JPH11189626A - 温度応答型ハイドロゲル - Google Patents

温度応答型ハイドロゲル

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JPH11189626A
JPH11189626A JP9359388A JP35938897A JPH11189626A JP H11189626 A JPH11189626 A JP H11189626A JP 9359388 A JP9359388 A JP 9359388A JP 35938897 A JP35938897 A JP 35938897A JP H11189626 A JPH11189626 A JP H11189626A
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temperature
monomer
hydrogel
meth
mol
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JP9359388A
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Takashi Kimura
隆 木村
Kunihiko Takagi
邦彦 高木
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment

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  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な形状の物体にも均一且つ強固に重層す
ることが可能な、所定の温度変化に応答して薬剤の放出
制御を行うことができる温度応答型ハイドロゲルを提供
する。 【解決手段】 N−アルキル置換(メタ)アクリルアミ
ド単量体と反応性官能基を有する単量体を主成分として
重合して得られる共重合体が架橋剤により架橋されてい
ることを特徴とする温度応答型ハイドロゲル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度応答型ハイド
ロゲルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロカプセル化すること等により人
体中での医薬品動態、環境中への農薬や芳香剤の放出、
化学反応における触媒の供給を人為的に制御する試みが
多く為されてきた。例えば、最近の生医学的応用事例と
して、刺激が製剤に加えられた時のみ必要な場所へ必要
な量の薬物を放出する理想的なDDSが、刺激応答性ハ
イドロゲルを用いて検討されている。とりわけ、N−ア
ルキル置換(メタ)アクリルアミド系に代表される温度
応答型ハイドロゲルはDDSの薬物放出制御層として注
目され、数多くの研究事例がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの温度
応答型ハイドロゲルは重合時にメチレンビスアクリルア
ミドのような架橋剤を共に加え、重合と同時に架橋を進
行させて作製するものであり、複雑な形状の物体に薄く
均一に重層することは困難であった。また、これらの温
度応答型ハイドロゲルは反応性官能基を有していない
為、基材表面に安定に結合さすことができないという問
題点があった。
【0004】本発明は、かかる問題点を解決し、複雑な
形状の物体にも薄く均一かつ強固に重層することが可能
な、所定の温度変化に応答して薬剤等の物質の放出制御
を行うことができる温度応答型ハイドロゲルを提供する
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、N−ア
ルキル置換(メタ)アクリルアミド単量体と反応性官能
基を有する単量体を主成分とする温度応答型共重合体を
基材表面上で架橋剤により架橋することにより、温度応
答型ハイドロゲルを複雑な形状の物体にも薄く均一かつ
強固に重層できることを見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、N−アルキル置換
(メタ)アクリルアミド単量体と反応性官能基を有する
単量体を主成分として重合して得られる共重合体が架橋
剤により架橋されていることを特徴とする温度応答型ハ
イドロゲルを要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、温度応答型ハイ
ドロゲルとは、相転移温度を持つハイドロゲルのことを
指し、相転移温度を境にして、その温度以下では水を吸
収して膨潤する膨潤相となり、逆にその温度以上では水
を放出して収縮する収縮相となることができるゲルをい
う。この膨潤と収縮の挙動は水の存在下で可逆的に起こ
る。
【0008】本発明で用いられるN−アルキル置換(メ
タ)アクリルアミド単量体としては、具体的には、N−
メチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミ
ド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−エチルアク
リルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミド、N−ア
クリロイルピロリジン、N−アクリルロイルピペリジ
ン、N−アクリロイルモルホリン、N−n−プロピルメ
タクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、
N−エチルメタクリルアミド、N、N−ジメチルメタク
リルアミド、N−メタクリロイルピロリジン、N−メタ
クリロイルピペリジン、N−メタクリロイルモルホリン
等を挙げることができる。
【0009】本発明で用いられる反応性官能基を有する
単量体とは、分子内にサクシイミド基、酸無水物基とい
った活性アシル基やエポキシ基等の反応性官能基を有す
る二重結合を有する化合物を指すものであり、具体的に
は、グリシジルアクリレート、N−アクリルオキシサク
シイミド、グリシジルメタクリレート、N−メタクリル
オキシサクシイミド等が挙げられる。
【0010】本発明で用いられる架橋剤とは、共重合体
中の反応性官能基と反応しえる水酸基、アミノ基、カル
ボキシル基、チオール基のような活性水素基を分子内に
2個以上有する化合物を指し、具体的には、ポリオー
ル、ポリアミン、ポリカルボン酸等が挙げられる。
【0011】ポリオールとは、1分子中に少なくとも2
個のヒドロキシル基を有する化合物を指し、例えば、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビ
トール、ジグリセリン、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどが挙
げられ、特にポリアルキレングリコールが好ましい。
【0012】ポリアミンとは、1分子中に少なくとも2
個のアミノ基を有する化合物を指し、例えば、エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ポリ(オキシエチレン)ジアミン、ポリ(オキシプ
ロピレン)ジアミン等のジアミン、ポリビニルアミン、
アミノアセタール化ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ンイミン、ジアミンとエピクロルヒドリンの反応生成物
等が挙げられる。
【0013】ポリカルボン酸とは、1分子中に少なくと
も2個のカルボキシル基を有する化合物を指し、例え
ば、テレフタル酸、アジピン酸、ポリアクリル酸、マレ
イン酸−メチルビニルエーテル共重合体、カルボキシメ
チルセルロース等が挙げられる。これら架橋剤は低分子
量のものであっても高分子量のものであってもどちらで
も構わないが、架橋剤の構造により該ハイドロゲルの体
積を制御することができる。すなわち、活性水素基間の
距離が長ければ長いほど生じるハイドロゲルの体積が増
大する。
【0014】本発明の温度応答型ハイドロゲルを得るに
は、まず、N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド単
量体と反応性官能基を有する単量体を主成分として重合
し共重合体を得る。このとき用いるN−アルキル置換
(メタ)アクリルアミド単量体は、ゲルの温度応答性を
確保する意味から、重合させる全単量体中30モル%以
上用いるのが好ましく、特に好ましくは50モル%以上
用いるのがよい。反応性官能基を有する単量体は、重合
させる全単量体中1〜30モル%以上用いるのが好まし
く、特に好ましくは5〜20モル%用いるのがよい。
【0015】これらの単量体から成る共重合体を合成す
る際、重合を開始させる方法としては、加熱のみによっ
ても行い得るが、通常、重合開始剤もしくは電子線を使
用した方が良好な結果が得られる。重合開始剤として
は、ラジカル重合を開始する能力を有するものであれば
制限はなく、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、ベンゾイルパーオ
キシド、t−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物、そ
れらの過酸化物と鉄、コバルト、銅等の塩、亜硫酸塩、
亜硫酸水素塩等の還元剤との組合せ及びアゾビスイソブ
チロニトリル等のアゾ化合物等を挙げることができる。
これらの重合開始剤の添加量は通常のラジカル重合で採
用される範囲で充分であり、単量体に対して0.01〜
5重量%、好ましくは0.05〜2重量%の範囲であ
る。
【0016】重合温度及び重合時間は、使用する開始剤
の種類によって異なるが、それぞれ通常4〜90℃、好
ましくは20〜80℃、及び通常1〜72時間、好まし
くは12〜48時間である。
【0017】N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド
単量体と反応性官能基を有する単量体との共重合体を合
成する際、これらの単量体と共重合可能な1種以上の他
の単量体と併用することができる。このような単量体の
具体例として、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアク
リレート、アクリル酸、メタクリルアミド、ヒドロキシ
エチルメタクリレート、メタクリル酸等のような親水性
単量体及びエチルアクリレート、ブチルアクリレート、
メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等の(メ
タ)アクリレート誘導体、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン、スチ
レン、ブタジエン、イソプレン等のような疎水性単量体
を挙げることができる。
【0018】次いで、この重合体を上記した架橋剤によ
り架橋することで、本発明の温度応答型ハイドロゲルを
得ることができる。本発明の温度応答型ハイドロゲルの
架橋密度(重合体中の架橋している構造単位の数の全体
の構造単位の数に対する割合)は、0.1〜10%の範
囲にあることが好ましい。したがって、架橋反応におい
ては、架橋剤を単量体に対して0.01〜5モル%添加
すればよい。
【0019】架橋化反応の温度及び時間は、使用する架
橋剤と反応性官能基の組合せによって異なり、一概に規
定することはできない。また、架橋化反応を効率良く進
行させる為に、ピリジン、トリエチルアミン、トリエチ
ルベンジルアンモニウムクロライド等の触媒を適宜添加
しても良い。
【0020】本発明の温度応答型ハイドロゲルの相転移
温度は、具体的には、4〜80℃の範囲であり、好まし
くは20〜60℃の範囲である。ここで、相転移温度
は、温度応答型ハイドロゲルを恒温槽中に浸漬し、低温
から徐々に昇温していった時、ゲルが急激に収縮し始め
る時の温度として求められる。本発明の温度応答型ハイ
ドロゲルの相転移温度は、N−アルキル置換(メタ)ア
クリルアミド単量体、反応性官能基を有する単量体及び
その他単量体の種類または組成比、架橋剤の種類または
添加量によって自由に変えることができる為、必要に応
じた相転移温度を持つハイドロゲルを適宜作製すること
が可能である。具体的には、N−アルキル置換(メタ)
アクリルアミド単量体と共重合する疎水性の単量体の組
成比を増加させることにより、相転移温度を低下さすこ
とができる。また、N−アルキル置換(メタ)アクリル
アミド単量体と共重合する親水性の単量体の組成比を増
加させることにより、相転移温度は上昇する。
【0021】さらに、本発明の温度応答型ハイドロゲル
の相転移温度以下の所定温度での膨潤度は、N−アルキ
ル置換(メタ)アクリルアミド単量体、反応性官能基を
有する単量体及びその他単量体の種類または組成比、架
橋剤の種類または添加量によって自由に変えることがで
きる。すなわち、N−アルキル置換(メタ)アクリルア
ミド単量体と共重合する疎水性の単量体の組成比を増加
させるか架橋剤の組成比を上げることにより、膨潤度を
より小さくすることができる。また、N−アルキル置換
(メタ)アクリルアミド単量体と共重合する親水性の単
量体の組成比を増加させるか架橋剤の組成比を下げるこ
とにより、膨潤度をより大きくすることができる。な
お、ここで言う膨潤度は、いわゆる重量膨潤度のことで
あり以下の式により求める。 膨潤度=(純水で膨潤させた時のゲルの重量)/(ゲル
の絶乾重量)
【0022】本発明の温度応答型ハイドロゲルは、ブロ
ック状、ペレット状、膜状、繊維状、粒子状、フレーク
状等に成形して使用することができる。どの形状に成形
するかは、使用場面によって適宜決まってくるため一様
には規定できない。
【0023】本発明の温度応答型ハイドロゲルを、温度
応答性の放出制御層として利用することが可能である。
この場合、本発明の温度応答型ハイドロゲルの相転移温
度以下の所定温度での薬剤等の物質の透過速度は、ハイ
ドロゲルの厚さ、N−アルキル置換(メタ)アクリルア
ミド単量体、反応性官能基を有する単量体及びその他単
量体の種類または組成比、架橋剤の種類または添加量に
よって自由に変えることができる。所定の温度及び所定
の膜厚のもとでは、N−アルキル置換(メタ)アクリル
アミド単量体と共重合する疎水性の単量体の組成比を増
加させるか架橋剤の添加量を上げることにより、透過速
度をより小さくすることができる。また、N−アルキル
置換(メタ)アクリルアミド単量体と共重合する親水性
の単量体の組成比を増加させるか架橋剤の添加量を下げ
ることにより、透過速度をより大きくすることができ
る。
【0024】本発明の温度応答型ハイドロゲルにより放
出制御される物質としては、水に可溶であれば特に制限
はなく、医薬、農薬、触媒、芳香剤、酵素等を挙げるこ
とができる。例えば、医薬としては、アンピシリン、セ
ファゾリン、バンコマイシン、ホスフォマイシン、ゲン
タミシン、エリスロマイシン、ミノサイクリン、クロラ
ムフェニコール、シプロフロキサシン、リファンピシ
ン、スルファメトキサゾール、トリメトプリム、イソニ
コチン酸ヒドラジド等の抗菌剤が挙げられる。
【0025】本発明の温度応答型ハイドロゲルは、膨潤
状態では、薬剤等の物質は、そのハイドロゲル中に存在
する水を通じて拡散により系外へ放出され、収縮状態で
は、ゲル表面に疎水性の膜が生じる為、物質の拡散が抑
制され系外への放出が停止する。この疎水性の膜はゲル
表面で速やかに形成される為、物質の放出制御は迅速に
起こる。本発明の温度応答型ハイドロゲルを薬剤の放出
制御に適用する場合は水の存在が必須条件である。但
し、水だけである必要はなく、場合により適量の各種界
面活性剤、有機溶剤、塩類を含む水溶液においても該ハ
イドロゲルは温度応答性を示すことができる。
【0026】放出制御の形態としては、物質保持層と放
出制御層とを分離させたリザーバー型と薬剤等の物質を
放出制御層に分散させたモノリシック型の2つのタイプ
に分類されるが、本発明の温度応答型ハイドロゲルは、
必要に応じて膜状、板状、繊維状等に成形することによ
り、放出制御層として2つのタイプのいずれにも適用す
ることができる。すなわち、リザーバー型に適用した場
合、外部の温度が相転移温度以下の時、該ハイドロゲル
は膨潤状態となり物質は放出制御層を透過して外部に放
出され、外部の温度が相転移温度以上の時は該ハイドロ
ゲルは収縮状態となり物質は放出制御層を透過すること
ができなくなり外部への放出が停止する。また、物質を
該ハイドロゲル中に液体または固体状態で分散させるこ
とによりモノリシック型のものを容易に作製することが
できる。前述の通り、該ハイドロゲルは温度変化に対し
て表面律速である為、外部の温度が相転移温度以下の時
は該ハイドロゲル中の物質は拡散して外部に放出され、
相転移温度以上では表面が収縮し、疎水性の膜が速やか
に生じる為に物質の拡散が抑制され外部への放出は停止
する。
【0027】基材表面上に本発明の温度応答型ハイドロ
ゲルから成る膜を形成させる為には、N−アルキル置換
(メタ)アクリルアミド単量体と反応性官能基を有する
単量体を主成分として重合して得られる共重合体と架橋
剤とを基材表面上にて反応させて基材表面に該ハイドロ
ゲル膜を形成する。このためには、例えば、該共重合体
と架橋剤を溶解した溶液に基材表面を接触させ、次いで
基材表面を加熱するかもしくは触媒を添加する方法が好
適である。
【0028】また、本発明の温度応答型ハイドロゲル
は、未反応の反応性官能基を有しているので、ナイロン
等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリウ
レタン等のような活性水素基を分子内に有する基材表面
に共有結合さすこともできる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例で得られる温度応答性ハイドロゲルの
膨潤度は、いわゆる重量膨潤度のことであり以下の式に
より求められる。 膨潤度=(純水で膨潤させた時のゲルの重量)/(ゲル
の絶乾重量) また、相転移温度は、温度応答型ハイドロゲルを恒温槽
中に浸漬し、低温から徐々に昇温して分光光度計により
500nmにおける濁度を測定し、ゲルが急激に収縮し
始める時の温度として求められる。
【0030】実施例1 N−イソプロピルアクリルアミド2.4gとN−アクリ
ルオキシサクシイミド0.1gを無水テトラヒドロフラ
ン50mlに溶解させ、10分間アルゴンガスでバブリ
ングした後、同じくアルゴンガスでバブリング脱気した
アゾビスイソブチロニトリルの1重量%テトラヒドロフ
ラン溶液をシリンジで0.2ml添加した。アルゴンガ
ス雰囲気下50℃で24時間撹拌した後、ヘキサン10
0mlを加え、共重合体を沈殿させた。沈殿を濾過乾燥
し、共重合体2.2gを得た。得られた共重合体の1重
量%水溶液10mlにアジピン酸4.1mg及びトリエ
チルアミン14μg添加し、70℃で6時間放置するこ
とにより白色ゲルを得た。得られた白色ゲルを30℃及
び37℃の恒温水中に24時間浸し、ゲルの重量を測定
した後、ゲルを減圧乾燥して絶乾重量を測定した。膨潤
度を前式に基づいて計算したところ、このゲルの膨潤度
は30℃では6.3、37℃では、2.5であった(表
1参照)。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2 N−イソプロピルアクリルアミドを2.3gとN−アク
リルオキシサクシイミドを0.2gにした以外は実施例
1と同様の方法でハイドロゲルを得た。このハイドロゲ
ルの膨潤度を測定した。結果を表1に示す。
【0033】実施例3 N−イソプロピルアクリルアミド2.3gとN−アクリ
ルオキシサクシイミド0.1gとアクリルアミド0.1
gとを共重合させたこと以外は実施例1と同様の方法で
ハイドロゲルを得た。このハイドロゲルの膨潤度を測定
した。結果を表1に示す。上記の実施例1〜3の結果か
ら明らかなように、共重合体の組成比を変えることによ
り温度に対して異なる膨潤特性を有するハイドロゲルを
作製することができる。
【0034】実施例4 N−イソプロピルアクリルアミド12.0gとグリシジ
ルメタクリレート0.5gを純水250mlに溶解さ
せ、10分間アルゴンガスでバブリングした後、それぞ
れアルゴンガスでバブリング脱気した0.5重量%硫酸
アンモニウム水溶液及び0.5重量%亜硫酸水素ナトリ
ウム水溶液を別個にシリンジで5mlづつ添加した。ア
ルゴンガス雰囲気下室温で24時間撹拌した後、硫酸ア
ンモニウムを最終濃度で5重量%なるように添加し共重
合体を塩析沈殿させた。沈殿を濾過乾燥し、共重合体1
1.0gを得た。得られた共重合体の1重量%水溶液1
0mlにポリアミンであるイオネットYB−400(三
洋化成工業社製)を56mg添加し、25℃で1日放置
することにより透明ゲルを得た。このゲルの膨潤度を実
施例1と同様の方法で測定したところ、30℃では2.
0、37℃では、0.9であった。また、相転移温度は
32℃であった(表2参照)。次に、絶乾したゲルを1
mg/mlのバンコマイシン水溶液に10℃で24時間
浸しゲルにバンコマイシンを含ませた。バンコマイシン
含有ゲルを温度を制御した純水中に浸し、ゲルから遊離
してくるバンコマイシンの量をHPLCにより測定し
た。温度を30℃と37℃で段階的に変化させた時のバ
ンコマイシンの累積遊離量を図1に示す。
【0035】
【表2】
【0036】実施例5 N−イソプロピルアクリルアミドを11.5gとグリシ
ジルメタクリレート1.0gにした以外は実施例4と同
様の方法でハイドロゲルを得た。これらのハイドロゲル
の相転移温度、膨潤度、バンコマイシンの累積遊離量を
実施例4と同様の方法で測定した。結果を表2及び図1
にまとめた。
【0037】実施例6 N−イソプロピルアクリルアミド11.5gとグリシジ
ルメタクリレート0.5gとアクリルアミド0.5gと
を共重合させたこと以外は実施例4と同様の方法でハイ
ドロゲルを得た。これらのハイドロゲルの相転移温度、
膨潤度、バンコマイシンの累積遊離量を実施例4と同様
の方法で測定した。結果を表2及び図1にまとめた。こ
れから、共重合体の組成比を変えることによって、種々
の相転移温度及び膨潤特性を持つ温度応答型ハイドロゲ
ルが得られることがわかる。得られたハイドロゲルを放
出制御層として利用することにより、薬剤等の物質の放
出速度を温度により自在に制御することが可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明の温度応答型ハイドロゲルは、未
反応の反応性官能基を有しているので、基材表面に安定
に重層さすことができる。このハイドロゲルは温度に応
じて薬剤等の物質の放出速度を変化させる放出制御層と
して利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温度応答型ハイドロゲルに含ませたバ
ンコマイシンの種々の温度における遊離挙動を示す図で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド
    単量体と反応性官能基を有する単量体を主成分として重
    合して得られる共重合体が架橋剤により架橋されている
    ことを特徴とする温度応答型ハイドロゲル。
JP9359388A 1997-12-26 1997-12-26 温度応答型ハイドロゲル Pending JPH11189626A (ja)

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