JPH11193762A - 電磁式燃料噴射弁装置およびその製造方法 - Google Patents

電磁式燃料噴射弁装置およびその製造方法

Info

Publication number
JPH11193762A
JPH11193762A JP35996797A JP35996797A JPH11193762A JP H11193762 A JPH11193762 A JP H11193762A JP 35996797 A JP35996797 A JP 35996797A JP 35996797 A JP35996797 A JP 35996797A JP H11193762 A JPH11193762 A JP H11193762A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electromagnetic
fuel injection
electromagnetic core
movable
welded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35996797A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Urashiro
慶一 浦城
Kazuyoshi Terakado
一佳 寺門
Shin Onose
伸 小野瀬
Mizuho Yokoyama
瑞穂 横山
Yoshiyuki Tanabe
好之 田辺
Toru Ishikawa
石川  亨
Kazuo Kojima
和夫 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP35996797A priority Critical patent/JPH11193762A/ja
Publication of JPH11193762A publication Critical patent/JPH11193762A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料噴射弁装置における電磁式可動弁の強度耐
久性を向上させる。 【解決手段】可動弁を素材組成の異なる電磁コアおよび
可動ニードル部で形成し、該両部材を溶接接合してなる
電磁式燃料噴射弁装置において、前記可動弁は可動ニー
ドル部と電磁コア端面部を突き合わせ、該突き合わせ面
を局所的に溶融凝固させた溶接継手構造体からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁式燃料噴射弁
装置およびその製造方法に係り、特に、内燃機関用筒内
直接燃料噴射方式の燃料噴射弁として好適な電磁式燃料
噴射弁装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用電磁式燃料噴射弁装置と
しては、その可動弁として例えば特開平1ー31016
5号公報に記載のように、磁性材料のみで構成された一
体型の可動弁が知られている。また近年は電磁応答特性
の向上のために、磁性材料からなる電磁コアと非磁性材
料からなる可動ニードルを溶接した継手構造体が用いら
れてきている。この継手構造として、シーム溶接構造あ
るいはスミ肉溶接継手構造が主であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
筒内直接燃料噴射方式が開発されてきている。筒内直接
燃料噴射方式においては供給される燃料圧が高く弁の吸
引力が高いため、燃料噴射弁の開閉時に可動弁に加わる
衝撃力が大きい。そのため、上記方式における可動弁
は、高い強度耐久性を有する構造が必要とされる。しか
しながら従来の継手構造を有する可動弁では付与される
繰り返し加重が高い場合に耐久性が不足するという問題
があった。これは、従来の継手構造では、開弁および閉
弁の両者に対して継手部の破壊を誘引するせん断力が生
じることに起因するものである。
【0004】また、継手部の強度を高くするため加重付
与方向に対して垂直な断面積を大きくする必要がある
が、従来の継手構造では電磁コアを貫通して可動ニード
ル部を溶融させるのに必要な入熱量を大きく取らざるを
得ないため、溶接部の割れ感受性が高くなり、疲労亀裂
が進展しやすくなる。さらに、従来の継手構造では電磁
コアを貫通して可動ニードル部を溶融させるため、電磁
コア部の溶融する割合が高くならざるをえないが、特に
電磁応答特性の高い組成の電磁コアを用いた場合、電磁
コア部の溶融する割合が大きくなると、溶接部の割れ感
受性が高くなり、疲労亀裂が進展しやすくなる。
【0005】本発明の目的は、電磁コアと可動ニードル
接合強度を高め、耐久性の優れた可動べを備えた電磁式
燃料噴射弁装置とその製造方法を提供するに有る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、可動弁を素材
組成の異なる電磁コアおよび可動ニードル部で形成し、
該両部材を溶接接合してなる電磁式燃料噴射弁装置にお
いて、前記可動弁は電磁コア端面部と可動ニードル部と
が突き合わせ溶接されていることを特徴とする電磁式燃
料噴射弁装置により達成される。
【0007】本発明の可動弁の好ましくは、可動ニード
ル部に鍔部を有し、該鍔部および電磁コア端面部の突き
合わせ面を局所的に溶融凝固させた溶接継手構造体から
なり、かつ溶接溶込み深さを前記突き合わせ面の長さよ
り大きな溶融部としてある。
【0008】本発明の可動弁の好ましくは、溶接部にお
ける可動ニードル部の溶融量の占める割合が40%以上
80%以下である。
【0009】本発明は、可動弁を素材組成の異なる電磁
コアおよび可動ニードル部で形成し、該両部材を溶接接
合してなる電磁式燃料噴射弁装置において、前記可動弁
は外面を局部的に研削して電磁コアと非接触の面を有す
る可動ニードル部と、該可動ニードル部との接触面の一
部が溶接された電磁コアとから構成され、かつ溶融凝固
部が溶接前の円周方向における接触部と非接触空間との
境界より非接触空間側に広がって形成されていることを
特徴とする電磁式燃料噴射弁装置により達成される。
【0010】本発明は、可動弁を素材組成の異なる電磁
コアおよび可動ニードル部で形成し、該両部材を溶接接
合してなる電磁式燃料噴射弁装置において、前記可動弁
は外面を局部的に研削して電磁コアと非接触の面を有す
る可動ニードル部と、該可動ニードル部との接触面の一
部が溶接された電磁コアとから構成され、かつ溶接部は
スポット状の溶融部が局部的に重なった状態で形成さ
れ、かつ溶接前の円周方向における接触部と非接触空間
との境界あるいは非接触空間側から接触部に向かってス
ポットが重なって形成されていることを特徴とする電磁
式燃料噴射弁装置により達成される。
【0011】本発明の可動弁の好ましくは、可動ニード
ル部と電磁コアの溶接継手部を除いた接触面が弾性変形
あるいは塑性変形によって少なくとも一部に圧縮応力が
付与されている。
【0012】本発明の可動弁の好ましくは、可動ニード
ル部と電磁コアの溶接継手部を除いた接触面の少なくと
も一部が塑性変形され、可動ニードル部の接触面外形に
電磁コアの接触面内径よりも大きな領域が形成されてい
る。
【0013】本発明は、電磁式燃料噴射弁装置における
可動弁の製造方法において、可動ニードル部と電磁コア
を少なくとも一部突き合わせ、突き合わせ部にYAGレ
ーザ光を照射して突き合わせ面より長い距離を溶接する
ことを特徴とする電磁式燃料噴射弁装置の製造方法によ
り達成される。
【0014】本発明の好ましくは、可動弁の突き合わせ
部に2個のYAGレーザ光を対角方向から同時に照射し
て溶接する。
【0015】本発明の好ましくは、可動ニードル部と電
磁コアの少なくとも一部を突き合わせ、該突き合わせ面
に圧縮荷重を付与しながら突き合わせ部にYAGレーザ
光を照射して溶接する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図6を用いて本発明
の実施形態に係る自動車用電磁式燃料噴射弁装置を説明
する。
【0017】図1は、本発明の実施形態に係る自動車用
電磁式燃料噴射弁の全体構成を示す縦断面図である。
【0018】図において、コア1はヨーク2の中に挿入
され、コア1とヨーク2はヨークの上端部において結合
されている。コア1とヨーク2の空間にはコイルボビン
3が挿入されている。コイルボビン3の中には予めコイ
ル4が保持されている。コア1とヨーク2の間にはOリ
ング5が固定されている。コイル4から引き出されたリ
ード線は、コア1の外周にモールド形成されるコネクタ
6を介して外部と通電可能となっている。ヨーク2の先
端にはノズル7が固定されている。ノズル7とヨーク2
の間にはストッパー8が挟みこまれている。
【0019】可動弁9は、ヨーク2の内部に配置されて
いる。可動弁9は電磁コア10と可動ニードル部11が
溶接された継手構造体となっている。この継手構造につ
いては、後に詳細に説明する。可動ニードル部11の先
端にはバルブシート12が溶接あるいは一体的に形成さ
れている。
【0020】可動弁9は、その軸方向(図中の上下方
向)に移動可能である。可動弁9のバルブシート12
は、ノズル7の内側に形成されたシート部13にスプリ
ング14によって押圧されている。スプリング14の上
端はアジャスタ15によって固定指示されている。
【0021】磁気回路は、コア、ヨークおよび可動弁の
電磁コア部によって構成されている。コイルに通電する
ことにより、可動弁9のバルブシート12はノズル7の
シート部13から離れる。ノズル7の先端にはオリフィ
ス16が形成されており、このオリフィス16から燃料
が噴射される。可動弁9の可動ニードル部11にはショ
ルダー部17が形成されている。可動弁9のショルダー
部17がストッパー8に係合することにより、可動弁9
の上方への移動が阻止される。すなわち、ストッパー8
によって可動弁9の移動ストロークが規制されている。
【0022】燃料の通路は次のように形成されている。
燃料は、コア1の上方の開口部から流入し、パイプ状の
アジャスタ15の内部、スプリング14を通って、可動
弁9の内部の空間に流入する。可動弁9は可動ニードル
部11の側面に複数の開口部が形成されている。燃料
は、可動部内部の空間から上記開口部を経由して、ある
いは、可動ニードル部11と電磁コア10の溶接領域以
外の非接触空間を経由して、ノズル7の内部に形成され
た空間に流入する。ノズル7の内部の底部には、スワラ
ー18が形成されている。スワラー18には複数のスワ
ラー溝が形成されている。スワラー溝は、ノズル7の内
部の空間からノズル7のシート部13まで通じている。
従って、ノズル7の内部の空間に流入した燃料は、スワ
ラー18のスワラー溝を経由して、ノズルのシート部1
3に流入し、ノズルのオリフィス16から噴射される。
スワラー溝は通過する燃料に対して旋回運動を与え、ノ
ズルのオリフィス16から噴射される燃料は、旋回流と
なっている。
【0023】ここで、上述の可動弁における電磁コアと
可動ニードル部の溶接継手構造について、図1を用いて
説明する。
【0024】図2は可動弁9の電磁コア10と可動ニー
ドル部11の溶接継手構造の断面図である。本発明で
は、電磁コアの素材としてフェライト系鉄基合金、可動
ニードル部の素材としてマルテンサイト系ステンレス鋼
を用いているが、これに限定される物でなく必要に応じ
て任意の組み合わせが考えられる。図に示すように、溶
接前は、可動ニードル部11の差込部22が電磁コア1
0に差し込まれ、可動ニードル部の鍔部19と電磁コア
10の端面が突き合わせられた構造となっている。
【0025】この突き合わせ部の表面に熱エネルギー源
を投入することによって、鍔部19および電磁コア10
端部が局所的に溶融凝固し、可動弁9の電磁コア10と
可動ニードル部11は突き合わせ溶接継手構造となる。
なお、上記実施形態ではニードル部に鍔部を設けた物を
主に説明したが、胴体を段付き構造にして、鍔なしで直
接突き合わせても発明の本質は変わらない。
【0026】上記の投入する熱エネルギー源としては、
溶接部20の歪みあるいは残留応力の低減あるいは溶接
熱影響部での割れ感受性の低減のために、極小スポット
にエネルギーが集中する熱源であることが望ましい。本
発明では一実施例として、YAGレーザ光を照射して溶
接した。他に例えば電子ビーム、TIGアーク、プラズ
マアーク等の熱エネルギー源であっても投入するエネル
ギーを十分集中し、かつ入熱量を低減することによっ
て、溶接することは可能である。
【0027】図2の可動弁は、弁の開閉(図の上下方
向)に伴いスワラあるいはストッパに当たって繰り返し
衝撃力が加わった時、突き合わせ継手部に垂直に加重が
加わることになり、溶接部20には引張りおよび圧縮加
重が加わる。この場合、溶接部の破壊強度は、せん断加
重が加わる従来のスミ肉溶接継手の2倍強と高い。従っ
て、本発明による突き合わせ溶接継手構造を有する可動
弁は、疲労破壊に対する寿命が長くなり、耐久性に優れ
た燃料噴射弁装置となる。
【0028】次に本発明の一実施例として、上記可動弁
溶接部の希釈率が制御された燃料噴射弁装置について、
以下に説明する。
【0029】図3は本発明の突き合わせ溶接継手を有す
る可動弁において、図中に定義する溶接部の希釈率Pと
溶接部の組織健全性との関係を示したものである。同図
に示されるように、希釈率が40〜80%の範囲におい
て、開先残りあるいは溶接割れのない良好な溶接組織を
形成することが可能である。突き合わせ溶接において溶
接位置を縦方向に変化させた場合、同図より、溶接位置
が可動ニードル部側によりすぎる(希釈率80%以上)
と開先残りが生じやすく、また溶接位置が電磁コア側に
よりすぎる(希釈率40%以下)と溶接割れが発生しや
すい。開先残りあるいは溶接割れの両者とも強度低下を
誘引する因子であり、従って、溶接部の組織が健全な可
動弁を製作するには、溶接部の希釈率が上記の範囲内と
なるよう溶接位置を設定することが望ましい。
【0030】ここで、本発明による可動弁の溶接は突き
合わせ部が必ずしも全周である必要はない。以下その実
施例を説明する。
【0031】図4は鍔部19および差し込み部22の外
面を局所的に研削して燃料通路を確保した可動ニードル
部11を電磁コア10に差し込んだ構造体の突き合わせ
面近傍の横断面図である。
【0032】図4に示すように溶接部20が溶接前の円
周方向における接触部23と非接触空間24との境界2
5より非接触空間側に広がって形成される溶接継手構造
体とすることにより、上記境界での開先残りのない強度
に優れた可動弁となり、燃料噴射特性および疲労耐久性
の両者に優れた燃料噴射弁装置となる。
【0033】図5は、溶接部がスポット状の溶融部が局
部的に重なった状態で形成され、かつ溶接前の円周方向
における接触部と非接触空間との境界あるいは非接触空
間側から接触部に向かってスポットが重なって形成され
た溶接部の一部を輪切り方向断面で示した模式図であ
る。
【0034】図5で述べた構造体において、スポット状
の溶融部が局部的に重なった状態で形成される構造体に
おいては、溶接前の円周方向における接触部23と非接
触空間24との境界25あるいは非接触空間側から接触
部に向かってスポット状の溶融部26が重なって形成す
ることにより、隣接スポット形成の熱影響で一つ前のス
ポットの溶融部の硬さが低下する。このため亀裂進展の
開始位置となる接触部と非接触空間との境界近傍におけ
る溶接部の靱性が増して、上記構造体の疲労強度がさら
に優れた可動弁となり、疲労耐久性のさらに優れた燃料
噴射弁装置となる。
【0035】なお、本発明による、可動ニードル部と電
磁コアの溶接継手部以外の接触面は弾性変形あるいは塑
性変形によって少なくとも一部に圧縮応力が付与されて
いることが望ましい。
【0036】即ち、差込部22の外形が電磁コア10の
内径よりも大きい可動ニードル部11を電磁コア10に
圧入した後、突き合わせ溶接継手とする事により可能と
なる。これによって、可動ニードル部11と電磁コア1
0が溶接部20以外でも固定されているため、また圧入
面である縦方向の接触面27が弾性変形あるいは塑性変
形によって少なくとも一部に圧縮応力が付与されている
ため、可動弁に縦方向以外の横荷重が加わった場合でも
溶接部20に加わる横荷重の負担は小さくなる。また、
弁の開閉に伴う縦荷重においても上記接触面27の摩擦
抵抗によって、溶接部に加わる荷重の負担が小さくな
る。
【0037】以上の作用により、上記構造体の疲労強度
がさらに優れた可動弁となり、疲労耐久性のさらに優れ
た燃料噴射弁装置となる。
【0038】図6は可動ニードル部を電磁コアに圧入し
た後、差込部底部を塑性変形させて差込部の接触面の外
形が電磁コアの接触面内径よりも大きな領域を形成した
後、実施の形態1〜5にて述べた突き合わせ溶接継手を
形成した可動弁の断面模式図である。
【0039】差込面である縦方向の接触面の少なくとも
一部が塑性変形されて、可動ニードル部11と電磁コア
10が溶接部20以外でも固定されているため、可動弁
に縦方向以外の横荷重が加わった場合でも溶接部20に
加わる横荷重の負担は小さくなる。また、弁の開閉に伴
う縦荷重においても上記塑性変形部28の摩擦抵抗によ
って、溶接部20に加わる荷重の負担が小さくなる。こ
の場合、圧入による接触面の圧縮残留応力付与と併用す
るとさらに効果的である。
【0040】次に本発明による、可動弁の突き合わせ部
にYAGレーザ光を照射して溶接する燃料噴射弁装置の
製造方法の一実施例を、以下に説明する。
【0041】図7は、上記可動弁にYAGレーザ光を照
射して溶接する施工を示す模式図である。可動ニードル
部11を差し込まれた電磁コア11は、回転治具29に
チャックされている。発振装置30より発振されたYA
Gレーザ光35は、光ファイバ32によって伝送され、
出射ヘッド36に具備されている集光レンズ34によっ
て集光されて照射部位にエネルギーが集中されて照射さ
れる。
【0042】突き合わせ部におけるYAGレーザ光の照
射出力およびエネルギーは、前述の溶込み深さを満たす
ように調整されるのが好ましい。また、 YAGレーザ
光の照射角度および照射位置は、前述の希釈率を満たす
ように、以下の範囲に設定されるのが好ましい。
【0043】照射角度:−5〜+25° 照射位置:−0.2〜+0.3mm レーザ出射ヘッド36にはCCDカメラ37が具備され
ており、レーザ照射位置および溶接状態がモニター39
により観察される。
【0044】回転治具は、YAGレーザ光の照射のタイ
ミングに連動して回転する。
【0045】図8は、連続ビームのYAGレーザ光を照
射して溶接する場合の治具の回転手順を輪切り断面で示
した模式図である。図中の矢印は溶接方向を示してお
り、矢印につけた丸数字は溶接施工の順番を示してい
る。図8は最も単純な方式であり、2カ所の溶接対象部
を順に1方向に運動させた場合である。また、溶接部の
硬さが最も硬くなる溶接最終部が接触面中央近傍にくる
ように突き合わせ境界の4ヶ所の境界部の外側から中央
に向かって溶接してもよい。
【0046】また、可動弁の突き合わせ部に2個のYA
Gレーザ光を対角方向から同時に照射して溶接しても良
い。
【0047】この場合、設置された2個の出射ヘッドよ
り照射されるYAGレーザ光の突き合わせ部への照射角
度および照射位置および照射エネルギーは同一となるよ
うに調整される。
【0048】2カ所の溶接対象部を順に1方向に運動さ
せる場合と、前述した溶接部の硬さが最も硬くなる溶接
最終部が接触面中央近傍にくるようにした場合がある
が、どちらの場合も、対角の2ヶ所を同時に溶接するの
で、溶接施工手順は半減される。
【0049】次に本発明による、可動ニードル部と電磁
コアを少なくとも一部突き合わせ、突き合わせ面に圧縮
加重を付与しながら突き合わせ継手部にYAGレーザ光
を照射して溶接する燃料噴射弁装置の製造方法の一実施
例を、以下に説明する。
【0050】図9は、突き合わせ面に圧縮加重を付与し
ながら突き合わせ部にYAGレーザ光を照射して溶接す
る施工を示す模式図である。可動ニードル部11を差し
込まれた電磁コア10は、回転治具29にチャックされ
ている。ここで荷重付与機構40によって可動ニードル
部に荷重を付与することによって、可動ニードル部と電
磁コアの突き合わせ面には圧縮荷重が付与される。この
状態でレーザ光を照射して溶接することによって、溶融
ー凝固したときの凝固収縮等による変形が抑止され、可
動弁の変形による真円度のズレを防止する事ができる。
【0051】
【発明の効果】可動ニードル部と電磁コア端面部の突き
合わせ面を局所的に溶融凝固させた可動弁とすることに
よって、強度耐久性の優れた電磁式燃料噴射弁装置が提
供される。
【0052】可動ニードル部と電磁コアを少なくとも一
部突き合わせ、突き合わせ部にYAGレーザ光を照射し
て突き合わせ面より長い距離を溶接することにより、耐
久性の優れた燃料噴射弁を量産可能にして提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による可動弁を含む燃料噴射弁装置の全
体構成図である。
【図2】図1の可動弁の拡大図及び部分詳細図である。
【図3】溶接における希釈率と溶接部の組織健全性との
関係を示す特性図である。
【図4】図2のIV−IV断面図である。
【図5】図4の変形例を示す一部拡大図である。
【図6】本発明の他の実施例における要部拡大断面図で
ある。
【図7】可動弁にYAGレーザ光を照射して溶接する施
工例を示す模式図および部分詳細図である。
【図8】連続ビームのレーザ光を照射して溶接する場合
の治具の回転手順を示した模式図である。
【図9】圧縮加重を付与しながら突き合わせ部にYAG
レーザ光を照射して溶接する他の施工例を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
9:可動弁,10:電磁コア,11:可動ニードル部,
19:鍔部,20:溶接部,22:差込部,23:接触
部,24:非接触空間,25:境界,26:スポット状
溶接部,27:圧入面,28:塑性変形部,29:回転
治具,30:YAGレーザ発振装置,31:入射光学
系,32:光ファイバ,33:ミラー,34:集光レン
ズ,35:YAGレーザ,36:レーザ出射ヘッド,3
7:CCDカメラ,38:ケーブル,39:モニター,4
0:荷重付与機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 瑞穂 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 田辺 好之 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 石川 亨 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 小島 和夫 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可動弁を素材組成の異なる電磁コアおよび
    可動ニードル部で形成し、該両部材を溶接接合してなる
    電磁式燃料噴射弁装置において、前記可動弁は電磁コア
    端面部と可動ニードル部とが突き合わせ溶接されている
    ことを特徴とする電磁式燃料噴射弁装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の装置において、前記可動
    弁は可動ニードル部に鍔部を有し、該鍔部および電磁コ
    ア端面部の突き合わせ面を局所的に溶融凝固させた溶接
    継手構造体からなり、かつ溶接溶込み深さを前記突き合
    わせ面の長さより大きな溶融部としてあることを特徴と
    する電磁式燃料噴射弁装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載において、溶接部における
    可動ニードル部の溶融量の占める割合が40%以上80
    %以下であることを特徴とする電磁式燃料噴射弁装置。
  4. 【請求項4】可動弁を素材組成の異なる電磁コアおよび
    可動ニードル部で形成し、該両部材を溶接接合してなる
    電磁式燃料噴射弁装置において、前記可動弁は外面を局
    部的に研削して電磁コアと非接触の面を有する可動ニー
    ドル部と、該可動ニードル部との接触面の一部が溶接さ
    れた電磁コアとから構成され、かつ溶融凝固部が溶接前
    の円周方向における接触部と非接触空間との境界より非
    接触空間側に広がって形成されていることを特徴とする
    電磁式燃料噴射弁装置。
  5. 【請求項5】可動弁を素材組成の異なる電磁コアおよび
    可動ニードル部で形成し、該両部材を溶接接合してなる
    電磁式燃料噴射弁装置において、前記可動弁は外面を局
    部的に研削して電磁コアと非接触の面を有する可動ニー
    ドル部と、該可動ニードル部との接触面の一部が溶接さ
    れた電磁コアとから構成され、かつ溶接部はスポット状
    の溶融部が局部的に重なった状態で形成され、かつ溶接
    前の円周方向における接触部と非接触空間との境界ある
    いは非接触空間側から接触部に向かってスポットが重な
    って形成されていることを特徴とする電磁式燃料噴射弁
    装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装
    置において、可動ニードル部と電磁コアの溶接継手部を
    除いた接触面が弾性変形あるいは塑性変形によって少な
    くとも一部に圧縮応力が付与されていることを特徴とす
    る電磁式燃料噴射弁装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装
    置において、可動ニードル部と電磁コアの溶接継手部を
    除いた接触面の少なくとも一部が塑性変形され、可動ニ
    ードル部の接触面外形に電磁コアの接触面内径よりも大
    きな領域が形成されていることを特徴とする電磁式燃料
    噴射弁装置。
  8. 【請求項8】電磁式燃料噴射弁装置における可動弁の製
    造方法において、可動ニードル部と電磁コアを少なくと
    も一部突き合わせ、突き合わせ部にYAGレーザ光を照
    射して突き合わせ面より長い距離を溶接することを特徴
    とする電磁式燃料噴射弁装置の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の製造方法において、可動
    弁の突き合わせ部に2個のYAGレーザ光を対角方向か
    ら同時に照射して溶接することを特徴とする電磁式燃料
    噴射弁装置の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項8に記載の製造方法において、可
    動ニードル部と電磁コアの少なくとも一部を突き合わ
    せ、該突き合わせ面に圧縮荷重を付与しながら突き合わ
    せ部にYAGレーザ光を照射して溶接することを特徴と
    する電磁式燃料噴射弁装置の製造方法。
JP35996797A 1997-12-26 1997-12-26 電磁式燃料噴射弁装置およびその製造方法 Pending JPH11193762A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35996797A JPH11193762A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 電磁式燃料噴射弁装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35996797A JPH11193762A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 電磁式燃料噴射弁装置およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11193762A true JPH11193762A (ja) 1999-07-21

Family

ID=18467222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35996797A Pending JPH11193762A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 電磁式燃料噴射弁装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11193762A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005009424A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Hitachi Ltd 電磁式燃料噴射弁
JP2010019682A (ja) * 2008-07-10 2010-01-28 Tamagawa Seiki Co Ltd 差動トランス構造
JP2010272567A (ja) * 2009-05-19 2010-12-02 Tamagawa Seiki Co Ltd 磁性コアの固定方法及び構造
WO2017168975A1 (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 流量制御装置
CN111971472A (zh) * 2018-04-20 2020-11-20 日立汽车***株式会社 流量控制装置的部件以及燃料喷射阀

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005009424A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Hitachi Ltd 電磁式燃料噴射弁
JP2010019682A (ja) * 2008-07-10 2010-01-28 Tamagawa Seiki Co Ltd 差動トランス構造
JP2010272567A (ja) * 2009-05-19 2010-12-02 Tamagawa Seiki Co Ltd 磁性コアの固定方法及び構造
WO2017168975A1 (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 流量制御装置
DE112017000261T5 (de) 2016-03-28 2018-09-27 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Durchflussregelvorrichtung
JPWO2017168975A1 (ja) * 2016-03-28 2018-10-11 日立オートモティブシステムズ株式会社 流量制御装置
CN108779748A (zh) * 2016-03-28 2018-11-09 日立汽车***株式会社 流量控制装置
US10890147B2 (en) 2016-03-28 2021-01-12 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Flow control device
CN108779748B (zh) * 2016-03-28 2021-02-26 日立汽车***株式会社 流量控制装置
CN111971472A (zh) * 2018-04-20 2020-11-20 日立汽车***株式会社 流量控制装置的部件以及燃料喷射阀
US11313336B2 (en) 2018-04-20 2022-04-26 Hitachi Astemo, Ltd. Component for flow rate control device, and fuel injection valve
CN111971472B (zh) * 2018-04-20 2022-05-24 日立安斯泰莫株式会社 流量控制装置的部件以及燃料喷射阀

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2057966C1 (ru) Электромагнитный клапан для впрыска топлива в двигатель внутреннего сгорания
KR101463702B1 (ko) 레이저 용접 방법
KR102092038B1 (ko) 프런트 플랜지 조인트 스티치-용접 방법
JPH11193762A (ja) 電磁式燃料噴射弁装置およびその製造方法
JP3793379B2 (ja) 硬度が異なる二部材のビーム溶接方法
US7818881B2 (en) Vehicle exhaust component assembly using magnetic pulse welding
US7423232B2 (en) Method for resistance welding/brazing a tube to a member
US11296583B2 (en) Core manufacturing method and core
US6791052B1 (en) Method for resistance welding a tube to a member
JP3803539B2 (ja) 電磁式燃料噴射弁
CN104227236B (zh) 焊接构件、燃料喷射阀及激光焊接方法
CN113770532A (zh) 一种激光空间三维向下内螺旋点焊多层高强钢的方法
JP3528746B2 (ja) 組み合わせ部材の溶接方法および製造方法並びにバルブ構造の製造方法
JP2007130683A (ja) 鉄道車両の構体材溶接接合方法とそれに用いる継手構造
US20070228192A1 (en) Fuel injector and production method
KR20150003103A (ko) 용접 방법
KR100612905B1 (ko) 레이저 용접 장치 및 방법
JP4676512B2 (ja) 溶接方法および燃料噴射弁
US6371383B1 (en) Weld joint design for an armature/ball assembly for a fuel injector
JPH10202379A (ja) 溶接構造
JP2018089657A (ja) 異種部材接合方法
EP0630719B1 (en) Projection welded needle guide
EP4100642B1 (en) Fuel injector
JP2022001383A (ja) 溶接部品構成および溶接部品構成を作成する方法
JP4013297B2 (ja) 金属部材の接合方法