニ
ル系単量体として特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレ
ートもしくは3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベ
ンジルイソシアネートの如き、各種のイソシアナート基
含有ビニル系単量体と、ε−カプロラクタムもしくはγ
−ブチロラクタムの如き、各種のアミド化合物との付加
反応物のような種々の化合物などである。
【0130】ビニル系単量体(m−4)のうち、3級ア
ミノ基を含有する単量体の代表的なもののみを例示する
にとどめれば、
【0131】2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ジ−n−プロピルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレ
ート、4−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート
またはN−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エチル
モルホリンの如き、各種の3級アミノ基含有(メタ)ア
クリル酸エステル類;
【0132】ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾール
もしくは、N−ビニルキノリンの如き、各種の3級アミ
ノ基含有芳香族ビニル系単量体類;
【0133】N−(2−ジメチルアミノ)エチル(メ
タ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノ)エチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジ−n−プロピ
ルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(3−
ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、N
−(4−ジメチルアミノ)ブチル(メタ)アクリルアミ
ドまたはN−[2−(メタ)アクリルアミド]エチルモ
ルホリンの如き、各種の3級アミノ基含有(メタ)アク
リルアミド類;
【0134】N−(2−ジメチルアミノ)エチルクロト
ン酸アミド、N−(2−ジエチルアミノ)エチルクロト
ン酸アミド、N−(2−ジ−n−プロピルアミノ)エチ
ルクロトン酸アミド、N−(3−ジメチルアミノ)プロ
ピルクロトン酸アミドまたはN−(4−ジメチルアミ
ノ)ブチルクロトン酸アミドの如き、各種の3級アミノ
基含有クロトン酸アミド類;
【0135】2−ジメチルアミノエチルビニルエーテ
ル、2−ジエチルアミノエチルビニルエーテル、3−ジ
メチルアミノプロピルビニルエーテルまたは4−ジメチ
ルアミノブチルビニルエーテルの如き、各種の3級アミ
ノ基含有ビニルエーテル類などである。
【0136】そしてまた、前述した(i)〜(iii)
あるいは(v)〜(vii)なる方法に従って、ビニル
系重合体(b−1)または(b−2)を調製する際に使
用することが出来る、ビニル系単量体(m−1)、ビニ
ル系単量体(m−2)および(m−4)と共重合可能な
る其の他のビニル系単量体(m−3)として特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、
【0137】メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レートもしくはラウリル(メタ)アクリレートの如き、
1 〜C22なる炭素数の1級ないしは2級アルキルアル
コールと、(メタ)アクリル酸との各種エステル類;
【0138】ベンジル(メタ)アクリレートもしくは2
−フェニルエチル(メタ)アクリレートの如き、各種の
アラルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル
(メタ)アクリレートもしくはイソボロニル(メタ)ア
クリレートの如き、各種のシクロアルキル(メタ)アク
リレート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート
もしくは4−メトキシブチル(メタ)アクリレートの如
き、各種のω−アルコキシアルキル(メタ)アクリレー
ト類;
【0139】スチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、α−メチルスチレンもしくはビニルトルエンの如
き、各種の芳香族ビニル系単量体類;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸
ビニルもしくは安息香酸ビニルの如き、各種のカルボン
酸ビニルエステル類;
【0140】クロトン酸メチルもしくはクロトン酸エチ
ルの如き、各種のクロトン酸のアルキルエステル類;ジ
メチルマレート、ジ−n−ブチルマレート、ジメチルフ
マレート、ジ−n−ブチルフマレート、ジメチルイタコ
ネートもしくはジ−n−ブチルイタコネートの如き、各
種の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類;
【0141】(メタ)アクリロニトリルもしくはクロト
ノニトリルの如き、各種のシアノ基含有単量体類;フッ
化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチエレンもしくはヘキサフル
オロプロピレンの如き、各種のフルオロオレフィン類;
塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの如き、各種のクロ
ル化オレフィン類;エチレン、プロピレン、イソブチレ
ン、1−ブテンもしくは1−ヘキセンの如き、各種のα
−オレフィン類;
【0142】エチルビニルエーテル、n−ブチルビニル
エーテル、イソブチルビニルエーテルもしくはn−ヘキ
シルビニルエーテルの如き、各種のアルキルビニルエー
テル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシ
ルビニルエーテルもしくは4−メチルシクロヘキシルビ
ニルエーテルの如き、各種のシクロアルキルビニルエー
テル類;
【0143】N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メ
タ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルピロリドンの
如き、3級アミド基含有単量体類などである。
【0144】以上に掲げられたような種々の単量体を用
いて、当該ビニル系重合体(b−1)または(b−2)
を調製するには、溶液重合法、非水分散重合法または塊
状重合法などのような、公知慣用の種々の重合法を利用
し適用することが出来るが、それらのうちでも、特に、
有機溶剤中での溶液ラジカル重合法によるのが、最も簡
便である。
【0145】此の溶液ラジカル重合法を適用する際に使
用できる重合開始剤としては、勿論ながら、公知慣用の
種々の化合物が使用できるけれども、それらのうちでも
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
【0146】2,2’−アゾビス(イソブチロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)もしくは2,2’−アゾビス(2−メチルブチ
ロニトリル)の如き、各種のアゾ化合物類;
【0147】またはtert−ブチルパーオキシピバレ
ート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、te
rt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、
ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、アセチルパーオキサイド、
【0148】ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパー
オキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエ
チルケトンパーオキサイドもしくはジイソプロピルパー
オキシカーボネートの如き、各種の過酸化物類などであ
る。
【0149】また、溶液ラジカル重合法を適用する際に
使用できる有機溶剤としては、公知慣用の有機溶剤のい
ずれをも使用することが出来るし、しかも、それらは、
単独使用でも2種類以上の併有でもよいことは、勿論で
あるが、引き続いて行われるポリシロキサン(a−1)
との複合化反応をスムーズに進行させるために、前記し
た如き各種のアルコール性水酸基を有する有機溶剤を必
須成分として含有することが望ましい。
【0150】かかる有機溶剤のうち、アルコール性水酸
基を有するもの以外で、特に代表的なもののみを例示す
るにとどめれば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オ
クタン、シクロヘキサン、シクロペンタンもしくはシク
ロオクタンの如き、各種の脂肪族系ないしは脂環式系の
炭化水素類;
【0151】トルエン、キシレンもしくはエチルベンゼ
ンの如き、各種の芳香族炭化水素類;ギ酸メチル、ギ酸
エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルもしくは酢酸n−
アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ートまたはエチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テートもしくはエチレングリコールモノブチルエーテル
アセテートの如き、各種のエステル類;
【0152】アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、メチルn−アミルケトンまたはシクロ
ヘキサノンの如き、各種のケトン類;あるいはジメトキ
シエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプ
ロピルエーテルまたはジ−n−ブチルエーテルの如き、
各種のエーテル類;クロロホルム、メチレンクロライ
ド、四塩化炭素、トリクロロエタンまたはテトラクロロ
エタンの如き、各種の塩素化炭化水素類などであるし、
さらには、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムア
ミド、ジメチルアセトアミドまたはエチレンカーボネー
トなどである。
【0153】ビニル系重合体(b−1)あるいは(b−
2)を調製する際に、酸基含有単量体の使用量が多くな
ると、重合時に、ゲル化が起こることが、屡々あるの
で、注意を要する。
【0154】こうしたゲル化を防止するためには、エチ
ルオルソアセテート、エチルオルソ−n−ブチレート、
エチルオルソフォーメイト、エチルオルソプロピオネー
トまたはメチルオルソフォーメイトの如き、各種の加水
分解性エステル類を、前掲したような溶剤類と併用すれ
ばよい。
【0155】以上に掲げたような、それぞれ、単量体
類、重合開始剤類および有機溶剤類を使用して、公知慣
用の溶液ラジカル重合法を適用することによって、目的
とする各種のビニル系重合体(b−1)または(b−
2)を調製することが出来る。
【0156】以上に述べて来たような、ビニル系重合体
(b−1)または(b−2)中に導入されるべき加水分
解性シリル基量としては、それぞれの重合体の固形分の
1,000グラム当たりの加水分解性シリル基のモル数
として、大約0.005〜大約3モルなる範囲内が適切
であり、好ましくは、0.01〜2モルなる範囲内が適
切であるし、さらに一層好ましくは、0.05〜1モル
なる範囲内が適切である。
【0157】約0.005モル未満の場合には、どうし
ても、本発明の方法により形成される塗膜の耐久性など
を低下せしめるようになるし、一方、約3モルを超えて
余りにも多くなる場合には、複合樹脂(c−1)〜(c
−8)の調製の際に、反応溶液の粘度が上昇するように
なり、ひいては、ゲル化が起きてしまうなどの不都合が
あるので、いずれの場合も好ましくない。
【0158】したがって、上述したような好ましい量の
加水分解性シリル基が導入されるように、それぞれ、加
水分解性シリル基含有単量体、加水分解性シリル基含有
連鎖移動剤あるいは加水分解性シリル基含有重合開始剤
の使用量を、適切に設定する必要がある。
【0159】また、ビニル系重合体(b−1)または
(b−2)中に導入されるべき酸基の量としては、それ
ぞれの重合体の固形分の1,000グラム当たりの酸基
のモル数として、約0.1〜約10モルなる範囲内が適
切であるし、好ましくは、0.2〜5モルなる範囲内が
適切であるし、最も好ましくは、0.3〜3モルなる範
囲内が適切である。
【0160】したがって、上述したような好ましい量の
酸基が導入されるように、酸基を含有するビニル系単量
体の使用量を、適切に設定する必要がある。
【0161】さらには、ビニル系重合体(b−2)中に
導入されるべき、官能基(Fu)のうちの酸基以外の官
能基を有するビニル系単量体(m−4)のうちの少なく
とも1種のビニル系単量体の共重合量としては、ビニル
系重合体(b−2)の固形分の1,000グラム当たり
の当該官能基のモル数として、約0.1〜約5モルなる
範囲内となるような量が適切であり、好ましくは、0.
2〜3モルなる範囲内が適切であるし、さらに一層好ま
しくは、0.3〜2モルなる範囲内が適切である。
【0162】また、これらのビニル系重合体(b−1)
または(b−2)の数平均分子量としては、大約500
〜大約200,000なる範囲内が、好ましくは、1,
000〜50,000なる範囲内が適切であるし、一層
好ましくは、1,500〜20,000なる範囲内が適
切である。
【0163】これらのビニル系重合体(b−1)または
(b−2)の数平均分子量が、約500未満の場合に
は、どうしても、本発明の方法により形成される硬化塗
膜の機械的強度などが劣るようになるし、一方、約20
0,000を超えて余りにも高くなる場合には、どうし
ても、本発明の方法により形成される硬化塗膜の外観が
低下したりするので、いずれの場合も好ましくない。
【0164】ビニル系重合体(b−1)として、重合性
不飽和二重結合を有する、ポリエステル樹脂またはアル
キド樹脂などのような、ビニル系重合体以外の重合体の
存在下に、前記した各種の方法(i)〜(iii)で重
合を行うことにより得られる、ビニル系重合体セグメン
トをグラフト化せしめた形の、ポリエステル樹脂または
アルキド樹脂などを使用することも出来る。
【0165】ビニル系重合体(b−2)として、重合性
不飽和二重結合を有する、ポリエステル樹脂またはアル
キド樹脂などのような、ビニル系重合体以外の重合体の
存在下に、前記した各種の方法(v)〜(vii)で重
合を行うことにより得られる、ビニル系重合体セグメン
トをグラフト化せしめた形の、ポリエステル樹脂または
アルキド樹脂などを使用することも出来る。
【0166】重合体(b−1)のうちのポリウレタン系
重合体を調製するには、各種のジヒドロキシ化合物およ
び各種のジイソシアネート化合物に加えて、加水分解性
シリル基を導入するための原料成分として、加水分解性
シリル基を有するジアミン化合物または加水分解性シリ
ル基を有するモノアミン化合物を使用し、さらに、酸基
を導入するための原料成分としての、ジメチロールプロ
ピオン酸もしくはジメチロールブタン酸の如き酸基と炭
素原子に結合した水酸基を併有する化合物等の公知慣用
の種々の原料成分を使用して、特開昭51−90391
号公報、特開昭55−73729号公報または特開昭6
0−255817号公報に記述されている方法を適用す
ればよい。
【0167】さらに、重合体(b−2)のうちのポリウ
レタン系重合体を調製するには、前記したポリウレタン
系重合体(b−1)を調製する際に使用されるものとし
て既に掲げたような公知慣用の各種の原料類に加えて、
前記した官能基(Fu)のうちの酸基以外の官能基を有
し、しかも、イソシアネート基と反応する活性水素を有
する基を、1個または2個、有するような種々の化合物
を原料成分として使用して、公知慣用の種々の方法を適
用すればよい。
【0168】ポリウレタン系重合体(b−2)を調製す
る際に使用される、官能基(Fu)のうちの酸基以外の
官能基を有し、しかも、イソシアネート基と反応する活
性水素を有する基を、1個または2個、有する化合物と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、4
−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オ
ン、グリシドール、2−ヒドロキシエチルカーバメート
もしくは2−ヒドロキシプロピルカーバメートの如き、
各種の官能基と炭素原子に結合した水酸基とを併有する
化合物などである。
【0169】前述したような方法で以て調製されるポリ
ウレタン系重合体(b−1)または(b−2)中に導入
されるべき加水分解性シリル基の量としては、それぞれ
の重合体の固形分1,000グラム当たり、大約0.0
05〜大約3モルなる範囲内が適切であり、好ましく
は、0.01〜2モルなる範囲内が適切であるし、さら
に一層好ましくは、0.05〜1モルなる範囲内が適切
である。
【0170】約0.005モル未満の場合には、どうし
ても、ポリウレタン系重合体(b−1)または(b−
2)と、ポリシロキサン(a−1)との間の複合化反応
が進行しずらくなり、ひいては、本発明の方法により形
成される硬化塗膜の耐久性などが低下するようになる
し、一方、約3モルを超えて余りにも多くなる場合に
は、前記した複合化反応時の溶液粘度が上昇し、ひいて
は、ゲル化を惹起してしまうようになるなどの不都合が
認められるようにもなるので、いずれの場合も好ましく
ない。
【0171】また、ポリウレタン系重合体(b−1)ま
たは(b−2)中に導入されるべき酸基の量としては、
それぞれの重合体の固形分の1,000グラム当たりの
酸基のモル数として、約0.1〜約10モルなる範囲内
が適切であるし、好ましくは、0.2〜5モルなる範囲
内が適切であるし、最も好ましくは、0.3〜3モルな
る範囲内が適切である。
【0172】さらには、ポリウレタン系重合体(b−
2)中に導入されるべき、それぞれ、炭素原子に結合し
た水酸基、ブロック水酸基、3級アミノ基、シクロカー
ボネート基、エポキシ基、1級アミド基、2級アミド
基、カーバメート基または前掲した構造式(S−II
I)で示される官能基などによって代表される、官能基
(Fu)のうちの酸基以外の官能基の導入量としては、
ポリウレタン系重合体(b−2)の固形分の1,000
グラム当たりの官能基のモル数として、約0.1〜約5
モルなる範囲内が適切であり、好ましくは、0.2〜3
モルなる範囲内が適切であるし、さらに一層好ましく
は、0.3〜2モルなる範囲内が適切である。
【0173】また、ポリウレタン系重合体(b−1)ま
たは(b−2)の数平均分子量としては、大約500〜
大約100,000なる範囲内が、好ましくは、1,0
00〜50,000なる範囲内が適切であるし、一層好
ましくは、1,500〜30,000なる範囲内が適切
である。
【0174】ポリウレタン系重合体(b−1)または
(b−2)の数平均分子量が、約500未満の場合に
は、どうしても、本発明の方法により形成される硬化塗
膜の機械的強度などが劣るようになるし、一方、約10
0,000を超えて余りにも高くなる場合には、どうし
ても、本発明の方法により形成される硬化塗膜の外観が
低下したりするようになるので、いずれの場合も好まし
くない。
【0175】複合樹脂(c−1)〜(c−8)を調製す
る際に使用される、珪素原子に結合した水酸基および/
または珪素原子に結合した加水分解性基を有するポリシ
ロキサン(a−1)とは、一般的に、シラノール基と呼
称される、珪素原子に結合した水酸基および/または珪
素原子に結合した加水分解性基を有する、線状、分岐状
あるいは環状等の各種のポリシロキサンを指称するもの
である。
【0176】かかる各種のポリシロキサン中でも、本発
明の塗膜の形成方法を実施する際に使用される、硬化性
クリヤー塗料(I)の硬化性および本発明の方法により
形成される硬化塗膜の耐久性に優れる点から、前記した
如き構造式(S−II)で表される構造を必須の単位構
造として有する分岐構造もしくは環状構造を有するポリ
シロキサンが特に好ましい。
【0177】かかるポリシロキサン(a−1)の代表的
なものとしては、珪素原子に結合した加水分解性基を、
一分子中に少なくとも3個、有する珪素化合物を加水分
解縮合せしめることによって調製される当該珪素化合物
の加水分解縮合物もしくは斯かる珪素化合物を部分加水
分解縮合せしめることによって調製される、当該珪素化
合物の部分加水分解縮合物などが挙げられる。
【0178】ポリシロキサン(a−1)を調製する際に
使用される、前記した、珪素原子に結合した加水分解性
基を、一分子中に少なくとも3個、有する珪素化合物と
しては、公知慣用のものが、いずれも使用できるけれど
も、それらのうちでも特に代表的なもののみを例示する
にとどめれば、次のような一般式(S−VIII)
【0179】
【化15】R6 bSiR7 4-b (S−VIII)
【0180】(ただし、式中のR6 は、それぞれ、置換
基を有していても有していなくてもよい、アルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基またはア
ルケニル基なる1価の有機基を、R7 はハロゲン原子、
アルコキシ基、置換アルコキシ基、アシロキシ基、フェ
ノキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノ
オキシ基、イミノオキシ基もしくはアルケニルオキシ基
の如き、加水分解性基を表わすものとし、bは0あるい
は1なる整数であるものとする。)
【0181】で以て示される珪素化合物;これらの珪素
化合物の1種の部分加水分解縮合により得られる部分加
水分解縮合物;または此等の珪素化合物の2種以上の混
合物の部分加水分解縮合により得られる部分共加水分解
縮合物;
【0182】あるいは(CH3CH2O)3 SiCH2
2Si(OCH2CH33 または(CH3CH2O)3
SiCH2CH2CH2 Si(OCH2CH33 などのよ
うな、珪素原子に結合した加水分解性基を、一分子中に
3個以上、有する化合物などである。
【0183】前掲したような一般式で示される珪素化合
物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシランもし
くはテトラ−n−ブトキシシランの如き、各種のテトラ
アルコキシシラン類;
【0184】メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチ
ルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エ
チルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリメト
キシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブ
チルトリメトキシシランもしくはn−ブチルトリエトキ
シシラン、
【0185】シクロペンチルトリメトキシシラン、シク
ロペンチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメ
トキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
−n−ブトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエ
トキシ)シランもしくはアリルトリメトキシシラン、
【0186】2−トリメトキシシリルエチルビニルエー
テル、2−トリエトキシシリルエチルビニルエーテル、
3−トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、3−
トリエトキシシリルプロピルビニルエーテル、3−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランも
しくは3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエ
トキシシランの如き、各種のオルガノトリアルコキシシ
ラン類;
【0187】テトラクロロシランもしくはテトラブロモ
シランの如きテトラハロゲノシラン類;メチルトリクロ
ロシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリ
クロロシラン、シクロペンチルトリクロロシラン、シク
ロヘキシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラ
ン、ビニルトリクロロシラン、3−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピルトリクロロシランの如き、各種のオル
ガノトリクロロシラン類;
【0188】またはテトラアセトキシシラン、メチルト
リアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシランの
如き、各種のアセトキシシラン類などである。
【0189】これらの加水分解性基を有する珪素化合物
のうちで、ポリシロキサン(a−1)を調製する際に使
用されるものとして特に好ましいものとしては、テトラ
アルコキシシランまたはオルガノトリアルコキシシラ
ン、それらの部分加水分解縮合物またはそれらの部分共
加水分解縮合物などがあるし、さらには、各種クロルシ
ラン類がある。
【0190】また、当該珪素化合物としてテトラエトキ
シシランに代表されるような4官能珪素化合物を多く使
用すると、重合体(b−1)または(b−2)とポリシ
ロキサン(a−1)との複合化工程、あるいは、塩基性
化合物による中和工程においてゲル化しやすくなるの
で、オルガノトリアルコキシシランあるいはオルガノト
リクロロシランの如き3官能性の珪素化合物を主成分と
して使用するのが望ましい。
【0191】また、ポリシロキサン(a−1)を調製す
るに際し、前記した如き各種の珪素化合物に加えて、ジ
メチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシ
シラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピル
ジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラ
ン、ジ−n−ブチルジメトキシシランもしくはジ−n−
ブチルジエトキシシラン、
【0192】ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル
ジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラ
ン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニル
ジエトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシ
ラン、シクロペンチルメチルジエトキシシラン、シクロ
ヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチ
ルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、
2−(メチルジメトキシシリル)エチルビニルエーテ
ル、3−(メチルジメトキシシリル)プロピルビニルエ
ーテルもしくは3−(メタ)アクリロイルオキシプロピ
ルメチルジメトキシシランの如き、一分子中に珪素原子
に結合した加水分解性基を2個有する、いわゆる2官能
性の珪素化合物;
【0193】あるいは、トリメチルメトキシシラン、ト
リメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、
トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラ
ン、トリフェニルエトキシシラン、トリメチルクロロシ
ラン、トリエチルクロロシランもしくはトリフェニルク
ロロシランの如き、一分子中に珪素原子に結合した加水
分解性基を1個のみ有する、いわゆる1官能性の珪素化
合物をも併用することが出来る。
【0194】前記したような各種の珪素化合物を加水分
解縮合ないしは部分加水分解縮合せしめることにより、
ポリシロキサン(a−1)として使用される加水分解縮
合物もしくは部分加水分解縮合物を得ることが出来る
が、その際に、触媒を使用してもよいし、使用しなくて
もよいが、これらの縮合反応を容易に進行させる上から
は、触媒を使用することが望ましい。
【0195】ここにおいて、触媒を使用する場合には、
公知慣用の触媒のいずれをも使用することが出来るし、
しかも、それらは単独使用でも、2種類以上の併用でも
よいことは、勿論である。
【0196】かかる触媒として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、塩酸、硫酸または燐酸の如き、
各種の無機酸類;p−トルエンスルホン酸、燐酸モノイ
ソプロピルまたは酢酸の如き、各種の有機酸類;
【0197】水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの
如き、各種の無機塩基類;テトライソプロピルチタネー
トまたはテトラブチルチタネートの如き、各種のチタン
酸エステル類;ジブチル錫ジラウレートまたはオクチル
酸錫の如き、各種の錫カルボン酸塩類;
【0198】鉄、コバルト、マンガンまたは亜鉛の如
き、各種の金属のナフテン酸塩あるいはオクチル酸塩の
如き金属カルボン酸塩類;アルミニウムトリスアセチル
アセトネートの如き、各種のアルミニウム化合物;
【0199】1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザ
ビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ
−n−ブチルアミンもしくはジメチルベンジルアミン、
ブチルアミン、オクチルアミン、
【0200】モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、イミダゾール、1−メチル
イミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾールもしくは
1,4−ジエチルイミダゾールの如き、各種のアミン化
合物類;
【0201】テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチ
ルアンモニウム塩、トリメチル(2−ヒドロキシルプロ
ピル)アンモニウム塩、シクロヘキシルトリメチルアン
モニウム塩、テトラキス(ヒドロキシルメチル)アンモ
ニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩、トリオ
クチルメチルアンモニウム塩もしくはo−トリフルオロ
メチルフェニルトリメチルアンモニウム塩の如き、各種
の4級アンモニウム塩類であって、
【0202】さらには、代表的なる対アニオンとして、
それぞれ、クロライド、ブロマイド、カルボキシレート
もしくはハイドロオキサイドなどを有する4級アンモニ
ウム塩類などである。
【0203】使用される触媒量としては、加水分解もし
くは部分加水分解に供される珪素化合物に対して、約
0.0001〜約10重量%なる範囲内が、好ましく
は、0.0005〜3重量%なる範囲内が、特に好まし
くは、0.0005〜1重量%なる範囲内が適切であ
る。
【0204】また、前記反応に用いられる水の量として
は、かかる珪素化合物の珪素原子に結合している加水分
解性基の1モルに対して、約0.05モル以上が、好ま
しくは、0.1モル以上が適切であるし、さらに好まし
くは、0.2モル以上が適切である。
【0205】0.05モル未満の場合には、どうして
も、加水分解の速度が著しく遅くなってしまい、実用
上、好ましくないけれども、此の水の量が、5モルと
か、10モルとか、珪素原子に結合している加水分解性
基の1モルに対して、大過剰となるように使用すること
は、一向に、支障が無い。
【0206】そして、これらの触媒および水の添加は、
一括添加でも、分割添加でもよく、また、触媒と水を混
合した形で以て添加しても、あるいは別々に、添加して
もよいことは、勿論である。
【0207】かかる反応の反応温度としては、0℃〜1
50℃程度が適切であり、好ましくは、20℃〜100
℃が適切であるし、一方、これらの反応の圧力として
は、常圧、加圧または減圧下の、いずれの条件において
も行うことが出来る。
【0208】そして、かかる反応の副生成物である、そ
れぞれ、アルコールや水などが、引き続いて行われる、
ポリシロキサン(a−1)と重合体(b−1)または
(b−2)の複合化工程や、得られる水性樹脂の安定性
などに対して問題を起こすようであれば、蒸留などの手
段によって、系外に除くことが出来るし、問題が無けれ
ば、そのまま、系内に存在させておいて、一向に、支障
は無い。
【0209】また、かかる反応に際しては、公知慣用の
種々の有機溶剤を使用してもよいし、使用しなくてもよ
いけれども、引き続いて行われる重合体(b−1)また
は(b−2)との複合化工程をスムーズに進行させるた
めに、前掲した如き各種のアルコール性水酸基を有する
有機溶剤を必須成分として含有する媒体を使用すること
が望ましい。
【0210】そして、かかるアルコール性水酸基を有す
る有機溶剤を必須成分として含有する媒体を使用して、
ポリシロキサン(a−1)を調製する際には、珪素原子
に結合した加水分解性基を、一分子中に少なくとも3
個、有する珪素化合物の、前記有機溶剤中における濃度
としては、5重量%程度以上にすることが望ましい。
【0211】また、ポリシロキサン(a−1)として、
市販のポリシロキサンを使用することもでき、そのよう
なポリシロキサンを例示するにとどめれば、シラノール
基あるいは珪素原子に結合したメトキシ基を含有するポ
リシロキサンとして市販されているような、「TSR−
160もしくは165」[東芝シリコーン(株)製の商
品名]、「SH−6018」[東レ・ダウコーニング・
シリコーン(株)製の商品名]、「GR−100、90
8もしくは950」[昭和電工(株)製の商品名]など
で以て代表されるような、線状、環状、分岐状あるいは
ラダー(型)構造を有する加水分解縮合物または部分加
水分解縮合物などである。
【0212】上述した如きポリシロキサンの中でも、水
性樹脂(W−1)または(W−2)の安定性の点から
は、ポリシロキサン(a−1)を構成する全珪素原子の
うち10モル%以上、好ましくは、20モル%以上、さ
らに好ましくは、40モル%以上の珪素原子に、アリー
ル基および/またはシクロアルキル基が結合したものを
使用するのが適切である。
【0213】また、水性樹脂(W−1)または(W−
2)を必須の成分として含有する、硬化性クリヤー塗料
(I)の硬化性と、本発明の方法により形成される硬化
塗膜の耐久性の点からは、ポリシロキサン(a−1)を
構成する全珪素原子のうち10モル%以上、好ましく
は、20モル%以上、さらに好ましくは、30モル%以
上が、メチルトリアルコキシシラン類、メチルトリクロ
ロシラン、シクロヘキシルトリアルコキシシラン類、シ
クロヘキシルトリクロロシラン、フェニルトリアルコキ
シラン類もしくはフェニルトリクロロシランの如き、3
官能シラン化合物に由来するものを使用することが適切
である。
【0214】次いで、本発明の塗膜の形成方法を実施す
る際に使用される、硬化性クリヤー塗料(I)の必須成
分である、水性樹脂(W−1)または(W−2)のう
ち、アニオン性基を親水性基とするタイプの調製方法で
ある、前記した(1)〜(4)なる方法について詳細に
述べることにする。
【0215】まず、はじめに、前記した(1)なる方法
とは、重合体(b−1)または(b−2)と、ポリシロ
キサン(a−1)とを縮合反応させることにより複合化
せしめて、複合樹脂(c−1)または(c−2)を調製
し、ついで該複合樹脂に含まれる酸基を塩基性化合物で
以て部分中和ないしは完全中和せしめる方法である。
【0216】此処において、重合体(b−1)または
(b−2)のそれぞれと、ポリシロキサン(a−1)の
縮合反応をスムーズに進行させるために、触媒を添加す
ることが出来るが、斯かる触媒としては、ポリシロキサ
ン(a−1)を調製する際に使用されるものとして既に
掲げたような種々の触媒類を、そのまま、使用すること
が出来る。
【0217】(1)なる方法で複合化せしめる場合に使
用される触媒の量としては、重合体(b−1)または
(b−2)のそれぞれと、ポリシロキサン(a−1)の
合計量に対して、約0.0001〜約10重量%なる範
囲内が、好ましくは、0.0005〜3重量%なる範囲
内が、特に好ましくは、0.0005〜1重量%なる範
囲内が適切である。
【0218】そして、ポリシロキサン(a−1)を調製
する過程で使用された触媒が(a−1)中に残留してい
る場合には、殊更に、触媒を添加せずとも、(a−1)
中に残留している触媒のみでも、当該縮合反応を促進せ
しめることが可能である。
【0219】また、(1)なる方法において、重合体
(b−1)または(b−2)のそれぞれと、ポリシロキ
サン(a−1)との間の縮合反応をスムーズに進行せし
めるためには、重合体(b−1)または(b−2)のそ
れぞれに含まれる加水分解性シリル基の加水分解と、ポ
リシロキサン(a−1)中に、場合によっては含有され
る珪素原子に結合した加水分解性基の加水分解とを円滑
に進行せしめることが望ましく、したがって、こうした
縮合反応を、水の存在下で以て行なうことが、特に望ま
しい。
【0220】そして、ポリシロキサン(a−1)を調製
する際に使用された水が(a−1)中に残留している場
合には、殊更に水を添加せずとも、(a−1)中に残留
している水のみでも、当該縮合反応を行なうことも可能
である。
【0221】該縮合反応を行なうに際して使用される水
の量としては、重合体(b−1)または(b−2)のそ
れぞれに結合した加水分解性シリル基中に含まれる加水
分解性基と、ポリシロキサン(a−1)中に存在する、
珪素原子に結合している加水分解性基との合計量の1モ
ルに対して、約0.05モル以上が、好ましくは、0.
1モル以上が適切であるし、さらに好ましくは、0.5
モル以上が適切である。
【0222】約0.05モル未満の場合には、どうして
も、加水分解の速度が著しく遅くなり易いので、好まし
くない。
【0223】また、水の使用量を大過剰に設定しても、
反応中に不溶物が析出して来るなどの不都合が生じない
限り、支障なく、複合化反応を行なうことが出来るが、
ポリシロキサン(a−1)中に珪素原子に結合している
加水分解性基が存在する場合には、(a−1)中に含ま
れる加水分解性基の1モルに対して、水の使用量を、概
ね、10モル以下に、好ましくは、5モル以下に、より
好ましくは、3.5モル以下に設定するのが適切である
し、
【0224】(a−1)中に珪素原子に結合している加
水分解性基が存在しない場合においては、重合体(b−
1)または(b−2)のそれぞれに結合した加水分解性
シリル基中に含まれる加水分解性基の1モルに対して、
500モル以下に、好ましくは、300モル以下に、よ
り好ましくは、200モル以下に設定するのが適切であ
る。
【0225】(1)なる方法において、該縮合反応を行
なう際の反応温度としては、0〜150℃程度が適切で
あり、好ましくは、20℃〜100℃程度が適切であ
る。
【0226】さらに、(1)なる方法で、該縮合反応に
引き続いて行なわれる、複合樹脂(c−1)または(c
−2)中の酸基の部分中和ないしは完全中和反応に際し
ては、各種の塩基性化合物を使用することができるけれ
ども、その中で、特に代表的なものののみを例示するに
とどめれば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチ
ルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチル
アミン、n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、
2−アミノ−2−メチルプロパノ−ル、2−アミノエタ
ノ−ルもしくは2−ジメチルアミノエタノ−ルなどによ
って代表されるような、各種の有機アミン化合物;
【0227】またはアンモニアをはじめ、さらには、水
酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムなどによって代
表されるような、各種の無機塩基性物質;またはテトラ
メチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラ−n−
ブチルアンモニウムハイドロオキサイドもしくはトリメ
チルベンジルアンモニウムハイドロオキサイドなどによ
って代表されるような、各種の第四級アンモニウムハイ
ドロオキサイド類などである。
【0228】このような各種の塩基性化合物のうちで
も、アンモニアまたは各種の有機アミン類の使用が、特
に望ましい。
【0229】そして、かかる塩基性化合物の添加量とし
ては、少なくとも、前記重合体(b−1)または(b−
2)と、前記ポリシロキサン(a−1)の縮合反応生成
物に対し、水分散性を付与することが可能な量であり、
前記重合体(b−1)または(b−2)と(a−1)の
縮合反応生成物中に含まれる酸基の当量数に対する、当
該塩基性化合物の当量数の比率、
【0230】つまり、当該塩基性化合物/「前記重合体
(b−1)または(b−2)のそれぞれと(a−1)と
の縮合反応生成物中の酸基」なる当量比が約0.1以上
となるのが適切ではあるが、塗膜性能を損なわない範囲
の量として、好ましくは、概ね、0.1〜3なる範囲内
が適切であるし、最も好ましくは、0.3〜2なる範囲
内が適切である。
【0231】こうした中和反応の反応温度としては、0
℃〜150℃程度が適切であり、好ましくは、20℃〜
100℃が適切であるし、一方、これらの反応の圧力と
しては、常圧、加圧または減圧下の、いずれの条件にお
いても行なうことが出来る。
【0232】次いで、前記した(2)なる方法とは、前
記した重合体(b−1)または(b−2)の存在下に、
ポリシロキサン(a−1)を調製する反応を行なう過程
で、(b−1)または(b−2)と(a−1)とを縮合
反応させることにより、複合化せしめて、複合樹脂(c
−3)または(c−4)を調製し、ついで該複合樹脂中
に含まれる酸基を塩基性化合物で以て部分中和ないしは
完全中和せしめる方法である。
【0233】前記した(2)なる方法よって複合樹脂
(c−3)もしくは(c−4)を調製するに当たり、珪
素原子に結合した加水分解性基を、一分子に少なくとも
3個、有する珪素化合物を必須成分として含有する珪素
化合物類の加水分解縮合を促進するための触媒を使用し
てもよいし、使用しなくてもよいが、当該珪素化合物類
の加水分解反応を速やかに進行させると同時に、生成す
る(a−1)と(b−1)、または(b−2)との間の
縮合反応をスムーズに進行させるうえから、触媒を使用
することが望ましい。
【0234】かかる触媒としては、前記した(a−1)
の調製に際し使用できるものとして例示した如きもの
を、使用することができる。
【0235】使用される触媒の量としては、(a−1)
の原料である珪素化合物に対して、約0.000001
〜約10重量%なる範囲内が、好ましくは、0.000
005〜5重量%なる範囲が、特に好ましくは、0.0
001〜1重量%なる範囲内が適切である。
【0236】また、(2)なる方法で複合樹脂を調製す
るに当たり、(a−1)の原料である珪素化合物の加水
分解反応を円滑に進行せしめ、さらに、生成した(a−
1)と(b−1)または(b−2)との間の縮合反応を
スムーズに進行させるために、通常、水を添加した形で
反応が行なわれる。その際の水の添加量は、重合体(b
−1)または(b−2)に結合した加水分解性シリル基
中に含まれる加水分解性基と、当該珪素化合物中に存在
する、珪素原子に結合している加水分解性基との合計量
の1モルに対して、約0.05モル以上が、好ましく
は、0.1モル以上が適切であるし、さらに好ましく
は、0.5モル以上が適切である。
【0237】約0.05モル未満の場合には、どうして
も、加水分解の速度が著しく遅くなり易いので、好まし
くない。
【0238】さらに、水の使用量を大過剰に設定して
も、反応中に不溶物が析出するなどの不都合が生じない
限り、支障なく、複合化反応を行なうことが出来るが、
前記した加水分解性基の合計量の1モルに対して、水の
使用量を、概ね、10モル以下に、好ましくは、5モル
以下に、より好ましくは、3.5モル以下に設定するの
が適切であるし、
【0239】さらに亦、(2)なる方法で複合樹脂を調
製するに際しての反応条件、ならびに、触媒および水の
添加方法は、前記(a−1)の調製に当たって採用され
るものに準じればよい。
【0240】そして、前記した(2)なる方法におい
て、中和用の塩基性化合物としては、前記した(1)な
る方法において使用できるものとして例示した如き各種
の化合物を、使用することができる。
【0241】また、かかる方法における、塩基性化合物
の使用量等の中和反応の反応条件は、前出の(1)なる
方法におけるものに準じるものとする。
【0242】次いで、前記した(3)なる方法とは、前
記したポリシロキサン(a−1)の存在下に、前記した
重合体(b−1)または(b−2)を調製する反応を行
なう過程で、重合体(b−1)または(b−2)と(a
−1)とを縮合反応させることにより複合化せしめて、
複合樹脂(c−5)または(c−6)を調製し、ついで
該複合樹脂中に含まれる酸基を塩基性化合物で以て部分
中和ないしは完全中和せしめる方法である。
【0243】此処において、重合体(b−1)または
(b−2)のそれぞれを調製する過程で縮合反応を行な
って、(a−1)との複合化を行なうに当たり、(b−
1)または(b−2)のそれぞれに含まれる加水分解性
シリル基の加水分解反応を促進し、さらに、ポリシロキ
サン(a−1)と、生成した重合体(b−1)または
(b−2)のそれぞれとの縮合反応をスムーズに進行さ
せるために、触媒を添加することが出来るが、斯かる触
媒としては、前記した(1)なる方法と同様に、ポリシ
ロキサン(a−1)を調製する際に使用されるものとし
て既に掲げたような種々の触媒類を、そのまま、使用す
ることが出来る。
【0244】(3)なる方法で、複合化せしめる場合に
使用される触媒の量としては、重合体(b−1)または
(b−2)と、ポリシロキサン(a−1)の合計量に対
して、約0.0001〜約10重量%なる範囲内が、好
ましくは、0.0005〜3重量%なる範囲内が、特に
好ましくは、0.0005〜1重量%なる範囲内が適切
である。
【0245】そして、前記した(1)と同様に、ポリシ
ロキサン(a−1)を調製する過程で使用された触媒が
(a−1)中に残留している場合には、殊更に、触媒を
添加せずとも、(a−1)中に残留している触媒のみで
も、当該縮合反応を促進せしめることが可能である。
【0246】また、(3)なる方法においても、(b−
1)または(b−2)と(a−1)との間の縮合反応を
円滑に進行せしめる観点から、前記した(1)なる方法
と同様に、反応系に水を添加することが望ましい。そし
て、かかる水の量としては、(1)なる方法の場合に準
じる。
【0247】そして、これらの触媒および水の添加は、
一括添加でも、分割添加でもよく、また、触媒と水を混
合した形で以て添加しても、あるいは別々に、添加して
もよいことは、勿論である。
【0248】また、(3)なる方法において、重合体
(b−1)または(b−2)のそれぞれを調製する際の
反応温度としては、0〜150℃程度が適切であり、好
ましくは、20℃〜120℃程度が適切である。
【0249】さらに、(3)なる方法で、該縮合反応に
引き続いて行なわれる、複合樹脂(c−5)もしくは
(c−6)中の酸基の部分ないしは完全中和反応に際し
ては、前記した(1)なる方法において記載した各種の
塩基性化合物を、そのまま、使用することができるけれ
ども、その中でも特に、アンモニアもしくは有機アミン
類の使用が望ましい。
【0250】そして、かかる中和反応における、塩基性
化合物または酸性化合物の添加量および該中和反応の反
応条件に関しては、前記した(1)なる方法に準ずるも
のである。
【0251】さらにまた、前記した(4)なる方法と
は、重合体(b−1)または(b−2)を調製する反応
と、ポリシロキサン(a−1)を調製する反応を、同一
の反応系において、並行して行なう過程で、(b−1)
または(b−2)と(a−1)とを縮合させることによ
り複合化せしめて、複合樹脂(c−7)または(c−
8)を調製し、ついで該複合樹脂に含まれる酸基を塩基
性化合物で以て部分中和ないしは完全中和せしめる方法
であって、複合化反応および中和反応は、上述した
(1)〜(3)なる方法に準じて実施すればよい。
【0252】(1)〜(4)なる方法により、複合樹脂
(c−1)〜(c−8)のそれぞれを調製するに当た
り、重合体(b−1)または(b−2)と、ポリシロキ
サン(a−1)との使用割合は、重合体セグメント(B
−1)または(B−2)とポリシロキサンセグメント
(A−1)との比率が、上述した如き好ましい範囲内と
成るように設定すればよい。
【0253】さらに亦、(3)または(4)なる方法に
おいて、重合体(b−1)または(b−2)を調製する
ための条件、あるいは(b−1)または(b−2)それ
ぞれの目標性状としては、(b−1)または(b−2)
の調製方法として、既に記載した条件あるいは性状と合
致するものでなければならない。
【0254】さらには亦、(1)〜(4)なる方法で、
複合樹脂(c−1)〜(c−8)のそれぞれの調製を行
なうに際しての、各成分の合計濃度は、該反応により生
成する複合樹脂(c−1)〜(c−8)のそれぞれの、
複合化反応終了時点での、濃度として、5重量%程度以
上に、好ましくは、10重量%以上に、さらに好ましく
は、20重量%以上になるように設定することが望まし
い。
【0255】そして、この濃度の調整は、前掲したよう
な、アルコール性水酸基を有する有機溶剤を必須成分と
して含有する媒体で以て行なうことが出来る。
【0256】上述のようにして、複合樹脂(c−1)〜
(c−8)のぞれぞれの塩基性化合物による部分もしく
は完全中和物を調製することが出来るが、かかる部分も
しくは完全中和物中に含まれる有機溶剤類は、除去せず
とも、そのままで、水に分散ないしは溶解せしめること
も出来るし、必要に応じて、蒸留操作などによって除去
することも出来る。
【0257】このようにして得られる複合樹脂(c−
1)〜(c−8)のそれぞれの部分もしくは完全中和物
を、水に分散ないしは溶解せしめることによって、水性
樹脂(W−1)または(W−2)のうち、アニオン性基
のみを親水性基として有するタイプが調製される。
【0258】複合樹脂(c−1)〜(c−8)のそれぞ
れの部分もしくは完全中和物から、水性樹脂(W−1)
または(W−2)を調製するには、公知慣用の種々の方
法を適用することが出来る。たとえば、当該部分もしく
は完全中和物に、単に、水あるいは水と水溶性有機溶剤
との混合物を添加せしめるか、あるいは当該部分もしく
は完全中和物を、水あるいは水と水溶性有機溶剤との混
合物に加えることによって水性媒体中に分散せしめる
か、あるいは溶解せしめることによって、目的とする水
性樹脂(W−1)または(W−2)を調製することが出
来る。
【0259】また、必要に応じて、このようにして調製
される水性樹脂(W−1)または(W−2)中に含まれ
る有機溶剤を、加熱および/または減圧によって、部分
的に、あるいは完全に除去せしめることによって、有機
溶剤の含有率が低い、あるいは有機溶剤を含有しない水
性樹脂(W−1)または(W−2)を調製することが出
来る。
【0260】次に、本発明の塗膜の形成方法を実施する
際に使用される、硬化性クリヤー塗料(I)の必須成分
である、水性樹脂(W−3)または(W−4)の調製方
法について述べることにする。
【0261】まず、かかる水性樹脂(W−3)または
(W−4)の前駆体である複合樹脂(C−3)または
(C−4)として、上述した如く特に好ましいものであ
る、重合体セグメント(B−1)または(B−2)とポ
リシロキサンセグメント(A−2)が前記した構造式
(S−I)で示される結合を介して複合化しているもの
の調製方法について述べる。
【0262】かかる複合樹脂(C−3)または(C−
4)を調製する方法としては、例えば、(ホ)遊離の酸
基、遊離の塩基性基およびノニオン性基から成る群より
選ばれる少なくとも一種の極性基と珪素原子に結合した
加水分解性基および/または珪素原子に結合した水酸基
を併有する重合体、あるいは該極性基と珪素原子に結合
した加水分解性基および/または珪素原子に結合した水
酸基に加え、上述した官能基(Fu)のうち酸基あるい
は塩基性基以外の官能基をも含有する重合体と、アリー
ル基もしくはシクロアルキル基と加水分解性基が共に結
合した珪素原子および/またはアリール基もしくはシク
ロアルキル基と水酸基が共に結合した珪素原子を有する
ポリシロキサン(a−2)とを反応せしめて、ポリシロ
キサン(a−2)および前記した各重合体に含有される
珪素原子に結合した加水分解性基および/または珪素原
子に結合した水酸基どうしの反応により構造式(S−
I)の結合を介して複合化させたのち、含有される遊離
の酸基あるいは遊離の塩基性基を塩基性化合物または酸
性化合物で中和する方法、
【0263】(ヘ)中和された酸基、中和された塩基性
基およびノニオン性基から成る群より選ばれる少なくと
も一種の親水性基と珪素原子に結合した加水分解性基お
よび/または珪素原子に結合した水酸基を併有する重合
体、あるいは当該親水性基と珪素原子に結合した加水分
解性基および/または珪素原子に結合した水酸基に加
え、上述した官能基(Fu)をも含有する重合体と、前
記したポリシロキサン(a−2)とを反応せしめて、ポ
リシロキサン(a−2)および前記した各重合体に含有
される珪素原子に結合した加水分解性基および/または
珪素原子に結合した水酸基どうしの反応により構造式
(S−I)の結合を介して複合化させる方法、
【0264】(ト)ラジカル重合性二重結合を有し、且
つ、当該二重結合とポリシロキサンとが、前記構造式
(S−VI)で示される結合様式で結合しているような
アリール基もしくはシクロアルキル基と加水分解性基が
共に結合した珪素原子および/またはアリール基もしく
はシクロアルキル基と水酸基が共に結合した珪素原子を
有するポリシロキサンを、共重合成分の一つとして使用
して、これと、遊離の酸基を含有するビニル系単量体、
遊離の塩基性基を有するビニル系単量体およびノニオン
性基を含有するビニル系単量体から成る群より選ばれる
少なくとも一種の極性基を含有するビニル系単量体を必
須成分として含有するビニル系単量体類とを共重合せし
めることにより、もしくは、前記二重結合を含有するポ
リシロキサンと極性基を有するビニル系単量体に加え
て、上述した官能基(Fu)のうち遊離の酸基または塩
基性基以外の官能基を含有する単量体を必須成分として
含有するビニル系単量体類とを共重合させることによ
り、複合化せしめた後、含有される遊離の酸基あるいは
遊離の塩基性基を塩基性化合物または酸性化合物で中和
する方法、
【0265】(チ)ラジカル重合性二重結合を有し、且
つ、当該二重結合とポリシロキサンとが、前記構造式
(S−VI)で示される結合様式で結合しているような
アリール基もしくはシクロアルキル基と加水分解性基が
共に結合した珪素原子および/またはアリール基もしく
はシクロアルキル基と水酸基が共に結合した珪素原子を
有するポリシロキサンを、共重合成分の一つとして使用
して、これと、中和された酸基を含有するビニル系単量
体、中和された塩基性基を有するビニル系単量体および
ノニオン性基を含有するビニル系単量体から成る群より
選ばれる少なくとも一種の親水性基を含有するビニル系
単量体を必須成分として含有するビニル系単量体類とを
共重合せしめることにより、もしくは、前記二重結合を
含有するポリシロキサンと親水性基を有するビニル系単
量体に加えて、上述した官能基(Fu)を含有する単量
体を必須成分として含有するビニル系単量体類とを共重
合させることにより、複合化せしめる方法、等がある。
【0266】上述した(ホ)および(ヘ)なる方法にお
いて、ポリシロキサン以外の重合体に、珪素原子に結合
した加水分解性基および/または珪素原子に結合した水
酸基が複合化のための官能基として導入されるが、これ
らの官能基のうち、上述した如き珪素原子に結合した加
水分解性基を導入することが特に簡便である。
【0267】そして、かかる珪素原子に結合した加水分
解性基としては、(イ)および(ロ)なる方法の場合と
同様に、上述した加水分解性シリル基の形で導入するこ
とが特に簡便である。
【0268】複合樹脂(C−3)または(C−4)のう
ち、アニオン性基のみを親水性基として有するタイプを
上述した(ホ)の方法で調製する場合のいっそう具体的
な方法の代表的なものとしては、
【0269】(5)予め調製した、加水分解性シリル基
と酸基なる両基を併有する重合体(b−3)または加水
分解性シリル基および酸基なる両基に加えて、上述した
官能基(Fu)のうちの酸基以外の官能基をも含有する
重合体(b−4)と、前記したポリシロキサン(a−
2)とを縮合反応せしめて得られる複合樹脂(c−9)
または(c−10)に含まれる酸基を塩基性化合物で以
て部分中和ないしは完全中和せしめる方法、
【0270】(6)重合体(b−3)または重合体(b
−4)の存在下に、ポリシロキサン(a−2)を調製す
る反応を行なう過程で、(b−3)あるいは(b−4)
と(a−2)とを縮合反応せしめて得られる複合樹脂
(c−11)または(c−12)に含まれる酸基を塩基
性化合物で以て部分中和ないしは完全中和せしめる方
法、
【0271】(7)前記のポリシロキサン(a−2)の
存在下に、重合体(b−3)または重合体(b−4)を
調製する反応を行なう過程で、(b−3)または(b−
4)と(a−2)とを縮合反応せしめて得られる複合樹
脂(c−13)または(c−14)に含まれる酸基を塩
基性化合物で部分中和ないしは完全中和せしめる方法、
【0272】(8)重合体(b−3)または重合体(b
−4)を調製する反応と、ポリシロキサン(a−2)を
調製する反応とを、並行して行なう過程で、(b−3)
または(b−4)と(a−2)とを縮合反応せしめて得
られる複合樹脂(c−15)または(c−16)に含ま
れる酸基を塩基性化合物で以て部分中和ないしは完全中
和せしめる方法等がある。
【0273】また、上述した(5)〜(8)なる各種の
方法では、塩基性化合物を使用して酸基を中和すること
により、中和された酸基のを導入を行っているが、酸基
を含有する原料類もしくは酸基を含有する重合体ならび
に塩基性化合物の使用に替えて、中和された酸基を有す
る原料類もしくは中和された酸基を有する重合体を使用
することによっても、アニオン性基を含有する複合樹脂
(C−3)または(C−4)を調製することが出来る。
【0274】上記の重合体(b−3)あるいは(b−
4)に導入される酸基としては、水性樹脂(W−1)ま
たは(W−2)の調製の際に使用するとして前掲した、
各種の酸基などが挙げられるが、そのうちでも特に望ま
しいもののみを例示するにとどめれば、カルボキシル
基、ブロックカルボキシル基またはカルボン酸無水基な
どである。
【0275】また、上記した重合体(b−4)に導入さ
れる、官能基(Fu)のうちの酸基以外の官能基として
は、重合体セグメント(B−2)に導入することが出来
るものとして例示した各種のものが挙げられる。
【0276】次に、複合樹脂(c−9)〜(c−16)
の調製方法について、詳しく述べることにする。
【0277】まず、複合樹脂(c−9)〜(c−16)
を調製する際に、その前駆体として重合体(b−3)ま
たは(b−4)が、調製されるが、かかる各種の重合体
の代表的なものとしては、重合体セグメント(B−1)
および(B−2)について上述したものと同様に各種の
ものが挙げられるが、それらのうちでも特に好ましいも
のとしては、ビニル系重合体またはポリウレタン系重合
体が挙げられ、さらに、ビニル重合体のうちで特に望ま
しいものとしては、アクリル系重合体およびフルオロオ
レフィン系重合体が挙げられる。
【0278】まず、かかる、重合体(b−3)または
(b−4)のうちの、ビニル系重合体の調製方法につい
て、述べることとする。
【0279】かかるビニル系重合体のうちの、複合樹脂
(c−9)、(c−11)、(c−13)または(c−
15)の前駆体である、重合体(b−3)を調製するに
は、重合体(b−1)の調製に際して使用されるものと
して例示した、単量体類、重合開始剤類および有機溶剤
類を使用して、(i)〜(iv)なる方法を、そのまま
適用するすればよいが、簡便さの点から、これらのう
ち、特に、(i)〜(iii)なる各方法を適用するの
が好ましい。
【0280】そして、かかるビニル系重合体のうち、複
合樹脂(c−10)、(c−12)、(c−14)また
は(c−16)の前駆体である、重合体(b−4)を調
製するには、重合体(b−1)の調製に際して使用され
るものとして例示した、単量体類、重合開始剤類および
有機溶剤類を使用して、(v)〜(viii)なる方法
を、そのまま適用すればよいが、簡便さの点から、これ
らのうち、特に、(v)〜(vii)なる各方法を適用
するのが好ましい。
【0281】また、ビニル系重合体(b−3)または
(b−4)中に導入されるべき、加水分解性シリル基、
酸基または官能基(Fu)のうちの酸基以外の官能基、
それぞれの量としては、重合体(b−1)または(b−
2)の調製に際して導入される量に準じればよい。
【0282】さらに、これらビニル系重合体(b−3)
または(b−4)の数平均分子量についても、前記ビニ
ル系重合体(b−1)または(b−2)の場合の好まし
い範囲に準ずるものである。
【0283】ビニル系重合体(b−3)として、重合性
不飽和二重結合を有する、ポリエステル樹脂またはアル
キド樹脂などのような、ビニル系重合体以外の重合体の
存在下に、前記した各種の方法(i)〜(iii)で重
合を行うことにより得られる、ビニル系重合体セグメン
トをグラフト化せしめた形の、ポリエステル樹脂または
アルキド樹脂などを使用することも出来る。
【0284】ビニル系重合体(b−4)として、重合性
不飽和二重結合を有する、ポリエステル樹脂またはアル
キド樹脂などのような、ビニル系重合体以外の重合体の
存在下に、前記した各種の方法(v)〜(vii)で重
合を行うことにより得られる、ビニル系重合体セグメン
トをグラフト化せしめた形の、ポリエステル樹脂または
アルキド樹脂などを使用することも出来る。
【0285】重合体(b−3)または(b−4)のうち
のポリウレタン系重合体の調製方法としては、前述した
ポリウレタン系重合体(b−1)または(b−2)の調
製方法をそのまま適用できる。
【0286】次いで、複合樹脂(c−9)〜(c−1
6)のもう一方の構成成分である、アリール基もしくは
シクロアルキル基と加水分解性基が共に結合した珪素原
子および/またはアリール基もしくはシクロアルキル基
と水酸基が共に結合した珪素原子を有するポリシロキサ
ン(a−2)について述べる。
【0287】こうしたポリシロキサン(a−2)として
特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、アリ
ール基もしくはシクロアルキル基の少なくとも1個と、
加水分解性基の少なくとも2個とが共に結合した珪素原
子を、一分子に少なくとも1個、有するような珪素化合
物を加水分解縮合せしめることによって調製される、当
該珪素化合物の加水分解縮合物、あるいは斯かる珪素化
合物を部分加水分解縮合せしめることによって調製され
る、当該珪素化合物の部分加水分解縮合物などである。
【0288】前記した如き、ポリシロキサン(a−2)
を調製する際に使用される、アリール基もしくはシクロ
アルキル基の少なくとも1個と、加水分解性基の少なく
とも2個とが共に結合した珪素原子を、一分子に少なく
とも1個、有する珪素化合物としては、公知慣用の種々
の化合物が、いずれも、使用できるけれども、それらの
うちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、次のような一般式(S−IX)
【0289】
【化16】R89 cSiR10 3-c (S−IX)
【0290】(ただし、式中のR8 は、アリール基もし
くはシクロアルキル基を、R9 は、置換基を有していて
もいなくもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基お よびアルケニル基よりなる群
から選ばれる、少なくとも一種の一価の有機基を、R10
は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、置換アルコ
キシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、メルカプト基、
アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオキシ基
またはアルケニルオキシ基の如き加水分解性基を表わす
ものとし、また、cは0または1なる整数であるものと
する。)
【0291】で以て示される珪素化合物;これらの珪素
化合物の1種の部分加水分解縮合によって得られる部分
加水分解縮合物;または此等の珪素化合物の2種以上の
混合物の部分加水分解縮合によって得られる部分共加水
分解縮合物;
【0292】あるいは
【0293】
【化17】
【0294】または
【0295】
【化18】
【0296】などのような、アリール基の少なくとも1
個と、加水分解性基の少なくとも2個とが共に結合した
珪素原子を、一分子中に2個以上、有する珪素化合物な
どである。
【0297】前掲したような一般式(S−IX)で示さ
れる珪素化合物として特に代表的なるもののみを例示す
るにとどめれば、フェニルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリエトキシシランもしくはフェニルトリブトキシシ
ランの如き、各種のフェニルトリアルコキシシラン類;
メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエ
トキシシラン、エチルフェニルジメトキシシランもしく
はエチルフェニルジエトキシシランの如き、各種のアル
キルフェニルジアルコキシシシラン類;ジフェニルジメ
トキシシランもしくはジフェニルジエトキシシランの如
き、各種のジフェニルジアルコキシシラン類;
【0298】シクロペンチルトリメトキシシラン、シク
ロペンチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメ
トキシシランもしくはシクロヘキシルトリエトキシシラ
ンの如き、各種のシクロアルキルトリアルコキシシラン
類;シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペ
ンチルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチル
ジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシ
ランもしくはシクロヘキシルエチルジエトキシシランの
如き、各種のアルキルシクロアルキルジアルコキシシラ
ン類;ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペ
ンチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシ
シランもしくはジシクロヘキシルジエトキシシランの如
き、各種のジシクロアルキルジアルコキシシラン類;
【0299】フェニルトリクロロシラン、メチルフェニ
ルジクロロシラン、エチルフェニルジクロロシランもし
くはジフェニルジクロロシランの如き、各種のモノフェ
ニル−ないしはジフェニルクロロシラン類;シクロペン
チルトリクロロシシラン、シクロヘキシルトリクロロシ
ラン、シクロペンチルメチルジクロロシシラン、シクロ
ヘキシルメチルジクロロシラン、ジシクロペンチルジク
ロロシランもしくはジシクロヘキシルジクロロシランの
如き、各種のモノシクロアルキル−ないしはジシクロア
ルキルクロロシラン類;
【0300】フェニルトリアセトキシシラン、メチルフ
ェニルジアセトキシシラン、エチルフェニルジアセトキ
シシランもしくはジフェニルジアセトキシシランの如
き、各種のモノフェニル−ないしはジフェニルアセトキ
シシラン類;またはシクロペンチルトリアセトキシシラ
ン、シクロヘキシルトリアセトキシシラン、シクロペン
チルメチルジアセトキシシラン、シクロヘキシルメチル
ジアセトキシシラン、ジシクロペンチルジアセトキシシ
ランもしくはジシクロヘキシルジアセトキシシランの如
き、各種のモノシクロアルキル−ないしはジシクロアル
キルアセトキシシラン類などである。
【0301】これらのアリール基と加水分解性基を有す
る珪素化合物のうちで、ポリシロキサン(a−2)を調
製する際に使用される化合物として特に望ましいものの
みを例示するにとどめれば、フェニルトリアルコキシシ
ラン、アルキルフェニルジアルコキシシラン、ジフェニ
ルジアルコキシシラン、シクロヘキシルトリアルコキシ
シラン、アルキルシクロヘキシルジアルコキシシラン、
ジシクロヘキシルジアルコキシシラン、フェニルトリク
ロロシラン、アルキルフェニルジクロロシラン、ジフェ
ニルジクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラ
ン、アルキルシクロヘキシルジクロロシランもしくはジ
シクロヘキシルジクロロシラン、それらの部分加水分解
縮合物または其れらの部分共加水分解縮合物などであ
る。
【0302】斯かるポリシロキサン(a−2)を調製す
るに際して、前掲したような各種の珪素化合物に加え
て、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシ
シラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエ
トキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリエチルク
ロロシランまたはトリフェニルクロロシランのような、
一分子中に珪素原子に結合した加水分解性基を1個のみ
有する、いわゆる1官能性の珪素化合物、あるいは、ポ
リシロキサン(a−1)を調製する際に使用できるもの
として前掲した、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシランもしくはメチルトリ−n−ブトキシシ
ランの如きアリール基もしくはシクロアルキル基を有し
ない3官能性の珪素化合物、さらには、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシランもしくはジメチ
ルジ−n−ブトキシシランの如きアリール基もしくはシ
クロアルキル基を有しない2官能性の珪素化合物、をも
併用することが出来る。
【0303】前記したような各種の珪素化合物を加水分
解縮合ないしは部分加水分解縮合せしめることによっ
て、ポリシロキサン(a−2)として使用される加水分
解縮合物ないしは部分加水分解縮合物を得ることが出来
るが、その調製は上述したポリシロキサン(a−1)の
調製法に準じて行えばよい。
【0304】また、当該ポリシロキサン(a−2)とし
ては、上述した如く調製したものを使用してもよいし、
市販のポリシロキサンを使用することもできる。
【0305】かかる市販のポリシロキサンとして特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、水酸基もしく
はメトキシ基に加えてフェニル基が結合した珪素原子を
有するポリシロキサンとして市販されている、「TSR
−160もしくは165」[東芝シリコーン(株)製の
商品名]もしくは「SH−6018」[東レ・ダウコー
ニング・シリコーン(株)製の商品名]などで以て代表
されるような、線状、環状あるいは分岐状の構造を有す
る、加水分解縮合物ないしは部分加水分解縮合物などで
ある。
【0306】次いで、複合樹脂(C−3)または(C−
4)のうち、アニオン性基を有するタイプの調製方法で
ある、前記した(5)〜(8)なる方法について詳細に
述べることにする。
【0307】まず、はじめに、(5)なる方法で複合樹
脂(C−3)または(C−4)を調製するには、上述の
(1)なる方法において重合体(b−1)または(b−
2)に代えて、それぞれ、重合体(b−3)または(b
−4)を使用し、且つ、ポリシロキサン(a−1)に代
えてポリシキサン(a−2)を使用する以外は、(1)
なる方法に準じて反応を行い、複合樹脂(c−9)また
は(c−10)を調製し、ついで、(1)なる方法と同
様にして、該複合樹脂中に含まれる酸基を、塩基性化合
物で以て部分中和ないしは完全中和せしめればよい。
【0308】前記した(6)なる方法によって、複合樹
脂(C−3)または(C−4)を調製するには、上述の
(2)なる方法において、重合体(b−1)または(b
−2)に代えて、それぞれ、重合体(b−3)または
(b−4)を使用し、且つ、ポリシロキサン(a−1)
を調製する反応に代えてポリシキサン(a−2)を調製
する反応を行う以外は、(2)なる方法に準じて反応を
行い、複合樹脂(c−11)または(c−12)を調製
し、ついで、(1)なる方法と同様にして、該複合樹脂
中に含まれる酸基を、塩基性化合物で以て部分中和ない
しは完全中和せしめればよい。
【0309】前記した(7)なる方法で、複合樹脂(C
−3)または(C−4)を調製するには、上述の(3)
なる方法において、ポリシロキサン(a−1)に代えて
ポリシキサン(a−2)を使用し、且つ、重合体(b−
1)または(b−2)を調製する反応に代えて、それぞ
れ、重合体(b−3)または(b−4)を調製する反応
を行う以外は、(2)なる方法に準じて反応を行い、複
合樹脂(c−13)または(c−14)を調製し、つい
で、(1)なる方法と同様にして、該複合樹脂中に含ま
れる酸基を、塩基性化合物で以て部分中和ないしは完全
中和せしめればよい。
【0310】前記した(8)なる方法で、複合樹脂(C
−3)または(C−4)を調製するには、上述の(4)
なる方法において、ポリシロキサン(a−1)に代えて
ポリシキサン(a−2)を調製する反応を行い、且つ、
重合体(b−1)または(b−2)を調製する反応に代
えて、それぞれ、重合体(b−3)または(b−4)を
調製する反応を行う以外は、(4)なる方法に準じて反
応を行い、複合樹脂(c−15)または(c−16)を
調製し、ついで、(1)なる方法と同様にして、該複合
樹脂中に含まれる酸基を、塩基性化合物で以て部分中和
ないしは完全中和せしめればよい。
【0311】(5)〜(8)なる方法により、複合樹脂
(c−9)〜(c−16)のそれぞれを調製する場合の
重合体(b−3)または(b−4)と、ポリシロキサン
(a−2)との使用割合は、得られる複合樹脂(C−
3)または(C−4)における重合体セグメント(B−
1)もしくは(B−2)とポリシロキサンセグメント
(A−2)との比率が、上述した如き好ましい範囲内と
なるように設定すればよい。
【0312】さらに亦、(7)または(8)なる方法の
うち、重合体(b−3)または(b−4)を調製するた
めの条件、あるいは(b−3)または(b−4)の目標
性状としては、(b−3)または(b−4)の調製方法
として、既に記載した条件あるいは性状と合致するもの
でなければならない。
【0313】さらに、(5)〜(8)なる方法のうち、
複合樹脂(c−9)〜(c−16)の調製に際しては、
有機溶剤を使用してもよいし、使用しなくてもよいが、
攪拌などが容易に行なえるようにするためには、ビニル
系重合体(b−1)を調製する際に使用できるものとし
て既に掲げたような、種々の有機溶剤類を使用すること
が望ましい。
【0314】(5)〜(8)なる方法のうち、複合樹脂
(c−9)〜(c−16)の調製に際しては、各成分の
合計濃度を、該反応により生成する複合樹脂(c−9)
〜(c−16)のそれぞれの、複合化反応終了時点で
の、濃度として、5重量%程度以上に、好ましくは、1
0重量%以上に、さらに好ましくは、20重量%以上に
なるように設定することが望ましい。そして、この濃度
の調整は、前掲したような各種の有機溶剤類で以て行な
うことが出来る。
【0315】上述のようにして、複合樹脂(C−3)ま
たは(C−4)のうち、アニオン性基を有するタイプを
調製することが出来るが、かかる複合樹脂中に含まれる
有機溶剤類は、除去せずとも、そのままで、前記した、
珪素原子に結合した加水分解性基および/または珪素原
子に結合した水酸基を有するポリシロキサン(p)と混
合せしめることができるし、また、ポリシロキサン
(p)との混合に先立ち、蒸留操作などによって除去す
ることも出来る。
【0316】このようにして得られる複合樹脂(C−
3)または(C−4)と、珪素原子に結合した加水分解
性基および/または珪素原子に結合した水酸基を有する
ポリシロキサン(p)と混合せしめ、さらに必要に応じ
て縮合せしめたのち、水に分散ないしは溶解せしめるこ
とによって、水性樹脂(W−3)または(W−4)が調
製される。
【0317】そして、その際に使用されるポリシロキサ
ン(p)としては、上述したポリシロキサン(a−1)
あるいは(a−2)、さらには、市販のポリシロキサン
等各種のものを使用することが出来るが、これらのう
ち、メチルトリアルコキシシラン、メチルトリクロロシ
ランあるいはメチルトリアセトキシシランの如き有機基
としてメチル基を有する3官能性のシラン化合物を必須
の原料成分として使用し調製されたものであることが、
本発明の塗膜の形成方法を実施する際に使用される、硬
化性クリヤー塗料(I)の硬化性とか、本発明の方法に
よる形成される硬化塗膜の耐久性等の点から、特に好ま
しい。
【0318】そして、かかるポリシロキサン(p)にお
いて、全珪素原子に占める、メチル基が結合した3官能
性のシランに由来する珪素原子の割合としては、20モ
ル%以上が好ましく、そして30モル%以上がより好ま
しく、さらには50モル%以上が特に好ましい。
【0319】上述したようなポリシロキサン(p)と、
前記した複合樹脂(C−3)または(C−4)との混合
物を、あるいは、さらに必要に応じて(p)と、(C−
3)または(C−4)とを縮合せしめることにより得ら
れる、(p)中の珪素原子に結合した加水分解性基およ
び/または珪素原子に結合した水酸基の一部分と(C−
3)または(C−4)中の珪素原子に結合した加水分解
性基および/または珪素原子に結合した水酸基の一部分
が脱水縮合した形の縮合反応生成物を、水に分散ないし
は溶解せしめることにより、水性樹脂(W−3)または
(W−4)が得られる。
【0320】複合樹脂(C−3)または(C−4)とポ
リシロキサン(p)との混合物もしくは縮合反応生成物
から、水性樹脂(W−3)または(W−4)を調製する
には、公知慣用の種々の方法を適用することが出来る。
たとえば、該混合物もしくは該縮合反応生成物に、水あ
るいは水と水溶性有機溶剤の混合物を添加せしめるか、
あるいは該混合物もしくは該縮合反応生成物を、水ある
いは水と水溶性有機溶剤の混合物に加えて水性媒体中に
分散せしめるか、あるいは溶解せしめることによって、
目的とする水性樹脂(W−3)または(W−4)を製造
することが出来る。
【0321】また、必要に応じて、このようにして調製
される水性樹脂(W−3)または(W−4)に含まれる
有機溶剤を、加熱および/または減圧によって、部分的
に、あるいは完全に除去せしめることによって、有機溶
剤の含有率が低い、あるいは有機溶剤を含有しない水性
樹脂(W−3)または(W−4)を調製することが出来
る。
【0322】上述のようにして、アニオン性基を含有す
る水性樹脂(W−1)〜(W−4)を調製することが出
来るが、上述した(1)〜(8)なる各種の方法におい
て、重合体(b−1)〜(b−4)に酸基に代えて、塩
基性基を導入し、且つ、中和剤として、塩基性化合物に
代えて酸性化合物を使用することにより、カチオン性基
を含有する水性樹脂(W−1)〜(W−4)を調製する
ことが出来る。
【0323】さらに、上述した(1)〜(8)なる各種
の方法において、親水性基として、中和された酸基に代
えて、ノニオン性基であるポリエーテル鎖を導入するこ
とにより、ノニオン性基を含有する水性樹脂(W−1)
〜(W−4)を調製することが出来る。
【0324】さらに、上記したアニオン性基またはカチ
オン性基を含有する水性樹脂を調製する方法とノニオン
性基を導入する方法を組み合わせることにより、アニオ
ン性基またはカチオン性基とノニオン性基とを併有する
重合体を調製することが出来る。
【0325】上述のようにして調製される水性樹脂(W
−1)〜(W−4)のうち、水性樹脂(W−1)中に含
まれる官能基としては、複合樹脂(C−1)に由来す
る、珪素原子に結合した水酸基ならびに場合により含有
される珪素原子に結合した加水分解性基があり、加えて
塩基性化合物により中和された酸基または酸性化合物に
より中和された塩基性基ならびに場合によっては含有さ
れる遊離の酸基または遊離の塩基性基である。
【0326】水性樹脂(W−3)中に含まれる官能基と
しては、複合樹脂(C−3)と、ポリシロキサン(p)
との両方に由来する、珪素原子に結合した水酸基ならび
に場合により含有される珪素原子に結合した加水分解性
基があり、加えて、(C−3)に由来する、塩基性化合
物により中和された酸基または酸性化合物により中和さ
れた塩基性基ならびに場合によっては含有される遊離の
酸基または遊離の塩基性基である。
【0327】水性樹脂(W−2)中に含まれる官能基と
しては、複合樹脂(C−2)に由来する、珪素原子に結
合した水酸基ならびに場合によっては含有される珪素原
子に結合した加水分解性基があり、加えて塩基性基によ
り中和された酸基または酸性化合物により中和された塩
基性基ならびに場合によっては含有される遊離の酸基ま
たは遊離の塩基性基があり、さらに、これら以外の官能
基として、複合樹脂(C−2)に由来する、炭素原子に
結合した水酸基、ブロック水酸基、シクロカーボネート
基、エポキシ基、1級アミド基、2級アミド基、カーバ
メート基または構造式(S−III)で示されるような
官能基(Fu)の、少なくとも1種のものである。
【0328】水性樹脂(W−4)中に含まれる官能基と
しては、複合樹脂(C−4)と、ポリシロキサン(p)
との両方に由来する、珪素原子に結合した水酸基ならび
に場合によっては含有される珪素原子に結合した加水分
解性基があり、(C−4)に由来する塩基性基により中
和された酸基または酸性化合物により中和された塩基性
基ならびに場合によっては含有される遊離の酸基または
遊離の塩基性基があり、さらに、これら以外の官能基と
して、複合樹脂(C−4)に由来する、炭素原子に結合
した水酸基、ブロック水酸基、シクロカーボネート基、
エポキシ基、1級アミド基、2級アミド基、カーバメー
ト基または構造式(S−III)で示されるような官能
基(Fu)の、少なくとも1種のものである。
【0329】水性樹脂(W−1)〜(W−4)を調製す
る際に、重合体(b−1)〜(b−4)のそれぞれにア
ニオン性基の前駆官能基として、ブロックした酸基ある
いは酸無水基を導入した場合には、水性樹脂(W−1)
〜(W−4)を調製する過程で、それらのうちの、少な
くとも一部分を、アニオン性基である中和された酸基に
変換する必要がある。
【0330】また、水性樹脂(W−2)または(W−
4)を調製する際に、官能基(Fu)として、ブロック
した酸基あるいは酸無水基を重合体セグメント(B−
2)に導入しようとする場合には、、斯かるブロックし
た酸基あるいは酸無水基のうちの少なくとも一部分は、
複合樹脂(C−2)または(C−4)の合成段階で以
て、さらには、これらを水に分散ないしは溶解する段階
で以て、加水分解、熱分解あるいはアルコリシスなどに
よって、遊離の酸基に変換される可能性がある。
【0331】さらに、水性樹脂(W−2)または(W−
4)を調製する際に、官能基(Fu)として、ブロック
水酸基、エポキシ基またはシクロカーボネート基を重合
体セグメント(B−2)に導入しようとする場合には、
複合樹脂(C−2)または(C−4)の合成段階で以
て、さらには、これらを水に分散ないしは溶解する段階
で以て、これらの官能基の少なくとも一部分は、加水分
解あるいはアルコリシスなどによって、遊離の水酸基に
変換されることもある。
【0332】そして、斯かるブロック水酸基、エポキシ
基またはシクロカーボネート基の種類とか、あるいは前
述した複合化反応の条件、後述する(D)との混合の条
件、あるいは、引き続き行われる、水への分散ないしは
溶解の条件などによっては、斯かる各種の官能基は、完
全に、遊離の水酸基に変換されることもある。
【0333】このようにして調製される水性樹脂(W−
1)〜(W−4)のそれぞれから、本発明の塗膜の形成
方法を実施する際に使用される、硬化性クリヤー塗料
(I)を調製するには、一つには、(W−1)〜(W−
4)のそれぞれは、それ自体で、自己硬化性を有する処
から、(W−1)〜(W−4)のそれぞれを必須の成分
として含有する自己硬化性のクリヤー塗料とすればよい
し、
【0334】二つには、(W−1)〜(W−4)のそれ
ぞれに対して、さらに、前記した水性樹脂(W−1)〜
(W−4)に含有される官能基と反応する官能基を有す
る化合物(D)を配合せしめることによって、(W−
1)〜(W−4)のそれぞれに含まれる官能基と、化合
物(D)中に含まれる官能基との間の、架橋反応をも利
用する硬化性のクリヤー塗料とすればよい。
【0335】後者の形の硬化性クリヤー塗料(I)の調
製に際して使用されるこの化合物(D)とは、前述した
水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞれの中に含ま
れる、前述のような各種の官能基と反応する官能基を少
なくとも1種有する、公知慣用の種々の化合物を指称す
るものであり、こうした官能基として特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、イソシアネート基、ブロ
ックされたイソシアネート基、炭素原子に結合した水酸
基、ブロック水酸基、カルボキシル基、ブロックカルボ
キシル基、カルボン酸無水基、アミノ基、シクロカーボ
ネート基、鎖状カーボネート基、エポキシ基、1級アミ
ド基、2級アミド基、カーバメート基、オキサゾリン
基、N−ヒドロキシメチルアミノ基、N−アルコキシメ
チルアミノ基、カルボニル基、アセトアセチル基、シラ
ノール基、珪素原子に結合した加水分解性基または次の
構造式(S−V)
【0336】
【化19】 −C(O)−NH−CH(OR2)−COOR3 (S−V)
【0337】(ただし、式中のR2 は水素原子、炭素数
が1〜8なるアルキル基またはアリール基を表わすもの
とし、また、R3 は炭素数が1〜8なるアルキル基また
はアリール基を表わすものとする。)
【0338】で示されるような官能基などである。
【0339】そして、当該化合物(D)中に含まれる官
能基は、水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞれの
中に含まれる官能基の種類に応じて、適宜、選択され
る。そうした組み合わせとして特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、シラノール基−シラノール基、
シラノール基−アルコキシシリル基、アルコキシシリル
基−アルコキシシリル基、カルボキシル基−エポキシ
基、カルボキシル基−シクロカーボネート基、3級アミ
ノ基−エポキシ基、炭素原子に結合した水酸基−N−ヒ
ドロキシメチルアミノ基、炭素原子に結合した水酸基−
イソシアネート基または炭素原子に結合した水酸基−ブ
ロックイソシアネート基などである。
【0340】当該化合物(D)としては、水性樹脂(W
−1)〜(W−4)のそれぞれの中に含まれる官能基に
よっては、前述したような種々の官能基のうちの2種以
上を有するものであってもよい。また、当該化合物
(D)としては、比較的、分子量の低い化合物に加え
て、各種の樹脂類を使用することも出来るが、このよう
な樹脂類として特に代表的なもののみを例示するにとど
めれば、アクリル樹脂またはフッ素樹脂の如き、各種の
ビニル系重合体などをはじめ、さらには、ポリエステル
樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂またはエポキシ
樹脂などである。そして、当該化合物(D)として、特
に、前記した官能基を2種以上有するような化合物を使
用する際には、当該化合物(D)としては、特に、ビニ
ル系重合体を使用するのが簡便である。
【0341】かかる化合物(D)として特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、珪素原子に結合した水
酸基および/または珪素原子に結合した加水分解性基を
有する化合物、一分子中にイソシアネート基と珪素原子
に結合した加水分解性基とを併有する化合物、一分子中
にエポキシ基と珪素原子に結合した加水分解性基とを併
有する化合物、一分子中にアミノ基と珪素原子に結合し
た加水分解性基とを併有する化合物、ポリイソシアネー
ト化合物、ブロックポリイソシアネート化合物、ポリエ
ポキシ化合物、ポリシクロカーボネート化合物、アミノ
樹脂、1級ないしは2級アミド基含有化合物、ポリカル
ボキシ化合物、ポリヒドロキシ化合物、ポリアジリジン
化合物、ポリアクリレート化合物、ポリカーボジイミド
化合物、ブロック水酸基を有する化合物、ポリアミン化
合物、少なくとも2個のカルボン酸無水基を有する化合
物またはポリオキサゾリン化合物などであり、これらの
諸々の化合物類は、単独使用であってもよいし、2種以
上の併用であってもよいことは、勿論、可能である。
【0342】これらのうちでも特に望ましいものとして
は、珪素原子に結合した水酸基および/または珪素原子
に結合した加水分解性基を有する化合物、一分子中にイ
ソシアネート基と珪素原子に結合した加水分解性基とを
併有する化合物、一分子中にエポキシ基と珪素原子に結
合した加水分解性基とを併有する化合物、ポリイソシア
ネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物、ポ
リエポキシ化合物、ポリシクロカーボネート化合物、ア
ミノ樹脂、1級ないしは2級アミド基含有化合物、ポリ
カルボキシ化合物およびポリヒドロキシ化合物などが挙
げられる。
【0343】前記した、珪素原子に結合した水酸基およ
び/または珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪
素化合物のうちでも特に代表的なもののみを例示するに
とどめれば、前掲したような一般式(S−VIII)と
か一般式(S−IX)で以て示される珪素化合物;これ
らの珪素化合物の加水分解物あるいは加水分解縮合物;
これらの珪素化合物の1種の部分加水分解縮合によって
得られる部分加水分解縮合物;または此等の珪素化合物
の2種以上の部分加水分解縮合によって得られる部分共
加水分解縮合物などである。
【0344】これらのうちでも、当該珪素化合物として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、テトラ
メトキシシランおよびテトラエトキシシラン、それらの
部分加水分解縮合物、それらの部分共加水分解縮合物ま
たは珪素原子に結合した水酸基および/または珪素原子
に結合した加水分解性基を有する、線状、分岐状ないし
は環状の、あるいはラダー状のシリコーン樹脂などであ
る。
【0345】前記した、一分子中に、それぞれ、イソシ
アネート基と、珪素原子に結合した加水分解性基とを併
せ有する化合物として特に代表的なる化合物のみを例示
するにとどめることにするならば、
【0346】3−イソシアナートプロピルトリメトキシ
シラン、3−イソシアナートプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラ
ンまたは3−イソシアナートプロピルメチルジエトキシ
シランの如き、珪素化合物;
【0347】あるいは前掲したような、加水分解性シリ
ル基含有ビニル系単量体と、後掲するような、イソシア
ネート基含有ビニル系単量体とからなる種々の共重合体
または此等の両単量体を、該両単量体と共重合可能な
る、それぞれ、(メタ)アクリル系、ビニルエステル
系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系またはフルオロ
オレフィン系のような種々のビニル単量体類などと共重
合せしめることによって得られる、それぞれ、イソシア
ネート基と加水分解性シリル基とを併有する、アクリル
系共重合体、ビニルエステル系共重合体またはフルオロ
オレフィン系共重合体のような種々のビニル系共重合体
類などである。
【0348】前記した、一分子中に、それぞれ、エポキ
シ基と、珪素原子に結合した加水分解性基とを併せ有す
る化合物として特に代表的なる化合物のみを例示するに
とどめれば、
【0349】3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランまた
は3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの
如き、珪素化合物;これらの珪素化合物の1種の部分加
水分解縮合によって得られる部分加水分解縮合物;ある
いは此等の珪素化合物の2種以上の部分加水分解縮合に
よって得られる部分共加水分解縮合物;
【0350】「EGM−202」[東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)製の、珪素原子に結合したメトキ
シ基と、3−グリシドキシプロピルとを併有する、環状
のポリシロキサンの商品名];「KP−392」[信越
化学(株)製の、3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランの部分加水分解縮合物の商品名];
【0351】あるいは亦、前掲したような各種のエポキ
シ基含有ビニル単量体と、同じく、前掲したような各種
の加水分解性シリル基含有ビニル系単量体とからなる種
々の共重合体または此等の両単量体を、該両単量体と共
重合可能なる、それぞれ、(メタ)アクリル系、ビニル
エステル系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系ないし
はフルオロオレフィン系ビニル単量体類などと共重合せ
しめることによって得られる、それぞれ、エポキシ基と
加水分解性シリル基とを併有する、アクリル系共重合
体、ビニルエステル系共重合体またはフルオロオレフィ
ン系共重合体の如き、種々のビニル系共重合体類などで
ある。
【0352】前記したポリイソシアネート化合物として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、トリレ
ンジイソシアネートまたはジフェニルメタン−4,4’
−ジイソシアネートの如き、各種の芳香族ジイソシアネ
ート類;
【0353】メタ−キシリレンジイソシアネートまたは
α,α,α’,α’−テトラメチル−メタ−キシリレン
ジイソシアネートの如き、各種のアラルキルジイソシア
ネート類;
【0354】ヘキサメチレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネート、1,3−ビスイソシアナートメチル
シクロヘキサン、2−メチル−1,3−ジイソシアナー
トシクロヘキサン、2−メチル−1,5−ジイソシアナ
ートシクロヘキサンまたはイソホロンジイソシアネート
の如き、各種の脂肪族ないしは脂環式ジイソシアネート
類;
【0355】前掲したような各種のポリイソシアネート
類を、多価アルコール類と付加反応せしめることによっ
て得られる、イソシアネート基を有する各種のプレポリ
マー類であるとか、
【0356】前掲したような各種のポリイソシアネート
類を環化三量化せしめることによって得られる、イソシ
アヌレート環を有する各種のプレポリマー類;
【0357】前掲したような各種のポリイソシアネート
類と、水とを反応せしめることによって得られる、ビウ
レット構造を有する各種のポリイソシアネート類;
【0358】さらには、2−イソシアナートエチル(メ
タ)アクリレート、3−イソプロペニル−α,α−ジメ
チルベンジルイソシアネートまたは(メタ)アクリロイ
ルイソシアネートの如き、各種の、イソシアネート基を
有するビニル単量体の単独重合体;
【0359】または此等のイソシアネート基含有ビニル
単量体を、該単量体と共重合可能なる、それぞれ、(メ
タ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニルエーテル
系、芳香族、ビニル系またはフルオロオレフィン系ビニ
ル単量体類などと共重合せしめることによって得られ
る、
【0360】それぞれ、イソシアネート基含有アクリル
系共重合体、ビニルエステル系共重合体またはフルオロ
オレフィン系共重合体のような、種々のビニル系共重合
体類などである。
【0361】そして、かかるポリイソシアネートのうち
にあって、特に、耐候性などの面からは、脂肪族、アラ
ルキル系ないしは脂環式ジイソシアネート化合物、それ
らの各種のジイソシアネート化合物から誘導される、種
々のタイプのプレポリマーあるいはイソシアネート基含
有ビニル系重合体などの使用が、特に望ましい。
【0362】前記したブロック・ポリイソシアネート化
合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、前掲したような各種のポリイソシアネート化合物
を、後掲するような種々のブロック剤で以てブロック化
せしめることによって得られる種々のブロックポリイソ
シアネート化合物や、
【0363】イソシアネート基を環化二量化せしめるこ
とによって得られる種々のウレトジオン構造を含む化合
物のように、熱によって、イソシアネート基が再生する
という部類の化合物などである。
【0364】そして、ブロック・ポリイソシアネート化
合物を調製する際に使用されるブロック剤として特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、メタノール、
エタノール、ベンジルアルコールまたは乳酸エステルの
如き、各種のアルコール類;
【0365】フェノール、サリチル酸エステルまたはク
レゾールの如き、各種のフェノール性水酸基含有化合物
類;またはε−カプロラクタム、2−ピロリドンまたは
アセトアニリドの如き、各種のアマイド類;
【0366】あるいはアセトンオキシムまたはメチルエ
チルケトオキシムの如き、各種のオキシム類などである
し、さらには、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルま
たはアセチルアセトンの如き、各種の活性メチレン化合
物類などである。
【0367】前記したポリエポキシ化合物として特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、エチレングリ
コール、ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、
トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリ
セリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールまたは水
添ビスフェノールAの如き、各種の脂肪族ないしは脂環
式ポリオールのポリグリシジルエーテル類;
【0368】ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、
ビスフェノールA、ビスフェノールSまたはビスフェノ
ールFの如き、各種の芳香族系ジオールのポリグリシジ
ルエーテル類;上掲したような芳香族系ジオール類のエ
チレンオキシドまたはプロピレンオキシド付加体の如
き、該芳香族系ジオール誘導体類のジグリシジルエーテ
ル類;
【0369】ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールまたはポリテトラメチレングリコールの如
き、各種のポリエーテルポリオールのポリグリシジルエ
ーテル類;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レ−トのポリグリシジルエーテル類;アジピン酸、ブタ
ンテトラカルボン酸、プロパントリカルボン酸、フタル
酸、テレフタル酸またはトリメリット酸の如き、各種の
脂肪族ないしは芳香族ポリカルボン酸のポリグリシジル
エステル類;
【0370】ブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエ
ン、ドデカジエン、シクロオクタジエン、α−ピネンま
たはビニルシクロヘキセンの如き、各種の炭化水素系ジ
エン類のビスエポキシド類;ビス(3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル)アジペートまたは3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキ
シルカルボキシレートの如き、各種の脂環式ポリエポキ
シ化合物;あるいはポリブタジエンまたはポリイソプレ
ンの如き、各種のジエンポリマーのエポキシ化物;
【0371】「デナコールEX−612」[ナガセ化成
工業(株)製の、ソルビトールポリグリシジルエーテル
の商品名];「EGM−400」[東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)製の、3−グリシドキシプロピル
を有する、環状のポリシロキサンの商品名];
【0372】あるいは亦、前掲したような各種のエポキ
シ基含有ビニル単量体の種々の単独重合体または此等の
エポキシ基含有ビニル単量体を、該単量体と共重合可能
なる、それぞれ、(メタ)アクリル系、ビニルエステル
系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系もしくはフルオ
ロオレフィン系ビニル単量体類などと共重合せしめるこ
とによって得られるような、それぞれ、エポキシ基を有
する、アクリル系共重合体、ビニルエステル系共重合体
またはフルオロオレフィン系共重合体のような、ビニル
系共重合体類などである。
【0373】ポリシクロカーボネート化合物として特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、前掲したよ
うな各種のポリエポキシ化合物を、たとえば、触媒の存
在下に、二酸化炭素と反応せしめて、このエポキシ基
を、シクロカーボネート基に変換することによって得ら
れる5員環シクロカーボネート基含有ポリシクロカーボ
ネート化合物;あるいは前掲したような各種のシクロカ
ーボネート基含有ビニル単量体の単独重合体
【0374】または此等のシクロカーボネート基含有ビ
ニル単量体を、該単量体と共重合可能なる、それぞれ、
(メタ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニルエーテ
ル系、芳香族ビニル系またはフルオロオレフィン系ビニ
ル単量体類などと共重合せしめることによって得られ
る、それぞれ、シクロカーボネート基を有する、アクリ
ル系共重合体、ビニルエステル系共重合体またはフルオ
ロオレフィン系共重合体のような、ビニル系共重合体類
などである。
【0375】続いて、前記したアミノ樹脂として特に代
表的なるもののみを例示するにとどめるならば、
【0376】メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグア
ナミン、尿素またはグリコウリルの如き、各種のアミノ
基含有化合物を、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデ
ヒドの如き、各種のアルデヒド化合物(ないしはアルデ
ヒド供給物質)と反応せしめることによって得られるア
ルキロール基を有する種々のアミノ樹脂;
【0377】あるいは斯かるアルキロール基を有するア
ミノ樹脂を、メタノール、エタノール、n−ブタノール
またはi−ブタノール(イソブタノール)の如き、各種
の低級アルコールと反応せしめることによって得られ
る、種々のアルコキシアルキル基含有アミノ樹脂などで
ある。
【0378】また、1級ないしは2級アミド基含有化合
物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、前述したビニル系重合体(b−2)を調製する際に
使用される、官能基(Fu)を含有するビニル系単量体
(m−4)の一部として、すでに、例示しているよう
な、1級ないしは2級アミド基を有する、種々のビニル
系単量体の単独重合体
【0379】または此等の1級ないしは2級アミド基含
有ビニル系単量体を、該単量体と共重合可能なる、それ
ぞれ、(メタ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニル
エーテル系、芳香族ビニル系またはフルオロオレフィン
系ビニル単量体類などと共重合せしめることによって得
られる、1級ないしは2級アミド基を有する、各種のア
クリル系共重合体、ビニルエステル系共重合体またはフ
ルオロオレフィン系共重合体のような、種々のビニル系
共重合体類などである。
【0380】さらに、ポリカルボキシ化合物として特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチ
ン酸、アゼライン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン
酸などのような低分子量の化合物などであるし、さらに
は、
【0381】ビニル系重合体(b−1)の調製の際に使
用される、酸基含有ビニル系単量体の一部として、既に
例示しているような、カルボキシル基を有する、種々の
ビニル単量体の単独重合体
【0382】または此等のカルボキシル基含有ビニル単
量体を、該単量体と共重合可能なる、それぞれ、(メ
タ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニルエーテル
系、芳香族ビニル系またはフルオロオレフィン系ビニル
単量体類などと共重合せしめることによって得られる、
カルボキシル基を有する、各種のアクリル系共重合体、
ビニルエステル系共重合体またはフルオロオレフィン系
共重合体のような、種々のビニル系共重合体類などであ
る。
【0383】前記したポリヒドロキシ化合物として特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール
またはグリセリンなどのような種々の低分子化合物など
であり、また、ポリエチレングリコールまたはポリプロ
ピレングリコールなどをはじめ、さらには、ビニル系重
合体(b−2)を調製する際に使用される、官能基(F
u)を有するビニル系単量体(m−4)の一部として、
すでに、例示しているような、炭素原子に結合した水酸
基を有する、種々のビニル単量体の単独重合体
【0384】または此等の炭素原子に結合した水酸基含
有ビニル単量体を、該単量体と共重合可能なる、それぞ
れ、(メタ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニルエ
ーテル系、芳香族ビニル系またはフルオロオレフィン系
ビニル単量体類などと共重合せしめることによって得ら
れる、炭素原子に結合した水酸基を有する、各種のアク
リル系共重合体、ビニルエステル系共重合体またはフル
オロオレフィン系共重合体のような、種々のビニル系共
重合体類などである。
【0385】化合物(D)を、水性樹脂(W−1)〜
(W−4)のそれぞれに配合せしめる際、この化合物
(D)が、それ自体、水溶性のものであったり、水分散
体であったり、或る程度の親水性を有するようなもので
あったりする場合には、当該化合物(D)が、水性樹脂
(W−1)〜(W−4)のそれぞれの中に、均一に溶解
ないしは均一に分散した形の組成物を得ることが出来
る。
【0386】しかしながら、当該化合物(D)の親水性
が低い場合には、水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそ
れぞれと混合せしめようとしても、均一に溶解ないしは
分散した形の組成物を得ることは出来ないようになる
が、このような場合には、公知慣用の種々の方法によっ
て、当該化合物(D)中に、いわゆる親水性基などを導
入せしめることによって、当該化合物(D)それ自体の
親水性を向上せしめ、均一なる形の組成物を得ることが
出来る。
【0387】当該化合物(D)が重合体である場合に
は、当該化合物(D)としては、無溶剤液状物、有機溶
剤溶液、水溶液または水分散体のいずれの形態であって
も使用することができる。そして、当該化合物(D)そ
れ自体がビニル重合体である場合には、エマルジョン重
合体として使用するのも好適である。
【0388】前記した水性樹脂(W−1)〜(W−4)
のそれぞれと、当該化合物(D)とから成る水性硬化性
樹脂組成物を調製するには、当該化合物(D)それ自体
が、珪素原子に結合した水酸基および/または珪素原子
に結合した加水分解性基を有する化合物である場合に
は、水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞれの固形
分の100重量部に対して、当該化合物(D)の固形分
量が、約0.1〜約200重量部の範囲内、好ましく
は、0.5〜150重量部の範囲内、一層好ましくは、
1〜100重量部の範囲内となるように配合すればよ
い。
【0389】また、当該化合物(D)が、一分子中にイ
ソシアネート基と珪素原子に結合した加水分解性基とを
併有する化合物、ポリイソシアネート化合物またはブロ
ックポリイソシアネート化合物である場合には、水性樹
脂(W−1)〜(W−4)のそれぞれの中に含まれる、
それぞれ、イソシアネート基またはブロックイソシアネ
ート基と反応する官能基の1当量に対して、
【0390】当該化合物(D)中に含まれる、それぞ
れ、イソシアネート基またはブロックイソシアネート基
の量が約0.1〜約10当量の範囲内、好ましくは、
0.3〜5当量の範囲内、一層好ましくは、0.5〜2
当量の範囲内となるように、当該化合物(D)を配合す
ればよい。
【0391】また、当該化合物(D)が、一分子中にエ
ポキシ基と珪素原子に結合した加水分解性基とを併有す
る化合物、ポリエポキシ化合物あるいはポリシクロカー
ボネート化合物である場合には、水性樹脂(W−1)〜
(W−4)のそれぞれの中に含まれる、それぞれ、エポ
キシ基またはシクロカーボネート基と反応する官能基の
1当量に対して、
【0392】当該化合物(D)中に含まれるエポキシ基
量および/またはシクロカーボネート基量の合計量が、
約0.2〜約5.0当量の範囲内、好ましくは、0.5
〜3.0当量の範囲内、一層好ましくは、0.7〜2当
量の範囲内となるように、当該化合物(D)を配合すれ
ばよい。
【0393】続いて、当該化合物(D)が、特に、アミ
ノ樹脂である場合には、水性樹脂(W−1)〜(W−
4)のそれぞれの固形分の100重量部に対して、化合
物(D)の固形分量が、約5〜約200重量部の範囲
内、好ましくは、10〜150重量部の範囲内、一層好
ましくは、15〜100重量部の範囲内となるように配
合すればよい。
【0394】また、当該化合物(D)が、特に、1級な
いしは2級アミド基を有する化合物である場合には、水
性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞれの中に含まれ
る1級ないしは2級アミド基と反応する官能基の1当量
に対して、
【0395】当該化合物(D)中に含まれる1級ないし
は2級アミド基量が、約0.2〜約5.0当量の範囲
内、好ましくは、0.5〜3.0当量の範囲内、一層好
ましくは、0.7〜2当量の範囲内となるように、化合
物(D)を配合すればよい。
【0396】さらに、当該化合物(D)が、特に、ポリ
カルボキシ化合物である場合には、水性樹脂(W−1)
〜(W−4)のそれぞれの中に含まれるカルボキシル基
と反応する官能基の1当量に対して、
【0397】当該化合物(D)中に含まれるカルボキシ
ル基量が、約0.2〜約5.0当量の範囲内、好ましく
は、0.5〜3.0当量の範囲内、一層好ましくは、
0.7〜2当量の範囲内となるように、当該化合物
(D)を配合すればよい。
【0398】また、当該化合物(D)が、特に、ポリヒ
ドロキシ化合物である場合には、水性樹脂(W−1)〜
(W−4)のそれぞれに含まれる、ヒドロキシ基と反応
する官能基の1当量に対して、
【0399】当該化合物(D)中に含まれる水酸基量
が、約0.2〜約5.0当量の範囲内、好ましくは、
0.5〜3.0当量の範囲内、一層好ましくは、0.7
〜2当量の範囲内となるように、化合物(D)を配合す
ればよい。
【0400】硬化性クリヤー塗料(I)には、さらに、
硬化触媒、流動調整剤、染料、レベリング剤、レオロジ
ーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤または可
塑剤などのような、公知慣用の種々の添加剤類などをも
配合せしめた形で以て、使用することが出来る。
【0401】前記した添加剤類のうち、硬化触媒として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、前記し
たようなポリシロキサン(a−1)の調製に使用される
ものとして、すでに、前掲しているような各種の触媒類
を使用することも出来るし、これらの諸化合物に加え
て、テトラメチルホスホニウム塩、テトラエチルホスホ
ニウム塩、テトラプロピルホスホニウム塩、テトラブチ
ルホスホニウム塩、トリメチル(2−ヒドロキシルプロ
ピル)ホスホニウム塩、トリフェニルホスホニウム塩ま
たはベンジルホスホニウム塩類などであって、対アニオ
ンとして、たとえば、フルオライド、クロライド、ブロ
マイドまたはカルボキシレートの如き、各種のアニオン
を有するような種々の化合物を使用することも出来る。
【0402】水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞ
れが、親水性基としてアニオン性基またはカチオン性基
を有する場合には、かかるアニオン性基またはカチオン
性基が珪素原子に結合した水酸基、即ちシラノール基の
縮合触媒として機能することから、ことさらに硬化触媒
を添加せずとも、室温においてシラノール基の縮合によ
る架橋が達成できる。さらに硬化性の向上を図るには、
前記した如き硬化触媒を添加すればよい
【0403】水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞ
れが、親水性基としてノニオン性基のみを有する場合に
は、シラノール基の縮合による架橋は室温では非常に遅
い。したがって、かかる樹脂をシラノール基の縮合によ
り室温に於いて架橋せしめるには、前記した如き硬化触
媒を添加することが好ましい。
【0404】水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞ
れを必須の成分として含有する、本発明の塗膜の形成方
法を実施する際に用いられる、硬化性クリヤー塗料
(I)に硬化触媒を添加する場合には、かかる硬化触媒
の添加量を、含有される樹脂固形分の合計量の100重
量部に対して、0.01〜15重量部の範囲に、好まし
くは0.05〜10重量部の範囲に、特に好ましくは
0.1〜5重量部の範囲に、設定するのが適切である。
【0405】また、斯かる添加剤類のうちでも、紫外線
吸収剤および/または酸化防止剤の添加は、とりわけ、
硬化塗膜の光沢保持性などの耐久性を、一層、向上化せ
しめるという上で以て、極めて有効なことである。
【0406】そうした、上記の紫外線吸収剤として特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、ベンゾトリ
アゾール系化合物、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物
または蓚酸アニリド系化合物などのような、公知慣用の
種々の化合物のうちの、いずれの化合物をも使用するこ
とが出来きる。
【0407】そして、該紫外線吸収剤の添加量として
は、硬化性クリヤー塗料(I)中に含まれる皮膜形成成
分の総固形分重量の約0.1〜約3%程度でよい。つま
り、各クリヤー塗料中に含まれる皮膜形成成分の総固形
分重量を基準として、約0.1〜約3%程度でよい、と
いうことである。
【0408】また、上記した酸化防止剤として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン環を有する、各種のヒンダー
ド・アミン系化合物や、ヒンダード・フェノール化合物
などのような、公知慣用の種々の化合物であり、これら
のうちの、いずれの化合物をも使用するということが出
来る。
【0409】そして、該酸化防止剤の添加量としては、
硬化性クリヤー塗料(I)中に含まれる皮膜形成成分の
総固形分重量の約0.1〜約3%程度でよい。つまり、
各硬化性クリヤー塗料中に含まれる皮膜形成成分の総固
形分重量を基準として、約0.1〜約3%程度でよい、
ということである。
【0410】また、硬化性クリヤー塗料(I)は、顔料
を全く含有しないものか、塗膜のクリアー性を損なわな
い範囲で必要に応じて、さらに、皮膜形成成分の総固形
分重量の約3%未満の顔料を配合せしめた形の、いわゆ
る、カラー・クリヤー塗料と為した形のものであっても
よい。
【0411】斯かるカラー・クリヤー塗料を調製するに
際して使用される、当該顔料として特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、カーボン・ブラックなどを
はじめ、さらには、フタロシアニン・ブルー、フタロシ
アニン・グリーンまたはキナクリドン・レッドの如き、
公知慣用の種々の有機系顔料などである。
【0412】かくして得られる、本発明に係る塗膜の形
成方法を実施するに際して使用される、硬化性クリヤー
塗料(I)は、(D)成分の有無あるいはその種類と
か、硬化触媒の有無あるいはその種類によって硬化条件
は異なるが、室温で1〜14日間乾燥したり、大約60
℃〜大約250℃程度の温度範囲で以て、大約30秒間
〜約3時間程度の、好ましくは、30秒間〜1時間程度
の焼き付けを行なうことによって、極めて実用性の高い
硬化塗膜を得ることが出来る。
【0413】本発明において、被塗物として使用される
基材としては、公知慣用の各種のものがあり、かかる基
材として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、鉄、ステンレス・スチールもしくはアルミニウムな
どのような、種々の金属類;ポリエチレン、ポリカーボ
ネート、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、
ABS樹脂もしくはポリスチレンなどのような、種々の
プラスチック類;さらには、ガラス、スレート板もしく
はコンクリート、珪酸カルシウム等の珪酸塩系、石膏
系、石綿系もしくはセラミックス系などのような、種々
の無機系のものなどである。
【0414】こうした種々の基材は、それぞれ、板状、
球状、フィルム状、シート状ないしは大型の構築物また
は複雑なる形状の組立物あるいは成形物などのような、
種々の用途に応じて、各種の形で以て使用されるという
ものであって、特に、制限は
【0415】ここにおいて、被塗物の一つとして使用さ
れる、予め、皮膜が形成された基材とは、架橋型ないし
は非架橋型の有機系塗料あるいは無機系塗料のうちの、
少なくとも1種の塗料が塗装されて、此の架橋皮膜ない
しは熱可塑性の皮膜が形成されたような、種々の基材類
を指称するものである。
【0416】こうした、予め、皮膜が形成された基材を
調製する際に使用される、有機系塗料として特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、本発明の方法にお
いて用いられる、水性樹脂(W−1)〜(W−4)を必
須成分として含有する、あるいはこれらのそれぞれと、
化合物(D)とを必須成分として含有する形の塗料をは
じめ、
【0417】アクリル−ウレタン系、塩素化ポリオレフ
ィン変性アクリル−ウレタン系、アクリル−メラミン
系、アクリル−エポキシ系、アルキド−メラミン系、ア
ルキド−ウレタン系、ポリエステル−メラミン系、ポリ
エステル−ウレタン系、エポキシ−メラミン系、エポキ
シ−ポリアミド系、エポキシ−ウレタン系あるいはポリ
ウレタン−メラミン系などのような、種々の架橋型の塗
料;
【0418】さらには、アクリル・ラッカー、塩素化ポ
リオレフィン系ラッカーあるいはニトロセルロースをベ
ースとするラッカーであるとか、ポリウレタン・ラッカ
ーなどのような、種々の非架橋型塗料などである。
【0419】こうした、各種の塗料の形態としては、有
機溶剤溶液型、有機溶剤分散型、水溶液型、水分散型あ
るいは粉体型などのような、種々の形態のもののうち
の、いずれの形態のものであってもよい。
【0420】また、無機系の塗料の代表的なものとして
は、シリケート縮合物、水ガラス、コロイダルシリカあ
るいは燐酸塩類等の無機系のバインダーを使用して調製
された各種のものが挙げられる。
【0421】斯かる各種の塗料類は、クリヤー塗料であ
っても、顔料を含む形の着色塗料のうちの、いずれの形
のものであってもよい。
【0422】本発明に係る塗膜の形成方法を実施するに
際して使用される、前記したベース・コート用塗料(I
I)とは、着色顔料を含む形の、種々の塗料を指称する
というものであって、当該ベース・コート用塗料として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、前述し
たような、予め、皮膜が形成された基材を調製する際に
使用されるような、種々の有機系塗料を使用することが
出来る。
【0423】また、斯かるベース・コート用塗料(I
I)の形態としては、有機溶剤溶液型、有機溶剤分散
型、水溶液型、水分散型あるいは粉体型などのような、
種々の形態のもののうちの、いずれの形態のものであっ
てもよい。
【0424】こうした各種のベース・コート用塗料(I
I)を調製する際に使用される、顔料として特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、前掲したような、
種々の有機系顔料のほかにも、酸化チタン、酸化鉄、ア
ルミニウム・フレークまたはチタン・コート・マイカな
どのような、種々の無機系顔料が挙げられる。
【0425】前述したような、上記したような各種の基
材、あるいは予め、皮膜が形成された形の種々の基材
に、硬化性クリヤー塗料(I)を塗装して、硬化塗膜を
形成せしめるには、各種の基材に、エアー・スプレー
法、エアレス・スプレー法、刷毛塗りもしくはロール・
コート法などのような、公知慣用の種々の塗装方法で以
て、
【0426】各クリヤー塗料を塗装して、各塗料の硬化
性あるいは基材の耐熱性などに応じて、さらには、用途
などに応じて、常温で、1日(一昼夜)から約2週間程
度、乾燥し硬化せしめるか、あるいは約60〜約250
℃程度の温度範囲で以て、大約30秒間〜約3時間程度
の焼き付け硬化を行なえばよい。
【0427】次に、基材に、あるいは、予め皮膜が形成
された基材に、顔料を含むベース・コート用塗料(I
I)ならびに硬化性クリヤー塗料(I)を、順次、塗装
して硬化塗膜を形成せしめるという方法について説明を
することにする。
【0428】すなわち、まず、基材に、あるいは、予め
皮膜が形成された基材に、前掲したような、種々の塗装
方法によって、ベース・コート用塗料(II)を塗布せ
しめるというものである。そして、その塗布操作の直後
に、あるいは約5分間から1時間程度のセッティングを
行なったのちに、次いで、かくして得られるベース・コ
ートの上に、クリヤー塗料(I)を、前掲したような、
種々の塗装方法によって塗装せしめるというものであ
る。
【0429】引き続いて、各硬化性クリヤー塗料の硬化
性、ベース・コート用塗料の硬化性、あるいは基材の耐
熱性などに応じて、さらには、それぞれの用途などに応
じて、常温で以て、1日(1昼夜)から2週間程度、乾
燥し硬化を行なったり、あるいは約60〜約250℃程
度の温度範囲で以て、大約30秒間〜約3時間程度の焼
き付け硬化を行なったりするなどの、幅広い硬化条件の
設定が可能である。
【0430】すなわち、ベース・コート用塗料(II)
が非架橋型であって、しかも、トップ・コート用のクリ
ヤー塗料が常温硬化性を有する場合には、クリヤー塗料
を塗装せしめたのちに、室温で乾燥するか、あるいは焼
き付けることによって、ベース・コート層を乾燥せしめ
ると同時に、クリヤー層を硬化せしめればよい。
【0431】ベース・コート用塗料(II)が非架橋型
であって、しかも、クリヤー塗料が熱硬化性であるとい
うような形のものの場合には、クリヤー用塗料を塗装せ
しめたのちに、焼き付けを行なって、ベース・コート層
を乾燥せしめると同時に、クリヤー層を硬化せしめれば
よい。
【0432】ベース・コート用塗料(II)およびクリ
ヤー塗料が、共に、常温硬化性を有する場合には、クリ
ヤー塗料を塗装せしめたのちに、室温で乾燥せしめる
か、あるいは焼き付けを行なって、ベース・コート層
と、クリヤー層とを、同時に、硬化せしめるればよい。
【0433】ベース・コート用の塗料(II)またはク
リヤー用塗料のうちのどちらか一方が熱硬化性である場
合には、クリヤー塗料を塗装せしめたのちに、焼き付け
を行なって、ベース・コート層と、クリヤー層を、同時
に、硬化せしめればよい。
【0434】本発明に係る塗膜の形成方法によって得ら
れる硬化塗膜は、とりわけ、光沢保持性、曝露汚染性な
らびに耐酸性などの、いわゆる耐久性に優れると共に、
極めて高い鮮映性などをも有するというものであるとい
う処から、本発明に係る塗膜形成方法は、特に、自動車
のトップ・コート、自動車補修用、更には建築物の外壁
塗装用あるいは建材の塗装用などとして、極めて実用性
の高いものである。
【0435】また、前述したような用途以外の用途へ
の、たとえば、建築外装用、建材用あるいは重防食用な
どのような方面への塗膜形成方法としても、極めて有効
裡に利用することが出来るというものである。
【0436】上述した如き本発明の塗膜の形成方法によ
り各種の基材類を塗装することにより、本発明に係る塗
装物が調製されるが、かかる塗装物の、より具体的なも
のとしては、それぞれ、基材として金属基材が使用され
た自動車、自動二輪車、電車、自転車、船舶または飛行
機あるいは其の他の輸送関連機器類と、それらに使用さ
れる金属基材あるいはプラスチック基材等が使用された
諸々の部品;基材として、金属基材あるいはプラスチッ
ク基材等が使用された、テレビ、ラジオ、冷蔵庫、洗濯
機、クーラー、クーラー室外機またはコンピュータある
いは其の他の家電製品類と、それらの諸々の部品;
【0437】各種の無機質系の瓦、金属製の屋根材、無
機質系外壁材、金属製の壁材、金属製の窓枠、金属製あ
るいは木製のドアまたは内壁材の如き、種々の建材類;
道路、道路標識、ガードレール、橋梁、タンク、煙突ま
たはビルディングの如き、各種の屋外構築物;さらに
は、ポリエステル樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム
あるいはフッ素樹脂フィルム等の各種の有機フィルムに
塗装した各種の被覆フィルムなどが挙げられるが、本発
明に係る塗装物は、こうした用途に、有効に利用するこ
とができるものである。
【0438】
【実施例】次に、本発明を、参考例、実施例および比較
例により、一層、具体的に説明をすることにするが、本
発明は、決して、これらの例示例のみに限定されるもの
ではない。なお、以下において、部および%は、特に断
りの無い限り、すべて、重量基準であるものとする。
【0439】参考例1〔水性樹脂(W−1)の調製例〕
【0440】本例は水性樹脂(W−1)を調製するため
の一つの例示例を示すものである。
【0441】先ず、温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下
漏斗および窒素導入管を備えた反応容器に、イソプロパ
ノール(IPA)の470部を仕込んで、窒素ガスの通
気下に、80℃にまで昇温した。
【0442】次いで、同温度で、スチレン(ST)の1
00部、メチルメタアクリレート(MMA)の300
部、n−ブチルメタクリレート(BMA)の327部、
n−ブチルアクリレート(BA)の186部、3−メタ
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPT
MS)30部およびアクリル酸(AA)の57部と、I
PAの450部およびtert−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート(TBPO)の50部の混合物
を、4時間かけて滴下した。
【0443】滴下終了後も、同温度で、16時間のあい
だ攪拌することによって、不揮発分が53.5%で、か
つ、数平均分子量が11,900なる、カルボキシル基
およびトリメトキシシリル基を併有する目的重合体の溶
液を得た。以下、これを(b−1−1)と略記する。
【0444】上記と同様の反応容器に、フェニルトリメ
トキシシラン(PTMS)の467部およびIPAの4
02部を仕込んで、80℃にまで昇温した。
【0445】次いで、同温度で、「AP−3」[大八化
学工業所(株)製の、イソプロピルアシッドホスフェー
トの商品名]の4.0部と、イオン交換水の127部と
を、5分間を要して滴下し、同温度で、4時間のあいだ
攪拌したのちに、核磁気共鳴分析( 1H−NMR)で以
て、PTMSの加水分解が、100%進行していること
を確認した。
【0446】しかるのち、重合体(b−1−1)の1,
300部を添加し、同温度で、4時間のあいだ攪拌し
て、ポリシロキサンと、重合体(b−1−1)との縮合
物を調製した。この縮合物を、1H−NMRで分析した
処、此の重合体(b−1−1)に含まれていたトリメト
キシシリル基の加水分解が、100%進行していること
が判明した。
【0447】次いで、同温度で、「チヌビン−384」
[スイス国チバ・ガイギー社製の、紫外線吸収剤の商品
名]の10部と「チヌビン−123」[スイス国チバ・
ガイギー社製の、酸化防止剤の商品名]の10部とIP
Aの10部との混合物を、5分間をかけて添加した。
【0448】引き続いて、同温度で、トリエチルアミン
(TEA)の56部と、イオン交換水の1,437部と
の混合物を、30分間かけて滴下したのち、減圧蒸留
で、メタノール(MEOH)、IPAなどのアルコール
類を除いて、不揮発分が39.3%なる、目的水性樹脂
を得た。以下、これを(W−1−1)と略記する。
【0449】参考例2(同上) 先ず、内部が窒素ガスで置換された、内容積が3リット
ルなるステンレス製のオートクレーブに、IPAの92
0部と、マレイン酸モノブチルの68部、酢酸ビニルの
120部、エチルビニルエーテルの352部、ビニルト
リス(β−メトキシエトキシ)シランの60部と、重合
開始剤たるtert−ブチルパーオキシピバレートの5
0部とを仕込んだ。
【0450】次いで、ここへ、液化採取したクロロトリ
フルオロエチレンの400部を圧入せしめた。攪拌しな
がら、60℃で、15時間の間反応を続行せしめること
によって、不揮発分が51.3%で、かつ、数平均分子
量が10,100なる、カルボキシル基およびトリメト
キシシリル基を併有する、目的のフッ素共重合体の溶液
を得た。以下、これを(b−1−2)と略記する。
【0451】参考例1と同様の反応容器に、PTMSの
354部、MTMSの141部、およびIPAの303
部を仕込んで、80℃まで昇温した。
【0452】引き続いて、同温度で、「AP−3」の
4.5部と、イオン交換水の152部とを、5分間を要
して滴下し、同温度で、4時間のあいだ攪拌したのち
に、1H−NMRで以て、PTMSおよびMTMSの加
水分解が、100%進行していることを確認した。
【0453】しかるのち、重合体(b−1−2)の1,
377部を添加し、同温度で、4時間のあいだ攪拌し
て、ポリシロキサンと、重合体(b−1−2)との縮合
物を調製した。この縮合物を、1H−NMRで分析した
処、此の重合体(b−1−2)に含まれていたトリメト
キシシリル基の加水分解が、100%進行していること
が判明した。
【0454】次いで、同温度で、「チヌビン−384」
の10部と「チヌビン−123」の10部とIPAの1
0部との混合物を、5分間をかけて添加した。
【0455】引き続いて、同温度で、TEAの26部
と、イオン交換水の1,424部との混合物を、30分
間かけて滴下したのち、減圧蒸留で、MEOH、IPA
などのアルコール類を除いて、不揮発分が40.0%な
る、目的水性樹脂を得た。以下、これを(W−1−2)
と略記する。
【0456】参考例3(同上) 先ず、参考例1と同様の反応容器中に、メチルトリメト
キシシラン(MTMS)の1,015部と、メチルフェ
ニルジメトキシシラン(MPDMS)の670部と、I
PAの1,605部とを仕込んで、窒素ガスの通気下
に、80℃にまで昇温した。
【0457】次いで、同温度で、「AP−3」の17.
9部と、イオン交換水の602部とを、約5分間で滴下
し、同温度で、4時間のあいだ攪拌したのちに、1H−
NMRで以て、MTMSとMPDMSとの加水分解が、
100%進行していることを確認した。
【0458】その後も、同温度で、STの100部、M
MAの300部、BMAの304部、BAの186部、
AAの80部およびMPTMSの30部と、IPAの3
50部およびTBPOの50部の混合物を、各々、4時
間に亘って滴下し、滴下終了後も、同温度で、16時間
のあいだ攪拌して重合反応を継続せしめることによっ
て、まず、複合樹脂を得た。この複合樹脂を、 1H−N
MRで以て分析し、MPTMSに由来するトリメトキシ
シリル基の加水分解反応が、100%進行していること
を確認した。
【0459】次いで、同温度で、「チヌビン−384」
の20部と「チヌビン−123」の20部とIPAの2
0部との混合物を、5分間をかけて添加した。
【0460】引き続き、同温度で、TEAの112部
と、イオン交換水の2,700部との混合物を、30分
かけて滴下して、カルボキシル基を中和せしめたのち
に、減圧蒸留で、MEOH、IPAなどのアルコール類
を除去せしめることによって、不揮発分が40.8%な
る、目的水性樹脂を得た。以下、これを、(W−1−
3)と略記する。
【0461】参考例4(同上) 先ず、参考例1と同様の反応容器に、PTMSの272
部、MTMSの138部、シクロヘキシルトリメトキシ
シラン(CHTMS)の280部およびIPAの1,0
34部とを仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃にま
で昇温した。
【0462】次いで、同温度で、「AP−3」の6.0
部およびイオン交換水の203部の混合物と、STの1
00部、MMAの300部、BMAの327部、BAの
186部、AAの57部およびMPTMSの30部と、
IPAの350部およびTBPOの50部の混合物を、
各々に、4時間に亘って滴下した。
【0463】滴下終了後も、同温度で、16時間のあい
だ攪拌して重合反応を継続せしめることによって、ま
ず、複合樹脂を得た。この複合樹脂を、1H−NMRで
以て分析した処、PTMS、MTMS、CHTMSおよ
びMPTMSに由来するトリメトキシシリル基の加水分
解反応は、100%、進行していることが確認できた。
【0464】次いで、同温度で、「チヌビン−384」
の20部と「チヌビン−123」の20部とIPAの2
0部との混合物を、5分間をかけて添加した。
【0465】引き続いて、同温度で、TEAの80部
と、イオン交換水の2,036部との混合物を、30分
かけて滴下して、カルボキシル基を中和せしめたのち、
減圧蒸留で、MEOHおよびIPAなどのアルコール類
を除くことによって、不揮発分が40.0%なる、目的
水性樹脂を得た。以下、これを(W−1−4)と略記す
る。
【0466】参考例5(同上) 先ず、参考例1と同様の反応容器に、2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒ
ドロキシプロピオネートの373部、N−メチルジエタ
ノールアミンの39部、キシレンの417部およびジブ
チルチンジオクテートの0.44部を仕込んで、乾燥窒
素ガスの通気下に、80℃にまで昇温した。
【0467】次いで、同温度で、イソホロンジイソシア
ネートの519部およびキシレンの519部からなる混
合物を、1時間に亘って滴下し、滴下終了後も、同温度
で、4時間のあいだ攪拌することによって、イソシアネ
ート濃度が理論値とほぼ同じになっていることを確認し
た。
【0468】しかるのち、同温度で、3−アミノプロピ
ルトリメトキシシランの64部と、キシレンの64部と
からなる混合物を、10分間かけて滴下し、適下終了後
も、同温度で、4時間のあいだ攪拌を行ない、赤外線吸
収スペクトル分析(IR分析)によって、イソシアネー
ト基が消失したことを確認してから、キシレンの50部
およびn−ブタノールの450部を添加して、不揮発分
が43.3%で、かつ、数平均分子量が5,400な
る、アミノ基・トリメトキシシリル基併有重合体の溶液
を得た。以下、これを(b−1−3)と略記する。
【0469】参考例1と同様の反応容器に、MTMSの
306部、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン(C
HMDMS)の198部、およびIPAの572部を仕
込んで、80℃にまで昇温した。
【0470】次いで、同温度で、「AP−3」の5.3
部と、イオン交換水の178部とを、5分間を要して滴
下し、同温度で、4時間のあいだ攪拌を行なった。
【0471】しかるのち、1H−NMRで以て、反応混
合物の分析を行ない、MTMSとCHMDMSの加水分
解が、100%進行していることを確認した。
【0472】続いて、此処へ、得られた重合体(b−1
−3)の1,630部を添加し、同温度で、4時間のあ
いだ攪拌を行なって、ポリシロキサンと、重合体(b−
1−3)との縮合物を調製した。
【0473】次いで、この縮合物を、1H−NMRで分
析した処、此の重合体(b−1−3)中に含まれていた
トリメトキシシリル基の加水分解が、100%進行して
いることが判明した。
【0474】次いで、同温度で、「チヌビン−384」
の10部と「チヌビン−123」の10部とIPAの1
0部との混合物を、5分間をかけて添加した。
【0475】引き続いて、同温度で、酢酸の19.1部
とイオン交換水の1,411部との混合物を、30分間
かけて滴下したのち、減圧蒸留で、MEOH、IPAな
どのアルコール類とを除くことによって、不揮発分が3
9.7%なる、目的水性樹脂を得た。以下、これを(W
−1−5)と略記する。
【0476】参考例6〔水性樹脂(W−2)の調製例〕
【0477】本例は水性樹脂(W−2)を調製するため
の一つの例示例を示すものである。
【0478】先ず、参考例1と同様の反応容器中に、M
TMSの692部と、DMDMSの140部と、IPA
の988部とを仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃
にまで昇温した。
【0479】次いで、同温度で、「AP−3」の10.
0部と、イオン交換水の388部とを、約5分間で滴下
し、同温度で、4時間のあいだ攪拌したのちに、1H−
NMRで以て、MTMSの加水分解が、100%進行し
ていることを確認した。
【0480】その後も、同温度で、STの100部、M
MAの300部、BMAの184部、BAの186部、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の5
0部、MPTMSの30部および数平均分子量が約1,
000なるメトキシポリエチレングリコールメタクリレ
ート(PEGMA)の150部からなる混合物と、IP
Aの350部およびTBPOの50部の混合物を、各
々、4時間に亘って滴下し、滴下終了後も、同温度で、
16時間のあいだ攪拌して重合反応を継続せしめること
によって、まず、複合樹脂を得た。
【0481】この複合樹脂を、 1H−NMRで以て分析
し、MPTMSの加水分解反応が、100%進行してい
ることを確認した。
【0482】次いで、同温度で、「チヌビン−384」
の20部と「チヌビン−123」の20部とIPAの2
0部との混合物を、5分間をかけて添加した。
【0483】引き続き、同温度で、イオン交換水の1,
969部を30分かけて滴下したのち、減圧蒸留で、M
EOH、IPAなどのアルコール類を除去せしめること
によって、不揮発分が35.0%なる、目的水性樹脂を
得た。以下、これを(W−2−1)と略記する。
【0484】参考例7(同上) 先ず、参考例1と同様の反応容器に、IPAの470部
を仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃にまで昇温し
た。
【0485】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの300部、BMAの297部、BAの186部、H
EMAの50部およびAAの67部と、IPAの450
部およびtert−ブチルパーオキシ−2,2−ジメチ
ル−3−トリメトキシシリルプロパノエート(TBPO
TMS)の50部の混合物を、4時間に亘って滴下し
た。
【0486】滴下終了後も、同温度で、16時間のあい
だ攪拌することによって、不揮発分が53.8%で、か
つ、数平均分子量が12,100なる、カルボキシル基
およびトリメトキシシリル基を併有する目的重合体の溶
液を得た。以下、これを(b−1−2)と略記する。
【0487】参考例1と同様の反応容器に、重合体(b
−2−1)の1,126部、PTMSの467部、ジメ
チルジメトキシシラン(DMDMS)の154部、およ
びIPAの480部を仕込んで、80℃にまで昇温し
た。
【0488】次いで、同温度で、「チヌビン−384」
の10部と「チヌビン−123」の10部とIPAの1
0部との混合物を、5分間をかけて添加した。
【0489】引き続いて、同温度で、「AP−3」の
5.9部と、イオン交換水の197部とを、5分間かけ
て滴下し、同温度で、4時間のあいだ攪拌したのちに、
1H−NMRで以て、重合体(b−2−1)中に含まれ
ていたトリメトキシシリル基、PTMSおよびDMDM
Sの加水分解が、100%進行しているということを確
認した。
【0490】しかるのち、同温度で、TEAの57部
と、イオン交換水の1,402部とを、30分間かけて
滴下してから、減圧蒸留で、MEOH、IPAなどのア
ルコール類を除いて、不揮発分が40.5%なる、目的
水性樹脂を得た。以下、これを(W−2−2)と略記す
る。
【0491】参考例8〔水性樹脂(W−3)の調製例〕
【0492】本例は水性樹脂(W−3)を調製するため
の一つの例示例を示すものである。
【0493】先ず、複合樹脂(C−3−1)の調製を行
った。参考例1と同様の反応容器に、プロピレングリコ
ール−n−プロピルエーテル(PNP)の124部と、
IPAの186部を仕込んで、窒素ガスの通気下に、8
0℃にまで昇温した。
【0494】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの300部、BMAの274部、BAの186部、M
PTMSの30部およびAAの110部からなる混合物
と、PNPの310部およびTBPOの50部の混合物
とを、別々に、4時間かけて滴下した。
【0495】滴下終了後も、同温度で、16時間のあい
だ攪拌することによって、不揮発分が55.9%で、か
つ、数平均分子量が12,300なる、カルボキシル基
およびトリメトキシシリル基を併有する目的重合体の溶
液を得た。以下、これを(b−3−1)と略記する。
【0496】引き続いて、参考例1と同様の反応容器
に、PTMSの354部およびIPAの310部を仕込
んで、80℃にまで昇温し、次いで、同温度で、「AP
−3」の2.9部と、イオン交換水の96部との混合物
を、5分間を要して滴下し、同温度で、4時間のあいだ
攪拌を行なった。
【0497】しかるのち、1H−NMRで以て、反応混
合物の分析を行ない、PTMSの加水分解が、100%
進行していることを確認した。
【0498】さらに、此処へ、重合体(b−3−1)の
660部を添加し、同温度で、4時間のあいだ攪拌を行
なうことによって、PTMSより得られたポリシロキサ
ンと、重合体(b−3−1)との縮合反応を行ない、次
いで、同温度で、攪拌下に、TEAの62部を、5分間
かけて滴下することによって、複合樹脂(C−3−1)
を調製した。
【0499】ここにおいて、かくして得られた複合樹脂
を、1H−NMRで分析した処、重合体(b−3−1)
中に含まれていたトリメトキシシリル基の加水分解が、
100%進行していることが判明した。
【0500】続いて、ポリシロキサン(p−1)の調製
を行った。参考例1と同様の反応容器に、MTMSの
2,428部を仕込んで、80℃まで昇温し、次いで、
同温で、「AP−3」の0.3部と、イオン交換水の3
54部との混合物を、約1時間を要して滴下した。
【0501】滴下終了後も、同温度で、4時間のあいだ
攪拌を行なったのち、減圧蒸留で、MEOHを除くこと
によって、メトキシ基の含有率が約35%で、数平均分
子量が1,000なる、目的とするポリシロキサン(M
TMSの部分加水分解縮合物)を得た。以下、これを
(p−1)と略記する。
【0502】最後に、複合樹脂(C−3−1)の1,1
89部と、ポリシロキサン(p−1)の505部とを、
室温下で混合せしめ、次いで、同温度で、「チヌビン−
384」の10部と「チヌビン−123」の10部とI
PAの10部との混合物を、5分間をかけて添加し、さ
らに此処に、イオン交換水の1,317部を、30分間
かけて滴下したのち、減圧蒸留で、MEOH、IPAな
どのアルコール類とを除くことによって、不揮発分が4
0.2%なる、目的水性樹脂を得た。以下、これを(W
−3−1)と略記する。
【0503】参考例9(同上)
【0504】先ず、参考例1と同様の反応容器に、PT
MSの354部およびPNPの310部を仕込んで、8
0℃にまで昇温し、次いで、同温度で、「AP−3」の
2.9部と、イオン交換水の96部との混合物を、5分
間を要して滴下し、同温度で、4時間のあいだ攪拌を行
なった。
【0505】しかるのち、1H−NMRで以て、反応混
合物の分析を行ない、PTMSの加水分解が、100%
進行していることを確認した。
【0506】引き続いて、此処へ、参考例2において調
製した重合体(b−1−2)の784部を添加し、同温
度で、4時間のあいだ攪拌を行なうことによって、PT
MSより得られるポリシロキサンと、重合体(b−1−
2)との縮合反応を行ない、次いで、同温度で、攪拌下
に、TEAの15部を、5分間かけて滴下することによ
って、複合樹脂(C−3−2)を調製した。
【0507】ここにおいて、かくして得られた複合樹脂
を、1H−NMRで分析した処、重合体(b−1−2)
中に含まれていたトリメトキシシリル基の加水分解が、
100%進行していることが判明した。
【0508】最後に、複合樹脂(C−3−2)の1,5
62部と、参考例8において調製したポリシロキサン
(p−1)の505部とを、室温下で混合せしめ、次い
で、同温度で、「チヌビン−384」の10部と「チヌ
ビン−123」の10部とIPAの10部の混合物を、
5分間をかけて添加し、さらに此処に、イオン交換水の
1,500部を、30分間かけて滴下したのち、減圧蒸
留で、MEOH、IPAなどのアルコール類とを除くこ
とによって、不揮発分が40.1%なる、目的水性樹脂
を得た。以下、これを(W−3−2)と略記する。
【0509】参考例10(同上) 先ず、参考例1と同様の反応容器に、MPDMSの76
6部、PNPの124部およびIPAの186部を仕込
んで、窒素ガスの通気下に、80℃にまで昇温した。
【0510】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの300部、BMAの274部、BAの186部、M
PTMSの30部およびAAの110部の混合物と、P
NPの310部およびTBPOの50部の混合物とを、
それぞれ、別々に、4時間に亘って滴下した。
【0511】滴下終了後も、同温度で、2時間のあいだ
攪拌を行ったのち、さらに同温度にて、「AP−3」の
6.8部およびイオン交換水の227部との混合物を5
分をかけて滴下し、引き続き同温度で、18時間のあい
だ攪拌を行なった。
【0512】次いで、同温度で、TEAの154部を、
5分間かけて滴下することによって、複合樹脂(C−3
−3)を得た。
【0513】ここにおいて、此の複合樹脂を、1H−N
MRで以て分析した処、MPDMSおよびMPTMSの
加水分解反応は、100%進行していることが確認でき
た。
【0514】最後に、複合樹脂(C−3−3)の1,1
30部と、参考例8において調製したポリシロキサン
(p−1)の505部とを、室温下で混合せしめ、次い
で、同温度で、「チヌビン−384」の10部と「チヌ
ビン−123」の10部とIPAの10部の混合物を、
5分間をかけて添加し、さらに此処へ、イオン交換水の
1,317部を、30分間かけて滴下したのちに、減圧
蒸留で、メタノールと、IPAなどのアルコール類とを
除くことによって、不揮発分が40.1%なる、目的水
性樹脂を得た。以下、これを(W−3−3)と略記す
る。
【0515】参考例11(同上) 先ず、複合樹脂(C−3−4)の調製を行った。参考例
1と同様の反応容器に、CHTMSの1,467部、P
NPの124部およびIPAの186部を仕込んで、窒
素ガスの通気下に、80℃にまで昇温した。
【0516】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの300部、BMAの279部、BAの186部およ
びAAの135部の混合物と、PNPの310部および
TBPOTMSの50部の混合物とを、それぞれ別々
に、4時間に亘って滴下した。
【0517】滴下終了後も、同温度で、2時間のあいだ
攪拌を行ったのち、さらに同温度にて、「AP−3」の
11.6部およびイオン交換水の388部との混合物を
5分をかけて滴下し、引き続き同温度で、18時間のあ
いだ攪拌を行なった。
【0518】次いで、同温度で、TEAの140部を、
5分間かけて滴下することによって、複合樹脂(C−3
−4)を得た。
【0519】ここにおいて、此の複合樹脂を、1H−N
MRで以て分析した処、CHTMSおよびアクリル樹脂
に結合したTBPOTMSに由来するトリメトキシシリ
ル基の加水分解反応は、100%進行していることが確
認できた。
【0520】続いて、ポリシロキサン(p−2)の調製
を行った。参考例1と同様の反応容器に、MTMSの
2,201部と、PTMSの475部とを仕込んで、8
0℃まで昇温し、次いで、同温で、「AP−3」の0.
3部と、イオン交換水の368部との混合物を、約1時
間を要して滴下した。
【0521】滴下終了後も、同温度で、4時間のあいだ
攪拌を行なったのち、減圧蒸留で、MEOH、IPAな
どのアルコール類を除くことによって、メトキシ基の含
有率が約35%で、かつ、数平均分子量が1,200な
る、目的とするポリシロキサン(MTMSとPTMSと
の部分共加水分解縮合物)を得た。以下、これを(p−
2)と略記する。
【0522】最後に、複合樹脂(C−3−4)の842
部と、ポリシロキサン(p−2)の586部とを、室温
下で混合せしめ、次いで、同温度で、「チヌビン−38
4」の10部と「チヌビン−123」の10部とIPA
の10部の混合物を、5分間をかけて添加し、さらに此
処へ、イオン交換水の1,211部を、30分間かけて
滴下したのちに、減圧蒸留で、メタノールと、IPAな
どのアルコール類とを除くことによって、不揮発分が4
0.2%なる、目的水性樹脂を得た。以下、これを(W
−3−4)と略記する。
【0523】参考例12(同上) 先ず、複合樹脂(C−3−5)の調製を行った。参考例
1と同様の反応容器にCHMDMSの1,074部、P
TMSの1,131部、PNPの124部およびIPA
の186部を仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃に
まで昇温した。
【0524】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの300部、BMAの184部、BAの186部、A
Aの200部およびMPTMSの30部の混合物と、P
NPの310部およびTBPOの50部の混合物とを、
それぞれ、別々に、4時間に亘って滴下した。
【0525】滴下終了後も、同温度で、2時間のあいだ
攪拌を行ったのち、さらに同温度にて、「AP−3」の
18.4部およびイオン交換水の617部との混合物を
5分をかけて滴下し、引き続き同温度で、18時間のあ
いだ攪拌を行なった。
【0526】次いで、同温度で、TEAの280部を、
5分間かけて滴下することによって、複合樹脂(C−3
−5)を得た。
【0527】ここにおいて、此の複合樹脂を、1H−N
MRで以て分析した処、CHMDMS、PTMSおよび
MPTMSの加水分解反応は、100%進行しているこ
とが確認できた。
【0528】続いて、ポリシロキサン(p−3)の調製
を行った。参考例1と同様の反応容器に、MTMSの3
643部と、DMDMSの1065部とを仕込んで、8
0℃まで昇温し、次いで、同温で、「AP−3」の0.
6部と、イオン交換水の706部との混合物を、約1時
間を要して滴下した。
【0529】滴下終了後も、同温度で、4時間のあいだ
攪拌を行なったのち、減圧蒸留で、MEOHを除くこと
によって、メトキシ基の含有率が約35%で、かつ、数
平均分子量が900なる、目的とするポリシロキサン
(MTMSとDMDMSの部分共加水分解縮合物)を得
た。以下、これを(p−3)と略記する。
【0530】最後に、複合樹脂(c−11−3)の1,
186部と、ポリシロキサン(p−3)の852部と
を、室温下で混合せしめ、次いで、同温度で、「チヌビ
ン−384」の10部と「チヌビン−123」の10部
とIPAの10部の混合物を、5分間をかけて添加し、
さらに此処へ、イオン交換水の1,317部を、30分
間かけて滴下したのちに、減圧蒸留で、MEOH、IP
Aなどのアルコール類とを除くことによって、不揮発分
が39.9%なる、目的水性樹脂を得た。以下、これを
(W−3−5)と略記する。
【0531】参考例13〔水性樹脂(W−4)の調製〕
【0532】本例は水性樹脂(W−4)を調製するため
の一つの例示例を示すものである。
【0533】先ず、参考例1と同様の反応容器に、PT
MSの884部、PNPの124部およびIPAの18
6部を仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃にまで昇
温した。
【0534】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの300部、BMAの224部、BAの186部、A
Aの110部、HEMAの50部およびMPTMSの3
0部の混合物と、PNPの310部およびTBPOの5
0部の混合物とを、それぞれ、別々に、4時間に亘って
滴下した。
【0535】滴下終了後も、同温度で、2時間のあいだ
攪拌を行ったのち、さらに同温度にて、「AP−3」の
7.2部およびイオン交換水の241部との混合物を5
分をかけて滴下し、引き続き同温度で、18時間のあい
だ攪拌を行なった。
【0536】次いで、同温度で、TEAの154部を、
5分間かけて滴下することによって、複合樹脂(C−4
−1)を得た。
【0537】ここにおいて、此の複合樹脂を、1H−N
MRで以て分析した処、PTMSおよびMPTMSに由
来するトリメトキシシリル基の加水分解反応は、100
%進行していることが確認できた。
【0538】最後に、複合樹脂(C−4−1)の1,1
82部と、参考例8において調製したポリシロキサン
(p−1)の505部とを、室温下で混合せしめ、次い
で、同温度で、「チヌビン−384」の10部と「チヌ
ビン−123」の10部とIPAの10部の混合物を、
5分間をかけて添加し、さらに此処へ、イオン交換水の
1,317部を、30分間かけて滴下したのちに、減圧
蒸留で、MEOH、IPAなどのアルコール類とを除く
ことによって、不揮発分が40.2%なる、目的水性樹
脂を得た。以下、これを(W−4−1)と略記する。
【0539】参考例14(同上) 先ず、参考例1と同様の反応容器に、MPDMSの37
7部、CHMDMSの388部、PNPの124部、I
PAの186部とを仕込んで、窒素ガスの通気下に、8
0℃にまで昇温した。
【0540】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの200部、BMAの194部、BAの186部、2
−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEM
A)の240部、HEMAの50部およびMPTMSの
30部の混合物と、PNPの310部およびアゾビスイ
ソブチロニトリル(AIBN)の50部の混合物とを、
それぞれ、別々に、4時間に亘って滴下した。
【0541】滴下終了後も、同温度で、2時間のあいだ
攪拌を行ったのち、さらに同温度にて、「AP−3」の
6.7部およびイオン交換水の223部との混合物を5
分をかけて滴下し、引き続き同温度で、18時間のあい
だ攪拌を行なった。
【0542】次いで、同温度で、酢酸の83部を、5分
間かけて滴下することによって、複合樹脂(C−4−
2)を得た。
【0543】ここにおいて、此の複合樹脂を、1H−N
MRで以て分析した処、MPDMS、CHMDMSおよ
びMPTMSに由来するトリメトキシシリル基の加水分
解反応は、100%進行していることが確認できた。
【0544】最後に、複合樹脂(C−4−2)の1,1
06部と、参考例8において調製したポリシロキサン
(p−1)の505部とを、室温下で混合せしめ、次い
で、同温度で、「チヌビン−384」の10部と「チヌ
ビン−123」の10部とIPAの10部の混合物を、
5分間をかけて添加し、さらに此処へ、イオン交換水の
1,324部を、30分間かけて滴下したのちに、減圧
蒸留で、MEOH、IPAなどのアルコール類とを除く
ことによって、不揮発分が40.4%なる、目的水性樹
脂を得た。以下、これを(W−4−2)と略記する。
【0545】参考例15(同上) 先ず、参考例1と同様の反応容器に、PTMSの884
部、PNPの124部およびIPAの186部とを仕込
んで、窒素ガスの通気下に、80℃にまで昇温した。
【0546】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの200部、BMAの204部、BAの186部、A
Aの80部、PEGMAの150部、HEMAの50部
およびMPTMSの30部の混合物と、PNPの310
部およびTBPOの50部の混合物とを、それぞれ、別
々に、4時間に亘って滴下した。
【0547】滴下終了後も、同温度で、2時間のあいだ
攪拌を行ったのち、さらに同温度にて、「AP−3」の
7.2部およびイオン交換水の241部との混合物を5
分をかけて滴下司し、引き続き同温度で、18時間のあ
いだ攪拌を行なった。
【0548】次いで、同温度で、TEAの112部を、
5分間かけて滴下することによって、複合樹脂(C−4
−3)を得た。
【0549】ここにおいて、此の複合樹脂を、1H−N
MRで以て分析した処、PTMSおよびMPTMSの加
水分解反応は、100%進行していることが確認でき
た。
【0550】最後に、複合樹脂(C−4−3)の1,1
66部と、参考例8において調製したポリシロキサン
(p−1)の505部とを、室温下で混合せしめ、次い
で、同温度で、「チヌビン−384」の10部と「チヌ
ビン−123」の10部とIPAの10部の混合物を、
5分間をかけて添加し、さらに此処へ、イオン交換水の
1,317部を、30分間かけて滴下したのちに、減圧
蒸留で、MEOH、IPAなどのアルコール類とを除く
ことによって、不揮発分が40.1%なる、目的水性樹
脂を得た。以下、これを(W−4−3)と略記する。
【0551】参考例16〜18〔重合体(R−1)〜
(R−4)の調製例〕
【0552】単量体の種類および其の使用量と、重合開
始剤の使用量とを、第1表に示すように変更した以外
は、参考例1と同様に重合を行なって、同表に示すよう
な性状値を有する各種の目的重合体(R−1)〜(R−
4)を得た。それらの重合体は、同表に示すように略記
する。
【0553】
【表1】
【0554】
【表2】
【0555】《第1表の脚注》参考例16で得られた
「R−1」は、対照用樹脂1を調製する際に使用するた
めの重合体である。
【0556】参考例17で得られた「R−2」は、対照
用樹脂2を調製する際に使用するための重合体である。
【0557】参考例18で得られた「R−3」は、対照
用樹脂3を調製する際に使用するための重合体である。
【0558】参考例19で得られた「R−4」は、対照
用樹脂4を調製する際に使用するための重合体である。
【0559】参考例20〔対照用樹脂1の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、重合体(R−1)の1,
273部を仕込んだ。次いで、室温で、攪拌下、「チヌ
ビン−384」の7部と「チヌビン−123」の7部と
IPAの7部の混合物を、5分間をかけて添加し、さら
に此処へ、TEAの49部と、イオン交換水の1,00
0部との混合物を、30分間を要して滴下したのち、減
圧蒸留で、溶剤であるIPAを除くことによって、不揮
発分が34.5%なる対照用の水性樹脂を得た。以下、
これを対照用樹脂1と略記する。
【0560】参考例21〔対照用樹脂2の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、重合体(R−2)の1,
289部を仕込んだ。次いで、室温で、攪拌下に、「チ
ヌビン−384」の7部と「チヌビン−123」の7部
とIPAの7部の混合物を、5分間をかけて添加し、さ
らに此処へ、酢酸の29部とイオン交換水の1,000
部との混合物を、30分間を要して滴下したのち、減圧
蒸留で、溶剤であるIPAを除くことによって、不揮発
分が36.1%なる対照用の水性樹脂を得た。以下これ
を対照用樹脂2と略記する。
【0561】参考例22〔対照用樹脂3の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、重合体(R−3)の1,
252部を仕込んだ。次いで、室温で、攪拌下に、「チ
ヌビン−384」の7部と「チヌビン−123」の7部
とIPAの7部の混合物を、5分間をかけて添加し、さ
らに此処へ、イオン交換水の1,000部との混合物
を、30分間を要して滴下したのち、減圧蒸留で、溶剤
であるIPAを除くことによって、不揮発分が35.7
%なる、対照用の水性樹脂を得た。以下、これを対照用
樹脂3と略記する。
【0562】参考例23〔対照用樹脂4の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、重合体(R−4)の1,
266部を仕込んだ。次いで、室温で、攪拌下に、「チ
ヌビン−384」の7部と「チヌビン−123」の7部
とIPAの7部の混合物を、5分間をかけて添加し、さ
らに此処へ、TEAの49部と、イオン交換水の1,0
00部を、30分間を要して滴下したのち、減圧蒸留
で、溶剤であるIPAを除くことによって、不揮発分が
35.3%なる、対照用の水性樹脂を得た。以下、これ
を対照用樹脂4と略記する。
【0563】参考例24〜40〔クリヤー塗料(I)の
調製〕
【0564】水性樹脂(W−1)、(W−2)、(W−
3)または(W−3)のそれぞれの一部と、必要に応じ
て、水、PNPまたは化合物(D)をも配合せしめるこ
とによって、各種のクリヤー塗料を調製した。
【0565】水性樹脂(W−1)、(W−2)、(W−
3)または(W−4)のそれぞれと、PNPと、化合物
(D)との使用比率は、第2表に示す通りである。
【0566】参考例41〜44〔対照用樹脂を使用した
クリヤー塗料の調製〕
【0567】対照用樹脂1〜4のそれぞれに対して、必
要に応じて、水、PNPまたは化合物(D)をも配合せ
しめることによって、各種の対照用のクリヤー塗料を調
製した。
【0568】対照用樹脂1〜4のそれぞれと、PNP
と、化合物(D)との使用比率は、第2表に示す通りで
ある。
【0569】
【表3】
【0570】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0571】「GPTMS」………………3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシランの略記
【0572】
【表4】
【0573】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0574】「EX−612」は、「デナコール EX
−612」の略記であって、ナガセ化成工業(株)製
の、ソルビトールポリグリシジルエーテルの商品名であ
る。
【0575】
【表5】
【0576】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0577】「EGM−400」は、東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン(株)製の、3−グリシドキシプロピ
ル基を有する、環状のポリシロキサンの商品名である。
【0578】
【表6】
【0579】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0580】
【表7】
【0581】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0582】
【表8】
【0583】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0584】「S−695」は、「ウォーターゾル S
−695」の略記であって、大日本インキ化学工業
(株)製の、メチルエーテル化メチロールメラミン樹脂
水溶液の商品名;不揮発分=66%。
【0585】
【表9】
【0586】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0587】実施例1〜3ならびに比較例1
【0588】未処理軟鋼板上に、下記のようにして調製
したアクリル−メラミン系の赤色塗料(下−1)を、乾
燥膜厚が約40マイクロ・メーター(μm)となるよう
に、エアースプレー塗装せしめ、140℃で、25分間
のあいだ、焼き付けを行なって、予め、皮膜が形成され
た鋼板を作製した。
【0589】次いで、先に調製した、それぞれのクリヤ
ー塗料ならびに対照用の塗料を、乾燥膜厚が約30μm
となるように、エアースプレー塗装せしめた。
【0590】しかるのち、第3表に示す通りの条件で以
て、クリヤー塗料を硬化せしめて、各種の硬化塗膜を得
た。此処に得られた、本発明の方法を実施するに際して
用いられる、各種のクリヤー塗料を用いた、それぞれの
塗膜は、いずれも、とりわけ、外観に優れるというもの
であった。
【0591】乾燥後の塗膜についての諸性能の評価判定
の項目としては、サンシャイン・ウェザオメータ−によ
る促進の耐候性、2ヶ月にわたる屋外曝露を行ったのち
の耐汚染性、耐酸性ならびに耐アルカリ性である。それ
らの結果は、まとめて、第3表に示す。
【0592】白色塗料(下−1)の調製 「アクリディック A−418」[大日本インキ化学工
業(株)製の、水酸基含有アクリル樹脂の商品名;溶剤
=キシレン/n−ブタノールの混合溶剤、不揮発分=5
0%]の91部と、「CR−97」[石原産業(株)製
の、ルチル型酸化チタン]の35部とからなる混合物
に、ガラス・ビーズを加えて、サンドミルで、1時間の
あいだ分散を行なった。
【0593】次いで、「スーパーベッカミン L−11
7−60」の32.5部を加えてから、「ソルベッソ
100」/n−ブタノール=70/30(重量部比)な
る混合溶剤で以て、フォード・カップ#4による粘度が
20秒となるように希釈せしめるということによって、
PWC(顔料重量濃度)が35%なる、目的とする白色
塗料(下−1)を調製した。
【0594】
【表10】
【0595】《第3表の脚注》「耐候性」は、サンシャ
イン・ウエザオメーターによる、2,000時間に及ぶ
曝露を行なったのちの、塗膜の60度鏡面反射率(%)
なる光沢値を、未曝露時における、塗膜の同上の光沢値
で以て除して、それを、100倍した値(光沢保持率:
%)を表示したものである。
【0596】その値が大きいほど、耐候性が良好である
ということを示している。
【0597】「耐汚染性」は、屋外において、2ヵ月間
に及ぶ曝露を行なったのちの未洗浄の塗膜と、未曝露時
の塗膜との色差(△E)を表示したものである。その値
が、ゼロに近いほど、耐汚染性が良好であるということ
を示している。
【0598】「耐酸性」は、「耐酸性雨性」の代用試験
として行なっているというものであり、それぞれの硬化
塗膜の表面上に、10%硫酸水溶液の0.1ミリ・リッ
トルを載せた試験板を、60℃の熱風乾燥器中に、30
分間のあいだ保持したのち、塗膜表面を水洗乾燥してか
ら、その表面の状態を、目視により評価判定したもので
ある。
【0599】その際の評価判定の基準は次の通りであ
る。
【0600】 ◎…エッチングなし ○…若干ながら、エッチングあり △…光沢が低下している ×…エッチングが著しい
【0601】「耐アルカリ性」は、それぞれの試験板
を、5%水酸化ナトリウム水溶液中に、室温下、24時
間のあいだ浸漬せしめたのち、塗膜表面を、各別に、水
洗し乾燥してから、その表面状態を、目視により、評価
判定したものである。
【0602】その際の評価判定の基準は次の通りであ
る。
【0603】 ◎…エッチングなし ○…若干ながら、エッチングあり △…光沢が低下している ×…エッチングが著しい
【0604】実施例4〜7ならびに比較例2 予め、ポリエステル−メラミン系のグレー塗料が塗装さ
れ、焼き付けされた鋼板上に、まず、下記のようにして
調製したベースコート用塗料(II−1)を、乾燥膜厚
が約20μmとなるように、エアースプレー塗装せしめ
てから、10分間のあいだ、25℃に放置した。
【0605】次いで、上述のようにして調製した、それ
ぞれのクリヤー塗料ならびに対照用の塗料を、乾燥膜厚
が約30μmとなるように、エアースプレー塗装せしめ
た。
【0606】しかるのち、第3表に示す通りの条件で以
て焼き付けを行なって、各種の硬化塗膜を得た。此処に
得られた、本発明の方法を実施するに際して用いられ
る、各種のクリヤー塗料を用いた、それぞれの塗膜は、
いずれも、とりわけ、外観に優れるというものであっ
た。
【0607】乾燥後の塗膜についての諸性能の評価判定
の項目としては、サンシャイン・ウェザオメータ−によ
る促進の耐候性、2ヶ月にわたる屋外曝露を行ったのち
の耐汚染性、耐酸性ならびに耐アルカリ性である。それ
らの結果は、まとめて、第3表に示す。
【0608】ベースコート用塗料(II−1)の調製
【0609】下記するような三成分からなる混合物を、
トルエン/2−エトキシエチルアセテート=90/10
(重量部比)なる組成の混合溶剤で以て、フォード・カ
ップ#4による粘度が13秒となるように希釈せしめる
ことによって、メタリック・ベースコート用塗料(II
−1)を調製した。
【0610】 「アルペースト 1700NL」 10 部 「アクリディック 47−712」 100 部 「スーパーベッカミン L−117−60」 23.8部
【0611】註) 「アルペースト 1700NL」…
……東洋アルミニウム(株)製の、アルミニウム・ペー
スト;有効成分含有率=65%
【0612】「アクリディック 47−712」……大
日本インキ化学工業(株)製の、水酸基含有アクリル樹
脂溶液;不揮発分=50%
【0613】
【表11】
【0614】実施例8〜11ならびに比較例3 スレート板上に、下記するようにして調製したアクリル
−ウレタン系の白色塗料(下−2)を、乾燥膜厚が約4
0μmとなるように、エアースプレー塗装せしめ、室温
で、一週間のあいだ、硬化せしめるということによっ
て、予め、皮膜が形成された鋼板を作製した。
【0615】次いで、先に調製した、それぞれのクリヤ
ー塗料ならびに対照用の塗料を、乾燥膜厚が約30μm
となるように、エアースプレー塗装せしめた。
【0616】しかるのち、第3表に示す通りの条件で以
て、クリヤー塗料を硬化せしめることによって、各種の
硬化塗膜を得た。此処に得られた、本発明の方法を実施
するに際して用いられる、各種のクリヤー塗料を用い
た、それぞれの塗膜は、いずれも、とりわけ、外観に優
れるというものであった。
【0617】乾燥後の塗膜についての諸性能の評価判定
の項目としては、サンシャイン・ウェザオメータ−によ
る促進の耐候性、2ヶ月にわたる屋外曝露を行ったのち
の耐汚染性、耐酸性ならびに耐アルカリ性である。それ
らの結果は、まとめて、第3表に示す。
【0618】白色塗料(下−2)の調製 「アクリディック A−801P」[大日本インキ化学
工業(株)製の、水酸基含有アクリル樹脂の商品名;溶
剤=トルエン/酢酸n−ブチル混合溶剤、不揮発分=5
0%、溶液の水酸基価=50]の91部と、「CR−9
7]の35部とからなる混合物に、ガラス・ビーズを加
えて、サンドミルで、1時間のあいだ分散を行なった。
【0619】次いで、「バーノック DN−990S」
[大日本インキ化学工業(株)製の、無黄変タイプのポ
リイソシアネート樹脂の商品名;イソシアネート基含有
率=17.3重量%、不揮発分=100%]の19.7
部を加えた。
【0620】しかるのち、キシレン/トルエン/酢酸n
−ブチル/2−エトキシエチルアセテート=40/30
/20/10(重量部比)なる混合溶剤で以て、フォー
ド・カップ#4による粘度が20秒となるように希釈せ
しめるということによって、PWCが3%なる白色塗料
(下−2)を調製した。
【0621】
【表12】
【0622】実施例12〜14ならびに比較例4 予め、ポリエステル−メラミン系のグレー塗料が塗装さ
れ、焼き付けされた鋼板上に、まず、下記するようにし
て調製したアクリル−ウレタン系のベースコート用塗料
(II−2)を、乾燥膜厚が約20μmとなるように、
エアースプレー塗装せしめてから、20分間のあいだ、
25℃に放置した。
【0623】次いで、上述のようにして調製した、それ
ぞれのクリヤー塗料ならびに対照用の塗料を、乾燥膜厚
が約30μmとなるように、エアースプレー塗装せしめ
た。
【0624】しかるのち、第3表に示す通りの条件で以
て焼き付けることによって、各種の硬化塗膜を得た。此
処に得られた、本発明の方法を実施するに際して用いら
れる、各種のクリヤー塗料を用いた、それぞれの塗膜
は、いずれも、とりわけ、外観に優れるというものであ
った。
【0625】乾燥後の塗膜についての諸性能の評価判定
の項目としては、サンシャイン・ウェザオメータ−によ
る促進の耐候性、2ヶ月にわたる屋外曝露を行ったのち
の耐汚染性、耐酸性ならびに耐アルカリ性である。それ
らの結果は、まとめて、第3表に示す。
【0626】ベースコート用塗料(II−2)の調製 下記するような三つの成分からなる混合物を、トルエン
/酢酸エチル/2−エトキシエチルアセテート=70/
20/10(重量部比)なる組成の混合溶剤で以て、フ
ォード・カップ#4による粘度が13秒となるように希
釈せしめることによって、メタリック・ベースコート用
塗料(II−2)を調製した。
【0627】 「アルペースト 1700NL」 11 部 「アクリディック 44−127」 100 部 「バーノック DN−950」 19.5部
【0628】註) 「アクリディック 44−127」
……大日本インキ化学工業(株)製の、水酸基含有アク
リル樹脂の商品名;不揮発分=50%、溶液の水酸基価
=32.5
【0629】「バーノック DN−950」…………大
日本インキ化学工業(株)製の、無黄変ポリイソシアネ
ート樹脂の商品名;不揮発分=75%、溶液のイソシア
ネート基含有率=12.5重量%
【0630】
【表13】
【0631】また、基材上に直接塗装するという場合に
は、各別に、上塗り塗料を、スプレーにより、乾燥膜厚
が40〜80μmとなるように塗装せしめ、所定の乾燥
条件で以て乾燥硬化せしめるようにした。
【0632】実施例16〜19ならびに比較例5 燐酸亜鉛処理鋼板に直接に、まず、前掲のようにして調
製したベースコート用塗料(II−1)を、乾燥膜厚が
約20μmとなるように、エアースプレー塗装せしめて
から、10分間のあいだ、25℃に放置した。
【0633】次いで、上述のようにして調製した、それ
ぞれのクリヤー塗料ならびに対照用の塗料を、乾燥膜厚
が約30μmとなるように、エアースプレー塗装せしめ
た。
【0634】しかるのち、第3表に示す通りの条件で以
て焼き付けを行なって、各種の硬化塗膜を得た。此処に
得られた、本発明の方法を実施するに際して用いられ
る、各種のクリヤー塗料を用いた、それぞれの塗膜は、
いずれも、とりわけ、外観に優れるというものであっ
た。
【0635】乾燥後の塗膜についての諸性能の評価判定
の項目としては、サンシャイン・ウェザオメータ−によ
る促進の耐候性、2ヶ月にわたる屋外曝露を行ったのち
の耐汚染性、耐酸性ならびに耐アルカリ性である。それ
らの結果は、まとめて、第3表に示す。
【0636】
【表14】
【0637】実施例20〜21ならびに比較例6 スレート板に直接に、上述のようにして調製した、それ
ぞれのクリヤー塗料ならびに対照用の塗料を、乾燥膜厚
が約30μmとなるように、エアースプレー塗装せしめ
た。
【0638】しかるのち、第3表に示す通りの条件で以
て焼き付けを行なって、各種の硬化塗膜を得た。此処に
得られた、本発明の方法を実施するに際して用いられ
る、各種のクリヤー塗料を用いた、それぞれの塗膜は、
いずれも、とりわけ、外観に優れるというものであっ
た。
【0639】乾燥後の塗膜についての諸性能の評価判定
の項目としては、サンシャイン・ウェザオメータ−によ
る促進の耐候性、2ヶ月にわたる屋外曝露を行ったのち
の耐汚染性、耐酸性ならびに耐アルカリ性である。それ
らの結果は、まとめて、第3表に示す。
【0640】
【表15】
【0641】
【発明の効果】本発明に係る塗膜の形成方法は、とりわ
け、光沢保持性、耐曝露汚染性、耐酸性ならびに耐アル
カリ性などの、いわゆる総合的な耐久性に優れると共
に、極めて高い鮮映性を有する硬化塗膜を与えるもので
あり、極めて実用性の高いものである。そして、かかる
本発明の塗膜の形成方法により各種の基材を塗装して得
られる塗装物においても、また、上塗り塗膜が優れた耐
久性を有しており、高度の耐久性が必要とされる多方面
の用途に有効に利用できるものである。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に、あるいは、予め、皮膜が形成さ
    れた基材に、ポリシロキサンと該ポリシロキサン以外の
    重合体とからなる複合樹脂を水性媒体中に分散もしくは
    溶解せしめて得られる水性樹脂(A)を必須成分として含
    有する、硬化性クリヤー塗料(I)を塗装せしめ、次い
    で、硬化せしめることを特徴とする塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 基材に、あるいは、予め、皮膜が形成さ
    れた基材上に、顔料を含むベース・コート用塗料(I
    I)、ならびにポリシロキサンと該ポリシロキサン以外
    の重合体とからなる複合樹脂を水性媒体中に分散もしく
    は溶解せしめて得られる水性樹脂(A)を必須成分として
    含有する硬化性クリヤー塗料(I)を、順次、塗装せし
    め、次いで、両塗料から形成される2層を、同時に、乾
    燥もしくは硬化せしめることを特徴とする塗膜の形成方
    法。
  3. 【請求項3】 硬化性クリヤー塗料(I)が、更に、水
    性樹脂(A)に含まれる官能基と反応する官能基を有する
    化合物を必須成分として含有することを特徴とする請求
    項1または2記載の塗膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 皮膜が形成された基材が、下塗り塗料の
    塗布されたものであることを特徴とする請求項1又は2
    記載の塗膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記した水性樹脂(A)が、珪素原子に結
    合した加水分解性基および/または珪素原子に結合した
    水酸基を有するポリシロキサンセグメント(A−1)
    と、アニオン性基、カチオン性基およびノニオン性基よ
    りなる群れから選ばれる、少なくとも1種の親水性基を
    有する重合体セグメント(B−1)から構成される複合
    樹脂(C−1)を、水性媒体中に分散もしくは溶解せし
    めて得られる水性樹脂(W−1)であることを特徴とす
    る請求項1〜4いずれかに記載の塗膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記した水性樹脂(A)が、珪素原子に結
    合した加水分解性基および/または珪素原子に結合した
    水酸基を有するポリシロキサンセグメント(A−1)
    と、アニオン性基、カチオン性基およびノニオン性基よ
    りなる群れから選ばれる、少なくとも1種の親水性基に
    加え、該親水性基と、珪素原子に結合した加水分解性基
    と、珪素原子に結合した水酸基との、都合、3種類の基
    以外の官能基をも併有する重合体セグメント(B−2)
    より構成される複合樹脂(C−2)を、水性媒体中に分
    散もしくは溶解せしめて得られる水性樹脂(W−2)で
    あることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の塗
    膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記した水性樹脂(A)が、アリール基も
    しくはシクロアルキル基と加水分解性基が共に結合した
    珪素原子および/またはアリール基もしくはシクロアル
    キル基と水酸基が共に結合した珪素原子を有するポリシ
    ロキサンセグメント(A−2)と、アニオン性基、カチ
    オン性基およびノニオン性基よりなる群から選ばれる、
    少なくとも1種の親水性基を有する重合体セグメント
    (B−1)より構成される複合樹脂(C−3)と、珪素
    原子に結合した加水分解性基および/または珪素原子に
    結合した水酸基を有するポリシロキサン(p)を、混合
    せしめ、さらに必要に応じて、縮合せしめたのち、水性
    媒体中に分散もしくは溶解せしめて得られる水性樹脂
    (W−3)であることを特徴とする請求項1〜4いずれ
    かに記載の塗膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記した水性樹脂(A)が、アリール基も
    しくはシクロアルキル基と加水分解性基が共に結合した
    珪素原子および/またはアリール基もしくはシクロアル
    キル基と水酸基が共に結合した珪素原子を有するポリシ
    ロキサンセグメント(A−2)と、アニオン性基、カチ
    オン性基およびノニオン性基よりなる群から選ばれる、
    少なくとも1種の親水性基に加え、該親水性基と、珪素
    原子に結合した加水分解性基と、珪素原子に結合した水
    酸基との、都合、3種類の基以外の官能基をも併有する
    重合体セグメント(B−2)より構成される複合樹脂
    (C−4)と、珪素原子に結合した加水分解性基および
    /または珪素原子に結合した水酸基を有するポリシロキ
    サン(p)を、混合せしめ、さらに必要に応じて、縮合
    せしめたのち、水性媒体中に分散もしくは溶解せしめて
    得られる水性樹脂(W−4)であることを特徴とする請
    求項1〜4いずれかに記載の塗膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 前記した複合樹脂(C−1)を構成す
    る、ポリシロキサンセグメント(A−1)と重合体セグ
    メント(B−1)とが、下記の構造式(S−I) 【化1】 (ただし、式中の炭素原子は、重合体セグメント(B−
    1)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合した珪素原
    子は、ポリシロキサンセグメント(A−1)の一部分を
    構成するものとする。)で示される結合を介して複合化
    していることを特徴とする請求項5に記載の塗膜の形成
    方法。
  10. 【請求項10】 前記した複合樹脂(C−2)を構成す
    る、ポリシロキサンセグメント(A−1)と重合体セグ
    メント(B−2)とが、下記の構造式(S−I) 【化2】 (ただし、式中の炭素原子は、重合体セグメント(B−
    2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合した珪素原
    子は、ポリシロキサンセグメント(A−1)の一部分を
    構成するものとする。)で示される結合を介して複合化
    していることを特徴とする請求項6に記載の塗膜の形成
    方法。
  11. 【請求項11】 前記した複合樹脂(C−3)を構成す
    る、ポリシロキサンセグメント(A−2)と重合体セグ
    メント(B−1)とが、下記の構造式(S−I) 【化3】 (ただし、式中の炭素原子は、重合体セグメント(B−
    1)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合した珪素原
    子は、ポリシロキサンセグメント(A−2)の一部分を
    構成するものとする。)で示される結合を介して複合化
    していることを特徴とする請求項7に記載の塗膜の形成
    方法。
  12. 【請求項12】 前記した複合樹脂(C−4)を構成す
    る、ポリシロキサンセグメント(A−2)と重合体セグ
    メント(B−2)とが、下記の構造式(S−I) 【化4】 (ただし、式中の炭素原子は、重合体セグメント(B−
    2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合した珪素原
    子は、ポリシロキサンセグメント(A−2)の一部分を
    構成するものとする。)で示される結合を介して複合化
    していることを特徴とする請求項8に記載の塗膜の形成
    方法。
  13. 【請求項13】 前記したポリシロキサンセグメント
    (A−1)が、下記の構造式(S−II) 【化5】 (ただし、式中のR1は、置換基を有していてもいいな
    くてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
    基、アラルキル基およびアルケニル基よりなる群から選
    ばれる、少なくとも1種の1価の有機基を表すものとす
    る。)で示される構造を必須の単位構造として有するポ
    リシロキサンセグメントである、請求項5または6記載
    の塗膜の形成方法。
  14. 【請求項14】 前記したポリシロキサン(p)が、下
    記の構造式(S−II) 【化6】 (ただし、式中のR1は、置換基を有していてもいいな
    くてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
    基、アラルキル基およびアルケニル基よりなる群から選
    ばれる、少なくとも1種の1価の有機基を表すものとす
    る。)で示される構造を必須の単位構造として有するポ
    リシロキサンである、請求項7または8に記載の塗膜の
    形成方法。
  15. 【請求項15】 前記した重合体セグメント(B−1)
    が、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、アルキド
    系重合体およびポリウレタン系重合体よりなる群から選
    ばれる、少なくとも1種の重合体に由来するセグメント
    であることを特徴とする請求項5または7に記載の塗膜
    の形成方法。
  16. 【請求項16】 前記した重合体セグメント(B−2)
    が、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、アルキド
    系重合体およびポリウレタン系重合体よりなる群から選
    ばれる、少なくとも1種の重合体に由来するセグメント
    であることを特徴とする請求項6または8に記載の塗膜
    の形成方法。
  17. 【請求項17】 前記した加水分解性基が、アルコキシ
    基であることを特徴とする請求項5〜8いずれかに記載
    の塗膜の形成方法。
  18. 【請求項18】 前記した、アニオン性基、カチオン性
    基およびノニオン性基よりなる群れから選ばれる、少な
    くとも1種の親水性基と、珪素原子に結合した加水分解
    性基と、珪素原子に結合した水酸基との、都合、3種類
    の基以外の官能基が、炭素原子に結合した水酸基、ブロ
    ックされた水酸基、カルボキシル基、ブロックされたカ
    ルボキシル基、カルボン酸無水基、3級アミノ基、シク
    ロカーボネート基、エポキシ基、1級アミド基、2級ア
    ミド、カーバメート基および、下記の構造式(S−II
    I) 【化7】 で示される官能基よりなる群から選ばれる、少なくとも
    1種の官能基であることを特徴とする請求項6または8
    に記載の塗膜の形成方法。
  19. 【請求項19】 前記した水性樹脂(A)に含まれる官能
    基と反応する官能基を有する化合物が、珪素原子に結合
    した水酸基および/または珪素原子に結合した加水分解
    性基を有する化合物、一分子中にイソシアネート基と珪
    素原子に結合した加水分解性基とを併有する化合物、一
    分子中にエポキシ基と珪素原子に結合した加水分解性基
    とを併有する化合物、ポリイソシアネート化合物、ブロ
    ックポリイソシアネート化合物、ポリエポキシ化合物、
    ポリシクロカーボネート化合物、アミノ樹脂、1級ない
    しは2級アミド基含有化合物、ポリカルボキシ化合物お
    よびポリヒドロキシ化合物よりなる群から選ばれる少な
    くとも1種の化合物(D)であることを特徴とする請求
    項3に記載の塗膜の形成方法。
  20. 【請求項20】 前記したポリシロキサンセグメント
    (A−1)が、全珪素原子の10モル%以上に、アリー
    ル基および/またはシクロアルキル基が結合しているポ
    リシロキサンセグメントであることを特徴とする請求項
    4、5、8、9または12のいずれかに記載の塗膜の形
    成方法。
  21. 【請求項21】 請求項1から20に記載のいずれかの
    塗膜の形成方法によって塗装されたことを特徴とする塗
    装物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011111490A (ja) * 2009-11-25 2011-06-09 Dic Corp 硬化性塗料組成物、及びこれを含むコーティング剤
JP2011208033A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Dic Corp 熱成形用加飾シート及び加飾成形品
JP2015516311A (ja) * 2012-02-28 2015-06-11 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー ポリオルガノシロキサンと親水性成分とを含む剥離コーティングを備えたシーティング物品

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