JPH11169336A - 拡大内視鏡 - Google Patents

拡大内視鏡

Info

Publication number
JPH11169336A
JPH11169336A JP9339620A JP33962097A JPH11169336A JP H11169336 A JPH11169336 A JP H11169336A JP 9339620 A JP9339620 A JP 9339620A JP 33962097 A JP33962097 A JP 33962097A JP H11169336 A JPH11169336 A JP H11169336A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spring
temperature
objective lens
coefficient
springs
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9339620A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Furusawa
宏一 古澤
Masahiro Fushimi
正寛 伏見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP9339620A priority Critical patent/JPH11169336A/ja
Publication of JPH11169336A publication Critical patent/JPH11169336A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Instruments For Viewing The Inside Of Hollow Bodies (AREA)
  • Endoscopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内視鏡に設けられる対物光学系の対物レンズ
を光軸駆動させる構成の拡大内視鏡において、対物レン
ズの駆動機構を簡略化する。 【解決手段】 内視鏡の対物光学系3の光学筒11,1
2,13内に内装された対物レンズ17のレンズ保持筒
16と、CCD撮像素子19のCCD保持筒18とを、
第3のスプリング24を挟んで形状記憶材料で構成され
た第1のスプリング22と第2のスプリング23とで光
軸方向に弾性支持する。第1及び第2のスプリング2
2,23に通電を行い、自己抵抗により発熱させて温度
を上昇させることにより、第1及び第2のスプリング2
2,23のバネ係数を第3のスプリング24のバネ係数
よりも大きくし、対物レンズ17とCCD撮像素子19
をそれぞれ光軸方向に移動させ、拡大撮像を可能とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は対物光学系に変倍機
能を有する拡大内視鏡に関し、特に変倍機構の簡略化、
小型化を実現した拡大内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】対物光学系に変倍機能を有する拡大内視
鏡は、対物レンズを対物レンズ光学筒内において光軸方
向に移動させるための機構が必要である。このような変
倍機構としては、内視鏡操作部から対物レンズまで延設
したワイヤを利用して遠隔操作により対物レンズを移動
するワイヤ機構、あるいは対物光学系に内装した静電ア
クチュエータへの通電を制御して対物レンズを移動する
静電アクチュエータ機構、さらには対物レンズをピエゾ
素子等の圧電素子で支持し、この圧電素子への印加電圧
を制御した際の圧電素子の変形によって対物レンズを移
動する圧電機構等が提案されている。しかしながら、前
記した静電アクチュエータ機構では、ある程度の高電圧
を静電アクチュエータに印加することが必要であるた
め、対物レンズに対向して配置されているCCD撮像素
子の撮像信号のノイズ源となるおそれがあり、また漏電
が生じた際の安全性の点でも問題があり、採用すること
は難しい。また、前記した圧電機構では、圧電素子によ
り得られる変位量が小さいために対物レンズの移動量も
小さくなり、所望の変倍量、特に大きな変倍量を得るこ
とは難しい。
【0003】一方、前記したワイヤ機構は、機械的に対
物レンズを移動させるため、静電アクチュエータのよう
な高電圧の印加は不要であり、かつ圧電機構に比較して
大きな変倍機構を構成することが可能である。このワイ
ヤ機構の一例を図5に示す。同図は、対物光学系の先端
部の断面構成を示す図であり、上半分は通常倍率での観
察状態を示し、下半分は拡大倍率での観察状態を示して
いる。図外の操作部まで延設される光学筒の先端部に設
けられた先端外筒31と先端内筒32が同軸に取着され
ており、これら外筒31と内筒32の各先端面には、各
開口を封止するカバーガラス33が取着されている。ま
た、対物レンズ34はレンズ保持筒35によって前記先
端内筒32内に内装され、光軸方向に移動可能とされて
いる。さらに、前記先端内筒32内には、前記対物レン
ズ34に対向する光軸上の位置にCCD撮像素子36が
CCD保持筒37によって内装されており、光軸方向に
移動可能とされている。このCCD撮像素子36には信
号ケーブル38が接続されており、図外の操作部に電気
接続されている。そして、前記先端内筒32の周囲には
3本のカム溝39a〜39cが形成されたカム環39が
嵌装され、前記カム溝のうち、第1及び第2のカム溝3
9a,39bにはそれぞれ前記レンズ保持筒35とCC
D保持筒37に半径方向に突出されたカムピン35a,
37aが嵌入される。また、他の第3のカム溝39cに
は、光学筒に沿って延設されてその先端部が前記先端外
筒31と先端内筒32との間に画成される間隙内に位置
されている操作ケーブル40の当該先端部に連結され、
この操作ケーブル40の延長方向、すなわち光軸方向に
移動可能なカム体41に設けたカムピン41aが嵌入さ
れている。なお、前記レンズ保持筒35とCCD保持筒
37との間、及び前記カム体41と内筒32との間には
それぞれ光軸方向に伸縮可能な圧縮スプリング42,4
3が介挿されている。
【0004】この従来構成の対物光学系では、操作ケー
ブル40を操作しないときには、図5の上半分のよう
に、操作ケーブル40に連結されているカム体41はス
プリング43の伸長力によって先端側の位置にあり、カ
ム環39をこれに対応する回転位置とする。これによ
り、レンズ保持筒35とCCD保持筒37はカム環39
の第1及び第2の溝39a,39bによって決定される
光軸位置に位置される。このときには、対物レンズ34
とCCD撮像素子36は近接された位置にあり、被写体
の撮像倍率は低くされている。一方、操作ケーブル40
を操作して図5の右方向に移動させると、同図の下半分
のように、カム体41はスプリング43を撓ませながら
右方向に移動され、第3のカム溝39cの形状に従って
カム環39を回転させる。これにより、レンズ保持筒3
5とCCD保持筒37はカム環39の第1及び第2のカ
ム溝39a,39bの形状に従って光軸方向に移動さ
れ、対物レンズ34とCCD撮像素子36の間隔が拡大
され、被写体の撮像倍率を高い状態とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のワイ
ヤ機構では、操作ワイヤを操作することで、対物レンズ
を光軸方向に移動して対物光学系での変倍が実現できる
ため、前記したようにCCD撮像素子の撮像信号に対す
るノイズが防止でき、かつ対物レンズの移動距離を大き
く設定でき、要求される変倍に対応することが可能とな
る。しかしながら、この対物レンズの移動を実現するた
めには、カム環、カム体、操作ケーブル、スプリング
等、対物光学系を構成するための部品点数が多くなるこ
とは避けられず、構造が複雑になるとともに、小型化を
実現することが難しいという問題がある。また、変倍時
のカム環の回転によって、カム体及びカムピンとカム環
のカム溝との間で摺動が生じるため、磨耗粉が生じ、こ
の磨耗粉が対物レンズのレンズ面やCCD撮像素子の撮
像面に付着して撮像の障害になり、頻繁な清掃が必要に
なり、メインテナンスが面倒なものになるという問題あ
る。さらに、対物光学系を内装しているスコープが曲げ
られたときに、操作ケーブルが一体的に曲げられて対物
光学系が意に反して変倍してしまうこともある。
【0006】本発明の目的は、構成部品点数を削減して
構成の簡略化、小型化を実現するとともに、前記した従
来構成で生じている問題を解消することを可能にした拡
大内視鏡を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、内視鏡の対物
光学系の光学筒内に内装された対物レンズと撮像素子の
少なくとも一方を光軸方向に移動して撮像倍率を変化可
能に構成した拡大内視鏡において、前記対物レンズと撮
像素子の少なくとも一方は、光軸方向に対向配置した少
なくとも2つのスプリングによって挟持されるととも
に、前記少なくとも2つのスプリングのうち一方のスプ
リングが温度変化に伴ってバネ係数が変化される材料で
形成され、かつ前記一方のスプリングの温度を変化させ
る手段を備えることを特徴とする。例えば、前記対物レ
ンズと撮像素子はそれぞれ光軸方向に移動可能に構成さ
れ、前記対物レンズと前記光学筒の先端側部位との間に
第1のスプリングが介挿され、前記撮像素子と前記光学
筒の後端側部位との間に第2のスプリングが介挿され、
前記対物レンズと前記撮像素子との間に第3のスプリン
グが介挿され、前記第1及び第2のスプリングがそれぞ
れ温度変化に伴ってバネ係数が変化される材料で形成さ
れる。
【0008】ここで、前記温度変化に伴ってバネ係数が
変化される材料が形状記憶合金で構成され、前記スプリ
ングの温度を変化させる手段は前記形状記憶合金に電流
を通流する配線構造として構成され、前記形状記憶合金
に通電したときの自己発熱を利用して前記スプリングの
温度を上昇させる構成とされる。また、前記温度変化に
伴ってバネ係数が変化される材料は、変態温度以下にお
けるバネ係数が前記他のスプリングのバネ係数よりも小
さく、前記変態温度より高い温度におけるバネ係数が前
記他のスプリングのバネ係数よりも大きくなる材料で構
成される。例えば、前記した第1及び第2のスプリング
を構成する形状記憶合金は、所定の温度よりも低い温度
におけるバネ係数が前記第3のスプリングのバネ係数よ
りも小さく、前記所定の温度よりも高い温度におけるバ
ネ係数が前記第3のスプリングのバネ係数よりも大きく
なる材料で構成される。
【0009】このように、一方のスプリングを温度制御
してそのバネ係数を変化させることにより、他方のスプ
リングとのバネ係数の大小関係を反転させ、これらのス
プリングで光軸方向に挟持されている対物レンズや撮像
素子を光軸方向に移動させ、対物レンズと撮像素子との
光軸方向の距離を変化させ、対物レンズによる撮像素子
での撮像倍率を変化させる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明を適用した拡大内視鏡
の全体構成を示す図である。各種操作を行う操作部1か
らは挿入部2が延長され、この挿入部2の先端部が湾曲
部2aとして構成され、この湾曲部2a内に対物光学系
3が内装されている。また、前記操作部1を通して前記
対物光学系3で観察する対象物を照明するための照明光
を供給する光源部4がライトガイド5を介して前記操作
部1に接続されている。図2は前記挿入部2の湾曲部2
a内に内装されている対物光学系の部分分解斜視図、図
3はその組み立て状態の拡大断面図である。なお、図3
は通常観察時の状態を示している。前記湾曲部2a内に
埋設されている光学筒11の先端部に先端外筒12と先
端内筒13が同軸に取着されており、これらの先端外筒
12と先端内筒13の先端面に開設された開口14には
カバーガラス15が取着されて前記各筒12,13内が
封止されている。なお、前記カバーガラス15は平面ガ
ラスで構成されてもよいが、ここでは対物光学系におけ
る拡大倍率をかせぐために凹レンズとして構成されてい
る。そして、前記先端内筒13内には前記カバーガラス
15に臨む位置に、レンズ保持筒16に支持された対物
レンズ17が前記先端内筒13の内面に沿って光軸方向
に移動可能に内装支持されている。また、前記対物レン
ズ17と光軸方向に所要の間隔をおいた前記先端内筒1
3内には、CCD保持筒18に支持されたCDD撮像素
子19が前記先端内筒13内の内面に沿って光軸方向に
移動可能に内装支持されている。前記CCD撮像素子1
9には、前記挿入部2内を挿通されて前記操作部1にま
で延設される信号ケーブル20が接続されている。
【0011】ここで、前記レンズ保持筒16は、前記対
物レンズ17を保持している保持部161と、これより
も大径で前記先端内筒13の内面に摺接される摺接部1
62との間に径方向の段部163が設けられており、こ
の段部163の筒軸方向の外面と内面がそれぞれ後述す
る第1スプリング22及び第3スプリング24が係止さ
れるスプリング座として構成されている。また、前記C
CD保持筒18は、その外周面の周方向の複数箇所、こ
こでは2箇所に半径方向に突起181が突出されてお
り、これらの突起181は前記先端内筒13の周方向の
対応する2箇所において光軸方向に所要の長さで形成さ
れたガイド溝131に半径方向に挿通され、各突起18
1の先端部は前記先端内筒13の外周面から突出され、
前記光学筒11と先端内筒13との間に画成されている
環状空間111内に位置されている。なお、前記CCD
保持筒18の後端、すなわち前記対物レンズ17と反対
側の端部は幾分大径に形成されてその外周面にはシール
リング21が嵌合支持されており、前記先端内筒13の
内面との間のシール性が確保される。
【0012】そして、前記レンズ保持筒16の前記保持
部の周囲にはコイル状に形成された第1のスプリング2
2が遊挿されており、その両端部が前記先端内筒13の
先端面と前記段部163の外面にそれぞれ係止されてい
る。また、前記先端内筒13と光学筒11との間の環状
空間111内にはコイル状に形成された第2のスプリン
グ23が内装されており、その両端部が前記CCD保持
筒18に設けられている突起181と前記先端内筒13
の後端部のフランジ132にそれぞれ係止されている。
さらに、前記レンズ保持筒16の摺接部162の内側に
はコイル状に形成された第3のスプリング24が内装さ
れており、その両端部が前記段部163の内面とCCD
保持筒18の先端面にそれぞれ係止されている。
【0013】ここで、前記第1のスプリング22と第2
のスプリング23は、温度によってバネ係数が変化され
る材料、ここでは金属の形状記憶合金により、常時縮小
方向への弾性力を有する、いわゆる引っ張りスプリング
として構成されている。この種の形状記憶合金として、
例えば、Ti−Ni合金、Ti−Ni−Cr合金、Au
−Cd合金、Cu−Ni−Al合金、Cu−Zn−Al
合金が適用可能である。これらの形状記憶合金は室温で
はバネ係数が小さい値を呈しており、変態温度を越えて
高温になるとバネ係数がほぼ3倍程度に増加される特性
を有している。なお、これら第1のスプリング22と第
2のスプリンズ23には、図には示されないが、前記光
学筒11に沿って延設された配線コードによって前記操
作部1に電気接続されており、前記操作部1での操作に
よって所望のタイミングで前記第1スプリング22と第
2スプリング23に微小電流を通流することができるよ
うに構成されている。また、前記第3のスプリング24
も、常時短縮方向への弾性力を有する引っ張りスプリン
グとして構成されているが、この第3のスプリング24
は通常のバネ性のある弾性材料で形成され、その常温に
おけるバネ係数は前記第1及び第2の各スプリング2
2,23のバネ係数よりも大きく、前記変態温度よりも
高温度のときの第1及び第2の各スプリング22,23
のバネ係数よりも小さい値を有する弾性材料が用いられ
る。
【0014】この構成の対物光学系によれば、前記第1
及び第2の各スプリング22,23に通電を行なわない
状態のとき、すなわちこれら第1及び第2の各スプリン
グ22,23が常温状態のときには、第3のスプリング
24のバネ係数は第1及び第2の各スプリング22,2
3のバネ係数よりも大きいため、図3に示されるよう
に、第3のスプリング24はその引っ張力によって短縮
した状態にあり、一方第1及び第2の各スプリング2
2,23は第3のスプリング24の引っ張り力に負けて
伸長され、これら各スプリングのバネ力が互いに釣り合
った状態となる。この状態では、第3のスプリング24
の短縮動作によって、レンズ保持筒16とCCD保持筒
18、すなわち対物レンズ17とCCD撮像素子19は
互いに近接された状態となり、CCD撮像素子19に対
する対物レンズ17の光軸長が短くされ、L1の寸法の
状態となる。これにより、対物レンズ17によってCC
D撮像素子19に結像される被写体の撮像倍率は、カバ
ーガラス15と対物レンズ17との間の光軸長が対物レ
ンズ17とCCD撮像素子19との間の光軸長よりも長
くなるため、カバーガラス15の前方の所定距離にある
被写体に対して焦点があった状態で予め設定されている
通常倍率となる。
【0015】一方、図示を省略した配線コードを通して
前記第1及び第2の各スプリング22,23に微小電流
を通電すると、各スプリング22,23の電気抵抗によ
って両スプリング22,23が発熱し、第1及び第2の
各スプリング22,23の温度が上昇される。この温度
上昇により第1及び第2の各スプリング22,23が変
態温度を越えると、これら第1及び第2のスプリング2
2,23のバネ係数が増大され、第3のスプリング24
のバネ係数よりも大きくなる。これにより、図4に示す
ように、第1及び第2の各スプリング22,23はそれ
ぞれの引っ張力によって第3のスプリング24を伸長さ
せながら短縮され、その結果、レンズ保持筒16とCC
D保持筒18、すなわち対物レンズ17とCCD撮像素
子19が光軸方向に離される状態となり、両者間の光軸
長が長くされ、その光軸長がL2(L2>L1)とな
る。これにより、対物レンズ17によってCCD撮像素
子19に結像される被写体の撮像倍率は、カバーガラス
15と対物レンズ17との間の光軸長が対物レンズ17
とCCD撮像素子19との間の光軸長よりも短くなるた
め、カバーガラス15の前方の所定距離にある被写体に
対して焦点があった状態で前記通常倍率よりも大きな高
倍率となり、CCD撮像素子19において拡大した状態
での撮像が可能となる。
【0016】なお、第1及び第2のスプリング22,2
3への通電を停止すれば、これらのスプリング22,2
3での発熱が停止され、自然冷却によって各スプリング
22,23の温度が低下されるため、その温度が前記変
態温度よりも低くなると再び第1及び第2の各スプリン
グ22,23のバネ係数が第3のスプリング24のバネ
係数よりも小さくなるため、図3の状態に復帰され、通
常倍率での観察及び撮像が可能となる。
【0017】なお、本発明者が実際に作製した対物光学
系における前記第1ないし第3のスプリングの仕様を表
1に示す。なお、ここで変態温度は55〜65℃、また
第1及び第2のスプリングに通流する電流は3A程度と
する。
【0018】
【表1】
【0019】このように、この実施形態の対物光学系で
は、第1及び第2の各スプリング22,23に対しての
通電をオン、オフするだけで対物光学系における撮像の
倍率を通常倍率と拡大倍率に変化することが可能であ
る。そして、この変倍を実現するためには、対物光学系
内に第1ないし第3のスプリング22〜24を内装し、
第1及び第2のスプリング22,23に対して通電用の
配線コードを接続する構造とすればよいため、対物光学
系を構成する部品点数が少なく、しかも構造が簡易で小
型に構成することが可能となる。また、カム環やカム等
の摺動部品が不要となるため、全体として摺動部分が少
なくなり、磨耗粉による汚れが生じ難く、メインテナン
スの面で有利となる。さらに、ワイヤ機構で必要とれて
いるワイヤが不要であるため、ワイヤの曲げによる変倍
不良が生じることもなく、変倍を安定に保持し、対物光
学系の信頼性が向上される。
【0020】ここで、前記実施形態では、第1及び第2
の各スプリング22,23を形状記憶合金で構成してい
るが、第3のスプリング24を形状記憶合金で構成し、
第1及び第2のスプリング22,23は通常のバネ材料
で形成することも可能である。この場合には、常温では
第3のスプリング24のバネ係数が第1及び第2のスプ
リング22,23のバネ係数よりも小さくなるために対
物レンズ17とCCD撮像素子19との間隔が小さくな
り、第3のスプリング24を加熱してバネ係数を大きく
したときには、第1及び第2の各スプリング22,23
をたわめて対物レンズ17とCCD撮像素子19との間
隔を拡大させる構成となり、したがって、前記第1ない
し第3の各スプリング22〜24はいわゆる圧縮スプリ
ングとして構成されることになる。さらに、本発明で
は、第1ないし第3のスプリングの各バネ係数の関係が
満たされれば、これらスプリングの全てを形状記憶合金
で構成してもよい。
【0021】また、前記実施形態では、第1ないし第3
のスプリング22〜24により対物レンズ17とCCD
撮像素子19を光軸方向に挟持する構成例を示している
が、対物レンズ17とCCD撮像素子19の一方のみ、
例えば対物レンズ17のみを一対のスプリングにより光
軸方向に挟持し、光学筒内に固定支持されたCCD撮像
素子に対して対物レンズを光軸移動させるように構成し
てもよい。この場合には、一対のスプリングの一方を形
状記憶合金で構成すればよい。
【0022】なお、本発明の構成要素であるスプリング
を構成するための形状記憶合金は、必ずしも金属製でな
くともよく、形状記憶樹脂によって構成することも可能
である。ただし、この場合には形状記憶樹脂を加熱する
ためのヒータを各形状記憶樹脂で形成されたスプリング
に沿って配設し、このヒータに対して配線コードでの通
電を行うようにすればよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、内視鏡の
対物光学系の光学筒内に内装された対物レンズと撮像素
子の少なくとも一方が光軸方向に対向配置した少なくと
も2つのスプリングによって挟持され、かつこれら2つ
のスプリングのうち一方のスプリングが温度変化に伴っ
てバネ係数が変化される材料で形成され、かつこの一方
のスプリングの温度を変化させる手段を備えることによ
り、一方のスプリングを温度制御してそのバネ係数を変
化させることにより、他方のスプリングとのバネ係数の
大小関係を反転させることが可能となり、これら一対の
スプリングで光軸方向に挟持されている対物レンズと撮
像素子の少なくとも一方を光軸方向に移動させ、対物レ
ンズと撮像素子との光軸方向の距離を変化させ、対物レ
ンズによる撮像素子での撮像倍率を変化させることが可
能となる。このため、従来のワイヤ機構に比較して構成
部品点数が削減でき、構造の簡易化を図るとともに、小
型化が実現できる。また、摺動部分が少なくなるために
磨耗粉による汚れや、ワイヤの曲げによる変倍不良が生
じることもなく、メインテナンスフリーで高信頼度の拡
大内視鏡を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される拡大内視鏡の全体構成を示
す図である。
【図2】本発明にかかる対物光学系の部分分解斜視図で
ある。
【図3】本発明にかかる対物光学系の通常観察状態での
断面図である。
【図4】本発明にかかる対物光学系の拡大観察状態での
断面図である。
【図5】従来の拡大内視鏡の対物光学系の一例の断面図
である。
【符号の説明】
1 操作部 2 挿入部 3 対物光学系 4 光源部 5 ライトガイド 11 光学筒 12 先端外筒 13 先端内筒 15 カバーガラス 16 レンズ保持筒 17 対物レンズ 18 CCD保持筒 19 CCD撮像素子 20 信号ケーブル 22 第1のスプリング 23 第2のスプリング 24 第3のスプリング

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内視鏡の対物光学系の光学筒内に内装さ
    れた対物レンズと撮像素子とを備え、前記対物レンズと
    撮像素子の少なくとも一方を光軸方向に移動して撮像倍
    率を変化可能に構成した拡大内視鏡において、前記対物
    レンズと撮像素子の少なくとも一方は、光軸方向に対向
    配置した少なくとも2つのスプリングによって挟持され
    るとともに、前記少なくとも2つのスプリングのうち一
    方のスプリングが温度変化に伴ってバネ係数が変化され
    る材料で形成され、かつ前記一方のスプリングの温度を
    変化させる手段を備えることを特徴とする拡大内視鏡。
  2. 【請求項2】 前記対物レンズと前記撮像素子がぞれぞ
    れ光軸方向に移動可能に配置され、前記対物レンズと前
    記光学筒の先端側部位との間に第1のスプリングが介挿
    され、前記撮像素子と前記光学筒の後端側部位との間に
    第2のスプリングが介挿され、前記対物レンズと前記撮
    像素子との間に第3のスプリングが介挿され、前記第1
    及び第2のスプリングがそれぞれ前記温度変化に伴って
    バネ係数が変化される材料で形成される請求項1に記載
    の拡大内視鏡。
  3. 【請求項3】 前記温度変化に伴ってバネ係数が変化さ
    れる材料が形状記憶合金で構成され、前記スプリングの
    温度を変化させる手段は前記形状記憶合金に電流を通流
    する配線構造として構成され、前記形状記憶合金に通電
    したときの自己発熱を利用して前記スプリングの温度を
    上昇させる構成とされる請求項1または2に記載の拡大
    内視鏡。
  4. 【請求項4】 前記温度変化に伴ってバネ係数が変化さ
    れる材料は、一の温度におけるバネ係数が前記他のスプ
    リングの前記一の温度におけるバネ係数よりも小さく、
    前記一の温度と異なる他の温度におけるバネ係数が前記
    他のスプリングの前記一の温度におけるバネ係数よりも
    大きくなる材料で構成される請求項1または3に記載の
    拡大内視鏡。
  5. 【請求項5】 前記温度変化に伴ってバネ係数が変化さ
    れる材料は、変態温度以下でのバネ係数が前記他のスプ
    リングの前記変態温度以下でのバネ係数よりも小さく、
    前記変態温度より高い温度におけるバネ係数が前記他の
    スプリングの前記変態温度より高い温度におけるバネ係
    数よりも大きくなる形状記憶合金で構成される請求項3
    に記載の拡大内視鏡。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2のスプリングを構成す
    る形状記憶合金は、所定の温度よりも低い温度における
    バネ係数が前記第3のスプリングのバネ係数よりも小さ
    く、前記所定の温度よりも高い温度におけるバネ係数が
    前記第3のスプリングのバネ係数よりも大きくなる材料
    で構成される請求項2または3に記載の拡大内視鏡。
JP9339620A 1997-12-10 1997-12-10 拡大内視鏡 Pending JPH11169336A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9339620A JPH11169336A (ja) 1997-12-10 1997-12-10 拡大内視鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9339620A JPH11169336A (ja) 1997-12-10 1997-12-10 拡大内視鏡

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11169336A true JPH11169336A (ja) 1999-06-29

Family

ID=18329227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9339620A Pending JPH11169336A (ja) 1997-12-10 1997-12-10 拡大内視鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11169336A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002301015A (ja) * 2001-04-05 2002-10-15 Asahi Optical Co Ltd 拡大観察用電子内視鏡
JP2006017821A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Nidec Copal Corp レンズ駆動装置
JP2008023275A (ja) * 2005-10-31 2008-02-07 Olympus Corp 内視鏡装置
JP2008022939A (ja) * 2006-07-19 2008-02-07 Olympus Corp 内視鏡
JP2008079881A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Pentax Corp 電子内視鏡の先端光学ユニット
JP2009022589A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Olympus Medical Systems Corp 撮像装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002301015A (ja) * 2001-04-05 2002-10-15 Asahi Optical Co Ltd 拡大観察用電子内視鏡
JP2006017821A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Nidec Copal Corp レンズ駆動装置
JP4679083B2 (ja) * 2004-06-30 2011-04-27 日本電産コパル株式会社 レンズ駆動装置
JP2008023275A (ja) * 2005-10-31 2008-02-07 Olympus Corp 内視鏡装置
JP2008022939A (ja) * 2006-07-19 2008-02-07 Olympus Corp 内視鏡
US8075479B2 (en) 2006-07-19 2011-12-13 Olympus Corporation Endoscope
JP2008079881A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Pentax Corp 電子内視鏡の先端光学ユニット
JP2009022589A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Olympus Medical Systems Corp 撮像装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5194622B2 (ja) 駆動機構、駆動装置およびレンズ駆動装置
US8073320B2 (en) Shape memory alloy actuation apparatus
JP5289870B2 (ja) 内視鏡用撮像ユニット
US8282004B2 (en) Focusing apparatus and terminal comprising variable focus lens assembly
US20080194914A1 (en) Actuator apparatus, image pickup apparatus and endoscopic apparatus
JP5114031B2 (ja) 内視鏡装置
US8228618B2 (en) Drive mechanism, drive device, and lens drive device
EP1914422A1 (en) Drive device, lens barrel, imaging device, lens drive method, and method of producing shape memory alloy
CN107205617B (zh) 硬度可变致动器
JPH04212135A (ja) 内視鏡用絞り装置
EP2415387B1 (en) Lens drive control apparatus, lens drive apparatus and endoscope system
JP5231137B2 (ja) 内視鏡
US11259690B2 (en) Variable stiffness apparatus
US20200037851A1 (en) Endoscope and stiffness varying method
JPH11169336A (ja) 拡大内視鏡
US6949999B2 (en) Apparatus for holding a stable condition at two positions and a lens apparatus
JP2005275270A (ja) レンズ鏡筒および撮像装置
JPH0574054B2 (ja)
US7896249B2 (en) Bar code reader or imager using controlled deformation of flexible optics
CN109975972B (zh) 驱动方法、驱动结构及其装配方法、马达以及摄像模组
JPS59202426A (ja) 内視鏡
JP2008020811A (ja) レンズ駆動機構およびそれを用いる撮像装置
JP5412590B2 (ja) 内視鏡用撮像ユニット
EP3969953B1 (en) Optical device with a shape memory alloy based actuator for a tunable lens
WO2016185562A1 (ja) 硬度可変アクチュエータ