JPH11171574A - スクライバー - Google Patents
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- JPH11171574A JPH11171574A JP9342593A JP34259397A JPH11171574A JP H11171574 A JPH11171574 A JP H11171574A JP 9342593 A JP9342593 A JP 9342593A JP 34259397 A JP34259397 A JP 34259397A JP H11171574 A JPH11171574 A JP H11171574A
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B33/00—Severing cooled glass
- C03B33/10—Glass-cutting tools, e.g. scoring tools
- C03B33/105—Details of cutting or scoring means, e.g. tips
- C03B33/107—Wheel design, e.g. materials, construction, shape
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 液晶用ガラス板のような硬質板材料を切断す
るスクライバーであって、スクライブカッター自体の長
寿命化のみならず、スクライブカッターと接触して摩擦
を生ずる部位においても、摩擦による磨り減りを防止し
て長寿命化を図ること。 【解決手段】 算盤玉状のスクライブカッターと、該ス
クライブカッターの中心孔に回転可能に挿通する回転軸
と、該回転軸の軸受け部とを含むホルダーとから構成さ
れるスクライバーであって、前記スクライブカッター
は、焼結ダイヤモンドで形成されており、中心孔の内周
面がダイヤモンド状カーボンで被覆されている構成と
し、従来例において擦り減りが目立った回転軸との摩擦
が著しく軽減され、それによってスクライバーとしての
長寿命化が図れる。
るスクライバーであって、スクライブカッター自体の長
寿命化のみならず、スクライブカッターと接触して摩擦
を生ずる部位においても、摩擦による磨り減りを防止し
て長寿命化を図ること。 【解決手段】 算盤玉状のスクライブカッターと、該ス
クライブカッターの中心孔に回転可能に挿通する回転軸
と、該回転軸の軸受け部とを含むホルダーとから構成さ
れるスクライバーであって、前記スクライブカッター
は、焼結ダイヤモンドで形成されており、中心孔の内周
面がダイヤモンド状カーボンで被覆されている構成と
し、従来例において擦り減りが目立った回転軸との摩擦
が著しく軽減され、それによってスクライバーとしての
長寿命化が図れる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、液晶用ガ
ラス板のように硬質材料で形成された板材等を切断する
ために使用されるものであって、回転軸を有する算盤状
の回転刃と回転軸の軸受け部を有するホルダーとからな
るスクライバーに関するものである。
ラス板のように硬質材料で形成された板材等を切断する
ために使用されるものであって、回転軸を有する算盤状
の回転刃と回転軸の軸受け部を有するホルダーとからな
るスクライバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の長寿命のスクライバーとして
は、例えば、特開平7−156133号公報に開示さ
れた構成のもの、及び人造ダイヤモンドを粉末状とし
た後に、高温高圧下で得られる焼結ダイヤモンド(PC
D)を回転刃として使用した構成のものが従来例として
公知になっている。
は、例えば、特開平7−156133号公報に開示さ
れた構成のもの、及び人造ダイヤモンドを粉末状とし
た後に、高温高圧下で得られる焼結ダイヤモンド(PC
D)を回転刃として使用した構成のものが従来例として
公知になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
のスクライバーは、回転刃の両側を一対のスペーサで挟
む構成であって、その回転刃とスペーサとをダイヤモン
ドで形成したもので、回転刃とスペーサとをダイヤモン
ドで形成するとなると、単結晶の大きなダイヤモンドが
必要であり、現実には高価で得難いものである。仮に、
そのようなダイヤモンドが得られたにしても、刃先の方
向(単結晶の方向)を切断に適した結晶面に合わせる加
工を施すことは極めて困難であるばかりでなく、回転刃
とスペーサとが高価で且つ磨耗し難い材料である割に
は、回転軸及び軸受け部材が回転刃とスペーサに比べて
磨耗しやすい材料で形成されているので、スクライバー
としては高価でありながらやはり長期に使用し得ないと
いう問題点を有している。
のスクライバーは、回転刃の両側を一対のスペーサで挟
む構成であって、その回転刃とスペーサとをダイヤモン
ドで形成したもので、回転刃とスペーサとをダイヤモン
ドで形成するとなると、単結晶の大きなダイヤモンドが
必要であり、現実には高価で得難いものである。仮に、
そのようなダイヤモンドが得られたにしても、刃先の方
向(単結晶の方向)を切断に適した結晶面に合わせる加
工を施すことは極めて困難であるばかりでなく、回転刃
とスペーサとが高価で且つ磨耗し難い材料である割に
は、回転軸及び軸受け部材が回転刃とスペーサに比べて
磨耗しやすい材料で形成されているので、スクライバー
としては高価でありながらやはり長期に使用し得ないと
いう問題点を有している。
【0004】また、前記の焼結ダイヤモンド(PC
D)で回転刃を形成した場合には、前記のスクライバ
ーよりは安価である。
D)で回転刃を形成した場合には、前記のスクライバ
ーよりは安価である。
【0005】しかしながら、高精度に加工した回転刃に
おいて、その中心部に軸孔が設けられており、その軸孔
に回転軸が取り付けられるものであるが、軸孔側は何の
工夫も施されていないために、回転軸との間で比較的大
きな摩擦が生じやすい状態になっており、その摩擦によ
って回転軸及び軸孔が磨り減り、回転刃にガタツキが生
ずるようになり、液晶ガラス基板などの精密切断工程に
おいて回転刃の回転がスムーズ性を欠いて支障を来すこ
とになる。
おいて、その中心部に軸孔が設けられており、その軸孔
に回転軸が取り付けられるものであるが、軸孔側は何の
工夫も施されていないために、回転軸との間で比較的大
きな摩擦が生じやすい状態になっており、その摩擦によ
って回転軸及び軸孔が磨り減り、回転刃にガタツキが生
ずるようになり、液晶ガラス基板などの精密切断工程に
おいて回転刃の回転がスムーズ性を欠いて支障を来すこ
とになる。
【0006】そこで、比較的加工性が良好で安価に提供
できる超硬部材を使用したスクライバーが、本願発明と
同一出願人に係る先願発明の特願平8−229747号
の明細書に記載されている。この先願発明においては、
通常使用されている硬質の超硬カッターにおける回転刃
の表面にダイヤモンド状カーボンを被覆すると共に、支
持軸の表面にもダイヤモンド状カーボンを被覆したもの
であって、そのように構成することで比較的安価に提供
できると共に、焼結ダイヤモンドには及ばないものの、
通常の超硬カッターに比べれば比較的長寿命であるが、
それでも使用における交換頻度に問題点を有するもので
ある。
できる超硬部材を使用したスクライバーが、本願発明と
同一出願人に係る先願発明の特願平8−229747号
の明細書に記載されている。この先願発明においては、
通常使用されている硬質の超硬カッターにおける回転刃
の表面にダイヤモンド状カーボンを被覆すると共に、支
持軸の表面にもダイヤモンド状カーボンを被覆したもの
であって、そのように構成することで比較的安価に提供
できると共に、焼結ダイヤモンドには及ばないものの、
通常の超硬カッターに比べれば比較的長寿命であるが、
それでも使用における交換頻度に問題点を有するもので
ある。
【0007】従って、従来例のスクライバーにおいては
高価過ぎる割には使用寿命がそれに見合っていないこ
と、及び前記先願発明においては、製造単価に比べれば
それなりの使用寿命を有しているが、交換頻度等の作業
性の問題を考慮すると、高価であってもそれに見合った
長寿命にすることに解決しなければならない課題を有し
ている。
高価過ぎる割には使用寿命がそれに見合っていないこ
と、及び前記先願発明においては、製造単価に比べれば
それなりの使用寿命を有しているが、交換頻度等の作業
性の問題を考慮すると、高価であってもそれに見合った
長寿命にすることに解決しなければならない課題を有し
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記従来例の課題を解決
する具体的手段として本発明は、算盤玉状のスクライブ
カッターと、該スクライブカッターの中心孔に回転可能
に挿通する回転軸と、該回転軸の軸受け部とを含むホル
ダーとから構成されるスクライバーであって、前記スク
ライブカッターは、焼結ダイヤモンドで形成されてお
り、中心孔の内周面がダイヤモンド状カーボンで被覆さ
れていることを特徴とするスクライバーを提供するもの
である。
する具体的手段として本発明は、算盤玉状のスクライブ
カッターと、該スクライブカッターの中心孔に回転可能
に挿通する回転軸と、該回転軸の軸受け部とを含むホル
ダーとから構成されるスクライバーであって、前記スク
ライブカッターは、焼結ダイヤモンドで形成されてお
り、中心孔の内周面がダイヤモンド状カーボンで被覆さ
れていることを特徴とするスクライバーを提供するもの
である。
【0009】また、本発明においては、回転軸は、その
表面がダイヤモンド状カーボンで被覆されていること、
回転軸は、焼結ダイヤモンドまたは超硬部材で形成され
ていること、スクライブカッターとホルダー側の軸受け
部との摺動面にダイヤモンド状カーボンが被覆されてい
ること、スクライブカッターの刃部を含む全面にダイヤ
モンド状カーボンが被覆されていること、及び被覆され
たダイヤモンド状カーボンの厚さは、3μm以下である
こと、を付加的な構成要件として含むものである。
表面がダイヤモンド状カーボンで被覆されていること、
回転軸は、焼結ダイヤモンドまたは超硬部材で形成され
ていること、スクライブカッターとホルダー側の軸受け
部との摺動面にダイヤモンド状カーボンが被覆されてい
ること、スクライブカッターの刃部を含む全面にダイヤ
モンド状カーボンが被覆されていること、及び被覆され
たダイヤモンド状カーボンの厚さは、3μm以下である
こと、を付加的な構成要件として含むものである。
【0010】本発明に係るスクライバーは、回転刃、即
ちスクライブカッターの中心孔の内周面をダイヤモンド
状カーボンで被覆することで、中心孔が滑面となって回
転軸との間での摩擦が軽減され、摩擦による擦り減りが
ほとんど生じなくなるので、スクライブカッターの回転
が常に速やかになって、著しく長寿命なものとなり、使
用における交換頻度が数倍激減するものとなるのであ
る。
ちスクライブカッターの中心孔の内周面をダイヤモンド
状カーボンで被覆することで、中心孔が滑面となって回
転軸との間での摩擦が軽減され、摩擦による擦り減りが
ほとんど生じなくなるので、スクライブカッターの回転
が常に速やかになって、著しく長寿命なものとなり、使
用における交換頻度が数倍激減するものとなるのであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明を図示の実施の形態
により更に詳しく説明する。まず、図1〜4に示した実
施の形態であるスクライバーは、その先端側のホルダー
部1をフォーク状に形成して軸受け部2とし、該軸受け
部2で形成される空間2aに、算盤玉形状を呈するスク
ライブカッター3が回転軸4を介して回転自在に取り付
けられた構成のものである。
により更に詳しく説明する。まず、図1〜4に示した実
施の形態であるスクライバーは、その先端側のホルダー
部1をフォーク状に形成して軸受け部2とし、該軸受け
部2で形成される空間2aに、算盤玉形状を呈するスク
ライブカッター3が回転軸4を介して回転自在に取り付
けられた構成のものである。
【0012】スクライブカッター3は、その本体部分が
焼結ダイヤモンド(PCD)で形成され、その中心部に
前記回転軸4が挿通される中心孔5が設けられており、
図2及び図3に示したように、その外周面全部と中心孔
5の内周部とにダイヤモンド状カーボン(DLC)が薄
膜状の被覆層6、7として一体に被覆形成されたもので
ある。
焼結ダイヤモンド(PCD)で形成され、その中心部に
前記回転軸4が挿通される中心孔5が設けられており、
図2及び図3に示したように、その外周面全部と中心孔
5の内周部とにダイヤモンド状カーボン(DLC)が薄
膜状の被覆層6、7として一体に被覆形成されたもので
ある。
【0013】また、スクライブカッター3が回転自在に
支持される回転軸4は、超硬部材又は焼結ダイヤモンド
(好ましくは焼結ダイヤモンド)で形成され、その外周
面にも前記同様のダイヤモンド状カーボン(DLC)が
薄膜状の被覆層8として一体に被覆形成されたものであ
る。
支持される回転軸4は、超硬部材又は焼結ダイヤモンド
(好ましくは焼結ダイヤモンド)で形成され、その外周
面にも前記同様のダイヤモンド状カーボン(DLC)が
薄膜状の被覆層8として一体に被覆形成されたものであ
る。
【0014】特に、焼結ダイヤモンド(PCD)は、コ
バルト(Co)等の金属を含有し導電性のあるもので、
後述するDLCコーティングの密着性が良好なものであ
る。
バルト(Co)等の金属を含有し導電性のあるもので、
後述するDLCコーティングの密着性が良好なものであ
る。
【0015】更に、ホルダー部1の軸受け部2は金属、
好ましくは超硬部材で形成され、図4に示したように、
軸受け部2の内側で、少なくともスクライブカッター3
の側面が接触する部位に、前記同様のダイヤモンド状カ
ーボン(DLC)が薄膜状の被覆層9として一体に被覆
形成されたものである。なお、符号10は、回転軸4が
取り付けられる孔である。
好ましくは超硬部材で形成され、図4に示したように、
軸受け部2の内側で、少なくともスクライブカッター3
の側面が接触する部位に、前記同様のダイヤモンド状カ
ーボン(DLC)が薄膜状の被覆層9として一体に被覆
形成されたものである。なお、符号10は、回転軸4が
取り付けられる孔である。
【0016】超硬部材の一例としては、例えば、超硬合
金(WC−Coを含む合金)、合金工具(SKH、SK
D、ハイス等)と同質材料、ステンレス鋼、アルミ合金
(6063等)、アルミナ、セラミックス等から選択さ
れるものである。
金(WC−Coを含む合金)、合金工具(SKH、SK
D、ハイス等)と同質材料、ステンレス鋼、アルミ合金
(6063等)、アルミナ、セラミックス等から選択さ
れるものである。
【0017】前記ダイヤモンド状カーボンの被覆手段と
しては、図5に示したように、DLCコーティング装置
11(例えば、ナノテック株式会社製、NANOKOA
T400)が使用できる。
しては、図5に示したように、DLCコーティング装置
11(例えば、ナノテック株式会社製、NANOKOA
T400)が使用できる。
【0018】このDLCコーティング装置11の構造
は、真空槽12と、該真空槽12内にコーテイングしよ
うとするスクライブカッター3を回転自在にセット(ホ
ルダー部1または回転軸4の場合は、吊垂状態で揺動出
来るようにセット)する導線性治具12aと、該導線性
治具12aを支持する陰極側の電極13と、陽極側の電
極14と、加熱用ヒーター15と、炭化水素ガスを真空
槽12内に導入するガス導入鋼6と、前記電極13、1
4及び加熱用ヒーター15に電気的に接続された電源部
17と、該電源部17に電気的に接続されプラズマを均
一にするための補助電極18とから構成されている。
は、真空槽12と、該真空槽12内にコーテイングしよ
うとするスクライブカッター3を回転自在にセット(ホ
ルダー部1または回転軸4の場合は、吊垂状態で揺動出
来るようにセット)する導線性治具12aと、該導線性
治具12aを支持する陰極側の電極13と、陽極側の電
極14と、加熱用ヒーター15と、炭化水素ガスを真空
槽12内に導入するガス導入鋼6と、前記電極13、1
4及び加熱用ヒーター15に電気的に接続された電源部
17と、該電源部17に電気的に接続されプラズマを均
一にするための補助電極18とから構成されている。
【0019】そして、このDLCコーティング装置11
を使用するには、前記導電性治具12aの両端部で立設
され対向配置された一対の支持部材に回動自在に横架さ
れた回転支持軸12bに、コーティング対象のスクライ
ブカッター3を所定間隔をもって複数個嵌装させた状態
で収容する。
を使用するには、前記導電性治具12aの両端部で立設
され対向配置された一対の支持部材に回動自在に横架さ
れた回転支持軸12bに、コーティング対象のスクライ
ブカッター3を所定間隔をもって複数個嵌装させた状態
で収容する。
【0020】次に、DLCコーティング装置11の接続
管19に、外部の真空装置(図示せず)の連結管を接続
し、該真空装置を作動させて真空槽12の内部を約10
-6Torr(トール)程度の真空度にする。
管19に、外部の真空装置(図示せず)の連結管を接続
し、該真空装置を作動させて真空槽12の内部を約10
-6Torr(トール)程度の真空度にする。
【0021】その状態を維持して、前記ガス導入口16
から真空槽12内にアセチレンまたはベンゼンガス等の
炭化水素ガスを導入し、前記加熱用ヒーター15で前記
炭化水素ガスを加熱させる。更に、前記電源部17で前
記電極13、14及び補助電極18に所定の電圧を印加
する。
から真空槽12内にアセチレンまたはベンゼンガス等の
炭化水素ガスを導入し、前記加熱用ヒーター15で前記
炭化水素ガスを加熱させる。更に、前記電源部17で前
記電極13、14及び補助電極18に所定の電圧を印加
する。
【0022】このようにすることで、炭化水素ガスがプ
ラズマ状態になり、プラズマ状態の炭化水素を前記導電
性治具12aに嵌装させたスクライブカッター3の表面
に析出または蒸着させてDLCの被覆層6(7、8、
9)を形成する。尚、中心孔5に被覆層7を形成するに
は、回転支持軸12bの外径を小径とし、中心孔5との
間に相当な空間を形成するか、または、回転支持軸12
bの形状を三角柱もしくは楕円柱などに形成し、中心孔
5との間に相当な空間を形成することで可能となる。ま
た、回転軸4及び軸受け部2の被覆層8、9を形成する
には、吊垂状態にするかまたは網状のトレー等を用いれ
ば可能となる。特に、スクライブカッター3は、蒸着中
において、回転支持軸12bにより回転(ホルダー部1
または回転軸4の場合は揺動)されているので、DLC
の被覆層6(7、8、9)が均一に形成される。
ラズマ状態になり、プラズマ状態の炭化水素を前記導電
性治具12aに嵌装させたスクライブカッター3の表面
に析出または蒸着させてDLCの被覆層6(7、8、
9)を形成する。尚、中心孔5に被覆層7を形成するに
は、回転支持軸12bの外径を小径とし、中心孔5との
間に相当な空間を形成するか、または、回転支持軸12
bの形状を三角柱もしくは楕円柱などに形成し、中心孔
5との間に相当な空間を形成することで可能となる。ま
た、回転軸4及び軸受け部2の被覆層8、9を形成する
には、吊垂状態にするかまたは網状のトレー等を用いれ
ば可能となる。特に、スクライブカッター3は、蒸着中
において、回転支持軸12bにより回転(ホルダー部1
または回転軸4の場合は揺動)されているので、DLC
の被覆層6(7、8、9)が均一に形成される。
【0023】この場合に、形成されるDLCの被覆層
(6、7、8、9)の厚さは、蒸着時間の調整により制
御できるものであり、例えば、約1〜3μmの厚さ範囲
が選択され、2μmの厚さが適当である。
(6、7、8、9)の厚さは、蒸着時間の調整により制
御できるものであり、例えば、約1〜3μmの厚さ範囲
が選択され、2μmの厚さが適当である。
【0024】このようにして形成された被覆層につい
て、表面荒さと密着度について調べた結果、実際の表面
荒さが▽▽▽▽以上であって、緻密で強固なDLCの被
覆層が形成されていることが確認された。
て、表面荒さと密着度について調べた結果、実際の表面
荒さが▽▽▽▽以上であって、緻密で強固なDLCの被
覆層が形成されていることが確認された。
【0025】また、形成された緻密で強固なDLCの被
覆層は、トライボロジー面でも顕著に優れており、摩擦
係数は0.05であって通常金属に比べて1/10、即
ち一桁低く、超硬部材に比べても1/5程度と低く、滑
面に形成されて且つ滑性が著しく優れたものとなってい
る。
覆層は、トライボロジー面でも顕著に優れており、摩擦
係数は0.05であって通常金属に比べて1/10、即
ち一桁低く、超硬部材に比べても1/5程度と低く、滑
面に形成されて且つ滑性が著しく優れたものとなってい
る。
【0026】このように回転するスクライブカッター3
と、該回転によって摩擦が生ずる部位に、DLCの被覆
層(6、7、8、9)を形成した本発明に係るスクライ
バー(DLCコートPCDカッターという)と、前記従
来例のPCDカッター及び超硬カッターと、前記先願発
明の超硬カッター+DLC膜とをそれぞれ自動スクライ
ブ機に装備し、液晶用基板ガラスである無アルカリガラ
ス(日本電気硝子社製、OA−2、厚さ1.1mm)に
対して同一条件で切断試験を行った。その結果は、図6
に示したグラフの通りである。
と、該回転によって摩擦が生ずる部位に、DLCの被覆
層(6、7、8、9)を形成した本発明に係るスクライ
バー(DLCコートPCDカッターという)と、前記従
来例のPCDカッター及び超硬カッターと、前記先願発
明の超硬カッター+DLC膜とをそれぞれ自動スクライ
ブ機に装備し、液晶用基板ガラスである無アルカリガラ
ス(日本電気硝子社製、OA−2、厚さ1.1mm)に
対して同一条件で切断試験を行った。その結果は、図6
に示したグラフの通りである。
【0027】図6のグラフから明らかなように、超硬カ
ッターに対して、DLC膜を施したものはその寿命が5
0倍であるが、従来技術のPCDカッターは、更に2倍
の寿命がある。しかしながら、本発明においては、従来
のPCDカッターと単価的にはそれ程変わりがないが、
使用寿命は4倍であり、先願発明の8倍の寿命があるこ
とが確認されたのであり、使用における交換頻度もそれ
に見合って1/4及び1/8と激減している。
ッターに対して、DLC膜を施したものはその寿命が5
0倍であるが、従来技術のPCDカッターは、更に2倍
の寿命がある。しかしながら、本発明においては、従来
のPCDカッターと単価的にはそれ程変わりがないが、
使用寿命は4倍であり、先願発明の8倍の寿命があるこ
とが確認されたのであり、使用における交換頻度もそれ
に見合って1/4及び1/8と激減している。
【0028】その理由は、スクライブカッター3が焼結
ダイヤモンド(PCD)で形成され、更にダイヤモンド
状カーボン(DLC)で被覆されていることで、刃部の
磨耗が少ないこと、及びスクライブカッター3の中心孔
5と回転軸4との摩擦が激減し、両者間の磨り減りが減
少したことから、ガタツキも生じないで飛躍的に長寿命
になったものと認められる。
ダイヤモンド(PCD)で形成され、更にダイヤモンド
状カーボン(DLC)で被覆されていることで、刃部の
磨耗が少ないこと、及びスクライブカッター3の中心孔
5と回転軸4との摩擦が激減し、両者間の磨り減りが減
少したことから、ガタツキも生じないで飛躍的に長寿命
になったものと認められる。
【0029】いづれにしても、スクライブカッター自体
の性能を向上させることは勿論であるが、そのスクライ
ブカッターと接触し且つ摩擦が生ずる部位において、摩
擦係数の低下を図ると共に耐磨耗性を向上させるべく、
本発明においては、スクライブカッターの基材として焼
結ダイヤモンドを選択すると共に、特に、中心孔の内周
面にダイヤモンド状カーボン(DLC)の硬質皮膜を一
体に形成したものであり、そのDLCの被覆層によっ
て、各構成部分の摩擦による磨り減りが減少し、著しく
長寿命化が図れるのである。
の性能を向上させることは勿論であるが、そのスクライ
ブカッターと接触し且つ摩擦が生ずる部位において、摩
擦係数の低下を図ると共に耐磨耗性を向上させるべく、
本発明においては、スクライブカッターの基材として焼
結ダイヤモンドを選択すると共に、特に、中心孔の内周
面にダイヤモンド状カーボン(DLC)の硬質皮膜を一
体に形成したものであり、そのDLCの被覆層によっ
て、各構成部分の摩擦による磨り減りが減少し、著しく
長寿命化が図れるのである。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るスクラ
イバーは、算盤玉状のスクライブカッターと、該スクラ
イブカッターの中心孔に回転可能に挿通する回転軸と、
該回転軸の軸受け部とを含むホルダーとから構成される
スクライバーであって、前記スクライブカッターは、焼
結ダイヤモンドで形成されており、中心孔の内周面がダ
イヤモンド状カーボンで被覆されている構成としたの
で、特に、従来例において擦り減りが目立った回転軸と
の摩擦が著しく軽減され、それによってスクライバーと
しての長寿命化が図れるという優れた効果を奏する。
イバーは、算盤玉状のスクライブカッターと、該スクラ
イブカッターの中心孔に回転可能に挿通する回転軸と、
該回転軸の軸受け部とを含むホルダーとから構成される
スクライバーであって、前記スクライブカッターは、焼
結ダイヤモンドで形成されており、中心孔の内周面がダ
イヤモンド状カーボンで被覆されている構成としたの
で、特に、従来例において擦り減りが目立った回転軸と
の摩擦が著しく軽減され、それによってスクライバーと
しての長寿命化が図れるという優れた効果を奏する。
【0031】更に、スクライブカッターの外周面、回転
軸の表面、及びホルダーにおける軸受け部の内側面をダ
イヤモンド状カーボンで被覆することにより、各構成部
分における相互の摩擦が著しく軽減されることになり、
スクライバーとして飛躍的な長寿命化が図れるという優
れた効果を奏する。
軸の表面、及びホルダーにおける軸受け部の内側面をダ
イヤモンド状カーボンで被覆することにより、各構成部
分における相互の摩擦が著しく軽減されることになり、
スクライバーとして飛躍的な長寿命化が図れるという優
れた効果を奏する。
【図1】本発明の実施の形態に係るスクライバーの要部
を示す正面図である。
を示す正面図である。
【図2】同スクライバーに使用されるスクライブカッタ
ーの側面図である。
ーの側面図である。
【図3】同スクライバーに使用されるスクライブカッタ
ーの一部を断面で示し且つ回転軸とを分解して示した斜
視図である。
ーの一部を断面で示し且つ回転軸とを分解して示した斜
視図である。
【図4】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図5】同スクライバーに使用されるスクライブカッタ
ーをDLCコーティング装置でDLCの被覆層を形成さ
せる状況を示す概略説明図である。
ーをDLCコーティング装置でDLCの被覆層を形成さ
せる状況を示す概略説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るスクライバーと、先
願発明及び従来例のカッターとの切断試験結果を示す寿
命の比較図である。
願発明及び従来例のカッターとの切断試験結果を示す寿
命の比較図である。
1……ホルダー、 2……軸受け部、 2a……空間
部、3……スクライブカッター、 4……回転軸、 5
……中心孔、6、7、8、9……DLCの被覆層、 1
0……回転軸が取り付けられる孔、11……DLCコー
ティング装置、 12……真空槽、12a……導電性治
具、 12b……回転支持軸、 13、14……電極、
15……加熱用ヒーター、 16……ガス導入口、 1
7……電源部、18……補助電極、 19……接続管。
部、3……スクライブカッター、 4……回転軸、 5
……中心孔、6、7、8、9……DLCの被覆層、 1
0……回転軸が取り付けられる孔、11……DLCコー
ティング装置、 12……真空槽、12a……導電性治
具、 12b……回転支持軸、 13、14……電極、
15……加熱用ヒーター、 16……ガス導入口、 1
7……電源部、18……補助電極、 19……接続管。
Claims (6)
- 【請求項1】 算盤玉状のスクライブカッターと、該ス
クライブカッターの中心孔に回転可能に挿通する回転軸
と、該回転軸の軸受け部とを含むホルダーとから構成さ
れるスクライバーであって、 前記スクライブカッターは、焼結ダイヤモンドで形成さ
れており、中心孔の内周面がダイヤモンド状カーボンで
被覆されていることを特徴とするスクライバー。 - 【請求項2】 回転軸は、その表面がダイヤモンド状カ
ーボンで被覆されている請求項1に記載のスクライバ
ー。 - 【請求項3】 回転軸は、焼結ダイヤモンドまたは超硬
部材で形成されている請求項1または2に記載のスクラ
イバー。 - 【請求項4】 スクライブカッターとホルダー側の軸受
け部との摺動面にダイヤモンド状カーボンが被覆されて
いる請求項1、2または3に記載のスクライバー。 - 【請求項5】 スクライブカッターの刃部を含む全面に
ダイヤモンド状カーボンが被覆されている請求項1、
2、3または4に記載のスクライバー。 - 【請求項6】 被覆されたダイヤモンド状カーボンの厚
さは、3μm以下である請求項1、2、3、4または5
に記載のスクライバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9342593A JPH11171574A (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | スクライバー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9342593A JPH11171574A (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | スクライバー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11171574A true JPH11171574A (ja) | 1999-06-29 |
Family
ID=18354976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9342593A Withdrawn JPH11171574A (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | スクライバー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11171574A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003099987A (ja) * | 2001-09-25 | 2003-04-04 | Ricoh Co Ltd | 原盤露光装置 |
JP2007242643A (ja) * | 2006-02-13 | 2007-09-20 | Disco Abrasive Syst Ltd | パッケージ基板の分割方法および分割装置 |
JP2009506348A (ja) * | 2005-04-22 | 2009-02-12 | イルシン テック カンパニー リミテッド | 携帯用光ファイバー処理装置 |
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JP2014012636A (ja) * | 2005-12-01 | 2014-01-23 | Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd | チップホルダ |
JP2014117848A (ja) * | 2012-12-14 | 2014-06-30 | Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd | スクライビングホイール用ピン、ホルダーユニット、スクライブ装置及びスクライビングホイール用ピンの製造方法 |
KR101412070B1 (ko) * | 2013-12-05 | 2014-07-01 | 송길용 | 스크라이버 고정핀에 다이아몬드 라이크 카본 박막을 증착하기 위한 방법 및 장치와 이를 이용한 스크라이버 고정핀 |
CN104002389A (zh) * | 2013-02-27 | 2014-08-27 | 三星钻石工业股份有限公司 | 刻划轮、保持具单元、刻划装置及刻划轮的制造方法 |
JP2015058692A (ja) * | 2013-09-20 | 2015-03-30 | 三星ダイヤモンド工業株式会社 | スクライビングホイール用ピン、ホルダユニット及びスクライブ装置 |
JP2021037627A (ja) * | 2019-08-30 | 2021-03-11 | 三星ダイヤモンド工業株式会社 | スクライビングホイールセット、ホルダユニット、スクライビングホイールのピン、および、スクライビングホイール |
-
1997
- 1997-12-12 JP JP9342593A patent/JPH11171574A/ja not_active Withdrawn
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2014015390A (ja) * | 2005-12-01 | 2014-01-30 | Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd | チップホルダ、ホルダジョイント、チップホルダ取付構造体及びスクライブ方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041116 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070314 |