JPH11191790A

JPH11191790A - 通信データ処理方法及びそのネットワーク間接続装置

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Publication number: JPH11191790A
Application number: JP35808697A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Yamakawa; 裕之山川; Makoto Nakamura; 眞中村
Original assignee: Furukawa Electric Co Ltd
Current assignee: Furukawa Electric Co Ltd
Priority date: 1997-12-25
Filing date: 1997-12-25
Publication date: 1999-07-13
Anticipated expiration: 2017-12-25
Also published as: JP3464375B2

Abstract

(57)【要約】【課題】ルーティングを行うための判断処理を簡略化
する。【解決手段】受信したデータの宛先アドレスに基づき
所定のデータ処理を行って、接続されたネットワークＡ
とネットワークＢ，Ｃ又はネットワークＤ間でデータを
中継するルータ１０の通信データ処理方法において、ル
ータ１０は、インターフェース１〜３に対してルーティ
ング用と自装置宛用の別々のＩＰアドレスと、これに対
応するＭＡＣアドレスを持ち、データリンク層で受信し
たフレームの宛先ＭＡＣアドレスがルーティング用か又
は自装置宛用か判断し、ルーティング用ＭＡＣアドレス
の場合には、データの中継処理を行うことで、ルーティ
ングを行うための効率的な判断処理が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、接続された端末装
置や他のネットワーク間接続装置から受信したデータの
宛先アドレスに基づき所定のデータ処理を行って、該デ
ータを中継するネットワーク間接続装置の通信データ処
理方法及びその装置に関する。

【０００２】

【関連する背景技術】従来、この種の通信データ処理で
は、例えばルータと呼ばれるネットワーク間接続装置
は、自装置内のインターフェースごとに例えばＩＰアド
レスと、このＩＰアドレスに対応したＭＡＣ（Media Ac
cess Control）アドレスを１つずつ持つとともに、例え
ばＲＩＰ（Routing Information Protocol）等の代表的
なプロトコルによって、上記インターフェースに付与さ
れたＩＰアドレスに対して、ネットワークのルーティン
グ情報を作成し、ルーティングテーブルに記憶させてい
た。そして、ルータは、同一物理ネットワーク内の端末
装置に上記ルーティング情報を送信していた。

【０００３】端末装置は、宛先ネットワークアドレス
と、それに対応するネクストホップ（経路を生成したル
ータのＩＰアドレス）の組からなるルーティングテーブ
ルを作成して保持させ、他のネットワークへ中継すべき
データフレームを送信する場合に、上記テーブルを参照
していた。次に、従来のデータ中継の動作を図１１に示
す一般的なネットワークの構成図に基づいて説明する。
図において、ルータ１０は、ネットワークＡとネットワ
ークＢ間に接続されており、ネットワークＡには、端末
装置（コンピュータ）２０が、またネットワークＢに
は、端末装置（コンピュータ）２１がそれぞれ接続され
ている。端末装置２０は、自装置内のルーティングテー
ブルを参照して、宛先ネットワークのネットワークＢを
検索して、対応するネクストホップのＩＰアドレスを取
得し、ＡＲＰ（Address Resolution Protocol）を用い
て、ＡＲＰリクエストパケットと呼ばれるＭＡＣアドレ
ス解決要求用のデータフレームを送信する（図中、参
照）。

【０００４】このパケットに応じて、パケット内に示さ
れたＩＰアドレスを持つルータ１０は、ＡＲＰレスポン
スパケットを返送する（図中、参照）。このＡＲＰレ
スポンスパケットには、上記ＩＰアドレスに対応するＭ
ＡＣアドレス（例えばＩＰアドレスを持つインターフェ
ースのＭＡＣアドレス）が含まれている。端末装置２０
は、受信した上記ＭＡＣアドレスを宛先アドレスとした
データフレームを作成してルータ１０に送信する（図
中、参照）。

【０００５】ルータ１０は、受信した上記データフレー
ムが自装置宛か中継用か判断するとともに、上記データ
フレームが中継用の場合には、ルーティング処理を行う
（図中、参照）。そして、ルータ１０は、端末装置２
１へのデータフレームを作成して送信していた（図中、
参照）。なお上記において、ルータは、データフレ
ームを受信すると、そのデータフレームの宛先ＭＡＣア
ドレスが、受信したインターフェースのＭＡＣアドレス
又はブロードキャストアドレス又はマルチキャストアド
レスかどうか判断する。そして、上記３つのいずれかの
ＭＡＣアドレスと合致した場合には、ルータは、宛先Ｉ
Ｐアドレスが、上記フレームを受信したインターフェー
スのＩＰアドレスかどうかで自装置宛か判断することに
よって、自装置宛でない場合にはルーティング処理を行
い、自装置宛の場合には上位アプリケーションによる処
理を行っていた。

【０００６】なお、いずれのＭＡＣアドレスにも合致し
ない場合には、そのデータフレームを破棄していた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、ルータが処
理するデータフレームのほとんどは、中継用のデータフ
レームであるにもかかわらず、またこのような方法で
は、ルータは受信した全てのデータフレームに対して宛
先ＭＡＣアドレス及び宛先ＩＰアドレスが自装置宛か否
かの２つの判断を行った後に、ルーティング処理を行う
ので、データ中継に対する効率が悪いという問題点があ
った。すなわち、ルータでは、宛先ＭＡＣアドレスに対
してはデータリンク層での判断となり、宛先ＩＰアドレ
スに対してはネットワーク層での判断となり、このネッ
トワーク層での判断では、ほとんどのフレームの宛先Ｉ
Ｐアドレスの場合が自装置のインターフェースのＩＰア
ドレスと合致しないという非効率的な処理を行ってい
た。

【０００８】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、ルーティングを行うための判断処理を簡略化できる
通信データ処理方法及びその装置を提供することを目的
とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、自装置用アドレスと各インターフェー
スに対応する中継用アドレスとを有し、受信したデータ
フレームの宛先アドレスが前記中継用アドレスに合致す
るかどうかを判断するとともに、前記宛先アドレスがＭ
ＡＣアドレスを含む自装置用アドレスまたはブロードキ
ャストアドレスまたはマルチキャストアドレスに合致す
るかどうかをこれらＭＡＣアドレスに基づいて判断する
アドレス比較部と、前記データフレームのルーティング
処理を行うルーティング処理部と、前記データフレーム
に対して上位のアプリケーション処理を行う上位アプリ
ケーション部と、各インターフェースから前記データフ
レームを送信する送信処理部とを有する。

【００１０】すなわち、ルータは、インターフェースに
対して中継用と自装置用の別々のＩＰアドレスと、これ
に対応するＭＡＣアドレスを持ち、データリンク層で受
信したフレームの宛先ＭＡＣアドレスが中継用か又は自
装置用か判断することで、ルーティングを行うための効
率的な判断処理が可能となる。また、経路情報の交換を
行う際、前記中継用アドレスをネクストホップとして、
前記経路情報を作成し交換することが好ましい。

【００１１】また、自装置用アドレス、前記中継用アド
レスおよび前記宛先アドレスはそれぞれ上位プロトコル
アドレスを含み、経路情報の交換を行う際のネクストホ
ップに用いられる中継用アドレスには、前記上位プロト
コルアドレスが用いられることが好ましい。また、ルー
ティング処理部は、前記中継用アドレスによって自装置
からの送信に用いるインターフェースを特定する処理を
行うことが好ましい。

【００１２】また、ルーティング処理部は、自装置から
の送信に用いるインターフェースを特定する処理を、中
継用アドレスとなるＭＡＣアドレスによって行う第１の
ルーティング処理部と、中継用アドレスとなる上位プロ
トコルによって行う第２のルーティング処理部とに分か
れていることが好ましい。さらに、端末装置が接続され
ている場合、前記端末装置からのＡＲＰ要求に対して、
対応する前記中継用アドレスのＭＡＣアドレスを返送す
ることが好ましい。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明に係る通信データ処理方法
及びその装置を図１乃至図１０の図面に基づいて説明す
る。図１は、本発明のデータ通信システムの構成を示す
構成図である。図において、ルータ１０（本発明におけ
るネットワーク間接続装置の一例）は、ネットワーク
Ａ，Ｂと自装置内のインターフェース１，２を介して接
続され、かつＡＴＭ網４とインターフェース３を介して
接続されている。ネットワークＡには、端末装置２０
が、ネットワークＢには、端末装置２１及びルータ３０
が、ＡＴＭ網４には、ルータ４０がそれぞれ接続されて
いる。また、ルータ３０は、ネットワークＣとも接続さ
れ、ネットワークＣには、端末装置２２が接続されてい
る。さらに、ルータ４０は、ネットワークＤとも接続さ
れ、ネットワークＤには、端末装置２３が接続されてい
る。

【００１４】従来、ルータ内のインターフェース（物理
インターフェース）に対して、１つだった上位プロトコ
ルアドレス（例えばＩＰアドレス）が、本発明の各ルー
タでは、ルーティング用と自装置宛用の２つのアドレス
で別々に設定されるとともに、上記各ＩＰアドレスに対
応した異なるＭＡＣアドレスがそれぞれ設定されてい
る。上記ルーティング用ＩＰアドレスは、ルータが生成
するルーティング情報を作成する際に用いられ、これに
よって他のルータ、ネットワークに接続される端末装置
及び自装置のルーティングテーブルのネクストホップ
は、当該ルータの自装置宛用ＩＰアドレスではなく、設
定されたルーティング用ＩＰアドレスとなる。

【００１５】ここで、例えばルータ１０では、インター
フェース１に対して、１つの自装置用ＩＰアドレス「15
8.202.232.1」と２つのルーティング用（中継用）ＩＰ
アドレス「158.202.232.2」、「158.202.232.3」がそれ
ぞれ設定されるとともに、これらに対応する自装置用及
びルーティング用のＭＡＣアドレス「00:80:BD:F0:00:0
1」、「00:80:BD:F0:00:02」、「00:80:BD:F0:00:03」
がそれぞれ設定されるものとする。この場合、ＩＰアド
レス「158.202.232.2」は、ネットワークＡとネットワ
ークＢ，Ｃ間でのデータ中継を可能とするものであり、
ＩＰアドレス「158.202.232.3」は、ネットワークＡと
ネットワークＤ間でのデータ中継を可能とするものであ
る。なお、本実施例では、ネットワークＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄ
のネットワークアドレスをそれぞれ「158.202.0.0」、
「192.52.128.0」、「192.52.121.0」、「202.232.158.
0」としている。

【００１６】上記データ通信システムにおいて、ルーテ
ィング情報（経路情報）を交換するためのＲＩＰには、
バージョン１とバージョン２が標準として規定されてい
る。このようなＲＩＰデータフレームのフォーマット
は、図２に示すように、ＭＡＣヘッダ、ＩＰヘッダ、Ｕ
ＤＰヘッダ、ＲＩＰヘッダ及びルーティング情報の各エ
ントリが格納されるＲＩＰデータの領域から構成されて
おり、このようにＲＩＰのデータに、より上位のヘッダ
をつけることにより、データをエンカプセリングしてい
く。

【００１７】ＲＩＰバージョン１の場合、ＲＩＰデータ
の領域は、図３に示すように、ＩＰアドレスからなる宛
先アドレスと、メトリックの組から構成され、これら情
報は、ルーティングテーブル作成時の宛先ネットワーク
アドレスとして使用される。また、ルーティングテーブ
ルのネクストホップとしては、そのＲＩＰデータフレー
ムを送信したルータのインターフェースのＩＰアドレス
を用いるが、これは、上記ＲＩＰデータフレームのＩＰ
ヘッダの送信元アドレスフィールドから引用される。従
って、本実施例のインターフェース１に対しては、イン
ターフェース１に設定された各ルーティング用ＩＰアド
レス毎、すなわち送信元ＩＰアドレス「158.202.232.
2」、「158.202.232.3」毎に、別々（２つ）のルーティ
ング情報を生成したフレームを作成し、この各フレーム
を上記インターフェース１に送信することとなる。

【００１８】これに対して、ＲＩＰバージョン２の場
合、ＲＩＰデータの領域は、図４に示すように、ＩＰア
ドレスからなる宛先アドレスと、マスク情報と、ネクス
トホップ情報と、メトリックの組から構成される。従っ
て、本実施例のインターフェース１に対しては、上記
「158.202.232.2」と「158.202.232.3」のそれぞれのＩ
Ｐアドレスを、ネクストホップ情報としたルーティング
情報を作成すれば、ＲＩＰバージョン１の場合のように
２つのルーティング情報のＲＩＰデータフレームを作成
する必要がなくなり、インターフェース１への上記フレ
ーム送信が１回で済むという利点がある。

【００１９】次に、各ルータの通信データ処理装置の概
略構成を説明する。なお、各ルータの通信データ処理装
置の構成は、同一の構成からなるので、ここでは代表し
てルータ１０の通信データ処理装置の概略構成を図５に
基づいて説明する。図５において、通信データ処理装置
では、上位アプリケーション部１４内のルーティング情
報生成部１４ａが記憶部１３内の上記ルーティング情報
の生成及び送信処理部１５を介して他のルータへ上記ル
ーティング情報の送信を行っている。また、例えば端末
装置２０との通信の開始においては、従来と同様にイン
ターフェース１〜３に接続される受信処理部１１が、Ｉ
Ｐアドレスに対するＭＡＣアドレスを解決するための端
末装置２０からのＡＲＰリクエストパケットを受信処理
しており、上位アプリケーション部１４内のＡＲＰ処理
部１４ｂで作成されるＡＲＰレスポンスパケットには、
ルーティング用ＭＡＣアドレスを用いる。

【００２０】すなわち、例えばイーサネットフレームの
場合、端末装置２０は、図６に示すようなフォーマット
のＡＲＰリクエストパケットを作成してルータ１０に送
信する。なお、図６において、ハードウェア以降の領域
は、上記イーサネットフレームのデータフィールドを示
しており、ハードウェアは、イーサネットを示す固定コ
ード、プロトコルは、ＩＰを示す固定コード、ＨＬＥＮ
は、ＭＡＣアドレスの長さを示すコード、ＰＬＥＮは、
ＩＰアドレスの長さを示すコード、オペレーションは、
パケットがＡＲＰリクエストかＡＲＰレスポンスかを示
すコード、センダハードウェアアドレスは、このパケッ
トを送信した装置のＭＡＣアドレス、センダインターネ
ットアドレスは、このパケットを送信した装置のＩＰア
ドレス、ターゲットハードウェアアドレスは、ターゲッ
トとなる装置のＭＡＣアドレス、ターゲットインターネ
ットアドレスは、ターゲットとなる装置のＩＰアドレス
を示している。

【００２１】端末装置２０は、例えばネットワークＢ，
Ｃ内の端末装置２１，２２にデータを送りたい場合に
は、図６のＡＲＰリクエストパケット中の宛先アドレス
にブロードキャストを示すＭＡＣアドレス「FF:FF:FF:F
F:FF:FF」、ターゲットインターネットアドレスにイン
ターフェース１のルーティング用ＩＰアドレス「158.20
2.232.2」を格納したＡＲＰリクエストパケットを作成
して送信する。

【００２２】ルータ１０では、受信された端末装置２０
からのＡＲＰリクエストパケットを受信処理部１１が受
信処理して、ＭＡＣアドレス比較部１２に出力する。Ｍ
ＡＣアドレス比較部１２では、上記パケット内の宛先ア
ドレスと、記憶部１３内のＭＡＣアドレステーブルの各
エントリとを比較しており、上記宛先アドレスがブロー
ドキャストを示すＭＡＣアドレスの場合には、上位アプ
リケーション部１４へＡＲＰリクエストパケットを渡
す。

【００２３】上位アプリケーション部１４のＡＲＰ処理
部１４ｂでは、記憶部１３内のＩＰアドレステーブルと
ＭＡＣアドレステーブルのルーティング用エントリを参
照しながら、上記ＡＲＰリクエストに対して、ＩＰアド
レス「158.202.232.2」に対応するＭＡＣアドレス「00:
80:BD:F0:00:02」をセンダハードウェアアドレスに格納
したＡＲＰレスポンスパケットを作成しており、上記Ａ
ＲＰレスポンスパケットは、送信処理部１５で送信処理
された後、端末装置２０に送信される。

【００２４】なお、記憶部１３は、図７に示すように、
ＭＡＣアドレステーブル１３ａと、ＩＰアドレステーブ
ル１３ｂと、宛先パラメータテーブル１３ｃと、ルーテ
ィングテーブル１３ｄとからなっており、各テーブル内
の対応するエントリがそれぞれ関連付けられている。Ｍ
ＡＣアドレステーブル１３ａには、上記ルーティング用
ＭＡＣアドレス、上記自装置用ＭＡＣアドレス、「FF:F
F:FF:FF:FF:FF」からなるブロードキャスト用ＭＡＣア
ドレス、アプリケーションによるマルチキャスト用ＭＡ
Ｃアドレスの各エントリが登録されており、テーブル１
３ａ内の各エントリは、ＭＡＣアドレス比較部１２が受
信データフレームの宛先ＭＡＣアドレスと比較する場合
に参照される。なお、テーブル１３ａ内のマルチキャス
ト用エントリが空欄になっているのは、マルチキャスト
フレームのエントリがないことを示している。

【００２５】ＩＰアドレステーブル１３ｂには、上記ル
ーティング用ＭＡＣアドレスに対応する上記ＩＰアドレ
ス、上記自装置用ＭＡＣアドレスに対応する上記ＩＰア
ドレスが登録されており、テーブル１３ｂ内の各エント
リは、ＡＲＰ処理部１４ｂがＡＲＰリクエストパケット
のターゲットインターネットアドレス（ＩＰアドレス）
と比較する場合に参照される。

【００２６】宛先パラメータテーブル１３ｃには、イン
ターフェースの識別子と、これに対応するパラメータ
（ＩＳＤＮ番号やＡＴＭでのバーチャルコネクション番
号などのインターフェースを特定するパラメータ）を組
にしたエントリが登録されており、テーブル１３ｃ内の
各エントリは、第１のルーティング処理部１６において
参照される。なお、このエントリは、本実施例のよう
に、ルーティング用ＩＰアドレスとの関連付けがなされ
る場合もあるが、基本的にルーティング用ＩＰアドレス
と関係なく、追加や削除を行う場合がある。

【００２７】また、ルーティングテーブル１３ｄには、
宛先アドレス（ネットワーク又はホストのアドレス）
と、ネクストホップと、メトリック値などが主要素とし
て登録されており、テーブル１３ｄ内の各エントリは、
第２のルーティング処理部１７において参照される。こ
のエントリは、従来のルーティングテーブルのエントリ
と同じ意味のものであるが、上記ネクストホップは、自
装置が直接接続されているネットワークＡ，Ｂが宛先の
場合には、インターフェースの自装置用ＩＰアドレス
「158.202.232.1」，「192.52.128.1」からなり、また
自装置が直接接続されていないネットワークＣ，Ｄの場
合には、インターフェースのルーティング用ＩＰアドレ
ス「192.52.128.2」，「202.232.158.2」からなってい
る。

【００２８】次に、上記通信データ処理装置におけるデ
ータフレームのデータ処理動作について、図８のフロー
チャートに基づいて説明する。端末装置２０は、上記Ａ
ＲＰレスポンスパケットを受信すると、データフレーム
を作成して、ルータ１０に送信する。ルータ１０では、
インターフェース１を介して受信された上記イーサネッ
トフレームを受信処理部１１で受信処理した後、ＭＡＣ
アドレス比較部１２で、データリンク層における上記フ
レームの宛先アドレス（ＭＡＣアドレス）と、ＭＡＣア
ドレステーブル１３ａのルーティング用にエントリされ
ている各ＭＡＣアドレスとの比較を行う（ステップ１０
１）。

【００２９】ここで、両ＭＡＣアドレスが合致した場合
には、ＭＡＣアドレス比較部１２は、上記イーサネット
フレームがルーティング用のデータフレームであると判
断し、上記フレームを第１のルーティング処理部１６に
渡す。第１のルーティング処理部１６は、まず宛先パラ
メータテーブル１３ｃを参照して該当するエントリがあ
るかどうか判断し（ステップ１０２）、該当エントリが
ある場合には、そのエントリの宛先パラメータ情報にあ
わせて、ルーティング用のデータフレームを作成して送
信処理部１５に出力する第１のルーティング処理を行う
（ステップ１０３）。送信処理部１５では、入力するフ
レームに対して送信処理を行い（ステップ１０４）、所
定のインターフェースを介して上記フレームを中継す
る。

【００３０】また、ステップ１０２において、宛先パラ
メータテーブル１３ｃのエントリにヒットしない場合に
は、第１のルーティング処理部１６は、取り込んだデー
タフレームを第２のルーティング処理部１７に渡す。第
２のルーティング処理部１７は、ルーティングテーブル
１３ｄを参照しながら、ルーティング用のデータフレー
ムを作成して送信処理部１５に出力するルーティング処
理を行う（ステップ１０５）。

【００３１】また、ステップ１０１において、受信した
フレーム中の宛先ＭＡＣアドレスと、ＭＡＣアドレステ
ーブル１３ａのルーティング用ＭＡＣアドレスが合致し
ない場合には、ＭＡＣアドレス比較部１２は、上記宛先
ＭＡＣアドレスをＭＡＣアドレステーブル１３ａの自装
置用、ブロードキャスト用又はマルチキャスト用にエン
トリされているＭＡＣアドレスと比較し（ステップ１０
６）、両ＭＡＣアドレスが合致しない場合には、自装置
宛のデータフレームではないと判断し、廃棄処理部１８
に上記フレームを渡して廃棄処理を行う（ステップ１０
７）。

【００３２】また、ステップ１０６において、両ＭＡＣ
アドレスが合致した場合には、ＭＡＣアドレス比較部１
２は、上記イーサネットフレームが自装置宛のデータフ
レームと判断し、上位アプリケーション部１４に上記フ
レームを渡してネットワーク層におけるデータ処理を行
う（ステップ１０８）。このように、本実施例では、ル
ータの１つの物理インターフェースに対して中継を行う
ルーティング用と宛先が自装置となる自装置用の複数の
上位プロトコルアドレスを別々に設定し、データ送信に
際して、それぞれの上位プロトコルアドレス（ＩＰアド
レス）に対応した異なるＭＡＣアドレスを使用する。す
なわち、ルーティング用ＩＰアドレスは、ルータが生成
するルーティング情報を作成する際に用いられ、これに
より、他ルータ及び自装置の管理用のルーティングテー
ブルのネクストホップは、当該ルータの自装置用ＩＰア
ドレスではなく、ルーティング用ＩＰアドレスとなる。
そして、データフレームの送信を行う際には、上記フレ
ームの宛先ＭＡＣアドレスを、このルーティング用又は
自装置用としてデータフレームを作成して送信を行うの
で、ルータでは、受信したフレームに対して、データリ
ンク層でＭＡＣアドレスの比較を行うことで、上記フレ
ームがルーティング用か又は自装置宛用か判断すること
が可能となり、ルーティングを行うための効率的な判断
処理ができる。

【００３３】また、本実施例の方法を適用することによ
り、ルータでは、ルーティング機能と管理のためのホス
ト機能を分離することが容易になるため、上記ルーティ
ング機能のハードウェア化などにも対応が可能となる。
なお、本発明に係るルータは、例えば図９に示すよう
に、ＬＡＮなどの複数のネットワークや専用線に接続さ
れる物理的に複数個のインターフェースを持つもので
も、又は図１０に示すように、物理的には１つのインタ
ーフェースしか持たないが、ＡＴＭ網などの公衆網を介
して複数のルータと接続されることによって論理的に複
数個のインターフェースを持つものでも構成することが
可能である。そして、本発明では、各インターフェース
毎に、ルーティング用と自装置用のＩＰアドレスとＭＡ
Ｃアドレスをそれぞれ設定することで、ルーティングを
行うための判断処理を簡略化できる。

【００３４】また、本実施例では、ＩＰアドレステーブ
ルのルーティング用ＩＰアドレスと、宛先パラメータテ
ーブルのインターフェースとを関連付けたため、ダイナ
ミックルーティング（動的にルーティング情報が更新さ
れる場合のルーティング）に最適なものである。なお、
本発明は、これに限らず、宛先パラメータテーブルのパ
ラメータに宛先アドレス（ネットワーク又はホスト（ネ
ットワークに接続される端末装置やルータを含む）のＩ
Ｐアドレス）を登録し、ＩＰアドレステーブルのルーテ
ィング用ＩＰアドレスと、この宛先アドレスとを関連付
けることも可能である。この場合には、特定のネットワ
ークアドレスとルーティング用ＩＰアドレスとが関連付
けられるため、指定したネットワークへの通信を別個に
扱いたい場合に有効となる。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明では、自装
置用アドレスと各インターフェースに対応する中継用ア
ドレスとを有し、受信したデータフレームの宛先アドレ
スが前記中継用アドレスに合致するかどうかの判断と、
前記宛先アドレスがＭＡＣアドレスを含む自装置用アド
レスまたはブロードキャストアドレスまたはマルチキャ
ストアドレスに合致するかどうかをこれらＭＡＣアドレ
スに基づいて判断するアドレス比較部と、前記データフ
レームのルーティング処理を行うルーティング処理部
と、前記データフレームに対して上位のアプリケーショ
ン処理を行う上位アプリケーション部と、各インターフ
ェースから前記データフレームを送信する送信処理部と
を有し、前記アドレス比較部は、まず受信したデータフ
レームの宛先アドレスが前記中継用アドレスに合致する
かどうかの判断を行った後、必要に応じて前記宛先アド
レスが自装置用アドレスまたはブロードキャストアドレ
スまたはマルチキャストアドレスに合致するかどうかの
判断を行うので、ルーティングを行うための判断処理を
簡略化できる。

【００３６】また、本発明では、自装置用アドレス、中
継用アドレスおよび宛先アドレスはそれぞれ上位プロト
コルアドレスを含み、経路情報の交換を行う際のネクス
トホップに用いられる中継用アドレスには、前記上位プ
ロトコルアドレスが用いられ、前記中継用アドレスをネ
クストホップとして、前記経路情報を作成し交換するの
で、データリンク層でのルーティング処理が可能とな
る。

【００３７】また、本発明では、ルーティング処理部
は、中継用アドレスによって自装置からの送信に用いる
インターフェースを特定する処理を行うので、動的にル
ーティング情報が更新される場合のダイナミックルーテ
ィングに最適なものとなる。また、本発明では、ルーテ
ィング処理部は、自装置からの送信に用いるインターフ
ェースを特定する処理を、中継用アドレスとなるＭＡＣ
アドレスによって行う第１のルーティング処理部と、中
継用アドレスとなる上位プロトコルによって行う第２の
ルーティング処理部とに分かれているので、ルーティン
グを行うための効率的な判断処理ができる。

【００３８】また、本発明では、端末装置が接続されて
いる場合、前記端末装置からのＡＲＰ要求に対して、対
応する前記中継用アドレスのＭＡＣアドレスを返送する
ので、さらにルーティングを行うための判断処理の効率
化が図られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のデータ通信システムの構成を示す構成
図である。

【図２】ＲＩＰデータフレームのフォーマットの一例を
示す図である。

【図３】ＲＩＰバージョン１の場合の図２に示したＲＩ
Ｐデータの領域の構成を示す図である。

【図４】ＲＩＰバージョン２の場合の図２に示したＲＩ
Ｐデータの領域の構成を示す図である。

【図５】図１に示したルータの通信データ処理装置の概
略構成を示す構成図である。

【図６】ＡＲＰリクエストパケットのフォーマットの一
例を示す図である。

【図７】図５に示した記憶部のテーブル構成を示す図で
ある。

【図８】図５に示した通信データ処理装置のデータ処理
動作を説明するためのフローチャートである。

【図９】図１に示したルータの接続の一例を示す図であ
る。

【図１０】同じくルータの接続の他例を示す図である。

【図１１】一般的なネットワークの構成を示す構成図で
ある。

【符号の説明】

１０，３０，４０ルータ１１受信処理部１２ＭＡＣアドレス比較部１３記憶部１４上位アプリケーション部１５送信処理部１６第１のルーティング処理部１７第２のルーティング処理部１８廃棄処理部２０〜２３端末装置（コンピュータ）Ａ〜Ｄネットワーク

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ネットワーク間接続装置での通信データ
処理方法であって、前記ネットワーク間接続装置は、自装置用アドレスと各
インターフェースに対応する中継用アドレスとを有し、
データフレームを受信すると、該データフレームの宛先
アドレスが前記中継用アドレスに合致するかどうかの判
断を行い、合致する場合は前記データフレームのルーテ
ィング処理を行い、合致しない場合は、さらに前記宛先
アドレスが自装置用アドレスまたはブロードキャストア
ドレスまたはマルチキャストアドレスに合致するかどう
かの判断を行い、いずれかに合致する場合には、前記デ
ータフレームについて上位のアプリケーション処理を行
い、いずれにも合致しない場合は前記データフレームを
破棄することを特徴とするネットワーク間接続装置での
通信データ処理方法。
【請求項２】前記自装置用アドレス、前記中継用アド
レスおよび前記宛先アドレスはそれぞれＭＡＣアドレス
を含み、前記の各判断はこれらＭＡＣアドレスに基づく
ことを特徴とする請求項１に記載のネットワーク間接続
装置での通信データ処理方法。
【請求項３】前記ネットワーク間接続装置は、経路情
報の交換を行う際、前記中継用アドレスをネクストホッ
プとして、前記経路情報を作成し交換することを特徴と
する請求項１又は２に記載のネットワーク間接続装置で
の通信データ処理方法。
【請求項４】前記自装置用アドレス、前記中継用アド
レスおよび前記宛先アドレスはそれぞれ上位プロトコル
アドレスを含み、経路情報の交換を行う際のネクストホ
ップに用いられる中継用アドレスには、上位プロトコル
アドレスが用いられることを特徴とする請求項３に記載
のネットワーク間接続装置での通信データ処理方法。
【請求項５】前記ルーティング処理には、前記中継用
アドレスによって自装置からの送信に用いるインターフ
ェースを特定する処理を含むことを特徴とする請求項１
乃至４のいずれかに記載のネットワーク間接続装置での
通信データ処理方法。
【請求項６】前記中継用アドレスによって自装置から
の送信に用いるインターフェースを特定する処理は、ま
ず中継用ＭＡＣアドレスによる特定を行い、特定しきれ
なかった場合、中継用上位プロトコルアドレスによる特
定を行うことを特徴とする請求項５に記載のネットワー
ク間接続装置での通信データ処理方法。
【請求項７】前記ネットワーク間接続装置には端末装
置が接続されており、前記ネットワーク間接続装置は、
前記端末装置からのＡＲＰ要求に対して、対応する中継
用アドレスのＭＡＣアドレスを返送することを特徴とす
る請求項１乃至６のいずれかに記載のネットワーク間接
続装置での通信データ処理方法。
【請求項８】自装置用アドレスと各インターフェース
に対応する中継用アドレスとを有し、受信したデータフレームの宛先アドレスが前記中継用ア
ドレスに合致するかどうかの判断と、前記宛先アドレス
が自装置用アドレスまたはブロードキャストアドレスま
たはマルチキャストアドレスに合致するかどうかの判断
とを行うアドレス比較部と、前記データフレームのルーティング処理を行うルーティ
ング処理部と、前記データフレームに対して上位のアプリケーション処
理を行う上位アプリケーション部と、各インターフェースから前記データフレームを送信する
送信処理部とを有し、前記アドレス比較部は、まず受信したデータフレームの
宛先アドレスが前記中継用アドレスに合致するかどうか
の判断を行った後、必要に応じて前記宛先アドレスが自
装置用アドレスまたはブロードキャストアドレスまたは
マルチキャストアドレスに合致するかどうかの判断を行
うことを特徴とするネットワーク間接続装置。
【請求項９】前記自装置用アドレス、前記中継用アド
レスおよび前記宛先アドレスはそれぞれＭＡＣアドレス
を含み、前記アドレス比較部における各判断はこれらＭ
ＡＣアドレスに基づくことを特徴とする請求項８に記載
のネットワーク間接続装置。
【請求項１０】経路情報の交換を行う際、前記中継用
アドレスをネクストホップとして、前記経路情報を作成
し交換することを特徴とする請求項８又は９に記載のネ
ットワーク間接続装置。
【請求項１１】前記自装置用アドレス、前記中継用ア
ドレスおよび前記宛先アドレスはそれぞれ上位プロトコ
ルアドレスを含み、経路情報の交換を行う際のネクスト
ホップに用いられる中継用アドレスには、前記上位プロ
トコルアドレスが用いられることを特徴とする請求項１
０に記載のネットワーク間接続装置。
【請求項１２】前記ルーティング処理部は、前記中継
用アドレスによって自装置からの送信に用いるインター
フェースを特定する処理を行うことを特徴とする請求項
８乃至１１のいずれかに記載のネットワーク間接続装
置。
【請求項１３】前記ルーティング処理部は、自装置か
らの送信に用いるインターフェースを特定する処理を、
中継用アドレスとなるＭＡＣアドレスによって行う第１
のルーティング処理部と、中継用アドレスとなる上位プ
ロトコルによって行う第２のルーティング処理部とに分
かれていることを特徴とする請求項１２に記載のネット
ワーク間接続装置。
【請求項１４】端末装置が接続されている場合、前記
端末装置からのＡＲＰ要求に対して、対応する前記中継
用アドレスのＭＡＣアドレスを返送することを特徴とす
る請求項８乃至１１のいずれかに記載のネットワーク間
接続装置。