JPH11185817A - ポリマー電池 - Google Patents

ポリマー電池

Info

Publication number
JPH11185817A
JPH11185817A JP9364795A JP36479597A JPH11185817A JP H11185817 A JPH11185817 A JP H11185817A JP 9364795 A JP9364795 A JP 9364795A JP 36479597 A JP36479597 A JP 36479597A JP H11185817 A JPH11185817 A JP H11185817A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
electrode
electrolyte
battery
polymer battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9364795A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Kahata
利幸 加幡
Masahiro Yanai
將浩 谷内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP9364795A priority Critical patent/JPH11185817A/ja
Publication of JPH11185817A publication Critical patent/JPH11185817A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Primary Cells (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性高分子と電解質塩とからなる高分子
固体電解質と電極活物質から構成される電極を用いたポ
リマー電池において、内部短絡に対する安全性が高く、
高性能なポリマー電池を提供すること。 【解決手段】 高分子固体電解質と電極活物質から構成
される電極と熱可塑性高分子と電解質塩からなる電極を
正極及び/又は負極に用いるポリマー電池において、正
極と負極の間に少なくとも架橋ポリマーマトリックスと
電解質塩からなる高分子固体電解質層を設けたことを特
徴とするポリマー電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電池に関するも
のであり、詳しくは熱可塑性高分子と電解質塩とからな
る高分子固体電解質と電極活物質から構成される電極を
用いたポリマー電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、軽量化の進歩
は自覚しいものがあり、とりわけOA分野においては、
デスクトップ型からラップトップ、ノートブック型へと
小型化、軽量化している。加えて、電子手帳、電子スチ
ルカメラなどの新しい小型電子機器の分野も出現し、さ
らには従来のハードディスク、フロッピーディスクの小
型化に加えてメモリーカードの開発が進められている。
このような電子機器の小型化、軽量化の波の中でこれら
の電力を支える電池にも高エネルギー密度、高出力等の
高性能化が要求されている。電池の形状においても従来
からある円筒形のものから機器の形状に合わせることが
できる角型電池が種々開発され、さらにはより薄い偏平
型電池が開発されている。この偏平電池は一般にポリマ
ー電池と呼ばれ、電解質に固体電解質を用いており、液
もれがないなど高い信頼性を持ち、形状も多くのものが
外装にフィルムを用いているため、従来の電池よりもさ
らに薄く、使用機器に合わせて自在に作製できるなどの
メリットを有している。
【0003】固体電解質としては、従来から熱可塑性高
分子と電解質塩とプロピレンカーボネート等の高沸点溶
媒からなる高分子固体電解質が用いられてきた。この高
分子固体電解質は加熱することにより溶融することか
ら、溶融状態のものに電極活物質を混合し、混練して電
極が容易に成型することができる(例えば特開昭57−
27567号公報)。
【0004】このように作製した電極は、従来からのポ
リマー電池の最大の課題であった電極と高分子固体電解
質との界面抵抗を大幅に低減することができる。また他
に高分子固体電解質として電解液にアクリロイル変性ポ
リエチレンオキシド等のモノマーを紫外線照射により反
応させて架橋ゲルを得る方法が、特開昭63−9450
1号公報に開示されている。しかしながら、架橋ゲルは
紫外線がとどかないところ、例えば電極内部では反応が
起きにくいため、電極と高分子固体電解質の複合化が不
完全となり、結果として電池のインピーダンスが高くな
ってしまう。
【0005】ポリマー電池はその構造上、電池に安全弁
等の安全機構を設けることが難しい。非水電解質を用い
た電池の安全性に対しては、電池の容量が小さいうちは
特に問題はないが、大きな容量の電池を作製すると内部
短絡等による電池の発熱、発火、爆発事故が問題とな
る。事故の発生メカニズムとしては、電池内の内部短絡
が起きた箇所で短絡電流が集中して流れるため、ジュー
ル熱による発熱、発火が起きると考えられる。ポリマー
電池は内部短絡に対しては電解液を使用した電池に比べ
て比較的安全と言われているが、それは、従来発表され
ているポリマー電池の内部インピーダンスが電解液を使
用した電池に比べて大変高いため、内部短絡が起きても
短絡電流があまり流れないことによる。しかしながら、
ポリマー電池に電解液を使用した電池と同等の性能を要
求されると、やはり内部短絡に対する事故は生じてしま
う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱可
塑性高分子と電解質塩とからなる高分子固体電解質と電
極活物質から構成される電極を用いたポリマー電池にお
いて、内部短絡に対する安全性が高く、高性能なポリマ
ー電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱可塑性
と電解質塩とからなる高分子固体電解質と電極活物質か
ら構成される電極を用いたポリマー電池において、どの
ようにして内部短絡で事故が起こるのか事故の検証を行
なったところ、内部短絡が起こると、短絡電流が集中し
て流れ、ジュール熱により熱可塑性高分子が融けて、高
分子固体電解質層が電解液と同じように流動状態とな
り、短絡をさらに加速させることが分かった。また、こ
のポリマー電池を加熱した場合にも同様の事故が起こり
やすい。
【0008】本発明者らは上記課題を解決するため鋭意
検討を行なった結果、正極と負極の間に少なくとも架橋
性ポリマーマトリックスと電解質塩からなる高分子固体
電解質を設けることが電池の内部短絡に対して大変有効
であり、かつその余の電池特性にほとんど支障を生じな
いことを見出し、本発明に到った。すなわち、架橋性ポ
リマーマトリックスと電解質塩からなる高分子固体電解
質は熱に対して溶融することがないため、内部短絡が生
じても高分子固体電解質が流動状態となり、危険な状態
になることはない。本発明のポリマー電池では少なくと
も正極あるいは負極のどちらの電極が熱可塑性高分子と
電解質塩からなる高分子固体電解質と電極活物質との複
合体からなる。
【0009】本発明のポリマー電池に用いる熱可塑性高
分子としては、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリレ
ート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンと
ヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリエチレン
オキサイド、ポリプロピレンオキシド等のポリアルキレ
ンオキサイド、及び上記高分子の共重合体が好ましく、
特にポリアクリロニトリル、ポリメタクリレート、ポリ
エチレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデンとポリエチ
レンオキサイドとの共重合体がイオン伝導性が高く好ま
しい。熱可塑性高分子は1種類で用いても良いが、2種
以上の混合物であっても問題ない。
【0010】電極活物質に必要により導電剤、結着剤を
用いて電極を作製し、少なくとも熱可塑性高分子と電解
質塩とからなる高分子固体電解質を後から複合させて良
いが、インピーダンスが高くなりやすいため、電極活物
質と熱可塑性高分子と電解質塩を混合し、さらに加熱、
混練して塗布或いは押し出し等により成型し、冷却して
電極を作製すると電極のインピーダンスは低くなり、大
変好ましい。
【0011】電極活物質と熱可塑性高分子と電解質塩に
は必要によりアセチレンブラック、ケッチェンブラッ
ク、カーボンブラック、グラファイト等の導電剤を混合
させることもできる。本発明の電極活物質と熱可塑性高
分子と電解質塩の複合体からなる電極には高分子固体電
解質層のイオン伝導性を向上させるために、非水溶媒を
添加することが好ましい。非水溶媒の添加により高分子
固体電解質層のイオン伝導は数桁上昇させることができ
る。添加する溶媒としてはイオン伝導を円滑にすること
ができる溶媒であれば良いが、電極を作製する時に加
熱、混練することを考慮すると高沸点溶媒、特に沸点が
80℃以上、好ましくは100℃以上でであり、具体的
にはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラ
ン、ポリエチレングリコールが好ましい。
【0012】電解質塩としては通常の非水電池に用いら
れるものであれば特に制限はなく、たとえば、LiBR
4(Rはフエニル基、アルキル基)、LiClO4、Li
BF4、LiPF6、LiSbF6、LiCF3SO3、L
iN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiN
(C25SO22、LiAlCl4、リチウムテトラキ
ス[3、5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボ
レート等を例示することができる。
【0013】本発明のポリマー電池に用いる電極活物質
としては正極活物質としてはMnO2、Mn23、Co
2、NiO2、TiO2、V25、V38、Cr23
Fe2(SO43、Fe2(MoO23、Fe2(WO2
3、TiS2、MoS2、LiCoO2、LiNiO2、L
iMn24等の遷移金属カルコゲン化合物、S.J.V
isco,etal.,Mol.Cryst.Liq.
Cryst.,190,185(1990)に示される
ようなジスルフィド化合物、ポリアセチレン、ポリピロ
ール、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリ
カルバゾール、ポリアズレン、ポリジフェニールベンジ
ジン、ポリピリジン等の導電性高分子、炭素体を例示す
ることができ、エネルギー密度の点で遷移金属カルコゲ
ン化合物が好ましい。
【0014】本発明の電極を負極に用いる場合の電極活
物質としてはLiとAl、Si、Pb等のりチウム合
金、SnO2、SnO、TiO2、NbO2等の金属酸化
物、ポリアセチレン、ポリポラフェニレン、ポリチオフ
ェン、ポリアルキルチオフェン、ポリピリジン等の導電
性高分子及び天然黒鉛や、石炭コークス、石油コーク
ス、有機化合物を原料とした熱分解炭素、天然高分子及
び合成高分子を焼成することにより得られる炭素体等の
炭素材料が用いられ、サイクル寿命、エネルギー密度の
点で炭素材料が最も好ましい。
【0015】本発明のポリマー電池に用いる正極と負極
の間に設ける架橋ポリマーマトリックスと電解質塩から
なる高分子固体電解質の架橋ポリマーマトリックスとし
ては、マトリックス中にイオン解離基を有するポリマー
である。本高分子固体電解質は非水溶媒を含有させる
と、そのイオン伝導度は電解液にほとんど遜色がなく、
インピーダンスの低いポリマー電池を作製することがで
き大変好ましい。
【0016】本高分子固体電解質は電極との界面抵抗を
低減させるため、少なくとも電解質塩と重合性モノマー
からなる溶液あるいは重合性モノマーと電解液からなる
溶液を電極上に塗布して熱あるいはエネルギー線照射に
より架橋反応を起こさせて積層することが好ましく、特
にエネルギー線照射による架橋反応がポリマー電池内の
材料に悪影響を与えることなく、反応が速く、電極との
界面抵抗を特に低くすることができ好ましい。
【0017】エネルギー線としては、紫外線、X線、電
子線を例示できるが、特に紫外線、電子線が反応が速く
好ましい。本発明に用いる重合性モノマーとしては、そ
の分子内に酸素原子、窒素原子、イオウ原子等の炭素以
外のへテロ原子を含むものである。これらのへテロ原子
を含有する重合性化合物に電解質塩を溶解、あるいは重
合性化合物を非水電解液に溶解させ、重合反応させて得
られる固体電解質においては、その炭素以外のへテロ原
子は電解質塩のイオン化を促進させ、固体麓解資のイオ
ン伝導性を向上させるとともに、固体電解質の強度を向
上させる働きもあると考えられる。
【0018】また、本発明で用いる重合性化合物の種類
は特に制約されず、熱重合及び活性光線重合などの重合
反応を生起して得るものが包含されるが、特に活性光線
による光重合性を示すものが好ましい。熱重合反応とし
ては、ウレタン化反応の他、エポキシ基やアクリレート
基による重合反応等が挙げられるが、ウレタン化反応が
好ましい。
【0019】また活性光線重合反応としては、不飽和カ
ルボン酸エステル、ポリエン/ポリチオール混合物及び
架橋性マクロマー(有機シラン、ポリイソチアナフテン
等)による重合反応が挙げられるが、好ましくは不飽和
カルボン酸エステル、ポリエン/ポリチオール混合物に
よる反応である。以下、特に電解液中の重合反応として
優れている不飽和カルボン酸エステルの重合反応、ポリ
エン/ポリチオール混合物の重合反応、ポリウレタン化
反応について詳述する。なお、本明細書における(メ
タ)アクリレートは、アクリレート又はメタアクリレー
トを意味し、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル
基又はメタアクリロイル基を意味する。
【0020】本発明の固体電解質を得るための重合反応
は、電解質の熱分解を避けるために低温プロセスである
活性光線重合反応が好ましい。活性光線重合性化合物と
しては(メタ)アクリレートや、ポリエンとポリチオー
ルとの組み合わせ等が挙げられる。(メタ)アクリレー
トとしては単官能及び多官能の(メタ)アクリレートが
挙げられる。単官能の(メタ)アクリレートを用いたポ
リマーマトリックスは電解質塩を介したイオン架橋によ
り不触であるが、多官能の(メタ)アクリレートと架橋
することにより安定性は増し、好ましい。単官能アクリ
レートとしては、アルキル(メタ)アクリレート[メチ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等]、脂
環式(メタ)アクリレート[テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート等]、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート[ヒドロキシエチルアクリレート、ヒ
ドロキシプロピルアクリレート等]、ヒドロキシポリオ
キシアルキレン(オキシアルキレン基の炭素数は好まし
くは1〜4)(メタ)アクリレート[ヒドロキシポリオ
キシエチレン(メタ)アクリレート、ヒドロキシポリオ
キシプロピレン(メタ)アクリレート等]及びアルコキ
シ(アルコキシ基の炭素数は好ましくは1〜4)(メ
タ)アクリレート[メトキシエチルアクリレート、エト
キシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレー
ト等]が挙げられる。多官能(メタ)アクリレートの例
としては、UV、EB硬化技術((株)総合技術センタ
ー発行)142頁〜152頁記載の光重性モノマー及び
光重合性プレポリマーのうち3官能以上のモノマー、プ
レポリマー[トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート等が好ましい。
【0021】アクリレートのうち、下記に示す一般式
(1)で表わされる分子量500未満の化合物及び一般
式(2)で表わされる構造のものが特に好ましい。
【0022】
【化3】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭化水素基
又は複素環を含む基、nは1以上の整数を表わす。)
【0023】
【化4】 (式中、R3は水素原子又はメチル基、R4は複素環を含
む基を表わす。)
【0024】前記一般式(1)において、R2は炭化水
素基又は複素環を含む基を示すが、この場合、炭化水素
基としては、脂肪族系及び芳香族系のものが含まれる。
脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル等の炭素数1〜
10、好ましくは1〜5のものが挙げられる。また、芳
香族炭化水素基としては、フェニル、トリル、キシリ
ル、ナフチル、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。
複素環を含む基としては、酸素、窒素、硫黄等のヘテロ
原子を含む各種の複素環基が包含され、このようなもの
としては、例えば、フルフリル、テトラヒドロフルフリ
ル等が挙げられる。
【0025】前記一般式(1)で示されるアクリレート
の具体例としては例えば、アルキルエチレングリコール
アクリレート[メチルエチレングリコールアクリレー
ト、エチルエチレングリコールアクリレート、プロピル
エチレングリコールアクリレート等]、フェニルエチレ
ングリコールアクリレート、アルキルプロピレングリコ
ールアクリレート[エチルプロピレングリコールアクリ
レート、ブチルプロピレングリコールアクリレート
等]、複素環を有するアルキレングリコールアクリレー
ト[フルフリルエチレングリコールアクリレート、テト
ラヒドロフルフリルエチレングリコールアクリレート、
フルフリルプロピレングリコールアクリレート、テトラ
ヒドロフルフリルプロピレングリコールアクリレート
等]が挙げられる。一般式(1)で表わされるこれらの
アクリレートの分子量は通常500未満であるが、30
0以下がより好ましい。分子量が500以上のアクリレ
ートでは得られる固体電解質から非水溶媒が滲出しやす
い。
【0026】一般式(2)で示される(メタ)アクリレ
ート中に含まれる複素環は特に限定はされない。この場
合、複素環を含む基としては、酸素、窒素、イオウ等の
へテロ原子を含む複素環の残基、例えば、フルフリル
基、テトラヒドロフルフリル基等が挙げられる。前記一
般式(2)で示される(メタ)アクリレートとしては、
例えば、フルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。こ
れらのうちフルフリルアクリレート、テトラヒドロフル
フリルアクリレートが好ましい。一般式(1)あるいは
(2)で表わされる化合物は単独で使用してもよいが、
2種類以上を混合して使用することもできる。
【0027】前記一般式(1)あるいは(2)で示され
る化合物には、多官能不飽和カルボン酸エステルを併用
することにより、弾性率、イオン伝導度とも理想的な固
体電解質を得ることができる。多官能不飽和カルボン酸
エステルとしては、(メタ)アクリロイル基を2個以上
有するものが挙げられる。このものの好ましい具体例と
しては、「UV、EB硬化技術」((株)総合技術セン
ター発行)142頁〜152頁記載の光重合性モノマー
及び光重合性プレポリマーのうち2官能以上のモノマ
ー、プレポリマー[ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等]
が挙げられるが、3官能(メタ)アクリレートが、保液
性、イオン伝導度、強度にすぐれた固体電解質を与える
点で最も好ましい。
【0028】一般式(1)及び(2)で示される化合
物、又はこれを主成分とする不飽和カルボン酸エステル
の使用割合は、非水電解液に対して50重量%以下、好
ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは10〜30
重量%が良い。この範囲外では固体電解質のイオン伝導
度及び強度が低下する。
【0029】一般式(1)及び(2)の化合物に多官能
不飽和カルボン酸エステルを併用する場合、その多官能
不飽和カルボン酸エステルの添加量は、非水電解液に対
して4重量%以下、好ましくは0.05〜2重量%であ
り、特に3官能不飽和カルボン酸エステルを併用する場
合には、2重量%以下、好ましくは0.05〜0.5重
量%という少量の添加でイオン伝導度や強度の点で優れ
た固体電解質を得ることができる。
【0030】このような多官能不飽和カルボン酸エステ
ルの併用により、イオン伝導度や強度の点でよりすぐれ
た固体電解質を得ることができる。また、多官能不飽和
カルボン酸エステルの併用量が多すぎると、得られる固
体電解質は粘弾性体としての性状を示さず、柔軟性に欠
け、特に外部応力に対してクラックを生じやすくなる。
【0031】一般式(1)及び(2)で示される化合
物、又はこれを主成分として含む不飽和カルボン酸エス
テルの重合開始剤としては、カルボニル化合物、ベンゾ
イン類(ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、エチルエーテル、ベンゾインプ
ロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベ
ンゾインイソブチルエーテル、α−メチルベンゾイン、
α−フェニルベンゾイン等)、アントラキノン類(アン
トラキノン、メチルアントラキノン、クロルアントラキ
ノン等)、その他の化合物(ベンジル、ジアセチル、ア
セトフェノン、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォ
ーメート等)、硫黄化合物(ジフェニルスルフィド、ジ
チオカーバメート等)、多縮合環系炭化水素のハロゲン
化物(α−クロルメチルナフタリン等)、色素類(アク
リルフラビン、フルオレセン等)、金属塩類(塩化鉄、
塩化銀等)、オニウム塩類(P−メトキシベンゼンジア
ゾニウム、ヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニル
アイオドニウム、トリフェニルスルフォニウム等)など
の光重合開始剤が挙げられる。これらは単独でも、ある
いは2種以上の混合物としても使用できる。
【0032】好ましい光重合開始剤は、カルボニル化合
物、硫黄化合物及びオニウム塩類である。必要により熱
重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイル
パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、エチルメ
チルケトンペルオキシド等)を併用することができる
し、また、ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト、ス
ルフィン酸、メルカプタン等の重合開始剤も併用でき
る。
【0033】さらに、増感剤、貯蔵安定剤も必要により
併用できる。増感剤及び貯蔵安定剤の具体例としては、
「UV、EB硬化技術((株)総合技術センター発
行)」158頁〜159頁記載の増感剤、貯蔵安定剤の
うち、前者としては、尿素ニトリル化合物(N,N−ジ
置換−P−アミノベンゾニトリル等)、燐化合物(トリ
−n−ブチルホスフィン等)が好ましく、後者として
は、第4級アンモニウムクロライド、ベンゾチアゾー
ル、ハイドロキノンが好ましい。
【0034】重合開始剤の使用量は、全不飽和カルボン
酸エステルに対し、通常0.1〜10重量%、好ましく
は0.5〜7重量%である。この範囲外では適度な反応
性が得られない。増感剤及び貯蔵安定剤の使用量は、全
不飽和カルボン酸エステル100重量部に対し、通常
0.1〜5重量部である。
【0035】本発明による電解液の固体化は、前記した
一般式(1)又は(2)で示される化合物又はこれを主
成分とする不飽和カルボン酸エステルを含む非水電解液
を密封容器に注入するか、あるいは支持体(例えばフィ
ルム、金属、金属酸化物、ガラス、電極等)にコーティ
ングした後、熱又は活性光線で重合することにより達成
される。活性光線としては、通常、光、紫外線、電子
線、X線が使用できる。これらのうち、好ましくは、1
00〜800nmの波長を主波長とする活性光線であ
る。
【0036】ポリエン/ポリチオールの混合物の重合反
応は基本的には次式の通りである。
【0037】
【化5】 RSH→RS+H RS+CH2=CH−CH2R’ →RS−CH2−CH−CH2R’ RSH →RS−CH2−CH2−CH2R’+RS (前記式中、R及びR’はアルキル基等の有機基であ
る)ポリエンとしては、ポリアリルエーテル化合物、ポ
リアリルエステル化合物があげられる。ポリアリルエー
テル化合物の例としては、置換、未置換のアリルアルコ
ールにエポキシ化合物(エチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイ
ド、シクロヘキセンオキサイド、エピハロヒドリン、ア
リルグリシジルエーテル等)を付加した化合物が挙げら
れる。これらのうち好ましいものは、置換、未置換のア
リルアルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイドを付加した化合物である。
【0038】ポリアリルエステル化合物としては、アリ
ルアルコール又は上記のポリアリルエーテル化合物とカ
ルボン酸との反応生成物が挙げられる。カルボン酸の例
としては、脂肪族、脂環式、及び芳香族系のモノ及びポ
リカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン
酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、安息香酸
などのモノカルボン酸、(炭素数1〜20);アジピン
酸、フタル酸などのジカルボン酸等)が挙げられる。こ
れらのうち好ましいものは、ポリアリルエーテル化合物
とポリカルボン酸の反応生成物である。
【0039】ポリチオールとしては、液状ポリサルファ
イド;脂肪族、脂環式及び芳香族系のポリチオール化合
物;メルカプトカルボン酸エステルが挙げられる。液状
ポリサルファイドとしてはチオコールLPシリーズ(東
レチオコール(株))が挙げられる。このうち好ましい
ものは平均分子量が400以下のものである。脂肪族、
脂環式及び芳香族系のポリチオール化合物の例として
は、メタン(ジ)チオール、エタン(ジ)チオールが挙
げられる。メルカプトカルボン酸エステルとしては、メ
ルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル化反
応又はメルカプトカルボン酸アルキルエステルと多価ア
ルコールとのエステル交換反応により得られる化合物が
挙げられる。
【0040】メルカプトカルボン酸の例としては、2−
メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸が挙げら
れる。多価アルコールの例としては、エチレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリ
スリトール、ショ糖及びこれらのアルキレンオキサイド
付加物(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付
加物、ブチレンオキサイド付加物)等が挙げられる。多
価アルコールとして好ましいものは3価以上の多価アル
コールでアルキレンオキサイド付加物を含まないもので
ある。
【0041】メルカプトカルボン酸アルキルエステルの
例としては、2−メルカプト酢酸エチルエステル、3−
メルカプトプロピオン酸メチルエステル等が挙げられ
る。ポリチオールのうちで好ましいものは、液状ポリサ
ルファイド及びメルカプトカルボン酸エステルである。
ポリエチレン/ポリチオールの反応混合物の重合開始剤
としては、不飽和カルボン酸エステルの重合について示
したものと同様のものが用いられる。
【0042】熱重合反応を生起する重合性化合物とし
て、ポリウレタンを形成するポリイソシアネートとポリ
オール及び/又は架橋剤との組合せ及びその予備重合物
を挙げることができる。ポリオールとしては、「ポリウ
レタン樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社発行)99
頁〜117頁記載のポリオールが挙げられ、それらのう
ちアルキレンオキサイド[エチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド、テトラヒドロフランなど]を重合して
形成した融点が10℃以下のポリオキシアルキレンポリ
オールが好ましい。
【0043】この場合、オキシアルキレン基は、単独で
あっても2種以上であっても良い。特にエチレンオキシ
ドとプロピレンオキシドを共重合して形成したポリオキ
シアルキレンポリオールが好ましい。また、ポリオキシ
アルキレンポリオールは2種以上の混合物であってもよ
い。ポリオキシアルキレンポリオールの融点は通常10
℃以下、好ましくは0℃〜−60℃である。融点が10
℃を超えるとその結晶性のためイオン伝導度が低下す
る。ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価は通常
84以下、好ましくは60以下である。水酸基価が84
を超えると固体電解質のイオン伝導度が低くなる。
【0044】ポリイソシアネートとしては、前述の書籍
90頁〜98頁記載のポリイソシアネートのうち、トリ
レンジイソシアネート、4,4’−メタフェニレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びこれら
のプレポリマーが好ましい。NCO基の含有割合は、通
常、48%(重量%)以下、好ましくは40%以下であ
る。NCO基含有割合が48%を超えると固体電解質の
イオン伝導度が低くなる。架橋剤としては前述の書籍1
22頁〜123頁記載の架橋剤のうち、多価アルコール
類、多価アミン類のほか水も使用できる。このうちエチ
レングリコールなどの多価アルコール類が好ましい。ポ
リオール及び/又は架橋剤とポリイソシアネートは必要
により触媒の存在下で重付加反応を起こしてポリウレタ
ンを与える。この場合、触媒としてはポリウレタンの合
成に慣用されているものが挙げられ、その具体例として
は、トリエチレンジアミン、スタナスオクトエート等が
ある。ポリエン/ポリチオール混合物の反応及びウレタ
ン化反応を用いて固体電解質を形成する際に用いられる
電解液としては、不飽和カルボン酸エステルの重合反応
により固体電解質を形成する場合に示した電解液と同様
のものが用いられる。
【0045】本発明の固体電解質を得る場合に用いる非
水電解液には、非水電解液の表面張力を下げて、隔膜あ
るいは活物質への浸透を向上させる浸漬助剤を添加する
のが好ましい。このような浸漬助剤としては、シリコン
オイル、シリコン−アルキレンオキサイド付加物等のシ
リコン誘導体;ポリプロピレンオキシド誘導体;パーフ
ルオロアルキルスルホン酸塩;パーフルオロアルキル第
4級アンモニウムヨウ化物、パーフルオロアルキルポリ
オキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル
等のフッ素誘導体が挙げられる。これらのうち好ましい
ものはシリコン誘導体及びフッ素誘導体である。この浸
漬助剤は、固体電解質中、通常、0.1〜10重量%、
好ましくは、0.5〜5重量%である。この範囲外では
経済的な浸漬効果が得られない。本発明の固体電解質の
形成は、不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましく、
この場合には、大気中で製造する場合にくらべてイオン
伝導度、強度の点で優れた固体電解質が得られる。
【0046】電解質塩としては、非水電池に用いること
ができるものであれば特に制限はないが、例えば、Li
BR4(Rはフェニル基、アルキル基)、LiPF6、L
iSbF6、LiAsF6、LiBF4、LiClO4、L
iCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3
SO23、LiN(C25SO22、LiAlCl4
リチウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)フェニル]ボレート等の単独あるいは混合物を例示
することができる。好ましくはLiPF6、LiBF4
LiN(CF3SO22がイオン伝導性、安全性等の点
で好ましい。
【0047】非水溶媒としてはカーボネート溶媒(プロ
ピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチル
カーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート等)、アミド溶媒(N−メチルホルムアミ
ド、N−エチルホルムアミド等)、ラクトン溶媒(γ−
ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、σ−バレロラク
トン、3−メチル−1,3オキサゾリジン−2−オン
等)、アルコール溶媒(エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン、メチルセルソルブ、1,2
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、ジグリセリン、ポリオキシアルキレン
グリコールシクロヘキサンジオール、キシレンフリコー
ル等)、エーテル溶媒(メチラール、1,2−ジメトキ
シエタン、1,2−ジエトキシエタン、1−エトキシ−
2−メトキシエタン、アルコキシポリアルキレンエーテ
ル等)、ニトリル溶媒(ベンゾニトリル、アセトニトリ
ル、3−メトキシプロピオニトリル等)、燐酸類及び燐
酸エステル溶媒(正燐酸、メタ燐酸、ピロ燐酸、ポリ燐
酸、亜燐酸、トリメチルフォスフェート等)、2−イミ
ダゾリジノン類(1,3−ジメチルー2ーイミダゾリジ
ノン等)、ピロリドン類、スルホラン溶媒(スルホラ
ン、テトラメチレンスルホラン等)、フラン溶媒(テト
ラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,
5−ジメトキシテトラヒドロフラン)、ジオキソラン、
ジオキサン、ジクロロエタン等の単独あるいは2種類以
上の混合溶媒が使用できる。これらのうち好ましいもの
はカーボネート類、エーテル類、フラン溶媒である。
【0048】本発明のポリマー電池では短絡防止のた
め、セパレータを用いることもできる。セパレータとし
ては例えば、ガラス、ポリエステル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等の単独ま
たは2種類以上の材質から選ばれる不織布、織布が挙げ
られる。本発明のポリマー電池は偏平型、コイン型、角
型、円筒型等の種々の形態をとることができる。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例にて具体的に説明す
る。 実施例1 ポリアクリロニトリル18.9重量部、エチレンカーボ
ネート40.0重量部、プロピレンカーボネート34.
5重量部、LiClO46.6重量部を混合し、130
℃に加熱して均一なプレ溶液とした。この溶液41重量
部にLiMn2451重量部、アセチレンブラック8重
量部を加え、130℃に保温しながら撹拌を行なって正
極溶液を作製した。正極溶液をアルミニウムホイル上に
塗布し、冷却することにより、正極を作製した。上記プ
レ溶液50重量部に天然黒鉛50重量部を加え、130
℃に保温しながら銅ホイル上に塗布し、冷却することに
より、負極を作製した。
【0050】エチレンカーボネート40.0重量部、プ
ロピレンカーボネート34.5重量部、LiClO4
6.6重量部、エトキシジエチレングリコールアクリレ
ート13.8重量部、トリメチロールプロパントリアク
リレート0.2重量部、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル0.05重量部を混合したものを正極及び負極上に塗
布し、紫外線を照射してそれぞれの電極に高分子固体電
解質層を積層した。正極5枚及び負極6枚を交互に積層
し、各正極を超音波溶接により溶接して正極端子を接続
した。各負極を抵抗溶接により溶接した。封止材にポリ
エステル/アルミ/ポリエチレン積層フィルムを用い
て、電池を作製した。
【0051】実施例2 実施例1においてLiMn24の代りにLiCoO2
用いる以外は実施例1と同様にして薄型電池を作製し
た。 実施例3 実施例2においてLiClO4の代りにLiN(CF3
22を7.5重量部とLiPF6を0.1重量部用い
る以外は実施例1と同様にして薄型電池を作製した。 実施例4 実施例3においてポリアクリロニトリルの代りにポリメ
タクリレートを用いる以外は実施例3と同様にして薄型
電池を作製した。 実施例5 実施例3において紫外線照射の代りに電子線を照射する
ことにより薄型電池を作製した。
【0052】比較例1 実施例1において正極及び負極上に高分子固体電解質層
を設けないことを除いて実施例1と同様にして薄型電池
を作製した。 比較例2 LiMn24を51重量部、アセチレンブラック8重量
部、ポリ弗化ビニリデン4重量部にN−メチルピロリド
ンを加えてペースト状にしたものをアルミニウム箔上に
塗布、乾燥して正極を作製した。天然黒鉛90重量部、
ポリ弗化ビニリデン10重量部にN−メチルピロリドン
を加えてペースト状にしたものを銅箔上に塗布、乾燥し
て負極を作製した。ポリアクリロニトリル18.9重量
部、エチレンカーボネート40.0重量部、プロピレン
カーボネート34.5重量部、LiClO4を6.6重
量部混合し、130℃に加熱して均一なプレ溶液を作製
し、正極上にプレ溶液を塗布し、その上に負極を貼り合
わせて冷却することにより薄型電池を作製した。封止材
にはポリエステル/アルミ/ポリエチレン積層フィルム
を用いた。
【0053】比較例3 エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートを1:
1(体積比)で混合した溶媒に1モルLiClO4を溶
解した電解液を作製した。比較例2で作製した電極を電
解液が浸透したポリプロピレン微多孔膜を介して正極と
負極を貼り合わし、薄型電池を作製した。封止材にはポ
リエステル/アルミ/ポリエチレン積層フィルムを用い
た。
【0054】薄型電池性能評価 実施例1〜5の電池を室温(20℃)で、充放電を行な
った。充電は150mAh(1/3C)で4.2Vまで
4時間定電流定電圧充電を行なった。放電を各電流で
2.8Vまで放電を行なった。充放電10サイクル目の
放電容量を表1に示す。また、充電状態の電池に直径2
mmの鉄クギを差し込んで電池の状態を観察し(n=
5)、結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】実施例6 分子量3000のポリエチレンオキシドトリオール10
0重量部、ジブチル錫ジラウレート0.06重量部、ト
リレン−2,4−ジイソシアネート8.5重量部、Li
BF4を5.4重量部メチルエチルケトンに溶解したも
のを80℃、3日間加熱して高分子固体電解質シートを
作製した。正極5枚及び負極6枚を高分子固体電解質シ
ートを介して交互に積層し、各正極を超音波溶接により
溶接して正極端子を接続した。各負極を抵抗溶接により
溶接した。封止材にポリエステル/アルミ/ポリエチレ
ン積層フィルムを用いて電池を作製した。この電池を6
0℃で充放電を行なった。充電は100mAh(1/5
C)で4.2Vまで7時間定電流定電圧充電を行なっ
た。放電を100mAで2.8Vまで放電を行なった。
充放電10サイクル目、100サイクル目の放電容量
は、458mAh、444mAhであった。
【0057】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明に係る電池は正極と負極の間に架橋ポ
リマーマトリックスと電解質塩からなる高分子固体電解
質層があるため、内部短絡等の際の安全性が向上し、電
極に非水溶媒を含有させることにより電極のインピーダ
ンスが低下するため、重負荷放電でも高い放電容量の電
池を作製することができ、該溶媒の沸点が80℃以上で
あることにより電極作成時に溶媒の蒸発がないため、電
極のインピーダンスを低くすることができるとともに、
溶媒蒸発による作業環境の悪化を防ぐことができる。ま
た、電極にイオン伝導性の高い熱可塑性高分子を用いる
ため、電池のインピーダンスをより下げることができ、
少なくとも電極活物質と電解質塩と熱可塑性高分子を加
熱混練することにより作製した電極を用いることにより
インピーダンスの低い電極を作製できるため、重負荷放
電でも高い放電容量の電池を作製することができ、正極
と負極の間にある高分子固体電解質が非水溶媒を含有す
ることにより、高分子固体電解質層のイオン伝導度が向
上するため、重負荷放電でも高い放電容量の電池を作製
することができる。さらに、正極と負極の間にある高分
子固体電解質が少なくとも電解質塩と重合性モノマーか
らなる溶液にエネルギー線照射して架橋反応を起こして
作製したものであることにより、電極と高分子固体電解
質層の界面抵抗を下げることができるため、電池のイン
ピーダンスを低くすることができ、重負荷放電でも高い
放電容量の電池を作製することができ、該架橋反応のた
めのエネルギー線が紫外線、電子線であることにより、
高分子固体電解質層が、変質がなく、高いイオン伝導性
を有しているため、電池のインピーダンスを低くするこ
とができ、重負荷放電でも高い放電容量の電池を作製す
ることができ、該重合性モノマーとして上記特定のもの
を用いることにより、イオン伝導性の高い高分子固体電
解質層を作製することができるため、電池のインピーダ
ンスを低くすることができ、重負荷放電でも高い放電容
量の電池を作製することができ、また、電池の安全性も
向上するという極めて優れた効果が発揮される。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子固体電解質と電極活物質から構成
    される電極と熱可塑性高分子と電解質塩からなる電極を
    正極及び/又は負極に用いるポリマー電池において、正
    極と負極の間に少なくとも架橋ポリマーマトリックスと
    電解質塩からなる高分子固体電解質層を設けたことを特
    徴とするポリマー電池。
  2. 【請求項2】 前記高分子固体電解質と電極活物質から
    構成される電極と熱可塑性高分子と電解質塩からなる電
    極が非水溶媒を含有していることを特徴とする請求項1
    に記載のポリマー電池。
  3. 【請求項3】 該熱可塑性高分子がポリアクリロニトリ
    ル、ポリメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ
    アルキレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデンとヘキサ
    フルオロプロピレンとの共重合体であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のポリマー電池。
  4. 【請求項4】 該電極が少なくとも電極活物質と電解質
    塩と熱可塑性高分子を加熱混練し、成型、冷却すること
    により作製したものであることを特徴とする請求項1乃
    至3のうちいずれか1に記載のポリマー電池。
  5. 【請求項5】 該溶媒の沸点が80℃以上であることを
    特徴とする請求項2乃至請求項4のうちいずれか1に記
    載のポリマー電池。
  6. 【請求項6】 該正極と負極の間にある高分子固体電解
    質が非水溶媒を含有することを特徴とする請求項1乃至
    5のうちいずれか1に記載のポリマー電池。
  7. 【請求項7】 該正極と負極の間にある高分子固体電解
    質が少なくとも電解質塩と重合性モノマーからなる溶液
    にエネルギー線照射して架橋反応を起こして作製したも
    のであることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれ
    か1に記載のポリマー電池。
  8. 【請求項8】 該エネルギー線が紫外線、電子線である
    ことを特徴とする請求項7に記載のポリマー電池。
  9. 【請求項9】 該重合性モノマーが下記一般式(1)及
    び/又は一般式(2)の構造であることを特徴とする請
    求項7又は8に記載のポリマー電池。 【化1】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭化水素基
    又は複素環を含む基、nは1以上の整数を表わす。) 【化2】 (式中、R3は水素原子又はメチル基、R4は複素環を含
    む基を表わす。)
JP9364795A 1997-12-22 1997-12-22 ポリマー電池 Pending JPH11185817A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9364795A JPH11185817A (ja) 1997-12-22 1997-12-22 ポリマー電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9364795A JPH11185817A (ja) 1997-12-22 1997-12-22 ポリマー電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11185817A true JPH11185817A (ja) 1999-07-09

Family

ID=18482685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9364795A Pending JPH11185817A (ja) 1997-12-22 1997-12-22 ポリマー電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11185817A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002190320A (ja) * 2000-12-19 2002-07-05 Furukawa Electric Co Ltd:The 固体状電解質およびそれを用いた電池
JP2002190318A (ja) * 2000-12-19 2002-07-05 Furukawa Electric Co Ltd:The 固体状電解質及びそれを用いた非水電解液系電池
JP2002190317A (ja) * 2000-12-19 2002-07-05 Furukawa Electric Co Ltd:The 固体状電解質及びそれを用いた非水電解液系電池
US7504473B2 (en) 2000-06-16 2009-03-17 Arizona Board Of Regents For And On Behalf Of Arizona State University Conductive polymeric compositions for lithium batteries
US7527899B2 (en) 2000-06-16 2009-05-05 Arizona Board Of Regents For And On Behalf Of Arizona State University Electrolytic orthoborate salts for lithium batteries
JP2019114390A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 日本ゼオン株式会社 電気化学デバイス用電解質組成物および電気化学デバイス用電極の製造方法
CN114530627A (zh) * 2020-11-06 2022-05-24 纳米及先进材料研发院有限公司 包括原位热固化型固态复合电解质的二次锂离子电池

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7504473B2 (en) 2000-06-16 2009-03-17 Arizona Board Of Regents For And On Behalf Of Arizona State University Conductive polymeric compositions for lithium batteries
US7527899B2 (en) 2000-06-16 2009-05-05 Arizona Board Of Regents For And On Behalf Of Arizona State University Electrolytic orthoborate salts for lithium batteries
JP2002190320A (ja) * 2000-12-19 2002-07-05 Furukawa Electric Co Ltd:The 固体状電解質およびそれを用いた電池
JP2002190318A (ja) * 2000-12-19 2002-07-05 Furukawa Electric Co Ltd:The 固体状電解質及びそれを用いた非水電解液系電池
JP2002190317A (ja) * 2000-12-19 2002-07-05 Furukawa Electric Co Ltd:The 固体状電解質及びそれを用いた非水電解液系電池
JP2019114390A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 日本ゼオン株式会社 電気化学デバイス用電解質組成物および電気化学デバイス用電極の製造方法
CN114530627A (zh) * 2020-11-06 2022-05-24 纳米及先进材料研发院有限公司 包括原位热固化型固态复合电解质的二次锂离子电池
US11824156B2 (en) 2020-11-06 2023-11-21 Nano And Advanced Materials Institute Limited Secondary lithium-ion batteries comprising in situ thermal curable solid composite electrolyte

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5223353A (en) Solid electrolyte, electrochemical device including the same and method of fabricating the solid electrolyte
US6013393A (en) Ionic conductive polymer gel and lithium-ion battery using the same
US6316563B2 (en) Thermopolymerizable composition and use thereof
US6562513B1 (en) Thermopolymerizable composition for battery use
JP4418134B2 (ja) 高分子ゲル電解質およびそれを用いてなるリチウム電池
JP4955295B2 (ja) リチウム二次電池
JP2002008723A (ja) ゲル状電解質及び非水電解質電池
JP2002216845A (ja) 高分子固体電解質及びそれを用いた電気化学素子、二次電池
JPH11288738A (ja) 固体電解質電池およびその製造方法
JP2005044681A (ja) リチウム二次電池電極用バインダー組成物、リチウム二次電池用電極、リチウム二次電池、及びリチウム二次電池の製造方法
JP2001035251A (ja) 高分子固体電解質及びそれを用いた電気化学素子
JP4026787B2 (ja) 薄型電池
JP3635302B2 (ja) 二次電池
JP3607470B2 (ja) ポリマー電池
JPH11185817A (ja) ポリマー電池
JP2003173782A (ja) リチウム二次電池及び正極
JP3423832B2 (ja) イオン伝導性高分子固体電解質および該固体電解質を使用した電気化学素子
JP3666776B2 (ja) 電極及びそれを用いた非水二次電池
JPH1186855A (ja) 二次電池
JP3516290B2 (ja) 高分子固体電解質及びそれを用いた電気化学素子
JPH0925384A (ja) イオン伝導性高分子ゲル電解質および該電解質を含む二次電池
JP3784705B2 (ja) 固体電解質、それを含む電気化学素子及び電池
JPH05205515A (ja) 固体電解質、それを含む電気化学素子及び固体電解質の形成方法
JPH10188984A (ja) 固体二次電池
JPH107759A (ja) 高分子固体電解質用モノマー化合物及び高分子固体電解質、及びその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040806

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041006