JPH11169879A - 有機排水処理装置及び方法 - Google Patents

有機排水処理装置及び方法

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Publication number
JPH11169879A
JPH11169879A JP34334597A JP34334597A JPH11169879A JP H11169879 A JPH11169879 A JP H11169879A JP 34334597 A JP34334597 A JP 34334597A JP 34334597 A JP34334597 A JP 34334597A JP H11169879 A JPH11169879 A JP H11169879A
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JP
Japan
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wastewater
organic wastewater
water
packed bed
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Application number
JP34334597A
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English (en)
Inventor
Haruhiko Suzuki
晴彦 鈴木
Atsushi Yamada
淳 山田
Koichi Inoue
高一 井上
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機排水を効果的に処理する。 【解決手段】 一次処理水は、第2処理槽30に導入さ
れる。この第2処理槽30は充填層34と発泡ガラス層
36の積層構造からなっている。この発泡ガラス層36
には空気が供給される。これによって、充填層34は好
気的状態に保たれ、ここで、第1処理層10の透過処理
水に対し、良好な好気性微生物処理が行われる。そし
て、第2処理槽30は、モータ64によって上下を反転
できるようになっている。そこで、適当な頻度で、第2
処理槽30を反転し、かつ上から水を供給して内部を洗
浄することで通気性、通水性を回復でき、その後良好な
処理を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性の排水を処
理する有機排水処理装置及び方法、特に微生物担体を充
填した充填層を利用したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機性の排水の処理には、好
気性の微生物を利用した処理が広く採用されている。例
えば、下水処理場などでは活性汚泥法が通常採用され、
また合併型の浄化槽では活性汚泥法や浸漬濾床法が採用
されている。
【0003】ここで、家庭などから排出される生ゴミに
ついては、これを分別回収し、ゴミ焼却場で焼却処分し
ている。しかし、このような従来型の処分方法では、生
ゴミの搬送・収集・処理にかかわる労力や負担が大き
く、また焼却処理は資源の有効利用や地球環境保護等の
観点から好ましいものといえない。一方、生ゴミを粉砕
するディスポーザが従来から知られており、このディス
ポーザを利用することによって、生ゴミを排水と一緒に
輸送できる。従って、利用者においては生ゴミを回収す
る必要がなくなり非常に便利である。しかし、このディ
スポーザを利用すると、排水中の固形物や有機物濃度が
非常に高くなり、下水管が詰まりやすくなったり浄化槽
や下水処理施設に対する負荷が大きくなりすぎるといっ
た問題がある。
【0004】また、このディスポーザを用い粉砕された
生ゴミを含む排水を家庭あるいは集合住宅において処理
する装置が提案されている。この装置によれば、各家庭
においてはディスポーザを使用でき、また下水道等に対
する悪影響もない。
【0005】例えば、特開平9−1117号公報には、
このようなディスポーザにより粉砕された生ゴミを含む
生ゴミ含有排水の処理装置が示されている。この装置で
は、生ゴミ含有排水を固形物処理部に流入し、ここで固
形物を分解除去処理する。そして、この固形物処理部で
得られた一次処理水は、排水処理槽に導入され、ここで
曝気処理される。このようにして、ディスポーザにより
粉砕された生ゴミを含有する排水について、固形物の除
去及び好気性の生物処理を行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、この装置で
は、排水処理槽において、排水を曝気処理し、得られた
曝気処理液を処理水として排出している。従って、基本
的には活性汚泥法と同様の処理を行っている。しかし、
この公報に記載の排水処理槽は、曝気処理液中の固形物
を沈殿するのに十分な大きさの沈殿槽を設けておらず、
曝気処理液の浮遊固形物濃度(MLSS)が高くなった
場合には、十分な処理が行えない。
【0007】本発明は、上記問題点を解決することを課
題としてなされたものであり、ディスポーザからの生ゴ
ミ含有排水の一次処理水などの有機排水を効果的に処理
できる有機排水処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機性の排水
を処理する有機排水処理装置であって、供給される排水
を微生物処理する、微生物担体が充填された充填層と、
前記充填層を内蔵する容器と、この容器内の前記充填層
内における排水の流通方向を反転させる流通方向反転手
段と、を有することを特徴とする。
【0009】有機排水は充填層に供給され、ここで充填
材と接触される。充填層において、充填材に好気性微生
物が付着繁殖し、この好気性微生物によって、有機排水
中の有機物が酸化除去される。そして、本発明によれ
ば、排水の流通方向を反転することができる。従って、
排水の一方向の流通により充填層に詰まった微生物の死
骸などからなる汚泥を反対方向の流れにより排除するこ
とができる。従って、長期間の処理の継続が可能にな
る。
【0010】また、本発明は、前記流通方向反転手段
は、前記容器の上下を逆転させることにより排水の流通
方向を反転させることを特徴とする。容器の上下を逆転
することによって、充填層に対する排水の流通方向を反
転することができる。例えば、常に下降流として充填層
に排水を流通しつつ、充填層内に対する排水の流通方向
を反転することができる。流通方向反転手段としては、
容器の中間部分を回転可能に支持しておき、ここを支点
として回転する構成をとることができる。また、流通方
向反転手段としては容器を支持部材に対し、着脱自在に
支持しておき、容器を一旦取り外して、上下を逆転する
構成を採用してもよい。
【0011】また、本発明は、前記容器は、排水流通方
向についてその中間部を境にしてほぼ対称に形成されて
いることを特徴とする。対称に形成したことで、排水に
流通方向を反転しても同様の処理が行える。
【0012】また、本発明は、さらに、前記充填層に洗
浄水を導入し、充填層を洗浄する洗浄手段を有すること
を特徴とする。このように、充填層を洗浄することによ
って、目詰まりの発生を解消して、充填層の通水性、通
気性を回復して、良好な処理を継続することができる。
【0013】また、本発明は、有機性の排水を処理する
有機排水処理装置であって、微生物担体が充填され、供
給される排水を濾過処理すると共に、微生物処理する充
填層と、この充填層に洗浄水を導入し、充填層を洗浄す
る洗浄手段と、を有することを特徴とする。なお、充填
層には、主に好気性微生物を繁殖させることが好まし
い。
【0014】また、前記充填層を容器内に収容すると共
に、この容器の上下を反転させる反転機構を有し、通常
時は排水を上方から下方に向けて流通して処理水を下方
に排出すると共に、上記洗浄手段による洗浄時には、容
器の上下を反転させ、処理水排出側を上にして、上から
洗浄用の水を導入して充填層を洗浄することを特徴とす
る。
【0015】このように、容器を上下反転することで、
流入側を下にして、洗浄ができ、効果的な内部の洗浄が
行える。また、洗浄後そのまま処理を行うことで、流入
側を定期的に反転でき、より効果的な処理が行える。
【0016】また、上記充填層を介し排出される排水を
流通する補助層と、上記充填層に空気または酸素ガスを
拡散するガス供給部材と、を有し、補助層を介し処理水
を排出することを特徴とする。
【0017】このように、充填層に空気を供給すること
により、ここが確実に好気的状態に維持される。特に、
排水を充填層に流通させる形式であり、かつ内部に空気
を供給するため、十分な酸素が供給され、好気性微生物
による好適な有機物の酸化分解が図られる。
【0018】さらに、処理水は補助層から排出されるた
め、充填層からの処理水を外部にスムーズに排出するこ
とができる。すなわち、充填層の保水性(通水性が比較
的悪い)が高い場合には、ここから外部には処理水が排
出されにくく、充填層からの処理水が排出できず、腐敗
目詰まりが発生しやすい。ところが、補助層には、充填
層より通水性のよいものを利用できる。これによって、
充填層と外部の中間の雰囲気を提供する補助層を設ける
ことができ、充填層からの処理水の排出をスムーズにで
きる。特に、補助層を上記充填層の下方に隣接して設け
ることにより、充填層からの処理水の排出をスムーズな
ものにできる。
【0019】また、上記充填層と、上記補助層を交互に
複数積層した多段構成を有していることを特徴とする。
複数段設けることによって、被処理水の短絡を防止する
ことができ、また処理水の下方への移動もスムーズなも
のにできる。
【0020】また、上記充填層の微生物担体は、木質チ
ップであることを特徴とする。木質チップは、安価でか
つ多孔質で吸水性がある。従って、微生物の担体として
好適である。従って、充填層にこの木質チップを充填す
ることで、ここに有機物を酸化分解する好気性の微生物
を十分に保持し、好適な有機物の分解を達成することが
できる。
【0021】ここで、上記充填層の微生物担体は、その
粒径が2〜5mmからなることが好ましい。木質チップ
などの微生物担体の粒径を大きくすると、排水性がよく
なり、目詰まりが生じにくくなる。しかし、あまり大き
くすると、処理効果が落ちるため、この程度の粒径が好
ましい。これによって、処理水の性状を十分なものに維
持しつつ、長期間の継続的処理が達成可能になる。
【0022】また、上記補助層は、二層構造になってお
り、この補助層の充填層に近い方の層より遠い方の層の
通水性がよいもので構成されていることが好ましい。こ
のように、補助層を多層とすることで、雰囲気の変化を
さらに、徐々に変化するものとでき、よりスムーズな透
過処理液の排出が達成できる。
【0023】また、上記補助層が1つの場合はその補助
層、複数の場合はそのうちの最も後段の処理水排出側の
補助層は、少なくとも二層構造になっており、この補助
層の充填層に近い方の層より遠い方の層の通水性がよい
もので構成されていることが好ましい。このような構成
により、処理水の排出を効果的に行うことができる。
【0024】また、上記補助層の充填層に近い方の層よ
り遠い方の層の空隙率を大きくすることで、遠い方の層
の通水性をよくすることが好適である。空隙率により、
通水性を容易に設定することができる。
【0025】また、上記補助層のうち最下層の補助層
は、充填層に近い方から遠い方にかけて、空隙率が次第
に大きくなる構造を有していることが好ましい。このよ
うに、一層で空隙率を徐々に変更することによっても、
同様に透過処理液の排出をスムーズなものにできる。
【0026】また、上記補助層の充填層から遠い方の層
は多数の繊維を絡み合わせて構成した繊維状構成物から
構成されることが好ましい。繊維状構成物は、空隙率が
高く通水性がよい。従って、補助層内部を徐々に通水性
がよくなる構成にでき、処理液の排出が非常にスムーズ
なものになる。この場合は、充填層に近い層を粒状物で
構成し、遠い方(処理水排出側)の層を繊維状構成物と
することが好適である。さらに、粒状物としては、発泡
ガラスが適している。また、最も後段の補助層以外の補
助層においては、上層、中間層、下層の3層構造とする
ことも好適である。この場合、その補助層の中間層をそ
の両側に配置された上層及び下層より空隙率が高くなる
ように構成するとよい。
【0027】補助層の中間部分(中間層)がその両側部
分(上層及び下層)より空隙率の高い構成とすることも
好適である。
【0028】また、処理対象である有機性の排水は、デ
ィスポーザからの生ゴミを含有する排水を一次処理装置
において濾過処理及び好気性微生物処理して得た一次処
理水であることを特徴とする。ディスポーザは、家庭の
生ゴミを粉砕するものであり、この粉砕物からなる排水
は大量の有機物を含む。従って、これを処理する場合に
は、比較的大きな固形物を分離して処理した方が効率的
である。そこで、木質チップなどの濾過層によって比較
的大きなSS成分を一部の溶解性有機物とともに除去し
た一次処理水は、多くの有機物を含む有機排水である。
このような有機排水は、本発明の有機排水処理装置によ
り効果的に処理される。
【0029】さらに、処理対象である有機排水が、さら
に台所排水を含むことを特徴とする。台所排水を流入す
ることによって、台所排水を処理することができ、家庭
などから排出される排水の全体としての有機物排出量を
減少することができる。
【0030】また、本発明に係る有機排水処理方法は、
有機性の排水を処理する有機排水処理方法であって、微
生物担体が充填されて形成された充填層に排水を流通
し、排水を微生物処理するとともに、この充填層内にお
ける排水の流通方向を適宜反転させることを特徴とす
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0032】図1は、本発明の実施形態に係る固形有機
物含有排水処理装置の全体構成を示す図である。この実
施形態の装置では、固形有機物含有排水として生ごみ含
有排水を処理する。家庭の流し(シンク)の排水口には
ディスポーザが設けられており、生ゴミは、このディス
ポーザにより粉砕される。このディスポーザの使用中
は、水道水を流しておき、生ゴミの粉砕物は水中に分散
された状態で排水管を流れてくる。なお、各家庭の流し
の直下に本装置を設ける場合には、排水管は不要とな
る。そして、この生ゴミの粉砕物を含有する生ごみ含有
排水は、一次処理装置として機能する第1処理槽10に
流入される。なお、このような生ごみ含有排水と同様の
性状の排水であれば、本実施形態の装置で好適な処理が
可能である。
【0033】この第1処理槽10は、図1及び図2に示
されているように、下部がホッパ状で上方が解放された
矩形の容器12を有している。そして、この容器12の
内部に充填層14が形成されている。この充填層14
は、杉材のオガクズ等の木質チップを充填したものであ
り、その粒径は数mm程度(この実施形態では1.5m
m程度)のものが採用されている。なお、固形有機物を
ろ過でき、水分を保持することができ、有機物を分解す
る微生物が付着生育しやすいものであれば、多孔性のプ
ラスチックや多孔質のガラス材、メッシュ材等でもよ
い。また、木質チップや生物分解性のプラスチックなど
で、充填層14を形成することで、廃棄する場合にこれ
をコンポストとして利用することが可能になる。充填層
14は、例えば15cm程度の厚みとする。
【0034】この充填層14の下には、補助層(充填層
14を支持する支持層)として機能する発泡ガラス層1
6が設けられている。この発泡ガラス層16は、粒状の
発泡ガラスを充填して形成されている。ここで、粒状の
発泡ガラスの粒径は5mm程度であり、充填層14を形
成する木質チップに比べ粒径が大きく設定されている。
従って、この発泡ガラス層16の空隙率は、充填層14
に比べて大きい。なお、この粒状の発泡ガラスは、天然
ガラス系岩石を粉砕し、高温で焼成発泡されたもので、
植物の根腐れ防止、土壌改良資材として用いられている
ものなどが好適である。この発泡ガラス層16は、例え
ば10cm程度の厚さとする。
【0035】発泡ガラス層16の下には、同じく補助層
として機能する繊維状構成物層18が設けられている。
この繊維状構成物層18は、発泡ガラス層16よりもさ
らに粗く、空隙率が大きくなるものが採用されている。
繊維状構成物層18は、線径0.5mm程度の硬いプラ
スチック繊維を絡ませて形成したマット状のものが採用
されている。例えば、観賞魚の水槽内水のろ過材として
用いられるマット材のうち目の粗いものなどが好適であ
る。
【0036】この繊維状構成物層18の下方には、一次
処理液収集排出用の波板材20が設けられている。この
波板材20は、排水口22に向かって配置されており、
排水が下方に向かって流れやすくなっている。この繊維
状構成物層18は例えば2〜3cm程度の厚さとする。
この波板材20も補助層の一部と考えてもよい。
【0037】さらに、容器12の底部は、その長手方向
は一定の深さになっており、この底部に排水口22が設
けられている。なお、容器12の長手方向にも若干の傾
斜をつけ、最下部に排水口22を配置するようにしても
よい。
【0038】さらに、充填層14の表層部には、これを
すき返すすき返し装置24が設けられている。この実施
形態では、すき返し装置24としてパドル状のものを示
した。このすき返し装置24は回転してもよいし、往復
回動してもよい。また、すき返し装置24は、熊手状や
櫛形のものを表層に押しつけた状態で移動するものな
ど、表層部を固まらないようにすき返せるものであれば
どのようなものでもよい。
【0039】このような第1処理槽10に生ゴミ含有排
水が流入されると、固形分である生ゴミ粉砕物は、充填
層14によって濾過分離される。一方、液体分が充填層
14、発泡ガラス層16、及び繊維状構成物層18を透
過する。そして、繊維状構成物層18を透過してきた処
理液は、この波板材20の谷部を流れ中央部に至り、処
理液がこの排水口22を介し、その下方のリザーブタン
ク26に落下貯留される。
【0040】さらに、このリザーブタンク26には、空
気ポンプ28から圧縮空気が供給されるようになってお
り、内部に貯留されている第1処理槽10の一次処理液
は、ここで曝気処理される。これによって、リザーブタ
ンク26内において、腐敗することを防止できる。
【0041】ここで、充填層14の充填材は、木質チッ
プであり、吸水能力があり表面積の大きな多孔質材料で
ある。また、粒子間の空隙があるため、充填層14内は
好気的な状態に保持されている。また、充填層14にお
いて濾過分離された固形物や、液体分中の有機物によ
り、充填層14内には有機物が豊富にある。そこで、充
填材は微生物担体として機能し、充填層14内には、好
気性微生物が繁殖する。そこで、充填層14内に分離保
持された固形物(生ゴミの破砕物)や、充填材に接触し
た溶解性のBOD成分は、好気性微生物によって分解さ
れる。特に、木質チップは、微生物の担体として、非常
に好適であり、これを利用することによって、充填層1
4内に十分な量の微生物を保持することができ、このた
め十分な処理を行うことができる。
【0042】特に、本実施形態の第1処理槽10は、そ
の充填層14の下側に粒状発泡ガラスからなる発泡ガラ
ス層16を有している。この発泡ガラス層16の粒状発
泡ガラスは、充填層14の木質チップと同じく多孔質で
あるが、その粒径は木質チップより大きく設定されてい
る。このような充填層14と発泡ガラス層16を積層す
ると、両層間における雰囲気の相違が比較的小さい。そ
こで、充填層14内を重力で下降してきた液体分は、発
泡ガラス層16にスムーズに移動する。そこで、充填層
14の下部において、目詰まりが発生することを効果的
に防止することができる。特に、本実施形態の充填層1
4は、平面積が広く浅く形成されている。そこで、液体
分の下方への排出がスムーズに行われる。さらに、発泡
ガラス層16にも適量の微生物が保持されるため、十分
な通水性を維持しつつ、ここにおいて溶解性BODをさ
らに除去することができる。
【0043】例えば、充填層14を直接支持した場合に
は、木質チップの充填層14の次が大気となり、この界
面において水の表面張力などに起因して充填層14から
液体分が抜けにくくなり、充填層14の底部に水分の高
い領域が発生する。そして、このような領域では、嫌気
的な状態となり腐敗が生じ、目詰まりがさらに促進され
る。本実施形態によれば、このような欠点を排除でき
る。
【0044】さらに、本実施形態においては、発泡ガラ
ス層16の下方に繊維状のマット材からなる繊維状構成
物層18が設けられている。この繊維状構成物層18も
多孔性の層であり、発泡ガラス層16とかなりの部分で
接触する。従って、ここにおける液体分の移動もスムー
ズなものになる。
【0045】そして、繊維状構成物層18からの液体分
を波板材20を介し、外部に排出するため、ここにおけ
る液体分の移動もスムーズに行われる。このように、本
実施形態の第1処理槽によれば、液体分の下方への移動
が全体として非常にスムーズである。このため、充填層
14の底部において、水分の高い領域が発生するのを抑
制し、ここにおいて腐敗、目詰まりが生じることを効果
的に防止できる。そして、充填層14及び発泡ガラス層
16に生育する好気性微生物により、効果的にBOD成
分の除去が行われる。そこで、ディスポーザから排出さ
れる粉砕された生ゴミを含有する固形有機物含有排水を
長期間に渡り、効果的に処理することができる。
【0046】なお、すき返し装置24は、充填層14の
表面における目詰まりを防止するために、表面を掻くも
のであり、充填層14の全体を攪拌混合するものではな
い。このすき返し装置24により、表層における目詰ま
りを防止して、液体分の下方への移動及び表面からの通
気を促進することができる。
【0047】また空気供給部材を第1処理槽10に取り
付ければ、好気性分解を促進し、固形物分解に好適な含
水率(40〜80%)に調節することが可能で、目詰ま
り防止に役立つ。
【0048】このようにして、第1処理槽10におい
て、処理された一次処理液は、リザーブタンク26に貯
留される。そして、本実施形態の装置においては、二次
処理装置として機能する第2処理槽30において、第1
処理槽10の一次処理液をさらに処理する。
【0049】本実施形態の第2処理槽30は、図1及び
図3に示すように、円筒状の容器32内に充填層34が
3層積層された構造となっており、各充填層34の下に
補助層として機能する発泡ガラス層36が配置されてい
る。すなわち、容器32内には、繊維状構成物層48a
の下に発泡ガラス層36及び充填層34が4層配置され
ると共に、その下に発泡ガラス層36及び繊維状構成物
層48bが配置されている。従って、容器内の配置は、
上下対称となっている。ここで、充填層34には、第1
処理槽10の充填層14と同じ木質チップが充填されて
いる。また、発泡ガラス層36には、発泡ガラス層16
と同じ粒状の発泡ガラスが充填されている。また、繊維
状構成物層48a、48bは、第1処理槽10の繊維状
構成物層18と同様の構成を有している。
【0050】発泡ガラス層36には、エアパイプ38が
接続されており、このエアパイプ38の他端は、空気ポ
ンプ28に接続されている。従って、空気ポンプ28か
らの圧縮空気が各発泡ガラス層36を介し、各充填層3
4等に供給される。
【0051】また、容器32の最上部及び最下部には、
散水集水装置46が設けられており、この散水集水装置
46には容器32の外部に至るラッパ状配管50が接続
されている。また、上部のラッパ状配管50の上方に
は、水ポンプ40を介し、リザーブタンク26に接続さ
れる一次処理液供給パイプ42の開口42aが配置され
ており、リザーブタンク26内一次処理液が、第1充填
層34に上方から供給される。また、容器32の底部に
は、排水パイプ44が接続されており、ここから処理水
が排出される。なお、排水パイプ44のラッパ状配管5
0の直下には、上方が開放された集水部45が配置され
ている。
【0052】ここで、上部の散水集水装置46は、供給
されてくる一次処理液を充填層34の表面に向けて散水
供給する。また、下部の散水集水装置46は、流下して
きた処理水を収集排出する。この散水集水装置46は、
円筒やドーナツ状で、底面に穴があいているものや、上
縁から越流するような構成でもよい。
【0053】なお、最上部の充填層34の上部及び最下
部の充填層34の下部に目詰まり防止層を配置すること
も好適である。この目詰まり防止層は、下から粒径2m
m、3mm、5mmの木質チップの層で、例えば5cm
程度の厚さとする。
【0054】また、一次処理液供給パイプ42の開口4
2aに至る経路には、バルブ52が配置されており、ま
たこの開口42aには、バルブ54を介し水道水が供給
できるようになっている。従って、バルブ52を開、バ
ルブ54を閉で、一次処理液を第2処理槽30に供給
し、バルブ52を閉、バルブ54を開で水道水を第2処
理槽30に供給することができる。
【0055】さらに、排水パイプ44も2つに分岐して
おり、バルブ58を介し処理水を排出すると共に、バル
ブ60を介し、洗浄排水を第1処理槽10に返送できる
ようになっている。
【0056】そして、容器32の中間部には、回転軸6
2を介し、モータ64が接続されている。また、エアパ
イプ38の中間部には、ロータリジョイント66が設け
られている。従って、モータ64を駆動することによっ
て、容器32には回転軸を中心として回転可能であり、
容器32の上下を反転することができる。
【0057】このような構成において、水ポンプ40を
駆動して、リザーブタンク26内の一次処理液を第2処
理槽30に供給すると、この一次処理液は容器32内の
繊維状構成物層48aの表面全体に散水集水装置46を
介し散水される。そして、4段の発泡ガラス層36及び
3段の充填層34を下降する。これによって、充填層3
4を構成する木質チップと接触される。一方、第2処理
槽30内には、空気ポンプ28からの空気が供給されて
おり、充填層34内は好気的状態に維持されている。そ
こで、充填層34内の木質チップには、好気性微生物が
付着繁殖し、下降してくる第1処理槽10における一次
処理液に含まれているBOD成分を効果的に酸化分解す
る。特に、木質チップは、木質、多孔性であり、好気性
微生物の担体として非常に好適なものである。そこで、
第2処理槽30において、効果的な好気性微生物処理が
達成される。さらに、木質チップは、安価であるという
メリットもある。
【0058】また、各充填層34は、発泡ガラス層36
で支持されている。この発泡ガラス層36は、粒状の発
泡ガラスから構成されている。この粒状発泡ガラスは、
上述の第1処理槽10と同様に、木質チップからの液体
を効果的に下方に排出させる機能がある。そこで、各充
填層34における目詰まりを防止することができる。
【0059】さらに、本実施形態における第2処理槽3
0は、第1処理槽10に比べ縦長で多段構成になってい
る。そこで、充填層34を通過した液体は、空気が供給
されている発泡ガラス層36において分散し、次の充填
層34に至る。従って、上部から供給された透過処理水
は、短絡することなく、確実に処理される。また、空気
は比較的空隙率の高い発泡ガラス層36内に供給され
る。そこで、この発泡ガラス層36が散気部材として機
能し、第2処理槽30内全体の効率的な曝気が達成でき
る。さらに、空気は、各段の発泡ガラス層36に供給さ
れる。従って、高BOD濃度の液体と接触される上方ほ
ど大量の空気が供給され、効果的な処理が行える。
【0060】ここで、第2処理槽30内の充填層34、
発泡ガラス層36の段数は多い方が処理効果がよくなる
が、3段や4段程度が現実的である。また、充填層34
に散気管を挿入し、ここから空気散気することも可能で
ある。この場合、散気管は、縦方向に挿入しても、横方
向に挿入してもよい。例えば、第2処理槽30の中心部
に縦方向散気管を挿入することが好適である。さらに、
第2処理槽30内は、発泡ガラス層36と充填層34を
交互に積層形成しただけであり、途中に隔壁などは、形
成していない。さらに、エアパイプ38も容器32の側
壁から若干内部に至って開口しているだけである。そこ
で、内部の充填層34、発泡ガラス層36を形成する木
質チップや発泡ガラスを取り出すことも容易である。こ
れらは、定期的に取り替えることが好ましい。この場
合、木質チップなどを上方から取り出せばよいが、容器
32の下部に取り出し用の窓などを設けることも好適で
ある。
【0061】また、第2処理槽30には、第1処理槽1
0における透過処理水が供給される。この透過処理水
は、かなりのSS成分を含むものであり、第2処理槽3
0の表面部においては、目詰まりが発生しやすい。本実
施形態では、比較的目の粗い繊維状構成物層48a、発
泡ガラス層36の下に充填層34があるため、表面部分
における目詰まりの発生を防止して、良好な処理を長期
間継続できる。
【0062】そして、本実施形態においては、モータ6
4において、容器32を定期的に反転する。上述のよう
に、表面部における目詰まりを防止していても、流入側
の層ほど負荷が高く目詰まりしやすくなる。容器32を
反転することで、処理水排出側が流入側になり、流入側
が処理水排出側になる。そして、この状態で、容器32
の上部から水を供給し、容器32内を洗浄することで、
各層に蓄積していたSS成分が水流と共に洗い流され、
通気性と通水性が回復する。
【0063】すなわち、洗浄が必要なタイミングとなっ
た場合には、バルブ52を閉じ、第2処理槽30への第
1処理槽10の処理液の流入を停止する。この状態で、
モータ64を駆動して、容器32を反転する。そして、
バルブ58を閉じ、バルブ60を開くと共に、バルブ5
4を開いて、容器32内の洗浄を行う。所定の洗浄を終
了した場合には、バルブ54、60を閉じ、バルブ5
2、58を開いて通常の処理に戻る。これによって、目
詰まりを解消して、効果的な処理を継続することができ
る。
【0064】なお、モータ64は、エアアクチュエータ
など各種の駆動機構に変更することができる。また、反
転、洗浄のタイミングも、処理水の排出状態の監視など
によって決定してもよい。さらに、洗浄排水を第1処理
槽10に返送したが、系外に排出してもよい。
【0065】なお、図示は省略したが、本実施形態にお
いては、容器12、32の周囲には、ヒータが設けられ
ており、第1及び第2処理槽10、30内には、その温
度を計測する温度計が配置されている。そして、第1及
び第2処理槽10、30内の温度が30°C以下になら
ないように、ヒータのオンオフを制御している。このよ
うに、温度制御することによって、処理槽10、30内
における微生物の活性を常に十分なものに維持できる。
なお、処理槽10、30内では、好気性微生物の有機物
酸化分解反応が起こっている。従って、内部における発
熱もあり、外気温に比べ通常温度は高い。そこで、加温
が不要である場合も多い。さらに、一次的な低温状態は
問題は少なく、また必ずしも30°Cが限界温度ではな
いため、ヒータの能力は30°C以上を保証できるほど
大きくする必要はない。
【0066】処理槽等に供給する気体として、空気にか
えて、酸素ガスやさらに酸素含有量の高められた空気
(酸素リッチエアー)などを利用することも好適であ
る。
【0067】さらに、充填層34と発泡ガラス層(補助
層)36は、少なくとも一対あればよく、また最も下の
層が発泡ガラス層36でなくてもよい。すなわち、発泡
ガラス層36の下に充填層34を設け、この最も下の充
填層34から処理水を排出してもよい。
【0068】「装置の設置場所」本実施形態の装置は、
上述のように基本的に処理槽10、30からなってい
る。そして、家庭の流し(シンク)の排水口に設けられ
るディスポーザからの生ゴミ粉砕物を含有する排水を処
理する。そこで、本実施形態の装置を台所のシンクの下
方空間に収容することができる。また、本実施形態の装
置を屋外に設置することもでき、この場合にはディスポ
ーザから本装置の配管を接続すればよい。この配管は、
重力で生ゴミ粉砕物を含有する排水を輸送できる構成と
することが好ましい。
【0069】「装置の変形」本実施形態の装置は、上述
のように、ディスポーザからの生ゴミ粉砕物を含有する
排水を処理する。しかし、ディスポーザが装置と別体と
して設けられている必要はなく、一体的に形成されてい
てもよい。すなわち、第1処理槽10の上方にディスポ
ーザを一体的に形成しておき、流しから排出される生ゴ
ミを受け入れ、これを粉砕再処理して、第1処理槽10
に流入するように構成することができる。このようなデ
ィスポーザ一体型の装置は、流しの直下に設けることが
好適であるが、屋外に設置して、生ゴミを水と共に本装
置形成されたディスポーザに流入するようにしてもよ
い。
【0070】「木質チップの大きさ」上述の実施形態で
は、第1処理槽10及び第2処理槽30の充填層14、
34の木質チップとして、粒径が1.5mm程度(大部
分が2mm以下)のものを使用した。ここで、この木質
チップの粒径を変更して実験をしてみた。この実験によ
り、木質チップの粒径を大きくすればそれだけ充填層1
4、34における排水の透過性が上昇する。そして、第
1処理槽10及び第2処理槽30の充填層14、34に
用いる木質チップとして、粒径が2〜5mm程度のもの
を使用することで、長期間において処理能力を維持しつ
つ、処理水水質を所定のものに維持できることがわかっ
た。
【0071】「発泡ガラス層(補助層)の構成」発泡ガ
ラス層16、36の発泡ガラスに代えて、木質チップを
採用することも好適である。すなわち、発泡ガラス層1
6、36は、充填層14、34を指示する補助層として
機能するものであるが、この層を充填層14、34と同
じ材質の木質チップで構成することもできる(但し、粒
径は補助層のものの方が充填層のものより大きい)。木
質チップは、保水性があり、発泡ガラスと同様の処理効
果が得られる。そして、木質チップを利用することで、
これを廃棄する際に、コンポストとして利用することが
できる。なお、生物分解が可能なプラスチックなども利
用可能である。
【0072】第1処理槽10の補助層及び第2処理槽3
0の最下層の補助層は、上述のように発泡ガラス層と繊
維状構成物層の多層として、下方ほど空隙率の大きいも
のを採用することで、透過処理液の排出をスムーズにす
ることができる。また、一層として下方に向けて実質的
に徐々にまたは段階的に空隙率を大きくすることによっ
ても同様の効果が得られる。
【0073】「第1処理槽10の構成」上述のように、
第1処理槽10は、下から繊維状構成物層18、発泡ガ
ラス層16、充填層14からなっている。そして、これ
らの厚みを変更して実験してみた。この実験により、7
割以上の粒径が1.7mm〜5mm(主成分が2mm以
上)の木質チップを用いた充填層14は、その厚みが5
〜10cm程度充填することが好ましいことがわかっ
た。また、この際に発泡ガラス層16は、3〜5cm程
度が好ましい。
【0074】「一次処理液からの汚泥の除去」上述の実
施形態では、一次処理液を貯留するリザーブタンク26
において、曝気処理を行い、腐敗を防止した。しかし、
この構成であると、一次処理液は基本的にそのまま第2
処理槽30に導入されることになる。一次処理液は、か
なりのSS(浮遊性固形物)を有しており、これがその
まま第2処理槽30に導入されると、第2処理槽30に
おいて、目詰まりが発生しやすくなる。
【0075】そこで、リザーブタンクにおいて、曝気を
やめるか弱めることによって、ここで一次処理液中の汚
泥を沈殿分離することが好適である。そして、沈殿分離
された汚泥は、第1処理槽10に返送する。これによっ
て、第2処理槽30に導入されるSSが減少し、第2処
理槽30における目詰まりの発生を防止して、長期間安
定した処理が行える。
【0076】さらに、この構成によれば、沈殿汚泥は、
第1処理槽10において再度処理される。このため、特
別の汚泥処理装置などを設ける必要がない。なお、沈殿
汚泥は、必ずしも第1処理槽10に返送する必要もな
い。外部において、汚泥の処分が可能であれば、汚泥は
そのまま系外に排出してもよい。
【0077】さらに、第1処理槽で得られた一次処理液
をフィルタで濾過処理し、SS成分を一部除去してから
第2処理槽30に流入することも好適である。これによ
って、第2処理槽における目詰まりの発生を効果的に防
止することができる。
【0078】このフィルタは、リザーブタンク26の手
前に設けてもよいし、リザーブタンク26内や、リザー
ブタンクの後や、配管内や、さらには第2処理槽30の
一次処理液の流入部に設けてもよい。そして、このフィ
ルタには、ガーゼのような布性のフィルタ材(例えば、
アサヒケミカル製の商品名ベンコット)や、ステンレス
性のふるいなどを用いることができる。ふるいとして
は、83メッシュ(線径約0.12mm、網の目の大き
さ約0.18mm四方)程度のものが好適である。
【0079】なお、このフィルタは、定期的に洗浄した
り取り替えることが好適であり、洗浄水は第1処理槽1
0に返送してもよい。
【0080】「第2処理槽30の構成」第2処理槽30
は、流速を大きくすると、処理水BODが高くなり、流
速を小さくすると、処理水BODが低くなる。また、第
2処理槽30の高さを高くすると処理水SSが小さくな
り、高さを低くすると処理水SSが大きくなる。そこ
で、第2処理槽30の流速及び高さを調整することで、
処理水BOD及びSSを制御することができる。処理水
のBOD、SSについての要求水質は、地方自治体など
によって、異なる場合も多く、本装置では、第2処理槽
30の流速及び高さを調整することで、処理水の要求水
質に対処することができる。なお、第2処理槽30の高
さの変更は、一次処理液の流入位置の変更、段数の変
更、流出口の変更などによって達成可能である。
【0081】また、ディスポーザによる破砕処理を行っ
た生ゴミ含有排水以外の台所排水を第2処理槽30にお
いて処理することも好適である。すなわち、台所排水を
直接またはリザーブタンク26などの貯留槽を介し、第
2処理槽30に流入する。これによって、台所排水を処
理することができ、家庭などから排出される排水の全体
としての有機物排出量を減少することができる。
【0082】「カートリッジ式の第2処理槽」充填層3
4や発泡ガラス層36をパックにまとめておくとよい。
すなわち、ビニールネットや、伸縮可能な筒などに充填
層34や発泡ガラス層36を収容しておき、適当な頻度
で、これらを容器32から取り出し新しいものに代えた
り、洗浄して戻したりすることができる。
【0083】なお、取り除いた充填層34については、
充填層34をコンポストとし、新しい木質チップに入れ
替えることも好適である。
【0084】なお、このような交換のために、容器32
の上部及び下部を開放可能にしたり、容器32を縦方向
に分割しておき、開けるようにすることも好適である。
【0085】
【実施例】実験1. 「実験条件」第1処理槽10に対応する処理槽として、
プラスチック性の水槽(20×30×20cm)を用意
し、その底面に5cmφの穴を開け排水口とした。そし
て、支持材層(補助層)として、粒状の発泡ガラス(約
5mmの粒状)、陶器製ろ過材(約1cm角の中空六角
状)、玉砂利(粒径約1cm)、繊維状構成物(線径
0.5mm程度の硬いプラスチック繊維を絡めたマット
状のもの)の4種類の組み合わせを採用し、その上に木
質チップを充填した。すなわち、表1に示すように、A
槽は陶器製ろ過材3kg上に木質チップ、B槽は陶器製
ろ過材1.5kg上に木質チップ、C槽は陶器製ろ過材
1.5kg、発泡ガラス(3cm厚)上に木質チップ、
D槽は陶器製ろ過材1.5kg、玉砂利2kgの上に木
質チップ、E槽は繊維状構成物2cm厚、発泡ガラス1
cm厚の上に木質チップ、F槽は直接木質チップを充填
した。なお、木質チップは、含水率70%程度のものを
1.4kg使用した。
【0086】
【表1】 そして、このような処理槽A〜Fに1kgの生ゴミを1
2L(リットル:以下リットルをLで表す)の水でディ
スポーザにかけて生成した生ゴミ含有排水を1日2Lず
つ投入し、排水のSS(浮遊性固形物)成分の変化及び
木質チップの色の変化を調べた。
【0087】「結果」投入した生ゴミ含有排水のBOD
は3500mg/L、SSは2800mg/Lであっ
た。この排水を1日2Lずつ投入したときの一次処理液
のSSの変化を図4に示す。このようにF槽では、早い
時期から透過処理水のSS濃度が100mg/L程度と
低くなる。ここで、透過処理水のSS濃度が低いという
ことはそれだけ目詰まりが発生したことを意味してお
り、このF槽では、早くから目詰まりが発生し、充填層
の底部の木質チップの色が黒褐色から黄土色に変わり、
腐敗も始まった。
【0088】一方、C、E槽では、SS濃度は500〜
1000mg/Lと高めで、通水性が良好であった。ま
た、腐敗も発生しなかった。
【0089】A、B、D槽は、透過処理水のSS濃度が
500mg/L前後で上述のF槽と、C、E槽の中間で
あった。しかし、これらA、B、D槽においても実験の
最後には、目詰まりが発生し始めた。
【0090】これらより、支持材層(補助層)の存在
が、目詰まり発生防止に重要であることが分かる。特に
粒状発泡ガラスの支持材層(補助層)を設けることで、
目詰まりの発生防止に非常に有効であることが分かる。
【0091】また、表2に20回投入後の透過処理水の
水質を示す。
【0092】
【表2】 このように、C槽、E槽はSS濃度が高かったが、F槽
は目詰まりしてSS濃度が極端に低かった。A、B、D
槽においては、SS濃度が低下してきており、運転の継
続により、目詰まりの発生が予測される。
【0093】実験2.図5に示すように、直径45mm
φ、高さ345mmのカラムに木質チップを充填し、第
2処理槽30に対応する処理槽60を形成した。そし
て、この処理槽60にCOD(過マンガン酸カリウムを
用いた化学的酸素要求量)12,500mg/Lのブイ
ヨン培地を5mL投入し、その前後にキャリア水(0.
85%NaCl水溶液)を2.07mL/minで通水
した。このキャリア水は、キャリア水タンク62からペ
リスタポンプ64で処理槽60に供給した。そして、処
理水をフラクションコレクタ66により収集して経時変
化を見た。フラクションコレクタ66は、3.5分/カ
ラムとした。また、run1ではキャリア水を曝気せず
に通水し、run2ではエアーポンプ68からの空気を
キャリア水タンク62に供給することによりキャリア水
を曝気して通水した。
【0094】この結果を図6に示す。このように、ru
n1では処理水のCODのピーク値は190mg/L程
度、run2では処理水のCODのピーク値は140m
g/L程度ある。これより、曝気により、CODの除去
が促進されることが分かる。
【0095】実験3.実験2と同一の装置に、BOD1
900mg/L、SS300mg/Lの排水を3.5m
L/minで1日5時間(1日1L)通水した。これに
よって、BOD450mg/L、SS60mg/L程度
の処理水が安定して得られた。
【0096】実験4.直径146mmφの処理槽(第2
処理槽30に対応)に、粒状の発泡ガラス(3cm厚)
と、木質チップ(5cm厚)を交互に4段積層し、高さ
500mmの槽を形成した。なお、最下層の発泡ガラス
層の下には、繊維状構成物層を配置してある。また、各
粒状発泡ガラスの層に側方から空気を供給した。この処
理槽に35mL/minで、1日5時間、上記実験3と
同様の排水を通水した。これによって、SS50mg/
L程度、BOD200mg/L程度が安定して得られ
た。
【0097】これらの実験2〜4により、本実施形態の
第2処理槽30により、好適な処理が行えることが分か
る。
【0098】実験5.図1に示すシステムで、次のよう
な実験を行った。1.25kgの生ゴミを水25Lとと
もに、ディスポーザで破砕処理した生ゴミ含有排水を毎
日投入して(1.25kg生ゴミ/25L水/day)
処理を行った。破砕液の水質は、BOD3500mg/
L、SS3300mg/Lであった。
【0099】また、第1処理槽10として、外寸35×
60cmのものを2つ用意し、充填層14として木質チ
ップをトータル10kg充填しし、発泡ガラスを1kg
程度充填した。充填層14の木質チップは、70%以上
が粒径1.7mm以上(主成分は2mm以上)のものと
した。木質チップの粒径分布を表3に示す。また、充填
層14の厚さは5〜10cm程度、発泡ガラス層(補助
層)16の厚さは3〜5cm程度とした。
【0100】
【表3】 この処理の結果、一次処理液として、130日程度の期
間、ほぼBOD2000mg/L、SS1000mg/
Lのものが得られた。また、図7に示すように、第1処
理槽10の総重量(T−Wt)は、使用開始当初に35
kg程度であったのが、10日で52kg程度、20日
で55kg程度に上昇し、その後100日まではわずか
ずつ上昇し、100日では、60kg程度になった。そ
して、100日をすぎると、重量増加の速度が増し、1
10日では65kg程度まで上昇した。これより、今回
のような条件では、少なくとも100日程度は、目詰ま
りすることなく、処理を継続できることがわかった。
【0101】また、上述の第1処理槽10で得られた一
次処理液を第2処理槽30に供給し、処理実験を行っ
た。第2処理槽30として、外寸は直径18cmφ×高
さ32cmのものを2つ用意した。従って、総面積は、
508cm2である。通水速度60mL/min、通気
量60L/minとした。また、充填層34として、第
1処理槽10に用いたものと同じ粒径分布を持つ木質チ
ップをふるいによって、チップ径2mmφ以上のものを
選別して利用した。また、充填層34、発泡ガラス層3
6は、共に5cmの厚みとし、それぞれ3層積層した。
【0102】この結果、第2処理槽30の処理水とし
て、BOD200mg/L、SS50mg/L程度のも
のが70日以上安定して得られた。また、処理水中のn
ヘキサン抽出物質も数mg/L程度と十分低いものであ
った。
【0103】これより、このような第1処理槽10、第
2処理槽30を用いて、ディスポーザで生ゴミを破砕し
て得られる生ゴミ含有排水を処理して、BOD200m
g/L、SS50mg/L程度の処理水を安定して得る
ことができることがわかった。さらに、分析の結果、第
2処理槽30において窒素除去が行われていることがわ
かった。すなわち、第2処理槽30の流入水と処理水の
全窒素濃度の比較から、第2処理槽30において、38
%程度の窒素除去が達成された。これより、本装置は、
窒素分の除去にも効果があることが確認された。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る有機
排水処理装置によれば、有機排水を濾過しながら、好気
性微生物により排水中の有機物を効果的に分解処理でき
る。特に、内部を水で洗浄することによって、目詰まり
の原因となるSS成分を排出することができ、通水性及
び通気性を回復できる。さらに、装置の上下を反転する
ことで、洗浄効果を増し、その後の処理の効率も上昇す
ることができる。また、充填層の下方の補助層により、
充填層における透過処理液の排出をスムーズにでき、こ
れによって充填層における腐敗目詰まりの発生を防止で
きる。また、木質チップを充填層の微生物担体として用
いることにより、充填層における微生物保持量を十分な
ものとして、効果的に好気性生物処理を行うことがで
き、長期間に渡り好適な処理を継続できる。さらに、充
填層と補助層の多層構成、さらには両層を複数ずつ設け
ることによって、短絡をなくし、かつ目詰まりを防止し
て、効果的な処理が行える。また、補助層に空気を供給
し曝気を行うことで、より能力の高い好気性生物処理を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る有機排水処理装置を含む固形
物含有排水処理装置を正面から見た構成を模式的に示す
図である。
【図2】 第1処理槽の内部を模式的に示す図である。
【図3】 第2処理槽の内部を模式的に示す図である。
【図4】 各種支持材層(補助層)を用いた処理実験の
結果を示す図である。
【図5】 実験装置の構成を模式的に示す図である。
【図6】 実験結果を示す図である。
【図7】 第1処理槽の重量変化を示す図である。
【符号の説明】
10 第1処理槽、12 容器、14 充填層、16
発泡ガラス層、18繊維状構成物層、20 波板材、2
2 排水口、24 すき返し装置、26 リザーブタン
ク、30 第2処理槽、32 容器、34 充填層、3
6 発泡ガラス層、64 モータ。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性の排水を処理する有機排水処理装
    置であって、 供給される排水を微生物処理する、微生物担体が充填さ
    れた充填層と、 この充填層を内蔵する容器と、 この容器内の前記充填層内における排水の流通方向を反
    転させる流通方向反転手段と、 を有することを特徴とする有機排水処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、 前記流通方向反転手段は、前記容器の上下を逆転させる
    ことにより排水の流通方向を反転させることを特徴とす
    る有機排水処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の装置におい
    て、 前記容器内部は、排水流通方向についてその中間部を境
    にしてほぼ対称に形成されていることを特徴とする有機
    排水処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の装
    置において、 さらに、 前記充填層に洗浄水を導入し、充填層を洗浄する洗浄手
    段を有することを特徴とする有機排水処理装置。
  5. 【請求項5】 有機性の排水を処理する有機排水処理装
    置であって、 微生物担体が充填され、供給される排水を濾過処理する
    と共に、微生物処理する充填層と、 この充填層に洗浄水を導入し、充填層を洗浄する洗浄手
    段と、 を有することを特徴とする有機排水処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1つに記載の装
    置において、 上記充填層を介し排出される排水を流通する補助層と、 上記充填層に空気または酸素ガスを拡散するガス供給部
    材と、 を有し、 補助層を介し処理水を排出することを特徴とする有機排
    水処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の装置において、 上記充填層と、上記補助層を交互に複数積層した多段構
    成を有していることを特徴とする有機排水処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1つに記載の装
    置において、 上記充填層の微生物担体は、木質チップであることを特
    徴とする有機排水処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1つに記載の装
    置において、 処理対象である有機性の排水は、ディスポーザからの生
    ゴミを含有する排水を一次処理装置において濾過処理及
    び好気性生物処理して得た一次処理水であることを特徴
    とする有機排水処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1つに記載の
    装置において、 処理対象である有機性の排水が、さらに台所排水を含む
    ことを特徴とする有機排水処理装置。
  11. 【請求項11】 有機性の排水を処理する有機排水処理
    方法であって、 微生物担体が充填されて形成された充填層に排水を流通
    し、排水を微生物処理するとともに、この充填層内にお
    ける排水の流通方向を適宜反転させることを特徴とする
    有機排水処理方法。
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