JPH11160725A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH11160725A
JPH11160725A JP32458397A JP32458397A JPH11160725A JP H11160725 A JPH11160725 A JP H11160725A JP 32458397 A JP32458397 A JP 32458397A JP 32458397 A JP32458397 A JP 32458397A JP H11160725 A JPH11160725 A JP H11160725A
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JP
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liquid crystal
crystal layer
crystal display
cell
substrate
Prior art date
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JP32458397A
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English (en)
Inventor
Takashi Yamaguchi
剛史 山口
Yasushi Kawada
靖 川田
Hajime Yamaguchi
一 山口
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示品位が高く消費電力が小さな反射型液晶
表示素子を提供する。 【解決手段】 ガラスなどの透明絶縁材料からなる基板
13aと基板13bとの間に、ネマティック液晶と光学
活性物質の第1の異性体とからなる第1の液晶層21を
挟持した第1のセル11と、ガラスなどの透明絶縁材料
からなる基板14aと基板14bとの間に、ネマティッ
ク液晶と第1の液晶層21に添加した光学活性物質と光
学異性の関係にある第2の異性体とからなる第2の液晶
層22を挟持した第2のセル12とを積層する。このよ
うな構成を採用することにより、反射率の向上と駆動電
圧の低電圧化を図ることができ、視認性の優れた液晶表
示素子を提供することができる。また液晶層21、22
の電気光学応答が複雑になることなく駆動が容易にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子に関
し、とくにコレステリック相を呈する液晶層を用いた液
晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に液晶表示素子は一定の距離を隔て
て対向配置された一対の基板に液晶材料を挟持し、これ
らの基板の液晶挟持面の少なくとも一方の面に電極を配
設し、この電極により形成される電界と液晶層との電気
−光学応答により透過光あるいは反射光の変調を行うも
のである。また各基板の液晶挟持面には、電極を覆うよ
うにして液晶層の配向を制御するための配向膜を配設し
ている。このような液晶表示素子では、画素部において
基板上に透明または非透明電極が積層され、さらに電極
上に配向膜が形成されており、電極によって液晶に対し
て電圧の印加がなされる。特に近年では、基板にマトリ
クスアレイ状に電極を配設し、各電極に選択的に表示信
号を供給するための薄膜トランジスタ等の非線形スイッ
チング素子が配設されたアクティブマトリクス型の液晶
表示素子が実用化されている。
【0003】上述したような液晶表示素子の構成材料の
うち、液晶材料はその配列状態を外部より印加される電
場、磁場等により変形され、光学的な性質を変えること
により光スイッチング素子として機能している。一般的
には、偏光板により制御された光成分(偏光)を液晶配
列により制御して明状態と暗状態とを実現するツイスト
ネマチック素子やSSFLC、AFLC等が用いられて
いるが、これらの表示モードでは偏光板を用いるため
に、その光利用効率は最大50%程度にとどまるという
問題がある。したがって、光の利用効率を向上するため
には、偏光板を用いない表示モードを採用することが好
ましい。
【0004】偏光板を用いない表示モードとして、高分
子材料中に液晶材料を分散し、その散乱状態と非散乱状
態により光スイッチングをおこなうためPDLC等が提
唱され実用化が目指されているが、散乱能の低さなどに
より反射状態での光利用効率は比較的小さいという問題
がある。
【0005】さらに、これら液晶表示モードのうちSS
FLC、AFLC等を除いては、外場を取り除いてしま
うとその変形状態が元の初期配列状態に戻ってしまうた
めに、TFTやその他の補助的な手法により保持状態を
形成してやる必要がある。
【0006】これら透過、散乱モードに対して液晶材料
の複雑な捻れ構造により特定の波長を有する光を選択的
に反射する、コレステリック液晶材料の選択反射モード
と呼ばれる表示モードがGeorge H.Heilm
eier,Joel E.Goldmacher(Ap
pl.Phys.Lett.13,132(196
8).)らにより提案されている。この表示モードは、
コレステリック液晶、カイラルネマティック液晶の螺旋
軸が液晶層を挟持する基板面にほぼ垂直な配向状態であ
るプレーナー構造状態における選択反射あるいは可視光
領域以外の波長の光の反射を伴う透明状態と、螺旋軸が
基板面に対してほぼ平行なフォーカルコニック構造状態
における散乱(または弱散乱)状態における光スイッチ
ングを行う。さらに、それぞれの配向状態は外場を取り
除いた後も一時的に保持するストレージ効果を示すた
め、大型のマトリクス駆動への実用化が試みられた。
【0007】偏光板を必要としないこの表示モードは、
透明状態の透過率が高く光利用効率は高いが、散乱状態
における散乱能が十分でなく、コントラストが低いなど
の問題があり十分な表示性能を実現することは難しい。
また、フォーカルコニック状態でのストレージ性が比較
的不安定なため、信頼性などの問題を有している。これ
に対して、D.−K.Yang,L.−C.Chei
n,J.W.Doane(SID 95 DIGES
T.706(1995).)らにより同コレステリック
液晶材料中に高分子材料を少量分散させたPSCT(P
olymer Stabilized Cholest
eric Texture)が提唱され表示特性の改
善、各変形状態でのストレージ性の安定化により実用化
が試みられている。
【0008】PSCTでは、プレーナー状態における可
視光領域の選択反射とフォーカルコニック状態における
弱散乱透過状態とにより表示をおこなうため、比較的コ
ントラストか高い表示が可能ではあるが、ポリマーマト
リクスにより液晶の変形状態を固定し安定化するため
に、実際の反射率は約30〜40%程度が限度であり、
また透過時に散乱を生じるためコントラスト向上にも限
界を伴うという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を解決するためになされたものである。すなわち本
発明は、表示品質が高く、消費電力の小さな液晶表示素
子を提供することを目的とする。また本発明は、反射率
の向上を図るための積層した液晶層を有する液晶表示素
子において、中間調表示を含めた駆動が容易である液晶
表示素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、本発明の液晶表示素子は以下のような構成を備
えている。
【0011】本発明の液晶表示素子は、ネマティック液
晶と、光学活性物質の第1の異性体とからなる第1の液
晶層と、前記第1の液晶層と積層され、前記ネマティッ
ク液晶と、前記光学活性物質と光学異性の関係にある第
2の異性体とからなる第2の液晶層とを具備したことを
特徴とする。
【0012】また本発明の液晶表示素子は、ネマティッ
ク液晶と、光学活性物質の第1の異性体とからなる第1
の液晶層と、前記第1の液晶層と積層され、前記ネマテ
ィック液晶と、前記光学活性物質と光学異性の関係にあ
る第2の異性体とからなる第2の液晶層と、前記第1の
液晶層および前記第2の液晶層との間に、前記第1の液
晶層および前記第2の液晶層と電磁気的に相互作用する
ように配設された第1の電極とを具備したことを特徴と
する。
【0013】また本発明の液晶表示素子は、第1の電極
が配設された第1の基板と、前記第1の基板と対向配置
され、第2の電極が配設された第2の基板と、前記第1
の基板と前記第2の基板との間に配設され、ネマティッ
ク液晶と、光学活性物質の第1の異性体とからなる第1
の液晶層と、前記第1の液晶層と前記第2の基板との間
に配設され、前記ネマティック液晶と、前記光学活性物
質と光学異性の関係にある第2の異性体とからなる第2
の液晶層とを具備したことを特徴とする。
【0014】また、第1および第2の液晶層が積層され
同時に駆動されるコレステリック液晶表示素子におい
て、第1の液晶層を構成する液晶組成物に含まれる光学
活性物質と第2の液晶層を構成する液晶組成物に含まれ
る光学活性物質が互いに他の対掌体である光学活性物質
を少なくとも1種類含むようにしてもよい。双方または
片方が光透過可能な第1及び第2の透明基板と、前記二
つの基板によって狭持された、第1の液晶層を構成する
液晶組成物に含まれる光学活性物質と第2の液晶層を構
成する液晶組成物に含まれる光学活性物質が互いに他の
対掌体である光学活性物質を少なくとも1種類含む液晶
組成物を採用するようにしてもよい。
【0015】本発明の液晶表示素子の液晶層を構成する
ネマチック液晶は、それが正の誘電異方性を有する限り
において特に限定されるものではない。ネマチック液晶
として有用な物質として、例えば、BL035(メルク
社製)、BL006(メルク社製)、E48(メルク社
製)などをあげることができる。これらの、またはその
他のネマチック液晶物質は、単独で使用しても混合して
使用してもよい。
【0016】本発明の液晶表示素子の液晶層を構成する
光学活性物質は、それが2つの液晶層に各々含まれる光
学活性物質が互いに対掌体である限りにおいて特に限定
されるものではない。これらの中で本発明の液晶表示素
子に好適に用いることのできる光学活性化合物として
は、例えば下記のようなものがある。
【0017】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】 ここで、R* はC2n+1(n=4〜7)で構成
される不斉炭素を有するアルキル基およびC
2n+1O(n=4〜7)で構成される不斉炭素を有す
るアルコキシ基(例えば2−メチルブチル基、2−メチ
ルブトキシ基、4−メチルヘキシル基等)、XはCN、
F、Cl等の極性基、Y、YはH、CN、F、Cl
等などである。
【0018】これらの光学活性物質は、単独で使用して
も混合して使用してもよい。
【0019】特に、化学式(化1)として示した化合物
の中でも化学式(化2)として示した化合物、すなわち
4−Cyanophenyl−4−[(S)−2−Me
thylbutyl]benzoateおよび4一Cy
anophenyl−4−[(R)−2−Methyl
butyl]benzoateなどが本発明の液晶表示
素子に好適に用いることができる。
【0020】また化学式(化3)として示した化合物の
中でも化学式(化4)として示した化合物、すなわち4
−Cyanophenyl−4−[(S)−2−Met
hylbutyl]cyclohexaneおよび4−
Cyanophenyl−4−[(R)−2−ethy
lbutyl]cyclohexaneなどが本発明の
液晶表示素子に好適に用いることができる。
【0021】また化学式(化5)として示した化合物の
中でも化学式(化6)として示した化合物、すなわち4
−Cyanophenyl−4−[(S)−2−Met
hylbutyl]pyrimidineおよび4−C
yanophenyl−4−[(R)−2−Methy
lbutyl]pyrimidine)などが本発明の
液晶表示素子に好適に用いることができる。
【0022】また化学式(化7)として示した化合物の
中でも化学式(化8)として示した化合物、すなわち4
一Cyanophenyl−4−[(S)−2−Met
hylbutyl]dioxaneおよび4−Cyan
ophenyl−4−[(R)−2−Methylbu
tyl]dioxaneなどが本発明の液晶表示素子に
好適に用いることができる。
【0023】また化学式(化9)として示した化合物の
中でも化学式(化10)として示した化合物などが本発
明の液晶表示素子に好適に用いることができる。
【0024】本発明者らは、本発明を完成するに先駆け
て、ネマティック液晶と光学活性物質を混合することに
よって安定化されるコレステリック液晶組成物におい
て、電場誘起コレステリック−ネマチック相転移に要す
る閾値電界強度ECNと誘電率に対する、液晶層に混合す
る光学活性物質の材料依存性について検討した。
【0025】図1は誘電異方性が正を示すコレステリッ
ク液晶組成物に電圧を印加した時のセル中の液晶ダイレ
クタの配向状態を説明するための図である。電圧無印加
状態の液晶層では図1(a)に示すように液晶ダイレク
タは螺旋構造をとり、螺旋軸は基板に垂直(基板の法線
方向)、すなわち、プレーナ状態である。液晶層に印加
する電圧を徐々に大きくしていくと、図1(b)に示す
ように螺旋軸は電界方向に垂直、基板に平行な状態に遷
移する。さらに液晶層に印加する電圧を大きくすると螺
旋構造は解消され、図1(c)に示すように、液晶ダイ
レクタは基板に垂直な方向に揃い、ネマチック相の一種
であるホメオトロピック状態となる。
【0026】発明者らはこのときの印加電圧をVthと
し、ホスト液晶であるネマチック液晶を固定して種々の
光学活性物質を同じピッチの螺旋構造となるように混合
比を調整し混合した液晶組成物のVthを評価した。
【0027】図2は駆動電圧Vthと温度との関係を示す
グラフであり、液晶層に混合する光学活性物質に依存し
ている様子を示している。一般にホメオトロピック状態
への閾値電界強度ECNは次式で表されることが知られて
いる。 ECN=(π2 /P0 )×(K22/ε0 Δε)1/2 ここで、P0 は螺旋ピッチ、K22はツイストの弾性定
数、そしてΔεは誘電率異方性である。上記の評価では
混合比を調整しP0 を固定しているので、光学活性物質
によってK22及びΔεへの影響が異なることがわかる。
【0028】また図3は、液晶組成物の誘電率の電圧依
存性を示すグラフであり、コレステリック液晶組成物に
バイアス電圧を印加しながら電気容量を測定した誘電率
を印加電圧に対してプロットしたものである。プロファ
イル31は、ネマティック液晶ZLI4900約58w
t%と化学式(化11)のカイラル剤約42wt%とか
らなる液晶組成物を用いた場合であり、プロファイル3
2は、ネマティック液晶ZLI4900約63wt%と
化学式(化2)のカイラル剤約37wt%とからなる液
晶組成物を用いた場合であり、プロファイル33は、ネ
マティック液晶ZLI4900約63wt%とカイラル
剤CB−15約37wt%とからなる液晶組成物を用い
た場合である。
【0029】印加電圧が0Vの時の誘電率はプレーナー
状態の誘電率、印加電圧に対して飽和している誘電率は
ホメオトロピック状態の誘電率を示している。この図か
らホメオトロピック状態の誘電率εhomeo 、およびプレ
ーナ状態の誘電率εplanar等は、液晶層に混合された光
学活性物質によって大きく異なることがわかった。
【0030】図4は、これらの異なる光学活性物質(互
いに光学異性の関係にない)からなる2つのコレステリ
ック液晶層を積層した液晶表示素子の電気光学特性を測
定した結果を示す図である。このように異なる光学活性
物質からなる複数のコレステリック液晶層を積層した液
晶表示素子では、中間調領域で電気光学特性が複雑にな
っていることががわかった。また、このような液晶表示
素子を1つの駆動手段で同時に駆動する場合、各液晶層
の誘電率により電界強度が分配されてしまい、2つの液
晶層を同時に駆動することが困難であることがわかっ
た。さらに、2つの液晶層各々に駆動手段を付与する場
合、その駆動手段への信号タイミング、電圧レベル等を
調整する必要があり、このために複雑な調整用の回路を
設けなければならないことがわかった。
【0031】本発明者らは、前述した各評価に用いた光
学活性物質と対掌体である光学活性物質を合成し、同様
の測定を行った。その結果、ある光学活性物質とその光
学活性物質と光学異性の関係にある光学活性物質(対掌
体)を添加した液晶組成物の閾値電圧および誘電率等の
電気特性はほぼ一致することがわかった。これらの光学
異性の関係にある光学活性物質を添加した2つの液晶層
を駆動したところ、積層した複数の液晶層を有する表示
素子の電気光学応答が複雑になることなく、中間調表示
も容易に行うことができた。本発明は発明者らが得たこ
のような知見にもとづいてなされたものである。本発明
によると、高いコントラスト比の反射型液晶表示素子が
得られる。特に、前記のような構成を有しているので、
一つの駆動手段で2つの液晶層を同時に駆動することが
でき容易に中間調表示が可能なため、従来のTN型のア
クティブマトリクス液晶液晶表示素子に使用したような
能動素子や駆動用ICを用いて、表示品質の優れた動画
表示を行うことができる液晶表示素子を容易に製造する
ことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態の例につ
いて詳細に説明する。
【0033】(実施例1)図5は本発明の液晶表示素子
の構成の例を概略的に示す図である。
【0034】この液晶表示素子は、ガラスなどの透明絶
縁材料からなる基板13aと基板13bとの間に、ネマ
ティック液晶と光学活性物質の第1の異性体とからなる
第1の液晶層21を挟持した第1のセル11と、ガラス
などの透明絶縁材料からなる基板14aと基板14bと
の間に、ネマティック液晶と第1の液晶層21に添加し
た光学活性物質と光学異性の関係にある第2の異性体と
からなる第2の液晶層22を挟持した第2のセル12と
を積層したものである。
【0035】基板13aと基板13bとの第1の液晶層
21挟持面には、ITO(Indium Tin Ox
ide)などからなる透明な電極15a、15bが配設
され、同様に基板14aと基板14bとの第2の液晶層
22挟持面には透明な電極16a、電極16bが配設さ
れている。なお反射型液晶表示素子を構成する場合に
は、基板13aと電極15aとの間または電極16bと
基板14bとの間の一方、あるいは基板13aの外側ま
たは基板14bの外側の一方に、例えば黒色樹脂などを
用いて光吸収層を配設するようにすればよい。このよう
な構成により、電圧印加時には液晶層が光透過状態にな
り吸収層により黒表示を行うことができる。
【0036】また電極15a、15b、16a、16b
の液晶層を挟持する面には例えばポリイミドにラビング
処理を施した配向膜17が配設されている。さらに第1
のセルと第2のセルとの間、すなわち基板13bと基板
14aとの間には、基板を構成するガラスなどの透明絶
縁性材料とほぼ同じ屈折率を有するマッチングオイルを
充填して屈折率整合層18を配設し、空気層によるガラ
ス界面の光反射を軽減させている。
【0037】また、第1のセル11の一方の電極と第2
の液晶層12の一方の電極とを電気的に接続し、2つの
液晶層21、22に直列に電圧が印加できるようにして
液晶表示素子を構成した。
【0038】この液晶表示素子の製造方法を概略的に説
明する。
【0039】まず、透明電極を配設したガラス基板の液
晶材料と接する界面に、配向膜としてポリイミド(オプ
トマーAL−3046:日本合成ゴム(株)製)を約6
0nmの厚さにスピナーによりキャストし、ついで各基
板面には貼りあわせのためのエポキシ接着剤を所定の位
置に付与した。次に基板面に直径約1.5μmの樹脂製
のスペーサボールを密度100個/mm2 以下になるよ
うに静電散布などにより散布し、対向する基板と組み合
わせてセルを作製した。このときの基板間隔は約1.5
μmであった。
【0040】この基板間隙にネマチック液晶材料E48
(Merck社製)約63wt%と化学式[化2]で示
される光学活性物質のS体を約37wt%とを混合した
液晶材料を注入して第1の液晶層21を形成した。ま
た、上述同様に作製したセルにネマティック液晶材料E
48を約63wt%と、化学式[化2]で示される光学
活性物質のR体約37wt%とを混合した液晶材料を注
入して第2の液晶層22を形成した。
【0041】(比較例1)比較のため、化学式[化2]
で示される光学活性物質のS体ではなく、カイラル物質
CB15(Merck社製)約39wt%と実施例1で
使用したネマチック液晶E48約61wt%を混合した
液晶組成物を用いて第1の液晶層21を構成した以外
は、実施例1と同様の構成を有する液晶表示素子を製造
した。
【0042】そして実施例1と比較例1の反射型液晶表
示素子について、印加電圧−反射率特性およびコントラ
ストを測定した。なお、反射率およびコントラストは、
ハロゲン光源からの光を液晶表示素子前面(基板13a
側)から入射させ、液晶表示素子の基板面の法線方向上
に設置した輝度計(BM−7:トプコン社製)により測
定した(以下同様)。
【0043】実施例1の液晶表示素子(本発明)では、
印加電圧11Vで反射率65%、コントラスト55を得
ることができた。これに対して比較例1の液晶表示素子
では同じ印加電圧11Vでは反射率38%、コントラス
ト20しか得ることができなかった。比較例1の液晶表
示素子で61%の反射率を得るには印加電圧を15Vに
まで大きくする必要があり、このときのコントラストは
48であった。
【0044】このように本発明の液晶表示素子によれ
ば、反射率を向上するとともに駆動電圧を低減すること
ができる。したがって、表示品質を向上するとともに消
費電力を低減することができる。また積層した第1の液
晶層21と第2の液晶層22とを同時に駆動する液晶表
示素子の電気光学応答が複雑になるのを防ぐことができ
るため、容易な駆動を図ることができる。
【0045】なお、図5では第1の液晶層21と第2の
液晶層22とをそれぞれ1対の電極で挟持した構成を例
示したが、第1の液晶層21および第2の液晶層22と
電磁気的に応答するような共通の電極を備えるようにし
てもよい。
【0046】図6、図7は本発明の液晶表示素子の構成
の別の例を概略的に示す図である。図6の例では、第1
の液晶層21と第2の液晶層22とを共通の透明電極1
5cにより隔てており、図7の例では第1の液晶層21
と第2の液晶層22とを透明なフィルム23などで隔て
て、共通な1対の電極15a、16bにより駆動電圧を
印加している。
【0047】このように本発明の液晶表示素子は、コレ
ステリック相を呈する複数の液晶表示素子を積層した構
成を有するものであれば、種々変形して用いることがで
きる。 (実施例2)透明電極を配設したガラス基板の
液晶材料と接する界面に、配向膜17としてポリイミド
(オプトマーAL−1051:日本合成ゴム(株))を
約50nmの厚さにスピナーによりキャストし、各基板
面には貼りあわせのためのエポキシ接着剤を所定の位置
に付与した。次に基板面に直径約1.5μmの樹脂製の
スペーサボールを密度100個/mm2 以下程度になる
ように散布し、対向する基板と組み合わせ液晶セルを作
製した。このときの基板間隔は約1.5μmであった。
【0048】対向配置した基板間隙に、ネマチック液晶
材料BL035(Merck社製)約63wt%と、化
学式[化2]で示される光学活性物質のS体約37wt
%とを混合した液晶材料を注入し第1の液晶層21を形
成した。また、上記と同様に作製したセルにネマティッ
ク液晶材料BL035約63wt%と、化学式[化2]
で示される光学活性物質のR体約37wt%を混合した
液晶材料を注入し第2の液晶層22を形成した。
【0049】また第1のセル11と第2のセル12との
間にガラスとほほ同じ屈折率を有するマッチングオイル
からなる屈折率整合層18を充填し、空気層によるガラ
ス界面の光反射を軽減させた。さらに、第1のセルの片
方の電極15bと第2のセル22の片方の電極16aと
を電気的に接続し2つの液晶セルに直列に電圧が印加で
きるように駆動回路19を構成して反射型液晶液晶表示
素子を構成した。
【0050】(比較例2)比較のため、化学式[化2]
で示される光学活性物質のR体の代わりに、カイラル物
質S811(Merck社製)約28wt%と、実施例
2で使用したネマチック液晶BL035約72wt%と
を混合した液晶組成物を用いて第2の液晶層22を構成
した以外は、実施例2と同様の構成を有する液晶表示素
子を製造した。
【0051】そして実施例2と比較例2の反射型液晶表
示素子について、印加電圧−反射率特性およびコントラ
ストを測定した。実施例2の液晶表示素子(本発明)で
は、印加電圧12Vで反射率68%、コントラスト58
を得ることができた。これに対して比較例2の液晶表示
素子では同じ印加電圧12Vでは反射率32%、コント
ラスト14しか得ることができなかった。比較例2の液
晶表示素子で63%の反射率を得るには印加電圧を18
Vにまで大きくする必要があり、このときのコントラス
トは49であった。
【0052】このように本発明の液晶表示素子によれ
ば、反射率を向上するとともに駆動電圧を低減すること
ができる。したがって、表示品質を向上するとともに消
費電力を低減することができる。また積層した第1の液
晶層21と第2の液晶層22とを同時に駆動する液晶表
示素子の電気光学応答が複雑にならないため、容易な駆
動を図ることができる。
【0053】(実施例3)透明電極を配設したガラス基
板の液晶材料と接する界面に、配向膜17としてポリイ
ミド(オプトマーAL−1051:日本合成ゴム
(株))を約50nmの厚さにスピナーによりキャスト
し、各基板面には貼りあわせのためのエポキシ接着剤を
所定の位置に付与した。次に基板面に直径約1.5μm
の樹脂製のスペーサボールを密度100個/mm2 以下
程度になるように散布し、対向する基板と組み合わせ液
晶セルを作製した。このときの基板間隔は約1.5μm
であった。
【0054】このセルに、ネマチック液晶材料BL00
6(Merck社製)約61wt%と、化学式[化6]
で示される光学活性物質のS体約39wt%とを混合し
た液晶材料を注入して第1の液晶層21を形成した。
【0055】また上記と同様に作製したセルに、ネマテ
ィック液晶材料BL006約61wt%と、化学式[化
6]で示される光学活性物質のR体約39wt%とを混
合した液晶材料を注入して第2の液晶層22を形成し
た。
【0056】また、第1のセル11と第2のセル12と
の間には、液晶セルの基板を構成するガラスとほぼ同じ
屈折率を有するマッチングオイルを充填して屈折率整合
層とし、空気層によるガラス界面の光反射を軽減させ
た。さらに、第1のセル11の片方の電極15bと第2
のセル12の片方の電極16aとを電気的に接続して、
第1の液晶層21と第2の液晶層22とに直列に電圧が
印加できるようにして反射型液晶液晶表示素子を構成し
た。
【0057】(比較例3)比較のため、化学式[化6]
で示される光学活性物質のR体の代わりに、カイラル物
質S−1011約9wt%と実施例3で使用したネマチ
ック液晶BL006約91wt%とを混合した液晶組成
物を用いて第2の液晶層22を構成した以外は、実施例
3と同様の構成を有する反射型液晶表示素子を作製し
た。
【0058】そして実施例3と比較例3の反射型液晶表
示素子について、印加電圧−反射率特性およびコントラ
ストを測定した。実施例3の液晶表示素子(本発明)で
は、印加電圧14Vで反射率64%、コントラスト56
を得ることができた。これに対して比較例3の液晶表示
素子では同じ印加電圧14Vでは反射率35%、コント
ラスト16しか得ることができなかった。比較例3の液
晶表示素子で63%の反射率を得るには印加電圧を20
Vにまで大きくする必要があり、このときのコントラス
トは49であった。
【0059】
【表1】 このように本発明の液晶表示素子によれば、反射率を向
上するとともに駆動電圧を低減することができる。した
がって、表示品質を向上するとともに消費電力を低減す
ることができる。また積層した第1の液晶層21と第2
の液晶層22を同時に駆動する液晶表示素子の電気光学
応答が複雑にならないため、容易な駆動を図ることがで
きる。
【0060】実施例1乃至実施例3の液晶表示素子と、
比較例1乃至比較例3の液晶表示素子の、印加電圧−反
射率特性およびコントラストの測定結果を表1に示す。
【0061】(実施例4)透明電極を施したガラス基板
の液晶材料と接する界面に、配向膜17としてポリイミ
ド(オプトマーAL−1051:日本合成ゴム(株))
を50nmの厚さにスピナーによりキャストした。各基
板面には貼りあわせのためのエポキシ接着剤を所定の位
置に付与した。次に基板面に直径約1.5μmの樹脂製
のスペーサボールを密度100個/mm2 以下程度にな
るように散布し、対向する基板と組み合わせセルを作製
した。このときの基板間隔は約1.5μmであった。
【0062】このセルに、ネマチック液晶材料BL03
7(Merck社製)約61wt%と、化学式[化8]
で示される光学活性物質のS体約39wt%とを混合し
た液晶材料を注入して第1の液晶層21を形成した。
【0063】また上記と同様に作製したセルにネマティ
ック液晶材料BL037約61wt%と、化学式[化
8]で示される光学活性物質のR体約39wt%とを混
合した液晶材料を注入して、第2の液晶層22を形成し
た。
【0064】また第1のセル11と第2のセル12との
間に、ガラスとほぼ同じ屈折率を有するマッチングオイ
ルを充填して屈折率緩和層とし、空気層によるガラス界
面の光反射を軽減させた。さらに、第1のセル11と第
2のセル12とには独立に電圧を印加できるような駆動
回路19bを配設して反射型液晶液晶表示素子を構成し
た。図8はこのように作製した本発明の液晶表示素子の
構成を概略的に示す図である。ここでは本発明を反射型
液晶表示素子に適用した例について説明する。この液晶
表示素子は、ガラスなどの透明絶縁材料からなる基板1
3aと基板13bとの間に、ネマティック液晶と光学活
性物質の第1の異性体とからなる第1の液晶層21を挟
持した第1のセル11と、ガラスなどの透明絶縁材料か
らなる基板14aと基板14bとの間に、ネマティック
液晶と第1の液晶層21に添加した光学活性物質と光学
異性の関係にある第2の異性体とからなる第2の液晶層
22を挟持した第2のセル12とを積層したものであ
る。
【0065】基板13aと基板13bとの第1の液晶層
21挟持面には、ITO(Indium Tin Ox
ide)などからなる透明な電極15a、15bが配設
され、同様に基板14aと基板14bとの第2の液晶層
22挟持面には透明な電極16aと電極16bとが配設
されている。また第1の液晶層21、第2の液晶層22
が光透過状態で(液晶分子がらせんを解除し基板の法線
方向に配列している状態)黒表示を行うために、この例
では電極16bと基板14bとの間に黒色樹脂等からな
る光吸収層24を配設している。なおこの光吸収層24
は基板14bの外側に配設するようにしてもよいし(基
板13a側から表示を観測する構成の場合)、また外側
基板13aと電極15aとの間、あるいは基板13aの
外側に配設するようにしてもよい(基板14b側から表
示を観測する構成の場合)。
【0066】(比較例4)比較例として、化学式[化
8]で示される光学活性物質のR体の代わりに、カイラ
ル物質MLC−6247(Merck社製)約28wt
%と、実施例4で使用したネマチック液晶BL037約
72wt%とを混合した液晶組成物を用いて第2の液晶
層22を構成した以外は、実施例4と同様の構成を有す
る液晶表示素子を製造した。
【0067】そして実施例4と比較例4の反射型液晶表
示素子について、印加電圧−反射率特性およびコントラ
ストを測定した。実施例4の液晶表示素子(本発明)で
は、第1のセル11、第2のセル12ともに印加電圧を
12Vとしたとき、反射率65%、コントラスト56を
得ることができた。これに対して比較例4の液晶表示素
子では第1のセル11、第2のセル12ともに同じ印加
電圧12Vを印加したときには反射率32%、コントラ
スト19しか得ることができなかった。比較例4の液晶
表示素子で64%の反射率を得るには第1のセル11の
印加電圧を13Vに、第2のセル12の印加電圧を17
Vにまで大きくする必要があり、かつ第1のセル11と
第2のセル12とで異なった電圧を印加する必要があっ
た。またこのときのコントラストは53であった。
【0068】このように本発明の液晶表示素子によれ
ば、反射率を向上するとともに駆動電圧を低減すること
ができる。したがって、表示品質を向上するとともに消
費電力を低減することができる。また積層した第1の液
晶層21と第2の液晶層22とを同時に駆動する液晶表
示素子の電気光学応答が複雑にならず、容易な駆動を図
ることができる。さらに2層の液晶セルの駆動に際して
単一の電源を用いることができるため、液晶表示素子の
構成を単純にし、軽量、コンパクトな液晶表示素子を実
現することができる。
【0069】(実施例5)透明電極を配設したガラス基
板の液晶材料と接する界面に、配向膜17としてポリイ
ミド(オプトマーAL−3046:日本合成ゴム
(株))を約50nmの厚さにスピナーによりキャスト
し、各基板面には貼りあわせのためのエポキシ接着剤を
所定の位置に付与した。
【0070】次に基板面に直径約1.5μmの樹脂製の
スペーサボールを密度100個/mm2 以下程度になる
ように散布し、対向する基板と組み合わせ液晶セルを作
製した。このときの基板間隔は約1.5μmであった。
【0071】この液晶セルに、ネマチック液晶材料BL
006(Merck社製)約61wt%と、化学式[化
10]で示される光学活性物質のS体約39wt%とを
混合した液晶材料を注入して第1の液晶層21を形成し
た。
【0072】また上記と同様に作製したセルにネマティ
ック液晶材料BL006約61wt%と、化学式[化1
0]で示される光学活性物質のR体約39wt%とを混
合した液晶材料を注入して第2の液晶層22を形成し
た。
【0073】さらに第1のセルと第2のセルとの間、す
なわち基板13bと基板14aとの間には、基板を構成
するガラスとほぼ同じ屈折率を有するマッチングオイル
を充填して屈折率整合層18を配設し、空気層によるガ
ラス界面の光反射を軽減させている。
【0074】また、第1のセル11と第2の液晶層12
とに独立に電圧が印加できるようにして反射型の液晶表
示素子を構成した。
【0075】(比較例5)比較例として化学式[化1
0]で示される光学活性物質のS体の代わりに、カイラ
ル物質CB15約38wt%と、実施例5で使用したネ
マチック液晶BL006約62wt%とを混合した液晶
組成物を用いて第1の液晶層21を構成した以外は、実
施例5と同様の構成を有する反射型の液晶表示素子を製
造した。
【0076】そして実施例5と比較例5の反射型液晶表
示素子について、印加電圧−反射率特性およびコントラ
ストを測定した。実施例5の液晶表示素子(本発明)で
は、第1のセル11、第2のセル12ともに印加電圧を
14Vとしたとき、反射率68%、コントラスト58を
得ることができた。これに対して比較例5の液晶表示素
子では第1のセル11、第2のセル12ともに同じ印加
電圧14Vを印加したときには反射率35%、コントラ
スト22しか得ることができなかった。比較例5の液晶
表示素子で66%の反射率を得るには第1のセル11の
印加電圧を16Vに、第2のセル12の印加電圧を15
Vにまで大きくする必要があり、かつ第1のセル11と
第2のセル12とで異なった電圧を印加する必要があっ
た。またこのときのコントラストは55であった。
【0077】このように本発明の液晶表示素子によれ
ば、反射率を向上するとともに駆動電圧を低減すること
ができる。したがって、表示品質を向上するとともに消
費電力を低減することができる。また積層した第1の液
晶層21と第2の液晶層22を同時に駆動する液晶表示
素子の電気光学応答が複雑にならず、容易な駆動を図る
ことができる。さらに2層の液晶セルの駆動に際して単
一の電源を用いることができるため、液晶表示素子の構
成を単純にし、軽量、コンパクトな液晶表示素子を実現
することができる。
【0078】実施例4乃至実施例5の液晶表示素子と、
比較例4乃至比較例5の液晶表示素子の、印加電圧−反
射率特性およびコントラストの測定結果を表2に示す。
【0079】
【表2】 (実施例6)なお、上述の説明ではコレステリック相を
呈する液晶層を、プレーナ状態とフォーカルコニック状
態またはホメオトロピック状態との間で遷移させて電気
光学応答を得る構成について説明したが、本発明はコレ
ステリック相を呈する複数の液晶層を用いる液晶表示素
子であれば適用することができる。
【0080】例えば、コレステリック液晶の液晶分子の
らせんピッチを変化させることにより、選択反射光の波
長または透過光の波長を制御するようにしてもよい。
【0081】図9は本発明の液晶表示素子の構成の別の
例を概略的に示す図である。
【0082】この液晶表示素子は、透過光の波長を制御
するために、コレステリック液晶層のらせん方位の異な
る複数の液晶セルを積層したものである。ここでは、電
圧非印加時に青を選択反射する第1のセル11aと第2
のセル12a、また電圧非印加時に緑を選択反射する第
3のセル11bと第4のセル12bの4枚の液晶セルか
ら液晶表示素子を構成する例について説明する。第1の
セル11a、第3のセル11bはらせん方位が右巻で右
円偏光成分を反射し、第2のセル12aと第4のセル1
2bはらせん方位が左巻で左円偏光成分を反射するよう
に構成されている。本発明の液晶表示素子では、前述の
ように第1のセル11と第2のセル12とは、互いに光
学異性の関係にある光学活性物質を用いて構成してい
る。すなわち、ネマティック液晶と光学活性物質の第1
の異性体とからなる第1の液晶層21aを挟持して第1
のセル11aを構成し、ネマティック液晶と第1の液晶
層21aに添加した光学活性物質と光学異性の関係にあ
る第2の異性体とからなる第2の液晶層22aを挟持し
て第2のセル12aを構成している。また同様に、第3
のセル11bと第4のセル12bとは、互いに光学異性
の関係にある光学活性物質を用いて構成している。すな
わち、ネマティック液晶と光学活性物質の第1の異性体
とからなる第1の液晶層21bを挟持して第1のセル1
1bを構成し、ネマティック液晶と第1の液晶層21b
に添加した光学活性物質と光学異性の関係にある第2の
異性体とからなる第2の液晶層22bを挟持して第2の
セル12bを構成している。
【0083】このような構成を採用することにより、電
圧印加時に液晶セル11aと液晶セル12aは緑を選択
反射し、液晶セル11bと液晶セル12bは赤を選択反
射するように印加電圧を制御するようにすればよい。例
えば電極15a、15b、16a、16bを櫛歯状にパ
ターニングして第1の液晶層21、第2の液晶層22に
横電界を印加し、液晶分子のらせんピッチを変化させる
ことにより、液晶層の透過光の波長、または液晶層によ
る選択反射光の波長が制御される。液晶層がプレーナー
構造をとっているとき、液晶層の平均屈折率をnとする
と、液晶層はλ=n×P0 で規定される波長λを中心と
した選択反射領域の波長を有する光を反射する。液晶層
に駆動電圧を印加すると、液晶分子のらせんピッチ長が
伸びてらせんピッチ長Pi のプレーナー構造となり、選
択反射光の波長が長波長側にシフトする。したがって、
印加電圧を制御することで、選択反射光を加法混色の3
原色、すなわち赤、緑、青に設定することができる。図
10は液晶層に印加される駆動電圧Viと液晶分子のら
せんピッチPiとの関係の例を説明するための図であ
る。
【0084】例えば駆動電圧Viに対応する液晶分子の
らせんピッチをPiとすると、PiはViに応じて変化
するから、らせんピッチPiのときの選択反射光の波長
n×Piを加法混色の3原色、すなわち赤、緑、青に設
定することにより液晶層13の選択反射光の波長を赤、
緑、青に変化させることができ、したがって液晶カラー
シャッターとして動作させることができる。
【0085】反射光の波長(例えば3原色)を切換えて
用いる場合には選択反射光をそのまま利用することがで
きる。一方、例えば透過光の3原色を切換えて用いるる
場合には3原色のうち2色の左右両円偏光成分を選択反
射光として液晶層への入射光から除く必要がある。
【0086】なお以上の実施例は、本発明の実施形態の
例として記載されたものであり、本発明はこれらの実施
形態に限定されず、種々変形して用いることができる。
【0087】
【発明の効果】このように本発明の液晶表示素子によれ
ば、反射率を向上するとともに駆動電圧を低減すること
ができる。したがって、表示品質を向上するとともに消
費電力を低減することができる。また第1の液晶層と第
2の液晶層とを積層して同時に駆動する液晶表示素子の
電気光学応答が複雑になることなく、中間調表示を含め
て容易な駆動を図ることができる。さらに2層の液晶セ
ルの駆動に際して単一の電源を用いることができるた
め、液晶表示素子の構成を単純にし、視認性が高く、軽
量かつコンパクトな液晶表示素子を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】誘電異方性が正を示すコレステリック液晶組成
物に電圧を印加した時のセル中の液晶ダイレクタの配向
状態を説明するための図。
【図2】閾値電圧Vthと温度との関係を示すグラフ。
【図3】液晶組成物の誘電率の電圧依存性を示すグラ
フ。
【図4】異なる光学活性物質からなる2つのコレステリ
ック液晶層を積層した液晶表示素子の電気光学特性を測
定した結果を示す図。
【図5】本発明の液晶表示素子の構成の例を概略的に示
す図。
【図6】本発明の液晶表示素子の構成の例を概略的に示
す図。
【図7】本発明の液晶表示素子の構成の例を概略的に示
す図。
【図8】本発明の液晶表示素子の構成を概略的に示す
図。
【図9】本発明の液晶表示素子の構成の別の例を概略的
に示す図。
【図10】液晶層に印加される駆動電圧Viと液晶分子
のらせんピッチPiとの関係の例を説明するための図。
【符号の説明】
11…………第1のセル 12…………第2のセル 13a、13b………基板 14a、14b………基板 15a………電極(透明電極) 15b………電極(透明電極) 16a………電極(透明電極) 16b………電極(透明電極) 17…………配向膜 18…………屈折率整合層 19…………駆動回路 21…………第1の液晶層 22…………第2の液晶層 23…………フィルム 24…………光吸収層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネマティック液晶と、光学活性物質の第
    1の異性体とからなる第1の液晶層と、 前記第1の液晶層と積層され、前記ネマティック液晶
    と、前記光学活性物質と光学異性の関係にある第2の異
    性体とからなる第2の液晶層とを具備したことを特徴と
    する液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 ネマティック液晶と、光学活性物質の第
    1の異性体とからなる第1の液晶層と、 前記第1の液晶層と積層され、前記ネマティック液晶
    と、前記光学活性物質と光学異性の関係にある第2の異
    性体とからなる第2の液晶層と、 前記第1の液晶層および前記第2の液晶層との間に、前
    記第1の液晶層および前記第2の液晶層と電磁気的に相
    互作用するように配設された第1の電極とを具備したこ
    とを特徴とする液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 第1の電極が配設された第1の基板と、
    前記第1の基板と対向配置され、第2の電極が配設され
    た第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との
    間に配設され、ネマティック液晶と、光学活性物質の第
    1の異性体とからなる第1の液晶層と、 前記第1の液晶層と前記第2の基板との間に配設され、
    前記ネマティック液晶と、前記光学活性物質と光学異性
    の関係にある第2の異性体とからなる第2の液晶層とを
    具備したことを特徴とする液晶表示素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6697131B2 (en) 2001-02-13 2004-02-24 Nanox Corporation Stacked type reflection liquid crystal display and method for producing the same
JP2004245976A (ja) * 2003-02-12 2004-09-02 Optrex Corp 表示装置
JP2011095634A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Fujitsu Ltd 液晶表示装置

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