JPH11180934A - パラニトロ安息香酸の製造方法およびその装置 - Google Patents

パラニトロ安息香酸の製造方法およびその装置

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JPH11180934A
JPH11180934A JP36386997A JP36386997A JPH11180934A JP H11180934 A JPH11180934 A JP H11180934A JP 36386997 A JP36386997 A JP 36386997A JP 36386997 A JP36386997 A JP 36386997A JP H11180934 A JPH11180934 A JP H11180934A
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nitric acid
reaction vessel
reaction
vessel
specific gravity
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JP36386997A
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Rou Satou
瓏 佐藤
Koichi Kimura
皓一 木村
Kenichi Oikawa
健一 及川
Nobuo Suwabe
伸夫 諏訪部
Yuji Miyazaki
裕二 宮崎
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Sogo Pharmaceutical Co Ltd
Kanagawa Prefecture
Original Assignee
Sogo Pharmaceutical Co Ltd
Kanagawa Prefecture
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C201/00Preparation of esters of nitric or nitrous acid or of compounds containing nitro or nitroso groups bound to a carbon skeleton
    • C07C201/06Preparation of nitro compounds
    • C07C201/14Preparation of nitro compounds by formation of nitro groups together with reactions not involving the formation of nitro groups

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 パラニトロ安息香酸の選択率及び変化率を改
善すること。 【解決手段】 ポリスチレンと、二酸化マンガンの存在
下で、硝酸とともに加熱するパラニトロ安息香酸の製造
方法であって、反応終了時における系内の硝酸の比重が
1.25〜1.5となるようにして反応させる。具体的
には比重1.42の硝酸及び二酸化マンガンを装入した
第1及び比重1.42の硝酸を装入した第2反応容器
1,2を還流しながら、硝酸供給容器兼硝酸回収容器3
内の二酸化マンガン含有硝酸溶液を容器1へ送ると同時
に容器1内の硝酸溶液を容器2へ流出させる次いで、容
器1へ粒状ポリスチレンを装入し、容器1の内容物は連
通管6より容器2へ流出させながら反応を行なう。容器
1及び容器2で発生した水、二酸化窒素及び一酸化窒素
は、ライン10より空気を導入して一酸化窒素を二酸化
窒素とした後、容器3に比重1.37の硝酸として回収
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン系重合体
を原料として用いるパラニトロ安息香酸の製造方法およ
びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、スチレン系重合体を原料として用いるパラニトロ安
息香酸の製造方法に関し、例えば第26回中部化学関係
学協会支部連合秋季大会、講演予稿集(平成7年8月2
5日発行)において、ポリスチレンを原料としたパラニ
トロ安息香酸の合成について報告されているが、パラニ
トロ安息香酸の選択率および変化率が満足すべきもので
はない。
【0003】本発明は、パラニトロ安息香酸の選択率お
よび変化率が著しく改善されたパラニトロ安息香酸の製
造方法およびその装置を提供することを目的としてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の態様に
おいて、スチレン系重合体を、金属原子含有化合物の存
在下で、硝酸とともに加熱するパラニトロ安息香酸の製
造方法であって、順次第1反応容器に一定の比重を有す
る所定量の硝酸および一定量の金属原子含有化合物を装
入し、第2反応容器に一定の比重を有する一定量の硝酸
を装入し、硝酸供給容器兼硝酸回収容器に一定の比重を
有する一定量の硝酸および一定量の金属原子含有化合物
を装入する工程、第1反応容器および第2反応容器を加
熱して所定の反応温度に到達するまで昇温させつつ、硝
酸供給容器兼硝酸回収容器から金属原子含有化合物を含
有する硝酸を滴下ポンプにより滴下口を通って第1反応
容器へ滴下・供給し、同時に第1反応容器と第2反応容
器とを連結する連通管を通って第1反応容器内の所定量
を超える内容物を第2反応容器へ流出させて硝酸供給容
器兼硝酸回収容器および第2反応容器の液量をそれぞれ
所定量とする工程、第1反応容器に一定量のスチレン系
重合体を装入して、硝酸供給容器兼硝酸回収容器より滴
下ポンプにより滴下口から第1反応容器へ金属原子含有
化合物を含有する硝酸を滴下・供給すると共に第1反応
容器の内容物を第2反応容器へ流出させながら、所定の
反応温度で一定時間反応させ、第1反応容器および第2
反応容器で発生する揮発成分を硝酸供給容器兼硝酸回収
容器に所定値以上の比重を有する硝酸として回収する工
程および第1反応容器および第2反応容器の生成物を濾
過・分離して回収する工程よりなり、反応終了時におけ
る系内の硝酸の比重が所定値以上であることを特徴とす
るパラニトロ安息香酸の製造方法に関する。
【0005】本発明は、第2の態様において、本発明の
第1の態様の方法における反応・硝酸回収工程に次い
で、第2反応容器のみの生成物を濾過・分離して回収
し、硝酸供給容器兼硝酸回収容器内の硝酸を取り出して
回収する工程、第2反応容器よりの濾液および一定比重
の硝酸の一定量を硝酸供給容器兼硝酸回収容器に装入
し、一定比重の硝酸の一定量を第2反応容器に装入する
工程、第1反応容器および第2反応容器を加熱して所定
の反応温度に到達するまで昇温しつつ、硝酸供給容器兼
硝酸回収容器より金属原子含有化合物を含有する硝酸
を、滴下ポンプにより滴下口から第1反応容器へ滴下・
供給し、同時に第1反応容器の内容物を第2反応容器へ
流出させて硝酸供給容器兼硝酸回収容器および第2反応
容器の液量をそれぞれ所定量とする工程、第1反応容器
に一定量のスチレン系重合体を入れて硝酸供給容器兼硝
酸回収容器から第1反応容器へ滴下ポンプにより金属原
子含有化合物を含有する硝酸を滴下・供給すると共に第
1反応容器の内容物を第2反応容器へ流出させながら、
所定の反応温度で一定時間反応させ、第1反応容器およ
び第2反応容器で発生する揮発成分を、所定値以上の比
重を有する硝酸として硝酸供給容器兼硝酸回収容器に回
収する工程および第2反応容器内の生成物を濾過・分離
して回収する工程よりなる諸工程を行ない、該諸工程の
終了時における系内の硝酸の比重が所定値以上であり、
該諸工程をさらに繰り返し行ない、パラニトロ安息香酸
を再現性よく製造することを特徴とするパラニトロ安息
香酸の製造方法に関する。
【0006】本発明は、第3の態様において、スチレン
系重合体を、金属原子含有化合物の存在下で、硝酸とと
もに加熱するパラニトロ安息香酸の製造方法であって、
第1反応容器に一定比重の硝酸および金属原子含有化合
物を装入し、第2反応容器に一定比重の硝酸を装入し、
第1反応容器および第2反応容器を加熱して所定の反応
温度とした後、第1反応容器に一定比重の硝酸およびス
チレン系重合体を連続的に供給し、第1反応容器内の内
容物を第2反応容器へ流出させながら反応を行ない、得
られる反応液から生成物を濾過・分離し、濾液を第1反
応容器へ循環し、該濾液中の硝酸の比重が所定値以上で
あり、第1反応容器および第2反応容器より発生する揮
発成分を比重が所定値以上の硝酸として回収し、パラニ
トロ安息香酸を連続的に製造することを特徴とするパラ
ニトロ安息香酸の製造方法に関する。
【0007】本発明は、第4の態様において、加熱手段
および滴下口を設けた第1反応容器、加熱手段を設けた
第2反応容器、硝酸供給容器兼硝酸回収容器、第1反応
容器と第2反応容器とを連結して第1反応容器内の所定
量を超える内容物を第2反応容器へ流出させる連通管、
硝酸供給容器兼硝酸回収容器から滴下ポンプにより金属
原子含有化合物を含有する硝酸を第1反応容器へ滴下・
供給する硝酸供給手段および第1反応容器および第2反
応容器で発生する揮発成分を所定比重の硝酸として回収
する硝酸回収手段よりなり、前記第1または第2の態様
の方法に用いられる装置に関する。
【0008】本発明は、第5の態様において、原料供給
手段、加熱手段および滴下手段を設けた第1反応容器、
加熱手段を設けた第2反応容器、第1反応容器と第2反
応容器とを連結して第1反応容器内の所定量を超える内
容物を第2反応容器へ流出させる連通管、第2反応容器
出口の反応液から生成物を濾過・分離する手段、濾液を
第1反応容器へ循環する手段および第1反応容器および
第2反応容器で発生する揮発成分を所定比重の硝酸とし
て回収する手段よりなり、前記第3の態様の方法に用い
られる装置に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、スチレン系重合
体とは、スチレンに由来する下記繰り返し単位
【0010】
【化1】
【0011】を含有する重合体を意味する。
【0012】本発明において、スチレンに由来する上記
繰り返し単位を含有する重合体の中には、スチレンに由
来する繰り返し単位のみからなる重合体(ポリスチレ
ン)およびスチレンに由来する繰り返し単位と他のエチ
レン性不飽和結合を有する単量体、たとえばブタジエ
ン、イソプレン、アクリロニトリル、アクリル酸、アク
リル酸エステルなどに由来する繰り返し単位を含有する
重合体が含まれる。
【0013】本発明において、スチレン系重合体の分子
量はいかなるものであってもよい。本発明において、ス
チレン系重合体は、固体であってもよいし、液状であっ
てもよい。
【0014】本発明において使用されるスチレン系重合
体は、廃棄されたスチレン系重合体製品でも廃棄されて
いないものでもよい。
【0015】本発明において、金属原子含有化合物の金
属原子とは、元素の周期表のIA、IIA、 IIIA、IV
A、VAおよびVIA族の金属、IB、IIB、 IIIB、IV
B、VB、VIBおよび VIIB族の金属ならびにVIII族の
金属原子をいう。
【0016】本発明において、金属原子含有化合物は1
種または2種以上の金属原子を含有していることができ
る。
【0017】本発明において金属原子含有化合物は、た
とえば金属の酸化物、水酸化物、弗化物、塩化物、臭化
物、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸
塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、重リン酸
塩、亜リン酸水素塩、カルボン酸塩、塩素酸塩、アンモ
ニウム塩、アミン塩であることができる。
【0018】本発明においては、1種の金属原子含有化
合物を用いてもよいし、2種以上の金属原子含有化合物
を用いてもよい。
【0019】上記金属原子含有化合物の具体例として、
二酸化マンガン、酸化クロム、酸化鉄、酸化コバルト、
酸化ニッケル、五酸化バナジウム、酸化マグネシウム、
酸化カルシウム、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アンチモン、
酸化セリウム、酸化スズ、酸化バナジウム、酸化イリジ
ウム、酸化オスミウム、水酸化銅、水酸化クロム、水酸
化マンガン、水酸化鉄、水酸化ニッケル、フッ化カルシ
ウム、塩化銅、塩化鉄、塩化コバルト、塩化マンガン、
臭化銅、臭化コバルト、炭酸マンガン、炭酸コバルト、
炭酸マグネシウム、炭酸水素コバルト、硫酸銅、硫酸コ
バルト、硫酸マグネシウム、酢酸ニッケル、酢酸コバル
ト、酢酸セリウム、酢酸鉛、酢酸パラジウム、メタバナ
ジン酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、タン
グステン酸アンモニウムを挙げることができる。
【0020】本発明において使用される硝酸は、1.3
0〜1.50、好ましくは1.35〜1.50、特に好
ましくは1.40〜1.50の比重を有し、発煙硫酸を
使用することもできる。
【0021】本発明において使用する硝酸は、第1およ
び第2の態様における反応終了時の硝酸の比重が、また
第3の態様における濾液中の硝酸の比重がそれぞれ1.
25〜1.50未満、好ましくは1.30〜1.50未
満、さらに好ましくは1.35〜1.50未満となるよ
うに、その比重を選定して使用する必要がある。反応終
了時の系内の硝酸の比重が1.25を下回るとパラニト
ロ安息香酸の変化率および選択率が低下するので好まし
くない。
【0022】本発明方法において、スチレン系重合体に
対して用いる硝酸の割合は、スチレンに由来する繰り返
し単位に対するモル比で通常1〜100、好ましくは5
〜70、特に好ましくは20〜40の範囲にある。上記
モル比が1未満では変化率が低くなるので好ましくな
く、100を越えると反応生成物の分解が促進されるの
で好ましくない。
【0023】本発明方法において、金属原子含有化合物
の使用量は、スチレン系重合体に対する重量比で0.0
1〜1、好ましくは0.05〜0.25の範囲にある。
該重量比が0.01未満では反応の進行が遅くなるので
好ましくなく、1を越えると生成物の分解が促進される
ので好ましくない。
【0024】本発明において、必要により、前記連通管
にフィルターを設けて、第1反応容器の内容物のうち固
体分が第2反応容器へ流出しないようにするのが好まし
い。
【0025】本発明の第1反応容器および第2反応容器
における反応は、常圧下、110℃ないし還流温度、好
ましくは還流温度の条件下に行なうのが有利である。前
記第1および第2の態様において、滴下ポンプを用いて
硝酸供給容器兼硝酸回収容器から金属原子含有化合物を
含有する硝酸を第1反応容器へ滴下・供給する滴下量の
制御は、例えば、ピエゾポンプ(相互薬工株式会社製滴
下ポンプ、商品名)を用いて自動的に行なうことができ
る。また上記反応温度は、自動化反応装置ARS−20
01(相互薬工株式会社製、商品名)を用いて自動的に
制御することができる。前記第3の態様における硝酸の
供給量の制御も同様に行なうことができる。
【0026】本発明方法における反応時間は、12〜1
00時間、好ましくは24〜48時間の範囲にある。1
2時間未満では反応中間体が多く、パラニトロ安息香酸
の変化率が低下するので好ましくなく、100時間を超
えると生成物の分解が促進されるので好ましくない。
【0027】本発明の第1および第2の態様において、
第1反応容器および第2反応容器において反応中に発生
する揮発成分たる水、二酸化窒素および一酸化窒素のう
ち水および二酸化窒素は、冷却管を通って冷却され、ま
た一酸化窒素は、揮発性成分ラインに導入された空気な
どの酸化ガスにより酸化して二酸化窒素とした後、冷却
管を通って冷却され、それぞれ硝酸供給容器兼硝酸回収
容器に所定比重の硝酸として回収される。
【0028】本発明の第1の態様において、反応終了
後、第1反応容器および第2反応容器から反応液を抜き
出し、冷却し、析出した結晶を濾別して生成物を回収す
る。
【0029】本発明の第2の態様において、前記諸工程
を繰り返し行なう最終回では、該諸工程のうち、前記反
応・硝酸回収工程に次いで第1反応容器および第2反応
容器の生成物を濾過・分離して回収する。この際、第1
反応容器より得られる生成物は、初回より蓄積したもの
である。
【0030】本発明の第3の態様において、第1反応容
器に硝酸および金属原子含有化合物を装入し、第2反応
容器に硝酸を装入し、加熱して反応温度とした後、第1
反応容器にスチレン系重合体および硝酸を連続的に供給
しながら反応させ第2反応容器出口の反応液を濾過・分
離して生成物を得るとともに濾液を第1反応容器へ循環
し、第1反応容器および第2反応容器で発生する前記揮
発成分を前記した方法により所定比重の硝酸として回収
することによりパラニトロ安息香酸を連続的に製造する
ことが可能である。この際、濾液中の硝酸の比重が前記
したように所定値以上であることが必要である。必要に
より、第2反応容器を省略してもよい。
【0031】本発明の方法および装置の1例を添付図面
により説明する。図1は、本発明の第1、第2および第
4の態様を説明するための略図であり、図1において、
第1反応容器1に硝酸および金属原子含有化合物を装入
し、第2反応容器2に硝酸を装入し、硝酸供給容器兼硝
酸回収容器3に硝酸および金属原子含有化合物を装入す
る。
【0032】第1反応容器1をヒーター4により、また
第2反応容器2をヒーター5によりそれぞれ加熱して所
定の反応温度に到達するまで昇温させつつ、硝酸供給容
器兼硝酸回収容器3から金属原子含有化合物を含有する
硝酸を滴下ポンプ6により滴下口7を通って第1反応容
器1へ滴下・供給し、同時に第1反応容器1と第2反応
容器2とを連結し、好ましくはフィルター8を有する連
結管9を通って第1反応容器1内の所定量を超える内容
物を第2反応容器2へ流出させて硝酸供給容器兼硝酸回
収容器3および第2反応容器2の液量をそれぞれ所定量
とする。
【0033】第1反応容器1にスチレン系重合体を装入
して硝酸供給容器兼硝酸回収容器3から、滴下ポンプ6
により滴下口7を通って第1反応容器1へ金属原子含有
化合物を含有する硝酸を滴下・供給すると共に、第1反
応容器1の内容物を第2反応容器2へ流出させながら反
応させ、第1反応容器1および第2反応容器2で発生す
る揮発成分たる水、二酸化窒素および一酸化窒素を、該
一酸化窒素はライン10からの酸化ガスにより酸化して
二酸化窒素とした後、第1冷却管11により冷却され、
硝酸供給容器兼硝酸回収容器3に所定値以上の比重を有
する硝酸として回収する。この際、滴下量は温度センサ
ー12により検知されたデーターを自動化反応装置13
に入力して反応温度としての設定値に見合う出力にした
がって滴下ポンプ6を作動させ、自動的に制御される。
ヒーター4およびヒーター5の出力も同様に自動制御さ
れる。
【0034】反応終了後、第1反応容器1および第2反
応容器2の反応液から生成物を濾過・分離して回収す
る。
【0035】導入された酸化ガスなどの排気は第2冷却
管14を通ってライン15へ排出される。
【0036】図2は、本発明の第3および第5の態様を
説明するための略図であり、図2において、第1反応容
器1に硝酸および金属原子含有化合物を装入し、第2反
応容器2に硝酸を装入し、第1反応容器1および第2反
応容器2を加熱して所定の反応温度とした後、第1反応
容器1にスチレン系重合体および硝酸を連続的に供給
し、第1反応容器1内の内容物を第2反応容器2へ流出
させながら反応を行ない、得られた反応液から濾過・分
離器16を用いて生成物を濾過・分離すると共に、濾液
を循環ライン17を通って第1反応容器1へ循環し、第
1反応容器1および第2反応容器2で発生する揮発成分
をライン10から酸化ガスを導入しつつ冷却器18で冷
却して硝酸として回収する。硝酸の供給量および反応温
度は第1、第2および第4の態様におけると同様に行な
うことができる。
【0037】図3は、従来の方法および装置を説明する
ための略図であり、図3において、反応容器21にスチ
レン系重合体、硝酸および金属原子含有化合物を装入
し、所定の反応温度で反応を行なう。この際、反応温度
は温度センサー22により検知されたデーターを自動化
反応装置23に入力して反応温度としての設定値に見合
うようにヒーター24の出力を制御することにより自動
的に制御される。ライン25より酸化ガスを導入して反
応容器21で発生する一酸化窒素を二酸化窒素とする。
酸化ガス中に含まれる水および二酸化窒素は第3冷却管
26により冷却され、硝酸として回収され、排気はライ
ン27より排出される。
【0038】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明する。
【0039】実施例1 図1に示した装置を用いて以下の通り第1回目ないし第
4回目の実験を行なった。
【0040】第1回目 500mlガラス製第1反応容器1に比重1.42の硝
酸300mlおよび二酸化マンガン2.14gを装入
し、500mlガラス製第2反応容器2に比重1.42
の硝酸200mlを装入し、1000mlガラス製硝酸
供給容器兼硝酸回収容器3に比重1.42の硝酸400
mlおよび二酸化マンガン2.14gを装入した。
【0041】第1反応容器1および第2反応容器2を加
熱して反応温度の還流温度120℃に到達するまで昇温
しながら、硝酸供給容器兼硝酸回収容器3内の硝酸溶液
100mlを滴下ポンプ6により第1反応容器1へ送る
と同時に第1反応容器1内の硝酸溶液100mlを第2
反応容器2へ流出させ、加熱開始1時間後第1反応容器
1、第2反応容器2および硝酸供給容器兼硝酸回収容器
3の液量をそれぞれ300mlとした。
【0042】次いで、第1反応容器1へ粒状ポリスチレ
ン42.85gを装入し、第1反応容器1への硝酸溶液
の滴下量および反応温度120℃を、ピエゾポンプ(相
互薬工株式会社製滴下ポンプ、商品名)および自動化反
応装置ARS−2001(相互薬工株式会社製自動化反
応装置、商品名)を用いてそれぞれ自動的に制御し、3
00mlを超える第1反応容器1の内容物は連通管6よ
りオーバーフローして第2反応容器2へ流出させながら
32時間反応を行ない、反応中に第1反応容器1および
第2反応容器2で発生した水、二酸化窒素および一酸化
窒素は、ライン10より空気を導入して一酸化窒素を二
酸化窒素とした後、第1冷却管11を通って冷却し、硝
酸供給容器兼硝酸回収容器3に比重1.37の硝酸とし
て回収した。回収された硝酸の比重と反応終了時の系内
の硝酸の比重とは実質上同等であった。
【0043】反応終了後、第2反応容器2の反応液を抜
き出し、冷却し、析出した結晶を濾別した。濾別した結
晶は熱水抽出してパラニトロ安息香酸を主成分とする生
成物を分離した。生成物の分析は高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)により行なった。酸化ガスとして空
気を100ml/分の割合で導入し、第1冷却管11お
よび第2冷却管14の温度は−15℃以下とした。
【0044】第2回目 第1回目において、硝酸供給容器兼硝酸回収容器3に回
収された硝酸を抜き出して別途回収し、代りに第1回目
の濾液300mlおよび比重1.50の発煙硝酸100
mlを装入し、第2反応容器2に比重1.50の発煙硝
酸200mlを装入した。次いで第1回目と同様の操作
を繰り返した。
【0045】第3回目および第4回目 第2回目の操作を繰り返した。得られた結果を表1に示
す。
【0046】比較例1 図3に示される装置を用いて以下の通り実験を行なっ
た。500mlガラス製反応容器21に比重1.42の
硝酸を300ml装入し、二酸化マンガンを1.43g
装入した。反応容器21を加熱して120℃とした後ポ
リスチレン14.28gを装入し、実施例1と同様の自
動化反応装置を用いて反応温度を120℃に自動制御し
ながら32時間反応を行なった。反応中、ライン25か
ら空気を100ml/分の割合で導入し、反応中に発生
する一酸化窒素を二酸化窒素とし、別途揮発した水およ
び二酸化窒素とともに−15℃以下の第3冷却管26で
冷却し、硝酸として反応容器21に回収した。反応終了
後、反応容器21内の反応液を抜き出し、冷却し、析出
した結晶を濾別し、濾別した結晶を熱水抽出して目的物
を得た。目的物の分析は高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)を用いて行なった。得られた結果を表1に
示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1において、(*1)は4回にわたって
第1反応容器1内に蓄積した生成物の収量を考慮した4
回の平均変化率を表わし、(*2)のo、mおよびpは
それぞれオルソニトロ安息香酸、メタニトロ安息香酸お
よびパラニトロ安息香酸を意味する。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、高選択率かつ高変化率
で再現性よく、あるいは連続的にパラニトロ安息香酸が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第2および第4の態様を説明す
るための略図である。
【図2】本発明の第3および第5の態様を説明するため
の略図である。
【図3】従来の方法および装置を説明するための略図で
ある。
【符号の説明】 1 第1反応容器 2 第2反応容器 3 硝酸供給容器兼硝酸回収容器 4,5,24 ヒーター 6 滴下ポンプ 7 滴下口 8 フィルター 9 連通管 10,25 酸化ガス導入ライン 11,14,26 冷却管 12,22 温度センサー 13,23 自動化反応装置 15,27 排気ライン 16 濾過・分離器 17 循環ライン 18 冷却器 21 反応容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 及川 健一 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 日 本ビル 相互薬工株式会社内 (72)発明者 諏訪部 伸夫 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 日 本ビル 相互薬工株式会社内 (72)発明者 宮崎 裕二 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 日 本ビル 相互薬工株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系重合体を、金属原子含有化合
    物の存在下で、硝酸とともに加熱するパラニトロ安息香
    酸の製造方法であって、順次第1反応容器に一定の比重
    を有する所定量の硝酸および一定量の金属原子含有化合
    物を装入し、第2反応容器に一定の比重を有する一定量
    の硝酸を装入し、硝酸供給容器兼硝酸回収容器に一定の
    比重を有する一定量の硝酸および一定量の金属原子含有
    化合物を装入する工程、第1反応容器および第2反応容
    器を加熱して所定の反応温度に到達するまで昇温させつ
    つ、硝酸供給容器兼硝酸回収容器から金属原子含有化合
    物を含有する硝酸を滴下ポンプにより滴下口を通って第
    1反応容器へ滴下・供給し、同時に第1反応容器と第2
    反応容器とを連結する連通管を通って第1反応容器内の
    所定量を超える内容物を第2反応容器へ流出させて硝酸
    供給容器兼硝酸回収容器および第2反応容器の液量をそ
    れぞれ所定量とする工程、第1反応容器に一定量のスチ
    レン系重合体を装入して硝酸供給容器兼硝酸回収容器か
    ら滴下ポンプにより滴下口を通って第1反応容器へ金属
    原子含有化合物を含有する硝酸を滴下・供給すると共に
    第1反応容器の内容物を第2反応容器へ流出させなが
    ら、所定の反応温度で一定時間反応させ、第1反応容器
    および第2反応容器で発生する揮発成分を硝酸供給容器
    兼硝酸回収容器に所定値以上の比重を有する硝酸として
    回収する工程および第1反応容器および第2反応容器の
    生成物を濾過・分離して回収する工程よりなり、反応終
    了時における系内の硝酸の比重が所定値以上であること
    を特徴とするパラニトロ安息香酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、反応・硝
    酸回収工程に次いで、第2反応容器のみの生成物を濾過
    ・分離して回収し、硝酸供給容器兼硝酸回収容器内の硝
    酸を取り出して回収する工程、第2反応容器よりの濾液
    および一定比重の硝酸の一定量を硝酸供給容器兼硝酸回
    収容器に装入し、一定比重の硝酸の一定量を第2反応容
    器に装入する工程、第1反応容器および第2反応容器を
    加熱して所定の反応温度に到達するまで昇温しつつ、硝
    酸供給容量兼硝酸回収容器より金属原子含有化合物を含
    有する硝酸を、滴下ポンプにより滴下口から第1反応容
    器へ滴下・供給し、同時に第1反応容器の内容物を第2
    反応容器へ流出させて硝酸供給容器兼硝酸回収容器およ
    び第2反応容器の液量をそれぞれ所定量とする工程、第
    1反応容器に一定量のスチレン系重合体を入れて硝酸供
    給容器兼硝酸回収容器から第1反応容器へ滴下ポンプに
    より金属原子含有化合物を含有する硝酸を滴下・供給す
    ると共に第1反応容器の内容物を第2反応容器へ流出さ
    せながら、所定の反応温度で一定時間反応させ、第1反
    応容器および第2反応容器で発生する揮発成分を、所定
    値以上の比重を有する硝酸として硝酸供給容器兼硝酸回
    収容器に回収する工程および第2反応容器内の生成物を
    濾過・分離して回収する工程よりなる諸工程を行ない、
    該諸工程の終了時における系内の硝酸の比重が所定値以
    上であり、該諸工程をさらに繰り返し行ない、パラニト
    ロ安息香酸を再現性よく製造することを特徴とするパラ
    ニトロ安息香酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 スチレン系重合体を、金属原子含有化合
    物の存在下で、硝酸とともに加熱するパラニトロ安息香
    酸の製造方法であって、第1反応容器に一定比重の硝酸
    および金属原子含有化合物を装入し、第2反応容器に一
    定比重の硝酸を装入し、第1反応容器および第2反応容
    器を加熱して所定の反応温度とした後、第1反応容器に
    一定比重の硝酸およびスチレン系重合体を連続的に供給
    し、第1反応容器内の内容物を第2反応容器へ流出させ
    ながら反応を行ない、得られる反応液から生成物を濾過
    ・分離し、濾液を第1反応容器へ循環し、該濾液中の硝
    酸の比重が所定値以上であり、第1反応容器および第2
    反応容器より発生する揮発成分を比重が所定値以上の硝
    酸として回収し、パラニトロ安息香酸を連続的に製造す
    ることを特徴とするパラニトロ安息香酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 加熱手段および滴下口を設けた第1反応
    容器、加熱手段を設けた第2反応容器、硝酸供給容器兼
    硝酸回収容器、第1反応容器と第2反応容器とを連結し
    て第1反応容器内の所定量を超える内容物を第2反応容
    器へ流出させる連通管、硝酸供給容器兼硝酸回収容器か
    ら滴下ポンプにより金属原子含有化合物を含有する硝酸
    を第1反応容器へ滴下・供給する硝酸供給手段および第
    1反応容器および第2反応容器で発生する揮発成分を所
    定比重の硝酸として回収する硝酸回収手段よりなり、請
    求項1または2記載の方法に用いられる装置。
  5. 【請求項5】 原料供給手段、加熱手段および滴下手段
    を設けた第1反応容器、加熱手段を設けた第2反応容
    器、第1反応容器と第2反応容器とを連結して第1反応
    容器内の所定量を超える内容物を第2反応容器へ流出さ
    せる連通管、第2反応容器出口の反応液から生成物を濾
    過・分離する手段、濾液を第1反応容器へ循環する手段
    および第1反応容器および第2反応容器で発生する揮発
    成分を所定比重の硝酸として回収する手段よりなり、請
    求項3記載の方法に用いられる装置。
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