JPH1118803A

JPH1118803A - サイズ可変シューズ

Info

Publication number: JPH1118803A
Application number: JP19945597A
Authority: JP
Inventors: Michihito Hoshimi; 道仁星見
Original assignee: Asics Corp
Current assignee: Asics Corp
Priority date: 1997-07-08
Filing date: 1997-07-08
Publication date: 1999-01-26

Abstract

(57)【要約】【課題】靴としての機能を差程低下させることのない
サイズ可変シューズを提供する。【解決手段】靴底１０を前底部１１および後底部１２
に分割すると共に、前底部１１と後底部１２の間の分割
部１３にシャンクを構成するアーチ部材４を架設し、該
アーチ部材４を靴底１０の前底部１１または後底部１２
の一方にのみ固着し、靴底１０の前底部１１および後底
部１２に固着されたアッパー３を、中足部において前後
方向に伸縮自在とし、更に靴底１０の前底部１１と後底
部１２とを前後方向の位置関係を変更自在に固定するサ
イズ保持部材２を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はサイズ可変シューズ
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、発育に伴う足の大きさの変化
や、左右の足の大きさの相違、あるいは、個人差に起因
する足の大きさの相違などに対処できる靴として、サイ
ズ可変シューズが提案されている（たとえば、実開平５
−４９０２号公報、同１８３０６号公報等参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のサイズ
可変シューズは、靴を前後に分割したのに伴い、足に対
するフィット性や履き心地が低下するなどの問題があ
り、未だ、実現されていない。

【０００４】したがって、本発明の目的は靴としての機
能を差程低下させることのないサイズ可変シューズを提
供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本第１発明は、靴底を前底部および後底部に分割す
ると共に、前底部と後底部の間の分割部にシャンクを構
成するアーチ部材を架設し、該アーチ部材を靴底の前底
部または後底部の一方にのみ固着し、靴底の前底部およ
び後底部に固着されたアッパーを、中足部において前後
方向に伸縮自在とし、靴底の前底部と後底部とを前後方
向の位置関係を変更自在に固定するサイズ保持部材を設
けている。

【０００６】本第１発明によれば、靴底を中足部におい
て前後に分割したから靴底の長さを調節でき、一方、ア
ッパーを中足部において前後方向に伸縮自在としたか
ら、アッパーの長さも調節できる。したがって、靴のサ
イズを調節し得る。

【０００７】一方、第２発明は、靴底を前底部および後
底部に分割すると共に、前底部と後底部の間の分割部に
シャンクを構成するアーチ部材を架設し、該アーチ部材
を靴底の前底部または後底部の一方にのみ固着し、アー
チ部材および該アーチ部材を固着した一方の靴底に第１
アッパーを固着すると共に、他方の靴底部の上方におい
て第１アッパーを前後方向に伸縮自在とし、該第１アッ
パーにおける伸縮自在部を、他方の靴底部に固着した第
２アッパーで包み、靴底の前底部と後底部とを前後方向
の位置関係を変更自在に固定するサイズ保持部材を設け
ている。

【０００８】本第２発明によれば、靴底を中足部におい
て前後に分割したから靴底の長さを調節でき、一方、第
１アッパーを前後方向に伸縮自在としたから、アッパー
の長さも調節できる。したがって、靴のサイズを調節し
得る。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
したがって説明する。図１ないし図５は第１発明にかか
る実施形態を示す。図１および図２は第１実施形態を示
す。図１（ａ）および図２（ａ）に示すように、靴底１
０は中足部において分割されており、前底部１１と後底
部１２とに分かれている。なお、前記前底部１１および
後底部１２は、共に、アウターソール（接地底）の上に
ミッドソール（衝撃緩衝層）が固着されて形成されてい
る。

【００１０】前記前底部１１と後底部１２とは、サイズ
保持部材２によって互いに連結されている。このサイズ
保持部材２は、前底部１１と後底部１２とを前後方向の
位置関係を変更自在に固定するもので、たとえば、図１
（ｃ）に示す多数の係止突起２０ａを有する雄型バンド
２０と、前記係止突起２０ａの侵入を許容すると共に抜
け出しを防止する雌型ロック２１とで構成することがで
きる。前記雌型ロック２１は、図１（ｂ）のロック解除
片２１ａを押すことで、図１（ｃ）の被係止突起２１ｂ
が退避して、雄型バンド２０を緩めることができる。な
お、本実施形態のサイズ保持部材２は、足を踏み出す靴
底１０の屈曲時に、後底部１２が足裏から離れていくの
を抑制する離間防止部（６）を構成している。

【００１１】前記靴底１０の前底部１１および後底部１
２の上方には、アッパー３が固着されている。該アッパ
ー３は、前後方向に伸縮自在な可撓性布部３０を中足部
に有しており、該中足部において前後方向に伸縮自在で
ある。可撓性布部３０は、図２（ｃ）のアッパー３の側
部および図２（ｄ）の中足部の底部に設けられている。
なお、アッパー３の内部には、別途、インナーソール
（中敷）を設けてもよい。

【００１２】図２（ｂ）に示すように、前記前底部１１
と後底部１２とを分割した分割部１３には、シャンクを
構成するアーチ部材４が架設されている。該アーチ部材
４は、固着領域４０を二点鎖線で示しているように、靴
底１０の前底部１１と、図２（ｃ）のアッパー３の前足
部３１に固着されていると共に、靴底１０の後底部１２
とアッパー３の後足部３２との間に挿入されている。

【００１３】つぎに、本サイズ可変シューズの組立方法
について簡単に説明する。まず、図２（ａ）に示すよう
に、雌型ロック２１が一体となった前底部１１と、雄型
バンド２０が一体となった後底部１２とを成形する。つ
いで、図２（ｂ）のように、前底部１１と後底部１２と
をサイズ保持部材２で互いに連結すると共にアーチ部材
４を前底部１１にのみ接着する。その後、図２（ｃ）の
アッパー３の前足部３１を二点鎖線で示す固着領域３１
ａにおいて、前底部１１およびアーチ部材４に接着する
と共に、アッパー３の後足部３２を二点鎖線で示す固着
領域３２ａにおいて、後底部１２に固着する。

【００１４】つぎに、サイズの調節方法について説明す
る。本サイズ可変シューズは、図１（ｂ）の後底部１２
を前方へ押すと、サイズ保持部材２の雄型バンド２０が
雌型ロック２１内に進入して、サイズが小さくなる。一
方、サイズ保持部材２のロック解除片２１ａを左右に押
しながら、後底部１２を後方へ引っ張ると、サイズ保持
部材２の雄型バンド２０が雌型ロック２１から抜け出し
て、サイズが大きくなる。

【００１５】ここで、本サイズ可変シューズは、靴底１
０およびアッパー３の双方が前後方向に伸縮するから、
足の大きさに合わせて長さを変化させた後もフィット感
が良く、履き心地もよい。しかも、図１（ａ）の靴底１
０の分割した部分（分割部１３）には、シャンクを構成
するアーチ部材４が架設されているから、捻じれに対す
る強度も大きい。

【００１６】また、本実施形態では、足の踏み出し時
に、分割部１３が屈曲して、後底部１２の分割部１３近
傍が足裏から離れようとすると、サイズ保持部材２が後
底部１２を前底部１１に向って引っ張るので、フィット
感が高まる。

【００１７】図３は第１発明の第２実施形態を示す。こ
の第２実施形態では、サイズ保持部材２が、図３
（ｂ），（ｃ）のアーチ部材４に一体に形成された多数
の係合凹溝２２と、図３（ａ），（ｂ）の後底部１２に
回動自在に取り付けた回動部材２３とで構成されてい
る。このサイズ可変シューズは、前記回動部材２３の先
端部が係合凹溝２２の１つに係合することで、長さ調節
が可能になっている。

【００１８】また、この第２実施形態では、図３
（ａ），（ｄ）のように、アッパー３の後部が内側部３
３と外側部３４から構成されて２重になっていると共
に、アッパー３の外側部３４を締め上げて足にフィット
させる締結具５が設けてある。該締結具５としては、図
１のサイズ保持部材２と同じ構造のものを使用してい
る。

【００１９】なお、図４（ａ），（ｂ）の第３実施形態
に示すように、バンド６０と靴紐６１で回動部材２３を
アッパー３に向って持ち上げて、離間防止部６を構成す
るのが好ましい。

【００２０】図５は第４実施形態を示す。この第４実施
形態では、サイズ保持部材２および離間防止部６が一組
の面ファスナー２４，２５で構成されている。すなわ
ち、アーチ部材４の下面には、たとえば雄面ファスナー
２４が固着されており、一方、後底部１２の上面には、
雄面ファスナー２４に接合する雌面ファスナー２５が固
着されている。

【００２１】なお、前記実施形態では、アーチ部材４を
前底部１１にのみ固着したが、本第１発明ではアーチ部
材４を後底部１２にのみ固着してもよい。

【００２２】図６〜図８は第２発明にかかる実施形態を
示す。図６および図７は第１実施形態を示す。図６
（ｂ）および図７（ａ）に示すように、靴底１０は、中
足部において分割されており、前底部１１と後底部１２
とに分かれている。なお、前記前底部１１および後底部
１２は共に、アウターソールの上にミッドソールが固着
されて形成されている。

【００２３】前記前底部１１と後底部１２とを分割した
分割部１３には、図６（ｂ）に示すアーチ部材４が架設
されている。該アーチ部材４は、シャンクを構成すると
共に、前底部１１に固着されて靴の前端部から後端部ま
で延びるインソール（中底）を構成している。

【００２４】前記アーチ部材４には第１アッパー３Ａが
固着されている。該第１アッパー３Ａは、前底部１１に
固着されており、足の甲に対応する甲部３５および後足
部（伸縮自在部）３２が伸縮自在な素材で構成されてお
り、図６（ｂ）の二点鎖線で示すように、後足部３２の
長さが変化する。

【００２５】一方、前記後底部１２には、第２アッパー
３Ｂが固着されている。該第２アッパー３Ｂは図示しな
い靴紐で締付けられて、第１アッパー３Ａにおける後足
部３２を図６（ａ）に示すように包んでいる。

【００２６】図７において、後底部１２のバックカウン
ター１２ａには、前底部１１に向かって突出すると共
に、図７（ｃ）のように、前底部１１に挿入される舌片
部１２ｂが一体に形成されている。該バックカウンター
１２ａにおける舌片部１２ｂの後方には、伸縮材からな
る離間防止部６が固着（６０）されている。該離間防止
部６の前部は前底部１１に固着（６１）されており、し
たがって、足を踏み出す靴底の屈曲時に、該離間防止部
６は、後底部１２における分割部１３の近傍の部分が足
裏から離れていくのを防止するから、フィット感が高ま
る。

【００２７】前記アーチ部材４と後底部１２とは、図６
（ａ）のサイズ保持部材２によって互いに連結されてい
る。該サイズ保持部材２は、図７（ａ）のアーチ部材４
の後部に固着した雄面ファスナー２４と、図７（ｂ）の
バックカウンター１２ａに固着した雌面ファスナー２５
とで構成されており、両面ファスナー２４，２５が接合
することで、前底部１１と後底部１２との前後方向の位
置関係を変更自在に固定できる。なお、図７（ａ）のア
ーチ部材４に係合突起４１を設け、図７（ｂ）のバック
カウンター１２ａに係合凹所１２ｃを設けて、互いに係
合するようにしてもよい。

【００２８】図８は第２発明の第２実施形態を示す。こ
の第２実施形態では、図８（ｂ）のように、後底部１２
のアウターソール１２ｏに舌片部１２ｂが一体に形成さ
れている。該舌片部１２ｂは、前底部１１のミッドソー
ル内に挿入されていると共に、図８（ｃ）に示すよう
に、先端部が幅方向に大きくなっており、前底部１１の
ミッドソール１１ａに係合して抜けないようになって、
離間防止部６を構成している。

【００２９】なお、前記第２発明の各実施形態では、ア
ーチ部材４を前底部１１に固着したが、アーチ部材４を
後底部１２に固着してもよい。この場合、第１アッパー
３Ａの前足部を前後方向に伸縮自在とし、前底部１１に
第２アッパー３Ｂを固着して、該第２アッパー３Ｂで伸
縮自在部を包む。

【００３０】また、図９のように、第１アッパー３Ａに
おける第２アッパーで包む部分は伸縮可能なバンド状部
材３ａで構成してもよい。また、図７の離間防止部６を
構成する素材としては、蛇腹状の部材を用いてもよい。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
足の成長などによる大きさの変化や相違に合わせて、靴
のサイズを調節し得る。特に、靴底およびアッパーの双
方のサイズが変わるので、履き心地がよい。また、分割
部にはシャンクが架設されているから、捩れに対する強
度も大きい。

【００３２】また、請求項３の発明では、離間防止部を
設けたので、アーチ部材が固着されていない前底部また
は後底部の分割部近傍の部分が足裏から離れにくいの
で、フィット感が高まり（ブカブカしないので）、更に
履き心地が高まる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１発明の第１実施形態を示す靴の側面図、底
面図およびサイズ保持部材の断面図である。

【図２】同組立手順を示す図である。

【図３】（ａ），（ｂ），（ｄ）は第２実施形態を示す
靴の側面図、底面図、背面図、（ｃ）はサイズ保持部材
の断面図である。

【図４】第３実施形態を示す靴の側面図および底面図で
ある。

【図５】第４実施形態を示す靴の側面図および底面図で
ある。

【図６】第２発明の第１実施形態を示す靴の側面図であ
る。

【図７】同側面図、バックカウンターの斜視図および分
割部の断面図である。

【図８】第２実施形態の側面図、断面図および底面図で
ある。

【図９】第１アッパーの変形例を示す前足部の側面図で
ある。

【符号の説明】

１０：靴底１１：前底部１２：後底部１３：分割部２：サイズ保持部材３：アッパー４：アーチ部材３Ａ：第１アッパー３Ｂ：第２アッパー６：離間防止部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】靴底を前底部および後底部に分割すると
共に、前記前底部と後底部の間の分割部にシャンクを構
成するアーチ部材を架設し、該アーチ部材を靴底の前底
部または後底部の一方にのみ固着し、前記靴底の前底部および後底部に固着されたアッパー
を、中足部において前後方向に伸縮自在とし、前記靴底の前底部と後底部とを前後方向の位置関係を変
更自在に固定するサイズ保持部材を設けたサイズ可変シ
ューズ。
【請求項２】靴底を前底部および後底部に分割すると
共に、前記前底部と後底部の間の分割部にシャンクを構
成するアーチ部材を架設し、該アーチ部材を靴底の前底
部または後底部の一方にのみ固着し、前記アーチ部材および該アーチ部材を固着した一方の靴
底に第１アッパーを固着すると共に、他方の靴底部の上
方において前記第１アッパーを前後方向に伸縮自在と
し、該第１アッパーにおける伸縮自在部を、前記他方の靴底
部に固着した第２アッパーで包み、前記靴底の前底部と後底部とを前後方向の位置関係を変
更自在に固定するサイズ保持部材を設けたサイズ可変シ
ューズ。
【請求項３】請求項１もしくは２において、前記靴底における前記アーチ部材が固着されていない前
底部または後底部の分割部近傍の部分が、足を踏み出す
靴底の屈曲時に、足裏から離れていくのを抑制ないし防
止する離間防止部を設けたサイズ可変シューズ。