JPH11204233A - スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ

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JPH11204233A
JPH11204233A JP10022853A JP2285398A JPH11204233A JP H11204233 A JPH11204233 A JP H11204233A JP 10022853 A JP10022853 A JP 10022853A JP 2285398 A JP2285398 A JP 2285398A JP H11204233 A JPH11204233 A JP H11204233A
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spark plug
alloy
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Wataru Matsutani
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01TSPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
    • H01T13/00Sparking plugs
    • H01T13/20Sparking plugs characterised by features of the electrodes or insulation
    • H01T13/39Selection of materials for electrodes

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  • Spark Plugs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 貴金属からなる発火部の合金組織を結晶粒形
態とは別の観点から制御することにより、該発火部の耐
久性を高めたスパークプラグを提供する。 【解決手段】 スパークプラグ100は、中心電極3
と、その中心電極3の外側に設けられた絶縁体2と、そ
の絶縁体2の外側に設けられた主体金具1と、中心電極
3と対向するように配置された接地電極4と、それら中
心電極3と接地電極4との少なくとも一方に固着されて
火花放電ギャップgを形成する発火部31,32とを備
える。そして、上述の発火部31,32が、Ir、Pt
及びRhから選ばれる主成分元素と、該主成分元素以外
の1種又は2種以上の添加元素成分とからなる貴金属合
金を主体に構成されるとともに、その貴金属合金には添
加元素成分の濃度分布に縞状の濃淡を生じており、その
濃淡縞の方向が発火部31,32における電圧印加方向
とほぼ直交するように配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関に使用され
るスパークプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、上述のようなスパークプラグにお
いては、耐火花消耗性向上のために電極の先端にPtや
Ir等を主体とする貴金属チップを溶接したタイプのも
のが多数提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら近年で
は、内燃機関の高性能化により燃焼室内の温度も高くな
る傾向にあり、また着火性向上のために、スパークプラ
グの発火部を燃焼室内部に突き出させるタイプのエンジ
ンも多く使用されるようになってきている。このような
状況では、スパークプラグの発火部が高温にさらされる
ので貴金属チップも消耗が進みやすくなる。この傾向
は、高温で酸化揮発しやすいIr系のチップを使用した
スパークプラグにおいて特に著しい。
【0004】ここで、高温におけるチップ消耗の要因と
しては、火花によるチップが一種のスパッタリングを受
けることのほか、チップの酸化腐食あるいは酸化揮発に
より結晶粒界が脆弱化し、火花アタックにより脱粒が進
行する影響も大きいと考えられる。例えば、特開平8−
37082号あるいは特開平8−45643号の各公報
には、貴金属チップの組織を、偏平な結晶粒が放電面と
平行な方向に積層されたものとなるように制御すること
で粒界腐食の経路を長くし、脱粒を抑制する提案がなさ
れている。しかしながら、貴金属チップの結晶粒形態の
制御のみでは、腐食・脱粒の抑制効果は必ずしも十分で
はない。
【0005】本発明の課題は、貴金属チップの接合によ
り発火部を形成したスパークプラグにおいて、発火部の
合金組織を結晶粒形態とは別の観点から制御することに
より、該発火部の耐久性を高めたスパークプラグを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】本発明の
スパークプラグは、中心電極と、その中心電極の外側に
設けられた絶縁体と、その絶縁体の外側に設けられた主
体金具と、中心電極と対向するように配置された接地電
極と、それら中心電極と接地電極との少なくとも一方に
固着されて火花放電ギャップを形成する発火部とを備え
る。そして、上述の課題を解決するために、上述の発火
部が、Ir、Pt及びRhから選ばれる主成分元素と、
該主成分元素以外の1種又は2種以上の添加元素成分と
からなる貴金属合金を主体に構成されるとともに、該貴
金属合金には添加元素成分の濃度分布に縞状の濃淡を生
じており、その濃淡縞の方向が発火部における電圧印加
方向と交差する向きに配置されたことを特徴とする。
【0007】なお、上記発火部は、上記貴金属合金を主
体とするチップを、接地電極及び/又は中心電極に対し
溶接により接合して形成することができる。この場合、
本明細書でいう「発火部」とは、接合されたチップのう
ち、溶接による組成変動の影響を受けていない部分(例
えば、溶接により接地電極ないし中心電極の材料と合金
化した部分を除く残余の部分)を指すものとする。
【0008】本発明者らは、鋭意検討の結果、発火部を
構成する貴金属合金において、その添加元素成分の濃度
分布に縞状の濃淡を生じている場合、その濃淡縞の方向
が発火部における電圧印加方向すなわち放電方向と交差
するように(例えばほぼ直交するように)当該発火部を
形成することで、発火部の消耗を極めて効果的に抑制す
ることができ、ひいては耐久性に優れたスパークプラグ
を実現できることを見い出し、本発明を完成するに至っ
たのである。
【0009】なお、本発明においては、添加元素成分の
縞状の濃度分布において、該添加元素成分濃度が合金平
均値以上となる領域を添加元素系相領域といい、同じく
合金平均値より小さくなる領域を主成分系相領域とい
う。この場合、上記貴金属合金は、例えば上記主成分元
素を主体とする主成分系相領域と、添加元素成分の含有
量が主成分系相領域よりも多く、かつ主成分元素の含有
量が主成分系相領域の97%以下となる添加元素系相領
域とがそれぞれ偏平形状をなして、発火部における電圧
印加方向に多数層状に積層された組織を有するものとし
て構成できる。
【0010】発火部を構成する合金の組織形態を上述の
ように制御することで、該発火部の耐消耗性が向上する
理由は以下のように推測される。すなわち、主成分系相
領域と添加元素系相領域とでは合金組成が異なり、その
高温での腐食電位も互いに異なるものになると考えられ
る。従って、腐食環境である高温大気中に隣接するそれ
ら相領域同士の境界が露出している部分では、いわゆる
局部電池が形成され、その短絡電流によって腐食が進行
しやすくなるものと考えられる。
【0011】ここで、上記各相領域が偏平形状をなして
積層される場合、本発明のようにその積層方向を放電方
向とほぼ一致させるようにすれば、発火部表面のうち、
特に消耗しやすい放電面(発火面)への領域境界の露出
比率が減少する。これにより、局部電池形成による発火
部の腐食が進みにくくなり、ひいては粒界腐食による脱
粒等も抑制されて発火部の耐久性が向上するものと考え
られる。
【0012】ここで、合金中の個々の主成分系相領域及
び個々の添加元素系相領域は、合金を構成する結晶粒形
態と必ずしも関連を有していなくともよく、例えば、各
領域の少なくとも一部のものが、それぞれ多数の結晶粒
が集合して形成される偏平な集合粒領域となっており、
その集合粒領域の単位で互いに積層された形態になって
いてもよい。
【0013】上記本発明のスパークプラグは、具体的に
は次のように構成できる。 (A)接地電極の一端を主体金具に結合するとともに、
他端側を中心電極側に曲げ返して、その側面が中心電極
の先端面と対向するように配置する。発火部は、中心電
極の先端面と当該先端面と対向する接地電極の側面との
少なくともいずれかに形成し、偏平形状をなす主成分系
相領域と添加元素系相領域とが、中心電極の軸線方向に
積層された組織を有するものとする。この場合、各発火
部においては、中心電極の軸線とほぼ直交する向きに放
電面が形成されるが、上記組織構造とすることで、当該
放電面での消耗が効果的に抑制されることとなる。
【0014】(B)発火部を、中心電極の先端面に固着
する。接地電極は、その一端を主体金具に結合するとと
もに、他端側を中心電極側に曲げ返して、その先端面が
発火部の側面と対向するように配置する。そして、上記
発火部は、偏平形状をなす主成分系相領域と添加元素系
相領域とが、中心電極の軸線方向とほぼ直交する向きに
積層された組織を有するものとする。この場合、中心電
極に固着された発火部の側面に放電面が形成されるが、
上記組織構造とすることで、当該面の消耗が効果的に抑
制されることとなる。
【0015】なお、本明細書において「偏平形状」と
は、積層方向における最大寸法が、これと直交する任意
の向きの寸法の最大値よりも小さいことをいう。例え
ば、主成分系相領域と添加元素系相領域とは、それぞれ
板状に形成されていてもよいし、一方向に延伸された棒
状ないし繊維状に形成されていてもよい。
【0016】添加元素成分は、具体的にはRh、Pt、
Ir、Pd、Re、Ru、Nb、Os及びWのうち、主
成分元素とは異なる1種又は2種以上を含むものとする
ことができる。例えば、発火部を構成する合金が、Ir
を主体として、これにRh、Pt、Pd、Re、Ru、
Nb、Os及びWの1種又は2種以上を添加した組成を
有するものである場合、主成分元素はIrであり、添加
元素系成分はRh、Pt、Pd、Re、Ru、Nb、O
s及びWの1種又は2種以上を主体とするものとなる。
また、発火部を構成する合金が、さらに具体的に、Ir
を主成分としてRh及び/又はPtを含有する二元又は
三元合金である場合には、主成分元素はIrとなり、添
加元素成分はRh及び/又はPtを主体とするものとな
る。
【0017】発火部を構成する合金のうち、Irを主成
分とするものとしては、例えば次のようなものを使用で
きる(ただし、本発明でいう添加元素系相領域が合金中
に形成される組成に限る)。 (1)Irを主体としてRhを3〜50重量%(ただし
50重量%は含まない)の範囲で含有する合金を使用す
る。該合金の使用により、高温でのIr成分の酸化・揮
発による発火部の消耗が効果的に抑制され、ひいては耐
久性に優れたスパークプラグが実現される。
【0018】上記合金中のRhの含有量が3重量%未満
になるとIrの酸化・揮発の抑制効果が不十分となり、
発火部が消耗しやすくなるため、プラグの耐久性が低下
する。一方、Rhの含有量が50重量%以上になると合
金の融点が低下し、プラグの耐久性が同様に低下する。
以上のことから、Rhの含有量は前述の範囲で調整する
のがよく、望ましくは7〜30重量%、より望ましくは
15〜25重量%、最も望ましくは18〜22重量%の
範囲で調整するのがよい。
【0019】(2)Irを主体としてPtを1〜20重
量%の範囲で含有する合金を使用する。該合金の使用に
より、高温でのIr成分の酸化・揮発による発火部の消
耗が効果的に抑制され、ひいては耐久性に優れたスパー
クプラグが実現される。なお、上記合金中のPtの含有
量が1重量%未満になるとIrの酸化・揮発の抑制効果
が不十分となり、発火部が消耗しやすくなるため、プラ
グの耐久性が低下する。一方、Ptの含有量が20重量
%以上になると合金の融点が低下し、プラグの耐久性が
同様に低下する。
【0020】(3)Irを主体としてPtを1〜20重
量%の範囲で含有し、さらにRhを1〜49重量%の範
囲で含有した合金を使用する。該合金の使用により、高
温でのIr成分の酸化・揮発による消耗が効果的に抑制
されるとともに、合金のRh含有量を上記範囲で調整す
ることにより、その加工性が劇的に改善される。これに
より、耐久性(特に高速走行時の耐久性)と量産性の双
方に優れたスパークプラグを実現することができる。
【0021】Rhの含有量が1重量%未満になると、合
金の加工性改善効果が十分に達成できなくなり、例えば
加工中に割れやクラックなどが生じやすくなって、発火
部となるべきチップを製造する際の材料歩留まりの低下
につながる。また、熱間打抜き加工等によりチップを製
造する場合は、打抜き刃等の工具の消耗あるいは損傷が
生じやすくなり、製造効率が低下する。一方、49重量
%を越えると合金の融点が低下し、プラグの耐久性低下
を招く。それ故、Rhの含有量は前述の範囲で調整する
のがよく、望ましくは2〜20重量%の範囲で調整する
のがよい。
【0022】特に、RhないしPtの合計含有量が5重
量%以上である場合には合金がさらに脆くなり、所定量
以上のRhを添加しないと、加工によるチップ製造が極
めて困難となる。この場合、Rhは2重量%以上、望ま
しくは5重量%以上、さらに望ましくは10重量%以上
添加するのがよい。なお、Rhの含有量が3重量%以上
である場合には、Rhは加工性の改善だけでなく、高温
でのIr成分の酸化・揮発の抑制に対しても効果を生ず
る場合がある。
【0023】また、Ptの含有量が1重量%未満になる
とIrの酸化・揮発の抑制効果が不十分となり、発火部
が消耗しやすくなるため、プラグの耐久性が低下する。
一方、含有量が20重量%以上になると合金の融点が低
下し、プラグの耐久性が同様に低下したり、あるいは高
価なPtの含有量が増大して、チップの材料コストが増
大する割には、発火部の消耗抑制効果がそれほど期待で
きなくなる問題が生ずる。以上のことから、Ptの合計
含有量は前述の範囲で調整するのがよく、望ましくは3
〜20重量%の範囲で調整するのがよい。
【0024】(4)Ir−Rh−Pt合金を使用する場
合、Ir成分の酸化揮発による消耗を効果的に抑制しつ
つ、なるべく高価なPt及びRhの含有量を低減させる
観点においては、次のような合金組成を採用することも
有効である。すなわち、該合金は、主成分として0.2
〜10重量%のRhと10重量%以下のPtとを含有す
るとともに、Ptの含有量をWPt(単位:重量%)、R
hの含有量をWRh(単位:重量%)として、WPt/WRh
を0.1〜1.5とする。
【0025】すなわち、該合金は、Ptの含有量をRh
の含有量の1.5倍以下とする点に特徴がある。すなわ
ち、Ptの含有量を上述のように設定することで、Ir
−Rh二元合金を使用する従来のスパークプラグと比較
して、Rh含有量を大幅に削減しても発火部の耐消耗性
を十分に確保でき、ひいては高性能のスパークプラグを
より安価に構成できるようになるのである。この場合、
上記(3)の合金と共通する組成領域を採用すれば、合
金の加工性改善効果も合わせて達成できることとなる。
【0026】上記合金中のRhの含有量が10重量%を
超えた場合は、Irの酸化揮発抑制効果に対するPt添
加の寄与が顕著でなくなり、例えば従来のIr−Rh二
元合金を使用したスパークプラグに対する優位性が確保
できなくなる。一方、Rhの含有量が0.2重量%未満
になると、Ir成分の酸化揮発抑制効果が不十分とな
り、発火部が消耗しやすくなってプラグの耐消耗性が確
保できなくなる。
【0027】ここで、Irの酸化揮発抑制に対するPt
添加の効果は、Rh含有量が少なくなるにつれて顕著と
なる傾向がある。この場合、特にRhの含有量が8重量
%以下となる組成を採用することで、より少ないRh含
有量でもPt添加により、発火部におけるIrの酸化揮
発ひいては発火部の耐消耗性を顕著に向上させることが
でき、従来のIr−Rh二元合金で発火部を構成したス
パークプラグに対する優位性が一層高められる。なお、
Rhの含有量は、望ましくは0.2〜3重量%、より望
ましくは0.5〜2重量%の範囲で調整するとよい。
【0028】次に、Ptの含有量が10重量%を超える
と、Ir成分の酸化揮発抑制効果が不十分となり、発火
部が消耗しやすくなってプラグの耐消耗性が確保できな
くなる。また、Rhの含有量をWRh、Ptの含有量をW
Ptとすれば、WPt/WRhは1.5以下の範囲で調整する
ようにする。WPt/WRhが1.5を超えると、Ptを添
加しない場合と比較して却ってIrの酸化揮発抑制に対
する効果が損なわれてしまう場合がある。一方、WPt/
WRhが0.1未満になると、Pt添加によるIrの酸化
揮発抑制効果への寄与がほとんど期待できなくなる。な
お、WPt/WRhは、より望ましくは0.2〜1.0の範
囲で調整するのがよい。
【0029】以上のことは、発火部を構成する材料中の
Pt含有量WPtの望ましい範囲が、Rh含有量WRhによ
って異なるものとなることを意味している。例えばWRh
が1重量%である場合には、WPtの範囲は0.1〜1.
5重量%とするのがよい。また、WRhが2重量%である
場合には、WPtの範囲は0.2〜3重量%とするのがよ
い。また、WRhが3重量%である場合には、WPtの範囲
は0.3〜4.5重量%とするのがよい。また、WRhが
4重量%である場合には、WPtの範囲は0.4〜6重量
%とするのがよい。
【0030】(5)Irを主体としてRhを0.1〜3
5重量%の範囲で含有し、さらにRuを0.1〜17重
量%の範囲で含有する合金を使用する。これにより、高
温でのIr成分の酸化・揮発による発火部の消耗がさら
に効果的に抑制され、ひいてはより耐久性に優れたスパ
ークプラグが実現される。Rhの含有量が0.1重量%
未満になるとIrの酸化・揮発の抑制効果が不十分とな
り、発火部が消耗しやすくなるため、プラグの耐消耗性
が確保できなくなる。一方、Rhの含有量が35重量%
を超えると、Ruを含有する合金の融点が低下して耐火
花消耗性が損なわれ、プラグの耐久性が同様に確保でき
なくなる。それ故、Rhの含有量は上記範囲で調整され
る。
【0031】一方、Ruの含有量が0.1重量%未満に
なると、該元素の添加によるIrの酸化・揮発による消
耗を抑制する効果が不十分となる。また、Ruの含有量
が17重量%を超えると、発火部が却って火花消耗しや
すくなり、プラグの十分な耐久性が確保できなくなる。
それ故、Ruの含有量は上記範囲で調整され、望ましく
は0.1〜13重量%、さらに望ましくは0.5〜10
重量%の範囲で調整するのがよい。
【0032】Ruが合金中に含有されることにより発火
部の耐消耗性が改善される原因の一つとして、例えばこ
の成分の添加により、合金表面に高温で安定かつ緻密な
酸化物皮膜が形成され、単体の酸化物では揮発性が非常
に高かったIrが、該酸化物皮膜中に固定されることが
推測される。そして、この酸化物皮膜が一種の不動態皮
膜として作用し、Ir成分の酸化進行を抑制するものと
考えられる。また、Rhを添加しない状態では、Ruを
添加しても合金の高温での耐酸化揮発性はそれほど改善
されないことから、上記酸化物皮膜はIr−Ru−Rh
系等の複合酸化物であり、これが緻密性ないし合金表面
に対する密着性においてIr−Ru系の酸化物皮膜より
優れたものとなっていることも考えられる。
【0033】なお、Ruの含有量が増え過ぎると、Ir
酸化物の揮発よりはむしろ下記のような機構により火花
消耗が進行するようになるものと推測される。すなわ
ち、形成される酸化物皮膜の緻密性あるいは合金表面に
対する密着力が低下し、該合計含有量が17重量%を超
えると特にその影響が顕著となる。そして、スパークプ
ラグの火花放電の衝撃が繰返し加わると、形成されてい
る酸化物皮膜が剥がれ落ちやすくなり、それによって新
たな金属面が露出して火花消耗が進行しやすくなるもの
と考えられる。
【0034】また、Ruの添加により、さらに次のよう
な重要な効果を達成することができる。すなわち、Ru
を合金中に含有させることにより、Ir−Rh二元合金
を使用する場合と比較して、Rh含有量を大幅に削減し
ても耐消耗性を十分に確保でき、ひいては高性能のスパ
ークプラグをより安価に構成できるようになる。この場
合、Rhの含有量は望ましくは0.1〜3重量%となっ
ているのがよい。
【0035】なお、上記(1)〜(5)のいずれの材質
においても、チップを構成する材料には、元素周期律表
の3A族(いわゆる希土類元素)及び4A族(Ti、Z
r、Hf)に属する金属元素の酸化物(複合酸化物を含
む)を0.1〜15重量%の範囲内で含有させることが
できる。これにより、Ir成分の酸化・揮発による消耗
がさらに効果的に抑制される。上記酸化物の含有量が
0.1重量%未満になると、当該酸化物添加によるIr
の酸化・揮発防止効果が十分に得られなくなる。一方、
酸化物の含有量が15重量%を超えると、チップの耐熱
衝撃性が低下し、例えばチップを電極に溶接等により固
着する際に、ひびわれ等の不具合を生ずることがある。
なお、上記酸化物としては、Y23が好適に使用される
が、このほかにもLa23、ThO2、ZrO2等を好ま
しく使用することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明のいくつかの実施の
形態を図面を用いて説明する。図1及び図2に示す本発
明の一例たるスパークプラグ100は、筒状の主体金具
1、先端部21が突出するようにその主体金具1の内側
に嵌め込まれた絶縁体2、先端に形成された発火部31
を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電
極3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合される
とともに他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心
電極3の先端部と対向するように配置された接地電極4
等を備えている。また、接地電極4には上記発火部31
に対向する発火部32が形成されており、それら発火部
31と、対向する発火部32との間の隙間が火花放電ギ
ャップgとされている。
【0037】絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化
アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、そ
の内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込む
ための孔部6を有している。また、主体金具1は、低炭
素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパーク
プラグ100のハウジングを構成するとともに、その外
周面には、プラグ100を図示しないエンジンブロック
に取り付けるためのねじ部7が形成されている。
【0038】なお、発火部31及び対向する発火部32
のいずれか一方を省略する構成としてもよい。この場合
には、発火部31又は対向する発火部32及び接地電極
4又は中心電極3との間で火花放電ギャップgが形成さ
れる。
【0039】図2(b)に示すように、中心電極3及び
接地電極4の本体部3a及び4aはNi合金等で構成さ
れている。一方、上記発火部31及び対向する発火部3
2は、Ir、Pt及びRhから選ばれる主成分元素と、
該主成分元素以外の1種又は2種以上の添加元素成分、
例えばRh、Pt、Pd、Re、Ru、Nb、Os及び
Wの1種又は2種以上とからなる貴金属合金を主体に構
成される。そして、図3にごく模式的に示すように、そ
の貴金属合金は、主成分元素を主体とする主成分系相領
域50と、添加元素成分の含有量が主成分系相領域より
も多く、かつ主成分元素の含有量が主成分系相領域の9
7%以下となる添加元素系相領域51とがそれぞれ偏平
形状をなして、発火部31における電圧印加方向(すな
わち、図1において中心電極3の軸線O方向)に多数層
状に積層された組織を有している。
【0040】以下、上記貴金属合金が、所定の臨界温度
までは全率固溶し、該臨界温度以下では溶解度を生じて
相分離を起こす合金で構成される場合について、さらに
詳しく説明する。このような合金系で、本発明の発火部
を構成しうるものとしては、例えばIr−Rh系、Ir
−Pt系、Pt−Rh系、Ir−Pt−Rh系がある
が、本実施例ではIr−Pt−Rh三元系合金、例えば
Irを主体としてPtを1〜20重量%(望ましくは5
〜20重量%)の範囲で含有し、さらにRhを1〜49
重量%(望ましくは2〜20重量%)の範囲で含有した
合金で発火部31ないし32を構成する場合を例にと
る。この場合、図3において、主成分系相領域50はI
rを主体として残余の組成が実質的にRh及びPtとな
る相領域となり、添加元素系相領域51は、Rh及びP
tの平均的な含有量が上記主成分系相領域よりも多く、
かつIrの平均的な含有量が主成分系相領域の90%以
下となる相領域となる。このような発火部31ないし3
2を形成するための円板状のチップは、例えば次のよう
にして製造できる。
【0041】すなわち、原料となるIr単体金属、Pt
単体金属及びRh単体金属とを所期の比率で配合し、こ
れを溶解して合金インゴットを作る。図5は、例えばI
r−Rh二元系状態図を示しているが、臨界温度は約1
335℃であり、これ以下の温度においては合金はRh
リッチ相α1とIrリッチ相α2とに分離する。また、I
r−Pt系、及びRh−Pt系も、同様の2相分離型状
態図を示す。そして、上述のようにIrが主体となる組
成では、冷却とともにIrリッチ相中にRhリッチ相及
び/又はPtリッチ相が析出(組成によってはスピノー
ダル分解の可能性もありうる)する形で相分離が進行す
るものと推測される。
【0042】この合金インゴットを、図6に示すよう
に、例えば700℃前後に加熱して熱間圧延により板材
300にすると、該板材300中には、Irリッチ相を
主体とする主成分系相領域50と、Rhリッチ相及び/
又はPtリッチ相の含有比率がそれよりも高い添加元素
系相領域51とが、板厚方向に多数積層された組織が生
ずる。
【0043】本発明者らがIr−5重量%Rh−5重量
%Pt合金を用いたチップについて、SEM(走査電子
顕微鏡)付属のEPMA(電子プローブ微小分析)の面
分析により、断面のIr濃度分布を測定したところ(後
述する図14)、主成分系相領域50はIrの含有量が
約92重量%程度(残部Rh+Pt)であり、添加元素
系相領域51はIrの含有量が約88重量%(主成分系
相領域の約96%)程度であった。そして、主成分系相
領域50と添加元素系相領域51とはいずれも、Irを
主成分としてPtとRhで占められる固溶体相(以下、
Irリッチ相という)を主体としつつ、Rhを主体とし
て残余が実質的にIrとPtで占められる固溶体相(以
下、Rhリッチ相という)と、Ptを主体として残余が
実質的にIrとRhで占められる固溶体相(以下、Pt
リッチ相という)とが微小な析出物となってこれに分散
形成されたものになっていると推測される。この場合、
主成分系相領域50中のRhリッチ相析出物及びPtリ
ッチ相析出物の形成密度が、添加元素系相領域51中の
それよりも高くなっており、結果として両領域50,5
1間でIrの平均的な含有量に差が生じているものと考
えられる。
【0044】なお、平衡状態図によればIrリッチ相
と、Rhリッチ相及びPtリッチ相との間のIr含有量
の差は50重量%以上に及ぶと推測されるが、上記EP
MA面分析においては倍率1000倍程度に拡大して
も、これに相当する濃度差を有する各相を目視にて判別
することができなかった。従ってRhリッチ相及びPt
リッチ相の各析出物が形成されているとしても、個々の
析出物は1μm以下の微細粒子になっているのではない
かと推測される。
【0045】さて、上記板材300は、例えば熱間打抜
きにより円板状に打ち抜くことにより、あるいは放電加
工により円板状に切り出すことにより、軸方向に主成分
系相領域50と添加元素系相領域51とが積層されたチ
ップ150が得られる。
【0046】そして、図2(b)に示すように、中心電
極3の本体部3aは先端側が縮径されるとともにその先
端面が平坦に構成され、ここに上記円板状のチップ15
0(図6)を重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿
ってレーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により
溶接部Wを形成してこれを固着することにより発火部3
1が形成される。また、対向する発火部32は、発火部
31に対応する位置において接地電極4にチップ150
(図6)を位置合わせし、その接合面外縁部に沿って同
様に溶接部Wを形成してこれを固着することにより形成
される。
【0047】以下、スパークプラグ100の作用につい
て説明する。すなわち、スパークプラグ100は、その
ねじ部7においてエンジンブロックに取り付けられ、燃
焼室に供給される混合気への着火源として使用される。
ここで、その火花放電ギャップgを形成する発火部31
及び対向する発火部32を構成する合金は、いずれも中
心電極3の軸線方向、すなわち放電電圧の印加方向にお
いて、偏平形状をなす上記主成分系相領域50と添加元
素系相領域51とが多数積層された構造を有するものと
なっている。これにより、両発火部31,32の消耗を
極めて効果的に抑制することができ、ひいては耐久性に
優れたスパークプラグが実現される。
【0048】発火部31,32の耐消耗性が向上する理
由は以下のように推測される。すなわち、主成分系相領
域50と添加元素系相領域51とでは、酸素を含有する
高温の大気中においては、主成分系相領域50の方がI
r成分の含有量が高いことからIr成分の酸化揮発が進
行しやすい。その結果、図4に示すように、それら相領
域50と51との境界Bが露出している部分では、主成
分系相領域50側をカソード、添加元素系相領域51側
をアノードとする局部電池が形成され、その短絡電流に
よって腐食が進行しやすくなると考えられる。しかしな
がら、上記各相領域50,51の積層方向は放電方向と
ほぼ一致しており、図2において、発火部31,32の
表面のうち、特に消耗しやすい放電面(発火面)31s
ないし32sへの領域境界Bの露出比率は減少する。こ
れにより、例えば図2(c)に示すような方位関係で発
火部31,32を配置した場合よりも、局部電池形成に
よる発火部31,32の腐食が進みにくくなり、粒界腐
食による脱粒等も抑制されてその耐久性が向上すると考
えられる。
【0049】なお、熱間圧延加工により板材300(図
6)中に上記層状組織が形成される理由は、あくまでも
推測の域を出ないが、次のようなことが考えられる。ま
ず、合金原料となるIr、Pt及びRhはいずれも非常
に高融点の貴金属であるから、次のような手法による少
量バッチ生産方式を採用するのが有利であると考えられ
る。すなわち、図8(a)に示すように、耐火性の容器
62に各原料金属60を所期の組成となるように配合
し、誘導加熱コイル(あるいは、レーザービーム、プラ
ズマアークビーム等でもよい)等の熱源63により、原
料配合物を局所溶解させ、同図(b)に示すように、そ
の溶解領域200aを所定の方向に徐々に移動させるこ
とにより全体を溶解させる。なお、均質な合金を得るた
めには、該方式の溶解を複数回繰り返すことが望まし
い。
【0050】ここで、溶解領域200aは、既に凝固済
みの合金部分200bによって指向的に冷却されるた
め、Rhリッチ相及び/又はPtリッチ相が形成される
場合、これら各相は冷却方向に優先析出しやすくなると
考えられる。その結果、得られる合金インゴット200
は、図8(c)に示すように、該Rhリッチ相及び/又
はPtリッチ相の形成比率が高い添加元素系相領域51
が、主成分系相領域50中において、熱源63の移動方
向に長く延びた層状(あるいは柱状)の組織を呈するも
のになると考えられる。
【0051】そして、図9に示すように、これを、添加
元素系相領域51と主成分系相領域50との積層方向が
圧下方向となるように1ないし複数回熱間圧延すると
(温度:例えば約700℃)、インゴット200は厚み
を減じて板材300となる。このとき、添加元素系相領
域51と主成分系相領域50とは、その厚みを減ずる形
でもとの積層構造は維持するものと考えられるから、結
果的に板材300は図6のような層状組織を有するもの
になると推測される。
【0052】なお、合金インゴット200の結晶粒は、
前述の指向性冷却の影響で圧延前の状態では、添加元素
系相領域51と主成分系相領域50とに対応して、長く
引き伸ばされた形状になっていることも考えられる。し
かしながら、これに上述の温度域で熱間圧延を施すと、
いわゆる動的再結晶によって結晶粒が微細化することも
ある。その一方で、上記熱間圧延温度は、合金が単相化
する温度よりはかなり低いため、結晶の微細化とは関係
なく、添加元素系相領域51と主成分系相領域50との
層状構造は少なくとも部分的に維持される可能性が高
い。その結果、図10に示すように、各領域50及び5
1の少なくとも一部のものが、それぞれ多数の結晶粒5
0aないし51aが集合して形成される偏平な集合粒領
域となり、その集合粒領域の単位で互いに積層された組
織が形成されることもありうる。
【0053】なお、図11(a)に示すように、インゴ
ットの状態で添加元素系相領域51と主成分系相領域5
0とが層状形態をなさず、例えば等軸晶に比較的近い組
織を有していた場合でも、熱間圧延により潰れて、同図
(b)に示すような層状組織が形成されることもありう
る。
【0054】一方、別の推測される機構としては、熱間
圧延中あるいは圧延後の冷却過程において、Rhリッチ
相及び/又はPtリッチ相が、圧延応力の影響を受けて
Irリッチ相中に層状形態に析出することも考えられ
る。
【0055】なお、本発明のスパークプラグ100は図
12に示すような構造とすることもできる。すなわち、
中心電極3の先端面にチップを固着して発火部31が形
成される一方、接地電極4は複数設けられ、それぞれ一
端が主体金具1に結合されるとともに、他端側が中心電
極3側に曲げ返されて、その先端面が発火部31の側面
と対向するように配置される。この場合、発火部31
は、偏平形状をなす主成分系相領域50と添加元素系相
領域51とが、中心電極3の軸線方向とほぼ直交する向
きに積層された組織を有するものとされる。これによ
り、放電面となる発火部31の側面における消耗を効果
的に抑制することができる。
【0056】この場合、上記発火部31を構成するチッ
プとして、例えば図7に示すように、主成分系相領域5
0と添加元素系相領域51とが、それぞれ一方向(図1
2の中心電極3の軸線方向)に延伸された棒状ないし繊
維状に形成されたチップを使用するようにしてもよい。
このようなチップ150は、例えば図8に示す方法によ
り製造された前述のインゴット200を、図7に示すよ
うに熱間鍛造(例えば熱間スエージング)等により円柱
状に加工してロッド210とし、これを放電加工等によ
り軸方向に所定の厚さで切断することにより製造するこ
とができる。
【0057】
【実施例】所定量のIrとRh及びPtとを配合・溶解
することにより、Ir−5重量%Rh−5重量%Ptの
組成を有する合金を作製した。この合金に対し、温度7
00℃で熱間圧延を行い、厚さ0.5mmの板材に加工し
た。次いで、上記得られた板材を熱間打抜き加工(温度
700℃以上)することにより、直径0.7mm、厚さ
0.5mmの円板状のチップを得た(実施例)。一方、比
較例として、合金を同じく700℃で熱間スエージング
によりロッド状に加工し、さらに放電加工により、その
軸方向に厚さ5mmに切断して作製した円板状のチップ
も用意した。
【0058】それらチップを用いて図1及び図2(a)
に示すスパークプラグ100の発火部31及び対向する
発火部32を形成するとともに(火花放電ギャップgの
幅1.1mm)、各プラグの性能試験を以下の条件にて行
った。すなわち、6気筒ガソリンエンジン(排気量20
00cc)にそれらプラグを取り付け、スロットル全開状
態、エンジン回転数5000rpmにて累積600時間
まで運転を行ない、各時間毎のプラグの火花放電ギャッ
プgの拡大量を測定した。結果を図13に示す。
【0059】すなわち、比較例のプラグは火花放電ギャ
ップgが著しく拡大しているのに対し、実施例のプラグ
については、火花放電ギャップの増加が小さく耐久性に
優れていることがわかる。
【0060】また、実施例のプラグの発火部31に対し
ては、中心電極の軸線を含む面で切断し、SEM(走査
電子顕微鏡)付属のEPMA(電子プローブ微小分析)
の面分析により、断面のIrとRhの濃度分布を測定し
た。図14(a)は、Ir特性X線の強度分布を示す二
次元マッピングの出力結果(黒い部分ほどIr濃度が高
いことを示す)、同図(b)は、Rh特性X線の強度分
布を示す二次元マッピングの出力結果(黒い部分ほどR
h濃度が高いことを示す)をそれぞれ示している。ま
た、図14において、矢印は中心電極3の軸線方向であ
り、図面上方が放電面側である。
【0061】まず、図14(a)においては、Ir特性
X線の強度分布において、中心電極3の軸線方向に層状
をなす縞状の濃淡のコントラストが現われている。一
方、図14(b)においては、(a)のIr特性X線の
強度が低い領域に対応して、Rh特性X線の強度が高い
領域が現われている。すなわち、発火部31には、Ir
濃度の高い相領域(主成分系相領域)と、Rh濃度の高
い相領域(添加成分系相領域)とが、上記方向に多数積
層された組織を有しているものであることがわかる。な
お、各濃淡領域の特性X線の平均強度レベルから算出し
た主成分系相領域のIr濃度は約92重量%、Rh濃度
は約3.5重量%、Pt濃度は5.5重量%であり、同
じく添加成分系相領域のIr濃度は約88重量%、添加
成分系相領域のRh濃度は約6.5重量%、Pt濃度は
約5.5重量%であった。
【0062】図15(a)は、実施例のプラグの試験終
了後における発火部の外観写真を、また、同図(b)
は、比較例のプラグの試験終了後における発火部の外観
写真を、それぞれ示す。すなわち、実施例のプラグでは
発火部の消耗がそれほど進行していないことがわかる。
これは、消耗しやすい放電面(発火面)への、上記両領
域境界の露出比率が比較的少なく、局部電池形成による
発火部の腐食が進みにくくなったためであると推測され
る。一方、比較例のプラグでは、発火部は図7のチップ
150と同様の組織状態になっていると考えられ、発火
面となるその軸方向端面には上記境界が相当量露出して
いることから、発火部の腐食が急速に進んだのではない
かと推測される。
【0063】以下、参考発明のスパークプラグについて
説明する。なお、この発明の構成は、本発明のスパーク
プラグの構成と組み合わせて実施することもできるし、
本発明の内容とは無関係に単独で実施することもでき
る。
【0064】すなわち、該参考発明のスパークプラグ
は、中心電極と、その中心電極の外側に設けられた絶縁
体と、その絶縁体の外側に設けられた主体金具と、中心
電極と対向するように配置された接地電極と、それら中
心電極と接地電極との少なくとも一方に固着されて火花
放電ギャップを形成する発火部とを備えるとともに、接
地電極には中心電極との対向面から中心電極側に突出し
て突起部が形成され、その突起部の先端面に発火部が形
成されたことを特徴とする。
【0065】接地電極に貴金属チップを固着して発火部
を形成したスパークプラグにおいては、図2(b)に示
すように、接地電極4の中心電極との対向面4cに直接
貴金属チップ32’を重ねるか、あるいは図16に示す
ように、該対向面4cに浅い凹部4dを形成してその凹
部4d内にチップ32’を配置し、その状態で該チップ
32’の外周縁に溶接部Wを形成してこれを接地電極4
に接合した構造を有するものが多い。この溶接部Wは、
接地電極4の金属成分とチップ32’の金属成分とが合
金化することにより概して融点が低下しており、しかも
接地電極4の表面上で発火部32よりも外側に広がって
形成されるため、図17に示すように火花のアタックを
受けやすく、消耗が進行しやすくなっている。そして、
図2あるいは図16に示す構造においては、発火部32
で発生する火花に極く近接して溶接部Wが存在するた
め、例えば高速・高負荷運転時など長時間高温にさらさ
れる条件下においては、発火部32の寿命を十分に確保
できなくなる場合もありうる。
【0066】また、近年、排気ガス規制が高まるにつ
れ、自動車エンジン等もリーンバーン型のものが増えて
おり、希薄な混合気にも確実に着火できるスパークプラ
グが要求されている。この場合、スパークプラグの着火
性を高めるためには、発火部の先端径を小さくすること
が有効である。ここで、例えば図16の構造において
は、チップ32’を凹部4d内に埋設する形となるため
に発火部32は突出高さが小さくなる。その結果、その
先端面4eは溶接部Wとほとんど面一となるか、あるい
は逆に溶接部Wが先端面4eよりも突出した構造となる
ので、中心電極に対向する溶接部Wの表面が実質的に放
電面の一部として機能する形となり、発火部の細径化ひ
いては着火性向上という観点においては不利に作用する
場合がある。
【0067】そこで、上記参考発明のスパークプラグの
構成を採用することにより、このような問題点を一挙に
解決することができる。具体的には、図18及び図19
に示すように、接地電極4の対向面4cから中心電極3
側に突出して突起部4f(例えば円形断面のもの)を形
成し、その突起部4fの先端面に溶接部Wによって貴金
属チップを固着することにより発火部32を形成するよ
うにする。この場合、溶接部Wは、重ね合わされた貴金
属チップ32’と突起部4fとをそれらの外周面におい
て互いに結合するものとして形成できる(なお、図1及
び図2の共通の部分には同一の符号を付して説明は省略
する)。
【0068】これにより、溶接部Wは、接地電極4の対
向面4cから突起部4fの高さに相当する分だけ離間す
るので、溶接ダレ部分等が該対向面4c上で大きく広が
ることが防止ないし抑制され、ひいては溶接部Wが火花
のアタックを受けにくくなって発火部32の耐久性を向
上させることができる。また、図19において発火部3
2の先端面4eの対向面4cからの突出高さH2を十分
大きくできるので、溶接部Wの影響で発火部32の先端
径が増大する問題も生じにくい。その結果、リーンバー
ンエンジン等に使用する場合も、その発火部を容易に細
径化することができ着火性を高めることができる。さら
に、突起部4fに貴金属チップを接合して発火部を形成
するようにしたから、接地電極4からの突出部分の全体
を貴金属チップにより形成するのと比較して、高価な貴
金属の節約になる。
【0069】なお、溶接部Wは、例えばレーザー溶接に
より形成することが、貴金属チップ32’と突起部4f
との接合強度を高める上で望ましい。ただし、貴金属チ
ップ32’と突起部4fとを抵抗溶接により接合するこ
とも可能である。
【0070】次に、対向面4cからの、発火部32の先
端面4eの突出高さH2は、突起部4fの高さと発火部
32の厚みH3との合計として表すことができる。この
場合、発火部32の軸断面径(断面形状が非円形の場合
は、同一面積の円の直径にて代用する)をAとして、該
Aと前述のH2との比A/H2は、2.0以下とすること
が望ましい。A/H2が2.0を超えると溶接部Wが対
向面4c上で広がりやすくなり、火花のアタックを受け
て消耗しやすくなる。A/H2は、より望ましくは1.
5以下とするのがよい。また、H3/H2は0.6〜1.
0の範囲で調整するのがよい。H3/H2が0.6未満に
なると、発火部32が薄くなり過ぎて寿命が早く尽きて
しまう問題がある。一方、1.0を超えると突起部4f
による貴金属部分節約の効果が顕著でなくなる。
【0071】また、中心電極3と接地電極4との対向方
向において、発火部32の先端面4eから、溶接部Wの
先端縁までの距離H1は、0.2mm以上とすることが
望ましい。H1が0.2mm未満になると、溶接部Wと
中心電極3との間で放電しやすくなり、溶接部Wの消耗
が進みやすくなる問題を生ずる。なお、H1は、望まし
くは0.25mm以上とするのがよい。
【0072】例えば図20に示すように、鍛造等により
接地電極4の対向面4cに突起部4fを一体形成してお
き、次いでこれに貴金属チップ32’を重ね合わせ、さ
らにその外周部にレーザー溶接等により溶接部Wを形成
して両者を接合することにより、上記発火部32を形成
することができる。一方、図21に示すように、接地電
極4の対向面4cに、突起形成部材4f’を溶接部W’
(レーザー溶接又は抵抗溶接)により接合してこれを突
起部4fとし、さらにこれに貴金属チップ32’を溶接
部Wにより接合して発火部32を形成するようにしても
よい。この場合、突起形成部材4f’に貴金属チップ3
2’を予め接合・一体化しておいて、その接合物を接地
電極4に接合するようにしてもよい。
【0073】なお、発火部31,32は、貴金属を主体
として接地電極4の構成金属よりも高融点の金属により
構成でき、例えばPt、Ir、W及びReの1種又は2
種以上を主体とする金属により構成できる。例えばIr
合金で構成する場合は、前述の(1)〜(5)のIr合
金のいずれかを使用することが可能である。
【0074】(参考実施例1)以下、上記参考発明の実
施例について説明する。所定量のIrとRh及びPtと
を配合・溶解することにより、Ir−5重量%Rh−5
重量%Ptの組成を有する合金を作製した。この合金に
対し、温度700℃で熱間圧延を行い、厚さ0.6mmの
板材に加工した。次いで、上記得られた板材を熱間打抜
き加工(温度700℃以上)することにより、直径0.
8mm、厚さ0.6mmの円板状の貴金属チップを得た。
【0075】このチップを用いて図20に示す方法によ
り、図18に示すスパークプラグ100の発火部31及
び対向する発火部32を形成した(火花放電ギャップg
の幅1.1mm:参考発明品)。なお、中心電極3と接地
電極4とは、ともにNi合金(インコネル600)によ
り構成した。また、接地電極4の断面形状は、厚さ1.
5mm、幅2.8mmの角状とした。ただし、突起部4
fは、外径1.1mm、高さ0.3mmの円柱状とし、
貴金属チップ32’はレーザー溶接により接合した。な
お、図19における前述のH1の値は0.25mm、H2
の値は0.9mm、H3の値は0.6mmとした。一
方、比較のために、発火部32を図16に示す形態で形
成したものも作製した。ただし、凹部4dの深さは0.
5mm、発火部32の先端面4eの対向面4cからの突
出高さは0.1mmとし、溶接部Wの幅w1は0.5m
mとした。
【0076】上述のように発火部31,32を形成した
スパークプラグの耐久試験を以下の条件にて行った。す
なわち、6気筒ガソリンエンジン(排気量2000cc)
にそれらプラグを取り付け、スロットル全開状態、エン
ジン回転数5000rpmにて累積600時間まで運転
を行ない、各時間毎のプラグの火花放電ギャップgの拡
大量を測定した。結果を図22に示す。すなわち、参考
発明のスパークプラグは、比較例のスパークプラグと比
較して火花放電ギャップの増加が小さく耐久性に優れて
いることがわかる。
【0077】(参考実施例2)参考実施例1と同様の板
材から、外径0.6〜1.5mmの各種貴金属チップを
放電加工により切り出し、これを用いて図18に示すス
パークプラグ100の発火部31及び対向する発火部3
2を形成した(火花放電ギャップgの幅1.1mm)。接
地電極4の断面形状は、厚さ1.5mm、幅2.8mm
の角状とした。ただし、突起部4fは、外径0.8〜
1.7mm、高さ0.05〜2.5mmの円柱状とし、
貴金属チップはレーザー溶接により接合した。なお、得
られた各スパークプラグにおいて前述のA/H2の値
は、0.5〜2.5の範囲で変化させる形とした。
【0078】上述のように発火部31,32を形成した
スパークプラグの着火性試験を以下の条件にて行った。
すなわち、4気筒ガソリンエンジン(排気量1600c
c)にそれらプラグを取り付け、無負荷状態でアイドリ
ングさせるとともに、吸入混合気の空燃比A/Fを10
から30までの範囲で徐々に増加させ、失火回数が10
回/分となる限界A/F値を測定した。なお、失火した
か否かは、排気ガス中の炭化水素(HC)濃度が、定常
時よりも20%以上高くなった時に失火したものと判断
している。この場合、該A/Fが大きいスパークプラグ
ほど、希薄混合気に対する着火性に優れていることを意
味する。以上の結果を、図23に示す。この図におい
て、横軸は限界A/F値を、縦軸はA/H2の値を示
す。また、◎はチップの外径Aが0.6mm、○は同
0.8mm、△は同1.2mm、×は同1.5mmであ
ることを示す。すなわち、チップの外径Aによらず、A
/H2が2以下の範囲で、スパークプラグの限界A/F
値が20以上と高くなっていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパークプラグの一実施例を示す正面
全体断面図。
【図2】その部分断面図及び要部を示す拡大断面図。
【図3】その発火部の合金組織の模式図。
【図4】合金組織の推測される腐食機構の説明図。
【図5】Ir−Rh系二元系状態図。
【図6】発火部形成用のチップの製造方法の一例を示す
説明図。
【図7】同じくその変形例を示す説明図。
【図8】チップの原料合金インゴットの製造方法の一例
を示す工程説明図。
【図9】チップ製造用の合金板材の製造工程説明図。
【図10】発火部の合金組織の一例を拡大して示す模式
図。
【図11】圧延により組織が偏平化する様子を示す模式
図。
【図12】本発明のスパークプラグの変形例を示す正面
図。
【図13】実施例の実験結果を示すグラフ。
【図14】実施例の実験で使用したスパークプラグの発
火部を構成する合金断面に対して行なったEPMA面分
析における、Ir特性X線及びRh特性X線の強度分布
二次元マッピング出力。
【図15】実施例の実験で使用した本発明のスパークプ
ラグの試験後の外観を、比較例のスパークプラグの外観
とともに示す写真。
【図16】接地電極側の発火部の形成形態の別の例を示
す説明図。
【図17】図16の発火部の問題点を説明する説明図。
【図18】参考発明のスパークプラグの一実施例を示す
正面部分断面図。
【図19】その要部を示す拡大断面図。
【図20】参考発明のスパークプラグの製造方法の一例
を示す説明図。
【図21】同じく別の例を示す説明図。
【図22】参考実施例1における実験結果を示すグラ
フ。
【図23】参考実施例2における実験結果を示すグラ
フ。
【符号の説明】
1 主体金具 2 絶縁体 3 中心電極 4 接地電極 31 発火部(チップ) 32 対向する発火部(チップ) g 火花放電ギャップ 50 主成分系相領域 51 添加元素系相領域

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心電極と、その中心電極の外側に設け
    られた絶縁体と、その絶縁体の外側に設けられた主体金
    具と、前記中心電極と対向するように配置された接地電
    極と、それら中心電極と接地電極との少なくとも一方に
    固着されて火花放電ギャップを形成する発火部とを備
    え、 前記発火部が、Ir、Pt及びRhから選ばれる主成分
    元素と、該主成分元素以外の1種又は2種以上の添加元
    素成分とからなる貴金属合金を主体に構成されるととも
    に、該貴金属合金には前記添加元素成分の濃度分布に縞
    状の濃淡を生じており、その濃淡縞の方向が前記発火部
    における電圧印加方向と交差する向きに配置されたこと
    を特徴とするスパークプラグ。
  2. 【請求項2】 前記貴金属合金は、前記主成分元素を主
    体とする主成分系相領域と、前記添加元素成分の含有量
    が主成分系相領域よりも多く、かつ主成分元素の含有量
    が主成分系相領域の97%以下となる添加元素系相領域
    とがそれぞれ偏平形状をなして、前記発火部における電
    圧印加方向に多数層状に積層された組織を有している請
    求項1記載のスパークプラグ。
  3. 【請求項3】 前記接地電極は一端が前記主体金具に結
    合されるとともに、他端側が前記中心電極側に曲げ返さ
    れて、その側面が前記中心電極の先端面と対向するよう
    に配置され、 前記発火部は、前記中心電極の先端面と当該先端面と対
    向する接地電極の側面との少なくともいずれかに形成さ
    れ、偏平形状をなす前記主成分系相領域と前記添加元素
    系相領域とが、前記中心電極の軸線方向に積層された組
    織を有する請求項2記載のスパークプラグ。
  4. 【請求項4】 前記発火部は、前記中心電極の先端面に
    固着され、 前記接地電極は一端が前記主体金具に結合されるととも
    に、他端側が前記中心電極側に曲げ返されて、その先端
    面が前記発火部の側面と対向するように配置され、 前記発火部は、偏平形状をなす前記主成分系相領域と前
    記添加元素系相領域とが、前記中心電極の軸線方向とほ
    ぼ直交する向きに積層された組織を有する請求項2記載
    のスパークプラグ。
  5. 【請求項5】 前記主成分系相領域と前記添加元素系相
    領域とは、それぞれ板状に形成されている請求項2ない
    し4のいずれかに記載のスパークプラグ。
  6. 【請求項6】 前記主成分系相領域と前記添加元素系相
    領域とは、それぞれ一方向に延伸された棒状ないし繊維
    状に形成されている請求項2ないし4のいずれかに記載
    のスパークプラグ。
  7. 【請求項7】 前記添加元素成分は、Rh、Pt、I
    r、Pd、Re、Ru、Nb、Os及びWのうち、前記
    主成分元素とは異なる1種又は2種以上を主体とするも
    のである請求項1ないし6のいずれかに記載のスパーク
    プラグ。
  8. 【請求項8】 前記貴金属合金の前記主成分元素はIr
    であり、前記添加元素成分はRh及び/又はPtを主体
    とするものである請求項7記載のスパークプラグ。
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