JPH11189989A - アクリルアミド系重合体を保護コロイドとする内添抄紙方法 - Google Patents

アクリルアミド系重合体を保護コロイドとする内添抄紙方法

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JPH11189989A
JPH11189989A JP35573797A JP35573797A JPH11189989A JP H11189989 A JPH11189989 A JP H11189989A JP 35573797 A JP35573797 A JP 35573797A JP 35573797 A JP35573797 A JP 35573797A JP H11189989 A JPH11189989 A JP H11189989A
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JP
Japan
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acrylamide
acid
meth
polymerization
synthetic resin
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Application number
JP35573797A
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English (en)
Inventor
Masaru Tanabe
田邉  勝
Toshihiko Takagi
斗志彦 高木
Shiyouko Ooyanagi
鐘子 大柳
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 アニオン性合成樹脂エマルション(a)
と特定のカチオン性単量体を共重合成分とする(メタ)
アクリルアミド系共重合体(b)との複合化物、および
/またはさらにカチオン性水溶性高分子(c)を併用し
て使用する内添抄紙方法。 【効果】 本発明により、合成樹脂エマルションを繊維
に効果的に歩留まらせることができ、サイズ性や強度等
の合成樹脂エマルション由来の機能を有効に発揮させた
紙を得ることができた。特に自己定着性が高いので、炭
酸カルシウムを填料とした中性抄紙においても高い効果
が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリルアミド系重
合体を保護コロイドとして使用する内添抄紙方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、繊維スラリーに合成樹脂エマ
ルションを添加し、繊維に定着させて抄造する方法は広
く知られている。しかし、合成樹脂エマルションの添加
は紙のサイズ性や強度向上等のために望ましいと考えら
れているが、実際には合成樹脂エマルションの定着率が
低く、これによるマシンの汚れを招き、かつ廃水処理を
困難にする等の問題のため、容易に使用しがたいもので
あった。そこで、定着率を向上するなどのため、例え
ば、(I)合成樹脂エマルションを水溶性高分子や多価
金属塩を用いてあらかじめ凝集粒子を形成させた後に繊
維スラリーに添加して抄造する方法、(II)合成樹脂エ
マルションを繊維スラリー中に添加し、水溶性高分子や
多価金属塩を用いて繊維上に歩留まらせる方法などが知
られている。しかし、(I)の方法では凝集粒子の粒径
の制御が困難であり、粒径によっては定着率が低下した
り、また、濾水度の大きい繊維では定着率が低下すると
いった問題がある。(II)の方法では繊維が通常、アニ
オン性を示していることから、繊維に定着させるために
カチオン成分を導入したカチオン性合成樹脂エマルショ
ンを用いていることが多い。一般的なアニオン性の合成
樹脂エマルションを用いると繊維に定着しないため、内
添抄紙に用いる場合には、水溶性高分子と硫酸バンドな
どの多価金属塩を用いて繊維上に定着させている。ま
た、あらかじめ合成樹脂エマルションと水溶性高分子を
混合した場合、合成樹脂エマルションが凝集を起こして
しまうことが多い。
【0003】また、近年の製紙業界では、紙の経時劣化
や抄紙機の劣化の防止、抄紙系のクローズド化による廃
水処理、炭酸カルシウムを含んだ古紙の使用などのた
め、硫酸バンドを用いる酸性抄紙から、硫酸バンドの添
加量の少ない、あるいは硫酸バンドを使用しない中性な
いしアルカリ性領域における中性抄紙が注目されてお
り、従ってその領域で十分効果を発揮する製紙用添加剤
が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、中性
抄紙においてもパルプや繊維に効率よく歩留まらせるこ
とができ、さらに合成樹脂エマルションの効果が効率よ
く出るような内添抄紙方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前述の課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アニオン性合
成樹脂エマルションと特定のカチオン性単量体を共重合
成分とする(メタ)アクリルアミド系重合体を併用する
ことにより、合成樹脂エマルションが効率よく繊維上に
歩留まり、サイズ性、強度など種々の合成樹脂エマルシ
ョンに由来する機能を発揮することを見いだした。さら
に、炭酸カルシウムを填料として用いる中性抄紙におい
ても充分に効果を発揮することを併せて見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、以下の(1)〜(3)を提
供するものである。 (1) (a)アニオン性合成樹脂エマルションと
(b)下記一般式(1)および/または(2)[化3]
で表されるカチオン性単量体0.1〜20モル%を共重
合成分とする分子量1万〜50万の(メタ)アクリルア
ミド系重合体の複合化物を使用することを特徴とする内
添抄紙方法。
【0007】
【化3】 (式中、nは2〜5の整数、R1は水素原子またはメチ
ル基、R2、R3は炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭
素数1〜4のアルキル基またはベンジル基、Yはアニオ
ンを示す。)
【0008】(2) (a)アニオン性合成樹脂エマル
ションと(b)下記一般式(1)および/または(2)
[化4]で表されるカチオン性単量体0.1〜20モル
%を共重合成分とする分子量1万〜50万の(メタ)ア
クリルアミド系重合体の複合化物と、(c)カチオン性
の水溶性高分子化合物を使用することを特徴とする内添
抄紙方法。
【0009】
【化4】 (式中、nは2〜5の整数、R1は水素原子またはメチ
ル基、R2、R3は炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭
素数1〜4のアルキル基またはベンジル基、Yはアニオ
ンを示す。)
【0010】(3) カチオン性の水溶性高分子化合物
が、カチオン化澱粉またはポリアミドポリアミンエピク
ロロヒドリン樹脂であることを特徴とする(2)記載の
内添抄紙方法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳しく説明
する。
【0012】本発明について更に詳しく説明すると、本
発明の特徴は、合成樹脂エマルションを内添抄紙する際
において、(a)アニオン性合成樹脂エマルションおよ
び(b)特定のカチオン性単量体を共重合成分とする
(メタ)アクリルアミド系重合体とを複合化させた後に
使用することが必須である。
【0013】(a)と(b)を複合化する方法について
は、以下〔I〕〜〔VI〕の6通りがあり、それぞれの方
法を組み合わせることも可能である。 〔I〕 単純ブレンド法 :(a)と(b)を個別
に製造し、混合する 〔II〕 保護コロイド重合法:(a)の存在下に
(b)を重合する…(b') 〔III〕保護コロイド重合法:(b)の存在下に
(a)を重合する…(a') 〔IV〕 部分保護コロイド法:(a)と(a')または
(b')とを混合する 〔V〕 部分保護コロイド法:(b)と(a')または
(b')とを混合する 〔VI〕 部分保護コロイド法:(a')と(b')を混
合する
【0014】また、本発明においては、(a)と(b)
を複合化したものに、さらにカチオン性の水溶性高分子
化合物(c)を組み合わせることも可能である。この組
み合わせの場合には、(a)と(b)の複合化物と
(c)をあらかじめ繊維スラリーに添加する前に混合す
る必要はなく、それぞれを、逐次または同時に繊維スラ
リーに添加して抄紙してもよいし、それぞれを全部、あ
るいは一部をあらかじめ複合化した後に繊維スラリーに
添加して抄紙してもよい。
【0015】本発明で用いられるアニオン性合成樹脂エ
マルション(a)としては、重合性二重結合を有するモ
ノマーから公知の重合方法により得られるものが利用で
きるが、アニオン性基を含有している合成樹脂エマルシ
ョンであればよく、特に製法に制限はない。
【0016】例えば、(1)アニオン性基を有する高分
子あるいは低分子界面活性剤を分散剤とするエチレン性
不飽和単量体および/またはジエン系単量体の乳化
(共)重合、分散(共)重合または懸濁(共)重合によ
り得られる合成樹脂エマルション、(2)エチレン性不
飽和単量体および/またはジエン系単量体の一部をアニ
オン性基を有するエチレン性不飽和単量体および/また
はジエン系単量体に置換して乳化(共)重合、分散
(共)重合または懸濁(共)重合して得られる合成樹脂
エマルション、(3)アニオン性を付与し得るラジカル
形成触媒を用いた、エチレン性不飽和単量体および/ま
たはジエン系単量体の乳化(共)重合、分散(共)重合
または懸濁(共)重合により得られる合成樹脂エマルシ
ョンなどが挙げられる。
【0017】アニオン性合成樹脂エマルションを構成す
る単量体の例としては、アニオン性基を有する単量体と
して不飽和カルボン酸化合物およびその他のアニオン性
ビニル化合物などがあり、その他の単量体として、オレ
フィン類、ハロゲン化オレフィン類、芳香族ビニル化合
物、不飽和カルボン酸エステル類、不飽和カルボン酸ジ
アルキルエステル類、シアン化ビニル化合物、ビニルエ
ステル類、不飽和カルボン酸アミド化合物、ビニルアル
キルエーテル化合物、ジエン系化合物、およびその他の
ビニル化合物などを挙げることができ、これらの群より
選択された一種または二種以上の化合物を混合使用でき
る。
【0018】以下に、それぞれの化合物の具体例を例示
する。不飽和カルボン酸化合物としては、アクリル酸、
クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル
酸、チグリン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール
酸、リノレン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイ
ン酸アルキルモノエステル、フマル酸、フマル酸アルキ
ルモノエステル、シトラコン酸、テトラコン酸、イタコ
ン酸、イタコン酸アルキルモノエステル、アンゲリカ
酸、2−ペンテン酸、β−メチルクロトン酸、β−メチ
ルチグリン酸、α−メチル−2−ペンテン酸、β−メチ
ル−2−ペンテン酸、メサコン酸、グルタコン酸、α−
ジヒドロムコン酸、2,3−ジメチルマレイン酸、2−
メチルグルタコン酸、3−メチルグルタコン酸、2−メ
チル−α−ジヒドロムコン酸、2,3−ジメチル−α−
ジヒドロムコン酸等の酸およびそれらのアルカリ金属
塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等を挙げることがで
きる。
【0019】その他のアニオン性ビニル化合物として
は、スチレンスルホン酸、2−スルホエチルアクリレー
ト、アクリルアミドプロパンスルホン酸等のスルホン酸
類およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有
機アミン塩等を挙げることができる。
【0020】さらに、上記のアニオン性ビニル化合物以
外にも、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸等のア
リルスルホン酸類とそれらの塩を使用することも可能で
ある。
【0021】オレフィン類としては、エチレン、プロピ
レン、イソブテン等を挙げることができる。ハロゲン化
オレフィン類としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等を挙げることができ
る。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、α−クロロスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレ
ン、o−クロロスチレン、2,5−ジクロロスチレン、
3,4−ジクロロスチレン、ジメチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン等を挙げることができる。
【0022】不飽和カルボン酸エステル類としては、メ
チルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアク
リレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレー
ト、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブ
チルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブ
チルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアク
リレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルアクリレ
ート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、エチレングリコールジアクリレート、エチレング
リコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジア
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレン
グリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオール
ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレー
ト、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル
酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチ
レングリコール、ジメタクリル酸−1,3−ブチレング
リコール、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、イソプロポキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、およびエポキシアクリレー
ト類やウレタンアクリレート類のジビニル化合物等を挙
げることができる。
【0023】不飽和カルボン酸ジアルキルエステル類と
しては、ジエチルフマレート、ジメチルイタコネート等
を挙げることができる。
【0024】シアン化ビニル化合物としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニ
トリル等を挙げることができる。
【0025】ビニルエステル類としては、ギ酸ビニル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル類、および、
アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル等のジビニル
エステル類等を挙げることができる。
【0026】不飽和カルボン酸アミド化合物としては、
アクリルアミド、メタアクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメ
タクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−エチルアクリ
ルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジエ
チルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミ
ド、N−プロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピ
ロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロ
イルモルホリン、N,N−ジ−n−プロピルアクリルア
ミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−n−ヘキシ
ルアクリルアミド、N−n−ヘキシルメタクリルアミ
ド、N−n−オクチルアクリルアミド、N−n−オクチ
ルメタクリルアミド、N−tert−オクチルアクリルアミ
ド、N−ドデシルアクリルアミド、N−n−ドデシルメ
タクリルアミド、N,N−ジグリシジルアクリルアミ
ド、N,N−ジグリシジルメタクリルアミド、N−(4
−グリシドキシブチル)アクリルアミド、N−(4−グ
リシドキシブチル)メタクリルアミド、N−(5−グリ
シドキシペンチル)アクリルアミド、N−(6−グリシ
ドキシヘキシル)アクリルアミド、メチレンビスアクリ
ルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、
N,N’−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルア
ミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキ
シメチルメタクリルアミド等を挙げることができる。
【0027】ビニルアルキルエーテル化合物としては、
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
イソプロピルエーテル、ビニル−n−プロピルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘ
キシルエーテル、ビニル−n−オクタデシルエーテル等
を挙げることができる。ジエン系化合物としては、アレ
ン、ブタジエン、イソプレン等のジオレフィン化合物お
よびクロロプレン等を挙げることができる。
【0028】その他のビニル化合物としては、N,N−
ジメチルアミノエチルアクリレート(DA)、N,N−
ジメチルアミノエチルメタクリレート(DM)、N,N
−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
メタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアク
リルアミド(DMAPAA)、N,N−ジメチルアミノ
プロピルメタクリルアミド(DMAPMA)等の塩基性
ビニル化合物とそれらの塩、さらに、DA、DM、DM
APAA、DMAPMA等をジメチル硫酸、メチルクロ
ライドやメチルブロマイド等のハロゲン化アルキル類、
アリルクロライド、ベンジルクロライドやベンジルブロ
マイド等のハロゲン化ベンジル類、エピクロルロヒドリ
ンやエピブロモヒドリン等のエピハロヒドリン類、プロ
ピレンオキシドやスチレンオキシド等のエポキシ類で四
級化したビニル化合物、N−ビニル−2−ピロリドン、
N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニル−5−メチルオ
キサゾリドン、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニル
ホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等を挙げること
ができる。
【0029】さらに、上記のビニル化合物以外にも、ア
リルアミン、N−メチルアリルアミン、2−メチルアリ
ルアミン、ジアリルアミン、ジメチルジアリルアンモニ
ウムクロリド等のアリルアミン類とそれらの塩、アリル
アルコール、メタリルアルコール、ジアリルイソフタレ
ート、ジアリルテレフタレート、ジエチレングリコール
ジアリルカーボネート、トリアリルシアヌレート等のア
リル化合物を使用することも可能である。
【0030】前記記載の単量体からなるアニオン性合成
樹脂エマルション(a,a')は、通常の乳化重合によっ
て得られ、通常水性媒体中において、乳化剤、重合開始
剤などを用いて製造される。
【0031】上記重合に使用する乳化剤としては、具体
的には、例えばアルキルスルホネート、アルキルアリル
スルホネート、アルキルサルフェート、アルキルナフタ
レンスルホネート、アルキルサクシネートスルホネート
等のアニオン性活性剤や、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレン脂肪族エステル等のノニオン性
活性剤を単独または併用にて使用することもできる。こ
れら乳化剤の使用量は、通常エマルション構成全重合体
成分に対して5重量%以下で使用される。
【0032】また上記重合に使用する重合開始剤として
は、具体的には酸化剤例えば過硫酸のカリウム、ナトリ
ウムやアンモニウム塩、過酸化水素、ジイソブチルベン
ゾイルパーオキシド、キュメンハイドロパーオキシド、
ラウリルパーオキシド等の酸化剤が単独で使用された
り、これらの酸化剤と亜硫酸ソーダ、重亜硫酸ソーダ、
チオ硫酸ソーダ等の還元剤との併用、即ちレドックスシ
ステムで用いることもできる。
【0033】また得られる重合体のゲル含有率の調節
は、乳化重合時に、具体的には例えばオクチルメルカプ
タン、t−ドデシルメルカプタン、ブチルメルカプタ
ン、n−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメル
カプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラ
デシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類や、ジ
メチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲ
ンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフ
ィド等のキサントゲンジスルフィド類や、テトラメチル
チウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフ
ィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラム
ジスルフィド類や、ターピノーレンなどのテルペノイド
類や、その他α−メチルスチレンダイマー、2−エチル
ヘキシルチオグリコレート、アルコール類等の連鎖移動
剤を一種または二種以上用いて行なうことができる。
【0034】また、重合中の粒子の安定化を図る目的で
保護コロイド剤として、例えば、ヒドロキシエチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアル
コール等を添加しても良い。
【0035】本発明に用いられる合成樹脂エマルション
の重合は、通常50〜100℃、ゲージ圧力0〜10K
g/cm2 の範囲で行なわれ、前述した単量体およびそ
の他の添加剤は一括添加、分割添加、または、連続添加
の何れの方法でも行なうことができる。
【0036】一方、本発明で用いられる特定のカチオン
性単量体を共重合成分とする(メタ)アクリルアミド系
重合体(b)とは、(メタ)アクリルアミドと下記一般
式(1)および/または(2)[化5]で表されるカチ
オン性単量体0.1〜20モル%を必須成分とし、必要
に応じてその他の共重合可能なビニル化合物を共重合し
て得られる共重合体であり、分子量は1万〜50万の共
重合体が利用できる。
【0037】
【化5】 (式中、nは2〜5の整数、R1は水素原子またはメチ
ル基、R2、R3は炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭
素数1〜4のアルキル基またはベンジル基、Yはアニオ
ンを示す。)
【0038】カチオン性単量体の量が0.1モル%より
少ないと、カチオン成分が少量すぎてアニオン性合成樹
脂エマルションの繊維に対する定着が低下しやすい傾向
にあり、20モル%より多くなると、カチオン成分が過
剰となり、繊維に対する定着率が下がる、あるいはアニ
オン性合成樹脂エマルションと混合したときに合成樹脂
エマルションが凝集を起こしやすい傾向にあるために好
ましくない。
【0039】また、特定のカチオン性単量体を共重合成
分とする(メタ)アクリルアミド系重合体(b)の分子
量が1万より小さいと繊維に対する定着率が低下しやす
い傾向にあり、50万より大きいとアニオン性合成樹脂
エマルション(a)と混合したときに合成樹脂エマルシ
ョンが凝集を起こしやすい傾向にあるために好ましくな
い。
【0040】特定のカチオン性単量体を共重合成分とす
る(メタ)アクリルアミド系重合体中の(メタ)アクリ
ルアミドの量は通常20〜99.9モル%の範囲にあ
り、(メタ)アクリルアミドは工業的に利用されるもの
であれば、製造方法に依らず、粉体あるいは水溶液の状
態で市販されているものを全て使用することができる。
【0041】特定のカチオン性単量体を共重合成分とす
る(メタ)アクリルアミド系重合体中の必須成分である
カチオン性単量体のより好ましい具体例としては、N,
N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリル
アミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジ−n−プロピルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n
−プロピルアミノブチルアクリルアミド、N,N−ジ−
n−ブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジ−n−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジ−n−ブチルアミノブチル(メタ)ア
クリルアミド等が挙げられ、さらにそれらを塩化メチ
ル、塩化ベンジル、ヨウ化メチル、臭化エチル等と反応
して4級化した単量体を挙げることができ、一種または
二種以上を混合使用できる。
【0042】その他の共重合可能なビニル化合物の例と
しては、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸エステ
ル類、不飽和カルボン酸ジアルキルエステル類、シアン
化ビニル化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物、不飽
和カルボン酸化合物、ビニルアルキルエーテル化合物、
およびその他のビニル化合物からなる群より選択された
一種以上の化合物である。
【0043】以下に、それぞれの化合物の具体例を例示
する。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、α−クロロスチレン、p−tert−ブ
チルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレ
ン、o−クロロスチレン、2,5−ジクロロスチレン、
3,4−ジクロロスチレン、ジメチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン等を挙げることができる。
【0044】不飽和カルボン酸エステル類としては、メ
チルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアク
リレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレー
ト、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブ
チルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブ
チルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアク
リレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルアクリレ
ート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、エチレングリコールジアクリレート、エチレング
リコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジア
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレン
グリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオール
ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレー
ト、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル
酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチ
レングリコール、ジメタクリル酸−1,3−ブチレング
リコール、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、イソプロポキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、およびエポキシアクリレー
ト類やウレタンアクリレート類のジビニル化合物等を挙
げることができる。不飽和カルボン酸ジアルキルエステ
ル類としてはジエチルフマレート、ジメチルイタコネー
ト等を挙げることができる。
【0045】シアン化ビニル化合物としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニ
トリル等を挙げることができる。不飽和カルボン酸アミ
ド化合物としては、ジアセトンアクリルアミド、N−メ
チルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメ
タクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチ
ルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミ
ド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−プロピル
アクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−ア
クリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、
N,N−ジ−n−プロピルアクリルアミド、N−n−ブ
チルアクリルアミド、N−n−ヘキシルアクリルアミ
ド、N−n−ヘキシルメタクリルアミド、N−n−オク
チルアクリルアミド、N−n−オクチルメタクリルアミ
ド、N−tert−オクチルアクリルアミド、N−ドデ
シルアクリルアミド、N−n−ドデシルメタクリルアミ
ド、N,N−ジグリシジルアクリルアミド、N,N−ジ
グリシジルメタクリルアミド、N−(4−グリシドキシ
ブチル)アクリルアミド、N−(4−グリシドキシブチ
ル)メタクリルアミド、N−(5−グリシドキシペンチ
ル)アクリルアミド、N−(6−グリシドキシヘキシ
ル)アクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、
N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−ヘ
キサメチレンビスアクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メ
トキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタ
クリルアミド等を挙げることができる。
【0046】不飽和カルボン酸化合物としては、アクリ
ル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、メタ
クリル酸、チグリン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノ
ール酸、リノレン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マ
レイン酸アルキルモノエステル、フマル酸、フマル酸ア
ルキルモノエステル、シトラコン酸、テトラコン酸、イ
タコン酸、イタコン酸アルキルモノエステル、アンゲリ
カ酸、2−ペンテン酸、β−メチルクロトン酸、β−メ
チルチグリン酸、α−メチル−2−ペンテン酸、β−メ
チル−2−ペンテン酸、メサコン酸、グルタコン酸、α
−ジヒドロムコン酸、2,3−ジメチルマレイン酸、2
−メチルグルタコン酸、3−メチルグルタコン酸、2−
メチル−α−ジヒドロムコン酸、2,3−ジメチル−α
−ジヒドロムコン酸等の酸およびそれらのアルカリ金属
塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等を挙げることがで
きる。
【0047】ビニルアルキルエーテル化合物としては、
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
イソプロピルエーテル、ビニル−n−プロピルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘ
キシルエーテル、ビニル−n−オクタデシルエーテル等
を挙げることができる。その他のビニル化合物として
は、エチレン、プロピレン、イソブテン等のオレフィン
類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン類、アレン、ブ
タジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン化合
物、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バ
ーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエス
テル類、アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル等の
ジビニルエステル類、スチレンスルホン酸、2−スルホ
エチルアクリレート、アクリルアミドプロパンスルホン
酸等のスルホン酸類およびそれらのアルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩、有機アミン塩、N,N−ジメチルアミノ
エチルアクリレート(DA)、N,N−ジメチルアミノ
エチルメタクリレート(DM)、N,N−ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル
メタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリ
レート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
(DMAPAA)、N,N−ジメチルアミノプロピルメ
タクリルアミド(DMAPMA)等の塩基性ビニル化合
物とそれらの塩、さらに、DA、DM、DMAPAA、
DMAPMA等をジメチル硫酸、メチルクロライドやメ
チルブロマイド等のハロゲン化アルキル類、アリルクロ
ライド、ベンジルクロライドやベンジルブロマイド等の
ハロゲン化ベンジル類、エピクロルヒドリンやエピブロ
モヒドリン等のエピハロヒドリン類、プロピレンオキシ
ドやスチレンオキシド等のエポキシ類で四級化したビニ
ル化合物、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルオ
キサゾリドン、N−ビニル−5−メチルオキサゾリド
ン、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド、マレイミド、N−フェニ
ルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を挙げ
ることができる。
【0048】さらに、上記のビニル化合物以外にも、ア
リルアミン、N−メチルアリルアミン、2−メチルアリ
ルアミン、ジアリルアミン、ジメチルジアリルアンモニ
ウムクロリド等のアリルアミン類とそれらの塩、アリル
スルホン酸、メタリルスルホン酸等のアリルスルホン酸
類とそれらの塩、アリルアルコール、メタリルアルコー
ル、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレー
ト、ジエチレングリコールジアリルカーボネート、トリ
アリルシアヌレート等のアリル化合物を使用することも
可能である。
【0049】本発明に用いられる特定のカチオン性単量
体を共重合成分とする(メタ)アクリルアミド系重合体
(b)を製造する方法は公知の重合方法、例えば水溶液
重合、沈殿重合、乳化重合等を用いることが出来る。ま
た回分重合、半回分重合の何れの組み合わせでもよく、
重合方法は何等制限されない。
【0050】通常はラジカル重合開始剤の存在下、重合
溶液を所定温度に保つことにより重合を行う。重合中同
一温度に保つ必要はなく、重合の進行にともない適宜変
えてよく、必要に応じて加熱あるいは除熱しながら行
う。重合温度は使用するモノマーの種類や重合開始剤の
種類などにより異なり、単一開始剤の場合には概ね30
〜100℃の範囲であり、レドックス系重合開始剤の場
合にはより低く、一括で重合を行う場合には概ね−5〜
50℃であり、逐次添加する場合には概ね30〜90℃
である。重合器内の雰囲気は特に限定はないが、重合を
速やかに行わせるには窒素ガスのような不活性ガスで置
換した方がよい。重合時間は特に限定はないが、概ね1
〜40時間である。
【0051】重合溶媒としては水を用いるが、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、アセトン、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール等の有機溶剤を併
用してもよい。
【0052】重合開始剤としては一般の水溶性の開始剤
が使用できる。過酸化物系としては、例えば過硫酸アン
モニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、tert−ブ
チルパーオキサイド等が挙げられる。この場合、単独で
も使用できるが、還元剤と組み合わせてレドックス系重
合剤としても使える。還元剤としては、例えば亜硫酸
塩、亜硫酸水素塩、鉄、銅、コバルト等の低次のイオン
の塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩、N,N,N’,N’
−テトラメチルエチレンジアミン等の有機アミン、更に
はアルドース、ケトース等の還元糖等を挙げることがで
きる。また、アゾ化合物系では、2,2’−アゾビス−
2−アミジノプロパン塩酸塩、2,2’−アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス
−4−シアノバレイン酸及びその塩等を使用することが
できる。更に上記した重合開始剤を2種以上併用しても
よい。重合開始剤の添加量は単量体に対して0.000
1〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.01〜
8重量%である。また、レドックス系の場合には、重合
開始剤に対して還元剤の添加量はモル基準で0.1〜1
00%、好ましくは0.2〜80%である。
【0053】特定のカチオン性単量体を共重合成分とす
る(メタ)アクリルアミド系重合体(b)の重合は、分
子量あるいは重合速度を調整するなどの目的で、必要に
応じてpH調整剤、連鎖移動剤等を使用してもよい。
【0054】pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム,アンモニア等の無機塩基類、エタノー
ルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の有
機塩基類、及び炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、
酢酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の塩類等が
挙げられる。
【0055】連鎖移動剤としては、イソプロピルアルコ
ール、α−チオグリセロール、メルカプトコハク酸、チ
オグリコール酸、トリエチルアミン、次亜リン酸ナトリ
ウム等のなかから1種または2種以上の混合物を適宜使
用することができる。
【0056】また、金属イオンを封止するあるいは重合
速度を調整する等の目的で、エチレンジアミン4酢酸ナ
トリウム(EDTA−Na)や尿素、チオ尿素等の化合
物を併用してもよい。pH調整剤、連鎖移動剤等の使用
量は、使用目的に応じて異なるが、概ねモノマー重量に
対してpH調整剤は100ppm〜10%、連鎖移動剤
やその他の添加剤は1.0ppm〜5.0%の範囲にあ
る。
【0057】重合に供するモノマー類、溶媒、重合開始
剤、連鎖移動剤等は重合を開始する時点で一度に反応容
器に仕込んでもよいが、重合の進行に応じて、1種ある
いはそれ以上の成分を単独あるいは溶媒等に混合したも
のを逐次添加してもよい。
【0058】アニオン性合成樹脂エマルション(a)と
特定のカチオン性単量体を共重合成分とする(メタ)ア
クリルアミド系重合体(b)の固形換算重量比は、10
0:0.1〜0.1:100の範囲であり、好ましくは
100:1〜1:100の範囲である。(b)/(a)
が0.001より少なくなると特定のカチオン性単量体
を共重合成分とする(メタ)アクリルアミド系重合体
(b)の保護コロイドとしての効果が得られにくく、合
成樹脂エマルションの安定性への寄与が不十分となり、
さらに繊維に対する定着率が低下する傾向にある。
(a)/(b)が0.001より少なくなると、抄紙後
に得られる紙に対してサイズ性などの合成樹脂エマルシ
ョン由来の効果が減少する傾向にあり、好ましくない。
【0059】本発明においては、特定のカチオン性単量
体を共重合成分とする(メタ)アクリルアミド系重合体
(b)を併用することで十分に繊維に定着するが、さら
に定着率を向上させる等の理由によりカチオン性の水溶
性高分子化合物(c)を用いることができる。この
(c)の使用量には特に制限はない。
【0060】本発明で用いられるカチオン性の水溶性高
分子化合物(c)としては、従来公知のカチオン化澱
粉、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、カ
チオン性ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポ
リアリルアミン、ポリビニルアミン、アミジン系ポリマ
ー、ジシアンジアミドホルムアルデヒド樹脂などを挙げ
ることができ、1種または2種以上を混合使用できる。
また、本発明の内添抄紙方法とは、公知の内添抄紙方法
でよく、通常の繊維スラリーに上記内添製紙用添加剤組
成物を添加し、繊維に定着させて抄造する方法である。
【0061】本発明で使用される(a)、(b)または
(a)、(b)、(c)のトータル添加量は、パルプの
種類等により変化するが、パルプの乾燥重量に対して概
ね0.01〜10重量%、一般的には0.05〜 8重
量%、好ましくは0.05〜5重量%の範囲にある。
【0062】本発明の内添抄紙方法においては、水溶性
のアニオン性樹脂を併用すると更に効果が増す場合もあ
る。このとき使用される水溶性のアニオン性樹脂とは、
カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などのアニオ
ン性の置換基、あるいはそれらの塩を含有する水溶性の
樹脂であり、例えばアニオン性アクリルアミド系樹脂、
アニオン性ポリビニルアルコール系樹脂、カルボキシメ
チルセルロース、カルボキシメチル化でんぷん、アルギ
ン酸ナトリウム等を挙げることができ、その併用量は概
ね本発明で用いられる(b)(メタ)アクリルアミド系
共重合体1に対して重量比で0.01〜100、好まし
くは0.1〜10の範囲にある。
【0063】本発明の内添抄紙方法においては、硫酸バ
ンド(硫酸アルミニウム)、ポリ塩化アルミニウム、硫
酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄などを併用すること
により諸性能が向上する場合もあるが、紙の種類によっ
ては全く使用しなくても良い。これらの薬剤の添加順序
は、任意の順序、あるいは同時に添加することができ
る。添加場所は湿潤シートが形成される以前であればよ
く、通常はパルプへ均一に付着できるように原液を希釈
して添加される。
【0064】また、填料として炭酸カルシウム、クレ
ー、タルク、カオリン、酸化チタン等1種以上ををパル
プ乾燥重量に対して1〜35%使用することもできる。
特に本発明ではパルプに対する自己定着性が高いので、
炭酸カルシウムを填料とした中性抄紙においても得られ
る効果は高い。この場合、硫酸バンド等の薬品類を使用
しなくても十分な効果が得られるが、パルプ乾燥重量に
対して硫酸バンドを0.1〜1.0%程度添加すること
により定着率が向上し、より優れた性能を発現する場合
がある。
【0065】本発明の(a)アニオン性合成樹脂エマル
ションと(b)特定のカチオン性単量体を共重合成分と
する(メタ)アクリルアミド系重合体との複合化物、お
よび/またはさらに(c)カチオン性の水溶性高分子化
合物とを併用して内添抄紙に用いると、繊維に対して高
い定着性を示し、得られる紙は合成樹脂エマルションに
由来する機能をよく発揮する。詳しい機構は不明である
が、特定のカチオン性単量体を共重合した(メタ)アク
リルアミド系重合体を用いることにより、アニオン性合
成樹脂エマルションの良好な保護コロイドとして機能
し、繊維に定着しやすくなっているためと考えられる。
【0066】本発明の内添抄紙方法によれば、紙または
板紙を抄紙する工程において、填料や微細繊維の歩留り
向上機能や、紙の物理的な強度を向上させる紙力増強機
能、さらには紙の表面改質作用として例えばサイズ機能
などを発現する。これらの内添抄紙方法により得られる
紙は、サイズ性、強度ともに優れた紙となる。
【0067】
【実施例】以下、実施例で本発明を詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。ま
た、以下例中において用いる部および%は特記のない限
り重量基準を示す。粘度は25℃においてB型粘度計
((株)トキメック社製)により計測した値である。分
子量はGPC分析法により行い、カラムはShodex OH-pa
k SB-80M+SB-804、溶離液は(Na2HPO4-KH2PO4(50mM)-N
aNO3(0.1M),pH6.5)を用いて測定を行った。
【0068】[製造例1]合成樹脂エマルション(a−1) 攪拌機付きオートクレーブ中に脱イオン水100部を仕
込み、窒素置換しながら65℃に調整した後、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウ
ム2.7部を添加した。この水溶液に、ホモジナイザー
を用いて乳化したブタジエン34部、スチレン60部、
アクリル酸 1部、イタコン酸 2部、メタクリルアミ
ド 3部の単量体混合物計100重量部とtert−ド
デシルメルカプタン0.6部、α−メチルスチレンダイ
マー1.2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.3部および脱イオン水50部からなるエマルション
を、6時間で添加した後、重合を完結させるため、さら
に8時間重合を継続し重合転化率98%で重合を終了し
た。次いで、得られた合成樹脂エマルションを水酸化ナ
トリウムを用いてpH6に調整した後、水蒸気を吹き込
んで未反応単量体を除去し、さらに加熱減圧蒸留によっ
て固形分50%の合成樹脂エマルション(a−1)を得
た。
【0069】[製造例2]アクリルアミド系重合体(b−1) 攪拌機、温度計を備えたデュワー瓶に50%アクリルア
ミド350.9gとN,N−ジメチルアミノプロピルア
クリルアミド(DMAPAA)20.7gと80%アク
リル酸4.8g、35%塩酸13.8gと蒸留水58
9.8gを水溶液温度を30℃に調整して仕込んだ。こ
の水溶液に、開始剤として過硫酸アンモニウム(AP
S)1.0gを蒸留水9.0gに、亜硫酸水素ナトリウ
ム(SBS)1.0gを蒸留水9.0gにそれぞれ溶解
した後に添加し、反応を開始した。1時間重合を行い、
その間の水溶液の温度制御は行わず、自然発熱させた。
冷却して反応を終了させ、25℃におけるブルックフィ
ールド粘度460cpsのアクリルアミド系重合体(b
−1)水溶液を得た。重量平均分子量をGPCにより測
定したところ、95,000であった。
【0070】[製造例3]アクリルアミド系重合体(b−2) 攪拌機、温度計を備えたデュワー瓶に50%アクリルア
ミド339.5gと75%3−アクリルアミドプロピル
トリメチルアンモニウムクロライド(DMAPAA−
Q)35.4gと80%アクリル酸4.6gと蒸留水6
00.5gを水溶液温度を30℃に調整して仕込んだ。
この水溶液に、開始剤としてAPS1.0gを蒸留水
9.0gに、SBS1.0gを蒸留水9.0gにそれぞ
れ溶解した後に添加し、反応を開始した。1時間重合を
行い、その間の水溶液の温度制御は行わず、自然発熱さ
せた。冷却して反応を終了させ、25℃におけるブルッ
クフィールド粘度235cpsのアクリルアミド系重合
体(b−2)水溶液を得た。重量平均分子量をGPCに
より測定したところ、82,000であった。
【0071】[製造例4]アクリルアミド系重合体(b−3) 攪拌機、温度計を備えたデュワー瓶に50%アクリルア
ミド346.9gと75%DMAPAA−Q35.4g
と蒸留水597.7gを水溶液温度を30℃に調整して
仕込んだ。この水溶液に、開始剤としてAPS1.0g
を蒸留水9.0gに、SBS1.0gを蒸留水9.0g
にそれぞれ溶解した後に添加し、反応を開始した。1時
間重合を行い、その間の水溶液の温度制御は行わず、自
然発熱させた。冷却して反応を終了させ、25℃におけ
るブルックフィールド粘度233cpsのアクリルアミ
ド系重合体(b−3)水溶液を得た。重量平均分子量を
GPCにより測定したところ、76,000であった。
【0072】[比較製造例1]アクリルアミド系重合体(B−1) 攪拌機、温度計を備えたデュワー瓶に50%アクリルア
ミド370.7gとN,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリレート(DM)10.7gと80%アクリル酸4.
9g、35%塩酸7.1gと蒸留水586.6gを水溶
液温度を30℃に調整して仕込んだ。この水溶液に、開
始剤としてAPS1.0gを蒸留水9.0gに、SBS
1.0gを蒸留水9.0gにそれぞれ溶解した後に添加
し、反応を開始した。1時間重合を行い、その間の水溶
液の温度制御は行わず、自然発熱させた。冷却して反応
を終了させ、25℃におけるブルックフィールド粘度5
17cpsのアクリルアミド系重合体(B−1)水溶液
を得た。重量平均分子量をGPCにより測定したとこ
ろ、85,600であった。
【0073】[比較製造例2]アクリルアミド系重合体(B−2) 攪拌機、温度計を備えたデュワー瓶に50%アクリルア
ミド339.3gと80%β−メタクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウムクロライド(DM−q)3
3.3gと80%アクリル酸4.6gと蒸留水602.
8gを水溶液温度を30℃に調整して仕込んだ。この水
溶液に、開始剤としてAPS1.0gを蒸留水9.0g
に、SBS1.0gを蒸留水9.0gにそれぞれ溶解し
た後に添加し、反応を開始した。1時間重合を行い、そ
の間の水溶液の温度制御は行わず、自然発熱させた。冷
却して反応を終了させ、25℃におけるブルックフィー
ルド粘度342cpsのアクリルアミド系重合体(B−
2)水溶液を得た。重量平均分子量をGPCにより測定
したところ、76,900であった。
【0074】[比較製造例3]アクリルアミド系重合体(B−3) 攪拌機、温度計を備えたデュワー瓶に50%アクリルア
ミド355.3gと70%β−メタクリロイルオキシエ
チルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(DM−
Bq)26.5gと80%アクリル酸4.7gと蒸留水
593.4gを水溶液温度を30℃に調整して仕込ん
だ。この水溶液に、開始剤としてAPS1.0gを蒸留
水9.0gに、SBS1.0gを蒸留水9.0gにそれ
ぞれ溶解した後に添加し、反応を開始した。1時間重合
を行い、その間の水溶液の温度制御は行わず、自然発熱
させた。冷却して反応を終了させ、25℃におけるブル
ックフィールド粘度339cpsのアクリルアミド系重
合体(B−3)水溶液を得た。重量平均分子量をGPC
により測定したところ、77,300であった。
【0075】単純ブレンド法〔I〕 以下に合成樹脂エマルション(a)と(メタ)アクリル
アミド系重合体(b)を抄紙前にあらかじめ混合した複
合化物の製造例を示す。製造例5〜8の複合化物は分散
安定性が高く、分離、凝集等を起こさなかったが、比較
製造例4〜6の複合化物は分散性が悪く、静置すると2
層に分離した。目視にて確認した結果を表1に示した。
【0076】[製造例5]固形分濃度を40%に調整し
た、製造例1で得た合成樹脂エマルション(a−1)2
50部に蒸留水を250部加えて撹拌後、さらに固形分
濃度を20%に調整した製造例2で得たアクリルアミド
系重合体(b−1)50部を加えて撹拌し、固形分濃度
20%の複合化物(d−1)を得た。
【0077】[製造例6]製造例5において、アクリル
アミド系重合体を製造例3で得たアクリルアミド系重合
体(b−2)に変更した以外は同様の操作を行い、複合
化物(d−2)を得た。
【0078】[製造例7]固形分濃度を40%に調整し
た、製造例1で得た合成樹脂エマルション(a−1)1
50部に蒸留水を150部加えて撹拌後、さらに固形分
濃度を20%に調整した製造例3で得たアクリルアミド
系重合体(b−2)300部を加えて撹拌し、固形分濃
度20%の複合化物(d−3)を得た。
【0079】[製造例8]製造例5において、アクリル
アミド系重合体を製造例4で得たアクリルアミド系重合
体(b−3)に変更した以外は同様の操作を行い、複合
化物(d−4)を得た。
【0080】[比較製造例4]製造例5において、アク
リルアミド系重合体を比較製造例1で得たアクリルアミ
ド系重合体(B−1)に変更した以外は同様の操作を行
い、複合化物(D−1)を得た。
【0081】[比較製造例5]製造例5において、アク
リルアミド系重合体を比較製造例2で得たアクリルアミ
ド系重合体(B−2)に変更した以外は同様の操作を行
い、複合化物(D−2)を得た。
【0082】[比較製造例6]製造例5において、アク
リルアミド系重合体を比較製造例3で得たアクリルアミ
ド系重合体(B−3)に変更した以外は同様の操作を行
い、複合化物(D−3)を得た。
【0083】保護コロイド重合法〔III〕 以下に合成樹脂エマルション(a)と(メタ)アクリル
アミド系重合体(b)を保護コロイド重合法により複合
化した複合化物の製造例を示す。
【0084】[製造例9]攪拌機付きオートクレーブ中
に脱イオン水 350部を仕込み、窒素置換しながら6
5℃に調整した後、製造例2で製造したアクリルアミド
系重合体(b−1)10%水溶液 100部、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウ
ム2.7部を添加した。この水溶液に、ホモジナイザー
を用いて乳化したブタジエン34部、スチレン60部、
アクリル酸 1部、イタコン酸 2部、メタクリルアミ
ド 3部の単量体混合物計100重量部とtert−ド
デシルメルカプタン0.6部、α−メチルスチレンダイ
マー1.2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.3部および脱イオン水50部からなるエマルション
を、6時間で添加した後、重合を完結させるため、さら
に8時間重合を継続し重合転化率98%で重合を終了し
た。次いで、得られた合成樹脂エマルションを水酸化ナ
トリウムを用いてpH6に調整した後、水蒸気を吹き込
んで未反応単量体を除去し、さらに加熱減圧蒸留によっ
て固形分25%の複合化物(d−5)を得た。
【0085】[抄紙実施例1]LBKPから得られた濾
水度(カナディアン・スタンダード・フリーネス、以下
CSFと記す)470mlである濃度1.0%のパルプ
スラリーに最終的にpHが8になるように硫酸を添加し
て1分間撹拌した。この中に、あらかじめスラリー状に
しておいた炭酸カルシウム(PC:白石工業社製)を対
パルプ(乾燥重量基準以下同じ)で抄紙乾燥後に10%
になるように添加して1分間撹拌し、さらに製造例5で
得られた複合化物(d−1)を対パルプで2.0%添加
して1分間撹拌した。さらにカチオン化澱粉(ネオタッ
ク#40T:日本食品加工社製)を対パルプで1.0%
添加し、2分間撹拌したパルプスラリーを用い、TAP
PI角形シートマシンによる抄紙を行った。抄紙したウ
ェットシートは3.5kg/cm2で7分間プレス後、
ドラムドライヤーで110℃、3分間乾燥を行い、坪量
70g/m2の手抄き紙を得た。この紙を20℃で相対
湿度65%の恒温恒湿室で24時間以上シーズニングを
行った後、JIS−P8112に準じ破裂強度を、熊谷
理機工業(株)のインターナルボンドテスターによりZ
軸強度を、JIS−P8113に準じ裂断長を、JIS
−P8122に準じステキヒトサイズ度を測定した。各
物性を表2に示した。
【0086】[抄紙実施例2〜5]抄紙実施例1におい
て、複合化物を製造例6〜9で得られた複合化物(d−
2)〜(d−5)に変更した以外は同様の操作を行っ
た。各物性を表2に示した。
【0087】[抄紙比較例1]抄紙実施例2において、
(a−1)と(b−2)を混合せずに別々に添加する以
外は同様の操作を行った。各物性を表2に示した。
【0088】[抄紙比較例2〜4]抄紙実施例1におい
て、複合化物(d−1)の代わりに比較製造例4〜6で
製造した複合化物(D−1)〜(D−3)を使用した以
外には同様の操作を行った。各物性を表2に示した。
【0089】[抄紙実施例6]LBKPから得られたC
SF430mlである濃度1.0%のパルプスラリーに
最終的にpHが8になるように硫酸を添加して1分間撹
拌した。この中に、あらかじめスラリー状にしておいた
炭酸カルシウム(PC:白石工業社製)を対パルプで最
終的に5%になるように添加して1分間撹拌し、さらに
製造例5で得られた複合化物(d−1)を対パルプで
2.0%添加して1分間撹拌した。さらにポリアミドポ
リアミンエピクロロヒドリン樹脂(ユーラミンP−56
00:三井東圧化学社製)を対パルプで0.4%さらに
添加し、2分間撹拌したパルプスラリーを用い、TAP
PI角形シートマシンによる抄紙を行った。抄紙したウ
ェットシートは3.5kg/cm2で7分間プレス後、
ドラムドライヤーで110℃、3分間乾燥を行い、坪量
70g/m2の手抄き紙を得た。抄紙実施例1と同様シ
ーズニング後、抄紙実施例1と同じ測定を行った。各物
性を表3に示した。
【0090】[抄紙実施例7〜10]抄紙実施例6にお
いて、複合化物を製造例6〜9で得られた複合化物(d
−2)〜(d−5)に変更した以外は同様の操作を行っ
た。各物性を表3に示した。
【0091】[抄紙比較例5]抄紙実施例7において、
(a−1)と(b−2)を混合せずに別々に添加する以
外は同様の操作を行った。各物性を表3に示した。
【0092】[抄紙比較例6〜8]抄紙実施例6におい
て、複合化物(d−1)の代わりに比較製造例4〜6で
製造した複合化物(D−1)〜(D−3)を使用した以
外には同様の操作を行った。各物性を表3に示した。
【0093】[抄紙実施例11]LBKPから得られた
CSF380mlである濃度1.0%のパルプスラリー
に最終的にpHが8になるように水酸化ナトリウムを添
加して1分間撹拌した。この中に、製造例5で得られた
複合化物(d−1)を対パルプで2.0%添加して1分
間撹拌後、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹
脂(ユーラミンP−5600:三井東圧化学社製)を対
パルプで0.4%さらに添加し、2分間撹拌した。この
パルプスラリーを用い、TAPPI角形シートマシンに
よる抄紙を行った。抄紙したウェットシートは3.5k
g/cm2で7分間プレス後、ドラムドライヤーで11
0℃、3分間乾燥を行い、坪量70g/m2の手抄き紙
を得た。抄紙実施例1と同様シーズニング後、抄紙実施
例1と同じ測定を行った。各物性を表4に示した。
【0094】[抄紙実施例12〜15]抄紙実施例11
において、複合化物を製造例6〜9で得られた複合化物
(d−2)〜(d−5)に変更した以外は同様の操作を
行った。各物性を表4に示した。
【0095】[抄紙比較例9]抄紙実施例12におい
て、(a−1)と(b−2)を混合せずに別々に添加す
る以外は同様の操作を行った。各物性を表4に示した。
【0096】[抄紙比較例10〜12]抄紙実施例11
において、複合化物(d−1)の代わりに比較製造例4
〜6で製造した複合化物(D−1)〜(D−3)を使用
した以外には同様の操作を行った。各物性を表4に示し
た。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、合成樹脂エマルション
(a)と特定のカチオン性単量体を共重合成分とする
(メタ)アクリルアミド系重合体(b)とを複合化する
ことにより、表2〜表4の数値が示すがごとく、強度、
サイズ性ともに優れた紙が得られた。特に、填料として
炭酸カルシウムを用いた硫酸バンドを使用しない中性抄
紙においても強度、サイズ性等の高い紙が得られること
から、本発明は中性ないしアルカリ性領域における抄紙
においても有用な内添抄紙方法である。これらの効果
は、内添前にあらかじめ(a)と(b)とを複合化した
場合に初めて発現するものであり、アクリルアミド系重
合体の保護コロイド特性が深く関与しているものと考え
られる。諸性能の向上は、分散安定性に優れる特定のカ
チオン性単量体を共重合したアクリルアミド系重合体に
おいて顕著であり、優れたサイズ性、紙力がもたらされ
る。
【0102】本発明により、合成樹脂エマルションを繊
維に効果的に歩留まらせることができ、サイズ性や強度
等の合成樹脂エマルション由来の機能を有効に発揮させ
た紙を得ることができた。特に自己定着性が高いので、
炭酸カルシウムを填料とした中性抄紙においても高い効
果が得られた

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アニオン性合成樹脂エマルション
    と(b)下記一般式(1)および/または(2)[化
    1]で表されるカチオン性単量体0.1〜20モル%を
    共重合成分とする分子量1万〜50万の(メタ)アクリ
    ルアミド系重合体の複合化物を使用することを特徴とす
    る内添抄紙方法。 【化1】 (式中、nは2〜5の整数、R1は水素原子またはメチ
    ル基、R2、R3は炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭
    素数1〜4のアルキル基またはベンジル基、Yはアニオ
    ンを示す。)
  2. 【請求項2】 (a)アニオン性合成樹脂エマルション
    と(b)下記一般式(1)および/または(2)[化
    2]で表されるカチオン性単量体0.1〜20モル%を
    共重合成分とする分子量1万〜50万の(メタ)アクリ
    ルアミド系重合体の複合化物と、(c)カチオン性の水
    溶性高分子化合物を使用することを特徴とする内添抄紙
    方法。 【化2】 (式中、nは2〜5の整数、R1は水素原子またはメチ
    ル基、R2、R3は炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭
    素数1〜4のアルキル基またはベンジル基、Yはアニオ
    ンを示す。)
  3. 【請求項3】 カチオン性の水溶性高分子化合物が、カ
    チオン化澱粉またはポリアミドポリアミンエピクロロヒ
    ドリン樹脂であることを特徴とする請求項2記載の内添
    抄紙方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003020595A (ja) * 2001-07-10 2003-01-24 Arakawa Chem Ind Co Ltd ケテンダイマー系製紙用サイズ剤およびサイジング方法

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