JPH11167226A - 電子写真用トナー及びその製造方法 - Google Patents

電子写真用トナー及びその製造方法

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JPH11167226A
JPH11167226A JP33191097A JP33191097A JPH11167226A JP H11167226 A JPH11167226 A JP H11167226A JP 33191097 A JP33191097 A JP 33191097A JP 33191097 A JP33191097 A JP 33191097A JP H11167226 A JPH11167226 A JP H11167226A
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JP
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toner
image
thickness
average
range
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JP33191097A
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English (en)
Inventor
Katsuji Ko
勝治 胡
Takahiro Kashiwakawa
貴弘 柏川
Norio Saruwatari
紀男 猿渡
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銀塩写真並みに画質が良好なカラー印刷画像
を提供することのできる電子写真用トナーを提供するこ
と。 【解決手段】 バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真
用トナーにおいて、そのトナーが、平均直径(dav)が
5〜10μmの範囲、平均厚さ(wav)が0.5〜3μ
mの範囲、そして厚さ/直径比(wav/dav)が0.1
〜0.4の範囲にある平板状微粉体からなり、かつ、カ
ラー印刷時、1g/m2のトナー付着量で記録媒体上に付
着させ、定着した時のそれぞれの色の定着トナー像のス
テータスA濃度が少なくとも1.2であるように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用トナー及
びその製造方法に関し、さらに詳しく述べると、銀塩写
真並みに優れた画質を有している印刷画像を提供するこ
とができる電子写真用カラートナー及びその製造方法に
関する。本発明の電子写真用トナーは、電子写真方式を
利用していて2色以上を同時に印刷できるカラーイメー
ジング装置、例えば電子写真複写機、電子写真プリン
タ、静電印刷機などの各種の装置において現像剤として
有利に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタ、印刷機などで
広く普及している電子写真法は、一般的には、例えば感
光体ドラムなどのような光導電性絶縁体上に一様な静電
荷を与え、様々な手段によって前記光導電性絶縁体に光
像を照射することによってその絶縁体上の静電荷を部分
的に消去して静電潜像を形成し、その静電荷の残った潜
像部分にトナーと呼ばれる現像剤の微粉体を付着させ、
潜像を可視化するものである。このようにして得られる
トナー像は、印刷物となすため、一般的に、記録紙など
の記録媒体に転写し、そして定着せしめられる。
【0003】電子写真法において従来より用いられてい
るトナーは、一般に、天然もしくは合成の高分子物質よ
りなるバインダ樹脂に着色剤、帯電制御剤などを分散さ
せた後、得られた分散体を粉砕、分級して8〜12μm
程度の平均粒径を有する球形微粉体となしたものであ
る。トナーの微粉体は、通常、鉄粉、フェライト粉など
の担体物質(キャリア)に混合して現像剤となした後、
現像工程に供される。
【0004】ところで、このような従来のトナーを用い
て印刷を行った場合、トナー微粉体の形状が球形である
ため、通常のカラー印刷のように、色の異なるトナーを
順次重ね合わせて印刷を行った場合、定着後のトナーの
層厚が20μm程度と厚くなり、銀塩写真のような、画
像表面が平滑で高画質のプリントを得ることができな
い。
【0005】また、定着後のトナーの層厚を薄くするた
め、偏平な形状を有するトナーを使用することが、特開
平5−127420号公報において開示されている。こ
の公報に記載の電子写真用トナーは、トナー粒子が直径
5〜10μmの偏平な粒子であることを特徴とし、ま
た、好ましくは、トナー粒子の厚みが0.1μm以上で
ある。このような偏平なトナーを使用すると、画像の鮮
明度が向上せしめられるとともに、地汚れなどの不都合
を回避することができるという効果が得られる。しか
し、この公報に記載のトナーでは、特にモノクロ印刷が
目的であるので、カラー印刷における画質の面までも認
識しておらず、実際、この公報に記載のような従来のト
ナーの組成では、トナーの層厚が薄くなるとともに色の
濃度も低くなり、所望とする程度に鮮やかなカラー画像
を得ることができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、した
がって、特にカラー印刷において使用した時に、銀塩写
真並みに画質が良好な印刷画像を提供することのできる
電子写真用トナーを提供することにある。本発明のもう
1つの目的は、本発明によって提供されるような電子写
真用トナーの製造方法を提供することにある。
【0007】本発明のその他の目的は、以下の詳細な説
明から容易に理解することができるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、その1つの面
において、バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真用ト
ナーであって、前記トナーが、平均直径(dav)が5〜
10μmの範囲、平均厚さ(wav)が0.5〜3μmの
範囲、そして厚さ/直径比(wav/dav)が0.1〜
0.4の範囲にある平板状微粉体からなり、かつカラー
印刷時、1g/m2のトナー付着量で記録媒体上に付着さ
せ、定着した時のそれぞれの色の定着トナー像のステー
タスA濃度が少なくとも1.2であることを特徴とする
電子写真用トナーを提供する。
【0009】本発明は、そのもう1つの面において、バ
インダ樹脂及び着色剤を含む電子写真用トナーであっ
て、平均直径(dav)が5〜10μmの範囲、平均厚さ
(wav)が0.5〜3μmの範囲、そして厚さ/直径比
(wav/dav)が0.1〜0.4の範囲にある平板状微
粉体からなり、かつ、カラー印刷時、1g/m2のトナー
付着量で記録媒体上に付着させ、定着した時のそれぞれ
の色の定着トナー像のステータスA濃度が少なくとも
1.2である電子写真用トナーを製造するに当たって、
前記バインダ樹脂及び着色剤を含むトナー原料から球状
のトナー素粒子を調製し、そして得られたトナー素粒子
及び2mm以下の粒径を有するビーズを含む分散液を回転
円板に高速で衝突させて、前記トナー素粒子を粉砕する
と同時に前記平板状トナー微粉体を得ることを特徴とす
る電子写真用トナーの製造方法を提供する。
【0010】本発明は、以下に説明するように、電子写
真用トナーを特定の形状及びサイズを有する微粉体から
構成し、よって、用紙等の記録媒体上の定着トナー層の
層厚を従来の20μm程度から5μm以下に薄くすると
ともに、そのような薄い層厚の状態で高い画像濃度(少
なくとも1.2のステータスA濃度)を実現することに
より、平滑な印刷画像を可能とし、銀塩写真並みの高画
質を実現するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明による電子写真用トナーで
は、特定の形状及びサイズを有する微粉体を使用する点
に第1の特徴がある。すなわち、本発明のトナーは、平
均直径(dav)が5〜10μmの範囲、平均厚さ
(wav)が0.5〜3μmの範囲、そして厚さ/直径比
(wav/dav)が0.1〜0.4の範囲にある平板状微
粉体から構成される。実際、このような電子写真用トナ
ーを使用すると、記録用紙等の上で色の異なるトナーを
重ね合わせた場合でも、トナー層厚が最高でも5μm、
通常1〜3μmと顕著に薄くなるため、トナー像を定着
した後でも画像の厚みが厚くならず、したがって、平滑
な印刷画像を得ることができる。
【0012】定着トナー層厚を薄くするため、本発明の
ように平板状微粉体の形状をとらずに、球形トナーでト
ナー粒径を2〜3μm程度に小さくすることも考えられ
る。しかし、このような微細な球形トナーでは、トナー
を吸い込んだ場合に塵肺等の疾病を患うおそれがあり、
安全衛生上好ましくない。これに対して、本発明では、
トナー層厚だけを最高でも5μm、通常1〜3μmと薄
くし、トナーの粒径は5μm以上とすることにより、す
なわち、平板状トナーを採用することにより、安全衛生
上の問題を引き起こすことなく、定着トナー層厚の薄膜
化を実現することができる。
【0013】ここで、本発明の平板状トナーの粒径は、
5μm以上であれば特に限定されないというものでもな
い。このような平板状あるいは偏平なトナーであって
も、その粒径が10μmを上回ると、現像性が低下し、
忠実な現像ができなくなり、解像性が低下する。また、
トナー粒径が5μmを下回ると、先にも説明したよう
に、安全衛生上好ましくない。したがって、本発明のト
ナーにおいて、その微粉体の粒径(トナー微粉体の平均
直径)は、好ましくは、5〜10μmの範囲である。
【0014】また、トナー微粉体の平均厚さは、0.5
〜3μmの範囲であるのが好ましい。この平均厚さが
0.5μmを下回ると、トナーが破砕され易くなり、微
粉トナーが発生し、トナーの飛散やそれによるカブリの
発生(白紙上の、トナーによる地汚れ)が増加する。反
対に、トナー微粉体の平均厚さが3μmを上回ると、現
像時にトナーが層状に現像されにくくなり、トナーの薄
層現像が不可能となくなる。トナー微粉体の平均厚さ
は、さらに好ましくは、0.5〜3μmの範囲である。
【0015】さらに、トナー微粉体の平均厚さと平均直
径の比、すなわち、wav/davは、好ましくは0.1〜
0.4の範囲である。この厚さ/直径比が0.1を下回
ると、トナーが破砕され易くなり、微粉トナーが発生
し、トナーの飛散やそれによるカブリの発生(上記した
ように、トナーによる地汚れ)が増加する。反対に、ト
ナー微粉体の厚さ/直径比が0.4を上回ると、現像時
にトナーが層状に現像されにくくなり、薄層現像が困難
になる。
【0016】本発明の電子写真用トナーでは、上記した
ように特定の形状及びサイズを有する微粉体を使用する
という第1の特徴に加えて、薄いトナー層厚の状態でも
発色濃度が高いこと、すなわち、ステータスA濃度が少
なくとも1.2であることに第2の特徴がある。さらに
詳しく述べると、本発明のトナーでは、カラー印刷時、
1g/m2のトナー付着量で記録媒体上に付着させ、定着
した時のそれぞれの色の定着トナー像のステータスA濃
度が少なくとも1.2であることが必要である。これ
は、トナーを1〜3μm程度に薄層現像した場合、記録
媒体上のトナー付着量は、従来のそれ(5〜10m2
g)に比較して、約1/5〜1/10に減少し、従来の
トナー組成では、各色のステータスA濃度が低くなり、
高画質が実現できないという本発明者らの知見から、導
かれたものである。
【0017】本発明では、上記した第1及び第2の特徴
を満足させたことにより、平滑な印刷画像において銀塩
写真並みの高画質を実現することができる。さらにま
た、本発明の電子写真用トナーでは、トナーの体積分布
が重要である。もしもトナーの体積分布が広すぎると、
それぞれのトナーにおいて帯電性が異なることになり、
安定な現像ができなくなる。本発明のトナー、すなわ
ち、前記平板状トナー微粉体においては、したがって、
その少なくとも80%が、次式(I)の条件を満たすこ
とが好ましい。
【0018】 0.5dav 2 ・wav < d2 ・w < 2dav 2 ・wav …(I) 上式において、dav及びwavはそれぞれ前記定義に同じ
であり、dはトナーの長径であり、そしてwはトナーの
厚みである。ここで、d2 ・wの値が0.5d av 2 ・w
avの値に等しいかもしくはそれを下回るようになると、
カブリが発生しやすくなり、また、反対に2dav 2 ・w
avの値に等しいかもしくはそれを上回るようになると、
印字の解像性が低下する。
【0019】本発明の電子写真用平板状トナーでは、ま
た、発色性が高いことが要求されるので、それに含まれ
る着色剤が顔料であり、そしてその顔料濃度、すなわ
ち、トナー中の顔料の含有量が10〜30重量%の高い
範囲にあることが好ましい。ところで、従来通りに顔料
をトナー中に分散させた場合、本発明におけるように高
い顔料濃度を採用したのでは、その高い顔料濃度に原因
してトナーの透過性が低くなり、カラー印刷のために2
色以上のトナーを重ね合わせた場合、鮮やかな画像を実
現できなくなる。そこで、本発明のトナーにおいては、
使用する顔料において、0.5μm以上の粒径を有する
顔料粒子が顔料全体の10重量%以下であるように調整
を行うことが好ましい。このように、所定レベル以上の
粒径を有する顔料粒子を所定の含有量以下に抑えること
によって、高い顔料濃度でも高い透過性を得ることがで
きる。
【0020】上記のような効果は、黒色トナーにおいて
も、すなわち、着色剤としてカーボンあるいはそれに類
する黒色顔料を使用する場合においても、同様に得るこ
とができるということが判明した。このような場合に
は、トナー中のカーボンの含有量が10〜40重量%の
範囲であり、そして、このカーボンにおいて、0.5μ
m以上の粒径を有するカーボン粒子がカーボン全体の1
0重量%以下であるように調整することが好ましい。
【0021】本発明者らは、さらに、薄層現像の状態に
おいて、得られる定着トナー像において平滑な表面を提
供するためには、150℃におけるトナーの粘弾性が大
きく影響しているという知見を得、150℃における貯
蔵弾性率を500〜50000 dyn/cm2の範囲に調整
し、かつ損失弾性率を1000〜100000 dyn/cm2
の範囲に調整することにより、平滑な銀塩写真並みの画
像を実現できるということを見い出した。ここで、15
0℃における貯蔵弾性率が500 dyn/cm2未満あるいは
損失弾性率が1000 dyn/cm2未満では、トナー像の定
着に使用する熱ロールにオフセットが発生し、また、反
対に、貯蔵弾性率が50000 dyn/cm2超あるいは損失
弾性率が100000 dyn/cm2超では、平滑な画像を実
現することができない。
【0022】さらに加えて、本発明の電子写真用平板状
トナーでは、従来常用のトナーのように球形形状を有し
ていないので、トナーの流動性が低下しがちであり、し
たがって、この問題を回避するため、トナー表面に外添
する材料を適正化する必要がある。本発明者らは、鋭意
研究の結果、平板状トナーに対して、外添剤として疎水
性シリカ又は酸化チタンを添加することが、特に流動性
の向上の面から好ましく、また、かかる外添剤の寸法
は、一次粒子の平均粒径に関して、0.001〜0.5
μmの範囲にあるのが好ましいということを見い出し
た。さらに、本発明者らの知見によると、トナーの平板
状微粉体において、それらの微粉体の表面に付着せしめ
られている外添剤の平均粒径は、0.5μmもしくはそ
れ以下であることが好ましい。これは、本発明において
外添剤として使用する材料は、凝集しやすいが、凝集粒
子径が大きいと流動性の向上効果が小さくなるからであ
る。
【0023】本発明の電子写真用トナーは、上記したよ
うに、バインダ樹脂、着色剤及びその他の添加剤、例え
ば電荷制御剤、外添剤等をもって構成することができ
る。トナーの主たる成分であるところのバインダ樹脂
は、一般的に、各種の樹脂材料を包含するというもの
の、好ましくは、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチ
レン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂などの樹脂材
料である。
【0024】バインダ樹脂中に分散せしめられるべき着
色剤は、多くの公知な顔料を包含し、任意に選択して使
用することができる。適当な顔料としては、例えば、黒
色顔料の各種カーボンブラック(チャネルブラック、フ
ァーネスブラック等)、そしてカラー顔料、例えば、ベ
ンジジン系のイエロー顔料、キナクドリン系、ローダミ
ン系のマゼンタ顔料、フタロシアニン系のシアン顔料な
どを挙げることができる。これらの顔料は、単独で使用
してもよく、さもなければ、所望とするトナー色を得る
ために混合して使用してもよい。
【0025】本発明のトナーは、さらに、トナーの帯電
特性を制御する目的で、この技術分野において常用の電
荷制御剤を有していてもよい。適当な電荷制御剤として
は、例えば、正帯電トナーにはニグロシン染料、脂肪酸
金属塩、第4アンモニウム塩などの電子供与性物質を、
負帯電トナーにはアゾ系含金属染料、塩素化パラフィ
ン、塩素化ポリエステルなどの電子受容性物質を、それ
ぞれ挙げることができる。
【0026】さらに、トナー像を熱ロールで定着するよ
うな場合には、離型剤あるいはオフセット防止剤とし
て、各種のワックス、例えば低分子量のポリプロピレン
あるいはポリエチレンなどを使用することができる。さ
らにまた、上記したように、トナーの流動性の向上、そ
の他の目的のために、すでに説明したところの疎水性シ
リカあるいは酸化チタンを外添剤として使用することが
好ましい。本発明のトナーでは、必要に応じて、疎水性
シリカあるいは酸化チタンに加えて、その他の常用の無
機粒子、樹脂粒子などをさらに外添してもよい。
【0027】上記したようなトナー成分は、先に説明し
た特定成分の含有量についての限定を除いて、従来常用
のトナーの組成に準じてその組成比を広い範囲で変更し
て使用することができる。例えば、一般的に、トナーの
全量を基準にして、 バインダ樹脂 75〜95重量% 着色剤 1〜10重量% 電荷制御剤 0〜5重量% 離型剤 0〜5重量% 外添剤 0〜5重量% の組成比で使用することができる。これらのトナー成分
は、必要に応じて、上記した範囲よりも多くても、さも
なければ少なくてもよい。
【0028】本発明による電子写真用トナーは、上記し
たようなトナー成分を出発物質として使用して、いろい
ろな手順に従って調製することができる。本発明のトナ
ーは、好ましくは、機械的粉砕法に従って、次のような
手順で有利に調製することができる。 (1)材料の混合 バインダ樹脂、着色剤、電荷制御剤などを計量した後、
粉体混合機で均一に混合する。粉体混合機としては、例
えば、ボールミルなどを使用することができる。着色
剤、電荷制御剤などが樹脂バインダ中に均一に分散せし
められる。 (2)溶融混練 得られた混合物を加熱溶融させ、さらに混練する。スク
リュー押出機(エクストルーダ)、ロールミル、ニーダ
などを有利に使用することができる。着色剤粒子の微細
化と均一分散などが達成される。 (3)冷却固化 混練の完了後、得られた混練物を冷却し、固化させる。 (4)粉砕 固化した混練物を先ず最初にハンマーミル、カッターミ
ルなどの粗粉砕機で粗粉砕し、さらに続けて、ジェット
ミルなどの微粉砕機で微粉砕する。 (5)分級 微粉砕の完了後、トナー流動性の低下、トナーの飛散を
引き起こす微小粒子及び画質の低下を引き起こす粗大粒
子を除去するため、得られた微粉砕粒子を分級する。分
級装置としては、例えば、遠心力を利用した風力分級機
を使用することができる。球状のトナー素粒子が得られ
る。 (6)平板化処理 分級後のトナー素粒子は球形であるので、これを本発明
に従い平板化処理して、所定の形状及び寸法を有する平
板状微粉体を得る。適当な平板化処理としては、トナー
素粒子及び2mm以下の粒径を有するビーズを含む分散液
を回転円板に高速で衝突させて、前記トナー素粒子を粉
砕すると同時に前記平板状トナー微粉体を得る方法を挙
げることができる。分散液中にトナー素粒子とともに含
ませるビーズは、所望とする形状及び寸法の微粉体を得
るため、2mmを上回る粒径を有していてはならない。適
当な平板化処理装置としては、例えば、ビーズミル粉砕
機を使用することができる。分散液には、水、界面活性
剤などを含ませることができる。ここで、使用する回転
円板は、約2000〜10000の回転数及び約1〜3
0分間の回転時間で回転させることが好ましい。 (7)表面処理 最終工程として、トナーの流動性の向上、その他の目的
のため、得られた平板状トナー微粉体の表面に疎水性シ
リカあるいは酸化チタン及び必要に応じてその他の外添
剤を添加し、付着させる。装置としては、例えば、高速
流動型混合機を使用することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明をその好ましい実施例を参照し
て詳細に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではないことを理解されたい。例1 本発明に従い、黒色、イエロー、マゼンタ及びシアンの
各色のトナーを調製した。 黒色トナーの調製:下記の成分を記載の量比で用意し
た。
【0030】 バインダ樹脂:線状ポリエステル樹脂(軟化点110℃) 77重量部 着色剤:ブラックパールズL(商品名、キャボット社製) 20重量部 電荷制御剤: BONTRON E84(商品名、オリエント化学社製) 1重量部 ワックス:ビスコール550−P(商品名、三洋化成社製) 2重量部 これらの成分をボールミルにより混合攪拌し、140℃
に加熱したエクストルーダで溶融混練した。得られた混
練物を冷却固化した後、粉砕機で粗粉砕し、さらにジェ
ットミルで微粉砕した。得られた微粉末を風力分級機で
分級して、平均粒径5μmの球形トナー素粒子を得た。
【0031】引き続いて、上記のようにして得た球形ト
ナー素粒子(100g)を5kgの水及び5gの界面活性
剤と混合し、得られた混合物をビーズミル粉砕機(ビー
ズの粒径:1mm、シンマル・エンタープライズ社より、
商品名: DYNO-MILL, TypKDLとして商業的に入手可能)
にかけ、その回転円板(回転数:3000rpm)に対
して混合物を高速で衝突させた。10分間にわたって粉
砕を行ったところ、平均直径が6μm、平均厚さが1μ
mの平板状黒色トナー微粉体が得られた。このトナー微
粉体の150℃における貯蔵弾性率は2000dyn/c
m2 、損失弾性率は3000dyn/cm2 であった。 イエロートナーの調製:下記の成分を記載の量比で用意
した。
【0032】 バインダ樹脂:線状ポリエステル樹脂(軟化点110℃) 82重量部 着色剤:ベンズイミダゾロン系顔料、Pigment Yellow 154 15重量部 電荷制御剤: BONTRON E84(商品名、オリエント化学社製) 1重量部 ワックス:ビスコール550−P(商品名、三洋化成社製) 2重量部 これらの成分をボールミルにより混合攪拌し、140℃
に加熱したエクストルーダで溶融混練した。得られた混
練物を冷却固化した後、粉砕機で粗粉砕し、さらにジェ
ットミルで微粉砕した。得られた微粉末を風力分級機で
分級して、平均粒径5μmの球形トナー素粒子を得た。
【0033】引き続いて、上記のようにして得た球形ト
ナー素粒子(100g)を5kgの水及び5gの界面活性
剤と混合し、得られた混合物を黒色トナーの調製時に使
用したものと同じビーズミル粉砕機にかけ、その回転円
板(回転数:3000rpm)に対して混合物を高速で
衝突させた。10分間にわたって粉砕を行ったところ、
平均直径が6μm、平均厚さが1μmの平板状イエロー
トナー微粉体が得られた。このトナー微粉体の150℃
における貯蔵弾性率は2000dyn/cm2 、損失弾性率は
3000dyn/cm2 であった。 マゼンタトナーの調製:上記したイエロートナーの調製
と同様な手法に従ってマゼンタトナーを調製した。本例
では、着色剤として、ベンズイミダゾロン系顔料に代え
て、キナクリドン系顔料、Pigment Red 122 を同量で使
用した。平均直径が6μm、平均厚さが1μmの平板状
マゼンタトナー微粉体が得られた。このトナー微粉体の
150℃における貯蔵弾性率は2200dyn/cm2 、損失
弾性率は3100dyn/cm2 であった。 シアントナーの調製:上記したイエロートナーの調製と
同様な手法に従ってシアントナーを調製した。本例で
は、着色剤として、ベンズイミダゾロン系顔料に代え
て、銅フタロシアニン顔料、Pigment Blue 15 を同量で
使用した。平均直径が6μm、平均厚さが1μmの平板
状シアントナー微粉体が得られた。このトナー微粉体の
150℃における貯蔵弾性率は2100dyn/cm2 、損失
弾性率は3300dyn/cm2 であった。例2 前記例1で調製した4種類のカラートナー(黒色、イエ
ロー、マゼンタ及びシアン)を使用してフルカラー印字
試験を行った。なお、本例で印字試験に使用した多色画
像形成装置は、図1にその構成を示すものである。すな
わち:図1において、多色画像形成装置10は、図示さ
れるように、その内部に給紙部、帯電部、露光部、現像
部、転写部、定着部、排紙部等を有している。ドラム状
の感光体1は矢印方向に回転せしめられていて、先ず、
その表面が帯電部の帯電器2によって均一に帯電せしめ
られる。次いで、露光部において、先の工程で帯電せし
められた感光体1の表面に、記録情報に応じて画像光が
投射せしめられ、静電潜像が形成される。感光体1がさ
らに回転して現像部に達すると、現像器3により、感光
体1の表面上の静電潜像がトナー(現像剤)でもって現
像され、可視化せしめられる。なお、この多色画像形成
装置で使用するトナーは、黒色B、マゼンタM、シアン
C及びイエローYの4種類であり、図示されるように、
トナーホッパー4を経由して現像器3に供給される。引
き続いて、現像されたトナー像の用紙への転写、そして
定着が行われる。図示の例では、現像されたトナー像
は、用紙搬送ベルト5を移動可能でありかつそれぞれの
感光体1と接触している転写ローラ6により、用紙搬送
ベルト5上の用紙(図示せず)に順次転写せしめられ
る。この場合の画像転写のメカニズムは、感光体1上の
現像トナー像に対して、用紙背面からトナーの帯電方向
とは逆極性の電荷を与えることからなっている。画像転
写の完了後、定着部の一対の熱ロール7(表面温度:1
70℃)によって転写トナー像の定着が行なわれる。こ
の定着工程により、用紙上に転写された多色のトナー像
を熱ロールで加熱することにより、剥離不可能な強度で
用紙に定着させることができる。なお、先の転写工程に
おいて、感光体1の表面に残留している非転写トナー
は、クリーニング部8によって除去し、再び現像部に戻
すことができる。最後に、定着されたトナー像を有する
用紙は、排紙系を経てストッカー9に案内される。
【0034】前記例1で調製した4種類のカラートナー
のそれぞれに対して、0.5重量%の疎水性シリカ、R
972(商品名、一次粒子の平均粒径:0.03μm、
日本アエロジル社製)を外添した。トナー表面におい
て、それに付着した外添疎水性シリカの平均粒径は0.
1μmであった。次いで、このトナーを平均直径60μ
mの樹脂コートフェライトキャリアと混合してトナー濃
度5重量%の現像剤を調製した。得られた現像剤を上記
した多色画像形成装置に搭載し、下記の項目(1)〜
(5)に関してフルカラー印字試験を行った。なお、そ
れぞれの現像剤において、ドラム状感光体表面の帯電量
は約−20μC/gであり、また、定着温度(熱ロール
の表面温度)は170℃であった。 (1)ステータスA濃度 1g/m2のトナー付着量で印字を行った時の、定着トナ
ー像のステータスA濃度をマクベス濃度計で測定した。
次のような満足し得る結果が得られた。
【0035】イエロー画像: 1.25 マゼンタ画像: 1.22 シアン画像: 1.26 黒色画像: 1.27 (2)画質 定着トナー像の層厚を3μm以下に薄くでき、また、高
い平滑性を実現できた。銀塩写真並みの高画質が得られ
た。 (3)トナーの飛散 帯電不良に原因するトナーの飛散が発生せず、装置内の
トナー汚染を防止することができた。 (4)カブリの発生 現像時、帯電不良に原因するカブリの発生を認めること
ができなかった。 (5)トナーの流動性 トナーの流動性に優れ、したがって、装置内におけるト
ナーの補給もスムーズに行うことができた。
【0036】上記したような印字試験の結果から理解さ
れるように、本発明の電子写真用トナーの場合、それを
フルカラー印刷に使用した時に、銀塩写真並みに高画質
な印刷画像を提供することができ、また、その際、装置
内のトナー汚染やカブリの発生を防止し、現像器へのト
ナーの補給もスムーズに行うことができる。例3 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれのトナーの平均直径を6μmか
ら5μmに変更した。フルカラー印字試験の結果は、前
記例2の結果に比較可能な満足し得るものであった。例4 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれのトナーの平均直径を6μmか
ら10μmに変更した。フルカラー印字試験の結果は、
前記例2の結果に比較可能な満足し得るものであった。例5 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれのトナーの平均厚さを1μmか
ら0.5μmに変更した。フルカラー印字試験の結果
は、前記例2の結果に比較可能な満足し得るものであっ
た。例6 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれのトナーの平均直径を6μmか
ら8μmに変更しかつ平均厚さを1μmから3μmに変
更した。フルカラー印字試験の結果は、前記例2の結果
に比較可能な満足し得るものであった。例7 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれのトナーの平均直径を6μmか
ら5μmに変更しかつ平均厚さを1μmから0.5μm
に変更した。フルカラー印字試験の結果は、前記例2の
結果に比較可能な満足し得るものであった。例8 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれのトナーの平均直径を6μmか
ら5μmに変更しかつ平均厚さを1μmから2μmに変
更した。フルカラー印字試験の結果は、前記例2の結果
に比較可能な満足し得るものであった。例9 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれのトナーの粒径分布に関して、
式:0.5dav 2 ・wav < d2 ・w <2dav 2
av(式中、dav、wav、d及びwは、それぞれ、前記
した定義に同じである)を満足させるトナーが80%で
あるようにトナーの長径及び厚みを調整した。フルカラ
ー印字試験の結果は、前記例2の結果に比較可能な満足
し得るものであった。例10 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれのトナーの調製時、黒色トナー
中のカーボンの含有量を20重量%から10重量%に変
更しかつイエロー、マゼンタ及びシアントナートナー中
の顔料の含有量を15重量%から10重量%に変更し
た。フルカラー印字試験の結果は、各色トナーとも1.
2以上のステータスA濃度を実現し、前記例2の結果に
比較可能な満足し得るものであった。例11 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれのトナーの調製時、黒色トナー
中のカーボンの含有量を20重量%から40重量%に変
更しかつイエロー、マゼンタ及びシアントナートナー中
の顔料の含有量を15重量%から30重量%に変更し
た。フルカラー印字試験の結果は、各色トナーとも1.
3以上のステータスA濃度を実現し、前記例2の結果に
比較可能な満足し得るものであった。例12 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれのトナーの調製時、バインダ樹
脂を線状ポリエステル樹脂(軟化点110℃)からエポ
キシ樹脂(軟化点100℃)に変更し、得られるトナー
微粉体の150℃における貯蔵弾性率が500dyn/c
m2 、損失弾性率が1000dyn/cm2 となるように調整
した。フルカラー印字試験の結果は、前記例2の結果に
比較可能な満足し得るものであった。例13 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれのトナーの調製時、バインダ樹
脂を線状ポリエステル樹脂(軟化点110℃)から分岐
型ポリエステル樹脂(軟化点130℃)に変更し、得ら
れるトナー微粉体の150℃における貯蔵弾性率が50
000dyn/cm2 、損失弾性率が100000dyn/cm2
なるように調整した。フルカラー印字試験の結果は、前
記例2の結果に比較可能な満足し得るものであった。例14 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれの現像剤の調製時、外添剤とし
て同量の疎水性シリカ、R972(商品名、一次粒子の
平均粒径:0.001μm、日本アエロジル社製)を添
加した。トナー表面において、それに付着した外添疎水
性シリカの平均粒径は0.05μmであった。フルカラ
ー印字試験の結果は、前記例2の結果に比較可能な満足
し得るものであった。例15 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれの現像剤の調製時、外添剤とし
て同量の疎水性シリカ、R972(商品名、一次粒子の
平均粒径:0.5μm、日本アエロジル社製)を外添し
た。トナー表面において、それに付着した外添疎水性シ
リカの平均粒径は0.5μmであった。フルカラー印字
試験の結果は、前記例2の結果に比較可能な満足し得る
ものであった。例16 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれの現像剤の調製時、外添剤とし
て、疎水性シリカに代えて同量の酸化チタン、STT−
30A(商品名、一次粒子の平均粒径:0.001μ
m、チタン工業社製)を添加した。トナー表面におい
て、それに付着した外添酸化チタンの平均粒径は0.0
5μmであった。フルカラー印字試験の結果は、前記例
2の結果に比較可能な満足し得るものであった。例17 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれの現像剤の調製時、外添剤とし
て、疎水性シリカに代えて同量の酸化チタン(一次粒子
の平均粒径:0.5μm、試作品)を添加した。トナー
表面において、それに付着した外添酸化チタンの平均粒
径は0.5μmであった。フルカラー印字試験の結果
は、前記例2の結果に比較可能な満足し得るものであっ
た。例18 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、使用したそれぞれのトナーの調製時、ビーズミル
粉砕機のビーズの粒径を1mmから2mmに変更した。平均
直径が8μm、平均厚さが2μmの平板状トナー微粉体
が得られた。フルカラー印字試験の結果は、前記例2の
結果に比較可能な満足し得るものであった。比較例1 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれのトナーの平均直
径を6μmから4μmに変更した。フルカラー印字試験
を行ったところ、現像器内でトナーが破砕され、微細ト
ナーが増加し、カブリやトナー飛散が発生した。比較例2 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれのトナーの平均直
径を6μmから12μmに変更した。フルカラー印字試
験を行ったところ、解像度が低下し、良好な画質が得ら
れなかった。比較例3 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれのトナーの平均厚
さを1μmから0.3μmに変更した。フルカラー印字
試験を行ったところ、現像器内でトナーが破砕され、微
細トナーが増加し、カブリやトナー飛散が発生した。比較例4 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれのトナーの平均直
径を6μmから8μmに変更しかつ平均厚さを1μmか
ら4μmに変更した。フルカラー印字試験を行ったとこ
ろ、平滑な画像を実現できなかった。比較例5 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれのトナーの平均直
径を6μmから8μmに変更しかつ平均厚さを1μmか
ら0.5μmに変更した(wav/dav=0.063)。
フルカラー印字試験を行ったところ、現像器内でトナー
が破砕され、微細トナーが増加し、カブリやトナー飛散
が発生した。比較例6 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれのトナーの平均直
径を6μmから5μmに変更しかつ平均厚さを1μmか
ら3μmに変更した(wav/dav=0.6)。フルカラ
ー印字試験を行ったところ、平滑な画像を実現できなか
った。比較例7 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれのトナーの粒径分
布に関して、式:0.5dav 2 ・wav < d 2 ・w
< 2dav 2 ・wav(式中、dav、wav、d及びwは、
それぞれ、前記した定義に同じである)を満足させるト
ナーが70%であるようにトナーの長径及び厚みを調整
した。フルカラー印字試験を行ったところ、解像度の低
下が認められた。比較例8 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれのトナーの調製
時、黒色トナー中のカーボンの含有量を20重量%から
8重量%に変更しかつイエロー、マゼンタ及びシアント
ナートナー中の顔料の含有量を15重量%から8重量%
に変更した。フルカラー印字試験を行ったところ、各色
トナーとも1.2以上のステータスA濃度を実現でき
ず、画像も低彩度であり、鮮やかでなかった。比較例9 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれのトナーの調製
時、黒色トナー中のカーボンの含有量を20重量%から
50重量%に変更しかつイエロー、マゼンタ及びシアン
トナートナー中の顔料の含有量を15重量%から40重
量%に変更した。フルカラー印字試験を行ったところ、
各色トナーとも1.3以上のステータスA濃度を実現で
きたけれども、透過性が低下し、トナーを重ね合わせた
際に低彩度となり、鮮やかな画像を実現できなかった。比較例10 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれのトナーの調製
時、バインダ樹脂を線状ポリエステル樹脂(軟化点11
0℃)からポリエステル樹脂(軟化点95℃)に変更
し、得られるトナー微粉体の150℃における貯蔵弾性
率が400dyn/cm2 、損失弾性率が800dyn/cm2 とな
るように調整した。フルカラー印字試験を行ったとこ
ろ、熱ロールへのオフセットが発生し、画像が乱れた。比較例11 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれのトナーの調製
時、バインダ樹脂を線状ポリエステル樹脂(軟化点11
0℃)から架橋型ポリエステル樹脂(軟化点135℃)
に変更し、得られるトナー微粉体の150℃における貯
蔵弾性率が70000dyn/cm2 、損失弾性率が2000
00dyn/cm2 となるように調整した。フルカラー印字試
験を行ったところ、平滑な画像を実現できなかった。比較例12 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれの現像剤の調製
時、外添剤として同量の疎水性シリカ、R972(商品
名、一次粒子の平均粒径:0.0008μm、日本アエ
ロジル社製)を添加した。トナー表面において、それに
付着した外添疎水性シリカの平均粒径は0.05μmで
あった。フルカラー印字試験を行ったところ、トナーの
帯電不良に原因するトナー飛散が発生した。比較例13 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれの現像剤の調製
時、外添剤として同量の疎水性シリカ、R972(商品
名、一次粒子の平均粒径:0.7μm、日本アエロジル
社製)を外添した。トナー表面において、それに付着し
た外添疎水性シリカの平均粒径は1.5μmであった。
フルカラー印字試験を行ったところ、トナーの流動性が
悪く、円滑なトナー補給ができなくなり、トナー濃度が
低下し、画像が乱れた。比較例14 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれの現像剤の調製
時、外添剤として、疎水性シリカに代えて同量の酸化チ
タン(一次粒子の平均粒径:0.0008μm、試作
品)を添加した。トナー表面において、それに付着した
外添酸化チタンの平均粒径は0.05μmであった。フ
ルカラー印字試験を行ったところ、トナーの帯電不良に
原因するトナー飛散が発生した。比較例15 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれの現像剤の調製
時、外添剤として、疎水性シリカに代えて同量の酸化チ
タン(一次粒子の平均粒径:0.7μm、試作品)を添
加した。トナー表面において、それに付着した外添酸化
チタンの平均粒径は1.5μmであった。フルカラー印
字試験を行ったところ、トナーの流動性が悪く、円滑な
トナー補給ができなくなり、トナー濃度が低下し、画像
が乱れた。比較例16 前記例1及び例2に記載の手法を繰り返したが、本例の
場合、比較のため、使用したそれぞれのトナーの調製
時、ビーズミル粉砕機のビーズの粒径を1mmから3mmに
変更した。平均直径が8μm、平均厚さが4μmの平板
状トナー微粉体が得られた。フルカラー印字試験を行っ
たところ、トナー微粉体の平均厚さの増加に原因して平
滑な画像を実現できなかった。
【0037】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、カラー印刷に使用した時に、銀塩写真並みに高画質
な印刷画像を提供することのできる電子写真用トナーが
得られる。また、本発明によると、このような優れた電
子写真用トナーを簡単な手法で歩留り良く製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用トナーを使用した多色画像
形成装置の構成を示した略示断面図である。
【符号の説明】
1…感光体 2…帯電器 3…現像器 4…トナーホッパー 5…用紙搬送ベルト 6…転写ローラ 7…熱ロール 8…クリーニング部 9…ストッカー 10…多色画像形成装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真
    用トナーであって、 前記トナーが、平均直径(dav)が5〜10μmの範
    囲、平均厚さ(wav)が0.5〜3μmの範囲、そして
    厚さ/直径比(wav/dav)が0.1〜0.4の範囲に
    ある平板状微粉体からなり、かつカラー印刷時、1g/
    m2のトナー付着量で記録媒体上に付着させ、定着した時
    のそれぞれの色の定着トナー像のステータスA濃度が少
    なくとも1.2であることを特徴とする電子写真用トナ
    ー。
  2. 【請求項2】 バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真
    用トナーであって、平均直径(dav)が5〜10μmの
    範囲、平均厚さ(wav)が0.5〜3μmの範囲、そし
    て厚さ/直径比(wav/dav)が0.1〜0.4の範囲
    にある平板状微粉体からなり、かつ、カラー印刷時、1
    g/m2のトナー付着量で記録媒体上に付着させ、定着し
    た時のそれぞれの色の定着トナー像のステータスA濃度
    が少なくとも1.2である電子写真用トナーを製造する
    に当たって、 前記バインダ樹脂及び着色剤を含むトナー原料から球状
    のトナー素粒子を調製し、そして得られたトナー素粒子
    及び2mm以下の粒径を有するビーズを含む分散液を回転
    円板に高速で衝突させて、前記トナー素粒子を粉砕する
    と同時に前記平板状トナー微粉体を得ること、を特徴と
    する電子写真用トナーの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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