JPH11162447A - 渦巻状電極体を備えた円筒状電池およびその製造方法 - Google Patents

渦巻状電極体を備えた円筒状電池およびその製造方法

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JPH11162447A
JPH11162447A JP9329135A JP32913597A JPH11162447A JP H11162447 A JPH11162447 A JP H11162447A JP 9329135 A JP9329135 A JP 9329135A JP 32913597 A JP32913597 A JP 32913597A JP H11162447 A JPH11162447 A JP H11162447A
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忠司 伊勢
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順康 石丸
Hiroshi Fukuda
博 福田
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秀夫 春日
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極集電体に溶接されない部分が生じても、
この溶接されない部分の集電性を向上させて、高率放電
特性を向上させた円筒状電池を得る。 【解決手段】 正極板10と負極板20をセパレータ3
0を介して渦巻状に巻回した渦巻状電極体Aとする。こ
の渦巻状電極体Aの正極板10の上端部はその一部を除
いて正極集電体40に溶接されているとともに、この正
極集電体40に接続されない正極板10の上端部に集電
タブ12を備えている。一方、渦巻状電極体Aの負極板
20の下端部は負極集電体50に溶接されている。この
渦巻状電極体Aを負極端子を兼ねる金属製円筒状外装缶
70内に挿入されており、負極集電体50を外装缶70
底部に溶接され、集電タブ12を正極集電体40に溶接
されるとともに、正極集電体40より延出する導出部4
2は正極端子を兼ねる封口体60の底面に溶接されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニッケル・水素蓄電
池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電
池、リチウムイオン電池などの正・負極板をセパレータ
を介して渦巻状に巻回した渦巻状電極体を備えた円筒状
電池に係り、特に、渦巻状電極体と集電体との導電接続
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニ
ッケル・水素蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、リチウム
イオン電池などの円筒状電池においては、図5,図6に
示すように、正極板10と負極板20とをセパレータ3
0を介して渦巻状に巻回して渦巻状電極体D,Eとす
る。
【0003】そして、図5に示すように、このように形
成した渦巻状電極体Dの負極板20の芯体21を負極集
電体50に溶接するとともに、渦巻状電極体Dの正極板
10の芯体11aを正極集電体40に溶接した後、この
渦巻状電極体Dを負極端子を兼ねる金属製円筒状外装缶
70に挿入し、負極集電体50を金属製外装缶70の底
部に溶接するとともに、正極集電体40より延出する導
出部42を正極端子を兼ねる封口体60の底部に溶接し
て構成する。
【0004】あるいは、図6に示すように、このように
形成した渦巻状電極体Eを負極端子を兼ねる金属製円筒
状外装缶70に挿入し、渦巻状電極体Eの負極板20の
芯体21を金属製外装缶70の底部に接触させるととも
に、芯体21より延出する集電タブ21aを金属製外装
缶70の底部に溶接する。一方、渦巻状電極体Eの正極
板10の芯体11aを正極集電体40に溶接し、正極集
電体40より延出する導出部42を正極端子を兼ねる封
口体60の底部に溶接して構成するのが一般的である。
【0005】このように渦巻状電極体D,Eの負極板2
0の芯体21を金属製外装缶70の底部に電気的に接続
するとともに、渦巻状電極体D,Eの正極板10の芯体
11aを正極集電体40に溶接すると、正極板10から
正極端子(封口体60)までの電流分布、および負極板
20から負極端子(金属製外装缶70)までの電流分布
が均一になるため、高率放電特性が向上した電池が得ら
れるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に形成する電池においては、金属製外装缶70は負極端
子を兼ねているため、正極集電体40と金属製外装缶7
0が接触すると内部短絡を生じるため、正極集電体40
は金属製外装缶70と接触しない程度の大きさにする必
要がある。しかしながら、正極集電体40を金属製外装
缶70と接触しない程度の大きさにすると、図8(a)
(なお、図8(a)は図5,図6の渦巻状電極体D,E
の渦巻を平板に引き延ばした正極板10のみを示す)に
示すように、正極板10と正極集電体40との溶接部に
正極集電体40が溶接されない部分10aが生じる。
【0007】正極板10が正極集電体40に溶接されて
いる部分は、図8(a)の矢印で示すように、正極集電
体40から正極板10の下端までの集電経路の電流分布
は均一になるが、正極板10が正極集電体40に溶接さ
れない部分10aは、図8(a)の矢印で示すように、
正極集電体40から正極板10の下端までの集電経路の
電流分布が不均一になって、図8(b)に示すように、
正極板10の正極集電体40に溶接されない部分10a
に電圧降下を生じる。そして、正極板10に電圧降下を
生じると、高率放電特性が低下するという問題を生じ
る。
【0008】そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、正極板上端部と正極集電体との溶接部
に溶接されない部分が生じても、この溶接されない部分
の集電性を向上させて、高率放電特性を向上させた円筒
状電池を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明は正・負極板をセパレータを介して渦巻状に巻回し
た渦巻状電極体を負極端子を兼ねる金属製円筒状外装缶
内に備えた円筒状電池であって、上記課題を解決するた
めに、本発明の渦巻状電極体を備えた円筒状電池は、渦
巻状電極体の正極板上端部はその一部を除いて正極端子
を兼ねる封口体に接続される正極集電体に接続され、か
つこの正極集電体に接続されない正極板上端部に集電タ
ブを備え、渦巻状電極体の負極板下端部は負極端子を兼
ねる金属製円筒状外装缶に電気的に接続され、集電タブ
は正極集電体に接続されたことを特徴とする。
【0010】このように、正極集電体に接続されない正
極板の上端部に集電タブを設け、この集電タブと正極集
電体とを接続するようにすると、正極集電体に接続され
ない部分の正極板内の電流分布も均一になるため、電圧
降下が低減して、高率放電特性が向上する。
【0011】また、負極板の下端部を負極集電体に接続
するとともに、この負極集電体を負極端子を兼ねる金属
製円筒状外装缶に接続するようにすると、負極集電体と
負極端子を兼ねる金属製円筒状外装缶が接触しても問題
を生じない。このため、負極集電体を大きく形成するこ
とができるので、負極板の下端部を負極集電体に接続す
ると負極板内の電流分布も均一になるため、さらに電圧
降下が低減して、さらに高率放電特性が向上する。そし
て、正極集電体に接続された部分の端部近傍に集電タブ
を設けてもそれほど電圧降下が低減しないため、集電タ
ブを設ける位置は正極集電体に接続されない部分の正極
板の渦巻状に巻回した巻終わり端から1/2以内の位置
とすることが好ましい。
【0012】また、本発明は、正・負極板をセパレータ
を介して渦巻状に巻回した渦巻状電極体を負極端子を兼
ねる金属製円筒状外装缶内に挿入して製造する円筒状電
池の製造方法であって、上記課題を解決するために、本
発明の円筒状電池の製造方法は、正極板上端部の渦巻状
電極体としたときに正極端子を兼ねる封口体に接続され
る正極集電体に接続されない部位に集電タブを溶接する
集電タブ溶接工程と、渦巻状電極体の正極板上端部をそ
の一部を除いて正極集電体に溶接する正極集電体溶接工
程と、正極板上端部に溶接された集電タブを正極集電体
に溶接する集電タブ−正極集電体溶接工程と、正極集電
体が溶接された渦巻状電極体を負極端子を兼ねる金属製
円筒状外装缶内に挿入する電極体挿入工程と、渦巻状電
極体の負極板下端部を金属製円筒状外装缶の底部に電気
的に接続する接続工程と、正極集電体を正極端子を兼ね
る封口体に溶接する封口体溶接工程とを備えたことを特
徴とする。
【0013】このように、集電タブが溶接された正極板
を用いて形成された渦巻状電極体の正極板上端部を正極
集電体に溶接した後、集電タブを正極集電体に溶接する
と、正極板内の正極集電体に接続されない部分の電流分
布も均一になるため、電圧降下が低減して、高率放電特
性が向上する。
【0014】また、本発明の円筒状電池の製造方法は、
正極板上端部の渦巻状電極体としたときに正極端子を兼
ねる封口体に接続される正極集電体に接続されない部位
に集電タブを溶接する集電タブ溶接工程と、正極板上端
部に溶接された集電タブを正極集電体に溶接する集電タ
ブ−正極集電体溶接工程と、渦巻状電極体の正極板上端
部を集電タブが溶接された正極集電体に溶接する正極集
電体溶接工程と、正極集電体をその上端部に溶接した渦
巻状電極体を負極端子を兼ねる金属製円筒状外装缶内に
挿入する電極体挿入工程と、正極集電体の集電部を正極
端子を兼ねる封口体に溶接する封口体溶接工程とを備え
たことを特徴とする。
【0015】このように、集電タブが溶接された正極板
を用いて形成された渦巻状電極体の集電タブと正極集電
体とを溶接した後、正極板上端部を正極集電体に溶接す
るようにしても、正極板内の正極集電体に接続されない
部分の電流分布も均一になるため、電圧降下が低減し
て、高率放電特性が向上する。
【0016】そして、電極体挿入工程前に、渦巻状電極
体の負極板下端部を負極集電体に溶接する負極集電体溶
接工程とを備えるとともに、電極体挿入工程後に、負極
集電体を金属製円筒状外装缶の底部に溶接する外装缶溶
接工程とを備えるようにすると、負極板内の電流分布も
均一になるため、さらに電圧降下が低減して、さらに高
率放電特性が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の渦巻状電極体を
備えた円筒状電池をニッケル・水素蓄電池に適用した場
合の一実施の形態を図に基づいて説明する。なお、図1
はニッケル正極板を示し、図1(a)は渦巻状に巻回し
たニッケル正極板を平板に引き延ばした状態を示し、図
1(b)はこのニッケル正極板の位置に対する電圧を示
す図である。図2はニッケル正極板と水素吸蔵合金から
なる負極板を渦巻状に巻回した電極体に正・負の集電体
を溶接した後、金属製円筒状外装缶内に収納して正極集
電タブと正極集電体とを溶接した状態を示す図であり、
図2(a)は断面図であり、図2(b)は封口体を封口
する前の上面図である。
【0018】図3はニッケル正極板と水素吸蔵合金から
なる負極板を渦巻状に巻回した電極体の正極集電タブと
正極集電体とを溶接した後、金属製円筒状外装缶内に収
納して各集電体を電極体に溶接した状態を示す図であ
り、図3(a)は断面図であり、図3(b)は封口体を
封口する前の上面図である。図4はニッケル正極板と水
素吸蔵合金からなる負極板を渦巻状に巻回した電極体に
正極集電体を溶接して金属製円筒状外装缶内に収納した
後、正極集電タブと正極集電体とを溶接した状態を示す
図であり、その断面を示す図である。
【0019】1.ニッケル正極板の作製 (1)焼結式電極 ニッケル粉末にカルボキシメチルセルロース等の増粘剤
および水を混練してスラリーを調整し、このスラリーを
ニッケル多孔体からなる導電性芯体に塗着する。スラリ
ーを導電性芯体に塗着するに際しては、この導電性芯体
の中央部に帯状に未塗着部分を形成するように塗着す
る。なお、この帯状の未塗着部分は電流の導出部とな
り、後の工程で正極集電体との溶接部となる。
【0020】この後、スラリーを塗着した導電性芯体を
還元性雰囲気下で焼結し、多孔度80%の焼結基板11
を作製する。このように作成した焼結基板11を硝酸ニ
ッケル溶液に浸漬して、この焼結基板11中に硝酸ニッ
ケルを含浸する。その後、水酸化ナトリウム水溶液中に
浸漬し、硝酸ニッケルを水酸化ニッケルに置換する。こ
のような硝酸ニッケルの含浸工程と水酸化ニッケルへの
置換工程とを繰り返して、硝酸ニッケルを水酸化ニッケ
ル活物質にする活物質充填操作を行って、長尺の焼結式
ニッケル正極板を作製する。
【0021】このようにして作製された長尺の焼結式ニ
ッケル正極板を長さ方向の中央部で帯状に形成された芯
体の未塗着部分(導電性芯体)11aの中央で切断する
とともに、長さが210mmになるように切断して焼結
式ニッケル正極板10(焼結式ニッケル正極板a)を作
製する。ついで、厚みが0.10mmのニッケル金属板
を幅が3.0mmになるように切断して作製した舌片状
の集電タブ12を用意し、この舌片状の集電タブ12を
焼結式ニッケル正極板10の端部(渦巻状に巻回された
際の巻終わり端、x=0mm)の位置に溶接して焼結式
ニッケル正極板a1を作製する。
【0022】同様に、渦巻状に巻回された際の巻終わり
端より25mm(x=25mm)の位置に集電タブ12
を溶接して焼結式ニッケル正極板a2を、33mm(x
=33mm)の位置に集電タブ12を溶接して焼結式ニ
ッケル正極板a3を、50mm(x=50mm)の位置
に集電タブ12を溶接して焼結式ニッケル正極板a4
を、66mm(x=66mm)の位置に集電タブ12を
溶接して焼結式ニッケル正極板a5を、75mm(x=
75mm)の位置に集電タブ12を溶接して焼結式ニッ
ケル正極板a6を、100mm(x=100mm)の位
置に集電タブ12を溶接して焼結式ニッケル正極板a7
をそれぞれ作製する。
【0023】(2)非焼結式電極 水酸化ニッケル90重量部と、金属コバルト粉末5重量
部と、水酸化コバルト粉末5重量部とを混合し、これを
メチルセルロース1重量%水溶液20重量部とを混練し
てペースト状活物質を作製する。このようにして作製し
たペースト状活物質を、基体目付が600g/m2(な
お、基体目付は400〜700g/m2の間で使用可能
である)で厚みが1.5mmであるニッケル発泡体(ニ
ッケルスポンジ)11に充填する。ついで、ペースト状
活物質を充填したニッケル発泡体11を乾燥させた後、
厚みが約0.7mmになるまで圧延する。
【0024】ついで、このようにペースト状活物質を充
填したニッケル発泡体11の上辺部に超音波ホーンを押
し当てて、上辺部に垂直方向に超音波振動を加えて、上
辺部に充填された活物質をニッケル発泡体11より脱落
させて剥離部を形成する。このとき、超音波ホーンを押
し当てて超音波振動を与えることにより、上辺部は圧縮
されて薄肉部となる。一方、厚みが0.06mmのニッ
ケル金属製の帯状金属薄板11aを用意し、この帯状金
属薄板11aをニッケル発泡体11の剥離部に載置し、
溶接棒を用いて2mm間隔で抵抗溶接を行い、非焼結式
ニッケル正極板を作製する。
【0025】このようにして作成された非焼結式ニッケ
ル正極板10を長さが210mmになるように切断して
非焼結式ニッケル正極板10(非焼結式ニッケル正極板
b)を作製する。ついで、厚みが0.10mmのニッケ
ル金属板を幅が3.0mmになるように切断して作製し
た舌片状の集電タブ12を用意し、この舌片状の集電タ
ブ12を非焼結式ニッケル正極板10の帯状金属薄板1
1aの端部(渦巻状に巻回された際の巻終わり端、x=
0mm)の位置に溶接して非焼結式ニッケル正極板b1
を作製する。
【0026】同様に、渦巻状に巻回された際の巻終わり
端より25mm(x=25mm)の位置の位置に集電タ
ブ12を溶接して非焼結式ニッケル正極板b2を、33
mm(x=33mm)の位置に集電タブ12を溶接して
非焼結式ニッケル正極板b3を、50mm(x=50m
m)の位置に集電タブ12を溶接して非焼結式ニッケル
正極板b4を、66mm(x=66mm)の位置に集電
タブ12を溶接して非焼結式ニッケル正極板b5を、7
5mm(x=75mm)の位置に集電タブ12を溶接し
て非焼結式ニッケル正極板b6を、100mm(x=1
00mm)の位置に集電タブ12を溶接して非焼結式ニ
ッケル正極板b7をそれぞれ作成する。
【0027】2.ニッケル・水素蓄電池の作製 (1)焼結式ニッケル正極板を用いたニッケル・水素蓄
電池 a.実施例1〜7 ついで、上述のように作製した各焼結式ニッケル正極板
a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7を用いた実
施例1〜7のニッケル・水素蓄電池の作製例を図2に基
づいて説明する。上述のように作製した各焼結式ニッケ
ル正極板a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7
と、水素吸蔵合金をパンチングメタル(芯体)21に塗
布した負極板20とをそれぞれポリプロピレン製不織布
からなるセパレータ30を介して、最外周が負極板20
となるようにして渦巻状に卷回して、図2(a)に示す
ように、それぞれ渦巻状電極体Aを作製する。このと
き、各焼結式ニッケル正極板a1、a2、a3、a4、
a5、a6、a7の芯体の未塗着部分11aがセパレー
タ30より突出するとともに、負極板20の芯体21が
セパレータ30より突出するように巻回する。このよう
に渦巻状に巻回した渦巻状電極体Aの直径は約22mm
であった。
【0028】一方、正極集電体40はニッケル金属から
なり、図2(b)に示すように、この正極集電体40は
直径18mmの略円板状集電部41と導出部42とを備
え、略円板状集電部41は下部に突起を有する多数の開
口43を有するとともに、中心部には電解液注液孔44
が設けられている。また、負極集電体50はニッケル金
属を直径21mmの円板状に形成して構成されるもので
ある。そして、上述のようにして作成した渦巻状電極体
Aの負極板20の芯体21の負極集電体50とを抵抗溶
接するとともに、各焼結式ニッケル正極板a1、a2、
a3、a4、a5、a6、a7の芯体の未塗着部分11
aと正極集電体40の集電部41とを抵抗溶接する。
【0029】なお、この溶接工程において、各焼結式ニ
ッケル正極板a1、a2、a3、a4、a5、a6、a
7の芯体の未塗着部分11aは正極集電体40の集電部
41と溶接されない部分(巻終わり端から100mmま
で)が生じることになる。そのため、各焼結式ニッケル
正極板a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7に形
成した集電タブ12を正極集電体40の集電部41側に
折り曲げた後、集電タブ12の上部に一対の溶接電極
(図示せず)を配置し、これらの一対の溶接電極間に溶
接電流を流して抵抗溶接を行う。なお、図1(a)の符
号12の仮想線(二点鎖線)は集電タブ12が正極集電
体40に溶接された状態を模式的に示している。
【0030】このように、正極集電体40に溶接されな
い正極板10の上端部に集電タブ12を溶接し、この集
電タブ12と正極集電体40とを溶接するようにする
と、正極集電体40に接続されない部分の正極板10内
の電流分布も均一になるため、電圧降下が低減して、高
率放電特性が向上する。
【0031】ついで、有底円筒形の金属外装缶70を用
意し、上記のように各集電体40,50を溶接した渦巻
状電極体Aを金属外装缶70内に挿入し、集電体40の
電解液注液孔44より一方の溶接電極を挿入して負極集
電体50に当接させるとともに金属外装缶70の底部に
他方の溶接電極を当接して、負極集電体50と金属外装
缶70の底部をスポット溶接する。
【0032】一方、正極キャップと蓋体(なお、正極キ
ャップと蓋体との間には圧力弁が配置されている)とか
らなる封口体60を用意し、正極集電体40の導出部4
2を封口体60の蓋体底部に接触させて、蓋体底部と導
出部42とを溶接して接続する。この後、金属外装缶7
0内にそれぞれ30重量%の水酸化カリウム(KOH)
水溶液よりなる電解液を注液し、封口体60を封口ガス
ケット61を介して外装缶70の開口部71に載置する
とともに、この開口部71を封口体60側にカシメて封
口する。これにより、公称容量2000mAHの各実施
例1〜7の円筒形ニッケル・水素蓄電池をそれぞれ作製
する。
【0033】b.実施例8 ついで、上述のように作製した焼結式ニッケル正極板a
3を用いた実施例8のニッケル・水素蓄電池の作製例を
図3に基づいて説明する。上述のように作製した焼結式
ニッケル正極板a3(渦巻状に巻回された際の巻終わり
端より33mm(x=33mm)の位置に予め集電タブ
12が溶接されている)と、水素吸蔵合金をパンチング
メタル(芯体)21に塗布した負極板20とをポリプロ
ピレン製不織布からなるセパレータ30を介して、最外
周が負極板20となるようにして渦巻状に卷回して渦巻
状電極体Bを作製する。このとき、焼結式ニッケル正極
板a3の芯体の未塗着部分11aがセパレータ30より
突出するとともに、負極板20の芯体21がセパレータ
50より突出するように巻回する。このように渦巻状に
巻回した渦巻状電極体Bの直径は約22mmであった。
【0034】ついで、焼結式ニッケル正極板a3に形成
した集電タブ12と、上述の実施例1〜7と同様に形成
した正極集電体40の集電部41とを抵抗溶接した後、
渦巻状電極体Bの負極板20の芯体21と、上述の実施
例1〜7と同様に形成した負極集電体50とを抵抗溶接
する。この後、焼結式ニッケル正極板a3に形成した集
電タブ12が溶接された正極集電体40を渦巻状電極体
Bの上に載置し、焼結式ニッケル正極板a3の芯体の未
塗着部分11aと正極集電体40の集電部41とを抵抗
溶接する。
【0035】なお、この溶接工程において、焼結式ニッ
ケル正極板a3の巻終わり端から100mmまでの芯体
の未塗着部分11aは正極集電体40の集電部41と溶
接されないこととなるが、渦巻状に巻回された際の巻終
わり端より33mm(x=33mm)の位置には予め溶
接された集電タブ12が正極集電体40の集電部41の
下面に溶接されている。このように、正極集電体40に
溶接されない正極板10の上端部に集電タブ12を溶接
し、この集電タブ12と正極集電体40とを溶接するよ
うにすると、正極集電体40に接続されない部分の正極
板10内の電流分布も均一になるため、電圧降下が低減
して、高率放電特性が向上する。
【0036】ついで、有底円筒形の金属外装缶70を用
意し、上記のように各集電体40,50を溶接した渦巻
状電極体Bを金属外装缶70内に挿入し、集電体40の
電解液注液孔44より一方の溶接電極を挿入して負極集
電体50に当接させるとともに金属外装缶70の底部に
他方の溶接電極を当接して、負極集電体50と金属外装
缶70の底部をスポット溶接する。
【0037】一方、上述の実施例1〜7と同様の封口体
60を用意し、正極集電体40の導出部42を封口体6
0の蓋体底部に接触させて、蓋体底部と導出部42とを
溶接して接続する。この後、金属外装缶70内にそれぞ
れ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりな
る電解液を注液し、封口体60を封口ガスケット61を
介して外装缶70の開口部71に載置するとともに、こ
の開口部71を封口体60側にカシメて封口する。これ
により、公称容量2000mAHの実施例8の円筒形ニ
ッケル・水素蓄電池を作製する。
【0038】c.実施例9 ついで、上述のように作製した焼結式ニッケル正極板a
3を用いた実施例9のニッケル・水素蓄電池の作製例を
図4に基づいて説明する。上述のように作製した焼結式
ニッケル正極板a3(渦巻状に巻回された際の巻終わり
端より33mm(x=33mm)の位置に予め集電タブ
12が溶接されている)と、水素吸蔵合金をパンチング
メタル(芯体)21に塗布した負極板20とをポリプロ
ピレン製不織布からなるセパレータ30を介して、最外
周が負極板20となるようにして渦巻状に卷回して渦巻
状電極体Cを作製する。このとき、焼結式ニッケル正極
板a3の芯体11aがセパレータ30より突出するよう
に巻回する。このように渦巻状に巻回した渦巻状電極体
Cの直径は約22mmであった。なお、負極板20の芯
体21の一部には負極用集電タブ21aが設けられてい
る。
【0039】ついで、焼結式ニッケル正極板a3の芯体
の未塗着部分11aと、上述の実施例1〜7と同様に形
成した正極集電体40の集電部41と上述の実施例1〜
7と同様に抵抗溶接する。なお、この溶接工程におい
て、焼結式ニッケル正極板a3の巻終わり端から100
mmまでの芯体露出部は正極集電体40の集電部41と
溶接されないこととなる。そのため、渦巻状に巻回され
た際の巻終わり端より33mm(x=33mm)の位置
に予め溶接された集電タブ12を正極集電体40の集電
部41側に折り曲げた後、集電タブ12の上部に一対の
溶接電極(図示せず)を配置し、これらの一対の溶接電
極間に溶接電流を流して抵抗溶接を行う。
【0040】ついで、有底円筒形の金属外装缶70を用
意し、上記のように集電体40を溶接した渦巻状電極体
Cを金属外装缶70内に挿入し、集電体40の電解液注
液孔44より一方の溶接電極を挿入して負極用集電タブ
21aに当接させるとともに金属外装缶70の底部に他
方の溶接電極を当接して、負極用集電タブ21aと金属
外装缶70の底部をスポット溶接する。
【0041】一方、上述の実施例1〜7と同様の封口体
60を用意し、正極集電体40の導出部42を封口体6
0の蓋体底部に接触させて、蓋体底部と導出部42とを
溶接して接続する。この後、金属外装缶70内にそれぞ
れ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりな
る電解液を注液し、封口体60を封口ガスケット61を
介して外装缶70の開口部71に載置するとともに、こ
の開口部71を封口体60側にカシメて封口する。これ
により、公称容量2000mAHの実施例9の円筒形ニ
ッケル・水素蓄電池を作製する。
【0042】d.比較例1 ついで、上述のように作製した焼結式ニッケル正極板a
を用いた比較例1のニッケル・水素蓄電池の作製例を図
5に基づいて説明する。なお、図5は正・負極板を渦巻
状に巻回した渦巻状電極体に正極集電体と負極集電体を
溶接した後、金属製円筒状外装缶内に収納した状態を示
す図であり、図5(a)は断面図であり、図5(b)は
封口体を封口する前の上面図である。
【0043】上述のように作製した焼結式ニッケル正極
板aと、水素吸蔵合金をパンチングメタル(芯体)21
に塗布した負極板20とをポリプロピレン製不織布から
なるセパレータ30を介して、最外周が負極板20とな
るようにして渦巻状に卷回して渦巻状電極体Dを作製す
る。このとき、焼結式ニッケル正極板aの芯体の未塗着
部分11aがセパレータ30より突出するとともに、負
極板20の芯体21がセパレータ30より突出するよう
に巻回する。このように渦巻状に巻回した渦巻状電極体
Dの直径は約22mmであった。
【0044】そして、上述のようにして作成した渦巻状
電極体Dの負極板20の芯体21と上述の実施例1〜7
と同様の負極集電体50とを上述の実施例1〜7と同様
に抵抗溶接するとともに、焼結式ニッケル正極板aの芯
体の未塗着部分11aと上述の実施例1〜7と同様の正
極集電体40の集電部41とを上述の実施例1〜7と同
様に抵抗溶接する。なお、この溶接工程において、焼結
式ニッケル正極板aの巻終わり端から100mmまでの
芯体の未塗着部分11aは正極集電体40の集電部41
と溶接されないこととなる。
【0045】ついで、有底円筒形の金属外装缶70を用
意し、上記のように各集電体40,50を溶接した渦巻
状電極体Dを金属外装缶70内に挿入し、集電体40の
電解液注液孔44より一方の溶接電極を挿入して負極集
電体50に当接させるとともに金属外装缶70の底部に
他方の溶接電極を当接して、負極集電体50と金属外装
缶70の底部をスポット溶接する。
【0046】一方、上述の実施例1〜7と同様の封口体
60を用意し、正極集電体40の導出部42を封口体6
0の蓋体底部に接触させて、蓋体底部と導出部42とを
溶接して接続する。この後、金属外装缶70内にそれぞ
れ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりな
る電解液を注液し、封口体60を封口ガスケット61を
介して外装缶70の開口部71に載置するとともに、こ
の開口部71を封口体60側にカシメて封口する。これ
により、公称容量2000mAHの比較例1の円筒形ニ
ッケル・水素蓄電池を作製する。
【0047】e.比較例2 ついで、上述のように作製した焼結式ニッケル正極板a
を用いた比較例2のニッケル・水素蓄電池の作製例を図
6に基づいて説明する。なお、図6は正・負極板を渦巻
状に巻回した渦巻状電極体に正極集電体を溶接し、金属
製円筒状外装缶内に収納した後、負極集電タブと金属製
円筒状外装缶とを溶接した状態を示す図であり、図6
(a)は断面図であり、図6(b)は封口体を封口する
前の上面図である。
【0048】上述のように作製した焼結式ニッケル正極
板aと、水素吸蔵合金をパンチングメタル(芯体)21
に塗布した負極板20とをポリプロピレン製不織布から
なるセパレータ30を介して、最外周が負極板20とな
るようにして渦巻状に卷回して渦巻状電極体Eを作製す
る。このとき、焼結式ニッケル正極板aの芯体11aが
セパレータ30より突出するように巻回する。このよう
に渦巻状に巻回した渦巻状電極体Eの直径は約22mm
であった。なお、負極板20の芯体21には負極用集電
タブ21aが設けられている。
【0049】ついで、焼結式ニッケル正極板aの芯体の
未塗着部分11aと、上述の実施例1〜7と同様の正極
集電体40の集電部41とを上述の実施例1〜7と同様
に抵抗溶接する。なお、この溶接工程において、焼結式
ニッケル正極板aの巻終わり端から100mmまでの芯
体の未塗着部分11aは正極集電体40の集電部41と
溶接されないこととなる。
【0050】ついで、有底円筒形の金属外装缶70を用
意し、上記のように集電体40を溶接した渦巻状電極体
Eを金属外装缶70内に挿入し、集電体40の電解液注
液孔44より一方の溶接電極を挿入して負極用集電タブ
21aに当接させるとともに金属外装缶70の底部に他
方の溶接電極を当接して、負極用集電タブ21aと金属
外装缶70の底部をスポット溶接する。
【0051】一方、上述の実施例1〜7と同様の封口体
60を用意し、正極集電体40の導出部42を封口体6
0の蓋体底部に接触させて、蓋体底部と導出部42とを
溶接して接続する。この後、金属外装缶70内にそれぞ
れ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりな
る電解液を注液し、封口体60を封口ガスケット61を
介して外装缶70の開口部71に載置するとともに、こ
の開口部71を封口体60側にカシメて封口する。これ
により、公称容量2000mAHの比較例2の円筒形ニ
ッケル・水素蓄電池を作製する。
【0052】f.比較例3 ついで、上述のように作製した焼結式ニッケル正極板a
を用いた比較例3のニッケル・水素蓄電池の作製例を図
7に基づいて説明する。なお、集電タブを備えた正・負
極板を渦巻状に巻回した渦巻状電極体を金属製円筒状外
装缶内に収納した状態を示す図であり、その断面を示し
ている。
【0053】上述のように作製した焼結式ニッケル正極
板aと、水素吸蔵合金をパンチングメタル(芯体)21
に塗布した負極板20とをポリプロピレン製不織布から
なるセパレータ30を介して、最外周が負極板20とな
るようにして渦巻状に卷回して渦巻状電極体Fを作製す
る。このとき、負極板20の芯体21がセパレータ30
より突出するように巻回する。このように渦巻状に巻回
した渦巻状電極体Fの直径は約22mmであった。な
お、焼結式ニッケル正極板aの芯体の未塗着部分11a
には正極用集電タブ11bが形成されている。
【0054】ついで、上述のようにして作成した渦巻状
電極体Fの負極板20の芯体21と、上述の実施例1〜
7と同様の負極集電体50とを上述の実施例1〜7と同
様に抵抗溶接する。ついで、有底円筒形の金属外装缶7
0を用意し、上記のように負極集電体50を溶接した渦
巻状電極体Fを金属外装缶70内に挿入し、渦巻状電極
体Fの中心部の空隙内に一方の溶接電極を挿入して負極
集電体50に当接させるとともに金属外装缶70の底部
に他方の溶接電極を当接して、負極集電体50と金属外
装缶70の底部をスポット溶接する。
【0055】一方、上述の実施例1〜7と同様の封口体
60を用意し、正極用集電タブ11bを封口体60の蓋
体底部に接触させて、蓋体底部と正極用集電タブ11b
とを溶接して接続する。この後、金属外装缶70内にそ
れぞれ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よ
りなる電解液を注液し、封口体60を封口ガスケット6
1を介して外装缶70の開口部71に載置するととも
に、この開口部71を封口体60側にカシメて封口す
る。これにより、公称容量2000mAHの比較例3の
円筒形ニッケル・水素蓄電池を作製する。
【0056】(2)非焼結式電極を用いたニッケル・水
素蓄電池 a.実施例10〜16 ついで、上述のように作製した各非焼結式ニッケル正極
板b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7を用いた
実施例10〜16のニッケル・水素蓄電池の作製例を図
2に基づいて説明する。上述のように作製した各非焼結
式ニッケル正極板b1、b2、b3、b4、b5、b
6、b7と、水素吸蔵合金をパンチングメタル(芯体)
21に塗布した負極板20とをそれぞれポリプロピレン
製不織布からなるセパレータ30を介して、最外周が負
極板20となるようにして渦巻状に卷回してそれぞれ渦
巻状電極体Aを作製する。このとき、各非焼結式ニッケ
ル正極板b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7の
帯状金属薄板11aがセパレータ30より突出するとと
もに、負極板20の芯体21がセパレータ30より突出
するように巻回する。このように渦巻状に巻回した渦巻
状電極体Aの直径は約22mmであった。
【0057】ついで、上述のようにして作製した渦巻状
電極体Aの負極板20の芯体21と、上述の実施例1〜
7と同様の直径21mmの負極集電体50とを抵抗溶接
するとともに、各非焼結式ニッケル正極板b1、b2、
b3、b4、b5、b6、b7の帯状金属薄板11aと
上述の実施例1〜7と同様の直径18mmの正極集電体
40の集電部41とを、上述の実施例1〜7と同様にし
て抵抗溶接する。この後、各非焼結式ニッケル正極板b
1、b2、b3、b4、b5、b6、b7に形成した集
電タブ12を正極集電体40の集電部41側に折り曲げ
た後、抵抗溶接する。
【0058】ついで、有底円筒形の金属外装缶70を用
意し、上記のように各集電体40,50を溶接した渦巻
状電極体Aを金属外装缶70内に挿入し、集電体40の
電解液注液孔44より一方の溶接電極を挿入して負極集
電体50に当接させるとともに金属外装缶70の底部に
他方の溶接電極を当接して、負極集電体50と金属外装
缶70の底部をスポット溶接する。
【0059】一方、上述の実施例1〜7と同様の封口体
60を用意し、正極集電体40の導出部42を封口体6
0の蓋体底部に接触させて、蓋体底部と導出部42とを
溶接して接続する。この後、金属外装缶70内にそれぞ
れ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりな
る電解液を注液し、封口体60を封口ガスケット61を
介して外装缶70の開口部71に載置するとともに、こ
の開口部71を封口体60側にカシメて封口する。これ
により、公称容量2000mAHの各実施例10〜16
の円筒形ニッケル・水素蓄電池をそれぞれ作製する。
【0060】b.実施例17 ついで、上述のように作製した非焼結式ニッケル正極板
b3を用いた実施例17のニッケル・水素蓄電池の作製
例を図3に基づいて説明する。上述のように作製した非
焼結式ニッケル正極板b3と、水素吸蔵合金をパンチン
グメタル(芯体)21に塗布した負極板20とをポリプ
ロピレン製不織布からなるセパレータ30を介して、最
外周が負極板20となるようにして渦巻状に卷回して渦
巻状電極体Bを作製する。このとき、非焼結式ニッケル
正極板b3の上端部がセパレータ50より突出するとと
もに、負極板40の下端部がセパレータ50より突出す
るように巻回する。このように渦巻状に巻回した渦巻状
電極体Bの直径は約22mmであった。
【0061】ついで、非焼結式ニッケル正極板b3の帯
状金属薄板11aに溶接した集電タブ12と、上述の実
施例1〜7と同様に形成した正極集電体40の集電部4
1とを抵抗溶接した後、渦巻状電極体Aの負極板20の
端部21と、上述の実施例1〜7と同様に形成した負極
集電体50とを抵抗溶接する。この後、非焼結式ニッケ
ル正極板b3の集電タブ12に溶接された正極集電体4
0を渦巻状電極体Bの上に載置し、非焼結式ニッケル正
極板b3の帯状金属薄板11aの端部と正極集電体40
の集電部41とを抵抗溶接する。
【0062】なお、この溶接工程において、非焼結式ニ
ッケル正極板b3の巻終わり端から100mmまでの帯
状金属薄板11aは正極集電体40の集電部41と溶接
されないこととなるが、非焼結式ニッケル正極板b3に
形成した集電タブ12は予め正極集電体40の集電部4
1の下面に溶接されている。
【0063】ついで、有底円筒形の金属外装缶70を用
意し、上記のように各集電体40,50を溶接した渦巻
状電極体Bを金属外装缶70内に挿入し、集電体40の
電解液注液孔44より一方の溶接電極を挿入して負極集
電体50に当接させるとともに金属外装缶70の底部に
他方の溶接電極を当接して、負極集電体50と金属外装
缶70の底部をスポット溶接する。
【0064】一方、上述の実施例1〜7と同様の封口体
60を用意し、正極集電体40の導出部42を封口体6
0の蓋体底部に接触させて、蓋体底部と導出部42とを
溶接して接続する。この後、金属外装缶70内にそれぞ
れ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりな
る電解液を注液し、封口体60を封口ガスケット61を
介して外装缶70の開口部71に載置するとともに、こ
の開口部71を封口体60側にカシメて封口する。これ
により、公称容量2000mAHの実施例17の円筒形
ニッケル・水素蓄電池を作製する。
【0065】c.実施例18 ついで、上述のように作製した非焼結式ニッケル正極板
b3を用いた実施例18のニッケル・水素蓄電池の作製
例を図4に基づいて説明する。上述のように作製した非
焼結式ニッケル正極板b3と、水素吸蔵合金をパンチン
グメタル(芯体)21に塗布した負極板20とをポリプ
ロピレン製不織布からなるセパレータ30を介して、最
外周が負極板20となるようにして渦巻状に卷回して渦
巻状電極体Cを作製する。このとき、非焼結式ニッケル
正極板b3の帯状金属薄板11aがセパレータ30より
突出するように巻回する。このように渦巻状に巻回した
渦巻状電極体Cの直径は約22mmであった。なお、負
極板20の下端部には負極用集電タブ21aが設けられ
ている。
【0066】ついで、非焼結式ニッケル正極板b3の帯
状金属薄板11aの端部と、上述の実施例1〜7と同様
に形成した正極集電体40の集電部41とを上述の実施
例1〜7と同様に抵抗溶接する。なお、この溶接工程に
おいて、非焼結式ニッケル正極板b3の巻終わり端から
100mmまでの帯状金属薄板11aは正極集電体40
の集電部41と溶接されないこととなる。そのため、非
焼結式ニッケル正極板b3に形成した集電タブ12を正
極集電体40の集電部41側に折り曲げた後、集電タブ
12の上部に一対の溶接電極(図示せず)を配置し、こ
れらの一対の溶接電極間に溶接電流を流して抵抗溶接を
行う。
【0067】ついで、有底円筒形の金属外装缶70を用
意し、上記のように集電体40を溶接した渦巻状電極体
Cを金属外装缶70内に挿入し、集電体40の電解液注
液孔44より一方の溶接電極を挿入して負極用集電タブ
21aに当接させるとともに金属外装缶70の底部に他
方の溶接電極を当接して、負極用集電タブ21aと金属
外装缶70の底部をスポット溶接する。
【0068】一方、上述の実施例1〜7と同様の封口体
60を用意し、正極集電体40の導出部42を封口体6
0の蓋体底部に接触させて、蓋体底部と導出部42とを
溶接して接続する。この後、金属外装缶70内にそれぞ
れ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりな
る電解液を注液し、封口体60を封口ガスケット61を
介して外装缶70の開口部71に載置するとともに、こ
の開口部71を封口体60側にカシメて封口する。これ
により、公称容量2000mAHの実施例18の円筒形
ニッケル・水素蓄電池を作製する。
【0069】d.比較例4 ついで、上述のように作製した非焼結式ニッケル正極板
bを用いた比較例4のニッケル・水素蓄電池の作製例を
図5に基づいて説明する。上述のように作製した非焼結
式ニッケル正極板bと、水素吸蔵合金をパンチングメタ
ル(芯体)21に塗布した負極板20とをポリプロピレ
ン製不織布からなるセパレータ30を介して、最外周が
負極板20となるようにして渦巻状に卷回して渦巻状電
極体Dを作製する。このとき、非焼結式ニッケル正極板
bの帯状金属薄板11aの上端部がセパレータ30より
突出するとともに、負極板20の芯体21の下端部がセ
パレータ30より突出するように巻回する。このように
渦巻状に巻回した渦巻状電極体Dの直径は約22mmで
あった。
【0070】そして、上述のようにして作成した渦巻状
電極体Dの負極板20の芯体21の下端部21と上述の
実施例1〜7と同様に形成した負極集電体50とを上述
の実施例1〜7と同様に抵抗溶接するとともに、非焼結
式ニッケル正極板bの帯状金属薄板11aの端部と正極
集電体40の集電部41とを抵抗溶接する。なお、この
溶接工程において、非焼結式ニッケル正極板bの巻終わ
り端から100mmまでの帯状金属薄板11aは正極集
電体40の集電部41と溶接されないこととなる。
【0071】ついで、有底円筒形の金属外装缶70を用
意し、上記のように各集電体40,50を溶接した渦巻
状電極体Dを金属外装缶70内に挿入し、集電体40の
電解液注液孔44より一方の溶接電極を挿入して負極集
電体50に当接させるとともに金属外装缶70の底部に
他方の溶接電極を当接して、負極集電体50と金属外装
缶70の底部をスポット溶接する。
【0072】一方、上述の実施例1〜7と同様の封口体
60を用意し、正極集電体40の導出部42を封口体6
0の蓋体底部に接触させて、蓋体底部と導出部42とを
溶接して接続する。この後、金属外装缶70内にそれぞ
れ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりな
る電解液を注液し、封口体60を封口ガスケット61を
介して外装缶70の開口部71に載置するとともに、こ
の開口部71を封口体60側にカシメて封口する。これ
により、公称容量2000mAHの比較例4の円筒形ニ
ッケル・水素蓄電池を作製する。
【0073】e.比較例5 ついで、上述のように作製した非焼結式ニッケル正極板
bを用いた比較例5のニッケル・水素蓄電池の作製例を
図6に基づいて説明する。上述のように作製した非焼結
式ニッケル正極板bと、水素吸蔵合金をパンチングメタ
ル(芯体)21に塗布した負極板20とをポリプロピレ
ン製不織布からなるセパレータ30を介して、最外周が
負極板20となるようにして渦巻状に卷回して渦巻状電
極体Eを作製する。このとき、非焼結式ニッケル正極板
bの帯状金属薄板11aの上端部がセパレータ30より
突出するように巻回する。このように渦巻状に巻回した
渦巻状電極体Eの直径は約22mmであった。なお、負
極板20の芯体21には負極用集電タブ21aが設けら
れている。
【0074】ついで、非焼結式ニッケル正極板bの帯状
金属薄板11aの上端部と、上述の実施例1〜7と同様
に形成した正極集電体40の集電部41とを上述の実施
例1〜7と同様に抵抗溶接する。なお、この溶接工程に
おいて、非焼結式ニッケル正極板bの巻終わり端から1
00mmまでの帯状金属薄板11aは正極集電体40の
集電部41と溶接されないこととなる。
【0075】ついで、有底円筒形の金属外装缶70を用
意し、上記のように集電体40を溶接した渦巻状電極体
Eを金属外装缶70内に挿入し、集電体40の電解液注
液孔44より一方の溶接電極を挿入して負極用集電タブ
21aに当接させるとともに金属外装缶70の底部に他
方の溶接電極を当接して、負極用集電タブ21aと金属
外装缶70の底部をスポット溶接する。
【0076】一方、上述の実施例1〜7と同様の封口体
60を用意し、正極集電体40の導出部42を封口体6
0の蓋体底部に接触させて、蓋体底部と導出部42とを
溶接して接続する。この後、金属外装缶70内にそれぞ
れ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりな
る電解液を注液し、封口体60を封口ガスケット61を
介して外装缶70の開口部71に載置するとともに、こ
の開口部71を封口体60側にカシメて封口する。これ
により、公称容量2000mAHの比較例5の円筒形ニ
ッケル・水素蓄電池を作製する。
【0077】f.比較例6 ついで、上述のように作製した非焼結式ニッケル正極板
bを用いた比較例6のニッケル・水素蓄電池の作製例を
図7に基づいて説明する。上述のように作製した非焼結
式ニッケル正極板bと、水素吸蔵合金をパンチングメタ
ル(芯体)21に塗布した負極板20とをポリプロピレ
ン製不織布からなるセパレータ30を介して、最外周が
負極板20となるようにして渦巻状に卷回して渦巻状電
極体Fを作製する。このとき、負極板20の帯状金属薄
板11aの下端部がセパレータ30より突出するように
巻回する。このように渦巻状に巻回した渦巻状電極体F
の直径は約22mmであった。なお、非焼結式ニッケル
正極板bの帯状金属薄板11aには正極用集電タブ11
bが溶接されている。
【0078】ついで、上述のようにして作成した渦巻状
電極体Fの負極板20の芯体21との上述の実施例1〜
7と同様に形成した負極集電体50と上述の実施例1〜
7と同様に抵抗溶接する。ついで、有底円筒形の金属外
装缶70を用意し、上記のように集電体50を溶接した
渦巻状電極体Fを金属外装缶70内に挿入し、渦巻状電
極体Fの中心部の空隙内に一方の溶接電極を挿入して負
極集電体50に当接させるとともに金属外装缶70の底
部に他方の溶接電極を当接して、負極集電体50と金属
外装缶70の底部をスポット溶接する。
【0079】一方、上述の実施例1〜7の封口体60を
用意し、正極用集電タブ11bを封口体60の蓋体底部
に接触させて、蓋体底部と正極用集電タブ11bとを溶
接して接続する。この後、金属外装缶70内にそれぞれ
30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりなる
電解液を注液し、封口体60を封口ガスケット61を介
して外装缶70の開口部71に載置するとともに、この
開口部71を封口体60側にカシメて封口する。これに
より、公称容量2000mAHの比較例6の円筒形ニッ
ケル・水素蓄電池を作製する。
【0080】3.ニッケル・水素蓄電池の活性化 上述のように作製した実施例1〜18および比較例1〜
6の24種類のニッケル・水素蓄電池を200mA
(0.1C)の充電々流で16時間充電した後、1時間
休止させる。その後、400mA(0.2C)の放電々
流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させた後、1時
間休止させる。この充放電を室温で3サイクル繰り返し
て、実施例1〜18および比較例1〜6の24種類のニ
ッケル・水素蓄電池を活性化する。
【0081】4.高率放電試験 上述のようにして作製した実施例1〜9および比較例1
〜3の12種類のニッケル・水素蓄電池を200mA
(0.1C)の充電々流で16時間充電した後、1時間
休止させる。その後、10A(5C)の放電々流で終止
電圧が0.5Vになるまで放電させて高率放電を行い、
放電容量が50%のときの電圧(作動電圧)の測定を行
うと、下記の表1に示すような結果となった。
【0082】
【表1】
【0083】上記表1より明らかなように、負極集電体
50を用いた実施例1〜8のニッケル・水素蓄電池と比
較例1,3のニッケル・水素蓄電池とを比較すると、実
施例1〜8のニッケル・水素蓄電池の作動電圧が向上す
ることが分かる。また、負極集電体50を用いないで負
極集電タブ21aを用いた実施例9のニッケル・水素蓄
電池と比較例2のニッケル・水素蓄電池とを比較する
と、実施例9のニッケル・水素蓄電池の作動電圧が向上
することが分かる。このように、正極板10の正極集電
体40との未接続部11a(図1(a)参照)に集電タ
ブ12を溶接すると、図1(b)に示すように、正極板
10内での電流分布が均一化するため、電圧降下が低減
されて高率放電時の作動電圧が向上する。
【0084】また、ニッケル正極板a3を用いるととも
に負極集電体50を用いた実施例3のニッケル・水素蓄
電池と、ニッケル正極板a3を用いるとともに負極集電
体50を用いないで負極タブ21aを用いた実施例9の
ニッケル・水素蓄電池とを比較すると、実施例3のニッ
ケル・水素蓄電池の作動電圧が向上することが分かる。
このことから、負極集電体50を用いた方が作動電圧が
向上することが分かる。
【0085】また、ニッケル正極板a3を用いた実施例
3のニッケル・水素蓄電池の作動電圧は1.25Vで、
ニッケル正極板a3を用いた実施例8のニッケル・水素
蓄電池の作動電圧も1.25Vで等しい。このことか
ら、正極集電体40を電極体Aの未充填部11aに溶接
した後、集電タブ12を正極集電体40の集電部41上
に溶接(実施例3)しても、あるいは集電タブ12を正
極集電体40の集電部41に溶接した後、正極集電体4
0を電極体Aの未充填部11aに溶接(実施例8)して
も、どちの方法を採用しても良いことが分かる。
【0086】さらに、渦巻状に巻回された際の巻終わり
端より33mm(x=33mm)の位置に集電タブ12
が溶接された実施例3および実施例8のニッケル・水素
蓄電池の作動電圧は最高(1.25V)となったが、集
電タブ12の位置がこれより両側にづれるに伴ってその
作動電圧が低下することが分かる。したがって、集電タ
ブ12を渦巻状に巻回された際の巻終わり端より0〜5
0mmの位置に設けると高作動電圧となるので、集電タ
ブ12の位置は渦巻状に巻回された際の巻終わり端より
1/2以内にするのが好ましい。
【0087】同様に、上述のようにして作製した実施例
10〜18および比較例4〜6の12種類のニッケル・
水素蓄電池を200mA(0.1C)の充電々流で16
時間充電した後、1時間休止させる。その後、10A
(5C)の放電々流で終止電圧が0.5Vになるまで放
電させて高率放電を行い、放電容量が50%のときの電
圧(作動電圧)の測定を行うと、下記の表2に示すよう
な結果となった。
【0088】
【表2】
【0089】上記表2より明らかなように、負極集電体
50を用いた実施例10〜17のニッケル・水素蓄電池
と比較例4および6のニッケル・水素蓄電池とを比較す
ると、実施例10〜17のニッケル・水素蓄電池の作動
電圧が向上することが分かる。また、負極集電体50を
用いないで負極集電タブ21aを用いた実施例18のニ
ッケル・水素蓄電池と比較例5のニッケル・水素蓄電池
とを比較すると、実施例18のニッケル・水素蓄電池の
作動電圧が向上することが分かる。このように、正極板
10の正極集電体40の帯状金属薄板11b(図1
(a)参照)に集電タブ12を溶接すると、図1(b)
に示すように、正極板10内での電流分布が均一化する
ため、電圧降下が低減されて高率放電時の作動電圧が向
上する。
【0090】また、ニッケル正極板b3を用いるととも
に負極集電体50を用いた実施例12のニッケル・水素
蓄電池と、ニッケル正極板b3を用いるとともに負極集
電体50を用いないで負極タブ21aを用いた実施例1
8のニッケル・水素蓄電池とを比較すると、実施例12
のニッケル・水素蓄電池の作動電圧が向上することが分
かる。このことから、負極集電体50を用いた方が作動
電圧が向上することが分かる。
【0091】また、ニッケル正極板a3を用いた実施例
12のニッケル・水素蓄電池の作動電圧は1.25V
で、ニッケル正極板a3を用いた実施例17のニッケル
・水素蓄電池の作動電圧も1.26Vでほぼ等しい。こ
のことから、正極集電体40を電極体Aの帯状金属薄板
11aに溶接した後、集電タブ12を正極集電体40の
集電部41上に溶接(実施例3)しても、あるいは集電
タブ12を正極集電体40の集電部41に溶接した後、
正極集電体40を電極体Aの帯状金属薄板11aに溶接
(実施例8)しても、どちの方法を採用しても良いこと
が分かる。
【0092】また、渦巻状に巻回された際の巻終わり端
より33mm(x=33mm)の位置に集電タブ12が
溶接された実施例17のニッケル・水素蓄電池の作動電
圧は最高(1.26V)となったが、集電タブ12の位
置がこれより両側にづれるに伴ってその作動電圧は低下
することが分かる。したがって、集電タブ12を渦巻状
に巻回された際の巻終わり端より0〜50mmの位置に
設けると高作動電圧となるので、集電タブ12の位置は
渦巻状に巻回された際の巻終わり端より1/2以内にす
るのが好ましい。
【0093】さらに、表1の実施例1〜9のニッケル・
水素蓄電池と表2の実施例10〜18のニッケル・水素
蓄電池とを比較しても、その作動電圧は格別に相違しな
いのに対し、表1の比較例1〜3のニッケル・水素蓄電
池と表2の比較例4〜6のニッケル・水素蓄電池とを比
較すると、比較例4〜6のニッケル・水素蓄電池の作動
電圧が低下していることが分かる。このことから、実施
例10〜18のニッケル・水素蓄電池、即ち、本発明を
非焼結式ニッケル正極板を用いたニッケル・水素蓄電池
に適用した方が効果が大きいことが分かる。
【0094】なお、上述した実施形態においては、本発
明をニッケル・水素蓄電池に適用した例について説明し
たが、これに限らず、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニ
ッケル・亜鉛蓄電池、リチウムイオン電池などの正・負
極板をセパレータを介して渦巻状に巻回した渦巻状電極
体を備えた円筒状電池であれば、どのような電池であっ
ても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のニッケル正極板を示す図である。
【図2】 本発明の電池の正・負極板を渦巻状に巻回し
た電極体に正極集電体と負極集電体を溶接した後、金属
製外装缶内に収納して正極集電タブと正極集電体とを溶
接した状態を示す図である。
【図3】 本発明の電池の正・負極板を渦巻状に巻回し
た渦巻状電極体の正極集電タブと正極集電体とを溶接
し、電極体に正極集電体と負極集電体を溶接した後、金
属製外装缶内に収納した状態を示す図である。
【図4】 本発明の電池の正・負極板を渦巻状に巻回し
た渦巻状電極体に正極集電体を溶接し、金属製円筒状外
装缶内に収納した後、正極集電タブと正極集電体とを溶
接した状態を示す図である。
【図5】 従来の電池(比較例の電池)の正・負極板を
渦巻状に巻回した渦巻状電極体に正極集電体と負極集電
体を溶接した後、金属製円筒状外装缶内に収納した状態
を示す図である。
【図6】 従来の電池(比較例の電池)の正・負極板を
渦巻状に巻回した渦巻状電極体に正極集電体を溶接し、
金属製円筒状外装缶内に収納した後、負極集電タブと金
属製円筒状外装缶とを溶接した状態を示す図である。
【図7】 従来の電池(比較例の電池)の集電タブを備
えた正・負極板を渦巻状に巻回した渦巻状電極体を金属
製円筒状外装缶内に収納した状態を示す図である。
【図8】 従来のニッケル正極板を示す図である。
【符号の説明】
10…ニッケル正極板、11…活物質保持体(焼結基板
または発泡ニッケル)、11a…活物質未充填部または
帯状金属薄板、11b…正極集電タブ、12…集電タ
ブ、20…負極板、21a…負極集電タブ、30…セパ
レータ、40…正極集電体、41…集電部、42…導出
部、50…負極集電体、60…封口体、70…金属製円
筒状外装缶、71…開口部
フロントページの続き (72)発明者 春日 秀夫 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 赤澤 俊裕 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正・負極板をセパレータを介して渦巻状
    に巻回した渦巻状電極体を負極端子を兼ねる金属製円筒
    状外装缶内に備えた円筒状電池であって、 前記渦巻状電極体の前記正極板上端部はその一部を除い
    て正極端子を兼ねる封口体に接続される正極集電体に接
    続され、かつこの正極集電体に接続されない正極板上端
    部に集電タブを備え、 前記渦巻状電極体の前記負極板下端部は前記負極端子を
    兼ねる金属製円筒状外装缶に電気的に接続され、 前記集電タブは前記正極集電体に接続されたことを特徴
    とする渦巻状電極体を備えた円筒状電池。
  2. 【請求項2】 前記渦巻状電極体の前記負極板下端部に
    負極集電体を備え、この負極集電体は同負極板下端部に
    接続されるとともに前記負極端子を兼ねる金属製円筒状
    外装缶に接続されたことを特徴とする請求項1に記載の
    渦巻状電極体を備えた円筒状電池。
  3. 【請求項3】 前記集電タブは前記正極集電体に接続さ
    れない部分の前記渦巻状に巻回した巻終わり端部から1
    /2以内の位置としたことを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の渦巻状電極体を備えた円筒状電池。
  4. 【請求項4】 前記円筒状電池はアルカリ蓄電池である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずかに記載
    の渦巻状電極体を備えた円筒状電池。
  5. 【請求項5】 前記正極板は非焼結ニッケル正極板であ
    ることを特徴とする請求項4に記載の渦巻状電極体を備
    えた円筒状電池。
  6. 【請求項6】 正・負極板をセパレータを介して渦巻状
    に巻回した渦巻状電極体を負極端子を兼ねる金属製円筒
    状外装缶内に挿入して製造する円筒状電池の製造方法で
    あって、 前記正極板上端部の前記渦巻状電極体としたときに正極
    端子を兼ねる封口体に接続される正極集電体に接続され
    ない部位に集電タブを溶接する集電タブ溶接工程と、 前記渦巻状電極体の前記正極板上端部をその一部を除い
    て前記正極集電体に溶接する正極集電体溶接工程と、 前記正極板上端部に溶接された集電タブを前記正極集電
    体に溶接する集電タブ−正極集電体溶接工程と、 前記正極集電体が溶接された渦巻状電極体を前記負極端
    子を兼ねる金属製円筒状外装缶内に挿入する電極体挿入
    工程と、 前記渦巻状電極体の前記負極板下端部を前記金属製円筒
    状外装缶の底部に電気的に接続する接続工程と、 前記正極集電体を正極端子を兼ねる封口体に溶接する封
    口体溶接工程とを備えたことを特徴とする渦巻状電極体
    を備えた円筒状電池の製造方法。
  7. 【請求項7】 正・負極板をセパレータを介して渦巻状
    に巻回した渦巻状電極体を負極端子を兼ねる金属製円筒
    状外装缶内に挿入して製造する円筒状電池の製造方法で
    あって、 前記正極板上端部の前記渦巻状電極体としたときに正極
    端子を兼ねる封口体に接続される正極集電体に接続され
    ない部位に集電タブを溶接する集電タブ溶接工程と、 前記正極板上端部に溶接された集電タブを前記正極集電
    体に溶接する集電タブ−正極集電体溶接工程と前記渦巻
    状電極体の前記正極板上端部を前記集電タブが溶接され
    た正極集電体に溶接する正極集電体溶接工程と、 前記正極集電体をその上端部に溶接した渦巻状電極体を
    前記負極端子を兼ねる金属製円筒状外装缶内に挿入する
    電極体挿入工程と、 前記正極集電体の集電部を正極端子を兼ねる封口体に溶
    接する封口体溶接工程とを備えたことを特徴とする渦巻
    状電極体を備えた円筒状電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記電極体挿入工程前に、前記渦巻状電
    極体の前記負極板下端部を負極集電体に溶接する負極集
    電体溶接工程とを備えるとともに、 前記電極体挿入工程後に、前記負極集電体を前記金属製
    円筒状外装缶の底部に溶接する外装缶溶接工程とを備え
    たことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の渦
    巻状電極体を備えた円筒状電池の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記集電タブは前記正極集電体に接続さ
    れない部分の前記渦巻状に巻回した巻終わり端から1/
    2以内の位置としたことを特徴とする請求項6から請求
    項8のいずれかに記載の渦巻状電極体を備えた円筒状電
    池の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記円筒状電池はアルカリ蓄電池であ
    ることを特徴とする請求項6から請求項9のいずかに記
    載の渦巻状電極体を備えた円筒状電池の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記正極板は非焼結ニッケル正極板で
    あることを特徴とする請求項10に記載の渦巻状電極体
    を備えた円筒状電池の製造方法。
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