JPH11168227A - 光起電力装置及びその製造方法 - Google Patents

光起電力装置及びその製造方法

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JPH11168227A
JPH11168227A JP9347268A JP34726897A JPH11168227A JP H11168227 A JPH11168227 A JP H11168227A JP 9347268 A JP9347268 A JP 9347268A JP 34726897 A JP34726897 A JP 34726897A JP H11168227 A JPH11168227 A JP H11168227A
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photovoltaic device
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light
iii
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Yoshihiko Iijima
喜彦 飯島
Hitoshi Kondo
均 近藤
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Ricoh Co Ltd
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い光電変換効率を有する光起電力装置を提
供する。また、光起電力装置が低コストで得られる製造
方法を提供する。 【解決手段】 I−III−VI2族化合物半導体から
なる光吸収層および光吸収層に接して光の入射側と反対
側に形成された導電層を有する光起電力装置において、
導電層を構成する材料の格子定数と、I−III−VI
2族化合物の格子定数との差が15%以内である光起電
力装置。I族およびIII族元素を含む層を少なくとも
VI族元素を含む雰囲気中で加熱することによって光吸
収層を形成する光起電力装置の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い光電変換効率
を有する光起電力装置及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】カルコパイライト構造を有するI−II
I−VI2族化合物半導体を光吸収層とする光起電力装
置は、光吸収層が薄膜であっても高い光電変換効率を示
し、また光照射による効率の劣化等が少ないことから実
用化が期待されている。上記光吸収層を形成する方法と
しては、I−III−VI2族化合物半導体を構成する
各元素を別々の蒸発源から同時に蒸発させて基板上で化
合物を得る多源同時蒸着法や、化合物を構成する金属の
積層膜あるいは混合膜をカルコゲン元素を含む雰囲気中
で加熱する気相セレン化(硫化)法などが知られてい
る。特に後者は大面積に大量に製造できるため量産に向
いた方法として注目されている。従来、光吸収層である
カルコパイライト構造を有するI−III−VI2族化
合物半導体は、上記方法などを用い金属薄膜上あるいは
金属基板上に形成されていた。この場合、形成されたI
−III−VI2族化合物半導体は、下地金属の影響を
受け配向性に問題を生じる等により、光吸収層と光吸収
層に接して該層より光の入射側に形成される半導体材料
層(バッファー層)との格子不整合により、光電変換効
率の低下を招くなどの不具合が生じていた。
【0003】これを解決するために、特開平4−199
880号公報には、カルコパイライト薄膜の下地に非晶
質導電基板または非晶質導電薄膜を用いることにより、
カルコパイライト薄膜の配向性を向上させることが開示
されている。また、特開平4−309238号公報に
は、導電性基板の表面をイオン打ち込み等の方法により
非晶質化し、その上にカルコパイライト薄膜を製膜する
ことにより、カルコパイライト薄膜の配向性を向上させ
ることが開示されている。しかしながら、これらの方法
では、下地として、非晶質材料を用いるため、格子のマ
ッチングが必ずしも良好でない、熱的安定性に劣る、経
時変化が生ずるなどにより、そのカルコパイライト薄膜
を用いた太陽電池などの光起電力装置では光電変換効率
が低下するなどの問題が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は
このような問題点を解決し、高い光電変換効率を有する
光起電力装置を提供することにある。また、本発明の課
題は高い光電変換効率を有する光起電力装置が低コスト
で得られる製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、I−III−VI2族化合物半導体からなる光吸収
層およびその光吸収層に接して光の入射側と反対側に形
成された導電層を有する光起電力装置において、該導電
層を構成する材料の格子定数と、I−III−VI2
化合物の格子定数との差が15%以内であることを特徴
とする光起電力装置が提供される。
【0006】第二に、上記第一に記載の光起電力装置に
おいて、導電層を構成する材料が一軸異方性を有してい
ることを特徴とする光起電力装置が提供される。
【0007】第三に、上記第一または第二に記載の光起
電力装置において、導電層のシート抵抗値が50Ω/□
以下であることを特徴とする光起電力装置が提供され
る。
【0008】第四に、上記第一乃至第三のいずれかに記
載の光起電力装置において、導電層が、光吸収層と接合
する中間層と、その中間層に接して光の入射側と反対側
に形成された低抵抗層とからなることを特徴とする光起
電力装置が提供される。
【0009】第五に、上記第一乃至第四のいずれかに記
載の光起電力装置において、光吸収層に接して光の入射
側に、該光吸収層よりバンドギャップの大きい半導体材
料層を有することを特徴とする光起電力装置が提供され
る。
【0010】第六に、上記第五に記載の光起電力装置に
おいて、半導体材料層が、光吸収層と接合する半導体層
と、その半導体層に接して光の入射側に形成された透明
電極層とからなることを特徴とする光起電力装置が提供
される。
【0011】第七に、上記第五または第六に記載の光起
電力装置において、光吸収層と接合する半導体材料層
が、少なくともZnS、ZnSe、ZnOおよびこれら
の混晶よりなる群より選択されたものを含有して構成さ
れていることを特徴とする光起電力装置が提供される。
【0012】第八に、I−III−VI2族化合物半導
体からなる光吸収層およびその光吸収層に接して光の入
射側と反対側に形成された導電層を有する光起電力装置
の製造方法において、I族およびIII族元素を含む層
を少なくともVI族元素を含む雰囲気中で加熱すること
によって、導電層を構成する材料の格子定数と、I−I
II−VI2族化合物の格子定数との差が15%以内で
ある光吸収層を形成することを特徴とする光起電力装置
の製造方法が提供される。
【0013】以下に本発明をさらに詳しく説明する。上
記第一に記載の光起電力装置は、I−III−VI2
化合物半導体からなる光吸収層およびその光吸収層に接
して光の入射側と反対側に形成された導電層を有する光
起電力装置において、導電層を構成する材料の格子定数
と、I−III−VI2族化合物の格子定数との差が1
5%以内であることを特徴とするものである。
【0014】導電層を構成する材料およびI−III−
VI2族化合物を選定し、それらの格子定数の差を15
%以内とすることによって、導電層上に形成されるI−
III−VI2族化合物薄膜をその最稠密面である(1
12)面に配向させることができる。これにより、I−
III−VI2族化合物半導体からなる光吸収層におけ
る結晶欠陥が少なくなり、光キャリアの拡散長が長くな
るため、高い光電変換効率が得られる。
【0015】一般に薄膜の結晶配向性は下地の影響を強
く受けることが知られており、I−III−VI2族化
合物薄膜を(112)面に配向させるためには、その下
地層がそれに近い結晶面で構成されることが望ましい。
従って、下地層は、正方晶系の材料の(112)配向
(但しこの場合a軸の長さ:c軸の長さ≒1:2の材料
を選択する)、立方晶系の材料の(111)配向、六方
晶系の材料の(001)配向、及び三方晶系の材料の
(111)配向とするのが好適である。
【0016】これらの面とI−III−VI2族化合物
の(112)面の格子定数(単位格子の軸の長さ)の差
が15%以内であると、配向性が良好なものとなる。格
子定数の差は、特に10%以下であることが望ましい。
また、このように光吸収層の下地層として格子のマッチ
ングの良好な結晶層を用いることにより、熱的安定性が
向上し、経時変化を防止することができ常に高い光電変
換効率が得られる。
【0017】I−III−VI2族化合物は構成元素と
して、I族としてCuおよびAg、III族としてI
n、GaおよびAl、VI族としてSおよびSeと、数
種類の元素が選択できるため、それによって格子定数も
異なるが、a軸の長さは概ね5.4Å〜5.8Åの範囲
に入る。この時(112)面の格子定数は、3.8Å〜
4.1Åである。
【0018】導電層を構成する材料としては、例えば
(001)配向のInN、及び(001)配向のIn
N,GaN,AlN等の混晶などが好ましく、これらの
うち、(001)面の格子定数とI−III−VI2
化合物の格子定数(単位格子の軸の長さ)との差が15
%以内であるものを選択すればよい。
【0019】上記第二に記載の光起電力装置は、導電層
を構成する材料が、一軸異方性を有していることを特徴
とするものである。導電層としてこのようなものを採用
することにより、上記第一に記載の光起電力装置におけ
る格子の整合がより良好に得られ、光吸収層の(11
2)面配向性が向上し、光吸収層における結晶欠陥がよ
り少なくなり、高い光電変換効率が得られる。
【0020】上記第三に記載の光起電力装置は、導電層
のシート抵抗値が50Ω/□以下であることを特徴とす
るものである。導電層としてこのようなものを採用する
ことにより、直列抵抗成分が減少するため光キャリアを
有効に収集できるので高い光電変換効率が得られる。
【0021】上記第四に記載の光起電力装置は、導電層
が、光吸収層と接合を形成する中間層と、その中間層に
接して光の入射側と反対側の低抵抗層より構成されるこ
とを特徴とするものである。上記中間層は、正方晶系の
材料の(112)配向、立方晶系の材料の(111)配
向、六方晶系の材料の(001)配向、及び三方晶系の
材料の(111)配向のいずれかの配向性を有し、さら
に、I−III−VI2族化合物の(112)面の格子
定数(単位格子の軸の長さ)との差が15%以内のもの
を選択し、いわゆるシード層としての役割を持たせるこ
とができる。また、上記低抵抗層としては、シート抵抗
値が50Ω/□以下であることが好ましい。このよう
に、導電層を、中間層/低抵抗層の積層構造にすること
により、それぞれの役割に最も適した材料が選択できる
ようになり、光吸収層の(112)面配向性も向上させ
ることができ、光キャリアを有効に収集できるので高い
光電変換効率が得られる。
【0022】上記第五に記載の光起電力装置は、さらに
光吸収層に接して該層より光入射側に、光吸収層よりバ
ンドギャップの大きい半導体材料層を設けた構成よりな
ることを特徴とするものである。このような半導体材料
層を設けることにより、いわゆる窓効果によって、ホモ
接合の場合に比べて短波長感度が向上し、高い光電変換
効率を得ることができる。
【0023】上記第六に記載の光起電力装置は、光吸収
層よりバンドギャップの大きい半導体材料層が、光吸収
層と接合する半導体層と、その半導体層に接して光の入
射側に形成された透明電極層とから構成されることを特
徴とするものである。これにより、理想的な接合界面の
形成と表面再結合の抑止が可能となり、光吸収層とそれ
に接する層の接合特性が良好なものとなり、高い光電変
換効率を得ることができる。
【0024】上記第七に記載の光起電力装置は、光吸収
層と接合する半導体材料層が、少なくともZnS、Zn
Se、ZnOおよびこれらの混晶よりなる群より選択さ
れたものを含有して構成されていることを特徴とするも
のである。上記材料は、いずれもバンドギャップが2.
6eV以上と大きいため、大きな窓効果が期待でき、ま
た適当な混晶比を選択することによって、I−III−
VI2族化合物半導体との格子不整合を小さくすること
ができるため、良好な接合特性が得られる。さらには、
従来用いられてきたCdSにおけるCdのような有害な
物質を含まない点でも望ましい。
【0025】上記第八に記載の光起電力装置の製造方法
は、I族およびIII族元素を含む層を少なくともVI
族元素を含む雰囲気中で加熱することによって光吸収層
を形成することを特徴とするものである。光吸収層をこ
のようにして形成することにより、基板(導電層)との
密着性、結晶性および導電率制御性を確保し、大面積を
有する光吸収層を大量に製造することが可能となり、光
起電力装置の製造コストを低減することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて以下に説明する。図1は本発明の光起電力装置の一
例を模式的に示す断面図であり、基板1、導電層2、I
−III−VI2族化合物半導体からなる光吸収層3、
光吸収層3と逆の伝導型である半導体層4および透明電
極層5から構成されている。図2は本発明の光起電力装
置の他の例を模式的に示す断面図であり、基板1、低抵
抗層21、中間層(シード層)22、I−III−VI
2族化合物半導体からなる光吸収層3、光吸収層3と逆
の伝導型である半導体層4および透明電極層5から構成
されている。基板1および導電層2は、導電層を設けた
基板でも、また導電性を備えた基板でもよい。
【0027】導電層2または中間層22は、I−III
−VI2族化合物の(112)面の格子定数(単位格子
の軸の長さ)との差が15%以内、望ましくは10%以
内となる材料(の配向した特定面)を選択し、例えば、
スパッタリング法、MOCVD法などにより、InN、
In23、高濃度にドープしたSiおよびSi−Ge混
晶等を膜厚10〜500nmに堆積して形成する。この
際、InNのような六方晶系の材料は(001)面が、
In23およびSiのような立方晶系の材料は(11
1)面が基板と平行に配向していることが望ましい。
【0028】このような薄膜の配向性は製膜条件によっ
て制御することができる。例えば、反応性スパッタリン
グ法によりInN薄膜を形成する場合には、ターゲット
に印加するRF電力を小さくし、窒素ガス圧を小さくす
ることによって、基板加熱なしでも完全な(001)面
配向が得られる。InNは酸化物系の材料に比べて熱的
安定性も高いため導電層2または中間層22の材料とし
て非常に好適である。また、導電層2のシート抵抗値は
50Ω/□以下が望ましく、10Ω/□以下がより好ま
しい。
【0029】これにより光キャリアを有効に収集できる
ので高い光電変換効率が得られる。ここで、シート抵抗
値は、電気抵抗率と膜厚の関係で変化するが、材料のコ
ストおよび残留応力等を考慮すると、導電層の膜厚は1
0μm以内程度にすることが望ましい。これより導電層
材料の電気抵抗率としては、5×10-2Ωcm以下が好
ましく、特に1×10-2Ωcm以下が好ましい。
【0030】導電層を低抵抗層21と中間層(シード
層)22の積層構造とする場合は、中間層のシート抵抗
値(中間層材料の電気抵抗率)に関してはこの限りでな
い。低抵抗層21および中間層(シード層)22を形成
するには、例えば、スパッタリング法、反応性スパッタ
リング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、MO
CVD法などを用いればよい。
【0031】続いて、導電層または中間層上にI−II
I−VI2族化合物半導体からなる光吸収層3を、多源
同時蒸着法、常圧または減圧気相硫化(セレン化)法な
どにより形成する。多源同時蒸着法は、I族、III
族、VI族元素を別々の蒸発源から同時に蒸発させて、
上方に設置された基板(300〜500℃に加熱)上で
所望の組成の化合物を得る方法である。この場合、各元
素の蒸発速度を厳密にコントロールする必要がある。
【0032】気相硫化(セレン化)法は、I族およびI
II族元素からなる積層膜あるいは混合膜を真空蒸着
法、スパッタリング法などで基板上に形成した後、Sあ
るいはSeを含む雰囲気、例えば不活性ガスで希釈した
2SあるいはH2Seガス中(常圧あるいは減圧)で4
00〜600℃に加熱して化合物を得る方法であり、こ
の方法は光吸収層の大面積化、量産化が容易である点か
ら好ましい。I−III−VI2族化合物半導体からな
る光吸収層3の膜厚としては、0.5〜5μmが適切で
ある。このI−III−VI2化合物半導体を構成する
元素は、I族元素としてCu、Ag、III族元素とし
てIn、Ga、Al、VI族元素としてSe、Sから各
々1種類以上を選択することが適切である。
【0033】I−III−VI2族化合物半導体からな
る光吸収層に接して該層より光入射側に設けられる半導
体材料層(光吸収層と逆の伝導型である半導体材料層)
の材料としてはI−III−VI2族化合物半導体と同
一の化合物半導体を用いること(ホモ接合)もできる
が、それよりバンドギャップの大きい半導体を用いるこ
とが、窓効果によって短波長領域の光をより多く光吸収
層に取り込むことができる点、すなわち短波長感度を向
上させる点から望ましい。さらには、半導体材料層を半
導体層(光吸収層と逆の伝導型である半導体層)4とそ
の上の透明電極層(例えば縮退したn型半導体層)5の
積層として形成することが、接合特性を良好とする点か
ら望ましい。
【0034】半導体層4は、例えば溶液成長法、MOC
VD法等により、ZnSe、ZnS、ZnOまたはこれ
らの混晶を膜厚10〜200nmに堆積して形成し、透
明電極層5は、例えばスパッタリング法、イオンプレー
ティング法、真空蒸着法、MOCVD法等によりIT
O、ZnO:Al等を膜厚0.1〜2μmに堆積して形
成することができる。
【0035】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。 実施例1 ガラス基板上にMoをスパッタリング法により堆積し膜
厚lμmの低抵抗層を形成した。この低抵抗層上にIn
N膜を反応性スパッタリング法により堆積し膜厚100
nmの中間層(シード層)を形成した。この反応性スパ
ッタリング時の窒素ガス圧を0.3Paとし、RF電力
を200Wとした。この中間層(シード層)はX線回折
の測定結果から完全な(001)面配向を示した。
【0036】ついで、CuターゲットとInターゲット
を用いて、スパッタリング法により中間層(シード層)
上にCu/Inの積層膜を堆積し、これをArで希釈し
たH2Sガス中で500℃に加熱することにより、膜厚
2μmのp型I−III−VI2族化合物半導体(Cu
InS2)からなる光吸収層を形成した。上記CuIn
2からなる光吸収層は、X線回折の結果、(112)
面に優先配向していたが、それ以外の面からの回折線も
観測された。2番目に強度の大きかった(204)面か
らの回折線との強度比は、36.0で極めて強く配向し
ていることがわかった。ここで、各材料の配向面の単位
軸の長さはCuInS2が3.91Å、InNが3.5
4Åであり、CuInS2とInNの差は約10%であ
る。
【0037】次に、p型I−III−VI2族化合物半
導体(CuInS2)からなる光吸収層上に、n型半導
体層として、膜厚100nmのZnO−ZnS混晶膜を
MOCVD法を用いて堆積した。続いて、透明電極層と
して膜厚500nmのITO膜をスパッタリング法を用
いて堆積し光起電力装置を得た。この光起電力装置の光
電変換効率は、11.7%であった。
【0038】比較例1 中間層として膜厚100nmのZnOを形成した以外は
実施例1と同様にしてp型I−III−VI2族化合物
半導体(CuInS2)からなる光吸収層を形成した。
上記CuInS2からなる光吸収層は、X線回折の結
果、(112)面に優先配向していたが、それ以外の面
からの回折線も観測された。2番目に強度の大きかった
(204)面からの回折線との強度比は、5.5であり
実施例1と比べて遥かに小さく、配向が弱いことがわか
った。ここで、各材料の配向面の単位軸の長さはCuI
nS2が3.91Å、ZnOが3.25Åであり、Cu
InS2とZnOの差は約17%である。
【0039】次に、p型I−III−VI2族化合物半
導体(CuInS2)からなる光吸収層上に、n型半導
体層として、膜厚100nmのZnO−ZnS混晶膜を
MOCVD法を用いて堆積した。続いて、透明電極層と
して膜厚500nmのITO膜をスパッタリング法を用
いて堆積し光起電力装置を得た。この光起電力装置の光
電変換効率は、9.5%であり、実施例1の光起電力装
置の光電変換効率に比べて、約20%劣っていた。
【0040】比較例2 中間層として(001)面配向していない(他の面から
の回折線も観測される)InN膜(膜厚100nm)を
形成した以外は実施例1と同様にしてp型I−III−
VI2族化合物半導体(CuInS2)からなる光吸収層
を形成した。上記CuInS2からなる光吸収層は、X
線回折の結果、(112)面に優先配向していたが、
(204)面からの回折線との強度比は、6.5であり
実施例1と比べて遥かに小さく、配向が弱いことがわか
った。
【0041】次に、p型I−III−VI2族化合物半
導体(CuInS2)からなる光吸収層上に、n型半導
体層として、膜厚100nmのZnO−ZnS混晶膜を
MOCVD法を用いて堆積した。続いて、透明電極層と
して膜厚500nmのITO膜をスパッタリング法を用
いて堆積し光起電力装置を得た。この光起電力装置の光
電変換効率は、10.5%であった。
【0042】比較例3 中間層(InN)を堆積しない以外は、実施例1と同様
にしてp型I−III−VI2族化合物半導体(CuI
nS2)からなる光吸収層を形成した。次に、p型I−
III−VI2族化合物半導体(CuInS2)からなる
光吸収層上に、n型半導体層として、膜厚100nmの
ZnO−ZnS混晶膜をMOCVD法を用いて堆積し
た。続いて、透明電極層として膜厚500nmのITO
膜をスパッタリング法を用いて堆積し光起電力装置を得
た。この光起電力装置の光電変換効率は、8.8%であ
った。
【0043】
【発明の効果】請求項1および2の光起電力装置によれ
ば、I−III−VI2族化合物の配向性が高くなり、
光吸収層における結晶欠陥が少なくなることにより光キ
ャリアの拡散長が長くなるため、高い光電変換効率が得
られる。請求項3および4の光起電力装置によれば、光
キャリアを有効に収集できるため、高い光電変換効率が
得られる。請求項5の光起電力装置によれば、短波長感
度が向上し、高い光電変換効率が得られる。
【0044】請求項6の光起電力装置によれば、光吸収
層とそれに接する層の接合特性が良好となるので、高い
光電変換効率が得られる。請求項7の光起電力装置によ
れば、高い光電変換効率が得られると共に有害物質を含
まないため、安全性の高い光起電力装置が得られる。請
求項8の光起電力装置の製造方法によれば、大面積を有
する光吸収層を大量に製造することが可能となり、光起
電力装置の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光起電力装置の一例を模式的に示す断
面図である。
【図2】本発明の光起電力装置の他の例を模式的に示す
断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 導電層 21 低抵抗層 22 中間層(シード層) 3 I−III−VI2族化合物半導体からなる光吸
収層 4 半導体層 5 透明電極層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 I−III−VI2族化合物半導体から
    なる光吸収層およびその光吸収層に接して光の入射側と
    反対側に形成された導電層を有する光起電力装置におい
    て、該導電層を構成する材料の格子定数と、I−III
    −VI2族化合物の格子定数との差が15%以内である
    ことを特徴とする光起電力装置。
  2. 【請求項2】 導電層を構成する材料が一軸異方性を有
    していることを特徴とする請求項1記載の光起電力装
    置。
  3. 【請求項3】 導電層のシート抵抗値が50Ω/□以下
    であることを特徴とする請求項1または2記載の光起電
    力装置。
  4. 【請求項4】 導電層が、光吸収層と接合する中間層
    と、その中間層に接して光の入射側と反対側に形成され
    た低抵抗層とからなることを特徴とする請求項1、2ま
    たは3記載の光起電力装置。
  5. 【請求項5】 光吸収層に接して光の入射側に、該光吸
    収層よりバンドギャップの大きい半導体材料層を有する
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の光起
    電力装置。
  6. 【請求項6】 半導体材料層が、光吸収層と接合する半
    導体層と、その半導体層に接して光の入射側に形成され
    た透明電極層とからなることを特徴とする請求項5記載
    の光起電力装置。
  7. 【請求項7】 光吸収層と接合する半導体材料層が、少
    なくともZnS、ZnSe、ZnOおよびこれらの混晶
    よりなる群より選択されたものを含有して構成されてい
    ることを特徴とする請求項5または6記載の光起電力装
    置。
  8. 【請求項8】 I−III−VI2族化合物半導体から
    なる光吸収層およびその光吸収層に接して光の入射側と
    反対側に形成された導電層を有する光起電力装置の製造
    方法において、I族およびIII族元素を含む層を少な
    くともVI族元素を含む雰囲気中で加熱することによっ
    て、導電層を構成する材料の格子定数と、I−III−
    VI2族化合物の格子定数との差が15%以内である光
    吸収層を形成することを特徴とする光起電力装置の製造
    方法。
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