JPH11171753A - 微粒子二酸化チタン被覆組成物を有効成分として含有する化粧料 - Google Patents

微粒子二酸化チタン被覆組成物を有効成分として含有する化粧料

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JPH11171753A
JPH11171753A JP36297097A JP36297097A JPH11171753A JP H11171753 A JPH11171753 A JP H11171753A JP 36297097 A JP36297097 A JP 36297097A JP 36297097 A JP36297097 A JP 36297097A JP H11171753 A JPH11171753 A JP H11171753A
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titanium dioxide
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Koichi Yamaji
幸一 山地
Yoshimasa Kamata
佳昌 蒲田
Osamu Ikemoto
修 池元
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油相とのなじみが良く、優れた分散性と耐光
性を有する微粒子二酸化チタンを有効成分として含有す
る化粧料を提供する。該化粧料は、優れた日焼け止め効
果を示す。 【構成】 概要として以下の工程を経て製造される微粒
子二酸化チタンを、化粧料全体に対し1〜80重量%配
合する。粒子径0.1μm以下の二酸化チタン水懸濁液
に、水溶性アルミニウム化合物を特定量添加し、中和剤
で特定pH値に設定する。次に、このスラリーを80℃
以上に加熱し、そこへ炭素数7個以上の脂肪酸またはそ
の水溶性塩を特定量添加する。そして、スラリーpHを
調整した後、30分間以上熟成を行う。最後に、pHを
再び調整した後、ろ過、洗浄、乾燥、粉砕操作を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油相とのなじみが良
く、優れた分散性と耐光性を有する微粒子二酸化チタン
被覆組成物を有効成分として含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】粒子径が0.1μm以下である微粒子二
酸化チタンは、優れた紫外線遮蔽能を示すので日焼け止
めなどの化粧料に配合されている。しかしながら、微粒
子二酸化チタン粉体をそのまま用いた化粧料において
は、油相とのなじみが悪く、かつ化粧料が光によって変
色しやすいという欠点を生じる。
【0003】上記問題の対策としていくつかの工夫が報
告されている。たとえば、特公平3−39017号公報
には、チタニアゾルの分散液中において脂肪酸と水溶性
多価金属塩を反応させて表面が疎水性の酸化チタンを製
造する方法が開示されている。また、特公昭56−34
232号公報には、塩基性ポリアルミニウム塩と脂肪酸
との共沈反応を利用して、固体表面を親油性にする方法
が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
処理方法では、二酸化チタンを化粧料に配合すると疎水
性が不十分で油相とのなじみが悪い分散体となる場合が
あった。また配合された化粧料は光によって変色しやす
い傾向もあった。本発明は油相とのなじみが良く、しか
も優れた分散性と耐光性を有する微粒子二酸化チタンを
配合した化粧料を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】脂肪酸多価金属塩で被覆
した微粒子二酸化チタンを配合した日焼け止め化粧料の
疎水性や耐光性の不足を改善するために、本発明者らは
種々の検討を行った。その結果、まず水溶性アルミニウ
ム塩を用いて被覆処理を行い、次に炭素数が7以上の脂
肪酸またはその水溶性塩を用いて被覆処理を行って得ら
れる微粒子酸化チタンを化粧料に配合すると前述の欠点
が解消されることを見いだした。
【0006】すなわち本発明は、次の(1)〜(3)の
工程を経て得た二酸化チタン被覆組成物を有効成分とし
て含有する化粧料である。 (1) 粒子径が0.1μm以下の二酸化チタンの水性
懸濁液に、水溶性アルミニウム化合物をAl2 3 とし
て8〜15重量%(二酸化チタン基準)を添加した後、
酸または塩基の中和剤を用いて系のpHを5〜8に調整
する。 (2) 加熱により系の温度を80℃以上とし、そこへ
炭素数が7以上の脂肪酸またはその水溶性塩を脂肪酸換
算で10〜20重量%(二酸化チタン基準)添加する。
次いで、酸または塩基の中和剤を用いて系のpHを7〜
9に調整し、この状態で30分間以上熟成する。 (3) 熟成後、系のpHを6.5〜7.5に調整した
後、ろ過、洗浄、乾燥、粉砕操作を行う。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の化粧料に配合する二酸化
チタン被覆組成物が従来の技術と異なる点は、まず、水
溶性アルミニウム塩を用いて二酸化チタン表面へのアル
ミニウム水和酸化物による被覆処理を行い、しかる後
に、炭素数が7以上の脂肪酸またはその水溶性塩を添加
して被覆処理を行うことにある。この順序で処理するこ
とにより、二酸化チタン被覆組成物の疎水性ならびに耐
光性が改善され、優れた日焼け止め化粧料が得られる。
化粧料に配合する二酸化チタンへの上記被覆処理順序に
関しては、アルミニウムの水和酸化物と脂肪酸またはそ
の水溶性塩とを同時に被覆処理を行ったり、あるいは脂
肪酸またはその水溶性塩を添加した後にアルミニウム水
和酸化物の被覆処理を行ったりすると、粉体の分散性や
耐光性、疎水性が改良されず、結果的にこれを配合した
化粧料についても、優れた特性が現れないことになる。
【0008】本発明で配合する二酸化チタン被覆組成物
の製造方法を上記工程別により詳細に説明する。 工程(1):粒子径が0.1μm以下の二酸化チタンの
水性懸濁液としては、硫酸チタニル溶液や四塩化チタン
溶液などを加水分解して得られる二酸化チタンがルチル
形結晶構造をもったチタニアゾルを用いるとよい。該チ
タニアゾル中の二酸化チタン粒子は、ほぼ、一次粒子で
分散しており個々の粒子に対して様々な表面処理を行う
ことができる。上記のような二酸化チタンがルチル形結
晶構造を有するチタニアゾルを製造するには、たとえ
ば、加水分解後のケーキを苛性アルカリで処理し塩酸中
で加熱熟成することによって得ることができる。
【0009】二酸化チタン粒子表面に被覆する水和酸化
アルミニウムについては、原料の水溶性アルミニウム塩
としてアルミン酸ソーダ、硫酸アルミニウムなどが好ま
しい。アルミニウム塩の添加量については、二酸化チタ
ンを基準としてAl2 3 として8〜15重量%、好ま
しくは10〜12%程度がよい。Al2 3 の処理量が
8%より少ないと耐光性が不十分となる。Al2 3
処理量が15%を越えた場合には、乾燥時の粒子同士の
固着が強固になり、解砕に大きなエネルギーが必要とな
ると共に分散性が不十分となる。
【0010】アルミニウム塩の添加後、中和剤を用いて
pHを5〜8に調整して二酸化チタン粒子表面に水和酸
化アルミニウムを被覆させる。使用する中和剤は、塩基
としてはアンモニア水、苛性ソーダなど、また酸として
は塩酸、硫酸などが好ましい。なお、水和酸化アルミニ
ウムを被覆する場合、必要に応じて耐光性など本発明が
目的とする特性を損なわない程度に、酸化アルミニウム
以外の無機酸化物(水和物を含む)を共存させてもよ
い。物質としてはケイ素、ジルコニウム、チタン、亜
鉛、鉄、セリウムなどの酸化物または水和酸化物が適用
できる。また、これらを2種以上組み合わせても良い。
【0011】工程(2):加熱によりスラリーの温度を
80℃以上にするのは、次に添加する炭素数が7以上の
脂肪酸またはその水溶塩と、工程(1)で形成させた水
和酸化物とを効率的に反応させるためである。添加する
脂肪酸またはその水溶性塩は、脂肪酸としてはカプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ヤシ油
脂肪酸、牛脂脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸などのような炭素数が7以上の高級脂肪酸が疎水性
付与の観点から好ましく、脂肪酸の水溶性塩としては上
記脂肪酸とのアルカリ金属、アンモニア、有機アミンな
どの塩が使用できる。なお、炭素数の少ない脂肪酸を用
いた場合、得られる脂肪酸塩が親水性を帯びるので油相
とのなじみが低下する。
【0012】脂肪酸またはその水溶性塩の添加量が10
%より少ないと、得られる粉体の疎水性および粉砕性が
不十分となる。また20%を越えると分散スラリーの粘
度が大幅に増大するために、かきまぜが困難となって生
産性が低下する。脂肪酸またはその水溶性塩の添加後、
酸または塩基の中和剤を用いて系のpHを7〜9に調整
し、この状態で30分間以上熟成するが、この際、熟成
時のpHが7より低いと、脂肪酸と水和酸化アルミニウ
ムとの反応性が低下して未反応の脂肪酸が増加する。そ
の結果、酸化チタン水性懸濁液中に脂肪酸の凝集塊が増
加するので得られる粉体の疎水性が低下する。またpH
が9を越えると、水和酸化アルミニウムが溶解するので
好ましくない。
【0013】工程(3):熟成後の水性懸濁液は、工程
(1)で挙げた中和剤を用いてpHを6.5〜7.5に
調整した後、固液分離操作を行うが、この場合のろ過、
洗浄、乾燥、粉砕操作については、一般的な公知の方法
が適用できる。この工程ではpHをできるだけ中性近く
に設定して操作を行うと、最終的に表面処理が安定化す
るので好ましい。粉砕操作に用いる粉砕機としては、エ
ックアトマイザー、流体エネルギーミルなどが使用でき
る。粉砕後の粉末は、ステアリン酸ソーダを添加してい
ない試料と比べ、非常に軟らかな感触となる。
【0014】上記工程により得た微粒子酸化チタン被覆
組成物をベンゼン中で煮沸した後、ろ過した際に、ろ液
中には脂肪酸が認められなかった。また、ろ過、乾燥後
の微粒子酸化チタンを水中に投入してかき混ぜたとこ
ろ、疎水性は失われていなかった。これらのことから、
添加した脂肪酸は粒子表面から遊離せず、脂肪酸分子が
アルミニウム原子と強固に付着して粒子表面に存在する
と推定される。
【0015】本発明の化粧料は、このようにして得られ
る二酸化チタン被覆組成物を配合するものであり、その
配合量は1〜80重量%であり、化粧料の剤型に応じて
適宜選択できる。すなわち、パウダーファンデーション
のような粉体剤型では40〜80重量%、口紅,油性フ
ァンデーションのような油性剤型では1〜20重量%、
乳化ファンデーション,クリームのような乳化剤型では
1〜40重量%程度が好ましい。これらの化粧料は常法
により製造され、各々の目的のために提供される。
【0016】また、本発明の化粧料は、本発明の効果を
損なわない範囲で、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテルなどの界面活性剤、流
動パラフィン、パラフィンワックスなどの炭化水素類、
パルミチン酸イソプロピル、、ステアリン酸ブチルなど
の脂肪酸エステル、ジメチコン、シクロメチコンなどの
シリコーン油、ミツロウ、オリーブ油、サフラワー油な
どの油剤、グリセリン、プロピレングリコール、1,3
−ブチレングリコールなどの多価アルコール、塩化ナト
リウム、硫酸マグネシウムなどの安定剤、ビタミン類、
グリチルリチン酸塩などのなどの薬効剤、パラジメチル
アミノ安息香酸などのPABA系、メトキシケイ皮酸オ
クチルなどの桂皮酸系、オキシベンゾンなどのベンゾフ
ェノン系、その他サリチル酸系などの紫外線吸収剤、防
腐剤、着香剤などの公知成分を適宜配合して、例えばフ
ァウンデーション、口紅、リップクリーム、油性ファン
デーション、乳液、クリームなどの化粧料、特に日焼け
止めを目的とした化粧料とすることができる。
【0017】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説
明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみによって
限定されるものではない。
【0018】
【実施例1】工程(1):テイカ社製硫酸チタニル結晶
の水溶液を加熱して生成する加水分解物を、ろ過、洗浄
して得られる含水酸化チタンケーキ,35kg(酸化チ
タン含有量:TiO2 換算で10kgに相当)に、48
%水酸化ナトリウム水溶液,40kgをかきまぜながら
投入し、加熱して95℃〜105℃の範囲で2時間かき
まぜた。次いでこの二酸化チタン水和物の懸濁液をろ過
し、ケーキを十分に洗浄した。洗浄後のケーキに水,5
0kgを加えてスラリー化し、さらに35%塩酸,14
kgをかきまぜながら投入し、95℃で2時間加熱熟成
した。このスラリー中の固体粒子はX線回折でルチル型
二酸化チタンの結晶構造を示した。得られた酸化チタン
水性懸濁液は、70g/lとなるよう濃度を調整した。
上記のごとく得た水性懸濁液,20リットル(TiO2
換算で1.4kg)に、Al2 3 換算で250g/l
のアルミン酸ソーダ水溶液,560ml(二酸化チタン
を基準としてAl2 3 換算で10重量%)をかきまぜ
ながら添加した。水酸化ナトリウム水溶液を添加してp
H値を6.0に調整し、30分間熟成した。
【0019】工程(2):水性懸濁液を85℃に加熱
後、ステアリン酸ソーダ,238g(二酸化チタンに対
し脂肪酸換算で15.8重量%)を添加した。このとき
pH値は徐々に上昇し10分後にpH7.0となった。
スラリーは1時間熟成した。
【0020】工程(3):熟成後、スラリーのpH値を
水酸化ナトリウム水溶液あるいは塩酸水溶液を添加して
7.5に調整し、その後、さらに30分間熟成し、スラ
リーをろ過、洗浄して85℃で15時間乾燥した。乾燥
物をエックアトマイザーにより粉砕した。
【0021】
【実施例2】工程(1)のアルミン酸ソーダ溶液の添加
前に、まずSiO2 換算で200g/lのケイ酸ソーダ
水溶液,105ml(二酸化チタンに対しSiO2 換算
で1.5重量%)を添加した後、アルミン酸ソーダ溶
液,560mlを添加した以外は実施例1と同じ処理を
行った。
【0022】
【実施例3】工程(2)におけるステアリン酸ソーダの
添加量を168g(二酸化チタンに対し脂肪酸換算で1
1.2重量%)とし、工程(3)における乾燥物の粉砕
を流体エネルギーミルを用いた以外は、実施例2と同じ
処理を行った。
【0023】
【比較例1】工程(1)におけるアルミン酸ソーダ水溶
液の添加量を、392ml(二酸化チタンを基準として
Al2 3 換算で7重量%)とした以外は実施例1と同
様に処理した。
【0024】
【比較例2】工程1におけるステアリン酸ソーダ添加時
以降の操作を、次のように変更した以外は実施例1と同
様に処理した。上記工程で得たスラリー,20リットル
(TiO2 換算で1.4kg)を、まず85℃に加熱
後、ステアリン酸ソーダ,140g(二酸化チタンに対
し脂肪酸換算で9.3重量%)を添加し、さらにアルミ
ン酸ソーダ水溶液,392ml(二酸化チタンに対して
Al2 3 換算で7重量%)をかきまぜながら添加し、
水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH値を5.5に調
整した後、30分間熟成した。その後、水酸化ナトリウ
ム水溶液を添加してpH値を7.0に調整して30分間
熟成し、ろ過、洗浄して、85℃で15時間乾燥した。
【0025】
【比較例3】工程1におけるステアリン酸ソーダ添加時
以降の操作を、次のように変更した以外は実施例1と同
じ処理をおこなった。上記工程で得たスラリー,20リ
ットル(TiO2 換算で1.4kg)を、まず85℃に
加熱後、ステアリン酸ソーダ,140gとアルミン酸ソ
ーダ溶液,392mlとを、かきまぜながら同時に添加
してpH値を5.5に調整した後、30分間熟成した。
熟成後、pHを7.0に調整して30分間熟成し、ろ
過、洗浄して、85℃で15時間乾燥した。
【0026】
【比較例4】工程2において、ステアリン酸ソーダ添加
後のpH値を、塩酸水溶液を用いて5.0に調整してか
ら熟成を行い、また工程3における1時間熟成後の調整
pHを塩酸水溶液を添加して5.5とした以外は実施例
1と同じ処理を行った。
【0027】
【試験例】1.耐光性の測定 各実施例および比較例で得た微粒子二酸化チタン被覆組
成物を、それぞれ微粒子二酸化チタン/ブチレングリコ
ール=1/1で3分間混合する。これらのペーストをホ
ワイトボード上におき、カバーガラスをのせ、各試料の
色調L0 ,a0,b0 を色彩色差計(ミノルタ社製CR
−200)にて測定する。これらの試料を1時間日光暴
露した後、再度、L1 ,a 1 ,b1 として上記と同様の
方法で測定する。そして、以下の式にて各試料の変色度
(ΔE)を求めた。結果を表1に示す。ΔEの数値が低
いほど耐光性が優れている。
【0028】ΔE=[(L1 −L0 2 +(a 1 −a
0 2 +(b1 −b0 2 1/20 ,a0 ,b0 :日光暴露前の色調 L1 ,a 1 ,b1 :日光暴露後の色調
【0029】2.疎水性の評価 各実施例および比較例で得た微粒子二酸化チタン被覆組
成物の疎水性を、疎水化分析装置(レスカ社製WET−
100P)によって測定した。結果を表1に示す。ぬれ
の始点、終点のメタノール濃度が高い、すなわち数値が
大きいほど、疎水性が優れている。
【0030】3.日焼け止めクリームの評価 表2に示した配合にて、各実施例および比較例で得た微
粒子二酸化チタン被覆組成物を使用した日焼け止めクリ
ームを調製した。 配合方法:油相成分を80℃で加熱混合し、そこへ80
℃に加熱混合した水相成分を加え、ホモミキサー(特殊
機化工業社製M型)でかきまぜた後、冷却した。得られ
た各クリームを、ポリプロピレン製フィルム(厚み40
μm)上へ12μmの膜厚になるよう塗布し、分光光度
計(日立製作所社製U−3300)を用いて波長250
nm〜700nmにおける上記膜の透過率を測定した。
さらに波長250nm〜400nm間については、下式
を用いて透過率積分値を求めた。結果を表1に示す。2
50nm〜400nmにおける透過率積分値が小さいほ
ど、紫外線を大きく遮蔽していることを示し、分散性が
優れている。 透過率積分値(nm・%)=設定された波長領域(n
m)×透過率(%)
【0031】
【表2】 油相: ソルビタン・セスキイソステアレート 2.5重量% ポリオキシアルキレンジメチルポリシロキサン 2.0重量% マイクロワックス 6.0重量% ネオペンティル グリコール デカプレート 15.0重量% メチルフェニル・ポリシロキサン 21.7重量% プロピルパラベン 0.1重量% カスターワックス 0.5重量% 各実施例または比較例で得た二酸化チタン被覆組成物 5.0重量% 水相: 精製水 40.5重量% ブチレングリコール 5.0重量% メチルパラベン 0.2重量% 塩化ナトリウム 1.5重量%
【0032】
【表1】
【0033】比較例1はアルミニウム化合物の添加量
(Al2 3 の合計処理量)が少ない場合の結果であ
る。表1のΔE値から明らかなように、耐光性が低下す
る。比較例2および比較例3は、比較例1の条件に加
え、さらにアルミニウム水和酸化物と脂肪酸またはその
水溶性塩との処理を、本発明方法とは異なる順序で行っ
たものである。表1の透過率積分値ならびに図1の透過
率曲線グラフから明らかなように、耐光性が大きく低下
し、しかも紫外線遮蔽能力も大きく低下している。比較
例4は、熟成時におけるpHを酸性に調整した場合の結
果である。表1の数値から明らかなように、いずれの特
性も低下している。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施例および比較例によって得られた微粒子
二酸化チタン被覆組成物を用いて日焼け止めクリームと
して配合した試料についての波長250〜700nmに
おける透過率曲線である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(1)〜(3)の工程を経て得られ
    る二酸化チタン被覆組成物を有効成分として含有する化
    粧料。 (1) 粒子径が0.1μm以下の二酸化チタンの水性
    懸濁液に、水溶性アルミニウム塩をAl2 3 として8
    〜15重量%(二酸化チタン基準)を添加した後、酸ま
    たは塩基の中和剤を用いて系のpHを5〜8に調整す
    る。 (2) 加熱により系の温度を80℃以上とし、そこへ
    炭素数が7以上の脂肪酸またはその水溶性塩を脂肪酸換
    算で10〜20重量%(二酸化チタン基準)添加する。
    次いで、酸または塩基の中和剤を用いて系のpHを7〜
    9に調整し、この状態で30分間以上熟成する。 (3) 熟成後、系のpHを6.5〜7.5に調整した
    後、ろ過、洗浄、乾燥、粉砕操作を行う。
  2. 【請求項2】 工程(1)で用いる二酸化チタンがルチ
    ル形結晶構造をもったチタニアゾルである請求項1の化
    粧料。
  3. 【請求項3】 化粧料全体に対する請求項1の二酸化チ
    タン被覆組成物の配合量が、1〜80重量%である化粧
    料。
JP36297097A 1997-12-12 1997-12-12 微粒子二酸化チタン被覆組成物を有効成分として含有する化粧料 Pending JPH11171753A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002338245A (ja) * 2001-05-16 2002-11-27 Tayca Corp 濃厚微粒子酸化チタンディスパージョン

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JP2002338245A (ja) * 2001-05-16 2002-11-27 Tayca Corp 濃厚微粒子酸化チタンディスパージョン

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