JPH11158669A - 連続酸洗ライン用溶射ロール - Google Patents
連続酸洗ライン用溶射ロールInfo
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- JPH11158669A JPH11158669A JP33260597A JP33260597A JPH11158669A JP H11158669 A JPH11158669 A JP H11158669A JP 33260597 A JP33260597 A JP 33260597A JP 33260597 A JP33260597 A JP 33260597A JP H11158669 A JPH11158669 A JP H11158669A
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- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
酸洗除去する酸洗において鋼板の搬送及び保持並びに曲
げ加工に用いる鋼板の巻き付き角度が６０度以下のロー
ルの表層に溶射皮膜を付与させて、優れた耐摩耗性を持
たせたロールを提供すること。 【解決手段】 炭化タングステン（ＷＣ）を１０から１
００μｍの粒状にして組成比率が重量パーセントで１０
〜４０パーセントになるよう分散添加し、周囲を構成す
るマトリックスをＮi 又Ｃｏを主たる成分とした合金又
はＮi とＣｏの双方を含有した合金とした溶射皮膜を有
するロール。これによりロール寿命を大幅に延長する。
Description
表面に生成したスケールを酸洗除去する酸洗において鋼
板の搬送及び保持並びに曲げ加工に用いる鋼板の巻き付
き角度が６０度以下のロール、然も表層に溶射膜を付与
したロールに関するものである。
直径が３００ｍｍ以上の場合はＪＩＳ５５０２の球状黒
鉛鋳鉄品（ＦＣＤ）が使用されロール直径が３００ｍｍ
以下の場合はＪＩＳ４８０５の高炭素クロム軸受鋼鋼材
が使用されていた。又、高クロム合金を溶接にて肉盛る
方式も従来から一般的に行われていた。又、実開平３−
３６３０２号公報に開示された炭化タングステン（Ｗ
Ｃ）５０〜８０パーセント、Ｃｒ１５〜３５パーセン
ト、Ｎｉ５〜１５パーセントとした超硬材質を溶射にて
被覆する方式も一部に行われている。
ルは熱間圧延後の板厚みが２〜９ｍｍの鋼板に接して回
転しているが板のエッジ部分の接触により摩耗が早期に
進展し、従来のＪＩＳ５５０２の球状黒鉛鋳鉄品（ＦＣ
Ｄ）及びＪＩＳ４８０５の高炭素クロム軸受鋼鋼材の場
合、ロールのビッカース硬度がＨｖ４００からＨｖ５０
０でこれらの材質を使用した場合、早期に表面が摩耗し
て１ヵ月から１．５ヵ月でロール交換を実施する必要が
あった。
に高クロム合金を溶接にて肉盛る方式が行われているが
この方法では溶融時にクロムが鉄マトリックスに固溶し
て、マトリックス全体が硬化し、延性が低下するため衝
撃に対する耐久性が低下して、ロールの転動による疲労
が原因で表面層に微小な亀裂が生じ、剥離を繰り返すこ
とにより減耗が進み、寿命は使用条件によりバラツキが
有るものの３から６ヵ月程度であった。
れた炭化タングステン（ＷＣ）５０〜８０パーセント、
Ｃｒ１５〜３５パーセント、Ｎｉ ５〜１５パーセント
とした超硬材質を溶射にて被覆する方式では鋼板がロー
ルに９０度以上巻き付いて鋼板との接触面圧が小さいブ
ライドルロールには適用可能である。しかし巻き付き角
度が６０度以下で接触面圧の大きいロール、つまりフレ
ックスロール及びレベリングロールでは使用出来ないと
言う問題があった。その原因は皮膜自身の延性が過度に
不足しているためであった。そのため巻き付き角度が６
０度以下の鋼板の接触面圧が高いロールに適用可能な溶
射ロールが切望されていた。
したものであって、その発明の要旨とするところは、 （１）熱間圧延後、鋼板表面に生成したスケールを酸洗
除去する酸洗に使用する鋼板の巻き角度が６０度以下の
ロールにおいて、炭化物が金属マトリックス中に分散す
る形の組構造を有する溶射皮膜を表層被覆する。 （２）前記（１）において添加する炭化物を炭化タング
ステン（ＷＣ）とする。 （３）前記（２）において添加する炭化タングステン
（ＷＣ）の組成比率が重量パーセントで１０〜４０パー
セントとするか、又は顕微鏡による組織拡大写真におい
て炭化タグステン（ＷＣ）の占める面積割合が７〜２８
パーセントになるようにする。
する炭化タングステン（ＷＣ）の粒径を１０から１００
μｍの粒状にして金属マトリックス中に過度の固溶を伴
わずに均等に分散させた皮膜とする。 （５）前記（１）において分散させた炭化物の周囲を構
成するマトリックス成分をＮi はＣｏを主たる成分とし
た合金又はＮi とＣｏの双方を含有した合金とすること
にある。
スケールを酸洗除去するライン設備に使用するロールの
溶射皮膜において炭化タングステン（ＷＣ）の粒が金属
マトリックス中に分散する形の組織構造とするのは炭化
タングステン（ＷＣ）を極力、マトリックス部分の金属
と反応させずに分散して添加させるのは炭化タングステ
ン（ＷＣ）の硬度及び高弾性率並びに靱性の優れた性質
を活用するためであるのと、マトリックス部分の金属に
タングステンが固溶してマトリックス部分に固くて脆い
金属間化合物相を形成するのを防ぐためである。
は、皮膜自身の延性が低下して衝撃と剥離に対する耐久
性が大幅に低下する。溶射皮膜の金属マトリックス中に
分散させる炭化物を炭化タングステン（ＷＣ）とするの
は炭化タングステン自身のビッカース硬度がＨｖ１７８
０と従来技術の高クロム合金の中で析出形成する炭化ク
ロム（Ｃｒ3 Ｃ2)のビッカース硬度のＨｖ１３００より
高い値で、耐摩耗性が優れるからである。
ニオブ（ＮｂＣ）及び炭化モリブデン（Ｍｏ2 Ｃ）は炭
化物としての性質は優れるが素材の価格が高く皮膜の加
工費に高額になる。又、炭化物自身の弾性率が炭化ニオ
ブ（ＮｂＣ）は３４０００ｋｇ／ｍｍ2 、炭化チタン
（ＴｉＣ）は２２０００ｋｇ／ｍｍ2 であり炭化タング
ステン（ＷＣ）の７２０００ｋｇ／ｍｍ2 に比較して小
さい値である。そのため荷重を受けた場合の炭化物自体
の変形が炭化ニオブと炭化チタンは炭化タングステンに
比べて大きくなるために炭化物が脱落し易いと言う問題
があった。
る炭化タングステンの組成比率を重量パーセントで１０
〜４０パーセントとするのは１０パーセント未満では炭
化タングステンの分散密度が低く、溶射皮膜の平均ビッ
カース硬度がＨｖ６５０でしかなく耐摩耗性が不足する
ため、１０パーセントを下限としたものである。また、
４０パーセント超では炭化タングステンの分散が過密に
なり平均ビッカース硬度がＨｖ９００以上に上昇するこ
とに伴って、耐衝撃性が大幅に低下するためである。
る炭化タングステンを１０μｍから１００μｍの粒状に
して均等に分散させるのは炭化タングステンの粒径が１
０μｍ未満では分散して鋼板との接触界面に突出しても
鋼板側の粗度による凹凸が突出した炭化タングステン粒
径を上回るため金属マトリックスに接触して、当該部を
選択的に摩耗させるためである。炭化タングステンの粒
径の上限値を１００μｍとするのは１００μｍ超では炭
化タングステンの粒が鋼板から受ける荷重が大きくなり
脱落し易くなるのと、鋼板とロール間に相対的な速度差
が生じる場合はスリ疵となり鋼板の品位を損なうためで
ある。
ックス成分をＮi 又はＣｏを主たる成分とした合金又は
Ｎi とＣｏの双方を含有した合金とするのはＮi 及びＣ
ｏがきわめて安定な元素で炭化タングステンとの反応は
あるものの溶射条件を最適化して過度の固溶を抑制すれ
ば金属間化合物の生成が抑えられるためである。つまり
炭素及びタングステン並びにＮi 又Ｃｏの３元化合物相
の析出を最小とすることが出来き、皮膜の延性を保持出
来るためである。
射ロールを実際の連続酸洗ラインの鋼板搬送ロールに適
用したので以下に説明する。酸洗ラインの入側において
コイルを巻きほどき払いだし後、鋼板の方向を水平にす
るために４５度の巻き付き角で鋼板に接触して回転する
直径が３００ｍｍφで胴長が２５００ｍｍのフレックス
ロール（デフレクターロールとも言う）に本考案の溶射
ロールを適用した。溶射皮膜は炭化タングステン（Ｗ
Ｃ）２０パーセントを合金中に分散して添加し、皮膜組
成をＷＣを２０パーセント、Ｎｉを６０パーセント、残
組成をＣ及びＳｉ並びにＦｅ他とし、ＷＣの粒径が５０
〜１００μｍ、溶射厚みを１．０ｍｍとした。当該溶射
皮膜を付与してフレックスロールにて厚み２．０〜９．
０ｍｍの鋼板を通板して連続使用した結果、従来の高ク
ロム合金の被覆材質を溶接肉盛りしたロールの摩耗速度
が０．００４ｍｍ／日であったのに対して当該発明の溶
射皮膜は０．００１１ｍｍ／日と摩耗速度の比率におい
て３．６倍の耐摩耗性を示した。
ロールに適用することにより、ロールの取替え周期が
３．６倍になりロールの加工費用と交換のための工事費
用が大幅に削減出来き、整備費を減額することが出来
た。
Claims (5)
- 【請求項１】 熱間圧延後、鋼板表面に生成したスケー
ルを酸洗除去する酸洗に使用する鋼板の巻き付き角度が
６０度以下のロールにおいて、炭化物が金属マトリック
ス中に分散する形の組織構造を有する溶射皮膜を表層に
有することを特徴とする連続酸洗ライン用溶射ロール。 - 【請求項２】 請求項１において添加する炭化物を炭化
タングステン（ＷＣ）とした皮膜であることを特徴とす
る連続酸洗ライン用溶射ロール。 - 【請求項３】 請求項２において添加する炭化タングス
テン（ＷＣ）の組成比率が重量パーセントで１０〜４０
パーセントとするか、又は顕微鏡による組織拡大写真に
おいて炭化タングステン（ＷＣ）の占める面積割合が７
〜２８パーセントになるようにしたことを特徴とする連
続酸洗ライン用溶射ロール。 - 【請求項４】 請求項２又は３において添加する炭化タ
ングステン（ＷＣ）の粒径を１０から１００μｍの粒状
にして金属マトリックス中に過度の固溶を伴わずに均等
に分散させた皮膜であることを特徴とする連続酸洗ライ
ン用溶射ロール。 - 【請求項５】 請求項１において分散させた炭化物の周
囲を構成するマトリックス成分をＮi又はＣｏを主たる
成分とした合金又はＮi とＣｏの双方を含有した合金と
したことを特徴とする連続酸洗ライン用溶射ロール。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33260597A JP3467396B2 (ja) | 1997-12-03 | 1997-12-03 | 連続酸洗ライン用溶射ロール |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33260597A JP3467396B2 (ja) | 1997-12-03 | 1997-12-03 | 連続酸洗ライン用溶射ロール |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11158669A true JPH11158669A (ja) | 1999-06-15 |
| JP3467396B2 JP3467396B2 (ja) | 2003-11-17 |
Family
ID=18256824
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33260597A Expired - Lifetime JP3467396B2 (ja) | 1997-12-03 | 1997-12-03 | 連続酸洗ライン用溶射ロール |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3467396B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008100271A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Nippon Steel Corp | 熱間圧延巻取り設備用のロール及びその調整方法 |
-
1997
- 1997-12-03 JP JP33260597A patent/JP3467396B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008100271A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Nippon Steel Corp | 熱間圧延巻取り設備用のロール及びその調整方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3467396B2 (ja) | 2003-11-17 |
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