JPH11189498A - 窒化物結晶の製造方法、混合物、液相成長方法、窒化物結晶、窒化物結晶粉末、および気相成長方法 - Google Patents

窒化物結晶の製造方法、混合物、液相成長方法、窒化物結晶、窒化物結晶粉末、および気相成長方法

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JPH11189498A
JPH11189498A JP11205298A JP11205298A JPH11189498A JP H11189498 A JPH11189498 A JP H11189498A JP 11205298 A JP11205298 A JP 11205298A JP 11205298 A JP11205298 A JP 11205298A JP H11189498 A JPH11189498 A JP H11189498A
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nitride crystal
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来大型結晶を得るのが困難であったGaN等
のIII 族元素の高純度な窒化物結晶を容易かつ安価に得
ることのできる、新規な結晶成長方法を提案することに
ある。 【解決手段】III 族金属元素を加熱、融解し、得ようと
する窒化物の融点以下の温度で、III 族金属元素の融液
3に窒素原子を含有するガスNH3 を注入して、III 族
金属元素の融液3内で、融液3との濡れ性の高いIII 族
の窒化物微結晶を製造する。これにより得られるIII 族
の窒化物微結晶とIII 族金属原料融液の混合物を液相成
長法の出発原料に用いるか、前記混合物からIII 族金属
原料を除去して得られるIII 族の窒化物粉末を気相成長
法の出発原料に用いる。さらに、ガリウム等のIII 族元
素の融液中に種結晶または基板結晶を浸漬し、その表面
にアンモニア等の窒素を含有するガスの気泡を断続的に
接触させて、種結晶または基板結晶の表面でIII 族元素
と窒素を含有するガスを反応させ、これによりその表面
にIII 族元素の窒化物結晶を成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、III 族元素の窒化
物結晶、特にGaN、AlN、InN等の窒化物結晶の
製造方法、混合物、液相成長方法、窒化物結晶、窒化物
結晶粉末、及び気相成長方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】いまだかって、GaN、AlN、InN
等の大型のIII 族窒化物結晶を容易に製造することので
きる方法は存在していない。GaNバルク結晶ができれ
ば、青色レーザダイオードの実現等にとり、そのインパ
クトは計り知れない。また、ワイドキャップ半導体材料
のバルク結晶は、21世紀に入ると本格化するものと思
われる。
【0003】GaNの結晶粉末を製造する方法として
は、Ga2 3 等のGaの酸化物をアンモニアと反応さ
せて製造する方法が実用化されており、これによって製
造された粉末が試薬用に市販される。
【0004】III 族窒化物結晶のバルク結晶を容易に製
造することのできる方法は、未だ開発されていない。わ
ずかに、S.Porowskiらによって次の文献が発表されてい
るが、非常に高い圧力を必要とするため、結晶の製造が
危険かつ因難である割に、得られた結晶のサイズは数mm
程度と小さい。
【0005】”Prospects for high-pressure crystal
growth of III-V nitrides”S.porowski,J.Jun,P.Perli
n,I.Grzegory,H.Teisseyre and T.SuskiInst.Phys.Con
f.Ser.No.137 :Chapter 4Paper presented at the 5th
SiC and Related Materials Conf.,Washington,DC,l99
3 GaNに代表されるIII 族窒化物は、融点が非常に高
く、また融点以下の温度で昇華、分解が起こるため、そ
の融液を作ることができず、融液からの結晶成長ができ
ない。また、III 族融液に対する溶解度が非常に低いた
め、溶液からの結晶成長も難しい。これまでに実用化さ
れているIII 族窒化物の結晶成長方法は、HVPE(水
素化物気相成長法)、MOVPE(有機金属気相成長)
法、MBE(分子線エピタキシー)法の3種の気相エピ
タキシャル成長法だけである。また、これにより製造さ
れたGaN系のLEDが市販されるに到っている。MO
VPE法によるGaNの結晶成長の例としては、次のよ
うな文献が発表されている。
【0006】”Novel metalorganic chemical vapor de
position system for GaN growth”S.Nakamura、Y.Hara
da and M.Seno 、Appl.Phys.Lett.58(18)6,l991
【0007】
【発明が解決しようとする課題】GaNに代表されるII
I 族元素の窒化物結晶は、近年青色発光素子用の材料と
して注目を集めている。素子を作成するためには、基板
の上に例えばGaN結晶等をエピタキシャル成長させる
必要がある。このエピタキシャル成長においては、成長
する結晶中の歪みの発生を防止するために、基板となる
結晶の格子定数や熱膨張率が、その上に成長する結晶と
同一であることが埋想的である。しかし、これまで基板
として使用できるような窒化物のバルク結晶は得られて
おらず、やむなく格子定数の異なるサファイア基板等で
代用し、その上にエピタキシャル成長してきた。
【0008】エピタキシャル成長法としては、現在MO
VPE法が主流となっているが、原料の、有機金属は、
発火しやすく危険であり、また高価であること。さら
に、大がかりで複雑、高価な成長装置を必要とするこ
と。成長結晶中に不純物として水素が入るのが避けられ
ず、これが原因となってp型結晶の高キャリア化が難し
いなどの問題がある。
【0009】したがってp型結晶を高キャリア化するた
め、p型誘電層を素子表面に持ってきて、窒化物結晶処
理を施す必要がある。p型誘電層を素子表面に持ってく
る必要性があるため、素子構造の設計の自由度が狭かっ
た。
【0010】他のエピタキシャル成長法として、III 族
元素の溶媒にIII 族窒化物結晶を溶質として溶かし、L
PE(液相エピタキシャル)成長させる方法がある。し
かし、従来市販されていたIII 族窒化物結晶は、例えば
GaNであればGa2 3 等のGaの酸化物をアンモニ
アと反応させて製造した微粉末であり、その形状に起因
してGaN結晶の表面がGaと濡れにくく、したがって
Gaに解けにくいという問題があった。
【0011】窒化物結晶の粉体は、蛍光材料としてや、
GaAs、GaP等の液相エピタキシャル成長における
ドーパント材料としても応用が期待される。しかし、従
来市販されていたGaN結晶粉末は、高価な割に純度が
低く、気相成長用の出発原料には不向きであった。ま
た、その形状に起因して半導体融液に解けにくいため、
液相成長用の原料やドーパント原料としても使いにくい
という問題があった。
【0012】本発明の目的は、前述のような従来技術の
問題点を解消し、GaN等の高純度なIII 族元素の窒化
物結晶を容易かつ安価に得ることのできる新規な窒化物
結晶の製造方法、混合物、気相成長方法、窒化物結晶、
窒化物結晶粉末、および気相成長方法を提案することに
ある。
【0013】また、本発明の他の目的は、これまで得ら
れていなかったGaN等のIII 族元素の窒化物結晶のバ
ルク結晶を、容易に成長させることのできる新規な結晶
成長方法と、簡便かつ安全にIII 族窒化物結晶のエピタ
キシャル成長を行うことのできる新規な結晶成長方法を
提案することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の要点は、
大きく分けて3つある。
【0015】 アンモニア等の窒素を含有するガスを
高温のGa等のIII 族元素の融液に注入することで反応
させる。これにより、III 族元素の融液中にIII 族窒化
物の微結晶が大量に浮いてくる。
【0016】 こうして得られたIII 族元素とIII 族
窒化物微結晶の混合物を原料にして、III 族窒化物結晶
の液相エピタキシャル成長を行う。上述の方法で得られ
たIII 族元素窒化物微結晶はIII 族元素融液とのなじみ
が良く、III 族窒化物微結晶をIII 族元素融液に容易に
溶解させせることができる。
【0017】 上記の混合物から酸洗浄等でIII 族元
素を除去して得られるIII 族窒化物微結晶を原料にし
て、III 族窒化物結晶の気相成長や融解、焼結結晶を製
造する。この方法で得られた原料は、高純度かつ安価と
いう特徴がある。
【0018】詳述するに、III 族融液にV族元素の蒸気
を注入してIII −V族化合物を合成する手法は、インジ
ェクション(injection)法と呼ばれ、公知の技術であ
る。例えば、III −V族化合物半導体の1つであるIn
Pの多結晶を合成した例として、次のような学会報告も
ある。
【0019】”P-injection 法によるInP多結晶の大
量合成”、 柴田他、第34回応用物理学関係連合講演会(1987)28
p-Z-1 しかし、injection 法は、III 族融液を合成するIII −
V族化合物の融点以上に加熱し、そこへV族元素の蒸気
を注入して、一旦、III −V族化合物の融液を作り、こ
れを冷却して結晶を作製する、いわゆる融液成長法の一
つであるのに対し、本発明の請求項1にかかる窒化物の
合成法は、合成する窒化物の融点よりもずっと低い温度
でIII 族融液中に窒素を含有するガスを注入し、液相の
III 族元素と気相のV族元素を反応させて、III 族元素
融液中で固相のIII 族窒化物結晶を直接生成する(窒化
物の融液はできない)という点で従来のinjection 法と
は全く異なる新しい合成法である。これは、窒化物のII
I 族元素融液への溶解度が非常に低いという特徴を逆手
に取って、積極的に利用したものである。
【0020】この請求項1記載の窒化物結晶の製造方法
において、III 族金属元素に不純物元素を混ぜておくこ
とにより、不純物をドープしたIII 族の窒化物結晶を製
造することができる(請求項2)。そしてこの請求項1
または2記載の窒化物結晶の製造方法により、III 族の
窒化物粉末とIII 族金属原料の混合物が得られる(請求
項3)。
【0021】本発明の請求項4にかかるIII 族窒化物結
晶とIII 族金属原料の混合物は、III 族窒化物結晶が微
結晶であるにもかかわらず、その表面が完全にIII 族金
属原料で濡れている点に大きな特徴がある。液相成長用
の原料や、ドーパントに結晶微粉末を加える際、その体
積に比して表面積の大きな徴粉末は、III 族融液になじ
みにくく、したがって非常に溶解しにくいという問題が
ある。特に、飽和溶解度の低い窒化物結晶においては、
この溶けにくさが結晶成長にとって致命的な欠点とな
る。従来市販されているようなIII 族窒化物は、ほとん
ど微粉末状態であり、一様に上述の欠点を有していた。
本発明にかかるIII 族窒化物微結晶粉末とIII 族金属原
料の混合物は、窒化物結晶がIII 族融液中で合成される
ため、その表面が完全にIII 族金属原料で覆われてお
り、液相成長原料として用いるとき、非常に溶解しやす
く、従来の原料に較べ、容易に飽和溶解度に達しさせる
ことができる。その結果、エピタキシャル成長の制御
性、再現性が飛躍的に向上し、高純度なIII 族の窒化物
結晶が得られる(請求項5)。
【0022】また、従来のIII 族窒化物合成法では、原
料にIII 族の酸化物や塩化物を用いるため、合成した窒
化物粉末から未反応物を除去する工程が必ず必要であっ
た。本発明の請求項1、2および4にかかる製造方法で
は、原料に酸化物や塩化物を用いていないので、未反応
物が液相成長時の不純物にならず、したがって液相成長
の原料に用いる際にIII 族窒化物だけを抽出することな
しに、該混合物を直接液相成長の原料とすることができ
る。この抽出工程を省略できることは、工程の大幅短縮
につながるだけでなく、抽出工程で発生しがちな原料の
汚染を無くすことができ、高純度な液相成長が可能とな
る。
【0023】上記請求項3〜5に記載の発明は液相成長
方法に関するものであるが、本発明は、気相成長方法に
も適用できる。すなわち、請求項6に記載の発明は、請
求項1または2に記載の窒化物結晶の製造方法により得
られるIII 族の窒化物微結晶とIII 族金属原料の混合物
からIII 族金属原料を除去して得られるIII 族の窒化物
結晶粉末である。この窒化物結晶粉末を出発原料に用い
てIII 族の窒化物結晶を気相成長させることができる
(請求項7)、その気相成長によりIII 族の窒化物結晶
を得ることができる(請求項8)。
【0024】また請求項9に記載の発明は、請求項6記
載のIII 族の窒化物粉末を、溶融、再凝固または焼結す
るIII 族の窒化物結晶の製造方法であり、請求項10に
記載の発明は、その製造方法により得られたIII 族の窒
化物結晶である。
【0025】なお、請求項1または2記載の窒化物結晶
の製造方法において、上記III 族元素がAl、Ga、I
nのうちいずれかであり、かつ上記窒素原子を含有する
ガスをアンモニアガスとすることもできる(請求項1
1)。さらに、請求項3〜10に記載の発明において
も、III 族元素をAl、Ga、Inのうちいずれかとす
ることができる。
【0026】本発明の第2の要点は、ガリウム等のIII
族元素の融液中に種結晶または基板結晶を浸漬し、その
表面にアンモニア等の窒素を含有するガスの気泡を断続
的に接触させて、種結晶または基板結晶の表面でIII 族
元素と窒素を含有するガスを反応させることにより、そ
の表面にIII 族元素の窒化物結晶を成長させる方法であ
る。
【0027】この窒化物結晶の成長法も、合成する窒化
物の融点よりもずっと低い温度で、III 族融液中に窒素
を含有するガスを注入し、液相のIII 族元素と気相のV
族元素を反応させて、III 族元素融液中で固相のIII 族
窒化物結晶を直接生成すること(窒化物の融液はできな
い)を前提とする。これは、窒化物のIII 族元素融液へ
の溶解度が非常に低いという特徴を逆手に取って、積極
的に利用したものであり、この前提自体が、既に述べた
ように、上記injection 法のような融液成長法とは全く
異なる新しい概念に基づく結晶成長法である。
【0028】ガリウム、アルミニウム、インジウム等の
III 族元素とアンモニア、ヒドラジン等の窒素を含有す
るガスは、窒化物の融点(例えばGaNであれば200
0℃以上と言われている)に比べればかなり低い数百〜
1000℃程度の温度で反応し、III 族窒化物を生成す
ることが知られている。例えば、次のような報告があ
る。
【0029】”Crystal growth of GaN by reaction be
tween Ga and NH 3 ” D.E1well et.al., J.Crystal Growth 66 (l984)45-5
4 しかし、生成したGaNはIII 族融液には溶解せず、微
粉末となってIII 族融液の表面に析出するのみである。
【0030】請求項12又は13に記載の窒化物結晶の
製造方法では、ガリウム等のIII 族元素の融液中に種結
晶または基板結晶を浸漬し、その表面にアンモニア等の
窒素を含有するガスの気泡を断続的に接触させる。種結
晶または基板結晶の表面でIII 族元素と窒素を含有する
ガスを反応させることにより、種結晶または基板結晶の
表面に結合したIII 族原子を窒化させ、下地に対して窒
化物結晶を成長させていくことができる。この反応を連
続的に行えば、エピタキシャル膜の成長や、バルク結晶
の成長を行うことができる。
【0031】なお、請求項12または13記載の窒化物
結晶の製造方法において、上記III族元素がAl、G
a、Inのうちいずれかであり、かつ上記窒素原子を含
有するガスをアンモニアガスとすることもできる(請求
項14)。さらに、請求項12または13に記載の窒化
物結晶の製造方法において、前記III 族元素融液の
温度は、成長させる窒化物結晶の融点よりも低くする
(請求項15)。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、実
施例を中心に説明する。
【0033】(実施例1)本発明の一実施例として、図
1に示すような装置を製作した。この装置を用いて、G
aN微結晶の合成を行った例を述べる。
【0034】内径70mm高さ150mmの石英ルツボ1に
Gaを3000g収容し、ヒータ2でGaを950℃ま
で加熱してGa融液3を形成した。続いて、ガス導入配
管4を使ってGa融液3中にアンモニアガスを0.51
/min の流量で5時間吹き込み続けた。融液3に吹き込
まれたガスは、融液と反応してGaN微結晶を生成し、
微結晶は融液表面に浮かび上がった。反応に寄与しなか
ったアンモニアガスは、泡となって融液3内を通過し、
容器上部の空間に出て、排気管5を通じて容器外に排出
される。排出されたアンモニアガスは、湿式の除害装置
を通して大気に放出した。5時間のガス注入を行った
後、注入するガスを窒素に切り替え、Ga融液を室温ま
で冷却した。
【0035】冷却したGa融液を容器から取り出して観
察したところ、Ga融液の上部にGaNの微結晶が大量
に浮かんでいた。GaN微結晶の表面は、完全にGa融
液と濡れた状態であった。Ga融液は、合成作業の前後
で10.2gの重量増加が認められた。ここから計算す
ると、61gのGaN微結晶が合成できたことになる。
【0036】(実施例2)実施例1のようにしてGaN
微結晶を合成し、Ga融液の上部に浮かぶGa融液とG
aN微結晶の混合物を原料に用いて、スライドボート法
でGaNの液相エピタキシャル成長を行った。成長に用
いた装置の断面模式図を図2に示す。グラファイトボー
ト11に、原料12としてGa融液とGaN徴結晶の混
合物を20g入れた。スライドボート17には、25mm
角のc面サファイア基板16をセットした。石英反応管
14内は、窒素ガス気流雰囲気とし、ヒータ13で熱電
対15出力が1150℃になるまで原料を加熱した。こ
の状態で4時間放置した後、温度を1100℃に下げ、
操作棒18を引いてスライドボート17を移動し、サフ
ァイア基板16を原料12と接触させた。これ以降は、
原料温度を毎分1℃割合で600℃まで下げ、操作棒1
8を押してスライドボート17を元の位置に戻し、基板
16と原料12を切り離した。その後ヒータ電源を切っ
て室温まで冷却した。液相エピタキシャル成長時の温度
プログラムを図3に示す。
【0037】成長の終わった基板を取り出して表面及び
断面を観察した。サファイア基板の表面には透明な膜が
成長していた。断面のSEM観察から求めた膜厚は4.
2μmであった。成長した膜の室温でのフォトルミネッ
センス測定結果を図4に示す。GaNのバンド端発光に
対応する360nmの鋭い発光ピ−クが観察され、成長し
た膜が良質なGaN膜であることを確認した。成長した
膜の電気特性を、ファンデァポー(Van der Pauw)法で
測定したところ、キャリア濃度は1×1017cm-3、移動
度は520cm2 /V・sec と、良好な特性を示した。
【0038】(実施例3)実施例1と同様の方法で、あ
らかじめ原料Gaに20mgのSiを入れてGaN微結晶
を合成し、得られたGa融液とGaN微結晶の混合物を
原料に用いて、実施例2と同様のスライドボート法でG
aNの液相エピタシャル成長を行った。
【0039】得られたGaN膜の室温でのフォトルミネ
ッセンス測定結果を、図5に示す。SiドープGaNの
発光に対応する369nmの鋭い発光ピークが観察され、
成長した膜にSiがドープされていることを確認した。
成長した膜のキャリア濃度を、ファンデァポー法で測定
したところ、n型の6×1018cm-3であった。
【0040】(実施例4)実施例1と同様の方法で、あ
らかじめ原料Gaに7mgのMgを入れてGaN微結晶を
合成し、得られたGa融液とGaN微結晶の混合物を原
料に用いて、実施例2と同様のスライドボート法でGa
Nの液相エピタキシャル成長を行った。
【0041】得られたGaN膜の室温でのフォトルミネ
ッセンス測定結果を、図6に示す。MgドープGaNの
発光に対応する445nmの発光ピークが観察され、成長
した膜にMgがドープされていることを確認した。成長
した膜のキャリア濃度を、ファンデァポー法で測定した
ところ、p型の5×1017cm-3であった。本方法で得ら
れたMgドープGaN膜は、MOVPE成長で得られた
膜が熱処理を加えなければ結晶中のMgが活性化され
ず、p型電気特性を示さないのに対し、アズグロウンの
状態で良好なp型の電気特性を示した。これは、Mgの
活性化を妨げる水素原子の混入がなかったためと考えら
れる。
【0042】(実施例5)実施例1と同様の方法で合成
した、アンドープGaN微結晶と金属Gaの混合物を採
取し、これに塩酸と過酸化水素水を加えてGaだけを溶
解した後、濾紙で濾してGaN徴結晶だけを取り出し
た。濾過した粉末は純水で十分に洗浄した後、真空高温
槽内で乾燥した。その結果、灰白色をした粉末が61g
得られた。この粉末を顕微鏡で観察したところ、粒径〜
10μm程度の6角柱を基本とする微結晶からなってい
た。本粉末の室温フォトルミネッセンス測定結果を図7
に示す。GaNのバンド端発光に対応する360nmの鋭
い発光ピークが観察され、得られた徴結晶が良質なGa
Nであることを確認した。得られた粉末中に混入する可
能性のある不純物の濃度を二次イオン質量分析法(SI
MS)で調べたが、石英容器からの混入と思われるSi
が5×1015cm-3程度検出された以外、すべて検出限界
以下であった。
【0043】(実施例6)実施例5で得られたGaN微
結晶粉末を原料に用いて、図8に示すような装置でGa
Nの気相エピタキシャル成長を行った。直径50mmの石
英ルツボ23に、原料としてGaN微結晶粉末26を2
5g入れ、これをグラファイトサセプタ25で支持して
石英容器21内にセットした。一方、25mm角のc面サ
ファイア基板28をグラファイト製の基板ホルダー22
に固定し、基板表面が原料26と対向するように、基板
を石英ルツボ23内に吊り下げた。この状態で石英容器
21内をアンモニアガス雰囲気に置換し、続けてアンモ
ニアガスを毎分0.5リッター流しながら、ヒータ24
で原料を加熱した。加熱は、ルツボ下に配した熱電対2
7の出力で、1100℃となるように制御した。この
時、基板28の表面温度は約850℃になっていた。結
晶成長は、原料を加熱した状態で24時間保持して昇華
させることにより行った。
【0044】取り出したサファイア基板の表面には、透
明なGaNの膜が成長していた。GaN膜の表面を顕微
鏡で観察すると、三角〜六角形をしたモルフォロジが観
察された。成長した膜の平均厚さは、約400μmであ
った。成長した膜の電気特性を、ファンデァポー法で測
定したところ、キャリア濃度2×1017cm-3、移動度は
490cm2 /V・sec と、良好な特性を示した。
【0045】(実施例7)実施例1と同様の方法で、G
aの代わりにInを用い、InNの合成を行った。合成
温度を600℃とした以外は、実施例1と同一条件であ
る。合成の終わったInを180℃まで冷却し、Inが
凝固しないうちに、In融液の上部に浮かんだInN微
結晶と金属Inの混合物を取り出した。
【0046】この混合物に塩酸と過酸化水素水を加えて
Inだけを溶解した後、濾紙で濾してInN微結晶だけ
を取り出した。濾過した粉末は純水で十分に洗浄した
後、真空高温槽内で乾燥した。その結果、薄い灰白色を
した粉末約200g得られた。この粉末を顕微鏡で観察
したところ、粒径〜8μm程度の、6角柱を基本とする
微結晶からなっていた。得られた粉末のフォトルミスペ
クトルを測定したところ、InNのバンド端発光に相当
する650nmの発光が観察された。
【0047】(変形例)上記実施例ではGaNの結晶成
長を中心に、さらにInNの結晶成長についても述べた
が、その他AlNや、AlNまたはInNの混晶である
AlGaN、GaInNなどの結晶成長にも適用でき
る。
【0048】窒素を含むガスとしては、アンモニアの他
にヒドラジン、モノメチルヒドラジンなどの利用が考え
られる。
【0049】液相成長の実施例は大気圧下での結晶成長
について述べたが、窒素またはアンモニア雰囲気の高圧
下で行えば、さらに結晶成長速度を上げることができ
る。
【0050】液相成長、気相成長の実施例は、サファイ
ア基板上へのエピタキシャル成長について述べたが、他
の基板を用いたエピタキシャル成長や、さらに窒化物の
バルク結晶成長への応用展開も可能である。
【0051】合成で得られる窒化物微結晶の収率ならび
に粒径は、III 族融液中に注入されたアンモニア等のガ
スの滞在時間によって制御することが可能である。した
がって、ガスの注入管の先端形状を変えたり、融液中
に、石英細工などでガスの気泡が通る道を設けるなどの
変形例が考えられる。
【0052】(他の実施形態)本発明により得られた窒
化物微結晶は、半導体材料や蛍光体材料として広く応用
が可能である。特に、本発明の1つにかかる液相成長方
法は、紫外〜黄色の発光素子の製造に応用すると効果的
である。
【0053】例えば、実施例2で述べた液相成長装置に
原料収納部を2ケ所設けて、一方にMgドープGaN原
料を、他方にSiドープGaN原料を収容すれば、基板
上にp型とn型のGaN膜を連続して成長させることが
できる。こうして得られたエピタキシャル成長基板にL
ED製造プロセスを施せば、容易にpn接合型の青色L
EDを製造することができる。この方法によれば、従来
のMOVPE法よりも簡単かつ安全、安価にLEDを製
造することができる。また、従来のMOVPE法成長G
aNでは、p型結晶を作製するために後から熱処理を加
える必要があり、このため結晶表面が常にp型になるよ
うに素子構造を設計しなければならないという制約があ
った。本発明にかかる液相エピタキシャル成長法を用い
れば、p型の導電性が熱処理を施さなくとも得られるた
め、素子の構造設計の裕度が非常に大きくなる。
【0054】なお、窒化物の合成温度や雰囲気圧力、原
料の使用量等は、合成する窒化物の種類や使用する原料
の種類によって異なるため、その最適条件を一義的に決
めることは困難である。
【0055】(実施例8)本発明の第8の実施例とし
て、図9に示すような装置を製作した。この装置を用い
て、GaN結晶の成長を行った例を述べる。
【0056】内径70mm高さ200mmの石英容器31に
融解したGa33を3000g収容し、溶融Ga33中
には、一辺6mmのSiC単結晶のかけらを種結晶35と
して種結晶支持治具34の先端に取り付け、固定した。
この状態で、溶融Ga33をヒータ32により加熱し、
熱電対37の出力で1000℃になるよう制御した。
【0057】続いて、アンモニアガスを、内径6mmの石
英製アンモニア導入管36を通じて、石英容器の底から
毎分0.2リットルの割合で76時間導入し続けた。溶
融Ga33中に導入されたアンモニアガスは、融液中を
気泡となって立ち上った。気泡の数は、毎分約350個
であった。融液中を上昇するアンモニアガスの気泡は、
種結晶35の表面にぶつかり、種結晶表面で次々とGa
N結晶を生成していく。未反応のアンモニアガスは、そ
のまま気泡として溶融Ga表面まで達し、容器外へと排
出される。排出したガスは、湿式のスクラーバーで除害
して、大気放出した。アンモニアガスの気泡は、種結晶
の表面以外でもGaと反応してGaNを生成した。この
GaNは、直径数μm程度の微結晶で、溶融Ga表面に
浮き上がってきて、種結晶上の成長には寄与しなかっ
た。
【0058】成長の終わった結晶を冷却し、溶融Ga中
から取り出して、表面に付着している金属Gaを塩酸で
洗い落とした。その結果、SiCの種結晶上に、直径約
10mm高さ約6mmの六角柱状のGaN結晶が得られた。
得られた結晶は、透明な黄褐色を呈していた。得られた
結晶は、X線回折法によりGaN結晶であることを確認
した。X線回折ピークの半値幅(FWHM)は、約2mi
n であり、得られた結晶は良好な結晶性を有していると
言える。
【0059】図10に、得られた結晶の室温におけるフ
ォトルミネッセンス測定結果を示す。360nmに、アン
ドープGaNのバンド端発光に対応する鋭い発光ピーク
が観察され、フォトルミネッセンス測定によっても良質
なGaN結晶であることが確認できた。
【0060】(実施例9)本発明の第9の実施例とし
て、図11に示すような装置を製作した。この装置を用
いて、GaN結晶のエピタキシャル成長を行った例を述
べる。
【0061】内径70mm高さ150mmの石英ルツボ45
をグラファイトサセプタ44に入れ、ステンレス容器4
3の内部に設置した。石英ルツボ45の内部には、融解
したGa48を3000g収容し、溶融Ga48中に
は、一辺25mmのc面サファイア単結晶基板(以下サフ
ァイア基板という)49を基板支持治具47の先端に取
り付けて浸漬した。サファイア基板49は、溶融Ga中
で、数度程度水平から傾けて固定した。また、溶融Ga
48中には、先端をJ字型に曲げた石英製のアンモニア
ガス導入管41を設置した。ガス導入管41の先端は、
サファイア基板49の低い方の端の直下になるよう固定
した。この状態で、溶融Ga48をヒータ42により加
熱し、熱電対46の出力で950℃になるよう制御し
た。続いて、アンモニアガスを、アンモニア導入管41
を通じて、溶融Ga48中に毎分0.1リットルの割合
で1時間導入した。導入されたアンモニアガスは、融液
中を気泡となって立ち上った。気泡の数は、毎分約20
0個であった。融液中を上昇したアンモニアガスの気泡
は、サファイア基板49の下端にぶつかり基板表面に沿
って上昇した後、溶融Ga48表面まで達し、容器外へ
と排出された。排出したガスは、湿式のスクラーバーで
除害して、大気放出した。
【0062】成長の終わった結晶を冷却し、溶融Ga4
8中から取り出して、表面に付着している金属Gaを塩
酸で洗い落とした。その結果、サファイア基板49表面
に厚さ約4μmの透明な結晶薄膜が得られた。得られた
結晶は、X線回折法によりGaN結晶であることを確認
した。X線回折ピークの半値幅(FWHM)は、約5mi
n であった。
【0063】図12に、得られた結晶の室温におけるフ
ォトルミネッセンス測定果を示す。360nmに、アンド
ープGaNのバンド端発光に対応する鋭い発光ピークが
観察され、良質なGaN結晶であることが確認できた。
【0064】なお、窒化物結晶の成長温度や成長中の雰
囲気圧力、原料の使用量等は、成長する窒化物の種類や
使用する原料の種類によって異なるため、一義的には決
められない。
【0065】窒素を含有するガスとして、アンモニアを
選ぶのは、化学的にある程度活性で、かつ安全性及び経
済性を考慮した結果によるためであるが、原理的にはヒ
ドラジンやモノメチルヒドラジン等のガスも使用が可能
である。ただし、これらのガスはアンモニアに較べて遥
かに爆発の危険が大きい。
【0066】結晶成長中のIII 族原料温度を、成長する
窒化物の融点以下としたのは、成長した結晶が分解した
り再融解するのを防ぐためである。
【0067】(変形例)実施例ではGaN の結晶成長に
ついて述べたが、InNやAlN、またこれらの混晶で
あるAlGaN、GaInNなどの結晶成長にも適用で
きる。さらに、III 族融液中や窒素を含むガス中に、不
純物元素を混入することにより、不純物をドープした窒
化物結晶も成長が可能である。
【0068】窒素を含むガスとしては、アンモニアの他
にヒドラジン、モノメチルヒドラジンなどの利用が考え
られる。
【0069】III 族融液中にアンモニア等のガスを導入
する管の先端形状は、融液中におけるガスの気泡の大き
きや数を制御する目的で、いろいろと変形が考えられ
る。たとえば、ガス導入管の先端に気泡の吹き出し口を
複数個設けたり、ガス導入管の先端に網を設けることが
できる。
【0070】III 族融液中に種結晶や基板結晶を複数個
設置する変形例も考えられる。
【0071】上記図1、図2、図8、図9及び図11に
示した実施例では、本発明の要点部分を示す結晶成長容
器だけについて述べたが、成長装置の周辺機器として、
ガス流量を調節するマスフローコントローラやヒータの
温度を自動的にプログラム制御することのできる温調器
を組み合わせたシステムを構築すると、より結晶成長の
制御が容易になる。
【0072】本発明により得られる窒化物結晶は、半導
体材料や蛍光体材料として広く応用が可能である。特
に、窒化物のバルク単結晶基板は、青色レーザーダイオ
ードを製造する際の基板材料として最適である。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような優れた効果が得られる。
【0074】(1)請求項1〜請求項2に記載の製造方
法によれば、合成する窒化物の融点よりもずっと低い温
度でIII 族融液中に窒素を含有するガスを注入し、液相
のIII 族元素と気相のV族元素を反応させて、III 族元
素融液中で固相のIII 族窒化物結晶を直接生成するた
め、窒化物の融液を作る場合に比べ、簡単な装置で容易
にかつ安価に短時間の内に大量に製造することができ
る。
【0075】(2)本発明の請求項3にかかるIII 族窒
化物微結晶とIII 族金属原料の混合物は、窒化物微結晶
がIII 族融液中で合成されるため、その表面が完全にII
I 族金属原料で覆われており、この混合物を液相成長原
料に使用すれば、非常に溶解しやすく、従来の原料に比
べ、容易に飽和溶解度の溶液を得ることができるように
なる。その結果、エピタキシャル成長の制御性、再現性
が飛躍的に向上する。
【0076】(3)本発明の請求項4、7、9にかかる
成長方法によると、III 族の高純度窒化物半導体結晶を
簡単な装置で容易にかつ安価に短時間の内に大量に製造
することができる。また、従来HVPE法で使用されて
きた塩素などのガスや、MOVPE法で使用されている
有機金属等の危険な原料を使用する必要もなく安全であ
る。また本発明の成長方法によれば、特に従来難しかっ
た窒化物結晶の液相成長や気相成長が容易にできるよう
になる。その結果、窒化物結晶に特別な処埋を施さなく
とも高キャリアのp型結晶を有するデバイスの製造が容
易になり、p型導電層を素子表面に持ってくる必要性が
なくなるため、素子構造の設計の自由度が広がる。
【0077】(4)また、本発明の請求項4、7、9に
かかる窒化物の成長方法では、原料に従来のような酸化
物や塩化物を用いていないので、未反応物が液相成長時
の不純物にならず、したがって液相成長の原料に用いる
際にIII 族窒化物だけを抽出することなしに、該混合物
を直接液相成長の原料とすることができる。この抽出工
程を省略できることは、工程の大幅短縮につながるだけ
でなく、抽出工程で発生しがちな原料の汚染を無くすこ
とができ、高純度な液相成長が可能となる。
【0078】(5)さらに、本発明の請求項12、13
にかかる製造方法によれば、III 族の窒化物半導体結
晶、特に従来成長させることができなかったバルク単結
晶の成長が可能になる。この結晶を基板に用いれば、青
色LEDの高効率化や長寿命化に有効なだけでなく、未
だ実用化に至っていない青色LDの実用化を推進する上
にも大きく貢献するものである。また、そのようなIII
族の窒化物半導体結晶を簡単な装置で容易にかつ安価に
成長させることができる。加えて、従来HVPE法で使
用されてきた塩素などのガスや、MOVPE法で使用さ
れている有機金属等の危険な原料を使用する必要もな
く、安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第7の実施例にかかるGaN
結晶合成装置の断面模式図である。
【図2】本発明の第2の実施例にかかるGaN結晶の液
相成長装置の断面模式図である。
【図3】本発明の第2の実施例にかかるGaN結晶の液
相成長時の温度プログラムを示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施例にかかる液相エピタキシ
ャル成長アンドープGaN結膜の室温でのフォトルミネ
ッセンス測定結果を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施例にかかる液相エピタキシ
ャル成長SiドープGaN結晶膜の室温でのフォトルミ
ネッセンス測定結果を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施例にかかる液相エピタキシ
ャル成長MgドープGaN結晶膜の室温でのフォトルミ
ネッセンス測定結果を示す図である。
【図7】本発明の第5の実施例にかかるアンドープGa
N微結晶粉末の室温でのフォトルミネッセンス測定結果
を示す図である。
【図8】本発明の第6の実施例にかかるGaN結晶の気
相成長装置の断面模式図である。
【図9】本発明の第8の実施例にかかるGaN結晶成長
装置の断面模式図である。
【図10】本発明の第8の実施例で作製したGaN結晶
の室温におけるフォトルミネッセンス測定結果を示した
図である。
【図11】本発明の第9の実施例にかかるGaN結晶エ
ピタキシャル成長装置の断面模式図である。
【図12】本発明の第9の実施例で作製したGaNエピ
タキシャル成長結晶の室温におけるフォトルミネッセン
ス測定結果を示した図である。
【符号の説明】
1 石英ルツボ 2 ヒータ 3 Ga融液 4 アンモニアガス注入管 5 排気管 6 熱電対 11 グラファイトボート 12 GaN微粉末とGaの混合物 13 ヒータ 14 石英反応管 15 熱電対 16 サファイア基板 17 グラファイト製スライドボート 18 石英製操作棒 21 石英容器 22 グラファイト製基板ホルダー 23 石英ルツボ 24 ヒータ 25 グラファイト製サセプタ 26 GaN微結晶粉末 27 熱電対 28 サファイア基板 31 石英容器 32 ヒータ 33 溶融Ga 34 種結晶支持治具 35 種結晶 36 アンモニア導入管 37 熱電付

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】III 族金属元素を加熱、融解し、得ようと
    する窒化物の融点以下の温度で、III 族金属元素の融液
    に窒素原子を含有するガスを注入して、III 族金属元素
    の融液内でIII 族の窒化物微結晶を製造することを特徴
    とする窒化物結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の窒化物結晶の製造方法にお
    いて、III 族金属元素に不純物元素を混ぜておくことに
    より、該不純物元素をドープしたIII 族の窒化物結晶を
    製造することを特徴とする窒化物結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の窒化物結晶の製
    造方法により得られるIII 族の窒化物微結晶とIII 族金
    属元素の混合物。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の窒化物結晶の製造
    方法により得られる、III 族の窒化微結晶とIII 族金属
    元素の混合物を出発原料に用いることを特徴とするIII
    族の窒化物結晶の液相成長方法。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載の窒化物結晶の製造
    方法により得られる、III 族の窒化物微結晶とIII 族金
    属元素の混合物を出発原料に用いた液相成長方法で得ら
    れるIII 族の窒化物結晶。
  6. 【請求項6】請求項1または2記載の窒化物結晶の製造
    方法により得られる、III 族の窒化物微結晶とIII 族金
    属元素の混合物から、III 族金属元素を除去して得られ
    るIII 族の窒化物結晶粉末。
  7. 【請求項7】請求項6記載のIII 族の窒化物結晶粉末を
    出発原料に用いることを特徴とするIII 族の窒化物の気
    相成長方法。
  8. 【請求項8】請求項6記載のIII 族の窒化物粉末を出発
    原料に用いたIII 族窒化物の気相成長方法で得られるII
    I 族の窒化物結晶。
  9. 【請求項9】請求項6記載のIII 族の窒化物結晶粉末を
    溶融、再凝固または焼結することを特徴とするIII 族の
    窒化物結晶の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項6記載のIII 族の窒化物結晶粉末
    を、溶融、再凝固または焼結して得られたIII 族の窒化
    物結晶。
  11. 【請求項11】請求項1または2記載の窒化物結晶の製
    造方法において、上記III 族元素がAl、Ga、Inの
    うちいずれかであり、かつ上記窒素原子を含有するガス
    がアンモニアガスであることを特徴とする窒化物結晶の
    製造方法。
  12. 【請求項12】加熱、融解したIII 族元素中に種結晶を
    浸漬し、III 族元素中で該種結晶表面に窒素原子を含有
    するガスの気泡を断続的に接触させることにより、該種
    結晶表面にIII 族元素の窒化物結晶を成長させることを
    特徴とする窒化物結晶の製造方法。
  13. 【請求項13】加熱、融解したIII 族元素中に基板結晶
    を浸漬し、III 族元素中で該基板結晶表面に窒素原子を
    含有するガスの気泡を断続的に接触させることにより、
    該基板結晶表面にIII 族元素の窒化物単結晶をエピタキ
    シャル成長させることを特徴とする窒化物結晶の製造方
    法。
  14. 【請求項14】請求項12又は13記載の窒化物結晶の
    製造方法において、前記III 族元素がAl、Ga、In
    のうちのいずれかであり、かつ前記窒素原子を含有する
    ガス物質がアンモニアガスであることを特徴とする窒化
    物結晶の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項12又は13記載の窒化物結晶の
    製造方法において、前記III 族元素融液の温度が、成長
    させる窒化物結晶の融点よりも低いことを特徴とする窒
    化物結晶の製造方法。
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