JPH11197223A - 芳香剤 - Google Patents

芳香剤

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Publication number
JPH11197223A
JPH11197223A JP10003283A JP328398A JPH11197223A JP H11197223 A JPH11197223 A JP H11197223A JP 10003283 A JP10003283 A JP 10003283A JP 328398 A JP328398 A JP 328398A JP H11197223 A JPH11197223 A JP H11197223A
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JP
Japan
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fragrance
oil
perfume
absorbing polymer
mixture
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP10003283A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimimichi Masui
公道 増井
Masanori Asada
雅宣 浅田
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NAGAOKA JITSUGYO KK
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
NAGAOKA JITSUGYO KK
Sekisui Plastics Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by NAGAOKA JITSUGYO KK, Sekisui Plastics Co Ltd filed Critical NAGAOKA JITSUGYO KK
Priority to JP10003283A priority Critical patent/JPH11197223A/ja
Publication of JPH11197223A publication Critical patent/JPH11197223A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】取り扱いが容易で、かつ成形性に優れていると
ともに、長期間にわたって室内に芳香を発散させること
ができる持続的な芳香効果と、不使用時の保存性とに優
れた新規な芳香剤を提供することである。 【解決手段】油状の香料と、当該香料を吸油する吸油性
高分子と、固形粉末との混合物を成形した芳香剤、また
は基材上に前記混合物の層を設けた芳香剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な芳香剤に関
し、より詳しくは錠剤などの形状に成形され、室温で、
あるいは加温により、芳香を発散する芳香剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、室内に良い香りを漂わせるため
に、種々の芳香剤が使用されている。このような芳香剤
は、下記、に示すように、室温で、あるいは加温し
て、液状の香料を揮発させたり、あるいは固形状の香料
を昇華させたりするものである。 プラスチック、陶器、紙、繊維などの基材や、草花や
木葉などの乾燥物に香料を含浸させて、室温に放置して
香りを漂わせるポプリ式などの、いわゆる室温発散型の
揮発方法。
【0003】パラフィンに香料を混合し、所定形状に
成形したキャンドル式のものや、松脂に香料を練り込
み、所定形状に成形した線香式のものなどを燃焼させ
て、香料を揮発させて香りを漂わせたり、あるいは香料
を皿などの容器に添加し、皿をランプなどを用いて加温
して香料を揮発させる、いわゆる加温発散型の揮発方
法。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
の室温発散型の芳香剤は、芳香が一度に多量に発散され
るため、芳香を長時間にわたって徐々に発散させること
ができず、持続的な芳香効果(香りの徐放性)を発揮す
ることができない。また不使用時においても、香料が徐
々に発散して製品の保存性(寿命)が良好でなく、製品
価値が損なわれるという問題があった。
【0005】一方、前記の加熱発散型の芳香剤の場合
には、香りを発散させるために香料を練り込んだパラフ
ィン等の基材を火を用いて燃焼させることが必要なため
高温となり、香料が一度に多量に揮発されるため持続的
な芳香効果を発揮することができない。しかも使用時に
は火災や火傷などを引き起こさないように十分な注意を
払わなければならない。
【0006】また、火を使用せずにニクロムヒーター、
セラミックヒーターなどを用いた電気式芳香器を使用す
ることが考えられるが、例えばキャンドル式の芳香剤を
使用した場合には、基材として使用するパラフィンが電
気式芳香器の加熱部で溶融して、芳香が一度に多量に発
散されるため良好な実施が望めない。そこで、香料をア
パタイトやシリカ等の無機材料に吸着させたり、あるい
は香料をセルロースなどに含浸させた後、該セルロース
表面をパラフィン被覆して香りの徐放性および不使用時
の保存性の改善が図られている。
【0007】しかしながら、このような構成によって
も、香りの徐放性は不十分である。また室温下で長期間
放置すると、香料が揮発して芳香の効果が低下してしま
うため、ガスバリアー性が高いアルミニウム、ポリエス
テル、ナイロンまたはそれらの複合材(例えばアルミラ
ミネート)などの包装を施して、不使用時における芳香
剤の保存性を高める必要があり、製品のコストアップに
つながる。
【0008】一方、香料をマイクロカプセルやシクロデ
キストリン化合物に内包させて、芳香の持続的な発散効
果の改善を図ることが考えられるが、かかる芳香剤を使
用して芳香を発散させるには、前記電気式芳香器におけ
る加熱部の温度を130℃以上という高温に設定する必
要がある。そこで、特開平3−221582号公報また
は特開平4−15286号公報に開示された吸油性高分
子を徐放性基材として使用し、該吸油性高分子中に香料
を吸収させて使用することが提案される。上記公報開示
の吸油性高分子は、油分を、その分子中の親油基の作用
によって吸油して膨潤することにより保持するものであ
り、従来の、基材の微細な孔に香料を含浸させたもの
や、パラフィンに香料を混合したものに比べて、油状の
香料の吸油性および吸油した香料の保油能に優れてい
る。
【0009】しかも発明者らの検討によると、かかる吸
油性高分子は、前記マイクロカプセルなどに内包した芳
香剤よりも低温の、およそ90℃前後の加温により、良
好な香りの徐放性を発揮するものである。従って、かか
る吸油性高分子を使用することで、含浸された香料の過
剰な発散を防止して、芳香剤における香りの徐放性と、
不使用時の保存性との改善が期待される。
【0010】しかしながら、前記香料を含浸させた吸油
性高分子は、軟質なものであると共に、粘着性を有する
(べたつく)ため任意の形状に成形することが容易でな
く取り扱いが困難であり、また、錠剤、板状等の任意の
形状に成形する加圧成形時に、前記膨潤性吸油剤中に含
浸された香料が滲み出したりする問題が生じ、またもし
任意の形状に成形できたとしても、得られる成形品(芳
香剤)はべたついたり、あるいは破損しやすかったりし
て十分な製品価値(品質保持能)を有しないものであっ
た。
【0011】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、取り扱いが容易で成形性に優れているとと
もに、常温では長期間にわたり保香性を保ち、加温させ
て使用する場合でも長時間にわたって室内に芳香を発散
させることができる持続性のある芳香効果を有し、かつ
アルミラミネート等の包装を必要としない保存性に優れ
た芳香剤を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の芳香剤は、油状の香料と、当該香料を吸油す
る吸油性高分子と、固形粉末との混合物を成形するか、
または、基材上に前記混合物からなる層を設けたことを
特徴とする。かかる本発明の芳香剤は、前記のように油
状の香料の吸油性および吸油した香料の保持能に優れた
吸油性高分子に香料を吸油させているため、香料の保持
能に優れており、不使用時にガスバリアー性が高いアル
ミラミネートなどの包装を使用しなくてもよい。
【0013】また上記吸油性高分子は、前記のようにマ
イクロカプセルなどよりも低温のおよそ90℃前後の加
温により、良好な香りの徐放性を示すため、本発明の芳
香剤は、持続性のある芳香効果を発揮することができ
る。よって本発明の芳香剤は、とくに加温型発散式の芳
香剤として使用する場合においても、電気式芳香器の加
熱部の温度を比較的低温に設定することができるので、
火傷などの可能性が低く安全性に優れている。
【0014】また本発明の芳香剤は、上記香料を吸油し
た吸油性高分子を、固形粉末とともに成形して製造さ
れ、当該固形粉末が、香料を吸油した吸油性高分子のべ
たつきを防止し、かつ前記のように軟質な吸油性高分子
を含む混合物の硬さを調製して、その成形性を向上する
ために寄与するので、錠剤、板状などの任意の形状に成
形することが容易であり、しかも成形された芳香剤は適
度な柔軟性および硬さを有して品質保持能にすぐれ、か
つ使用時にべたついたりせず取り扱い性が良好である。
【0015】よって本発明の芳香剤は、とくに前述した
電気式芳香器に、好適に使用することができる。なお本
発明においては、接着性を有する結合剤を含有させるこ
とにより、成形性をさらに向上することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の芳香剤について
説明する。まず第一の態様の芳香剤について説明する。
かかる芳香剤は、香料を吸油させた吸油性高分子と、固
形粉末とをボールミル、ロールミル、V型混合機などを
用いて混合し、ついで打錠機などによって錠剤形や板状
などの任意の形状に成形することにより得られるもので
ある。
【0017】本発明において使用される香料としては、
例えばペパーミント、プチグレイン、シトロネラ、スペ
アミント、ライム、マンダリンなどの気分をリフレッシ
ュさせる香料、安息香、ゼラニウム、乳香(Olibanum)、
白檀(Sandalwood)、マジョラム、ラベンダー、ラバンデ
ィンなどのリラックスさせる香料、スィートオレンジ、
ジャーマンカモマイル、ローマンカモマイル、リンデン
などの心地よい眠りを誘う香料、フェンネル、カルダモ
ン、クラリーセージ、ブラックペッパー、ジュニパー、
パーチュリー、ヒソップ、メリッサ、没薬(Myrrha)、コ
リアンダー、アンジエリカルート、スターアニス、タラ
ゴン、サッサフラスなどの強壮・活力あふれる気分にさ
せる香料、イランイラン、ビターオレンジ、ジャスミ
ン、ダマクローズ、チャイナローズ、ブチバー、チュベ
ローズ、バイオレットリーフ、アーモンドビター、バニ
ラ、バルサムなどの気分を高めムードづくりに役立つ香
料、バジル、ローズマリー、ローレルなどの集中力向上
に役立つ香料、サイプレス、カンファー、ベルガモッ
ト、ユーカリ、ローズウッド、ニアウリ、シダーリー
フ、シナモンリーフなどのエアーフレッシュ効果を有す
る香料、さらにカラマスルート、オリスルート、グリー
ンハーブ、フローラルなどの香料があげられ、これらの
香料の中から油状のものを適宜選択して使用することが
できる。
【0018】またこれらの香料のほかに、抗菌性を有す
る香料、例えばヒノキチオール、ヒバオイル、月桃オイ
ル、ペニーロイヤル、レモングラス、レモン、スパイス
クラベンダー、ナツメグ、オレガノ、セージ、ジンジャ
ー、セーボリー、タイム、オールスパイス、シダーウッ
ド、シナモンバーク、クローブバッズ、カユブテ、パイ
ン、ティートゥリーなどの中から油状のものを使用する
と、芳香のほかに抗菌性も付与することができ、室内を
清浄に保つことができる。
【0019】上記吸油性高分子に香料を吸油させるに
は、通常、常温で1〜10分程度攪拌することにより容
易に調製される。上記香料を吸油させる吸油性高分子と
しては、前述した特開平3−221582号公報などに
開示された従来公知の吸油性高分子、すなわち、炭素数
が10〜16の1価脂肪族アルコールの(メタ)アクリ
レートを主成分としてなる分子中に1個の重合性不飽和
基を有する単量体(A)と、少なくとも分子中に少なく
とも2個の重合性不飽和基を有する架橋性単量体(B)
とからなる単量体成分を重合して得られる架橋重合体が
あげられる。具体的には、日本触媒社製の商品名「オレ
オソーブ PW−190」や「オレオソーブ PW−1
70」が例示される。
【0020】上記吸油性高分子(A)と香料(B)との
配合割合は、使用する香料の種類によって異なるが、重
量比で(A):(B)=1:0.05〜10、好ましく
は1:0.1〜3であるのがよい。香料の含有量が上記
範囲を超えた場合には、香料を吸油した吸油性高分子が
べたつくため、芳香剤の取り扱い性が低下する。
【0021】また本発明では、上記吸油性高分子に加え
て、金属石鹸類、12−ヒドロキシチアリン酸、ベンジ
リデンソルビトールなどの従来公知の吸油剤を併用して
もよい。上記固形粉末のうち、無機粉末としては、例え
ばケイ酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、パーラ
イト、ケイソウ土、二酸化ケイ素、炭酸カルシウムなど
があげられる。一方、有機粉末としては、例えばポリウ
レタン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の従来公知の
樹脂、紙粉、木粉、もみがら、わら、パルプ、ピートモ
ス、綿などがあげられる。
【0022】中でも、木粉、多孔性ケイ酸カルシウム、
シリカ、パーライト、クレー、炭酸カルシウム等の粉末
自体に香料保持機能を有するものが好ましく、かかる粉
末材料を使用することにより、吸油性高分子から滲み出
た香料が吸油されるので、より持続性のある芳香効果と
不使用時の保存性とに優れたべたつきのない芳香剤を得
ることができる。
【0023】上記香料吸油した吸油性高分子(A+B)
と固形粉末(C)との配合割合は、通常重量比で(A+
B):(C)=1:0.7〜20、好ましくは1:1〜
5であるのがよい。固形粉末の配合量が上記範囲を超え
た場合には、香料の発散が低下してしまう。一方、固形
粉末の配合量が上記範囲未満の場合には、成形時に適度
な硬さおよび柔軟性が得られず、芳香剤の成形性が低下
する問題が生じる。また加圧成形時において香料が滲み
出すおそれがある。
【0024】本発明では、芳香剤の成形性および取り扱
い性の向上を図るには、上記香料を吸油させた吸油性高
分子と、固形粉末との攪拌時間は、1〜15分程度行う
のが適当である。上記打錠機を用いて成形する場合のプ
レス加工条件としては、通常100〜2000kg/
錠、好ましくは500〜1000kg/錠の範囲に設定
されていればよい。かかる範囲のプレス加工条件を採択
することで、適度な硬さを有する芳香剤を製造すること
ができる。
【0025】プレス加工条件が上記範囲未満である場合
には、得られる成形品はもろく壊れやすいため、良好な
成形性を付与することができない。一方、プレス加工条
件が上記範囲を超えた場合には、成形品からの香料が発
散しにくく、芳香剤としての機能が低下する。斯くして
得られた本発明の芳香剤は、持続性のある芳香効果を有
するものであるから、従来の芳香剤のようにパラフィン
などの基材やマイクロカプセルなどで被覆する必要がな
く、加温型発散式の芳香剤として使用する場合において
も、電気式芳香器の加熱部の温度を40〜120℃、好
ましくは50〜90℃という比較的低温に設定して実施
することができる。
【0026】よって、前記加温型発散式の芳香剤として
使用しても、香料を徐々に発散することができ、かつ電
気式芳香器の加熱部の温度が低温のため芳香剤の焦げつ
きなどを防止することができる。また本発明では、医薬
製剤を作製する際に慣用の添加剤である結合剤や、ある
いは接着性を有する樹脂などを、結合剤として用いるこ
とにより、香料を吸油した吸油性高分子と固形粉末との
結合性を高めて、上記芳香剤の成形性をより一層良好に
することができる。
【0027】すなわち、上記結合剤を混合した場合にお
いて、採択されるプレス加工条件としては、通常1〜2
00kg/錠、好ましくは5〜100kg/錠であるの
がよい。かかる範囲のプレス加工条件を採択すること
で、適度な硬さを有する芳香剤を製造することができ
る。かかる結合剤としては、例えばカルボキシメチルセ
ルロース(CMC)、メチルセルロース、リン酸カリウ
ム、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)
などがあげられ、これらの結合剤はそのまま、または適
当な溶剤、とくに水に溶解または分散して使用される。
【0028】その際、芳香剤(A+B+C)と結合剤
(D)との配合割合は、得られる芳香剤の成形性および
生産性などを考慮すると、通常、重量比で(A+B+
C):(D)=10:0.01〜0.75、好ましくは
10:0.15〜0.5であるのがよい。なお、結合剤
を溶剤に溶解させて使用する場合には、結合剤自体の重
量が上記範囲になるように配合すればよい。また、結合
剤としてポリビニルアルコールの水溶液を使用する場合
には、成形性を高めるために適量のホウ酸を混合して使
用すればよい。
【0029】本発明では、上記結合剤を芳香剤中に均一
に分散させるには、香料を吸油させた吸油性高分子(A
+B)と、固形粉末(C)との攪拌の際に当該結合剤を
添加すればよい。次に第二の態様の芳香剤について説明
する。さらに本発明では、基材上に、油状の香料と、当
該香料を吸油する吸油性高分子と、固形粉末との混合物
の層(芳香層)を設けた芳香剤を使用することができ
る。
【0030】かかる芳香剤を作製するには、例えば成形
前の芳香剤と上記結合剤とをあらかじめ混合して、接着
性のある混合物を作製し、この混合物を基材上に塗布
し、乾燥させればよい。上記基材としては、電気式芳香
器の加熱部の温度に応じて適宜選択されるが、通気性が
良く芳香が効率良く発散できると共に、安価で、かつ入
手容易な、ケイソウ土、紙、綿が好適に使用される。
【0031】またかかる芳香剤は、例えば上述した結合
剤の水溶液を塗布した基材上に、所定の形状(例えば板
状)に成形された芳香剤(結合剤は含有されていなくて
もよい)を固着させ、作製してもよい。なお上記芳香層
を有する芳香剤は、必ずしも芳香層と基材とからなる二
層構造である必要はなく、使用目的、使用用途、使用環
境などに応じて適宜調節して、2層以上の複層構造を有
するものとしてもよい。例えば基材、芳香層、基材の順
に積層した芳香剤を使用した場合には、製品の保存性お
よび強度を高めることができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明する。 実施例1 室温下、香料:天然100%ローズオイル(長岡実業
(株)製)10gと、吸油性高分子「オレオソーブ P
W−170」(前出)5gとを5分間攪拌して、香料を
吸油性高分子に吸油させた。ついで、香料を吸油させた
前記吸油性高分子に、固形粉末として木粉5gおよび炭
酸カルシウム粉末15gを加え、攪拌して均一に分散さ
せた後、さらに、カルボキシメチルセルロース(CM
C)をあらかじめ温水に溶解して調製した5%のCMC
水溶液20gを攪拌しながら滴下して、混合物を得た。
【0033】得られた混合物を造粒して粉末を得、この
粉末を一定量(1g)ずつ打錠機(プレス加工条件:2
0kg/錠)を用いてプレス加工し、直径20mm、厚
さ2.0mmの錠剤を得た。 実施例2 固形粉末として木粉を20g、結合剤として5%CMC
水溶液10gを使用した以外は実施例1と同様にして、
錠剤を得た。 実施例3 香料として100%天然オレンジ油を同量使用し、吸油
性高分子として「オレオソーブ PW−170」3gと
「オレオソーブ PW−190」3gとの混合物を使用
し、固形粉末として木粉2g、ケイソウ土15g、ニ酸
化ケイ素3g、ステアリン酸1gおよびタルク1gを使
用し、結合剤(5%CMC水溶液)を使用せず、打錠機
のプレス加工条件を1000kg/錠と設定した以外は
実施例1と同様にして、錠剤を得た。 実施例4 香料として100%天然ハッカ油10gを使用し、この
香料に、吸油性高分子「オレオソーブ PW−170」
2gおよび多孔性ケイ酸カルシウム粉末(徳山曹達
(株)製の商品名「フローライト」)3gを加え、5分
間攪拌して香料を吸油させた。ついで、香料を吸油させ
た前記吸油性高分子に、炭酸カルシウム粉末20gを加
え、攪拌して均一に分散させた後、ポリビニルアルコー
ル(PVA)10%水溶液5gを攪拌しながら滴下し
て、混合物を得た。さらに、この混合物にホウ酸の微粉
末0.05gを攪拌しながら添加して、均一な粉末とし
た。
【0034】この粉末を一定量(1g)ずつ打錠機(プ
レス加工条件:50kg/錠)を用いてプレス加工し、
直径20mm、厚さ2.0mmの錠剤を得た。 比較例1 吸油性高分子として「PW−170」3g、結合剤とし
て5%CMC水溶液3gを使用し、固形粉末を使用しな
かった以外は実施例1と同様にして、錠剤を得た。
【0035】得られた上記実施例1〜4および比較例1
の錠剤について、錠剤の成形性および香料の滲み出しを
下記の基準にて評価した。それらの結果を下記表1に示
す。なお、表1中の(結合剤)の配合量は、結合剤の水
溶液(5%CMC水溶液または10%PVA水溶液)中
に含まれる結合剤(CMCまたはPVA)自体の重量を
示す。
【0036】(成形性) ○・・・・得られた成形品は適度な柔軟性および硬さを
有し、割れにくい。 ×・・・・得られた成形品はやわらかく、形状が保てな
い。 (香料の滲み出し) ○・・・・手に香料が付着せず、取り扱いが良好であ
る。 ×・・・・手に香料が付着し、取り扱いが困難である。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、実施例1〜4の
錠剤は、比較例1の錠剤に比べて成形性が良好で品質保
持能が高く、かつ成形品からの香料の滲み出しが認めら
れず、取り扱い性に優れていることがわかる。 実施例5 (成分) (配合量) 香料(天然ローズ油) 9.0g 吸油性高分子「PW−170」 3.0g シリカ粉末 15.0g 結合剤(CMC) 1.5g 28.5g 比較例2 (成分) (配合量) 香料(天然ローズ油) 5.0g 吸油性高分子 1.0g 結合剤(CMC) 0.1g 6.1g 比較例3 (成分) (配合量) 香料(天然ローズ油) 6.00g シリカ粉末 12.00g 結合剤(CMC) 1.25g 19.25g 比較例4 (成分) (配合量) 香料(天然ローズ油) 1.50g 紙粉 2.50g 結合剤(CMC) 0.25g 4.25g 上記配合量からなる各成分を用いた以外は実施例1と同
様にして錠剤を作製した。なお結合剤(CMC)の配合
量は、結合剤の水溶液(5%CMC水溶液)中に含まれ
る結合剤(CMC)自体の重量を示す。
【0039】得られた実施例5および比較例2〜4の各
錠剤について、錠剤の成形性および香料の滲み出しを評
価したところ、実施例5は成形性が良好で、かつ手に香
料が付着せず、取り扱い性に優れていた。また比較例2
は、得られた成形物は軟らかく、また成形物表面に滲み
出た香料によってべたつき、香料が手に付着した。
【0040】比較例3は、成形性は良好であるが、成形
物表面に香料が滲み出た。比較例4は、成形性は良好で
あるが、錠剤としての硬度が得られず変形した。また香
料の滲み出しが比較例3よりも多かった。次に、香料発
散の測定試料として、上記実施例5および比較例2〜4
の成形品を使用し、これらの測定試料について室温下で
1週間、2週間、1ヶ月間および3ヶ月間放置した後の
香料の発散率(%)をそれぞれ下記式により計算した。
その結果を表2に示す。
【0041】
【数1】
【0042】
【表2】
【0043】表2から明らかなように、実施例5は、比
較例2〜4に比べて長期間にわたって香料の発散が少な
く、高い保存性を有することがわかる。 実施例6 (成分) (配合量) 香料(ラベンダー油) 30重量部 吸油性高分子「PW−170」 15重量部 ケイソウ土 55重量部 結合剤(CMC) 3重量部 実施例7 (成分) (配合量) 香料(ラベンダー油) 30重量部 吸油性高分子「PW−170」 15重量部 炭酸カルシウム 55重量部 結合剤(CMC) 3重量部 比較例5 (成分) (配合量) 香料(ラベンダー油) 30重量部 ケイソウ土 70重量部 結合剤(CMC) 3重量部 比較例6 (成分) (配合量) 香料(ラベンダー油) 30重量部 炭酸カルシウム 70重量部 結合剤(CMC) 3重量部 上記配合量からなる各成分を混合して混合物を得、これ
を基材:厚み2mmの板紙に厚みが2mm程度になるよ
うに塗布した後、室温中で自然乾燥して水分をほぼ除去
し、芳香層を有する試料(実施例6、7および比較例
5、6)を作製した。なお結合剤(CMC)は、5%C
MC水溶液を使用した。
【0044】次に、上記各試料から直径約30mmに切
り取った試験片をそれぞれ作製し、これらの試験片につ
いて加熱部を90℃に設定した電気式芳香器を用いて、
2時間後および4時間後の香料の発散率(%)をそれぞ
れ下記式により計算した。その結果を表3に示す。
【0045】
【数2】
【0046】
【表3】
【0047】表3から明らかなように、実施例6および
7は、比較例5および6に比べて使用温度にかかわらず
香料の発散が少なく、香りの徐放性に優れていることが
わかる。
【0048】
【発明の効果】本発明の芳香剤は、取り扱いが容易で、
かつ成形性に優れていることから良好な品質保持能を有
すると共に、長時間にわたって室内に芳香を発散させる
ことができる持続性のある芳香効果を有し、かつアルミ
ネート等の包装などを必要としない保存性が高いもので
ある。
【0049】よって、例えば電気式芳香器などに使用さ
れる、交換可能な芳香剤として好適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油状の香料と、当該香料を吸油する吸油性
    高分子と、固形粉末との混合物を成形したことを特徴と
    する芳香剤。
  2. 【請求項2】あらかじめ油状の香料を吸油させた吸油性
    高分子に固形粉末を混合した混合物を、成形したことを
    特徴とする請求項1記載の芳香剤。
  3. 【請求項3】混合物が結合剤を含有している請求項1記
    載の芳香剤。
  4. 【請求項4】基材上に、油状の香料と、当該香料を吸油
    する吸油性高分子と、固形粉末との混合物の層を設けた
    ことを特徴とする芳香剤。
JP10003283A 1998-01-09 1998-01-09 芳香剤 Withdrawn JPH11197223A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000053881A (ko) * 2000-05-03 2000-09-05 전병주 허브식물 모양 향
KR100365445B1 (ko) * 2000-02-28 2002-12-18 주식회사 네이쳐프러스 향 발산장치
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CN107557164A (zh) * 2017-10-10 2018-01-09 广东长利香精香料有限公司 一种香茅甜橙精油
KR20190074125A (ko) * 2017-12-19 2019-06-27 한국과학기술연구원 향오일 에멀젼 입자 조성물 및 그 제조방법

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