JPH11172020A - 熱収縮性芳香族ポリエステルチューブ、その製造方法およびその利用 - Google Patents

熱収縮性芳香族ポリエステルチューブ、その製造方法およびその利用

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JPH11172020A
JPH11172020A JP9343051A JP34305197A JPH11172020A JP H11172020 A JPH11172020 A JP H11172020A JP 9343051 A JP9343051 A JP 9343051A JP 34305197 A JP34305197 A JP 34305197A JP H11172020 A JPH11172020 A JP H11172020A
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宣尚 上村
Kozo Shikima
浩三 色摩
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な熱収縮特性を有する上に、優れた冷熱
衝撃性を有する熱収縮性芳香族ポリエステルチューブを
提供する。さらに、上記チューブの工業的に有利な製造
方法と前記熱収縮性を利用して種々の製品を被覆あるい
は保護した無機材料製品等の絶縁被覆など新しい用途を
提供する。 【解決手段】 二次転移点が80〜100℃である芳香
族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物より形成された
熱収縮性芳香族ポリエステルチューブ、その製造方法及
びリチウムイオン電池及びアルミ電解コンデンサー用
途、特にリチウムイオン電池への利用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次転移点が80
〜100℃である芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂
組成物より形成された熱収縮性芳香族ポリエステルチュ
ーブ、その製造方法およびその利用に関する。さらに詳
しくは、収縮特性に優れ且つその開口性や熱収縮後の耐
久特性、長期保存性、冷熱衝撃に優れたまた汎用電気絶
縁材料や発熱体被覆材料等の利用価値を有し、中でも使
用環境条件が厳しく、高い冷熱衝撃性を要求されるリチ
ウムイオン電池及びアルミ電解コンデンサー用途に有用
であり、特にリチウムイオン電池用途に有用な熱収縮性
芳香族ポリエステルチューブ、その製造方法及びその利
用に関する。
【0002】
【従来の技術】コンデンサー用途等の汎用熱収縮性チュ
ーブ状電気絶縁材料としては、従来ポリ塩化ビニルチュ
ーブおよびポリエチレンテレフタレート(PET)チュ
ーブが知られている。
【0003】しかし、塩化ビニルチューブは安価である
が耐熱性と燃焼時の塩素化合物の発生により地球環境的
に問題が多い。一方ポリエチレンテレフタレートチュー
ブは、その耐熱性が優れているがその結晶配向性の為、
チューブの熱収縮特性に問題があった。その改良技術と
してイソフタル酸等を少量共重合した共重合ポリエステ
ルチューブが提案されている(特公昭62―41859
号公報)。しかしながらかかるチューブはコンデンサー
等に熱収縮チューブを被覆加熱収縮した時に、収縮仕上
げが悪かったり、チューブの開口性が不足する欠点が見
つかった。かかる問題を解決する為に、共重合ポリエス
テル樹脂中に微粒子を存在させることで収縮仕上げ性及
び開口性を改善する方法が提案されている(特開平04
―303620号公報及び特開平05―104631号
公報)。また更に、特開平09−148177号公報に
はコンデンサーに被覆した時に肩外れが起こらないポリ
エステルチューブが提案されている。これらのチューブ
は開口性や肩外れ性は改善されてはいるが、尚かかるチ
ューブの新しい用途であるリチウムイオン電池及びアル
ミ電解コンデンサー用途では冷熱衝撃に対して更なる改
善が要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、二次転移点が80〜100℃である芳香族ポリエス
テル樹脂からなる樹脂組成物より形成された熱収縮性芳
香族ポリエステルチューブを提供することにある。
【0005】本発明の第2の目的は、上記樹脂組成物が
有している耐熱性、電気特性、耐薬品性等を生かすこと
ができ、かつこれら特性を被覆材料あるいは保護材料と
して利用することができる熱収縮性芳香族ポリエステル
チューブを提供することにある。
【0006】本発明の第3の目的は、上記樹脂組成物が
有している良好な冷熱衝撃の優れたまた機械加工適性の
良好な熱収縮性芳香族ポリエステルチューブを提供する
ことにある。
【0007】本発明の第4の目的は、二次転移点が80
〜100℃である芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂
組成物より形成された熱収縮性芳香族ポリエステルチュ
ーブの工業的に有利な製造方法を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、前記熱収縮性を利用
して種々の製品を被覆あるいは保護した無機材料製品、
中でも使用環境条件が厳しく、高い冷熱衝撃性を要求さ
れるリチウムイオン電池及びアルミ電解コンデンサー用
途に好適な無機材料製品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記本発
明の目的は、二次転移点が80〜100℃である芳香族
ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物より形成された熱
収縮性芳香族ポリエステルチューブによって達成され
る。
【0010】また本発明によれば、本発明の他の目的
は、二次転移点が80〜100℃である芳香族ポリエス
テル樹脂からなる樹脂組成物をチューブ状に押出し、次
いでチューブの径方向に1.2〜4.5倍、長さ方向に
1.0〜2.0倍延伸することを特徴とする熱収縮性芳
香族ポリエステルチューブの製造方法によって達成され
る。
【0011】さらに本発明によればさらに他の目的は、
二次転移点が80〜100℃である芳香族ポリエステル
樹脂からなる樹脂組成物より形成された熱収縮性芳香族
ポリエステルチューブより表面が被覆されたリチウムイ
オン電池及びアルミ電解コンデンサー及び二次転移点が
80〜100℃である芳香族ポリエステル樹脂からなる
樹脂組成物より形成された熱収縮性芳香族ポリエステル
チューブの熱収縮により表面が被覆されたリチウムイオ
ン電池及びアルミ電解コンデンサーが提供される。
【0012】本発明でいう芳香族ポリエステル樹脂(以
下ポリエステル樹脂と略称することがある。)は、ポリ
エステル樹脂を形成するジカルボン酸成分とジオール成
分の内、ジカルボン酸成分100モル%の70モル%以
上、好ましくは90モル%以上、最も好ましくは99モ
ル%以上が芳香族ジカルボン酸であるポリエステル樹脂
でありる。
【0013】ここで上記ジカルボン酸の例として、テレ
フタル酸、イソフタル酸、2―クロロテレフタル酸、
2,5―ジクロロテレフタル酸、2―メチルテレフタル
酸、4,4―スチルベンジカルボン酸、4,4―ビフェ
ニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6―ナフタレ
ンジカルボン酸、2,7―ナフタレンジカルボン酸、ビ
ス安息香酸、ビス(p―カルボキシフェニル)メタン、
アントラセンジカルボン酸、4,4―ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸、4,4―ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸、5―Naスルホイソフタル酸、エチレン―ビス―
p―安息香酸等があげられる。これらのジカルボン酸を
単独または2種以上混合使用してもよい。
【0014】本発明のポリエステル樹脂には、上記の芳
香族ジカルボン酸以外に、30モル%未満、好ましくは
10モル%未満、最も好ましくは1モル%未満の脂肪族
ジカルボン酸成分を共重合することができる。その具体
例として、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ド
デカン二酸、1,3―シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4―シクロヘキサンジカルボン酸等があげられる。
【0015】本発明のポリエステル樹脂のジオール成分
としては、例えばジエチレングリコール、エチレングリ
コール、1,2―プロピレングリコール、1,3―プロ
パンジオール、2,2―ジメチル―1,3―プロパンジ
オール、トランス―または―2,2,4,4―テトラメ
チル―1,3―シクロブタンジオール、1,4―ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,5―ペンタン
ジオール、1,6―ヘキサンジオール、1,4―シクロ
ヘキサンジメタノール、1,3―シクロヘキサンジメタ
ノール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオ
ール、p―キシレンジオール、ビスフェノールA、テト
ラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノー
ルA―ビス(2―ヒドロキシエチルエーテル)などが単
独でも、2種類以上を混合しても用いることができる。
好ましくはエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、より好ましくはエチレングリコールである。
【0016】本発明のポリエステル樹脂は、上記ジカル
ボン酸成分とジオール成分からなり、かつその二次転移
点が実質的に80〜100℃であるものである。即ち、
いわゆるホモポリマーであっても、ランダム又はブロッ
ク共重合樹脂であってもよく、更に二次転移点の異なる
2種以上のポリエステル樹脂をブレンドしたものであっ
てもよいが、二次転移点の異なる2種以上のポリエステ
ル樹脂をブレンドしたものが最も好ましい。
【0017】かかる二次転移点の異なるポリエステル樹
脂のブレンドとしては、二次転移点が80℃未満のポリ
エステル樹脂であるポリエチレンテレフタレート樹脂、
ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンイソフ
タレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート/イソフタ
レート共重合樹脂、ポリエチレン/ネオペンチルテレフ
タレート共重合樹脂等と二次転移点が80℃以上のポリ
エステル樹脂であるジカルボン酸成分として2,6―ナ
フタレンジカルボン酸を全カルボン酸成分100モル%
中50モル%以上用いたポリエチレンナフタレート共重
合樹脂やホモポリマーのポリエチレンナフタレート樹脂
(以下PEN樹脂と略称することがある。)、ポリ1,
4シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(トランス
型)等とのポリエステル樹脂ブレンドがあげられる。
【0018】これらポリエステル樹脂のブレンドの例と
しては、ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリエチレ
ンナフタレート樹脂のブレンド、ポリエチレンイソフタ
レート樹とポリエチレンナフタレート樹脂のブレンド、
ポリブチレンナフタレート樹脂とポリブチレンナフタレ
ート樹脂のブレンド、ポリエチレンテレフタレート/イ
ソフタレート共重合樹脂とポリエチレンナフタレート樹
脂のブレンド、ポリエチレン/ネオペンチルテレフタレ
ート共重合樹脂とポリエチレンナフタレート樹脂のブレ
ンド等の2種のポリエステル樹脂ブレンドがあげられ
る。また、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブ
チレンナフタレート樹脂とポリエチレンナフタレート樹
脂とのブレンド、ポリエチレンテレフタレート樹脂及び
ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合樹
脂とポリエチレンナフタレート樹脂とのブレンド、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレン/ネオペ
ンチルテレフタレート共重合樹脂とポリエチレンナフタ
レート樹脂とのブレンド等、3種のポリエステル樹脂ブ
レンドがあげられる。これらの樹脂ブレンド及び4種以
上のポリエステル樹脂ブレンドであっても、ブレンド樹
脂の二次転移点が実質的に80〜100℃であればよ
い。
【0019】これらの中でもポリエチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレ
ンイソフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート/
イソフタレート共重合樹脂及びポリエチレン/ネオペン
チルテレフタレート共重合樹脂の群から選ばれた1種以
上のポリエステル樹脂とポリエチレンナフタレート樹脂
樹脂のブレンドが好ましくあげられる。特に好ましくは
ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンナフタ
レート樹脂のブレンドをあげることができる。このポリ
エチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンナフタレー
ト樹脂のブレンドの比率は、全ポリエステル樹脂成分1
00重量%中ポリエチレンテレフタレート樹脂が50〜
95重量%とポリエチレンナフタレート樹脂5〜50重
量%が好ましく、より好ましくはポリエチレンテレフタ
レート樹脂が60〜90重量%とポリエチレンナフタレ
ート樹脂10〜40重量%であり、更に好ましくはポリ
エチレンテレフタレート樹脂が70〜90重量%とポリ
エチレンナフタレート樹脂10〜30重量%である。
【0020】上記のポリエチレンテレフタレート樹脂
(以下、PET樹脂と略称することがある。)は、実質
的にジカルボン酸成分としてテレフタル酸とジオール成
分としてエチレングリコールからなる樹脂である。
【0021】また、上記のポリエチレンテレフタレート
/イソフタレート共重合樹脂(以下、TA/IA共重合
樹脂と略称することがある。)を構成するジカルボン酸
成分のテレフタル酸とイソフタル酸の割合は、全ジカル
ボン酸成分100モル%とした時にテレフタール酸が6
0〜99モル%、好ましくは70〜95モル%、更に好
ましくは75〜95モル%である。また、イソフタル酸
は1〜40モル%、好ましくは5〜30モル%、更に好
ましくは5〜25モル%である。
【0022】更に上記のポリエチレン/ネオペンチルテ
レフタレート共重合樹脂(以下、EG/NPG共重合樹
脂と略称することがある。)を構成するジオール成分の
エチレングリコールとネオペンチールグリコールの割合
は、全ジオール酸成分100モル%とした時にエチレン
グリコールが60〜99モル%、好ましくは70〜95
モル%、更に好ましくは75〜95モル%である。ま
た、ネオペンチールグリコールは1〜40モル%、好ま
しくは5〜30モル%、更に好ましくは5〜25モル%
である。またエチレングリコールとネオペンチルグリコ
ール以外のジエチレングリコール等、前記のジオール成
分を5モル%以下、好ましくは3モル%以下共重合する
ことができる。
【0023】上記ポリエステル樹脂の固有粘度は0.4
〜1.5が好ましく、更に好ましくは0.5〜1.0で
ある。かかる範囲のポリエステル樹脂を用いるとチュー
ブの機械特性、破断強度、伸度が高くなり、またチュー
ブの溶融加工性が優れている。
【0024】本発明の芳香族ポリエステル樹脂は、実質
的に二次転移点が80〜100℃であればよいが、80
〜90℃が好ましく、更に81〜85℃がより好まし
い。この芳香族ポリエステル樹脂の二次転移点が80℃
未満であると冷熱衝撃性が低く、また、100℃を越え
ると収縮加工性が悪くなり、かなり高温で長時間加熱収
縮させないと完全に被覆しない欠点がある。そのため、
リチウムイオン電池やアルミ電解コンデンサー等の被覆
体自身も高温になり性能に悪影響を与えて、好ましくな
い。
【0025】本発明の樹脂組成物は、その樹脂組成物1
00重量%中30重量%以下、より好ましくは20重量
%以下のポリエステル樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を含
有することができる。かかるポリエステル樹脂以外の他
の熱可塑性樹脂としては、ポリスルホン樹脂、ポリエー
テルエステルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹
脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリス
チレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、MBS樹脂等のス
チレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹
脂、アクリル樹脂、スチレン系、オレフィン系、ウレタ
ン系、ポリエステル系、ポリアミド系、1,2―ポリブ
タジエン系、塩ビ系、フッ素系[フッ素ゴム]、その他
―アイオノマー樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコーン
系等の熱可塑性エラストマー樹脂などがあげられる。更
にIPN(相互貫通網目構造)技術を使ったアクリルゴ
ムとシリコンゴムの複合ゴム例えば、三菱レーヨン
(株)商品名メタブレンS―2001等がある。これら
のポリエステル樹脂以外の他の熱可塑性樹脂は、1種ま
たは2種以上用いることができる。
【0026】これらのポリエステル樹脂以外の他の熱可
塑性樹脂の中でも耐熱水性や保存安定性改良の観点から
ポリエステル樹脂と相溶性の良いポリエステル系エラス
トマー樹脂が好ましい。
【0027】このポリエステル系エラストマー樹脂(以
下TPEE樹脂と略称することがある。)は、ハードセ
グメントに高融点高結晶性の芳香族ポリエステルをソフ
トセグメントに非晶性ポリエステルや非晶性ポリエーテ
ルを使用した樹脂であり、前者がポリエステルエステル
樹脂であり、後者がポリエーテルエステル樹脂である。
【0028】かかるポリエーテルエステル樹脂は、ポリ
エーテルエステル樹脂100重量%とした時、ハードセ
グメント5〜95重量%、ソフトセグメント5〜95重
量%であり、その固有粘度は0.4〜2.0の範囲であ
る。
【0029】本発明のポリエーテルエステル樹脂のハー
ドセグメントの芳香族ポリエステルは、前述の芳香族ポ
リエステル樹脂を構成するジカルボン酸及びジオール成
分を用いることができ、このセグメントの融点は100
℃以上が好ましい。
【0030】具体的には1,4―ブタンジオールとテレ
フタル酸またはナフタレンジカルボン酸から実質的なる
ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレー
トが好ましい。かかるポリブチレンテレフタレートまた
はポリブチレンナフタレートには、1,4―ブタンジオ
ール以外の他のジオール、例えばエチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等を
全ジオール成分100モル%中5モル%以下共重合する
ことができ、またテレフタル酸以外の他のジカルボン
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等、好まし
くはイソフタル酸を全ジカルボン酸成分100モル%以
下10モル%以下共重合することができる。最も好まし
くは1,4―ブタンジオールとテレフタル酸のみからな
るポリブチレンテレフタレートである。
【0031】本発明のポリエーテルエステル樹脂のソフ
トセグメントは、そのアルキレン部分が炭素数3〜12
個のアルキレンかまたは炭素数4〜10個のシクロアル
キレンであるポリエーテルグリコールで主として構成さ
れている。このようなポリエーテルグリコールの代表例
としては、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリ
エーテルグリコールまたはコポリエチレン―プロピレン
グリコール、コポリエチレン―テトラメチレングリコー
ル[但し、エチレンオキサイド単位はコポリエーテルグ
リコールの50重量%以下からなる]、コポリテトラメ
チレン―1,2―シクロヘキシレンジメチレングリコー
ル[但し、1,2―シクロヘキシレンジメチレンオキサ
イド単位は、コポリエーテルグリコールの1〜20モル
%からなる]等のコポリエーテルグリコールがある。こ
れらのうちポリテトラメチレンが好ましい。
【0032】また、本発明のポリエステルエステル樹脂
は、ポリエステルエステル樹脂100重量%とした時、
ハードセグメント5〜95重量%、ソフトセグメント5
〜95重量%であり、その固有粘度は0.4〜2.0の
範囲である。
【0033】本発明のポリエステルエステル樹脂のハー
ドセグメントの芳香族ポリエステルは、前述の芳香族ポ
リエステル樹脂を構成するジカルボン酸及びジオール成
分を用いることができこのセグメントの融点は100℃
以上が好ましい。
【0034】具体的には1,4―ブタンジオールとテレ
フタル酸から実質的なるポリブチレンテレフタレートが
好ましい。かかるポリブチレンテレフタレートには、
1,4―ブタンジオール以外の他のジオール、例えばエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサ
ンジメタノール等を全ジオール成分100モル%中5モ
ル%以下共重合することができ、またテレフタル酸以外
の他のジカルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸等、好ましくはイソフタル酸を全ジカルボン酸成
分100モル%以下10モル%以下共重合することがで
きる。最も好ましくは1,4―ブタンジオールとテレフ
タル酸のみからなるポリブチレンテレフタレートであ
る。
【0035】本発明のポリエステルエステル樹脂のソフ
トセグメントは、ポリカプロラクタム、前記の脂肪族ジ
カルボン酸と脂肪族ジオールからの例えばポリエチレン
アジペート等の脂肪族ポリエステルやジカルボン酸成分
の主成分が芳香族ジカルボン酸であり、アルキレン部分
が炭素数3〜12個のアルキレンかまたは炭素数4〜1
0個のシクロアルキレンであるポリエーテルグリコール
で主として構成されているジオール成分とのポリエステ
ルエーテル(以下、芳香族ポリエステルエーテルと略称
することがある。)である。中でも芳香族ポリエステル
エーテルが好ましい。
【0036】このような芳香族ポリエステルエーテルの
ジカルボン酸成分としては、ジカルボン酸成分100モ
ル%中芳香族ジカルボン酸が70モル%以上が好まし
く、より好ましくは80〜99モル%、最も好ましくは
90〜98モル%である。かかる芳香族ジカルボン酸と
してはテレフタル酸、イソフタル酸およびナフタレンジ
カルボン酸が好ましく、イソフタル酸が最も好ましい。
また、脂肪族ジカルボン酸としてはアジピン酸、セバシ
ン酸、アゼライン酸等、好ましくはアジピン酸を30モ
ル%未満、より好ましくは1〜20モル%、最も好まし
くは2〜10モル%共重合することができる。一方、こ
の芳香族ポリエステルエーテルのジオール成分の代表例
としては、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリ
エーテルグリコールまたはコポリエチレン―プロピレン
グリコール、コポリエチレン―テトラメチレングリコー
ル[但し、エチレンオキサイド単位はコポリエーテルグ
リコールの50重量%以下からなる]、コポリテトラメ
チレン―1,2―シクロヘキシレンジメチレングリコー
ル[但し、1,2―シクロヘキシレンジメチレンオキサ
イド単位は、コポリエーテルグリコールの1〜20モル
%からなる]等のコポリエーテルグリコールがある。こ
れらのうちポリテトラメチレングリコールが好ましい。
【0037】かかるポリエステル系エラストマーの樹脂
組成物中の含有量は、その樹脂成分100重量%とした
時、ポリエステル系エラストマー1〜30重量%が好ま
しく、更に好ましくは5〜25重量%、最も好ましくは
5〜20重量%である。ポリエステル樹脂が70重量%
未満になると耐熱性が低下する。
【0038】更に本発明の樹脂組成物に芳香族ポリエス
テルチューブの滑り性を改善する為に、無機滑剤や有機
滑剤を添加することができる。この無機滑剤として、例
えば、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化ケイ
素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化
チタン、リン酸カルシウム、フッ化リチウム等の無機不
活性外部粒子が挙げられる。無機不活性外部粒子の平均
粒径は、0.01〜10μm、好ましくは0.1〜10
μmであり、より好ましくは4〜10μmである。ここ
で無機不活性不活性外部粒子の平均粒径は、レーザー回
折法(島津製作所製 SALD−1100)を用いて測
定した重量分布の累積重量分布が50%になるときの粒
径を平均粒径とした。その粒径分布としては粒径4〜3
0μmの範囲の大粒径無機不活性外部粒子を含有するこ
とが必須である。4μmより小さい粒子のみを含有する
場合は、チューブの開口性等に顕著な効果を現さない。
また30μmより大きい粒子を含有する場合は、特に厚
みの薄いチューブの場合欠陥を生じ、強度低下を招くお
それがある。この大粒径無機不活性外部粒子の含有量と
して、全無機不活性外部粒子100重量%中2〜80重
量%が好ましく、より好ましくは10〜70重量%、最
も好ましくは20〜60重量%である。
【0039】大粒径無機不活性外部粒子の含有効果は、
特に延伸による大粒径無機不活性外部粒子の突起が起こ
りにくい低延伸倍率のチューブに著しい。またこれらの
チューブは未延伸チューブに内圧をかけ膨張させ延伸管
で径を規制するため、延伸管と接触する外部表面は大粒
径無機不活性外部粒子の突起が小さくなり印刷性が良好
となる。それに対し延伸管と接触しないチューブ内面は
大粒径無機不活性外部粒子の突起が発現しやすく、その
ため開口性も向上する。
【0040】有機滑剤としてはパラフィン、ポリエチレ
ンワックス等の炭化水素系滑剤、ステアリン酸等の高級
脂肪酸系滑剤、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸系
滑剤、モンタン酸ワックス等のエステル系滑剤、ベンゾ
グアナミン、ポリメチルメタアクリレートを主成分とし
た架橋アクリル樹脂等の有機微粒子があげられる。特に
無機滑剤との相乗効果をもたらす有機滑剤は外部滑性を
向上させ、且つ樹脂との相溶性の良いものが最適であ
る。このほかに押し出し時の熱安定性を持つ等の条件を
満たす必要性があり、ポリエステル樹脂を70重量%以
上である樹脂組成物にとってはモンタン酸ワックスがと
くに好ましい。
【0041】このモンタン酸ワックスとは、褐炭の溶剤
抽出によって得られる炭素数21〜34の脂肪酸及ぶ脂
肪アルコールを主に含有する化石ろうのモンタンワック
ス、およびこのモンタンワックスをエステル化や部分鹸
化したワックスである。具体的には、モンタンワックス
を酸化したHoechst WAX S(Hoechs
t社製)、モンタンワックスをエチレングリコールでエ
ステル化したモンタン酸ジエステルであるHoechs
t WAX E(Hoechst社製)、モンタンワッ
クスをグリセリンでエステル化したモンタン酸ジエステ
ルであるHostalubWE40(Hoechst社
製)、モンタンワックスをブチレングリコールで部分的
にエステル化し、残りが水酸化カルシウムで鹸化されて
いる部分鹸化モンタン酸エステルであるHoechst
WAX OP(Hoechst社製)が挙げられ、中
でもHoechst WAX E、HostalubW
E40が好ましい。
【0042】無機滑剤、有機滑剤の添加量は、樹脂組成
物100重量部に対し、各0.05〜4.0重量部であ
り、好ましくは0.1〜2.5重量部である。チューブ
の滑り性を改善するため、無機滑剤や有機滑剤を単独で
用いることもできるが、有機滑剤と無機滑剤を併用する
ことがこのましい。この有機滑剤と無機滑剤を併用は、
無機滑剤や有機滑剤の単独使用時にその滑り性等の特性
を高めるために添加量を増やすことで透明性が損なう現
象や内部滑性が増すことで溶融押し出し時の吐出不良や
粘度低下を招く等の物性低下問題もなく有効な粒子突起
形成と表面滑性が改善され、開口性の向上が図られる。
更に自動被覆機でチューブへの被覆、収縮加工を行う
際、切断部の密着が低減され、また被覆体のチューブへ
の挿入性が良くなり、自動被覆機が停止したりすること
なく安定した加工を行うことが可能となる。
【0043】またこのような熱収縮チューブはテープ状
に折り畳み、リールに巻き取られてから製品として出荷
されることが多いが、この時チューブ表面の滑性が悪い
とポリエステルフィルムなどでしばしば発生するブロッ
キング現象を起こし、チューブ同士が密着し剥がれなく
なることがあるが、この樹脂組成物ではこのような問題
の改善も図れる。
【0044】本発明の芳香族ポリエステルチューブの製
造方法としては、リングダイを用いて押出・延伸してチ
ューブとする方法、TダイやIダイを用いて押出・延伸
したフィルムを融着、溶着または接着により貼合せてチ
ューブとする方法、更に前記チューブまたはフィルムを
スパイラル状に貼合せてチューブとする方法があげられ
るが、リングダイを用いて押出・延伸してチューブとす
る方法が好ましい。かかるリングダイを用いて製造され
たチューブは、フィルムからの貼合せてチューブの様な
貼合せ部がないため、円周方向の厚さ斑がなく均一に収
縮するのでコンデンサー等の小径のものを被覆する時
に、特に有利である。
【0045】ここで、リングダイを用いて押出・延伸し
てチューブとする方法をさらに詳細に説明する。前記し
た二次転移点が80〜100℃の芳香族ポリエステル樹
脂からなる樹脂組成物は、溶融押出装置により融点以上
の温度に加熱溶融され、リングダイから連続的に押し出
した後、強制的に冷却され未延伸チューブに成型され
る。強制冷却の手段としては、低温の水に浸漬する方
法、冷却風による方法等を用いることができる。この未
延伸チューブを連続的に次の延伸工程に供給してもよ
く、また一度ロール状に巻き取った後、この未延伸ロー
ルを次の延伸工程の原反として用いてもよい。
【0046】このようにして得られた未延伸チューブ
は、チューブ内側より圧縮気体で加圧し、二軸延伸す
る。延伸法は特に限定されるものではないが、例えば未
延伸チューブの一方の端から圧縮気体による圧力を管の
内側に加えつつ一定速度で送り出し、次いで温水または
赤外線ヒーター等により予熱し、径方向の延伸倍率を規
制する延伸温度に加熱した延伸管の中に入れ二軸延伸を
行う。延伸管の適当な位置で延伸される様に温度条件等
を設定する。延伸後冷却し、一対のニップロールにより
挟んで延伸圧力を保持しながら延伸チューブとして引き
取り巻取られる。延伸は、長さ方向または径方向のいず
れの順序でもよいが、同時に行なうのが好ましい。
【0047】長さ方向の延伸倍率は、未延伸チューブの
送り速度と延伸後のニップロール速度との比で決めら
れ、径方向の延伸倍率は未延伸外径と延伸チューブ外径
の比で決められる。これ以外の延伸加圧方法として、未
延伸チューブ送り出し側と延伸チューブ引き取り側双方
をニップロールに挟み封入した圧縮気体の内圧を維持す
る方法も採用できる。
【0048】延伸条件は、使用する樹脂組成物の性質お
よび目的のチューブの熱収縮性により異なるが、通常延
伸温度は樹脂組成物のガラス転位点以上〜125℃、好
ましくは90〜110℃であり、延伸倍率は長さ方向
1.0〜4.5倍、径方向1.0〜4.5倍の範囲であ
る。特に本発明の樹脂組成物からのチューブは、長さ方
向又は径方向の少なくとも一方が低延伸倍率のものであ
る。
【0049】また、コンデンサー等にチューブをかぶら
せ加熱収縮させた時に収縮したチューブが肩外れ等を起
こさないためには、長さ方向の熱収縮率が径方向の熱収
縮率より低くなる設計が好ましい。その具体的熱収縮率
としては乾熱150℃×1分処理した時の値として長さ
方向0〜40%、径方向20〜70%であり、好ましく
は長さ方向2〜20%、径方向30〜60%である。こ
の熱収縮率を実現させる為の延伸倍率としては、長さ方
向1.0〜2.0倍、径方向1.2〜4.5倍であり、
好ましくは長さ方向1.02〜1.4倍、径方向1.4
〜3.0倍である。
【0050】本発明の樹脂組成物は、予め上記各成分を
タンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バン
バリーミキサー、混練ロール、押し出し機などの混合機
によりり混合して使用してもよく、また未延伸チューブ
を押出す押出機の供給口に計量した各成分を直接供給し
たり、更には2ケ所以上の供給口を有する押出機の各供
給口に別々に計量した成分を供給してもよい。
【0051】さらに、本発明の目的を損なわない範囲
で、その効果が発現する量の各種添加剤、無機充填剤を
添加してもよい。各種添加剤としては、難燃剤(臭素化
ビスフェノール、臭素化ポリスチレン、臭素化ビスフェ
ノールAのカーボネートオリゴマー、トリフェニルホス
フェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェ
ニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートな
ど)、難燃助剤(アンチモン酸ナトリウム、三酸化アン
チモンなど)、滴下防止剤(フィブリル形成能を有する
ポリテトラフルオロエチレンなど)、酸化防止剤(ヒン
ダードフェノール系化合物など)、紫外線吸収剤、離型
剤、滑剤、着色剤等が挙げられる。また無機充填剤とし
ては、ガラスビーズ、タルク、マイカなどが挙げられ
る。
【0052】本発明の樹脂組成物はポリエステル樹脂の
加水分解をさける為に、予め水分が0.1重量%以下、
好ましくは0.05重量%以下になる様に乾燥する。例
えば、170℃×3時間、150℃×12時間、真空下
120℃×24時間等の条件で乾燥する。
【0053】かくして本発明によれば、前記熱収縮性チ
ューブを使用して各種無機材料製品の表面を被覆した製
品が提供される。表面の被覆の対象となる製品として
は、主成分である芳香族ポリエステル樹脂の特性(絶縁
性、耐熱性、耐薬品性、高弾性率等の機械特性)を利用
しうるものであればよく、例えば金属材料製品およびガ
ラス製品が挙げられる。具体的には、金属材料製品とし
ては、コンデンサー、電線(丸線、角線)、乾電池、リ
チウムイオン電池等の2次電池、鋼管または電気機器が
例示され、この電気機器としてはモーターコイルエン
ド、トランス、口出線を含み、また小型モーターの全体
を被覆することもできる。また、ガラス製品としては、
例えば電球、蛍光灯が示され、殊にファクシミリやイメ
ージスキャナーの蛍光灯被覆チューブとしても利用可能
である。中でも使用環境条件が厳しく、高い冷熱衝撃性
を要求されるリチウムイオン電池及びアルミ電解コンデ
ンサー用途に有用であり、特にリチウムイオン電池用途
に有用である。
【0054】本発明で言うリチウムイオン電池の構造に
ついては特に限定されないが、正極物質として、Liイ
オンと特定の金属から成る複合金属酸化物(例えば、L
iCo2、LiMn22等)を用い、負極活物質として
炭素質材料を用い、正極と負極との間に隔膜を介して積
層電極となし、電解液としてLiPF6、LiBF4、L
iClO4、LiAsF6等のLi塩を溶解した非プロト
ン性有機溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、エチレ
ンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、1,3−ジ
オキソラン、テトラヒドロフラン等)を使用してものが
あげられる。その形状としてはペーパー型電池、ボタン
型電池、積層型電池、円筒型電池などがある。これら
は、今まで小型二次電池の主流であったニカッド電池や
ニッケル水素電池より更に高エネルギー密度で小型、軽
量を要求される用途、例えばノートパソコン、携帯電
話、携帯情報端末、ポータブルMDプレーヤー等の電源
として使用されている。近年急速に市場が拡大している
充電可能な二次電池である。このリチウムイオン電池へ
の熱収縮チューブの収縮加工は、チューブ内にリチウム
イオン電池を挿入して、熱風や遠赤外線ヒーター等の熱
源を用い、120℃から250℃の温度で5秒から数十
秒間熱を加えて行う。
【0055】またアルミ電解コンデンサーとは、蓄電機
能を有したプリント基板等に組み込まれた回路素子であ
り、外部をアルミニウムのケースで覆われている。この
アルミ電解コンデンサーへの熱収縮チューブの収縮加工
は、チューブ内にアルミ電解コンデンサーを挿入して、
熱風や遠赤外線ヒーター等の熱源を用い、180℃から
350℃の温度で3秒から15秒間程度の熱を加えて行
う。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。尚、実施例中の代表的な物性は下記の方法で測
定した。
【0057】(1)二次転移点の測定 示差走査熱量測定(DSC)装置を使用し、JIS K
7121に従い毎分20℃で昇温し、二次転移点を求め
た。
【0058】(2)熱収縮率 熱収縮チューブを乾熱150℃×1分処理した前後の長
さ、及び外径を測定し、下記式より計算した。
【0059】
【数1】
【0060】(3)冷熱衝撃性 熱収縮チューブにリチウムイオン電池を挿入し、200
℃×18秒で収縮加工し、この熱収縮した熱収縮チュー
ブで被覆されたリチウムイオン電池を温度サイクルテス
ト及び冷熱衝撃テスト条件で評価した。
【0061】(i)冷熱衝撃テスト条件 熱収縮した熱収縮チューブで被覆されたリチウムイオン
電池を−40℃×2時間と+85℃×2時間の冷熱処理
を30開繰り返した後、リチウムイオン電池胴部の溝を
被覆している熱収縮チューブが膨れる現象を観察した。 ○;冷熱衝撃テスト後もリチウムイオン電池の胴部の溝
の熱収縮チューブの変化が全くなっかた。 ×;冷熱衝撃テスト後、リチウムイオン電池の胴部の溝
の熱収縮チューブが膨れが発生した。
【0062】(ii)温度サイクルテスト条件 熱収縮した熱収縮チューブで被覆されたリチウムイオン
電池を−20℃×2時間と+60℃×2時間の冷熱処理
を30開繰り返した後、リチウムイオン電池の胴部の溝
の熱収縮チューブが膨れる現象を観察した。 ○;冷熱衝撃テスト後もリチウムイオン電池の胴部の溝
の熱収縮チューブの変化が全くなっかた。 ×;冷熱衝撃テスト後、リチウムイオン電池の胴部の溝
の熱収縮チューブが膨れが発生した。
【0063】 (4)開口性延伸チューブの内面に空気が残らないよう
にロールにて圧着後、巻き取ったチューブを長さ方向と
平行に折り曲げ、 ○;1回折り曲げただけで口が開き、開口性が良好。 △;2回折り返し口が開く。 ×;3回以上折り返しても口が開かず、開口性が悪い。
【0064】[実施例1〜3及び比較例1〜4]表1記
載の樹脂組成物を、シリンダー温度270℃に設定した
押出機で溶融しリングダイを通して押出し、水に浸漬、
冷却固化して未延伸チューブを得た。この未延伸チュー
ブを表1記載の温度の温水中、内径17mmφの延伸管
を使用し、0.5kg/cm2の圧空によりチューブに
内圧をかけ表1に示す条件にて延伸後水にて冷却し、5
0μmの延伸熱収縮性チューブを得た。得られた熱収縮
性チューブの形状および特性を表1に示した。
【0065】尚、表1の各略称は下記の内容を意味す
る。 (a)芳香族ポリエステル樹脂 PET−1:[η]=0.65のポリエチレンテレフタ
レート樹脂(二次転移点77℃) PET−2:酸成分としてテレフタル酸89モル%とイ
ソフタル酸11モル%、ジオール成分としてエチレング
リコール100モル%からなり、[η]=0.7のポリ
エチレンテレフタレート/イソフタレート樹脂(二次転
移点72℃) PEN:[η]=0.60のポリエチレンナフタレート
樹脂(二次転移点123℃) (b)無機滑剤 粒子−1;平均粒径4.8μm、粒径4.0〜5.3μ
mの大粒径不活性外部粒子を13.4重量%、5.3〜
7.5μmを16.2重量%、7.5〜11.0μmを
15.0重量%、11〜16μmを10.4重量%、1
6〜22μmを2.6重量%、22〜30μmを0.2
重量%含有しているカオリン。(全不活性外部粒子10
0重量%中4〜30μmの大粒径不活性外部粒子を5
7.8重量%含有) (c)有機滑剤 粒子−2;モンタン酸をエチレングリコールでエステル
化したモンタン酸ジエステルであるHoechst社製
Hoechst WAX E
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】本発明の二次転移点が80〜100℃で
ある芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物からの
熱収縮性芳香族ポリエステルチューブは、表1から明ら
かの如く優れた冷熱衝撃性と熱収縮性を有し、またチュ
ーブ内面の滑り性が大幅に改善したものである。さらに
上記樹脂組成物が有している冷熱衝撃性、耐熱性、耐燃
焼性、電気特性、耐薬品性を生かすことができかつこれ
ら特性を被覆材料あるいは保護材料として利用すること
ができる熱収縮性芳香族ポリエステルチューブを提供
し、また、上記チューブの工業的に有利な製造方法と前
記熱収縮性を利用して種々の製品を被覆あるいは保護し
た無機材料製品、を提供する。
【0068】従って従来の塩化ビニル系熱収縮チューブ
やポリエチレンテレフタレート系チューブで用いられて
いるコンデンサーや蛍光灯の保護被覆以外にも、中でも
使用環境条件が厳しく、高い冷熱衝撃性を要求されるリ
チウムイオン電池及びアルミ電解コンデンサー用途に有
用であり、特にリチウムイオン電池等の2次電池の絶縁
被覆など新しい用途にも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01G 9/08 H01G 9/08 B // B29K 67:00 105:02 B29L 23:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次転移点が80〜100℃である芳香
    族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物より形成された
    熱収縮性芳香族ポリエステルチューブ。
  2. 【請求項2】 乾熱150℃×1分処理した時の熱収縮
    率が径方向で20〜70%、長さ方向で0〜40%であ
    る請求項1記載の熱収縮性芳香族ポリエステルチュー
    ブ。
  3. 【請求項3】 二次転移点が80〜100℃である芳香
    族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物をチューブ状に
    押出し、次いでチューブの径方向に1.2〜4.5倍、
    長さ方向に1.0〜2.0倍延伸することを特徴とする
    熱収縮性芳香族ポリエステルチューブの製造方法。
  4. 【請求項4】 熱収縮性芳香族ポリエステルチューブ
    が、リチウムイオン電池及びアルミ電解コンデンサーを
    被覆することを特徴とする請求項1又は2記載の熱収縮
    性芳香族ポリエステルチューブ。
  5. 【請求項5】 二次転移点が80〜100℃である芳香
    族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物より形成された
    熱収縮性芳香族ポリエステルチューブより表面が被覆さ
    れたリチウムイオン電池及びアルミ電解コンデンサー。
  6. 【請求項6】 二次転移点が80〜100℃である芳香
    族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物より形成された
    熱収縮性芳香族ポリエステルチューブの熱収縮により表
    面が被覆されたリチウムイオン電池及びアルミ電解コン
    デンサー。
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KR100500834B1 (ko) * 2000-01-20 2005-07-12 주식회사 코오롱 전해 콘덴서 피복용 폴리에스테르계 열수축성 튜브
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