JPH11158517A - マッドガンの閉塞防止装置および閉塞防止法 - Google Patents

マッドガンの閉塞防止装置および閉塞防止法

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JPH11158517A
JPH11158517A JP33038097A JP33038097A JPH11158517A JP H11158517 A JPH11158517 A JP H11158517A JP 33038097 A JP33038097 A JP 33038097A JP 33038097 A JP33038097 A JP 33038097A JP H11158517 A JPH11158517 A JP H11158517A
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mud
mud gun
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mist
gun
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JP33038097A
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English (en)
Inventor
Ichiro Watanabe
渡辺一郎
Kenichi Oshita
健一 大下
Kiyoshi Nakamura
中村  清
Hirotoshi Hayakawa
裕逸 早川
Shoji Osumi
昭二 大隅
Takeshi Sasaki
剛 佐々木
Yuuzou Miyoshi
右三 三好
Masahiro Teramura
正博 寺村
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のマッドガン閉塞防止装置では、ノズル
部の交換性を維持しながら、ノズル閉塞を確実に防止す
ることができない。 【解決手段】 高炉の出銑口2aを閉塞するマッドガン1
の閉塞防止装置10であって、冷却水および空気からなる
冷却媒体を供給する冷却媒体供給系7と、この冷却媒体
を、マッドガン外周面のうちのノズル部1aへミスト状に
噴霧するミスト噴霧ノズル14とを組み合わせて備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉の出銑孔を閉
塞するために使用されるマッドガンの閉塞防止装置およ
び閉塞防止法に関し、より具体的には、マッドガン先端
のノズル部の内部におけるマッドの焼き付きと、この焼
き付きにより硬化したマッドの除去作業と、さらには、
例えば冬場等の低温時におけるマッドの固化とを、いず
れも解消することができ、これにより、次回の出銑孔の
閉塞作業の際のマッド充填不能を未然に防止することが
できるマッドガンの閉塞防止装置および閉塞防止法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉の操業では、出銑孔から出銑を完了
した後、マッドと称する出銑孔閉塞材を出銑孔の内部に
充填することにより、出銑孔を閉塞する。出銑孔にマッ
ドを充填するには、マッドガンを用いる。
【0003】図9は、マッドガン1を用いた出銑孔閉塞
作業の概要を示した説明図であり、図9(a) は出銑完了
時における出銑孔近傍の上面図、図9(b) はマッド充填
時における出銑孔近傍の上面図、図9(c) は図9(b) に
示すマッド充填時における出銑孔近傍の側面図である。
【0004】同図において、内部にマッドを収容する筒
状体であるマッドガン1は、図9(a) に示すように、出
銑口閉塞の開始時まで所定の位置で待機する。出銑口閉
塞時には、図9(b) および図9(c) に示すように、マッ
ドガン1を旋回・反転するとともに傾動させ、マッドガ
ン1の先端部に設けられたノズル部1aを、出銑を終了し
た高炉2の出銑孔2aに押し付けてマッドを押し出すこと
により、出銑孔2aの内部にマッドを充填する。
【0005】マッドガン1によるマッドの充填後は、出
銑孔2aの内部におけるマッドの充分な焼成・固化を図る
ため、図9(b) および図9(c) に示すように、ノズル部
1aを出銑孔2aに押し付けたままの状態で、30分間〜1時
間程度保持する。
【0006】ところで、出銑孔2aから溶銑樋3を介して
排出される溶銑4は約1500℃の高温であるため、マッド
ガン1のノズル部1aは出銑孔2aから排出される高温の溶
滓あるいは溶銑にさらされる。そのため、ノズル部1aの
内部に排出されずに残存したマッド (通常、50〜100kg
程度が残存する) は、出銑孔2a内に充填されたマッドと
同じように、大きな輻射熱を受けて加熱・固化する現象
である焼き付きが発生し、ノズル部1aの内部を閉塞して
しまう。マッドガン1のノズル部1aが閉塞してしまうと
次回の出銑口閉塞作業を行えなくなるため、ノズル部1a
の内部で固化したマッドを除去する作業、いわゆるボタ
くりが必要になる。
【0007】しかし、出銑孔2aの近辺の雰囲気温度は50
〜60℃であるため、この雰囲気でのマッド除去作業は作
業負荷がかなり大きい重労働作業となり、作業環境面か
ら改善が求められる。
【0008】また、ノズル部1aの内部で焼き付いたマッ
ドは、出銑孔2aの閉塞には有効に活用されないため、マ
ッドの使用量を無駄に増加させる。したがって、高炉の
操業における間接材料費の低減の観点からも、焼き付き
の防止が要求される。
【0009】従来より、マッドガン1に関して、円錐バ
レル部1bまで水冷を行う手段や、ノズル部1aについて下
部に半円筒状の防熱板を取り付けて空冷を行う手段等が
知られている。しかし、これらの手段は、本来、マッド
ガン1の鉄皮を保護することを目的とするものであり、
内部に残存するマッドの冷却までは考慮していないた
め、冷却効果が足りず不十分である。
【0010】そのため、高炉の操業に際しては、現在、
マッドガン1を用いて出銑孔2aを閉塞した後、炉前作業
者がマッドガン1の側面からホースを用いて冷却水をか
けることにより、マッドの焼き付きの防止を図ってい
た。しかし、溶銑樋3側の雰囲気温度は前述したように
高く、炉前作業者が1時間連続して水をかけることはで
きない。また、マッドガン1を一方向から冷却すること
になり、ノズル部1aの内部に温度分布むらが生じ、マッ
ドの固化を完全に解消することは難しい。したがって、
炉前作業者に過酷な作業を強いる割りには、ノズル1a内
におけるマッドの閉塞防止効果が少なかった。
【0011】一方、このようなマッドガン1では、冬季
等の寒冷時において外気温が低下するため、マッドガン
1に収容されたマッドが高粘度化して内部で硬化してし
まう。そのため、マッドガン1が閉塞し、次回の出銑口
閉塞作業の際に出銑孔2aへのマッド充填不能を起こすこ
とがある。
【0012】マッドのこのような低粘度化に対しては、
Cガスバーナ等を用いてノズル部1aを加熱していた。図
10は、Cガスバーナ5を用いた手段を示す説明図であ
り、図10(a) は側面図、図10(b) は正面図である。同図
に示すように、ノズル部1aの下方に、Cガスおよび空気
を供給する配管6に接続されたCガスバーナ5を配置
し、ノズル部1aを下方から炙ることにより、マッドの低
粘度化に起因したマッドガン1の閉塞に対応していた。
【0013】しかし、この手段では、ノズル部1aを一方
向から保温することになるため、マッドの硬化を完全に
防止することができず、次回の出銑口閉塞作業の際のマ
ッド充填不能を解消できなかった。
【0014】このような焼き付きによる固化や寒冷時に
おける硬化に起因したマッドガンの閉塞を防止するた
め、従来より様々な提案がなされている。
【0015】例えば、特開昭56−90906 号公報には、温
水および冷却水を切替え自在に通流させる流路からなる
温度調整機構をマッドガンのノズル部に内蔵しておき、
マッド充填前の待機時には温水を流すことにより寒冷時
におけるマッド硬化を防止し、マッド充填後は冷却水を
流すことによりマッドの焼き付きを防止する発明が提案
されている。
【0016】実開昭58−83441 号公報では、マッドガン
のノズル部の外周面に冷却水流通パイプを螺旋状に巻回
すことにより、マッドの焼き付きを防止する発明が提案
されている。
【0017】また、実開昭59−76546 号公報には、ノズ
ル部に冷却用中空室を設け、この冷却用中空室に冷剤を
噴射することにより、マッドの焼き付きを防止する発明
が提案されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、マッドガン
のノズル部は、マッド充填時に出銑孔からの溶銑の激し
いスプラッシュを受ける環境下で使用されるため、常に
溶損の危険をはらんでいる。そのため、溶損したノズル
部の交換が容易な構造であることが要求される。しか
し、これらの提案にかかる発明では、ノズル部の交換が
実際には極めて難しい。
【0019】すなわち、特開昭56−90906 号公報、実開
昭58−83441 号公報および実開昭59−76546 号公報によ
り提案された発明は、いずれも、ノズル部に冷却機構を
内蔵するためにノズル部の構造が極めて複雑化する。そ
のため、溶損したノズル部の交換も手間がかかるものと
なる。また、ノズル部の製作コストも嵩むため、現実に
は殆ど実施できない。
【0020】ここに、本発明の目的は、簡単かつ実用的
に実施することができるマッドガンの閉塞防止装置およ
び閉塞防止法を提供することであり、より具体的には、
ノズル部の交換性を維持しながら、内部におけるマッド
の固化さらには硬化に起因したノズル閉塞を確実に防止
することができるマッドガンの閉塞防止装置および閉塞
防止法を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】前述したように、ノズル
部1aの内部に冷却水流路を設けてマッドの焼き付き防止
を図る手段は、使用に伴って溶損するノズル部1aの交換
性を低下させるとともに、ノズル部1aの製作コストを上
昇させてしまう。
【0022】本発明者らは、上記課題を解決するために
鋭意検討を重ねた結果、本発明の概要を説明する図1に
示すように、溶銑樋が設置される鋳床回りに通常配置さ
れる工業用水 (以下、本明細書においては「工水」とい
う。) の配管7bと圧縮空気配管 (以下、本明細書におい
ては「圧空配管」という。) 7aとを接続した冷却媒体供
給系7、および冷却媒体供給系7により供給される供給
媒体をミスト状に噴霧する噴射部8を設け、この冷却媒
体供給系7および噴射部8を用いて、マッドガン1のノ
ズル部1aの外周面に工水をミスト状に噴霧することによ
り、従来のノズル部構造を殆ど変更することなく、ノズ
ル部1aを確実に冷却してマッドの焼き付きによる固化を
防止できることを、知見した。
【0023】また、本発明者らは、この冷却に際して、
マッドガン1のノズル部1aの外周面に噴霧された工水は
ミスト状であるために、噴霧後直ちに蒸発し、下方の溶
銑樋等の高温状態にある設備に悪影響を与えることがな
いことを知見した。また、本発明者らは、工水のミスト
状の噴霧を行うための噴射部8の形状および噴霧パター
ンについて、有効な条件を知見した。
【0024】さらに、本発明者らは、冷却媒体供給系7
の途中に、例えば電磁弁を設けて電磁弁の開閉を自動的
に行うことにより、切替え自在に加温媒体供給系を設
け、マッドガン1のノズル部1aの外周面に、加温媒体を
冷却媒体とは切り替えて噴霧することにより、寒冷時等
の低粘度化に起因したマッドの硬化も防止できることを
知見した。
【0025】本発明者らは、これらの知見に基づいてさ
らに検討を重ねた結果、本発明を完成した。
【0026】ここに、本発明の要旨とするところは、高
炉の出銑口を閉塞するマッドガンの閉塞防止装置であっ
て、冷却水および空気からなる冷却媒体を供給する冷却
媒体供給系と、冷却媒体を、マッドガン外周面のうちの
少なくとも先端部へミスト状に噴霧する噴射部とを組み
合わせて備えることを特徴とするマッドガンの閉塞防止
装置である。
【0027】上記の本発明にかかるマッドガンの閉塞防
止装置では、さらに、Cガスおよび空気、ないしは蒸気
からなる加温媒体を供給する加温媒体供給系を冷却媒体
供給系と切替え自在に備え、加温媒体を噴射部から噴射
することが、焼き付きおよび寒冷時低粘度化に起因した
マッドガンの閉塞をともに防止するためには、望まし
い。
【0028】これらの本発明にかかるマッドガンの閉塞
防止装置では、噴射部が、マッドガン外周面の外側に、
少なくとも円弧状に連設された複数のミスト噴霧ノズル
であることが、噴射部の溶損防止を図りながら、マッド
ガンを均一に冷却するためには望ましい。
【0029】上記の本発明にかかるマッドガンの閉塞防
止装置では、ミスト噴霧ノズルの孔径が1〜3mmであ
り、隣接するミスト噴霧ノズル同士の距離は20〜30mmで
あることが、溶銑樋等の高温状態にある設備に悪影響を
与えずにマッドガンを確実に冷却するためには、望まし
い。
【0030】また、別の観点からは、本発明は、マッド
ガンの少なくとも先端部における外周面の全部または一
部へ、冷却水および空気からなる冷却媒体をミスト状に
噴霧することにより、マッドガンの内部におけるマッド
の固化を防止することを特徴とするマッドガンの閉塞防
止法である。
【0031】上記の本発明にかかるマッドガンの閉塞防
止法では、ミスト状に噴霧される冷却媒体の流量が、0.
4 〜0.6 m3/Hであること、または、この冷却媒体の径が
1mm以下であることが、溶銑樋等の高温状態にある設備
に悪影響を与えずにマッドガンを確実に冷却するために
は、いずれも望ましい。
【0032】これらの本発明において、「マッドガンの
閉塞」とは、焼付きによる固化や低温時の硬化により、
ノズル部等の筒先部の内部から押出すことができない程
度にマッドが閉塞することを意味している。
【0033】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明にか
かるマッドガンの閉塞防止装置および閉塞防止法の実施
形態を、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0034】図2は、本実施形態の閉塞防止装置10の一
実施形態を示す説明図であり、図3は、この閉塞防止装
置10による工水噴霧時の状況を示す説明図である。
【0035】図2に示すように、本実施形態の閉塞防止
装置10は、工水および空気を混合して供給する冷却媒体
供給系7と、この冷却媒体供給系7により供給される供
給媒体を、マッドガン1の外周面のうちの少なくともノ
ズル部1aへミスト状に噴霧する噴射部8とを組み合わせ
て備える。
【0036】本実施形態では、冷却媒体供給系7は、一
端が図示しない圧縮機に接続され、マッドガン1の近傍
へ向けて延設される圧空配管7aと、圧空配管7aの途中に
接続される工水配管7bと、圧空配管7aの他端に接続され
る屈曲自在のフレキシブルホース9と、マッドガン1の
外周面において二つに分岐しながらノズル部1aに向けて
適宜手段により取り付けられるとともにフレキシブルホ
ース9に接続される分岐管11とを、備える。
【0037】分岐管11のマッドガン1への取り付けは、
適宜手段によればよく、特定の手段には限定されない。
本実施形態では、マッドガン1の外周面に装着された環
状の支持帯13、13により圧空配管7aが固定支持されてい
る。そのため、マッドガン1の内部構造を変更する必要
がなく、従来と同様に、ノズル部1aの交換を簡単に行う
ことができる。なお、マッドガン1の本体外周面には、
マッド投入孔1cが設けられている。
【0038】圧空配管7aおよび工水配管7bそれぞれに
は、遠隔操作により開閉する電磁弁12a 、12b が設けら
れており、電磁弁12a 、12b の開閉動作を適宜制御する
ことにより、分岐管11へ、圧空および工水の一方または
双方を供給することができる。これにより、遠隔操作に
より、後述するミスト噴霧ノズル14からノズル1bの外周
面に向けて冷却媒体をミスト状に噴霧することができ
る。
【0039】本実施形態において、圧空配管7aおよび分
岐管11の間にフレキシブルホース7を介在させたのは、
マッドガン1の旋回動作および傾動動作を吸収するため
である。
【0040】本実施形態では、分岐管11の二つの先端部
に、噴射部であるミスト噴霧ノズル14がそれぞれ設置さ
れている。ミスト噴霧ノズル14は、径が2mm程度である
噴射孔が設けられたノズルであり、分岐管11に供給され
た、工水と空気との混合体である冷却媒体がミスト状に
噴霧される。
【0041】本実施形態において、冷却媒体に工水と空
気とからなる混合体を用いたのは、空気だけでは雰囲気
温度:50〜60℃、ノズル部1a温度:300 〜500 ℃である
ことから冷却能力が不足してマッドの固化を防止できな
いからである。一方、工水だけでは、ノズル1aの外周面
全体を均一に冷却するには相当量の水を噴出する必要が
あり、マッドガン1の下方に設置される溶銑樋に垂れ落
ちてしまい、溶銑を冷却するとともに、溶銑樋を構成す
る耐火物に悪影響を及ぼす。また、水が直接噴射された
部分とそうでない部分との間に冷却むらが生じてしま
う。
【0042】このミスト径は1mm程度以下であり、また
ミスト量は0.4 〜0.6 m3/Hであるように、調整されてい
る。また、ノズル部1aの温度に応じて、ミスト量を変更
することが望ましい。このように、ミスト径およびミス
ト量を適宜制御することにより、マッドガン1のノズル
部1aの外周面に噴霧された工水は、直ちに蒸発し、下方
へ垂れ落ちない。
【0043】本実施形態の閉塞防止装置10は、以上のよ
うに構成される。次に、この閉塞防止装置10の動作を説
明する。図4(a) 〜図4(g) は、本実施形態の閉塞防止
装置10を備えるマッドガン1により、高炉の出銑孔2aの
閉塞を行う手順を経時的に示す説明図である。
【0044】図4(a) において、マッド投入孔1cからマ
ッドを投入されたマッドガン1は、高炉2の出銑孔2aか
らの溶銑4の排出が完了するまで、ノズル部1aを出銑孔
2aの反対側に向けて、所定の位置で待機している。
【0045】図4(b) において、溶銑4の排出が完了す
ると、マッドガン1は支点15を中心として旋回動作を行
って反転し、ノズル部1aを出銑孔2aの側に向ける。な
お、図4(c) は図4(b) に示す状態にあるマッドガン1
の側面図である。
【0046】図4(d) において、マッドガン1は傾動動
作を行って、ノズル部1aを出銑孔2aに押し付ける。
【0047】図4(e) において、プランジャー1dにより
マッドガン1に収容されたマッドを押し出すことによ
り、出銑孔2aの内部へのマッドの充填が開始され、図4
(f) において、出銑孔2aの内部にマッド充填作業が完了
する。なお、マッドの出銑孔2aへの充填に際しては、図
2に示すように、ノズル部1aを集煙フード16により覆っ
ておくことが望ましい。
【0048】図4(g) において、マッドの充填完了後、
図2における電磁弁12a 、12b が開かれ、ノズル部1aに
向けて、噴射ノズル14から工水および空気からなる冷却
媒体がミスト状に噴霧される。出銑孔2aに充填されたマ
ッドが完全に焼結するまで (充填完了後の1時間程度で
あり、実施に際してはタイマーで1時間を設定する)、
マッドガン1は図4(g) に示す状態で放置される。この
際、工水および空気からなる冷却媒体がミスト状に噴霧
されることにより、マッドガン1のノズル1aの内部に残
留したマッドの焼き付きが防止される。
【0049】そして、出銑孔2aに充填されたマッドが完
全に焼結したことを確認した後、マッドガン1は図4
(a) に示す位置へ復帰するが、この際に、噴射ノズル14
からの冷却媒体の噴霧も停止される。
【0050】このように、本実施形態によれば、工水お
よび空気からなる冷却媒体をミスト状に噴霧することに
より、効果的且つ無駄なくマッドガン1のノズル部1aを
冷却することができ、マッドガン1のノズル部1a内に残
留したマッドの焼き付きが防止される。これにより、次
回の出銑との間のタイミングで行われていたマッドの除
去作業 (ボタくり) を解消することができる。そのた
め、簡単かつ安価に、出銑孔2aに対する閉塞作業を行っ
ているマッドガン1のノズル部1aにおける残留マッドの
焼き付きを防止することができる。
【0051】すなわち、本実施形態によれば、マッドガ
ン1のノズル部1aの冷却を、既存の圧空配管7aおよび工
水配管7bをマッドガン1の周囲へ延長する改造を行うだ
けで、行うことができる。そのため、マッドガン1の内
部構造等を改造する必要が一切なく、従来と同等のノズ
ル部1aの交換性を確保することができる。
【0052】また、本実施形態によれば、マッドガン1
のノズル部1a内に残留して焼き付いていたために廃棄さ
れていたマッドを再利用することにより、マッドの廃棄
量を大幅に低減することができる。そのため、マッドの
使用量を低減することができる。
【0053】さらに、本実施形態によれば、工水および
空気からなる冷却媒体をミスト状に噴霧するため、ミス
ト径およびミスト量の条件を適宜設定することにより、
噴霧された冷却媒体がマッドガン1のノズル部1aから下
方に垂れ落ちて溶銑樋等の耐火物に悪影響が生じること
を防止できる。
【0054】(第2実施形態)次に、本発明にかかるマッ
ドガンの閉塞防止装置および閉塞防止法の第2実施形態
を説明する。なお、以降の各実施形態の説明は、第1実
施形態と相違する部分についてだけ行うこととし、共通
の部分については同一の図中符号を付すことにより、重
複する説明を適宜省略する。
【0055】図5は、本実施形態の閉塞防止装置10−1
をマッドガン1に適用した状況を示す説明図であり、図
5(a) は側面図、図5(b) は正面図である。また、図6
(a)は、本実施形態におけるミスト噴霧ノズル14−1を
部分的に示す正面図であり、図6(b) は、このミスト噴
霧ノズル14−1を部分的に示す側面図である。
【0056】本実施形態が第1実施形態と相違するの
は、ミスト噴霧ノズル14−1の形状である。すなわち、
本実施形態では、ミスト噴霧ノズル14−1を、マッドガ
ン1を下部を除いてほぼ被うとともに、距離d が20〜30
mmであって半径r が2mm程度の噴射孔17が多数連接され
た円弧状の中空パイプにより、構成した。
【0057】ミスト噴霧ノズル14−1の下部を一部だけ
欠いて構成することにより、下方に位置する溶銑樋から
の輻射熱による溶損が、防止される。
【0058】図6(b) に示すように、冷却媒体は、この
ミスト噴霧ノズル14−1から拡がり角度θが45度以上と
なるようにして、径が1mm未満のミストとして、噴霧さ
れる。これにより、マッドガン1のノズル部1aを部位に
よらず均一に冷却することができ、ノズル部1aの冷却お
よびマッドの焼き付き防止を、確実に図ることができ
る。
【0059】ミスト噴霧ノズル14−1から噴霧される工
水と圧空との体積比は、1:10程度であることが望まし
く、それぞれの供給量は、0.4 〜0.6m3/H 、4〜6m3/H
程度であることが望ましい。
【0060】また、本実施形態では、ノズル部1aの近傍
に温度計18を設置しておき、このノズル部1aの温度の実
測値に応じて、ミスト量を制御するようにしている。す
なわち、ノズル部1aの温度に関して、1次目標温度およ
び最終目標温度をそれぞれ設定しておき、ノズル部1aの
温度が、冷却開始時温度〜1次目標温度に低下するまで
はミスト量を高目に設定しておき、1次目標温度〜最終
目標温度に低下しているときにはミスト量を徐々に低下
していく。これにより、マッドガン1のノズル部1aの外
周面に噴霧された工水は、直ちに蒸発し、下方へ垂れ落
ちない。
【0061】したがって、過剰な冷却を行うことが防止
される。
【0062】(第3実施形態)図7は、本実施形態の閉塞
防止装置10−2をマッドガン1に適用した状況を示す説
明図であり、図7(a) は側面図、図7(b) は正面図であ
る。
【0063】本実施形態では、冷却媒体供給系7に、蒸
気配管7cおよびCガス配管7dを接続し、冷却媒体供給系
7の圧空配管7aと蒸気配管7cとCガス配管7dとにより、
冷却媒体供給系7とは切替え自在に加温媒体供給系19を
設けており、第1実施形態および第2実施形態とは異な
り、ノズル部1aの冷却だけでなく加熱をもできる構造と
している。
【0064】なお、圧空配管7a、工水配管7b、蒸気配管
7cおよびCガス配管7dには、手動弁20a 〜20d が設けら
れている。
【0065】すなわち、ノズル部1aの冷却時には、手動
弁20a および20b を開くとともに手動弁20c および20d
を閉じることにより、第2実施形態と同様に、ミスト噴
霧ノズル14−1から工水および圧空からなる冷却媒体を
ミスト状に噴霧する。一方、ノズル部1aを加熱する際に
は、手動弁20a 、20c および20d を開くとともに手動弁
20b を閉じることにより、冷却媒体供給系7を加温媒体
供給系19に切替えて、ミスト噴霧ノズル14−1から、加
温媒体をノズル部1aの周囲に噴射し、ノズル部1aを均一
に加熱する。これにより、ノズル部1aの内部での温度低
下に起因したマッドの硬化を確実に防止することもでき
る。
【0066】本実施形態では、蒸気配管7cとCガス配管
7dとを独立して接続するため、例えば、大きな保温効果
を得たい場合にはCガス配管7dを用いてCガスおよび圧
空の混合体を噴射し、小さな保温効果を得たい場合には
蒸気配管7cを用いて蒸気を噴射することができる。これ
により、ノズル部1aの加熱程度を自在に調整することが
できる。
【0067】
【実施例】さらに、本発明にかかるマッドガンの閉塞防
止装置および閉塞防止法を、実施例を参照しながら、詳
細に説明する。
【0068】図5に示す第2実施形態の閉塞防止装置10
−1を備えるマッドガンを用いて、出銑が完了した高炉
の出銑孔の閉塞作業を行った。そして、出銑孔へのマッ
ドの充填が完了するのと同時に、閉塞防止装置10−1に
よりノズル部1aへ工水および圧空からなる冷却媒体をミ
ストとして噴霧した。ミスト量は、図8にグラフで示す
パターンで制御した。ミスト量の制御は、電磁弁12a 、
12b の制御を行う制御装置により、自動的に制御した。
【0069】そして、冷却開始から60分間経過した時
点、すなわちノズル部1aの外面温度が約450 ℃低下して
約50℃になった時点で、冷却媒体の噴霧を停止し、マッ
ドガンを原位置へ復帰させた。
【0070】このように本実施例では、ノズル部温度が
冷却開始時温度 (約500 ℃) 〜1次目標温度(100℃) の
間はミスト量を0.4m3/H に設定し、1次目標温度(100
℃) 〜最終目標温度 (50℃) の間はミスト量を0.4 〜0.
1m3/H にリニアに低下させた。これにより、噴霧された
工水の垂れ落ちは全く生じなかった。
【0071】そして、マッドガンの内部におけるマッド
の焼き付き状況を確認した。その結果、マッドの固化は
発生しておらず、次回の出銑孔閉塞作業にそのまま使用
することができる状態であった。
【0072】このように、本実施例により、マッド使用
量の低減および、いわゆるボタくりをともに解消でき
た。
【0073】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明にかかるマ
ッドガンの閉塞防止装置および閉塞防止法により、ノズ
ル部の交換性を維持しながら、内部におけるマッドの固
化さらには硬化に起因したノズル閉塞を確実に防止する
ことが可能となり、これにより、マッドの使用量および
作業負荷それぞれの低減を図ることが可能となった。
【0074】かかる効果を有する本発明の意義は、極め
て著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるマッドガンの閉塞防止装置の概
要を示す説明図である。
【図2】第1実施形態の閉塞防止装置の一実施形態を示
す説明図である。
【図3】第1実施形態の閉塞防止装置による工水噴霧時
の状況を示す説明図である。
【図4】図4(a) 〜図4(g) は、第1実施形態の閉塞防
止装置を備えるマッドガンにより、高炉の出銑孔の閉塞
を行う手順を経時的に示す説明図である。
【図5】第2実施形態の閉塞防止装置をマッドガンに適
用した状況を示す説明図であり、図5(a) は側面図、図
5(b) は正面図である。
【図6】図6(a) は、第2実施形態におけるミスト噴霧
ノズルを部分的に示す正面図であり、図6(b) は、ミス
ト噴霧ノズルを部分的に示す側面図である。
【図7】第3実施形態の閉塞防止装置をマッドガンに適
用した状況を示す説明図であり、図7(a) は側面図、図
7(b) は正面図である。
【図8】実施例におけるミスト量制御パターンを示すグ
ラフである。
【図9】マッドガンを用いた出銑孔閉塞作業の概要を示
した説明図であり、図9(a) は出銑完了時における出銑
孔近傍の上面図、図9(b) はマッド充填時における出銑
孔近傍の上面図、図9(c) は図9(b) に示すマッド充填
時における出銑孔近傍の側面図である。
【図10】マッドの低粘度化に起因したマッドガン閉塞
に対する従来の手段を示す説明図であり、図10(a) は側
面図、図10(b) は正面図である。
【符号の説明】
1 マッドガン 1a ノズル部 2a 出銑口 7 冷却媒体供給系 10 閉塞防止装置 14 ミスト噴霧ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 裕逸 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 大隅 昭二 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 佐々木 剛 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 三好 右三 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 寺村 正博 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉の出銑口を閉塞するマッドガンの閉
    塞防止装置であって、冷却水および空気からなる冷却媒
    体を供給する冷却媒体供給系と、前記冷却媒体を、マッ
    ドガン外周面のうちの少なくとも先端部へミスト状に噴
    霧する噴射部とを組み合わせて備えることを特徴とする
    マッドガンの閉塞防止装置。
  2. 【請求項2】 高炉の出銑口を閉塞するマッドガンの少
    なくとも先端部における外周面の全部または一部へ、冷
    却水および空気からなる冷却媒体をミスト状に噴霧する
    ことにより、前記マッドガンの内部におけるマッドの固
    化を防止することを特徴とするマッドガンの閉塞防止
    法。
JP33038097A 1997-12-01 1997-12-01 マッドガンの閉塞防止装置および閉塞防止法 Pending JPH11158517A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112458221A (zh) * 2020-12-03 2021-03-09 河北新武安钢铁集团烘熔钢铁有限公司 一种泥炮机旋转接头冷却装置
TWI766247B (zh) * 2019-03-13 2022-06-01 盧森堡商Tmt泰平測量科技公司 流出口塞槍
TWI766246B (zh) * 2019-03-13 2022-06-01 盧森堡商Tmt泰平測量科技公司 流出口塞槍

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